JP4182169B2 - ロータへの主軸体取付方法及び加工装置 - Google Patents

ロータへの主軸体取付方法及び加工装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転する主軸体を有する装置における、モータのロータへの主軸体取付方法及び加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、回転する主軸体に切削用の工具等を設け、モータで主軸体を回転させて加工を行う種々の加工装置が実用化されている。
図5(A)にモータ10の構造の概略を示す。モータ10は、ヨーク12を筐体として、ステータ18(磁石等)がヨーク12に設けられている。そして、ステータ18の内部にはロータ16(鉄心及びコイル等)が設けられており、コイルに通電することにより、ロータ16は軸Zrを回転軸として回転する。このロータ16に、ベアリング15にて支持された主軸体14が取り付けられている。
次に、モータ10のロータ16に主軸体14を取り付ける、従来の取付方法について、図5(B)及び(C)を用いて説明する。
図5(B)は、ロータ16と主軸体14とを直接焼きばめした状態を示している。特に高速回転で使用される主軸体14の場合、主軸体14にモータ10のロータ16を焼きばめ(冷やしばめする場合もある)して主軸体14を直接ロータ16に固定している。この場合、ロータ16の回転軸方向の長さ「L」に渡って、ロータ16と主軸体14とが、はめ合い部「S」(太線部分)にてはめ合わされている。なお、全ての図において、はめ合い部の太さ「Sf」は、はめ合いの締め代(はめ合いの強度)の大きさを示している。
図5(C)は、ロータ16と主軸体14との間にスリーブ20(ステップドスリーブ等)をはめ合わせている。ここで、主軸体14の各部分の径φは、φ1>φ2>φ3である。ロータ16は、スリーブ20にはめ合い部「Ss」にてはめ合わされており、スリーブ20は、主軸体14にはめ合い部「S」にてはめ合わされている。なお、貫通孔Hは、空間Kに油圧等を供給して、はめ合わされた主軸体14をスリーブ20から抜く場合に使用される。
【0003】
なお、上記に説明した、ロータへの主軸体取付方法は、従来より一般的に行われているので、あえて先行技術文献を記載しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
加工装置の主軸体14をモータ10のロータ16に取り付けた場合、遠心膨張や熱応力等の影響にて、主軸体14とロータ16とのはめ合い部のはめ合い状態が変化する場合がある。はめ合い状態が変化した場合、回転速度の違いや負荷のかかり方によって、主軸体14の曲がり量が変化し、加工精度に影響を与える可能性がある。「主軸体14の曲がり量の変化」は、主軸体14とロータ16とがはめ合わされている面積(はめ合いの力により当接している面積)が大きい程、特に主軸体14の回転軸方向の距離が長い程、影響が大きい傾向にある。はめ合い部分には、各位置に均一な応力がかかっているのでなく、種々の大きさの応力が種々の位置にかかるためである。
図5(B)に示すロータ16への主軸体14の取付方法では、ロータ16の回転軸方向の長さ「L」に渡ってはめ合わされているので、はめ合わされている部分における、主軸体14の回転軸方向の距離が長い。
図5(C)に示すロータ16への主軸体14の取付方法では、はめ合い部の長さは「m1+m2」であり、ロータ16の回転軸方向の長さ「L」に比べて短いが、2個所のはめ合い部を含む最大距離「M」が長いので応力のかかる距離が長くなり、主軸体14の曲がり量の変化を低減する効果は小さい。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、はめ合い部における、主軸体の回転軸方向の距離を小さくすることで、主軸体の曲がり量を低減し、より高い精度で主軸体を回転させることができる、ロータへの主軸体取付方法及び加工装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本実施の形態に記載のロータへの主軸体取付方法では、モータのロータに主軸体をはめ合いにて取り付ける、ロータへの主軸体取付方法であって、ロータと主軸体とのはめ合い部分の回転軸方向の長さを、ロータの回転軸方向の長さよりも短くして、はめ合いにて取り付けるので、はめ合い部における、主軸体の回転軸方向の距離を短くすることができる。
これにより、主軸体の曲がり量を低減し、より高い精度で主軸体を回転させることができる。
【0006】
また、本実施の形態に記載のロータへの主軸体取付方法は、請求項1に記載のロータへの主軸体取付方法であって、ロータの回転軸方向の長さに対する、ロータと主軸体とのはめ合い部分の回転軸方向の長さで示されるはめ合い幅比を所定範囲内に設定し、設定したはめ合い幅比に応じた締め付け力で、モータのロータに主軸体を取り付ける。
これにより、はめ合い幅比に応じた締め付け力にて適切にはめ合わせることができ、主軸体の曲がり量を低減し、より高い精度で主軸体を回転させることができる。
【0007】
また、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのロータへの主軸体取付方法である。
請求項1に記載のロータへの主軸体取付方法は、モータのロータと主軸体との間に略筒状のスリーブを介して前記ロータに前記主軸体を取り付ける、ロータへの主軸体取付方法であって、前記スリーブの内側あるいは前記主軸体の外側には、回転軸に対する周方向において、略環状の凸部が設けられている。
また、前記主軸体と前記スリーブとのはめ合いに用いられる前記凸部は1個所であり、且つ当該凸部の回転軸方向の長さを前記ロータの回転軸方向の長さよりも短く設定し、前記ロータと前記スリーブとをはめ合わせるとともに、前記凸部にて前記スリーブと前記主軸体とをはめ合わせる。
そして、前記スリーブの凸部でない部分であるオーバーハング部の開口端の近傍において、Oリングを用いて前記主軸に対して前記スリーブを支持する、または、支持できる程度の前記凸部のはめ合いより弱い力で前記主軸と前記スリーブとをはめ合わせて前記主軸に対して前記スリーブを支持する。
このように、主軸体とスリーブとは1個所の凸部にてはめ合わされ、当該凸部の回転軸方向の長さをロータの回転軸方向の長さよりも短く設定することで、主軸体の回転軸方向のはめ合い部の距離を短くすることができる。
これにより、主軸体の曲がり量を低減し、より高い精度で主軸体を回転させることができる。
【0008】
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのロータへの主軸体取付方法である。
請求項2に記載のロータへの主軸体取付方法は、モータのロータと主軸体との間に略筒状のスリーブを介して前記ロータに前記主軸体を取り付ける、ロータへの主軸体取付方法であって、前記スリーブの内側あるいは前記主軸体の外側には、回転軸に対する周方向において、複数の略環状の凸部が設けられている。
また、前記主軸体と前記スリーブとのはめ合いに用いられる前記凸部は複数個所であり、且つ各凸部の回転軸方向の長さを前記ロータの回転軸方向の長さよりも短く設定し、前記ロータと前記スリーブとをはめ合わせるとともに、複数の前記凸部にて前記スリーブと前記主軸体とをはめ合わせ、当該はめ合いに用いる複数の前記凸部を含む回転軸方向における前記スリーブと前記主軸とのはめ合い部の長さが、前記ロータの回転軸方向の長さよりも短くなるように、複数の前記凸部を配置する。
そして、前記スリーブの凸部でない部分であるオーバーハング部の開口端の近傍において、Oリングを用いて前記主軸に対して前記スリーブを支持する、または、支持できる程度の前記凸部のはめ合いより弱い力で前記主軸と前記スリーブとをはめ合わせて前記主軸に対して前記スリーブを支持する。
このように、主軸体とスリーブとは複数個所の凸部にてはめ合わされ、各凸部の回転軸方向の長さをロータの回転軸方向の長さよりも短く設定し、はめ合いに用いる複数の凸部を含む回転軸方向の最大距離が、ロータの回転軸方向の長さよりも短くなるように設定することで、主軸体の回転軸方向のはめ合い部の距離を短くすることができる。
これにより、主軸体の曲がり量を低減し、より高い精度で主軸体を回転させることができる。
【0009】
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの加工装置である。
請求項3に記載の加工装置では、請求項1または2に記載のロータへの主軸体取付方法にて、モータのロータに主軸体が取り付けられている。
これにより、主軸体の曲がり量を低減し、より高い精度で主軸体を回転させることができる加工装置を実現できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、従来の「ロータへの主軸体取付方法」と、本発明の「ロータへの主軸体取付方法」の一実施の形態を説明する概略図である。
◆[第1の実施の形態(図1〜図2)]
第1の実施の形態は、主軸体14にロータ16を直接取り付ける方法である。
図1(A)に示すように、従来の「ロータへの主軸体取付方法」では、例えば主軸体14にロータ16を焼きばめする際、種々の要因にて、はめ合い部の締め代「Sf」が不均一(各位置における締め付け力の大きさが不均一)になり易く、主軸体14を締め付ける応力(図1(A)中のF1〜F6)に偏りが生じ易い。要因としては、各部品の加工精度やロータの冷え方のばらつき、あるいはロータ16が冷えるまでの主軸体14の保持方法等がある。
【0011】
締め付け応力の偏りは、主軸体14の曲がりを発生させる。ここで、「主軸体14の曲がり」とは、主軸体14の性能を評価する「評価位置(図1(A)参照)」における、主軸体14の振れ回りのことをいう。図1(A)に示すように、理想的な回転軸Zr(typ)と、理想的な主軸体14(typ)に対して、実際には回転軸Zrと主軸体14に曲がりが発生している場合がある。「主軸体14の曲がり」が発生している場合、当該主軸体14を運転すると、主軸体14とロータ16との遠心膨張量の差による締め代の減少(締め付け力の減少)や、モータ10の発熱による熱応力の発生等により、はめ合い部における応力状態が変化し易い。この場合、「主軸体14の曲がり」が更に変化する可能性がある。応力状態の変化は、主軸体14と当該主軸体14にはめ合わされている部材(この場合ロータ16)とのはめ合い部における幅(回転軸方向の距離)が大きく関与している。これは、各応力(F1〜F6)の大きさと、各応力の間の距離によるモーメント等による。
【0012】
これに対し、図1(B)に示す、本実施の形態における「ロータへの主軸体取付方法」では、主軸体14と当該主軸体14にはめ合わされている部材(この場合ロータ16)とのはめ合い部における幅(回転軸方向の距離)が、距離「m」となるように、ロータ16の内側に凸部を設けている。このように、はめ合い部における回転軸方向の距離を、図1(A)に示す従来の方法による距離「L」よりも充分短い距離に設定している。これにより、各応力(F1〜F4)の大きさと、各応力の間の距離によるモーメント等による応力状態の変化を抑制することができる。なお、この場合、はめ合い部の回転軸方向の距離を短くしているため、はめ合い部の締め代「Sf」(締め付け力)を大きくしている。
なお、本実施の形態では、ロータ16の内側に、回転軸Zrに対する周方向に凸部(内側に向かう凸部)を設けたが、主軸体14の外側に、回転軸Zrに対する周方向に凸部(外側に向かう凸部)を設けるようにしてもよい。また、当該凸部は、1個所でなく複数個所に設けてもよい。複数個所に凸部を設ける場合、はめ合いに用いる凸部と凸部とを含む回転軸方向の最大距離が、ロータ16の回転軸方向の距離「L」よりも小さくなるように、はめ合いに用いる凸部を配置する。
【0013】
次に、図2(A)及び(B)に示すグラフを用いて、はめ合い部の回転軸方向における距離の設定方法と、締め代の設定方法について説明する。
図2(A)に示す、はめ合い幅比・はめ合い締め代比特性は、図1(A)に示す従来の取付方法における「はめ合い幅」及び「はめ合い締め代」を、各々1.0とした場合のグラフを示している。この特性によると、はめ合い幅比を0.4(従来の幅の0.4倍)にする場合、締め代比を約2.5(従来の2.5倍の締め付け力)にする必要があることを示している。なお、「締め代の限界」は、物理上の限界(焼きばめする場合の膨張における寸法、主軸体14の径等による限界)を示す。「締め代の限界」は、材質、寸法、形状、許容トルク等に影響されるが、本実施の形態に用いたものでは、締め代比は0〜5の範囲で設定することができた。
【0014】
図2(B)に示す、はめ合い幅比・軸曲がり変化量比特性は、図1(A)に示す従来の取付方法における「はめ合い幅」及び「軸曲がり変化量」を、各々1.0とした場合のグラフを示している。この特性によると、はめ合い幅比を0.4(従来の幅の0.4倍)にすると、軸曲がり変化量比を約0.2(従来の1/5の曲がり量)にできることを示している。
例えば、軸曲がり変化量比を従来の1/5(0.2倍)に低減したい場合、図2(B)に示す「はめ合い幅比・軸曲がり変化量比特性」よりはめ合い幅比を0.4に設定し、図2(A)に示す「はめ合い幅比・はめ合い締め代比特性」よりはめ合い締め代比を2.5に設定すれば良いことがわかる。
以上の説明により、本実施の形態における、ロータへの主軸体取付方法を用いれば、主軸体の曲がり量を従来よりも低減することが可能であり、加工精度をより向上させることができる。また、従来では、焼きばめ時の主軸体の曲がりについては、焼きばめ後に主軸体を再研磨して修正する場合もあったが、本実施の形態では、焼きばめする場合の主軸体の曲がり量そのものを低減するため、主軸体を再研磨する必要もほとんどなくなる。
【0015】
なお、はめ合い幅比を小さくすれば、軸曲がり変化量比を小さくできるが、はめ合い幅比を図2(A)に示す「締め代の限界」よりも小さくすることはできない。図2(A)に示す例の場合、はめ合い幅比は0.2〜1.0の範囲内で設定することが可能である。
この場合、軸曲がり変化量比をより小さくし、且つ締め代の限界を超えないよう、はめ合い幅比を所定範囲内に設定し、設定したはめ合い幅比に応じたはめ合い締め代比で取り付ける。
図2(A)及び(B)に示す例の場合、軸曲がり変化量比をより低減するためには、締め代の限界を超えず、且つ誤差等のばらつきを考慮して、はめ合い幅比を約0.3〜0.4に設定することが好ましい。
【0016】
◆[第2の実施の形態(図3(A)、図4(A))]
第1の実施の形態では、主軸体14にロータ16を直接焼きばめして取り付ける方法を説明したが、以降に説明する第2〜第5の実施の形態では、主軸体14とロータ16との間に略筒状のスリーブ20を介して、ロータ16に主軸体14を取り付ける方法について説明する。
図3(A)に、第2の実施の形態における、ロータ16への主軸体14の取付方法の略図を示す。ロータ16に略筒状のスリーブ20を挿入して、ロータ16とスリーブ20とをはめ合い部「Ss」にてはめ合わせるとともに、スリーブ20に主軸体14を挿入して、スリーブの内側に設けた凸部にてスリーブ20と主軸体14とをはめ合い部「S」にてはめ合わせる。なお、スリーブ20の内側に凸部を設けずに、主軸体14の外側に凸部を設けるようにしてもよい。
また、ロータ16の回転軸方向の距離を「L」、主軸体14のはめ合い部における回転軸方向の距離を「m」とすると、はめ合い幅比(m/L)における、はめ合い締め代比、軸曲がり変化量比は、図2(A)及び(B)の説明と同様の特性を示す。
【0017】
図3(A)に示す第2の実施の形態では、オーバーハング部Vはロータ16のサイズやトルクの大きさによっては、アンバランスやねじれの発生要因となる可能があり、回転中に振動等を引き起こす可能性がある。そこで、オーバーハング部Vを、例えばOリングや、比較的弱い力の締め付け力のはめ合いにて支持することにより、回転中の振動等を低減することが可能である。この構成を用いた例を、図4(A)に示す。
なお、「比較的弱い力のはめ合い」は、ここまで説明してきた「はめ合い(強固に固定するはめ合い)」とは異なるものであるので、以降では、支持できる程度の「比較的弱い力のはめ合い」を「支持レベルはめ合い」と記載する。
【0018】
図4(A)の例では、主軸体14の径φは、φ1>φ2である。図4(A)に示すように、オーバーハング部Vを、OリングGにて支持する(OリングGにて主軸体14とスリーブ20とを当接させる)。なお、図4(A)に示すように、スリーブ20にステップドスリーブを用いた場合、主軸体14にスリーブ20を取り付けた後であっても、貫通孔Hから油圧を供給することで、空間Kを膨張させて、主軸体14からスリーブ20を抜き取る(この場合、右方向に抜き取る)ことが可能である。これにより、はめ合い状態の修復や、主軸体14あるいはモータ10の交換をより行い易くすることができる。この場合、貫通孔H側のOリングGには密閉性を持たせることが必要である。
【0019】
◆[第3の実施の形態(図3(B)、図4(B))]
図3(B)に、第3の実施の形態における、ロータ16への主軸体14の取付方法の略図を示す。ロータ16に略筒状のスリーブ20を挿入して、ロータ16とスリーブ20とをはめ合い部「Ss」にてはめ合わせるとともに、スリーブ20に主軸体14を挿入して、スリーブの内側に設けた凸部にてスリーブ20と主軸体14とをはめ合い部「S」にてはめ合わせる。なお、スリーブ20の内側に凸部を設けずに、主軸体14の外側に凸部を設けるようにしてもよい。
また、ロータ16の回転軸方向の距離を「L」、主軸体14のはめ合い部における回転軸方向の距離を「m」とすると、はめ合い幅比(m/L)における、はめ合い締め代比、軸曲がり変化量比は、図2(A)及び(B)の説明と同様の特性を示す。以下、第4及び第5の実施の形態も同様である。
【0020】
第2の実施の形態と同様に、図3(B)に示す第3の実施の形態では、オーバーハング部Vはロータ16のサイズやトルクの大きさによっては、アンバランスやねじれの発生要因となる可能があり、回転中に振動等を引き起こす可能性がある。そこで、オーバーハング部Vを、第2の実施の形態と同様に、Oリングや、支持レベルはめ合いにて支持することにより、回転中の振動等を低減することが可能である。この構成を用いた例を、図4(B)に示す。
図4(B)の例では、主軸体14の径φは、φ1>φ2である。図4(B)に示すように、オーバーハング部Vを、OリングGにて支持する(OリングGにて主軸体14とスリーブ20とを当接させる)。なお、図4(B)に示すように、スリーブ20にステップドスリーブを用いた場合、主軸体14にスリーブ20を取り付けた後であっても、貫通孔Hから油圧を供給することで、空間Kを膨張させて、主軸体14からスリーブ20を抜き取る(この場合、右方向に抜き取る)ことが可能である。これにより、はめ合い状態の修復や、主軸体14あるいはモータ10の交換をより行い易くすることができる。この場合、貫通孔H側のOリングGには密閉性を持たせることが必要である。
【0021】
◆[第4の実施の形態(図4(C))]
図4(C)に示す第4の実施の形態は、図4(B)に示す第3の実施の形態から、主軸体14とスリーブ20とのはめ合い部を変形させたものである。以下、第3の実施の形態との相違点について説明する。
主軸体14の径φは、φ1>φ2>φ3である。ロータ16とスリーブ20とをはめ合い部「Ss」にてはめ合わせるとともに、スリーブ20の内側に設けた2つの凸部(複数の凸部)にてスリーブ20と主軸体14とをはめ合い部「S」にてはめ合わせる。なお、スリーブ20の内側に凸部を設けずに、主軸体14の外側に凸部を設けるようにしてもよい。
また、主軸体14のはめ合い部における回転軸方向の距離を各々「m1」、「m2」とすると、はめ合い幅比・はめ合い締め代比特性に使用する、はめ合い幅比(m/L)の「m」には、m=m1+m2(各凸部のはめ合い幅の和。図4(C)参照)を代入すればよい。また、はめ合い幅比・軸曲がり変化量比特性に使用する、はめ合い幅比(m/L)の「m」には、m=mt(各凸部を含む回転軸方向の最大距離。図4(C)参照)を代入すればよい。
また、油圧を供給する場合の貫通孔Hは、はめ合いに使用する凸部と凸部との間の空間Kに連通するように設ける。このため、第4の実施の形態におけるOリングGには密閉性を持たせる必要はない。
【0022】
◆[第5の実施の形態(図4(D))]
図4(D)に示す第5の実施の形態は、図4(C)に示す第4の実施の形態から、OリングGの代わりに支持レベルはめ合いによる、はめ合い部「Sa」を用いたものである。以下、第4の実施の形態との相違点について説明する。
主軸体14の径φは、φ1>φ2>φ3>φ4>φ5である。ロータ16とスリーブ20とをはめ合い部「Ss」にてはめ合わせるとともに、スリーブ20の内側に設けた、はめ合い部「S」に用いる2つの凸部(複数の凸部)にてスリーブ20と主軸体14とをはめ合わせる。そして、スリーブ20の内側に設けた支持レベルはめ合い部「Sa」に用いる2つの凸部にて、主軸体14に対してスリーブ20を支持する。なお、スリーブ20の内側に凸部を設けずに、主軸体14の外側に凸部を設けるようにしてもよい。
また、油圧を供給する場合の貫通孔H及びH1は、はめ合いに使用する凸部と凸部との間の空間Kと、支持レベルはめ合いに使用する凸部と凸部との間の空間K1の各々に連通するように設ける。
【0023】
以上に説明した「ロータへの主軸体取付方法」は、加工装置への適用に限定されず、回転する主軸体を有する種々の装置に適用することが可能である。特に、回転する主軸体を用いて切削等を行う加工装置に適用すれば、より高い精度で主軸体を回転させることができ、より高い精度でワークを加工する加工装置を実現することが可能である。
また、以上に説明した構造を用いてロータに主軸体を取り付ける、「ロータへの主軸体取付構造」としてもよい。
【0024】
本発明のロータへの主軸体取付方法及び加工装置は、本実施の形態で説明した構成、形状等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、はめ合い用の凸部を、3個所設けるようにしてもよい。
本発明のロータへの主軸体取付方法は、高い精度で主軸体を回転させることが要求される種々の装置に用いることが可能である。例えば、数万[rpm]で回転させる主軸体にも適用することが可能である。
本実施の形態の説明に用いた数値及びグラフは一例であり、この数値及びグラフに限定されるものではない。
なお、主軸体の材質としては、例えばSCM415(浸炭鋼)、SACM645(窒化鋼)等の鋼材、あるいはAl2O3、SiC、SiTi系のセラミックスであってもよい。また、スリーブの材質としては、例えばSCM415(浸炭鋼)等の鋼材がある。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または2に記載のロータへの主軸体取付方法を用いれば、はめ合い部における、主軸体の回転軸方向の距離を小さくすることで、主軸体の曲がり量を低減し、より高い精度で主軸体を回転させることができる。
また、請求項3に記載の加工装置によれば、より高い精度で主軸体を回転させることができる加工装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のロータへの主軸体取付方法と、本発明のロータへの主軸体取付方法(第1の実施の形態)を説明する図である。
【図2】 はめ合い幅比・はめ合い締め代比特性のグラフ、及びはめ合い幅比・軸曲がり変化量比特性のグラフを説明する図である。
【図3】 第2及び第3の実施の形態を説明する図である。
【図4】 第2〜第5の実施の形態を説明する図である。
【図5】 従来の、ロータへの主軸体取付方法を説明する図である。
【符号の説明】
10 モータ
14 主軸体
16 ロータ
20 スリーブ
S (主軸体の)はめ合い部
Ss ロータとスリーブとのはめ合い部
Sf はめ合い部の締め代
L ロータの回転軸方向の距離
m 主軸体のはめ合い部の回転軸方向の距離(幅)
Zr 回転軸
F1〜F6 応力

Claims (3)

  1. モータのロータと主軸体との間に略筒状のスリーブを介して前記ロータに前記主軸体を取り付ける、ロータへの主軸体取付方法であって、
    前記スリーブの内側あるいは前記主軸体の外側には、回転軸に対する周方向において、略環状の凸部が設けられており、
    前記主軸体と前記スリーブとのはめ合いに用いられる前記凸部は1個所であり、且つ当該凸部の回転軸方向の長さを前記ロータの回転軸方向の長さよりも短く設定し、
    前記ロータと前記スリーブとをはめ合わせるとともに、前記凸部にて前記スリーブと前記主軸体とをはめ合わせ、
    前記スリーブの凸部でない部分であるオーバーハング部の開口端の近傍において、
    Oリングを用いて前記主軸に対して前記スリーブを支持する、
    または、支持できる程度の前記凸部のはめ合いより弱い力で前記主軸と前記スリーブとをはめ合わせて前記主軸に対して前記スリーブを支持する、
    ことを特徴とするロータへの主軸体取付方法。
  2. モータのロータと主軸体との間に略筒状のスリーブを介して前記ロータに前記主軸体を取り付ける、ロータへの主軸体取付方法であって、
    前記スリーブの内側あるいは前記主軸体の外側には、回転軸に対する周方向において、複数の略環状の凸部が設けられており、
    前記主軸体と前記スリーブとのはめ合いに用いられる前記凸部は複数個所であり、且つ各凸部の回転軸方向の長さを前記ロータの回転軸方向の長さよりも短く設定し、
    前記ロータと前記スリーブとをはめ合わせるとともに、複数の前記凸部にて前記スリーブと前記主軸体とをはめ合わせ、当該はめ合いに用いる複数の前記凸部を含む回転軸方向における前記スリーブと前記主軸とのはめ合い部の長さが前記ロータの回転軸方向の長さよりも短くなるように、複数の前記凸部を配置し、
    前記スリーブの凸部でない部分であるオーバーハング部の開口端の近傍において、
    Oリングを用いて前記主軸に対して前記スリーブを支持する、
    または、支持できる程度の前記凸部のはめ合いより弱い力で前記主軸と前記スリーブとをはめ合わせて前記主軸に対して前記スリーブを支持する、
    ことを特徴とするロータへの主軸体取付方法。
  3. モータと主軸体とを備え、前記主軸体を前記モータで回転させて加工を行う加工装置であって、
    請求項1または2に記載のロータへの主軸体取付方法にて、前記モータの前記ロータに前記主軸体取り付けられている、
    ことを特徴とする加工装置。
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