JP2807103B2 - セラミックターボチャージャロータおよびその加工方法 - Google Patents
セラミックターボチャージャロータおよびその加工方法Info
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- JP2807103B2 JP2807103B2 JP3234806A JP23480691A JP2807103B2 JP 2807103 B2 JP2807103 B2 JP 2807103B2 JP 3234806 A JP3234806 A JP 3234806A JP 23480691 A JP23480691 A JP 23480691A JP 2807103 B2 JP2807103 B2 JP 2807103B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックタービンロ
ータとジャーナル軸が金属よりなる金属軸とを結合した
セラミックターボチャージャロータおよびその加工方法
に関するものである。
ータとジャーナル軸が金属よりなる金属軸とを結合した
セラミックターボチャージャロータおよびその加工方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セラミックタービンロータとジャーナル
軸が金属よりなる金属軸とを結合したセラミックターボ
チャージャロータは、コンプレッサホイールを取り付け
た後、ジャーナル軸の2カ所のジャーナル部をフローテ
ィングメタルかボールベアリングのいずれかにより支持
してジャーナルハウジング内に収納されている。
軸が金属よりなる金属軸とを結合したセラミックターボ
チャージャロータは、コンプレッサホイールを取り付け
た後、ジャーナル軸の2カ所のジャーナル部をフローテ
ィングメタルかボールベアリングのいずれかにより支持
してジャーナルハウジング内に収納されている。
【0003】セラミックターボチャージャロータのジャ
ーナル軸が挿入されるジャーナルハウジング内の構造と
して、フローティングメタル支持の場合は、ジャーナル
軸とフローティングメタルとの間に数十μm のスキマが
形成された構造であり、またボールベアリング支持の場
合は、ジャーナル軸にボールベアリングの内輪を圧入
し、そしてボール外輪を組み付けて形成している。
ーナル軸が挿入されるジャーナルハウジング内の構造と
して、フローティングメタル支持の場合は、ジャーナル
軸とフローティングメタルとの間に数十μm のスキマが
形成された構造であり、またボールベアリング支持の場
合は、ジャーナル軸にボールベアリングの内輪を圧入
し、そしてボール外輪を組み付けて形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ジャーナルハウジング
に収納された上述のセラミックターボチャージャロータ
は、実使用において高速で回転するが、回転数により振
動を生じ、その結果高低の差はあるものの異音を発生さ
せることがあり、問題となっていた。異音を発生させる
振動の原因として、ターボチャージャロータの不釣り合
いやターボチャージャロータの支持部材であるフローテ
ィングメタル、ボールベアリング等の品質の悪さが考え
られる。そのため、発明者等はセラミックロータのみの
不釣り合いを0.01 g・cm以下にした後、金属軸組付後の
ロータの不釣り合い量を0.001 〜0.010g・cmの範囲で変
化させたターボチャージャロータに、精密に検査された
フローティングメタル及びボールベアリングを組み付け
検討した。しかしながら、不釣り合い量が小さくても不
釣り合い量の大きいものより、大きな振動を発生するも
のもあり、必ずしも不釣り合い量と振動の関係が一致す
るものでないことが判った。又、さらにはボールベアリ
ングやフローティングメタルについても、品質の異なる
ものを組みつけて実験したが、振動との間に明確な関係
を見い出せなかった。本発明者等は、原点に立ち帰り、
製品の寸法、表面粗さ、真円度、同軸度等の測定方法に
よる測定値の違いについて検討した。その中で、ジャー
ナル軸の真円度測定法において、量産検査に好適な簡易
法であるマイクローター法と真円度測定機法において、
真円度の値は両者とも大きな有意差は認められなかっ
た。しかし、念のため真円度測定機の測定倍率を従来の
×1000から×5000まで大きくした所、測定値は全く変ら
ないもののその形状が花ビラ状(4〜6角形)を示して
いることに気付いた。
に収納された上述のセラミックターボチャージャロータ
は、実使用において高速で回転するが、回転数により振
動を生じ、その結果高低の差はあるものの異音を発生さ
せることがあり、問題となっていた。異音を発生させる
振動の原因として、ターボチャージャロータの不釣り合
いやターボチャージャロータの支持部材であるフローテ
ィングメタル、ボールベアリング等の品質の悪さが考え
られる。そのため、発明者等はセラミックロータのみの
不釣り合いを0.01 g・cm以下にした後、金属軸組付後の
ロータの不釣り合い量を0.001 〜0.010g・cmの範囲で変
化させたターボチャージャロータに、精密に検査された
フローティングメタル及びボールベアリングを組み付け
検討した。しかしながら、不釣り合い量が小さくても不
釣り合い量の大きいものより、大きな振動を発生するも
のもあり、必ずしも不釣り合い量と振動の関係が一致す
るものでないことが判った。又、さらにはボールベアリ
ングやフローティングメタルについても、品質の異なる
ものを組みつけて実験したが、振動との間に明確な関係
を見い出せなかった。本発明者等は、原点に立ち帰り、
製品の寸法、表面粗さ、真円度、同軸度等の測定方法に
よる測定値の違いについて検討した。その中で、ジャー
ナル軸の真円度測定法において、量産検査に好適な簡易
法であるマイクローター法と真円度測定機法において、
真円度の値は両者とも大きな有意差は認められなかっ
た。しかし、念のため真円度測定機の測定倍率を従来の
×1000から×5000まで大きくした所、測定値は全く変ら
ないもののその形状が花ビラ状(4〜6角形)を示して
いることに気付いた。
【0005】本発明の目的は上述した課題を解消して、
実使用時の振動およびそれに起因する異音の発生の少な
いセラミックターボチャージャロータおよびその加工方
法を提供しようとするものである。
実使用時の振動およびそれに起因する異音の発生の少な
いセラミックターボチャージャロータおよびその加工方
法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミックター
ボチャージャロータは、セラミックタービンロータとジ
ャーナル軸が金属よりなる金属軸とを結合したセラミッ
クターボチャージャロータにおいて、該ジャーナル軸の
断面円周形状が9つ以上のほぼ周期的な凹凸を有する形
状であることを特徴とするものである。ここで、断面円
周形状の測定は真円度測定機を用いて測定する。
ボチャージャロータは、セラミックタービンロータとジ
ャーナル軸が金属よりなる金属軸とを結合したセラミッ
クターボチャージャロータにおいて、該ジャーナル軸の
断面円周形状が9つ以上のほぼ周期的な凹凸を有する形
状であることを特徴とするものである。ここで、断面円
周形状の測定は真円度測定機を用いて測定する。
【0007】また、本発明のセラミックターボチャージ
ャロータの加工方法は、セラミックタービンロータとジ
ャーナル軸が金属よりなる金属軸とを結合したセラミッ
クターボチャージャロータのジャーナル軸を砥石により
研削するにあたり、ジャーナル軸の回転数をA、砥石の
回転数をBとしたとき、B/A≧9の条件を満たす回転
数AおよびBを選択し、または3<B/A<9となるB
/AでかつB/Aの小数点以下の値が0または0.5と
ならない回転数AおよびBを選択し、選択した回転数A
およびBでジャーナル軸を研削することを特徴とするも
のである。
ャロータの加工方法は、セラミックタービンロータとジ
ャーナル軸が金属よりなる金属軸とを結合したセラミッ
クターボチャージャロータのジャーナル軸を砥石により
研削するにあたり、ジャーナル軸の回転数をA、砥石の
回転数をBとしたとき、B/A≧9の条件を満たす回転
数AおよびBを選択し、または3<B/A<9となるB
/AでかつB/Aの小数点以下の値が0または0.5と
ならない回転数AおよびBを選択し、選択した回転数A
およびBでジャーナル軸を研削することを特徴とするも
のである。
【0008】ここで、多角形の角数(山数)あるいはほ
ぼ周期的凹凸の山数とは、真円度測定機によって測定さ
れた形状に対して偏差の自乗和が最小となる円を描き、
形状がその円に対し外側へはみ出る回数を山数とした。
例えば、図5に示す例では15ケ所はみ出ており15
山、図6に示す例では6ケ所はみ出ているので6山、図
7に示す例では23ケ所はみ出ているので23山とな
る。
ぼ周期的凹凸の山数とは、真円度測定機によって測定さ
れた形状に対して偏差の自乗和が最小となる円を描き、
形状がその円に対し外側へはみ出る回数を山数とした。
例えば、図5に示す例では15ケ所はみ出ており15
山、図6に示す例では6ケ所はみ出ているので6山、図
7に示す例では23ケ所はみ出ているので23山とな
る。
【0009】
【作用】上述した構成において、本発明は、振動および
異音発生の原因について鋭意検討を重ねた結果、軸受に
かん合されるジャーナル軸の断面円周形状が振動および
異音発生に関係があることを見いだしたことによる。
異音発生の原因について鋭意検討を重ねた結果、軸受に
かん合されるジャーナル軸の断面円周形状が振動および
異音発生に関係があることを見いだしたことによる。
【0010】すなわち、セラミックターボチャージャロ
ータのジャーナル軸に着目すると、従来ジャーナル軸の
加工は、回転するセラミックターボチャージャロータの
ジャーナル軸に同じく回転する砥石を当接して、所定寸
法に加工し、加工後の直径等の寸法をマイクロメータで
測定し、寸法管理をしていた。しかしながら、この様に
加工されたジャーナル軸の断面円周形状を倍率5000
倍以上、フィルタ50にて真円度測定器により測定する
と、断面円周形状は完全な円ではなく、3〜8角の多角
形形状となっていたり、周期的な凹凸が発生しているの
が確認できた。そして、これらの多角形状およびほぼ周
期的な凹凸について検討したところ、多角形の角数が小
さいほど、振動が大となることを見いだし、本発明を完
成した。ここでフィルタ50とは周期の短い粗さ成分を
除くため1回当り(1回転当り)50山以上の高周波成
分を除くことを意味する。
ータのジャーナル軸に着目すると、従来ジャーナル軸の
加工は、回転するセラミックターボチャージャロータの
ジャーナル軸に同じく回転する砥石を当接して、所定寸
法に加工し、加工後の直径等の寸法をマイクロメータで
測定し、寸法管理をしていた。しかしながら、この様に
加工されたジャーナル軸の断面円周形状を倍率5000
倍以上、フィルタ50にて真円度測定器により測定する
と、断面円周形状は完全な円ではなく、3〜8角の多角
形形状となっていたり、周期的な凹凸が発生しているの
が確認できた。そして、これらの多角形状およびほぼ周
期的な凹凸について検討したところ、多角形の角数が小
さいほど、振動が大となることを見いだし、本発明を完
成した。ここでフィルタ50とは周期の短い粗さ成分を
除くため1回当り(1回転当り)50山以上の高周波成
分を除くことを意味する。
【0011】なお、上記断面円周形状と振動との関係に
ついては以下のように考える。すなわち、ボールベアリ
ング支持の場合は、軸受けが挿入されるジャーナル軸の
断面円周形状が多角形状または周期的な凹凸形状である
と、通常は内輪は締まりバメであるため内輪の転動面に
ジャーナル軸の多角形状が転写され、ボールが回転した
とき、内輪に転写された凹凸の頂点とボールが異常接触
を起こすことにより、振動が発生するためと考えられ
る。
ついては以下のように考える。すなわち、ボールベアリ
ング支持の場合は、軸受けが挿入されるジャーナル軸の
断面円周形状が多角形状または周期的な凹凸形状である
と、通常は内輪は締まりバメであるため内輪の転動面に
ジャーナル軸の多角形状が転写され、ボールが回転した
とき、内輪に転写された凹凸の頂点とボールが異常接触
を起こすことにより、振動が発生するためと考えられ
る。
【0012】また、フローティングメタル支持の場合
は、ジャーナル軸の断面形状が多角形状またはほぼ周期
的な凹凸形状であると、フローティングメタルとのクリ
アランスが円周方向に周期的に変化し、ジャーナル軸と
フローティングメタルとの間の油膜に圧力の大小を生
じ、振動が発生するためと考えられる。
は、ジャーナル軸の断面形状が多角形状またはほぼ周期
的な凹凸形状であると、フローティングメタルとのクリ
アランスが円周方向に周期的に変化し、ジャーナル軸と
フローティングメタルとの間の油膜に圧力の大小を生
じ、振動が発生するためと考えられる。
【0013】ここで、ジャーナル軸の真円度形状の多角
形の角数および凸数は9山以上、好ましくは15山以上
において振動は減少する。この理由はボールベアリング
支持の場合、山数が少ないと転動面への転写がされ易い
が、山数が多くなると凹凸の変化が微細になり転動面へ
の転写の程度がわずかとなり、ボールと転動面の異常接
触がなくなるためと考えられる。また、フローティング
メタル支持の場合は、山数が多くなると凹凸の変化が微
細となり、油膜の圧力変化が追従しにくくなるため、振
動が発生しなくなると考えられる。また、ジャーナル軸
の断面円周形状の多角あるいはほぼ周期的な凹凸は、ワ
ークと砥石の回転数の比により発生し、回転数比が整数
であると、その整数の多角形または凸数となる。また、
回転数比が整数でなくとも、例えば7.5の場合である
と、7.5は15/2と表され、15角形または15の
凸数となる。
形の角数および凸数は9山以上、好ましくは15山以上
において振動は減少する。この理由はボールベアリング
支持の場合、山数が少ないと転動面への転写がされ易い
が、山数が多くなると凹凸の変化が微細になり転動面へ
の転写の程度がわずかとなり、ボールと転動面の異常接
触がなくなるためと考えられる。また、フローティング
メタル支持の場合は、山数が多くなると凹凸の変化が微
細となり、油膜の圧力変化が追従しにくくなるため、振
動が発生しなくなると考えられる。また、ジャーナル軸
の断面円周形状の多角あるいはほぼ周期的な凹凸は、ワ
ークと砥石の回転数の比により発生し、回転数比が整数
であると、その整数の多角形または凸数となる。また、
回転数比が整数でなくとも、例えば7.5の場合である
と、7.5は15/2と表され、15角形または15の
凸数となる。
【0014】
【実施例】図1は本発明のセラミックターボチャージャ
ロータの一例の構成を示す図である。図1に示す例にお
いて、1は好ましくは窒化珪素製のセラミックタービン
ロータ、3はコンプレッサーロータ、3aはコンプレッ
サーロータ3を固定するナット、2はセラミックタービ
ンロータ1とコンプレッサーロータ3とを接続する金属
軸、4はジャーナル軸、4a、4bはそれぞれタービン
側およびコンプレッサー側のジャーナル部、5はスラス
トスペーサである。本発明では、ボールベアリングの内
輪またはフローティングメタルと接するジャーナル部4
a、4bの断面円周形状を、少なくとも9角以上の多角
形あるいは9つ以上のほぼ周期的な凹凸を有する形状と
する必要がある。
ロータの一例の構成を示す図である。図1に示す例にお
いて、1は好ましくは窒化珪素製のセラミックタービン
ロータ、3はコンプレッサーロータ、3aはコンプレッ
サーロータ3を固定するナット、2はセラミックタービ
ンロータ1とコンプレッサーロータ3とを接続する金属
軸、4はジャーナル軸、4a、4bはそれぞれタービン
側およびコンプレッサー側のジャーナル部、5はスラス
トスペーサである。本発明では、ボールベアリングの内
輪またはフローティングメタルと接するジャーナル部4
a、4bの断面円周形状を、少なくとも9角以上の多角
形あるいは9つ以上のほぼ周期的な凹凸を有する形状と
する必要がある。
【0015】以下、実際の例について説明する。実施例1 ジャーナル部の断面円周形状が種々の山数を持つセラミ
ックターボチャージャロータを準備し、ボールベアリン
グ支持またはフロートメタル支持によりジャーナルハウ
ジング内に組み込み、エンジンにセットした。そして、
この状態で、セラミックターボチャージャロータの回転
数と振動値を計測した。その結果を表1に示す。また、
ラジアル方向5000倍の倍率及びフィルター50にて
ジャーナル部の真円度を測定した場合の6山形状と15
山形状の一例をそれぞれ図2、図3に示す。振動値はセ
ラミックターボチャージャロータの騒音低減のために1
G以下が好ましい。結果を表1に示す。
ックターボチャージャロータを準備し、ボールベアリン
グ支持またはフロートメタル支持によりジャーナルハウ
ジング内に組み込み、エンジンにセットした。そして、
この状態で、セラミックターボチャージャロータの回転
数と振動値を計測した。その結果を表1に示す。また、
ラジアル方向5000倍の倍率及びフィルター50にて
ジャーナル部の真円度を測定した場合の6山形状と15
山形状の一例をそれぞれ図2、図3に示す。振動値はセ
ラミックターボチャージャロータの騒音低減のために1
G以下が好ましい。結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1の結果から、ボールベアリング支持の
場合でもフロートメタルタイプの場合でも、9山以上で
あるとどの回転数においても1G以下で安定することが
わかる。また、山数が15以上となると振動値は0.5
G以下となりより好ましいことがわかる。
場合でもフロートメタルタイプの場合でも、9山以上で
あるとどの回転数においても1G以下で安定することが
わかる。また、山数が15以上となると振動値は0.5
G以下となりより好ましいことがわかる。
【0018】実施例2 直径8mmのジャーナル軸の仕上げ加工において、砥石
の回転数とワークの回転数を変更することにより回転数
比を調整し、仕上げ後、最小自乗中心法による真円度測
定を倍率5000倍、フィルター50にて実施した。結
果を図2〜4に示す。図2は回転数比を6にしたもの
で、砥石が1回転する間にワークが1/6回転するた
め、ワークの円周表面には6周期の凹凸が形成される。
本例において、実際の砥石回転数B=1398rpm、
ワーク回転数233rpmであった。図3は回転数比を
7.5にしたもので、この場合は15/2と考え、砥石
が15回転する間にワークが2回転するため、ワークの
円周表面には15周期の凹凸が形成される。本例では、
実際に砥石回転数B=1395rpm、ワーク(ロー
タ)回転数A=186rpmの条件でジャーナル軸を研
削した。図4は回転数比が7.425の場合で、周期的
な凹凸が発生していない。本例では、実際の砥石回転数
B=1373rpm、ワーク回転数A=189rpmで
あった。
の回転数とワークの回転数を変更することにより回転数
比を調整し、仕上げ後、最小自乗中心法による真円度測
定を倍率5000倍、フィルター50にて実施した。結
果を図2〜4に示す。図2は回転数比を6にしたもの
で、砥石が1回転する間にワークが1/6回転するた
め、ワークの円周表面には6周期の凹凸が形成される。
本例において、実際の砥石回転数B=1398rpm、
ワーク回転数233rpmであった。図3は回転数比を
7.5にしたもので、この場合は15/2と考え、砥石
が15回転する間にワークが2回転するため、ワークの
円周表面には15周期の凹凸が形成される。本例では、
実際に砥石回転数B=1395rpm、ワーク(ロー
タ)回転数A=186rpmの条件でジャーナル軸を研
削した。図4は回転数比が7.425の場合で、周期的
な凹凸が発生していない。本例では、実際の砥石回転数
B=1373rpm、ワーク回転数A=189rpmで
あった。
【0019】以下の表2に回転数比と発生山数を示す。
表2からわかるように、角数(山数)あるいは周期的な
凹凸数を本発明の9以上とするためには、ジャーナル軸
の回転数をA、砥石の回転数をBとしたとき、B/A≧
9の条件を満たす回転数AおよびBを選択し、または3
<B/A<9となるB/AでかつB/Aの小数点以下の
値が0または0.5にならない回転数AおよびBを選択
すれば良いことがわかる。また、角数(山数)あるいは
周期的な凹凸数が15以上となるためには、B/A≧1
5の条件を満たす回転数AおよびBを選択し、または3
<B/A<15となるB/AでかつB/Aの小数点以下
の値が0,0.25,0.33・・,0.5,0.66
・・,0.75のいずれかにならない回転数AおよびB
を選択すれば良いことがわかる。なお小数点第3位以下
における数字の横に付記した・・は小数点第3位以降も
同一数字が続く無限小数を意味する。
表2からわかるように、角数(山数)あるいは周期的な
凹凸数を本発明の9以上とするためには、ジャーナル軸
の回転数をA、砥石の回転数をBとしたとき、B/A≧
9の条件を満たす回転数AおよびBを選択し、または3
<B/A<9となるB/AでかつB/Aの小数点以下の
値が0または0.5にならない回転数AおよびBを選択
すれば良いことがわかる。また、角数(山数)あるいは
周期的な凹凸数が15以上となるためには、B/A≧1
5の条件を満たす回転数AおよびBを選択し、または3
<B/A<15となるB/AでかつB/Aの小数点以下
の値が0,0.25,0.33・・,0.5,0.66
・・,0.75のいずれかにならない回転数AおよびB
を選択すれば良いことがわかる。なお小数点第3位以下
における数字の横に付記した・・は小数点第3位以降も
同一数字が続く無限小数を意味する。
【0020】
【表2】
【0021】なお、回転数比を3以下にすることは、表
2の結果からわかるように、9山以下ないし15山以下
の山が出る可能性が非常に多くなり好ましくない。さら
に、研削盤で加工時、電圧変動等により回転数が変化す
ることがあり、回転数比は±0.1程度ばらつくことが
考えられ、回転数比B/Aの小数点以下の値は0〜0.
25もしくは0.75〜0.99の値にすることが好ま
しい。その理由は、例えばB/Aの小数点以下の値を
0.33・・〜0.5とすると、範囲は0.16・・し
かなく、±0.1で抑え切れないためである。
2の結果からわかるように、9山以下ないし15山以下
の山が出る可能性が非常に多くなり好ましくない。さら
に、研削盤で加工時、電圧変動等により回転数が変化す
ることがあり、回転数比は±0.1程度ばらつくことが
考えられ、回転数比B/Aの小数点以下の値は0〜0.
25もしくは0.75〜0.99の値にすることが好ま
しい。その理由は、例えばB/Aの小数点以下の値を
0.33・・〜0.5とすると、範囲は0.16・・し
かなく、±0.1で抑え切れないためである。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ジャーナル軸の断面円周形状を少なくとも9
角以上の多角形あるいは9つ以上の周期的な凹凸を有す
る形状としているため、実使用時の振動および振動に起
因する異音発生のないセラミックターボチャージャロー
タを得ることができる。
によれば、ジャーナル軸の断面円周形状を少なくとも9
角以上の多角形あるいは9つ以上の周期的な凹凸を有す
る形状としているため、実使用時の振動および振動に起
因する異音発生のないセラミックターボチャージャロー
タを得ることができる。
【0023】また、本発明の加工方法によれば、ジャー
ナル軸の回転数をA、砥石の回転数をBとしたとき、B
/A≧9の条件を満たす回転数AおよびBを選択し、ま
たは3<B/A<9となるB/AでかつB/Aの小数点
以下の値が0または0.5とならない回転数AおよびB
を選択し、選択した回転数AおよびBでジャーナル軸を
研削しているため、上記セラミックターボチャージャロ
ータを好適に得ることができる。
ナル軸の回転数をA、砥石の回転数をBとしたとき、B
/A≧9の条件を満たす回転数AおよびBを選択し、ま
たは3<B/A<9となるB/AでかつB/Aの小数点
以下の値が0または0.5とならない回転数AおよびB
を選択し、選択した回転数AおよびBでジャーナル軸を
研削しているため、上記セラミックターボチャージャロ
ータを好適に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックターボチャージャロータの
一例の構成を示す図である。
一例の構成を示す図である。
【図2】本発明のジャーナル軸の断面円周形状の一例を
示す図である。
示す図である。
【図3】本発明のジャーナル軸の断面円周形状の一例を
示す図である。
示す図である。
【図4】本発明のジャーナル軸の断面円周形状の一例を
示す図である。
示す図である。
【図5】本発明における多角形の山数あるいは周期的な
凹凸の山数を説明するための図である。
凹凸の山数を説明するための図である。
【図6】本発明における多角形の山数あるいは周期的な
凹凸の山数を説明するための図である。
凹凸の山数を説明するための図である。
【図7】本発明における多角形の山数あるいは周期的な
凹凸の山数を説明するための図である。
凹凸の山数を説明するための図である。
1 セラミックタービンロータ 2 金属軸 3 コンプレッサーロータ 4 ジャーナル軸 4a、4b ジャーナル部 5 スラストスペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 克博 愛知県名古屋市南区鳥栖2丁目9番地17 号 メゾントリス305 (56)参考文献 特開 昭63−114858(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】セラミックタービンロータとジャーナル軸
が金属よりなる金属軸とを結合したセラミックターボチ
ャージャロータにおいて、該ジャーナル軸の断面円周形
状が9つ以上のほぼ周期的な凹凸を有する形状であるこ
とを特徴とするセラミックターボチャージャロータ。 - 【請求項2】セラミックタービンロータとジャーナル軸
が金属よりなる金属軸とを結合したセラミックターボチ
ャージャロータのジャーナル軸を砥石により研削するに
あたり、ジャーナル軸の回転数をA、砥石の回転数をB
としたとき、B/A≧9の条件を満たす回転数Aおよび
Bを選択し、選択した回転数AおよびBでジャーナル軸
を研削することを特徴とするセラミックターボチャージ
ャロータの加工方法。 - 【請求項3】セラミックタービンロータとジャーナル軸
が金属よりなる金属軸とを結合したセラミックターボチ
ャージャロータのジャーナル軸を砥石により研削するに
あたり、ジャーナル軸の回転数をA、砥石の回転数をB
としたとき、3<B/A<9となるB/AでかつB/A
の小数点以下の値が0または0.5とならない回転数A
およびBを選択し、選択した回転数AおよびBでジャー
ナル軸を研削することを特徴とするセラミックターボチ
ャージャロータの加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3234806A JP2807103B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | セラミックターボチャージャロータおよびその加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3234806A JP2807103B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | セラミックターボチャージャロータおよびその加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0571359A JPH0571359A (ja) | 1993-03-23 |
JP2807103B2 true JP2807103B2 (ja) | 1998-10-08 |
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ID=16976686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3234806A Expired - Fee Related JP2807103B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | セラミックターボチャージャロータおよびその加工方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2807103B2 (ja) |
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WO2019162989A1 (ja) * | 2018-02-20 | 2019-08-29 | 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 | 過給機 |
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-
1991
- 1991-09-13 JP JP3234806A patent/JP2807103B2/ja not_active Expired - Fee Related
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