JP3285269B2 - 高速回転体 - Google Patents
高速回転体Info
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Description
のように高速かつ安定回転が要請される気体動圧軸受に
使用する高速回転体に関する。
器を必要とせず、振動や騒音を抑えることができ、安定
した回転と優れた回転精度を獲得でき、更に通常は数万
〜数10万rpmの高速回転が可能であるところから、
例えばポリゴンミラーのように高速かつ安定回転が要請
される機器の軸受として使用されている。
動時及び停止時に軸受部に接触が起こる、荷重に制限
がある、安定回転の維持が、固定軸と回転体との間の
すきま(以下「軸受すきま」という)に大きく依存す
る、等の欠点があった。
3−266420号公報には、荷重が一定かつ低い量で
あるポリゴンミラーに使用する気体動圧軸受を構成する
にあたり、固定軸と回転体とに動圧発生用溝を設けて安
定回転を維持せしめるとともに、固定部ステータコイル
に対応して回転体にマグネットを配備して始動時及び停
止時に軸受部に接触が起こらないようにし、また、セラ
ミックスリーブと外周部材とからなる回転体を焼きばめ
固着して遠心応力によるラジアル方向の張力を相殺して
クラック発生及び伝播を抑制して安定回転を維持する技
術が開示されている。
体は、図2の模式図(a)〜(d)に示すような手順で
製造されていた。初めに図2(a)に示す焼結した高密
度セラミックスリーブ素材20の内外径を所定の寸法に
加工し、図2(b)に示すようなセラミックスリーブ2
0を得る。次いで上記セラミックスリーブ20より熱膨
張係数が大きく内径を所定寸法に加工した金属製外周部
材21を、図2(c)に示すように上記セラミックスリ
ーブ20の外周20bに焼きばめ固着する。
ミックスリーブ20の内径22を基準にして、上記焼き
ばめ固着した金属製外周部材21を上記高速回転体の回
転軸23に対し、上記金属製外周部材21の上面21a
下面21bが直角に、外周面21cが平行になるように
加工し高速回転体24を得る。
高密度セラミックスリーブ20の内径20aと外径20
bを仕上げ加工した後、セラミックスリーブ20より熱
膨張係数の大きい上記金属製外周部材21を焼きばめ固
着しているため、上記セラミックスリーブ20の外周2
0bから焼きばめによる圧縮応力が作用し、図2(c)
に示すように、上記セラミックスリーブの内径22を大
きくつづみ形状に変形させている。このため上記高速回
転体24のセラミックスリーブ20と、図示しない表面
に動圧溝を形成したセラミック固定軸との軸受すきまを
不均一なものにする。
軸受は、空気、ヘリウムガス、窒素ガス等の粘性係数の
小さい流体を用い、回転にともない軸受すきまに圧力を
発生させ、固定軸に対して高速回転体を非接触で支持す
ることから、回転にともなう摩擦損失が小さく低騒音で
高精度高速回転が可能である等の特徴を有する反面、負
荷能力が小さくかつ耐振性に弱いという欠点をもってい
る。
受剛性や回転精度を得るために、軸受すきまは、数μm
以下であることが必要で、かつ真円度、円筒度といった
軸受形状が1〜2μm程度以下の高精度であることを必
要としている。
いては、回転の立ち上がり時に上記軸受すきまに不均一
な圧力分布を発生させ易く、上記高速回転体に予測不可
能な不安定振動を発生させたり、定常回転下でのより良
好な回転精度を得ることが困難であった。また上記セラ
ミックスリーブ20のつづみ形状に変形した内径22を
基準にして、上記金属製外周部材21を加工するため、
回転軸23に対する上記金属製外周部材21の加工精度
が低下し、回転振れの原因ともなっていた。
処するためになされたもので、その目的は、回転初期か
ら所定の回転数を維持し、使用環境温度まで安定した良
好な回転精度を達成する高速回転体を提供することにあ
る。
セラミックスリーブ及びその外周に焼きばめ固着した金
属製外周部材を構成してなる高速回転体において、上記
セラミックスリーブを上記金属製外周部材を焼きばめ固
着した後に上記セラミックスリーブの内径をつづみ形状
に加工するところにある。なお、上記セラミックスリー
ブ内径のつづみ形状は、高速回転体の使用回転数により
作用するラジアル方向の遠心応力及び摩擦による熱膨張
により緩和する焼きばめ圧縮応力に応じて、セラミック
製固定軸とセラミックスリーブとのすきまが一様になる
ように決めることが望ましい。
アソン数、ヤング率をR1 、R2 、m1 、E1 とし、上
記セラミックスリーブの内径、外径、ポアソン数、ヤン
グ率をR3 、R4 、m2 、E2 、また上記焼きばめ代を
δとすると、上記焼きばめ圧縮応力Pは式1に従い、こ
のときの上記セラミックスリーブ内径の圧縮変形量χは
式2に従う。
は、上記高速回転体の使用回転数に基づくラジアル方向
の遠心応力に応じて変化する。そこで本発明において
は、上記遠心応力で相殺されるような圧縮変形量χで決
まる形状にすることが望ましい。
にともなう気体との摩擦で発生する熱による上記金属製
外周部材の熱膨張により上記焼きばめ代δが減少する
が、上記セラミックスリーブに作用させた上記焼きばめ
圧縮応力Pは、上記セラミックスリーブと上記金属製回
転体の固定がゆるみ回動することなく緩和するように焼
きばめ代δを求めることができる。更に本発明において
は、摩擦による熱膨張により緩和する焼きばめ圧縮応力
Pで相殺されるような圧縮変形量χで決まる形状にす
る。
する際により良好な円筒となり上記軸受すきまを一様に
するように、上記遠心応力及び上記焼きばめ圧縮応力P
に応じて生じる変形を相殺する形状となっていることが
望ましい。
セラミック製固定軸の外側に配置され、気体動圧軸受機
構により回転自在に支持されたラジアル方向に一様な厚
さを有するセラミックスリーブの外周にセラミックスリ
ーブより熱膨張係数の大きい金属製外周部材を焼きばめ
固着して上記セラミックスリーブの外周から焼きばめ圧
縮応力Pを作用させ、上記セラミックスリーブを圧縮変
形させる。次いで、上記焼きばめ圧縮応力下にある上記
セラミックスリーブの内径を加工し、使用回転数と使用
環境温度での上記焼きばめ応力Pの緩和に応じた上記式
2に従う圧縮変形量に等しいつづみ形状にし、初期の軸
受すきまを均一な方向に改善する。さらに高速回転下で
は、ラジアル方向の遠心応力により上記焼きばめ圧縮応
力Pが緩和され、上記セラミックスリーブの内径のつつ
み形状をより改善し、定常回転下で良好な円筒精度とな
る。
する。図3は実施例に係る高速回転ポリゴンミラー装置
の概略断面図を示す。また図1は同高速回転ポリゴンミ
ラー回転体の概略製造工程と、高速回転下での上記セラ
ミックスリーブの形状の変化を説明するための模式図を
示す。
2 O3 )粉末に焼結助剤と成形助剤を加え混合し顆粒化
した粉末をプレス成形金型に充填し、500kg/cm
2 の圧力でプレスすることでアルミナ製成形体スリーブ
を得た。上記成形体を、常法に従い脱脂した後、165
0℃の酸化雰囲気で焼結し、高密度アルミナスリーブ素
材11(図1(a))を得た。
は、そのままでは高速回転体13を構成するセラミック
スリーブ11として用いることができないためダイヤモ
ンド砥石やダイヤモンド砥粒を用いて所定の形状に研削
加工する必要がある。図1(a)に示すこのセラミック
スリーブ素材11は、外径をセンタレス研削盤又は円筒
研削盤によって図1(b)に示すように所定寸法に加工
した。このとき上記セラミックスリーブ11の外径11
aの形状精度は、真円度1μm、円筒度2.0μmであ
った。
径11aを加工したセラミックスリーブ11に、予め内
径を所定の寸法に精密切削加工したポリゴンミラー形状
に加工した高純度アルミ素材12を焼きばめした(図1
(c))。このときの焼きばめ代(焼きばめ代=金属製
回転体の内径−セラミックスリーブの外径)は16〜2
4μmで、焼きばめ温度は170〜180℃であった。
常温下で、上記高純度アルミ製ポリゴンミラー素材12
は、上記セラミックスリーブ11に外周から圧縮応力を
作用させセラミックスリーブ11の内径11bを2〜3
μm圧縮変形させた。
ルミ製ポリゴンミラー用素材12を上記セラミックスリ
ーブ11の外周に焼きばめした高速回転体13は、内径
を円筒内径研削盤とホーニング研削盤によって図1
(d)のように所定つづみ形状に研削加工した。この
時、上記内径の形状精度は、真円度0.6μm、円筒度
2μmでゆるやかなつづみ状であった。この後、上記セ
ラミックスリーブ11の内径14を基準にして、上記高
純度アルミ製ポリゴンミラー用素材12を所定のポリゴ
ンミラー形状に精密切削加工し高速回転体13(図1
(d))とした。
ミラーには、図3に示すように回転体の下部にマグネッ
ト31、そして表面にヘリングボーン動圧溝を形成した
セラミック固定軸32を立設するアルミ製の基台33に
コイル34と回路基盤35を設けることでモータを構成
し、図示しない回転制御装置により上記高速回転ポリゴ
ンミラー36を30000rpmで回転させた。この結
果、定常回転において上記高速回転体の内径は図1
(e)に示すように上記つづみ形状が解消され、定常回
転に達するまでに従来発生することがあった回転体の不
安定振動が解消されるとともに、定常回転下での回転体
の振れ精度0.03μmを安定して達成することができ
た。
軸受に必要な軸受精度を加工で得ることにより、回転の
立ち上がり時に発生し易い不安定振動を抑制する。ま
た、高速回転下においては、高速回転体の遠心応力、気
体との摩擦による熱膨張が上記高速回転体の軸受精度を
より高精度にする。このことで、上記高速回転体を低速
から高速まで安定した回転精度を維持することができる
ようになった。
程と、高速回転下での上記セラミックスリーブの形状の
変化を説明するための模式図である。
概略製造工程を示す模式図である。
略断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 セラミック製固定軸の外側にあって前記
セラミック製固定軸とともに気体動圧軸受を構成する高
速回転体であって、ラジアル方向に一定の厚さを有する
セラミックスリーブ及びその外周に焼きばめ固着し前記
セラミックスリーブより熱膨張係数の大きい金属製外周
部材により構成される高速回転体において、前記セラミ
ックスリーブは前記金属製外周部材を焼きばめ固着した
後にその内径をつづみ形状に加工したことを特徴とする
高速回転体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35280093A JP3285269B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 高速回転体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35280093A JP3285269B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 高速回転体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07190047A JPH07190047A (ja) | 1995-07-28 |
JP3285269B2 true JP3285269B2 (ja) | 2002-05-27 |
Family
ID=18426527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35280093A Expired - Lifetime JP3285269B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 高速回転体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3285269B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4488862B2 (ja) * | 2004-10-13 | 2010-06-23 | 株式会社リコー | 光偏向器、光走査装置および画像形成装置 |
JP5394182B2 (ja) * | 2009-09-29 | 2014-01-22 | Ntn株式会社 | 流体動圧軸受装置及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP35280093A patent/JP3285269B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07190047A (ja) | 1995-07-28 |
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