JP2807727B2 - 熱処理用原反及びその製造装置 - Google Patents

熱処理用原反及びその製造装置

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JP2807727B2 JP25183689A JP25183689A JP2807727B2 JP 2807727 B2 JP2807727 B2 JP 2807727B2 JP 25183689 A JP25183689 A JP 25183689A JP 25183689 A JP25183689 A JP 25183689A JP 2807727 B2 JP2807727 B2 JP 2807727B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱処理用原反及びその製造装置に関し、さ
らに詳しくは、光学的等方性に優れたフイルムを容易に
して、かつ効率的に生産するための熱処理用原反及びそ
の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、光学的に等方性を有するフイルムは、時計、テ
レビ、ICカード、ワープロ、パソコン、時器盤及び各種
表示盤等に広く使用されている液晶表示部及びエレクト
ロルミネッセンス表示部及び偏光板等の透明導電フイル
ム用及び表面保護フイルム用として、また光フロッピー
ディスク及び光カード等に、近年特に使用されてきてい
る。
これら光学的等方性を有するフイルムを効率的に生産
するための熱処理用原反は、未だほとんど提案されてお
らず、もっぱらフイルムを生産する熱処理装置及び方法
の改良が提案されていたにすぎない。例えば、特開昭62
−87321号に示すように、フイルム端部をフイルム中央
部より温度を低くし、かつ複屈曲をコントロールし、厚
みを厚くして延伸する方法及び特開昭62−222812号に示
すように、熱処理工程においてTgより−5℃〜−90℃の
温度範囲で1分以上熱処理する方法等である。
よって業界からは、フイルム熱処理装置を新たに設置
することなく、従来使用していた熱処理装置をほとんど
変えることなく、光学的等方性に優れたフイルムを容易
にして、かつ効率的に得る技術の開発が熱望されてい
た。
〔発明の解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、従来技術が有していた前述の問題点
を解決しようとするものであり、従来知られていなかっ
た全く新規な熱処理用原反及びその製造装置を提供する
ことにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、フイルム巾方向におけるフイルム断面において、少
なくとも1端にフイルム巾(L)に対して(10/1000)
・L以上の巾で、フイルム膜厚(D)に対して(1/10)
・D以上の深度の溝を有することを特徴とする熱処理用
原反を提供するものである。
本発明による熱処理用原反において、フイルム巾方向
におけるフイルム断面の1例を概略的に第1および2図
に示した。第1および2図において、1は熱処理用原
反、2は溝、Lはフイルムの巾、Dはフイルム膜厚、W
は溝の巾、Tは溝の深度である。
本発明において「溝」とは、フイルム巾方向における
フイルム断面において、少くとも1端好ましくは両端部
に存在しているものであり、溝の巾は、フイルム巾
(L)に対して(10/1000)・L以上、好ましくは(15/
1000)・L以上、さらに好ましくは(20/1000)・L以
上で、溝の深度はフイルム膜厚(D)に対して(1/10)
・D以上、好ましくは(2/10)・D以上、さらに好まし
くは(4/10)・D以上である。また溝の形状は特に制限
されるものではなく、いづれの形状でも良いが、第2図
に示したとおり、曲線からなっているものが好ましい。
さらに、本発明でいう「熱処理用原反」は特に制限さ
れるものではなく、熱可塑性樹脂によるフイルム原反で
あれば、いづれのフイルム原反でも良い。熱可塑性樹脂
としては特に制限はなく、いづれの熱可塑性樹脂でも使
用され、例えば、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレ
ン(PP)等のオレフイン系樹脂;ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリ塩化ビニリデン(P
VDC)、ポリビニルアルコール(PVA)及びポリスチレン
(PS)等のビニル系樹脂;セロローズジアセテート(CD
A)、セルローズトリアセテート(CTA)、セルローズア
セテートブチレート(CAB)多びセルローズプロピオネ
ート等のセルロース系樹脂;ナイロン6、ナイロン66及
びナイロン11等のアミド系樹脂;ポリアクリレート(P
A)及びポリメタアクリレート等のアクリル系樹脂;ウ
レタン系樹脂;ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポ
リビニルジフロライド(PVDF)、ポリビニルフロライド
(PVF)、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体(E
TFE)、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレ
ン共重合体(FEP)、ポリモノクロロトリフロロエチレ
ン(PCTFE)、エチレン−モノクロロトリフロロエチレ
ン共重合体(ECTFE)、テトラフロロエチレン−ポリフ
ロロビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素樹脂;
各種エンジニアリングプラスチック及び芳香族ポリエス
テル系樹脂等があり、中でもフッソ系樹脂、エンジニア
リングプラスチックス及び芳香族ポリエステル系樹脂が
好ましく、さらに芳香族ポリエステル系樹脂が好まし
い。
ここで、エンジニアリングプラスチックスとしては、
例えば、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリア
ミドイミド(PAI)、ポリフエニレンオキシド(PPO)、
ポリフエニレンエーテル(PPE)、ポリアセタール(PO
M)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアリルスルホ
ン(PAS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエ
ーテルイミド(PEI)、ポリベシツイミダゾール(PB
I)、ポリイミダゾピロン(PIP)、ポリエーテルエーテ
ルケトン(PEEK)、ポリパラバン酸(PPA)、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)及びポリブチレンテレフタ
レート(PBT)等があり、中でもPES、PEEK及びPETが好
適である。
さらに芳香族ポリエステル系樹脂とは、一般式が、 (式中、Xは炭素数1〜10の置換或いは無置換の2価炭
化水素基、−O−,−S−,−SO2−及び−CO−から選
ばれる基、R,R′は炭素数1〜20のアルキル、アリル、
アラルキル、アルコキシ、アリロキシル及びアリルアル
コキシル基、その置換体、ハロゲン及びそれらの混合物
から選ばれる1価の基、p,qはp+q=0〜8の整数、
m,nは0又は1、但しm=1のときn≠0) で示される合成樹脂であるば、いづれの合成樹脂でも良
いが、中でも(I)式において一部又は全てが、下記一
般式 (式中、X,m,nは(I)式に同じ、R1〜R4は炭素数1〜
4のアルキル基、アルコキシル基、フエニル基及びハロ
ゲン原子から選ばれる1価の基を示す) で示される合成樹脂が好ましく、さらに好ましくは前記
(II)式中における芳香族ジカルボン酸成分において、
モル比率が(10/0〜7/3)で、好適には9/1である(テレ
フタル酸/イソフタル酸)とモル比率が2/1である(ビ
スフエノールA/3,3′,5,5′テトラメチルビスフエノー
ルF)とからなる共重合体である。また本発明に使用さ
れる芳香族ポリエステル系樹脂の分子量は特に制限され
るものではないが、一般的には5〜15万、好ましくは6
〜13万である。
また、これらの芳香族ポリエステル系樹脂は、テレフ
タル酸及び又はイソフタル酸と1種または2種以上のビ
スフェノール類あるいは、ビスフェノール類と少量の2
価の化合物による重合体また共重合体、さらには、これ
らの混合物によっても得ることができる。共重合体とし
ては、例えば芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸及び
イソフタル酸の単独もしくは混合成分である。
好ましいビスフエノール成分を例示すれば、2,2−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフエニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジ−sec−ブチル−4−ヒドロキ
シフエニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフエニル)プロパン、ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフエニル)メタン、1,1−
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフエニル)エタ
ン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフエニ
ル)シクロヘキサン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフエニル)ケトン、ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフエニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフエニル)スルフイド、2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフエニル)ヘキサフ
ルオルプロパン、2,2−ビス(3,5−ジメトキシ−4−ヒ
ドロキシフエニル)プロパン、ビス(3,5−ジメトキシ
−4−ヒドロキシフエニル)メタン、2,4−ビス(3−
メトキシ−4−ヒドロキシ−5−メチルフエニル)プロ
パ、ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−メチル
フエニル)メタン、ビス(3,5−ジフエニル−4−ヒド
ロキシフエニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジフエノキ
シ−4−ヒドロキシフエニル)プロパン、ビス(3−フ
エノキシ−4−ヒドロキシ−5−メチル)メタン、4,
4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラメチルビフエ
ニル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラエチ
ルビフエニル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフエ
ニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフエニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−エ
チルフエニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジエチルフエニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメトキシフエニル)スルホン、ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジエトキシフエニル)スルホン等があ
げられる。
これらの3,5−位に置換基を有するビスフエノール成
分とは、4,4′−ジヒドロキシジフエニル、ビス(4−
ヒドロキシフエニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフエニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
エニル)プロパン、ヒドロキノン、レゾルシン等と混合
して用いることができる。また、フエノールフタレイ
ン、フルオレセイン、ナフトフタレイン、チモールフタ
レインなどのビスフエノール性色素等を使用することも
可能である。
また、混合物としては、上記芳香族ポリエステル系樹
脂と、例えばポリカーボネート(PC)、ポリアリレート
(PAR)、ポリエーテルスルホン(PES)、変性ポリフエ
ニレンエーテル(PPE)、ポリサルホン(PSF)、ポリア
ミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリ
イミド(PI)等相溶性のある1種または2種以上の混合
物であり、中でも上記芳香族ポリエステル系樹脂とポリ
カーボネート(PC)及び/又はポリアリレート(PAR)
との混合物が好適である。
このようにして得られた芳香族ポリエステル系樹脂の
Tgは特に制限するものではないが、望ましくは300〜150
℃、さらに望ましくは300〜180℃である。
さらに、上記芳香族ポリエステル系樹脂の重合方法は
特に制限されるものではなく、従来知られている重合方
法を採用することができる。例えば、芳香族ジカルボン
酸とビスフェノールを高温溶融状態で反応させる溶融重
合法、芳香族ジカルボン酸ジクロライドとビスフェノー
ルを脱酸剤としてのアミンの存在下に有機溶剤中で反応
させる溶液重合法、芳香族ジカルボン酸ジクロライドと
ビスフェノールとを互いに相溶しない2種の溶媒に溶解
した後、アルカリの存在下で2液を混合撹拌して、その
界面で重縮合反応を行なわせる界面重合法があり、いず
れの方法でも採用することができるが、これ等の中で着
色、異物、高重合度及びTgの点から界面重合法が好まし
い。
また本発明において、「光学的等方性」とは、本発明
フイルム中に光が透過する際、光学的性質において、実
質的に変化を生じさせないことであり、光学的性質とし
ては、例えば、複屈折性及び光学的異方性をもって判断
される。
ここで、「複屈折」とは、物質に入射した光が互いに
垂直な振動方向をもつ2つの光波に分かれる現象であ
る。
厚さd、複屈折n2−n1なるシートに波長λなる光が入
射したとき、シート内において速い方の光の波長λ
遅い方の光応の波長をλとすると、遅い方の光がシー
トを出て早い方の光に遅れる量をレターデーションと呼
び、次の式で表わし、この度合Rを複屈折値とする。
R=λ(d/λ−d/λ) =d(λ/λ−λ/λ) =d(n2−n1) この複屈折値は、例えば日本光学工業(株)の偏光顕
微鏡(OPTIPHOT−POL型)を使用し、セナルモンコンペ
ンセーター法にて測定することができ、本発明において
は、複屈折値は50nm以下、好ましくは20nm以下、さらに
好ましくは10nm以下である。
複屈折が50nm以上のフイルムを、例えば2枚の偏光板
の間に設置された液晶セル部に使用すると、各波長にお
ける位相差(複屈折率×フイルム厚さの積)に応じた着
色が生じ、液晶画像が極めて不鮮明となり、実用的には
使用し難いものである。
また、本発明による熱処理原反の膜厚は、特に制限さ
れるものではないが、一般的には1〜500μ、好ましく
は10〜200μ、さらに好ましくは25〜100μであり、本原
反の製造法は特に制限されるものではなく、熱溶融法お
よび溶液流延法等いづれの方法によって得られたフイル
ムも良く、中でも溶液流延法が好適である。熱溶融法と
しては、例えば押出法、キャレンダー法およびプレス法
等があり、溶液流延法としては、例えば溶剤流延法及び
ゾルキヤスト法等があり、中でも溶剤流延法が好まし
い。
溶液流延法で使用される溶媒としては、特に制限され
るものではないが、一般的には、例えば塩化メチレン、
1,1,2,2−テトラクロルエタン、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルアセ
トホルムアルデヒド及びトルエン等が使用され、中でも
塩化メチレンおよび1,1,2,2−テトラクロルエタンが好
ましい。
また上記製造法により本発明原反を得るには、特別な
製造装置は必要なく、従来の製造装置を使用することが
できるが、例えば、熱溶融押出装置の場合には、成形用
ダイスを前記原反を得るべく改造することにより、また
溶剤流延装置の場合には、工程紙もしくはキャスティン
グベルト等に上記の溝が得られるように凹凸を予め加工
しておくことにより容易に可能となる。
以上のとおりにして得られた熱処理原反を通常行われ
ているように、熱処理することにより光学的等方性に優
れたフイルムを得ることができる。熱処理方法は特に制
限はなく、使用される熱可塑性樹脂等により適宜選択さ
れるが、例えば芳香族ポリエステル系樹脂では、以下に
述べる熱処理工程によっても、効率的に光学的等方性に
優れたフイルムを得ることができる。
(1) 予熱工程 フイルムを〔ガラス転移温度(以下「Tg」という)+
10〕℃、好ましくは(Tg+20)℃、さらに好ましくは
(Tg+35)℃以上に1分間、好ましくは2分間、さらに
好ましくは3分間以上予熱する工程である。
(2) 冷却工程(徐冷工程) 前記予熱工程で予熱されたフイルムを(1〜0.01)℃
/秒、好ましくは(0.8〜0.05)℃/秒、さらに好まし
くは(0.5〜0.1)℃/秒の冷却速度で(Tg−15)℃ま
で、好ましくは(Tg−65)℃まで、さらに好ましくは
(Tg−100)℃まで徐冷する工程である。また、上記徐
冷工程において、必要に応じ一部冷却時間を短縮するこ
とも可能である。すなわち、以下に詳述するとおり、上
記徐冷工程においてフイルムを徐冷した後、急速に冷却
するものである。
(2) 冷却工程〔(徐冷→急冷)工程〕 前記予熱工程で予熱されたフイルムを(Tg+20)℃ま
で、好ましくは(Tg+10)℃まで、さらに好ましくは
(Tg±0)℃まで(1〜0.01)℃/秒、好ましくは(0.
8〜0.05)℃/秒、さらに好ましくは(0.5〜0.1)℃/
秒の冷却速度で徐冷し、次いで(Tg−15)℃まで、好ま
しくは(Tg−65)℃まで、さらに好ましくは(Tg−10
0)℃まで(50〜1)℃/秒、好ましくは(10〜1)℃
/秒、さらに好ましくは(5〜1)℃/秒の冷却速度で
急冷する工程。
以上のとおり、本発明熱処理原反により、熱処理装置
を新たに設置することなく、従来使用していた熱処理装
置をほとんど変えることなく光学的等方性に優れたフイ
ルムを容易にして、かつ効率良く得ることが可能とな
り、業界へ寄与するところ極めて大である。
以下実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は
もとよりこれらに限定されるものではない。
実施例1 テレフタル酸ジクロライドとイソフタル酸ジクロライ
トのモル比が9:1である混合酸クロライドの塩化メチレ
ン溶液とビスフエノールAと3,3′,5,5′−テトラメチ
ルビスフエノールFのモル比が2:1のアルカリ水溶液よ
り界面重合法にてMw7.0万、Tg215℃のポリアリレート樹
脂を得た。
この樹脂により成る塩化メチレン溶液(15wt%)のド
ープを作成した。
これを流延設備において、PET工程紙上に塗布端より4
0mm〜60mmの所に20mmの幅の凸が出来る様にPETテープを
両端に貼付けた。この工程紙上に上記ドープを流延、乾
燥(40℃0.5分、60℃1分)し、フイルム幅1100mmで両
端より40〜60mmの所に溝の幅20mm、溝の深度44μの溝を
有する残溶15wt%を含む88μの流延フイルム(A)を得
た。
更にこのフイルムをクリップ幅1050mmのタンターにて
両面乾燥(150℃1分、230℃5分)を行った後、更に熱
処理工程として250℃4分予備加熱し、次に250℃から20
0℃まで連続的に3分間徐冷し、両端部に端より40〜60m
mの所に幅20mm、深度37μの溝を有する75μのフイルム
を得た。
このフイルムの複屈折20nm以下の部分は、全体(クリ
ップ幅1050mm)の83%であった。
この結果を第1表に示す。
実施例2 実施例2は実施例1と全く同様にして88μのフイルム
(A)を得た。更にこのフイルムをクリップ幅1050mmの
テンターにて両面乾燥(150℃1分、230℃5分)を行っ
た後、更に熱処理工程として250℃で4分予備加熱し、
次に250℃から230℃まで連続的に1分間徐冷、230℃か
ら200℃まで連続的に10秒間で急冷し、両端部に端より4
0〜60mmの所に幅20mm、深度37μの溝を有する75μのフ
イルムを得た。
このフイルムの複屈折20nm以下の部分は全体(クリッ
プ幅1050mm)の80%であった。
この結果を第1表に示す。
実施例3 実施例3は、フイルム両端より40〜50mmの所に幅10m
m、深度26μの溝を有する残溶15wt%を含む88μの流延
フイルム(B)を製膜する以外は実施例2と全く同様に
して行い、最終的に両端部の端より40〜50mmの所に幅10
mm、深度22μの溝を有する75μのフイルムを得た。
このフイルムの複屈折20nm以下の部分は、全体(クリ
ップ幅1050mm)の75%であった。
この結果を第1表に示す。
比較例1 比較例1は、フイルムの端部に溝を作成しないこと以
外は実施例2と全く同様にして、両端に溝を有しない75
μのフイルムを得た。
このフイルムの複屈折20nm以下の部分は全体(クリッ
プ幅1050mm)の27%であった。
比較例2 比較例2はフイルムの端より40〜45mmの所に幅5mm、
深度8μの溝を有する残溶15wt%を含む88μの流延フイ
ルム(C)を製膜する以外は実施例2と全く同様にして
行い、最終的に両端部より40〜45mmの所に幅5mm、深度
7μの溝を有する75μのフイルムを得た。
このフイルムの複屈折20nm以下の部分は全体(クリッ
プ幅1050mm)の29%であった。
尚ここでTgとは、ガラス転移温度であり、一次の熱力
学的導関数を温度に対してプロットしたとき、不連続が
起こる温度であり、密度、比容積、比熱、音響係数、ま
たは屈折率の関係より求まる。
また物性の測定および評価方法は、以下の方法により
行った値を用いた。
(1) ガラス転位温度(Tg) パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定した。すなわち、試料ポリマー10mgをDSC
装置にセットし、この試料を室温より10℃/分で昇温
し、ガラス転移点を測定した。
(2) フイルム温度 IRON社製非接触式表面温度計で測定したものである。
(3) 複屈折 日本光学工業(株)の偏光顕微鏡(OPTIPHOT−POL
型)を使用し、セナルモンコンペンセーター法にて測定
した。
(4) 寸法安定性 (株)島津製作所製の応力歪測定装置(TAM)にて180
℃30分の応力歪変化を測定し、下記の様に評価した。
応力歪変化率 0.1%未満 ○ 応力歪変化率 0.1%以上 × (5) 光学的等方性/光学的異方性 KSシステムズ(株)のマイクロ波分子配向計MOA−200
1A型を用いて測定した。すなわち分子の不規則性を表わ
す指標MOR値を測定し、この値が小さい場合を光学的等
方性を有し、この値が大きい場合は、光学的異方性を有
する。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明による熱処理用原反フイル
ム幅方向におけるフイルム断面の概略図の1例である。 図における番号、記号は次の通りである。 1:熱処理用原反、2:溝 L:フイルムの幅、D:フイルム膜厚 W:溝の幅、T:溝の深度 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29D 7/00 B29C 71/02 C08J 7/00 B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フイルム巾方向におけるフイルム断面にお
    いて、少くとも1端にフイルム巾(L)に対して(10/1
    000)・L以上の巾で、フイルム膜厚(D)に対して(1
    /10)・D以上の深度の溝を有することを特徴とする熱
    処理用原反。
  2. 【請求項2】該溝をフイルム巾方向において、両端に有
    する特許請求の範囲第1項記載の熱処理用原反。
  3. 【請求項3】該溝の断面形状が曲線からなっている特許
    請求の範囲第1〜2項記載の熱処理用原反。
  4. 【請求項4】該原反が、芳香族ポリエステル系樹脂であ
    る特許請求の範囲第1〜3項記載の熱処理用原反。
  5. 【請求項5】フイルム巾方向におけるフイルム断面にお
    いて、少くとも1端にフイルム巾(L)に対して10/100
    0以上の巾で、フイルム膜厚(D)に対して1/10以上の
    深度の溝を有することを特徴とする熱処理用原反の製造
    装置。
JP25183689A 1989-09-29 1989-09-29 熱処理用原反及びその製造装置 Expired - Lifetime JP2807727B2 (ja)

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