JPH1182499A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JPH1182499A
JPH1182499A JP12348798A JP12348798A JPH1182499A JP H1182499 A JPH1182499 A JP H1182499A JP 12348798 A JP12348798 A JP 12348798A JP 12348798 A JP12348798 A JP 12348798A JP H1182499 A JPH1182499 A JP H1182499A
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JP
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outer ring
ball
bearing
groove
rolling
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JP12348798A
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Yoshiaki Katsuno
美昭 勝野
Kenji Yakura
健二 矢倉
Kazuhiro Kinouchi
一宏 木野内
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定位置予圧された玉軸受の高速回転時におけ
る面圧上昇を抑え、寿命を向上させることができる良好
な転がり軸受を提供する。 【解決手段】 アンギュラ玉軸受1A(1B)の外輪3
は、dm・n値が200万を超える高速回転時に、外輪
3aが半径方向外方へ膨張変形するようにその溝底肉厚
を設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械等の高速
回転する主軸用として使用される転がり軸受に関し、特
に超高速回転するマシニング・センター等の主軸の支持
用として使用されると好適な玉軸受の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軸体としての工作機械の主軸は
高い回転精度と剛性が必要であり、このような主軸の支
持用として組み込まれる転がり軸受であるアンギュラ玉
軸受は、定位置予圧により軸受の内部すきまを小さくし
て使用されているのが常である。その上、最近の動向と
して、工作機械の加工効率向上のために、主軸の高速回
転の要求が増加しており、該主軸の支持用として使用さ
れるアンギュラ玉軸受にも高精度で、かつ、苛酷な使用
条件が強いられてきている。
【0003】ところが、玉軸受が高速回転すると、玉の
遠心力や遠心力による内輪溝の膨張等の影響で、内部す
きまが減少(内部予圧が増加)し、転がり接触部の面圧
が上昇するため、焼付きが生じ易く、また疲れ寿命も低
下する。このような現象は、組み合わせた軸受のアキシ
ャル方向の相対的位置が使用中にも変化しない定位置予
圧方式により予圧を与えられたときに顕著である。
【0004】そこで、従来はこの対策として、使用する
玉の径を標準より小さくしたり、玉の材料として密度の
小さいセラミック(窒化ケイ素)を使用する等、玉の遠
心力によるラジアル方向の面圧の増大を軽減する方法
や、特開昭62−24025号公報等に開示されている
ように、内輪の材料を外輪の材料よりも線膨張係数の小
さい材質とし、軸受の内部すきまの変化を抑制する方法
がとられている。そして、このような対策を施された工
作機械の主軸用の転がり軸受によれば、許容回転速度で
あるdm ・n値(dm は軸受内径と軸受外径との平均
値、nは毎分回転数)は最大150万〜200万まで運
転することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、工作機械は
ますます高速回転化する傾向にあり、主軸用の転がり軸
受のアンギュラ玉軸受においても、dm ・n値が200
万を超える領域での運転を可能とする転がり軸受が望ま
れている。しかしながら、前述のような高速回転化の対
策を主軸用の転がり軸受に施しても、許容回転速度であ
るdm ・n値が200万を超える高速回転領域では、焼
付きの発生や疲れ寿命の低下を抑制できなかった。した
がって、本発明の目的は上記課題を解消することに係
り、玉軸受の高速回転時におけるラジアル方向の面圧上
昇を抑え、寿命を向上させることができる良好な転がり
軸受を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、軸
体に嵌合される内輪と、ハウジングに保持される外輪と
の間に転動体を備えた転がり軸受において、前記外輪
は、dm ・n値が200万を超える高速回転時に、外輪
溝が膨張変形するようにその溝底肉厚を設定されている
ことを特徴とする転がり軸受により達成される。
【0007】即ち、上記構成によれば、dm ・n値が2
00万を超える高速で転がり軸受が回転すると、玉の遠
心力や遠心力による内輪溝の膨張によって外輪溝が膨張
変形し、転がり接触部の面圧上昇が小さく抑えられる。
また、外輪溝が膨張変形すると、該外輪溝横断面の曲率
半径は静止時に比べて僅かに小さくなるので、外輪と玉
との転がり接触部の面積が増加して面圧が緩和される。
【0008】ここで、dm ・n値が200万を超える高
速回転時に、外輪溝が膨張変形するように外輪の溝底肉
厚を設定するには、外輪の外周面の少なくとも1部とハ
ウジングとの間に十分な間隙が生じるようにする。例え
ば、外輪の全外周面と、ハウジングとの間に十分な間隙
をおいて外輪を固定して構成したり、また、外輪の外周
面にその軸方向両端を残して環状凹部を設ける構成や、
外輪の外周面にその軸方向一端を残して環状凹部を設け
る構成とすることもできる。
【0009】なお、一般的な軸受鋼を用いる場合には、
前記外輪の溝底肉厚を外輪外径の2.6%以下とすれ
ば、dm ・n値が200万を超える高速で回転した際
に、その外輪溝が膨張変形することができる。ただし、
前記溝底肉厚は、dm ・n値が200万を超える高速で
回転した際に、その外輪溝が膨張変形するように適宜設
定されるので、玉の比重や、外輪の材質及び幅寸法等を
変更した場合には、必ずしも外輪外径の2.6%以下と
なるものではないが、好ましくは1.1〜2.6%の範
囲に選ぶのが好ましい。1.1%未満となると、外輪の
肉厚が薄くなりすぎ、外輪の強度低下を招き、外輪割れ
変形等が生じ易く結果的に軸受寿命が向上できなくな
り、2.6%を超えると外輪の肉厚が厚くなりすぎて、
変形しにくくなり、転動体荷重による外輪膨張効果が発
揮できにくくなる。また、更に好ましくは前記外輪が、
圧縮残留応力を予め内在させた浸炭鋼から形成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の一実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の第1実
施形態に係る転がり軸受を工作機械の主軸の支持用とし
て使用した場合の要部拡大断面図であり、図2及び図3
は図1に示した転がり軸受の静止状態及び運転状態を示
す説明図であり、図4は図1に示した転がり軸受の静止
時及び運転時における変化を示す要部拡大図である。
【0011】図1に示した工作機械の主軸11は、転が
り軸受である2列のアンギュラ玉軸受1A,1Bを介し
てハウジング12に支持されている。これらアンギュラ
玉軸受1A,1Bは、それぞれ軸体としての主軸11に
嵌合される内輪2と、ハウジング12に保持される外輪
3との間に転動体である玉4を備えている。
【0012】これら背面組合せされた前記アンギュラ玉
軸受1A,1Bの外輪3,3と内輪2,2との各軸方向
間には、それぞれ外輪間座6及び内輪間座7が配設され
ている。そして、前記外輪間座6を挟むようにして配置
された外輪3,3は、前蓋8の適正な締付け力で、ハウ
ジング12に対して軸方向に位置決め固定される。一
方、前記内輪間座6を挟むようにして配置された内輪
2,2は、間座10を介して軸受ナット9で軸方向に締
付け固定される。そこで、これら外輪間座6及び内輪間
座7を適宜寸法調整することにより、前記アンギュラ玉
軸受1A,1Bには、定位置予圧により所定の予圧量を
与えることができる。
【0013】前記アンギュラ玉軸受1A(1B)の外輪
3は、圧縮残留応力を予め内在させた浸炭鋼から形成さ
れており、外輪3aの溝底肉厚Tが、従来のアンギュラ
玉軸受における外輪溝の溝底肉厚よりも薄肉化されてい
る。即ち、工作機械の主軸11の支持用として用いられ
る従来のアンギュラ玉軸受では、外輪溝の溝底肉厚T
が、外輪外径Dの3〜4%に設定されている。これに対
し、本実施形態における前記アンギュラ玉軸受1A(1
B)の外輪3は、外輪3aの溝底肉厚Tが、外輪外径D
の2.6%以下となるように設定されている。
【0014】図2に示すように、定位置予圧された静止
状態のアンギュラ玉軸受1A(1B)においては、玉4
に対して外輪3及び内輪2より力F0が作用している
が、図3に示すように運転状態のアンギュラ玉軸受1A
(1B)では、玉4の遠心力F 4の影響等により、外輪
3には外輪3aを半径方向外方へ膨張変形させようとす
る力F3が作用する。そして、dm ・n値が200万を
超える高速で前記アンギュラ玉軸受1A(1B)が回転
されると、外輪3aの溝底肉厚Tが薄肉化された外輪3
は、図4に想像線で示したように半径方向外方へ膨張変
形させられる。
【0015】そこで、高速回転による玉4の遠心力F4
や遠心力による内輪2aの膨張等がアンギュラ玉軸受1
A(1B)に生じても、高速回転すればする程、外輪3
の外輪3aは半径方向外方へ膨張変形し、内部すきまの
減少(内部予圧の増加)を抑止するので、転がり接触部
の面圧上昇を小さく抑えることができる。また、外輪3
aが半径方向外方へ膨張変形すると、図4に想像線で示
したように、該外輪3a横断面の曲率半径R2は,静止
時の該外輪3a横断面の曲率半径R1に比べて僅かに小
さくなるので、半径rの玉4と外輪3aとの転がり接触
部の面積が増加し、面圧上昇が緩和される。
【0016】なお、本実施形態のアンギュラ玉軸受1A
(1B)は、上述した如くdm ・n値が200万を超え
る高速で回転された際に外輪3が半径方向外方へ膨張変
形するので、図1に示したように、外輪3とハウジング
12のすきまΔCは、当該アンギュラ玉軸受1A(1
B)が最高回転したときの外輪3の膨張量よりも大きい
すきまに設定し、外輪3の膨張変形を阻害しない適正値
とする必要がある。
【0017】また、前記外輪3は、圧縮残留応力を予め
内在させた浸炭鋼から形成されているので、高速回転時
の膨張変形によって内部に生じる引張り応力を相殺する
ことができる。即ち、高速回転時に膨張変形した外輪の
内部には、引張り応力が作用するので、dm (軸受内径
と軸受外径との平均値)が大きい転がり軸受の場合に
は、内部に生じる引張り応力を相殺できるように、圧縮
残留応力を予め内在させた浸炭鋼で外輪を形成するのが
好ましい。
【0018】上述したように、本実施形態のアンギュラ
玉軸受1A(1B)によれば、定位置予圧方式により予
圧を与えられると共に、dm ・n値が200万を超える
高速で回転された際にも、転がり接触部の面圧上昇によ
る焼付きの発生や、疲れ寿命の低下を防止することがで
きた。したがって、前記主軸11は、dm ・n値が20
0万を超える高速で回転することが可能となり、工作機
械の加工効率を著しく向上させることができる。
【0019】なお、上記実施形態のアンギュラ玉軸受1
A(1B)においては、外輪3の溝底肉厚Tが、外輪外
径Dの2.6%以下となるように設定されているが、本
発明における溝底肉厚Tは、dm ・n値が200万を超
える高速で回転した際に、その外輪溝が膨張変形するよ
うに適宜設定されるので、玉4の比重や、外輪3の材質
及び幅寸法等を変更した場合には、必ずしも外輪外径D
の2.6%以下となるものではなく、これに限定される
ものではない。
【0020】次に図5〜図8に基づいて、本発明の第2
実施形態に係る転がり軸受について説明する。図5は、
本発明の第2実施形態に係る転がり軸受を工作機械の主
軸の支持用として使用した場合の要部拡大断面図であ
り、図6及び図7は、図5に示した転がり軸受の静止状
態及び運転状態を示す説明図であり、図8は図5に示し
た転がり軸受の静止時及び運転時における変化を示す要
部拡大図である。
【0021】図5に示した工作機械の主軸31は、転が
り軸受であるアンギュラ玉軸受21を介してハウジング
に支持されている。該アンギュラ玉軸受21は、軸体と
しての主軸31に嵌合される内輪22と、ハウジングに
保持される外輪23との間に転動体である玉24を備え
ている。
【0022】前記アンギュラ玉軸受21の外輪23は、
圧縮残留応力を予め内在させた浸炭鋼から形成されてい
る。そして、外輪23の外周面には、その両端を残し
て、軸方向長さLの凹部23bが設けられている。した
がって、外輪溝23aの溝底肉厚Hは、凹部23bが設
けられている分、従来のアンギュラ玉軸受における外輪
溝の溝底肉厚よりも薄肉化されている。なお、前記凹部
23bの形状は、軸方向に対して平行でも、多少傾きを
つけても、任意の曲率を持っていてもよい。ここで、外
輪23の外周面は、その両端が残されているので、ハウ
ジングに固定することも可能である。
【0023】図6に示すように、静止状態のアンギュラ
玉軸受21においては、玉24に対して外輪23及び内
輪22より力F0が作用しているが、図7に示すように
運転状態のアンギュラ玉軸受21では、玉24の遠心力
4の影響等により、外輪23には外輪溝23aを半径
方向外方へ膨張変形させようとする力F3が作用する。
そして、dm ・n値が200万を超える高速で前記アン
ギュラ玉軸受21が回転されると、外輪溝23aの溝底
肉厚Hが薄肉化された外輪23は、図8に想像線で示し
たように半径方向外方へ膨張変形させられる。
【0024】そこで、高速回転による玉24の遠心力F
4や遠心力による内輪溝32aの膨張等がアンギュラ玉
軸受21に生じても、高速回転すればする程、外輪23
の外輪溝23aは半径方向外方へ膨張変形し、内部すき
まの減少を抑止するので、転がり接触部の面圧上昇を小
さく抑えることができる。また、外輪溝23aが半径方
向外方へ膨張変形すると、図8に想像線で示したよう
に、該外輪溝23a横断面の曲率半径R2は、静止時の
該外輪溝23a横断面の曲率半径R1に比べて僅かに小
さくなるので、半径rの玉24と外輪溝23aとの転が
り接触部の面積が増加し、面圧上昇が緩和される。
【0025】したがって、本実施形態のアンギュラ玉軸
受21によれば、dm ・n値が200万を超える高速で
回転された際にも、転がり接触部の面圧上昇が緩和でき
るので、焼付きの発生や、疲れ寿命の低下を防止するこ
とができる。その結果、前記主軸11は、dm ・n値が
200万を超える高速で回転することが可能となり、工
作機械の加工効率を著しく向上させることができる。
【0026】なお、本第2実施形態において、好ましく
は、転動体の材質をセラミックにして、遠心力による接
触荷重増加や軸受の内部隙間減少を緩和することができ
る。更に好ましくは、内輪にステンレス等の低膨張鋼材
を用いれば、軸受内部隙間の減少を緩和することができ
る。
【0027】次に図9に基づいて、本発明の第3実施形
態に係る転がり軸受について説明する。なお、図9は本
発明の第3実施形態に係る転がり軸受を工作機械の主軸
の支持用として使用した場合の要部拡大断面図である。
【0028】図9に示した工作機械の主軸51は、転が
り軸受であるアンギュラ玉軸受41を介してハウジング
52に支持されている。該アンギュラ玉軸受41は、軸
体としての主軸51に嵌合される内輪42と、ハウジン
グに保持される外輪43との間に転動体である玉44を
備えている。外輪間座45、内輪間座46によって、外
輪43、内輪42を軸51とハウジング52に対し軸方
向の位置決めがなされている。この時(組立時)は、外
輪43の外周面はハウジング52に対し遊嵌状態とな
り、ハウジングに対して組み込み易くなっている。しか
し、回転時は回転数が増し、温度上昇や遠心力によりそ
の隙間がなくなり、本願発明の切り欠き効果が生ずるよ
うになっている。
【0029】前記アンギュラ玉軸受41の外輪43は、
圧縮残留応力を予め内在させた浸炭鋼から形成されてい
る。そして、外輪43の外周面には、軸受41の軸線と
直角に交わり、かつ玉44の中心を含む面より、外輪4
1と玉44との反接触点側の任意の位置から外輪41と
玉44との接触点側に延びる軸方向長さNの凹部43b
が設けられている。したがって、外輪溝43aの溝底肉
厚Jは、凹部43bが設けられている分、従来のアンギ
ュラ玉軸受における外輪溝の溝底肉厚よりも薄肉化され
ている。ここで、外輪43の外周面は、その一端が残さ
れているので、ハウジングに固定することも可能であ
る。
【0030】そして、本実施形態の場合も、第2実施形
態と同様に、dm ・n値が200万を超える高速で前記
アンギュラ玉軸受41が回転されると、外輪溝43aの
溝底肉厚Jが薄肉化された外輪43は、半径方向外方へ
膨張変形させられる。そこで、高速回転による玉44の
遠心力等が生じても、高速回転すればする程、外輪43
の外輪溝43aは半径方向外方へ膨張変形し、内部すき
まの減少(内部予圧の増加)を抑止するので、転がり接
触部の面圧上昇を小さく抑えることができる。
【0031】また、外輪溝43aが膨張変形すると、該
外輪溝43a横断面の曲率半径は、静止時の該外輪溝4
3a横断面の曲率半径に比べて僅かに小さくなるので、
半径rの玉44と外輪溝43aとの転がり接触部の面積
が増加し、面圧上昇が緩和される。したがって、本第3
実施形態のアンギュラ玉軸受41においても第2実施形
態のアンギュラ玉軸受と同様の作用、効果を奏すること
ができる。
【0032】
【実施例】下記表1及び表2の如き4種類のアンギュラ
玉軸受の試料を実施例1,2,3,4として作成し、比
較例1として内外輪は軸受鋼より、玉は窒化珪素(Si
34)で作成し、比較例2として、内輪はステンレス
鋼、外輪は軸受鋼、玉は窒化珪素(Si34)で作成
し、各試料について外輪軌道径膨張量、回転中の予圧荷
重(実施例1,2のみ)、転がり疲れ寿命比、玉と外輪
溝の接触面圧比の各特性を調べた。その結果を図10〜
図13に示す。ただし、実施例1,2の軸受は、第1実
施形態の構成(予圧式)であって、2列背面組合せであ
り、各試料の軸受初期予圧はほぼ0となるようにし、回
転数は40000rpmとした。また、実施例3は上述
の第2実施形態の構成であり、実施例4は上述の第3実
施形態の構成であり、いずれも定圧予圧荷重は100k
gf、ハウジングと外輪との隙間は0であり、回転数は
30000rpmである。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】図10〜図13の結果から明らかように、
外輪の溝底肉厚を薄くするに従い、外輪軌道径が膨張し
ており、逆に実施例1,2の回転中の予圧荷重は減少し
ている。そして、実施例1では、従来の標準品である比
較例1に比べて転がり疲れ寿命が約30%増加してお
り、実施例2では約50%も向上している。また、実施
例3では、従来の標準品である比較例2に比べて転がり
疲れ寿命が約33%増加しており、実施例4の軸受では
約28%も向上している。更に、玉と外輪溝の接触面圧
も、比較例1に比べて実施例1は2.6%低下してお
り、実施例2は4%低下している。また、実施例3は約
2%低下しており、実施例4は1.7%低下している。
これらの結果から、実施例1〜4は比較例に比べて耐焼
付き性が向上していることが判る。
【0036】
【発明の効果】本発明の転がり軸受によれば、dm ・n
値が200万を超える高速で転がり軸受が回転すると、
玉の遠心力や遠心力による内輪溝の膨張によって外輪溝
が膨張変形し、転がり接触部の面圧上昇が小さく抑えら
れる。また、外輪溝が膨張変形すると、該外輪溝横断面
の曲率半径は静止時に比べて僅かに小さくなるので、外
輪と玉との転がり接触部の面積が増加して面圧が緩和さ
れる。したがって、玉軸受の高速回転時における面圧上
昇を抑え、寿命を向上させることができる良好な転がり
軸受を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る転がり軸受を工作
機械の主軸の支持用として使用した場合の要部拡大断面
図である。
【図2】図1に示した転がり軸受の静止状態を示す説明
図である。
【図3】図1に示した転がり軸受の運転状態を示す説明
図である。
【図4】図1に示した転がり軸受の静止時及び運転時に
おける変化を示す要部拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る転がり軸受を工作
機械の主軸の支持用として使用した場合の要部拡大断面
図である。
【図6】図5に示した転がり軸受の静止状態を示す説明
図である。
【図7】図5に示した転がり軸受の運転状態を示す説明
図である。
【図8】図5に示した転がり軸受の静止時及び運転時に
おける変化を示す要部拡大図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る転がり軸受を工作
機械の主軸の支持用として使用した場合の要部拡大断面
図である。
【図10】実施例における外輪軌道径膨張量を示すグラ
フである。
【図11】実施例における回転中の予圧荷重を示すグラ
フである。
【図12】実施例における転がり疲れ寿命比を示すグラ
フである。
【図13】実施例における玉と外輪溝の接触面圧比を示
すグラフである。
【符号の説明】
1A アンギュラ玉軸受 1B アンギュラ玉軸受 2 内輪 3 外輪 4 玉 6 外輪間座 7 内輪間座 8 前蓋 9 軸受ナット 11 主軸 12 ハウジング 21 アンギュラ玉軸受 22 内輪 23 外輪 24 玉 31 主軸 41 アンギュラ玉軸受 42 内輪 43 外輪 44 玉 51 主軸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体に嵌合される内輪と、ハウジングに
    保持される外輪との間に転動体を備えた転がり軸受にお
    いて、 前記外輪は、dm ・n値が200万を超える高速回転時
    に、外輪溝が膨張変形するようにその溝底肉厚を設定さ
    れていることを特徴とする転がり軸受。
JP12348798A 1997-07-15 1998-05-06 転がり軸受 Pending JPH1182499A (ja)

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Cited By (3)

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CN107165940A (zh) * 2017-05-27 2017-09-15 中国科学院上海技术物理研究所 一种自适应高精度的轴承端面固定零件
JP2018066453A (ja) * 2016-10-21 2018-04-26 株式会社ジェイテクト 転がり軸受

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JP2015010648A (ja) * 2013-06-28 2015-01-19 並木精密宝石株式会社 軸受機構
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