JP2808488B2 - 吸着式冷却装置 - Google Patents

吸着式冷却装置

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JP2808488B2
JP2808488B2 JP2324856A JP32485690A JP2808488B2 JP 2808488 B2 JP2808488 B2 JP 2808488B2 JP 2324856 A JP2324856 A JP 2324856A JP 32485690 A JP32485690 A JP 32485690A JP 2808488 B2 JP2808488 B2 JP 2808488B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、吸着式冷却装置に関する。
[従来の技術] 例えば、自動車、建設機械、マリンボート等のように
内燃機関を動力源とする乗り物の室内あるいは冷蔵庫冷
却用として、第7図に示すように、フロンガスを冷媒と
し前記機関を動力源とする蒸気圧縮式冷却装置が従来よ
り知られている。
この種の蒸気圧縮式冷却装置は、走行乃至作業を目的
とする機関の出力の一部を冷却のために使用するもので
あるから、機関の負担が増加するのみならず、燃料消費
率を低下させる不具合があり、また最近は専らフレオン
を冷媒として使用するのでオゾン層破壊の問題から総量
規制、生産削減等の法規制が取られるに至っている。
そこで、これに対処する目的で、エンジンの排熱を加
熱部の熱源とする吸着式冷凍機を用い、フロンガスを用
いない自動車クーラーが、実開平01−126811号により提
案されている。
この提案は、第8図に示すように、蒸発部2と、蒸発
部2から発生する冷媒蒸気を吸着する吸着部3と、吸着
した冷媒蒸気を加熱により蒸発(脱着の意味と解され
る)させる加熱部4と、加熱部からの蒸気を凝縮させる
凝縮部5とを有する吸着式冷凍機1を設けるとともに、
蒸発器2の熱交換器6を自動車室内冷房用の冷房回路7
に接続し、吸着剤3及び凝縮部5の熱交換器8及び9を
密閉型空冷回路10に接続し、加熱部4の熱交換器11をエ
ンジン熱供給回路12に接続し、熱源として自動車エンジ
ンの冷却排熱の一部を利用するのである。
この構造を詳説すると、第9図に示すように、吸着式
冷凍機1はそれぞれ蒸気流路13により接続された吸着剤
槽14と蒸気槽15とを真空状態のもとに密閉したまま両槽
14、15に熱交換器を各別に設けてなる2個の吸脱ユニッ
トA、Bを設け、吸着剤槽14には冷媒例えば水を一定量
吸着させたシリカ系の固体吸着剤Sを充填する。
そして、吸脱ユニットAの吸着剤槽14の熱交換器を加
熱部4の熱交換器11としてエンジン熱供給回路12に接続
し、吸脱ユニットAの蒸気槽15と吸脱ユニットBの吸着
剤槽14とにおける熱交換器をそれぞれ熱交換器9、8と
して空冷回路10に接続して冷却水を供給する。
更に吸脱ユニットBの蒸気槽15の熱交換器を蒸発部2
の交換器6として冷房回路7に接続する。
このようにして、まず吸脱ユニットAの吸着剤槽14内
の固定吸着剤Sをエンジン熱の供給により加熱し、吸着
していた冷媒水分を蒸発させつつ蒸気流路13を経て熱交
換器9において凝縮させ(これを当出願人は脱着とい
う)、かつ吸脱ユニットBにおいては、吸脱ユニットA
の脱着完了の下に、吸着剤槽14の熱交換器8に30℃程度
の冷水を供給し、蒸気槽15の熱交換器6には冷房回路7
の冷水を通じることにより、冷媒蒸気の吸着作用を発揮
させて、蒸気槽15の熱交換器6に凝縮していた冷媒水を
蒸発させ、そのときの潜熱で冷房回路7の冷水を8℃程
度まで冷却する。
ここで、熱交換器11と8、9と6は対交換して運転さ
れ、蒸気流路13により接続された吸着剤槽14と蒸気槽15
とを真空状態のもとに密閉したまま両槽14、15に熱交換
器を各別に設け、吸着剤槽14には冷媒例えば水を一定量
吸着させたシリカ系の固定吸着剤Sを充填し、吸脱ユニ
ットA、Bの吸着剤槽14は交互に加熱と冷却を受け、対
応する蒸気槽15はそれぞれ凝縮部5(凝縮器)及び蒸発
部2(蒸発器)として交互に作用し、冷房回路は常に蒸
発部に切り替え接続することで、蒸発部の冷媒の蒸発に
伴う潜熱により効果的な冷房作用を行なうのである。
[発明が解決しようとする技術的課題] しかしながら、このような吸着式冷凍機1は、それぞ
れ吸着剤槽14と蒸気槽15とを蒸気通路13により一体に連
結してなる吸脱ユニットA、Bを2基必要とするので、
現在入手し得る固体吸着剤Sの吸着量特性では、吸着剤
槽14はかなり大きな容積を必要とし、蒸発の潜熱を取り
出すための熱交換器の所要面積もかなり大きくなる。
自動車のように、小型、軽量、低燃費(高性能)、無
公害を商品価値の判断尺度に持ち、各種機器の装着密度
の極めて高いものに対する用途のクーラーとしては、低
燃費及びフロンガスに対する無公害の点でこの提案は優
れているが、下記のように、改善すべき点がある。
(1) 内燃機関を動力源とする乗り物その他設備等で
は、前記機関を冷却するための冷却水から得られる排熱
を利用するだけでは、所要温度レベルと熱量とがアイド
リング運転時に不足する。
(2) 吸着剤槽14と蒸気槽15とを一体的に構成するこ
とは、装着の自由度を制約する。
(3) 冷房回路の熱交換器22と吸着式冷凍機1の蒸発
部2(蒸発器)とを兼用することが有利である。
(4) 脱着に便利な熱源としては、固体吸着剤の呼吸
量を多くして蒸発に寄与する冷媒量を多くし、冷房能力
を大きくするには、脱着温度は高いのが好ましく、機関
の冷却水に基づく機関排熱だけでは不十分の場合は機関
の排気が保有する熱も併用するのが望ましい。
本発明はこのような事情に鑑みて提案されたもので、
吸着剤槽を小型化して装着の自由度を大きくするととも
に冷房能力の増加を図る省エネルギかつ無公害の吸着式
冷却装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための技術的手段] そのために本発明の吸着式冷却装置は、作動媒体を低
温時に吸着し高温時に脱着する吸着剤をそれぞれ内蔵
し、同吸着剤による上記作動媒体の吸着あるいは脱着を
交互に切替えることができるように構成された少なくと
も2基の吸脱着器と、同各吸着器内の上記吸着剤を加熱
する加熱媒体を同各吸脱着器に供給する加熱源と、同各
吸脱着器内の上記吸着剤を冷却する冷却媒体を同各吸脱
着器に供給する冷却源とを有する吸着式冷却装置であっ
て、それぞれ上記各吸脱着器を構成しかつ互いに離隔し
て個別に配設することができる2基の吸着剤充填槽100
A、100Bと、同2基の吸着剤充填槽100A、100Bのうちの
一方の吸着剤充填槽内の熱交換部材110と他方の吸着剤
充填槽内の熱交換部材110とを交互に択一的に選択し、
選択した一方の熱交換部材110を上記加熱源側に連通さ
せる第1の3方向切替弁900と、上記2基の吸着剤充填
槽100A、100Bのうちの一方の吸着剤充填槽内の熱交換部
材110が上記加熱源側に連通する際には他方の吸着剤充
填槽内の熱交換部材110を冷却媒体循環回路300に連通さ
せる第2の3方向切替弁1000と、上記2基の吸着剤充填
槽100A、100Bのうちの一方の吸着剤充填槽内の熱交換部
材110が上記加熱源側に連通したことにより同加熱源側
に連通した熱交換部材110を有する側の吸着剤充填槽内
で脱着した作動媒体を、密閉循環系形成手段800を介し
て、上記2基の吸着剤充填槽100A、100Bのうちの上記冷
却媒体循環回路300に連通している熱交換部材110を有す
る側の吸着剤充填槽内へ移動させる4方切替弁700とを
有し、上記密閉循環系形成手段800が、上記加熱源側に
連通した熱交換部材110を有する側の吸着剤充填槽内で
脱着した作動媒体を液化させる凝縮器400と、同凝縮器4
00により液化された同作動媒体を貯溜する凝縮液体貯溜
用容器500と、同凝縮液体貯溜用容器500に一旦貯溜され
た上記作動媒体を蒸発させる蒸発器600とが直列に配設
された作動媒体通路により構成されている吸着式冷却装
置であって、記冷却媒体循環回路300が、上記凝縮器400
と、同凝縮器400において上記作動媒体を液化させた後
の冷却媒体を空気により冷却する空気冷却器310とを有
し、上記蒸発器600が、冷却負荷610から上記蒸発器600
へと送られた冷却負荷610用冷却媒体を冷却する冷却負
荷610用冷却媒体回路と、上記冷却負荷610用冷却媒体を
冷却する際に発生して排出されるドレン水を上記空気冷
却器310および上記凝縮器400のうちの少なくとも一方へ
と送り同ドレン水によっても上記冷却媒体循環回路300
内の冷却媒体を冷却するドレン水回路とに接続されてい
ることを特徴としている。
また本発明の吸着式冷却装置において、上記第1の3
方向切換弁900が、上記各吸着剤充填槽100A、100Bのう
ちのいずれか一方の吸着剤充填槽内の熱交換部材110
を、機関211の排気熱交換器220からラジエーター212へ
と向かう途中の分流弁213を介して、同排気熱交換器220
および同ラジエーター212が並列に接続されている上記
加熱源としての機関冷却水循環回路に連通させるように
構成されていることを特徴としている。
[作用] このような本発明の構成によれば、2基の吸着剤充填
槽100A、100Bの設置に際しては、各吸着剤充填槽100A、
100Bを設置場所のさまざまな条件に対応して設置場所が
狭隘な場所であっても各吸脱着器を互いに離隔して個別
に配設することができる。作動に当たっては、第1の3
方向切替弁900が、2基の吸着剤充填槽100A、100Bのう
ちの一方の吸着剤充填槽内の熱交換部材110と他方の吸
着剤充填槽内の熱交換部材110とを交互に択一的に選択
し、選択した一方の熱交換部材110を加熱源側に連通さ
せる。第2の3方向切替弁1000は、上記各吸着剤充填槽
100A、100Bのうちの一方の吸着剤充填槽内の熱交換部材
110が上記加熱源側に連通されると他方の吸着剤充填槽
内の熱交換部材110を冷却媒体循環回路300に連通させ
る。
4方切替弁700は、上記各吸着剤充填槽100A、100Bの
うちの一方の吸着剤充填槽内の熱交換部材110が上記加
熱源側に連通すると、同加熱源側に連通した熱交換部材
110を有する側の吸着剤充填槽内で脱着した作動媒体
を、同作動媒体を液化させる凝縮器400と同凝縮器400に
より液化された同作動媒体を貯溜する凝縮液体貯溜用容
器500と同凝縮液体貯溜用容器500に一旦貯溜された同作
動媒体を蒸発させる蒸発器600とが直列に配設された作
動媒体通路としての密閉循環系形成手段800を介して、
上記各吸着剤充填槽100A、100Bのうちの上記冷却媒体循
環回路300に連通している熱交換部材110を有する側の吸
着剤充填槽内へ移動させる。
また、上記冷却媒体循環回路300内の冷却媒体は、上
記凝縮器400において上記作動媒体を液化させた後、空
気冷却器310へ送られ、空気冷却器310において空気によ
り冷却される。上記蒸発器600が、冷却負荷610から、冷
却負荷610用冷却媒体回路を介して、上記蒸発器600へと
送られた冷却負荷610用冷却媒体を冷却するとともに、
同冷却負荷610用冷却媒体を冷却する際に上記蒸発器600
内において発生して同蒸発器600から排出されたドレン
水が、ドレン水回路を介して、上記空気冷却器310およ
び上記凝縮器400のうちの少なくとも一方へと送られ、
上記冷却媒体循環回路300内の冷却媒体を、上記空気冷
却器310における空気による冷却に加えて、冷却する。
さらに、上記第1の3方向切替弁900は、上記2基の
吸着剤充填槽100A、100Bのうちのいずれか一方の吸着剤
充填槽内の熱交換部材110を、上記分流弁213を介して、
同排気熱交換器220および同ラジエーター212が並列に接
続されている上記加熱源としての機関冷却水循環回路に
連通させる。
上記各吸着剤充填槽100A、100Bに容量に比して小型化
することが可能となり、配置および装着の際には据付け
の自由度が大きく、冷房能力を増加させることができ
て、省エネルギで、無公害の吸着式冷却装置を得ること
が可能となる。
[実施例] 本発明の一実施例を図面について説明すると、第1図
はその全体系統図、第2図は第1図の変形例を示す同じ
く全体系統図、第3図、第4図、第5図はそれぞれ吸着
剤の吸着等温線を示す線図、第6図は吸着質の呼吸量の
比較例を示す線図である。
まず、第1図において、100A、100Bはそれぞれ吸着剤
充填槽、101は吸着剤充填槽内の空所、110は熱交換部
材、120は固定吸着剤、130は筒状容器、131A、131Bは熱
媒体供給口、200は加熱用熱媒体回路、また210は機関の
冷却水循環回路、211は機関、212はラジエーター、さら
に213は分流弁、214はポンプ、215はパイピング、220は
排気熱交換器、300は冷却水循環回路、310は空気冷却
器、320はポンプ、400は凝縮器、500は凝縮液体貯溜容
器、600は蒸発器、601はドレン、611はダクト、612は送
風機、700は4方切替弁、800は密閉循環系形成手段、81
0は蒸気通路、811は絞り弁、900は加熱用熱媒体回路200
の方向切替弁、1000は冷却水循環回路300の方向切替
弁、1100は水冷媒(吸着質)である。
本発明の吸着式冷却装置において、2基の吸着剤充填
槽100A、100Bのそれぞれ内部と固体吸着剤120のなす空
所101は、4方切替弁900を介して単一の蒸気通路810に
より連結され、各吸着剤充填槽100A、100Bの熱交換部材
110は入口及び出口側で夫々加熱用熱媒体回路200と冷却
水循環回路300とに、方向切替弁900及び1000を介して並
列接続され、方向切替弁の選択的切替えにより、一方の
吸着剤充填槽を加熱し他方を冷却することができる。
凝縮器400、凝縮液体貯溜容器500、蒸発器600は一方
の吸着剤充填槽の空所から他方の吸着剤充填槽の空所
へ、密閉循環系形成手段800と4方切替弁700とを介して
密閉的に連結され、4方切替弁700の切替え操作によ
り、脱着工程にある吸着剤充填槽から脱着(又は放出)
される吸着質蒸気を、吸着工程にある吸着剤充填槽に向
け一方向的に蒸気通路810を介して供給する。蒸気通路8
10へ供給された蒸気は凝縮器400で凝縮され、一旦、凝
縮液体貯溜容器500に溜められた後、蒸発器600において
冷却負荷610から蒸発熱を奪って蒸発し、吸着工程にあ
る吸着剤充填槽内の吸着剤に吸着される。
加熱用熱媒体回路200は、例えば乗物の動力源となる
内熱機関211を冷却するための、ラジエーター212、ポン
プ214、パイピング215よりなり、冷却水循環回路210に
排気熱交換器220を直列又は並列に接続して、分流弁213
を介して、ラジエーター212と吸着剤充填槽とを並列接
続する。
このようにして、機関211のシリンダー部を冷却して
得られるより高温の熱源が得られる。
蒸発器600からの蒸気通路810の上流又は下流側には、
負荷に適合した蒸気供給を行なうため適宜絞り811を設
ける。蒸発器600の負荷は、例えばダクト611を介し送風
機612により送られる車室内の空気であり、冷却に伴っ
て当然ドレンが発生するので、これを空気冷却器310あ
るいは凝縮器400、または空気冷却器310および凝縮器40
0の両方における冷却、すなわち、冷却水循環回路300の
冷却媒体の冷却に用いて性能向上を図る。なお、4方切
替弁700、方向切替弁900、1000は2方向弁を用いて第2
図に示すようにしても良い。
このようにな装置によれば、下記の作用が行なわれ
る。
(a)固定吸着剤の吸着特性と蒸気移動 基体と個体とを接触させると、気相から分子の消失が
生じ、消失分子が固体内に入ったときを吸着、表面に溜
っているときを吸着(Absorption)、吸着分子が気相に
戻ることを脱着とすると、吸着は2相の接する界面で1
つの相の濃度がその内部の濃度と異なる現象といえる。
この場合、濃度が変化した物質が他方の物質に吸着され
る訳で、吸着する物質を吸着剤(Absorbent)、吸着さ
れる物質を吸着質ということは一般に知られている。
吸着剤単位重量当たりの吸着質の量は吸着量(CCat0
℃、1atm/g、Mo1/g、mg/g)と定義され、重量%で定義
される場合もある。
吸着現象は、物理吸着と化学吸着とに大別され、物理
吸着は主に吸着剤と吸着質の分子間に作用するファンデ
ルワールス(van der Waals)の力に基づき、吸着に
際し吸着熱を放出する可逆現象であり分子吸着といわれ
る。化学吸着は主に原子価力に基づく吸着剤と吸着質の
分子の結合現象と考えられ、不可逆現象である。
吸着量は吸着剤と吸着質との組み合わせにより大きな
差異があるが、その組み合わせが特定されれば、吸着量
qは圧力pと温度Tの関数として決まる。
すなわち、 q=q(P,T) (1) 温度一定の時の吸着量は圧力のみの関数で、これをq
とすれば、 q=q(P) (2) であり吸着等温線と呼ばれる。
圧力一定の時の吸着量をpとすれば、これは、 q=q(T) (3) で現わされ、各温度での吸着等温線が測定されれば求ま
る。またこのとき、等吸着量線と呼ばれる吸着量が一定
の特性は、 P=q(T) (4) として求まる。
冷媒として作用させる水を吸着質とし、吸着剤を (イ)JIS A型シリカゲル (ロ)モレキュラシブ13X (ハ)モレキュラシブ 4X としたときの吸着等温線を示すと、それぞれ第3図、第
4図、第5図に示す通りである。
例えばJIS A型シリカゲルと水の場合は第3図に示
すように、 水蒸気分圧42.2mmHg(相当飽和温度35℃)、 吸着剤温度85℃のとき、 qt=85=5% 水蒸気分圧6.5mmHg(相当飽和温度5℃)、 吸着剤温度35℃のとき、 qt=35=9% とそれぞれ異なった吸着量を示す。
そして、この変化は前述の通り可逆変化であるから、
吸着剤の温度とそれに対応する吸着質の圧力を適宜選択
すれば、所定量の吸着質の出し入れが可能となり、上記
の例では吸着量の変化量(呼吸量とも表現できる)△q
は4%、すなわち吸着剤1Kg当たり40gの水分量の移動と
なる。
本発明では吸着剤と吸着質とを充填した容器を2基設
け、それぞれ容器内の吸着剤と吸着質との界面の上記2
水準の圧力と温度とを、一方が高い水準で脱着工程にあ
るとき他方が低い水準の吸着工程になるように選択的に
切り替えることで、脱着工程にある一方の容器内(又は
容器内の吸着剤)から放出される蒸気は吸着工程にある
他方の容器内(又は容器内の吸着剤)に吸引され、他方
の容器(又は容器内の吸着剤)は一種の吸引ポンプ的作
用をする。容器へ又は容器からの吸着質の移動は気相で
進行するから、これが円滑に進むように、つまり吸着質
の吸着剤への接触と吸着剤からの分離の均一化のため
に、容器内には吸着質蒸気の通路となる空所が設けら
れ、ここに連結する流路を介して蒸気移動がなされる。
(d) 吸着剤界面への熱量の供給と除去 吸着剤の温度を上げ下げするためには、加熱のための
熱源と冷却のための冷却源とを要し、そのために筒状容
器130の内部に、吸着剤が熱交換部材110の表面を覆うよ
うにして熱交換部材110を設け、その内部に熱媒体通路
を内蔵させ、熱媒体供給口131A、131Bを介して外部と連
通させる。
それぞれ吸着剤充填槽100A、100Bの熱媒体供給口131
A、131Bの入口と出口とを、1対の方向切替弁900、1000
により、加熱用熱媒体回路200と冷却水循環回路300とに
並列的に選択的に接続することにより、熱媒体供給口13
1A、131Bの入口と出口とを、加熱源である高温液状の加
熱用熱媒体のための加熱用熱媒体回路200と、冷却源で
ある空気冷却器310を有する冷却水循環回路300とに選択
的に接続し、吸着剤充填槽100Aおよび100Bに対し、加熱
と冷却を行なう。その結果、一方の吸着剤の界面では脱
着、他方の吸着剤の界面では吸着が進行する。
(C) 吸着質蒸気の凝縮と蒸発 脱着と吸着に伴う吸着質蒸気の単なる移動では熱力学
的冷却作用は起こらないので、吸着質の潜熱を取り出す
には脱着により得られる吸着質蒸気を冷却して一旦凝縮
させた後、これを蒸発させる工程が不可欠である。
本発明ではこの脱着蒸気の凝縮を、空気冷却器310を
有する冷却水循環回路300により冷却される凝縮器400を
介して行ない、凝縮器400で凝縮した液化吸着質を蒸発
器600において蒸発させ、所望の媒体から熱を奪う、す
なわち冷却作用を取り出す。
その際、凝縮器400と蒸発器600の圧力は動作変数とし
て気液平衡の関係から、例えば、 凝縮濃度が35℃ならば42.2mmHg、 蒸発温度が 5℃ならば 6.5mmHg となり、熱の授受を伴うこの条件を満たすように、凝縮
器400と蒸発器600とを設計する。
(d) 蒸気流路の切替え 2基の吸着剤を充填槽の内部は、4方切替弁700の2
つの流路を介して連通し、4方切替弁700の流路のうち
他の2つの流路は、一方から他方に向かって、凝縮器40
0、液体貯溜用容器500、蒸発器600の順に連結する密閉
循環系形成手段800により密閉的に連結されて単一の蒸
気流路を形成する。
そしてこれらは単一の蒸気流路を形成し、2基の吸着
剤充填槽がそれぞれ脱着と吸着とを交互に繰り返すのに
対し、常に脱着側の吸着剤充填槽の空所は凝縮器400の
入口側に、吸着側の吸着剤充填槽の空所は蒸発器600の
出口側に連結され、一方向蒸気流を生成する。
(e) 脱着と吸着作用切替えに伴う蒸気流量変動の抑
制 液体貯溜用容器500は2基の吸着剤充填槽の脱着と吸
着とに交互に切替えしたとき、蒸気流路内の蒸気量変動
を抑制するバッファーの作用を行なう。
(f) 冷却作用 凝縮器400で液化された吸着質は、蒸発器600の入口部
でその圧力飽和温度まで自己冷却し、その後、冷却負荷
である媒体から熱を奪って蒸発する。
例えば蒸発圧力飽和温度が5℃のとき、水の蒸発潜熱
は、1968日本機械学会蒸気表により、594.6Kcal/kgであ
るから、単位重量(1kg)の吸着剤当たり23.8Kcalの冷
却効果を得る。
(g)内熱機関の排熱回収 自動車、建設機械、マリンボート等のように内燃機関
を動力源とする乗り物の、又はディーゼル発電機等を装
備する設備等に用いられる内燃機関の冷却は冷却水循環
回路210により、機関のシリンダー周りに冷却水を循環
的に流してなされる。
この冷却水循環回路210に排気熱交換機220を直列又は
並列接続して、機関の排熱を回収し従来の冷却水循環回
路210で回収されるより高温かつ所定量の熱回収を行な
い、吸着剤の脱着温度を高め、吸着質の呼吸量を増加
し、以て吸着剤の単位重量当りの蒸気発生量を増加さ
せ、冷却効果を高める。
更に付言すれば、同じ冷却効果を得るのに対し少ない
吸着剤量で済み、吸着剤充填槽の小型化、軽量化をもた
らす。
また、車両の冷房負荷は、車種、運転条件、気象条件
により異なるが、一例を挙げると次の如くなる。すなわ
ち、排気量2000ccクラスの乗用車の場合、 外気温度 35℃ 車室内温度 25℃ とすると、 車速40Km/h走行時、約3500Kcal/h アイドリング運転時、約2500Kcal/h となる。
他方、特にアイドリング運転時に着目すると、既設の
冷却水系に於けるラジエーターの放熱量は約2600Kcal/h
と見積もられる。加熱に用いられる熱量に対し冷却に寄
与する熱量は、この種の冷却装置の成績係数が0.5〜0.7
であることを考慮すれば、不足することが解る。
ここで、排気の保有する熱量を、200℃程度まで回収
すれば、内燃機関から全体として回収される熱量は約45
00Kcal/hと見積もられ、冷房負荷を十分賄い得る熱量で
ある。走行条件に付いても同様に熱勘定でき、排気熱回
収が必要である。
(h)空気冷房器あるいは凝縮能力増加蒸発器600には
冷却負荷として水蒸気を含んだ空気が作用するので、蒸
発器で冷却された空気中の水蒸気の飽和分圧は下がり、
余分の水蒸気はドレン水601として含離される。この冷
えたドレン水601を冷却水循環回路300の空気冷却器31
0、あるいは、冷却水循環回路300で冷却される凝縮器40
0の冷却に使えば、冷熱の損失防止と空気冷却器あるい
は凝縮器の能力増加に役立つ。
(i)吸着剤の選定 吸着質が決まり、吸着温度、脱着温度、蒸発圧力、凝
縮圧力が決まると、吸着剤の選定いかんは吸着式冷却器
の単位重量当たりの冷却能力を支配する要因となる。
吸着質を水とし、吸着温度/脱着温度=35℃/85℃、
蒸発温度飽和圧力/凝縮温度飽和圧力=6.5mmHg/42.2mm
Hg、に対する吸着剤の呼吸量は下記の通りであり、 (イ)4.0%(ロ)3.2%(ハ)2.5%(ニ)1.5% ただし、 (イ)JIS A型シリカゲル (ロ)活性アルミナ (ハ)ゼオライト4A (ニ)ゼオライト13X であり、Åオーダーの粒状多孔のJIS A型シリカゲル
〜活性アルミナが吸着剤として好適である。
このような装置によれば、下記の効果が奏せられる。
(1) 吸着剤槽と蒸気槽とは、互いに分離構成されて
いるので、その設置はかなり自由になる。
(2) 冷却回路の熱交換器と吸着式冷凍機の蒸発部
(蒸発器)とを兼用することにより、構造が簡単にな
る。
(3) 脱着のための熱源としては、固有吸着剤の呼吸
量を多くして蒸発に寄与する冷媒の量を多くし、冷房能
力を大きくするには、脱着温度は高いのが好ましく、機
関の冷却水に基づく機関排熱だけでは不十分の場合に
は、機関の排気が保有する熱も利用して吸着質の呼吸量
増加に寄与し、冷却装置の単位重量当たりの冷却能力は
向上する。
(4) 蒸気流路は唯一であり、この種の冷却装置とし
ては極めて簡素な構成であり小型化及び軽量化に寄与す
るところ大であるとともに、極めて簡素な構成による信
頼性増加も期待できる。
(5) 軽量化とエンジン動力を要しないことに伴い、
乗り物の運搬動力は低減され、燃費向上になる。
(6) フロン系冷媒を使わずに冷却能力を取り出すこ
とができるので、オゾン層破壊の防止に寄与するところ
大である。
[発明の効果] 本発明の吸着式冷却装置によれば、以下のような効果
が得られる。
(1)作動媒体を低温時に吸着し高温時に脱着する吸着
剤をそれぞれ内蔵し、同吸着剤による上記作動媒体の吸
着あるいは脱着を交互に切替えることができるように構
成された少なくとも2基の吸脱着器と、同各吸脱着器内
の上記吸着剤を加熱する加熱媒体を同各吸脱着器に供給
する加熱源と、同各吸脱着器内の上記吸着剤を冷却する
冷却媒体を同各吸脱着器に供給する冷却源とを有する吸
着式冷却装置であって、それぞれ上記各吸脱着器を構成
しかつ互いに離隔して個別に配設することができる2基
の吸着剤充填槽100A、100Bと、同2基の吸着剤充填槽10
0A、100Bのうちの一方の吸着剤充填槽内の熱交換部材11
0と他方の吸着剤充填槽内の熱交換部材110とを交互に択
一的に選択し、選択した一方の熱交換部材110を上記加
熱源側に連通させる第1の3方向切替弁900と、上記2
基の吸着剤充填槽100A、100Bのうちの一方の吸着剤充填
槽内の熱交換部材110が上記加熱源側に連通する際には
他方の吸着剤充填槽内の熱交換部材110を冷却媒体循環
回路300に連通させる第2の3方向切替弁1000と、上記
2基の吸着剤充填槽100A、100Bのうちの一方の吸着剤充
填槽内の熱交換部材110が上記加熱源側に連通したこと
により同加熱源側に連通した熱交換部材110を有する側
の吸着剤充填槽内で脱着した作動媒体を、密閉循環系形
成手段800を介して、上記2基の吸着剤充填槽100A、100
Bのうちの上記冷却媒体循環回路300に連通している熱交
換部材110を有する側の吸着剤充填槽内へ移動させる4
方切替弁700とを有し、上記密閉循環系形成手段800が、
上記加熱源側に連通した熱交換部材110を有する側の吸
着剤充填槽内で脱着した作動媒体を液化させる凝縮器40
0と、同凝縮器400により液化された同作動媒体を貯溜す
る凝縮液体貯溜用容器500と、同凝縮液体貯溜用容器500
に一旦貯溜された上記作動媒体を蒸発させる蒸発器600
とが直列に配設された作動媒体通路により構成されてい
る吸着式冷却装置であって、上記冷却媒体循環回路300
が、上記凝縮器400と、同凝縮器400において上記作動媒
体を液化させた後の冷却媒体を空気により冷却する空気
冷却器310とを有し、上記蒸発器600が、冷却負荷610か
ら上記蒸発器600へと送られた冷却負荷610用冷却媒体を
冷却する冷却負荷610用冷却媒体回路と、上記冷却負荷6
10用冷却媒体を冷却する際に発生して排出されるドレン
水を上記空気冷却器310および上記凝縮器400のうちの少
なくとも一方へと送り同ドレン水によっても上記冷却媒
体循環回路300内の冷却媒体を冷却するドレン水回路と
に接続されているので、2基の吸着剤充填槽100A、100B
の設置に際しては、各吸着剤充填槽100A、100Bを設置場
所のさまざまな条件に対応して設置場所が狭隘な場所で
あっても各吸脱着器を互いに離隔して個別に配設するこ
とができ、作動に当たっては、第1の3方向切換弁900
が、各吸着剤充填槽100A、100Bのうちの一方の吸着剤充
填槽内の熱交換部材110と他方の吸着剤充填槽内の熱交
換部材110とを交互に択一的に選択し、選択した一方の
熱交換部材110を加熱源側に連通させることができ、ま
た、第2の3方向切換弁1000が、上記各吸着剤充填槽10
0A、100Bのうちの一方の吸着剤充填槽内の熱交換部材11
0が上記加熱源側に連通されると他方の吸着剤充填槽内
の熱交換部材110を冷却媒体循環回路300に連通させるこ
とができる。そして、4方切換弁700が、上記各吸着剤
充填槽100A、100Bのうちの一方の吸着剤充填槽内の熱交
換部材110が上記加熱源側に連通すると、同加熱源側に
連通した熱交換部材110を有する側の吸着剤充填槽内で
脱着した作動媒体を、同作動媒体を凝縮させる凝縮器40
0と同凝縮器400により液化された同作動媒体を貯溜する
凝縮液体貯溜用容器500と同凝縮液体貯溜用容器500に一
旦貯溜された同作動媒体を蒸発させる蒸発器600とが直
列に配設された単一の作動媒体通路としての密閉循環系
形成手段800を介して、上記各吸着剤充填槽100A、100B
のうちの上記冷却媒体循環回路300に連通している熱交
換部材110を有する側の吸着剤充填槽内へ移動させるこ
とができる。吸着剤の吸脱着作用を大幅に向上させるこ
とができることにより、上記各吸着剤充填槽100A、100B
を容量に比して小型化することが可能となり、上述のと
おり配置および装着の際には据付けの自由度が大きく、
冷房能力を増加させることができて、省エネルギで、無
公害の吸着式冷却装置を得ることが可能となり、さら
に、上記冷却水循環回路300が凝縮器400および空気冷却
器310を有する一方、上記蒸発器600が冷却負荷610用冷
却回路における冷却器として利用され、上記蒸発器600
から排出されるドレン水が、上記空気冷却器310および
凝縮器400のうちの少なくとも一方へと送られて上記冷
却媒体循環回路300の冷却媒体を冷却する冷却水として
利用することができ、冷熱の損失防止と空気冷却器ある
いは凝縮器の能力増加とを図ることができる(第1
項)。
(2) 上記第1の3方向切換弁900が、上記各吸着剤
充填槽100A、100Bのうちのいずれか一方の吸着剤充填槽
内の熱交換部材110を、機関211の排気熱交換器220から
ラジエーター212へと向かう途中の分流弁213を介して、
同排気熱交換器220および同ラジエーター212が並列に接
続されている上記加熱源としての機関冷却水循環回路に
連通させるように構成されているので、上記第1の3方
向切換弁900が、上記各吸着剤充填槽100A、100Bのうち
のいずれか一方の吸着剤充填槽内の熱交換部材110を、
機関211の排気交換器220からラジエーター212へと向か
う途中の分流弁213を介して、同排気熱交換器220および
同ラジエーター212が並列に接続されている上記加熱源
としての機関冷却水循環回路に連通させるように構成さ
れているので、第1の3方向切換弁900が、上記各吸着
剤充填槽100A、100Bのうちのいずれか一方の吸着剤充填
槽内の熱交換部材110を、上記分流弁213を介して、同排
気熱交換器220および同ラジエーター212が並列に接続さ
れている加熱源としての機関冷却水循環回路に連通させ
ることができ、内燃機関等の機関の排熱の回収量を増加
することにより吸着剤の脱着温度を高めて吸着剤の吸着
量を増加し、もって吸着剤の単位重量当たりの作動媒体
の蒸気発生量を増加し、その分冷却効果を高め、ひいて
は吸着剤充填槽の小型化および軽量化を図ることができ
る(第2項)。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す全体系統図、第2図は
第1図の変形例を示す同じく全体系統図、第3図〜第5
図は代表的な吸着剤の吸着等温線を示す線図、第6図は
吸着質の呼吸量の比較例を示す線図である。第7図は従
来のフロンガスを使用したカークーラーシステムを示す
系統図、第8図は従来の吸着式カークーラーを示す系統
図、第9図は第8図の詳細図である。 100A,100B……吸着剤充填槽 101……吸着剤充填槽内の空所 110……熱交換部材 120……固定吸着剤 130……筒状容器 131A,131B……熱媒体供給口 200……加熱用熱媒体回路 210……機関の冷却水循環回路 211……機関 212……ラジエーター 213……分流弁 214……ポンプ 215……パイピング 220……排気熱交換器 300……冷却水循環回路 310……空気冷却器 320……ポンプ 400……凝縮器 500……凝縮液体貯溜容器 600……蒸発器 601……ドレン 610……冷却負荷 611……ダクト、 612……送風機、 700……4方切替弁、 800……密閉循環系形成手段 810……蒸気通路 811……絞り弁 900……方向切替弁 1000……方向切替弁、 1100……水冷媒(吸着質)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−272268(JP,A) 特開 昭61−143666(JP,A) 特開 昭60−238657(JP,A) 特開 昭63−187079(JP,A) 実開 平1−126811(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動媒体を低温時に吸着し高温時に脱着す
    る吸着剤をそれぞれ内蔵し、同吸着剤による上記作動媒
    体の吸着あるいは脱着を交互に切替えることができるよ
    うに構成された少なくとも2基の吸脱着器と、同各吸脱
    着器内の上記吸着剤を加熱する加熱媒体を同各吸脱着器
    に供給する加熱源と、同各吸脱着器内の上記吸着剤を冷
    却する冷却媒体を同各吸脱着器に供給する冷却源とを有
    する吸着式冷却装置であって、それぞれ上記各吸脱着器
    を構成しかつ互いに離隔して個別に配設することができ
    る2基の吸着剤充填槽100A、100Bと、同2基の吸着剤充
    填槽100A、100Bのうちの一方の吸着剤充填槽内の熱交換
    部材110と他方の吸着剤充填槽内の熱交換部材110とを交
    互に択一的に選択し、選択した一方の熱交換部材110を
    上記加熱源側に連通させる第1の3方向切替弁900と、
    上記2基の吸着剤充填槽100A、100Bのうちの一方の吸着
    剤充填槽内の熱交換部材110が上記加熱源側に連通する
    際には他方の吸着剤充填槽内の熱交換部材110を冷却媒
    体循環回路300に連通させる第2の3方向切替弁1000
    と、上記2基の吸着剤充填槽100A、100Bのうちの一方の
    吸着剤充填槽内の熱交換部材110が上記加熱源側に連通
    したことにより同加熱源側に連通した熱交換部剤110を
    有する側の吸着剤充填槽内で脱着した作動媒体を、密閉
    循環系形成手段800を介して、上記2基の吸着剤充填槽1
    00A、100Bのうちの上記冷却媒体循環回路300に連通して
    いる熱交換部材110を有する側の吸着剤充填槽内へ移動
    させる4方切替弁700とを有し、上記密閉循環系形成手
    段800が、上記加熱源側に連通した熱交換部材110を有す
    る側の吸着剤充填槽内で脱着した作動媒体を液化させる
    凝縮器400と、同凝縮器400により液化された同作動媒体
    を貯溜する凝縮液体貯溜用容器500と、同凝縮液体貯溜
    用容器500に一旦貯溜された上記作動媒体を蒸発させる
    蒸発器600とが直列に配設された作動媒体通路により構
    成されている吸着式冷却装置であって、上記冷却媒体循
    環回路300が、上記凝縮器400と、同凝縮器400において
    上記作動媒体を液化させた後の冷却媒体を空気により冷
    却する空気冷却器310とを有し、上記蒸発器600が、冷却
    負荷610から上記蒸発器600へと送られた冷却負荷610用
    冷却媒体を冷却する冷却負荷610用冷却媒体回路と、上
    記冷却負荷610用冷却媒体を冷却する際に発生して排出
    されるドレン水を上記空気冷却器310および上記凝縮器4
    00のうちの少なくとも一方へと送り同ドレン水によって
    も上記冷却媒体循環回路300内の冷却媒体を冷却するド
    レン水回路とに接続されていることを特徴とする、吸着
    式冷却装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲(1)に記載の吸着式冷却
    装置において、上記第1の3方向切換弁900が、上記各
    吸着剤充填槽100A、100Bのうちのいずれか一方の吸着剤
    充填槽内の熱交換部材110を、機関211の排気熱交換器22
    0からラジエーター212へと向かう途中の分流弁213を介
    して、同排気熱交換器220および同ラジエーター212が並
    列に接続されている上記加熱源としての機関冷却水循環
    回路に連通されるように構成されていることを特徴とす
    る、吸着式冷却装置。
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