JP2975628B2 - 気体軸受け構造 - Google Patents

気体軸受け構造

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JP2975628B2
JP2975628B2 JP2077185A JP7718590A JP2975628B2 JP 2975628 B2 JP2975628 B2 JP 2975628B2 JP 2077185 A JP2077185 A JP 2077185A JP 7718590 A JP7718590 A JP 7718590A JP 2975628 B2 JP2975628 B2 JP 2975628B2
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    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2360/00Engines or pumps
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は気体軸受け構造に関し、特に動圧ラジアル気
体軸受け及び動圧スラスト気体軸受けを備えた高速回転
機用の気体軸受け構造に関する。
[従来の技術] 従来、ラジアル軸受け及びスラスト軸受けを備えた高
速回転機用の軸受け構造としては、例えばターボ分子ポ
ンプの軸受け構造が知られており、これはタービン翼と
駆動装置とが取り付けられたシャフトを、ベアリングに
よってラジアル及びスラストの少なくとも一方向に支持
するものである。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前述の如きベアリングを使用したター
ボ分子ポンプは、高速回転性に劣るためポンプとしての
能力が低く、高真空状態を実現できないばかりでなく、
耐久性に乏しいという問題点を有していた。
これら問題点を解決する方法としては、前記ラジアル
及びスラストの軸受け構造を比較的高速回転に適した気
体軸受け構造とすることが考えられる。例えば、第4図
に示すように、シャフト23の周囲にラジアル軸受け体24
及び上下一対のスラスト軸受け体25を配設すると共に、
シャフト23には、これら軸受け体24,25との間にそれぞ
れ数μm〜数十μmのクリアランスC1,C2を隔てて対向
するラジアル軸26及びスラスト軸27(第4図では平板
状)を一体固着し、動圧又は静圧にて前記クリアランス
C1,C2に圧力気体膜を形成可能とすることが考えられ
る。そして、このような軸受け構造のもと、シャフト23
に取着されたモータロータ22と、その周囲に配設された
電磁コイル28との相互作用に基づきシャフト23を前記各
軸受け体24,25と非接触状態で回転させるターボ分子ポ
ンプが本発明者らにより検討されている。
ところが、係るターボ分子ポンプにおいては、シャフ
ト23の回転速度が次第に上昇して特定の回転数に達する
と、突然振動が発生し、シャフト23の安定回転が阻害さ
れるのみならず、最悪の場合にはメカニズムそのものが
破損されるという問題があり、上述の如き気体軸受け構
造を採用することができなかった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので
あり、その目的は、ラジアル軸及びスラスト軸と一体回
転される回転体の回転数の上昇に伴う振動等の発生を未
然に防止して、係る回転体を常時安定回転させることが
可能な高速回転機に適した気体軸受け構造を提供するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] 一般に、気体軸受け構造においては、軸及び軸受け体
には極めて高い寸法精度が要求されるが、特にラジアル
及びスラストの双方を気体軸受けで構成する場合には、
回転されるラジアル軸26とスラスト軸27とを極めて高い
精度で直交させる必要がある。
しかし、前記ラジアル軸26とスラスト軸27とを完全に
直交させることは、加工精度の技術的限界から実際上困
難であり、一般的には第5図(a)及び(b)に示すよ
うに、ラジアル軸26の中心線Lとスラスト軸27のスラス
ト面に平行な平面Pとの間には、その直角度において、
±α゜の誤差が生じる。前述した気体軸受け構造にあっ
ては、このような直角度の不足からシャフト23が特定の
回転数に達したときに、振動が発生するものと考えられ
る。
即ち、第5図(a)に示すように、シャフト23はその
起動に伴い、先ずラジアル方向及びスラスト方向のう
ち、回転時の剛性の高い方向(第5図(a)ではラジア
ル方向)が優先して位置規制される。すると、回転時の
剛性の低い方向のスラスト軸27とスラスト軸受け体25と
の間に、通常のクリアランスC2よりも狭い部位S1が形成
され、この部位S1の圧力が増大する。その結果、シャフ
ト23にはその重心Gを中心とする右回りのモーメントが
発生し、シャフト23が第5図(a)の状態から第5図
(b)の状態へ傾動される。すると、今度はラジアル軸
26とラジアル軸受け体24との間に、通常のクリアランス
C1よりも狭い部位S2が形成され、この部位S2の圧力が増
大する。その結果、シャフト23にその重心Gを中心とす
る左回りのモーメントが発生し、シャフト23が再び第5
図(a)の状態に復帰される。
こうして、シャフト23は第5図(a)の状態と第5図
(b)の状態との間を絶えず揺動されることになり、回
転数の上昇に伴い、前記揺動の振幅が大きくなって各軸
26,27と各軸受け体24,25とが接触するようになり、軸受
け構造の破壊に至るものと推測される。
本発明は、ラジアル軸とスラスト軸との間の直角度の
不足を直截に反映する軸受け構造となっていることが、
上述のような互いに反対方向に作用するモーメントを交
互に生じ、揺動現象を助長する原因になっている点に着
目してなされたものである。
本発明の気体軸受け構造は、ラジアル軸を回転可能に
支持するラジアル軸受け体と、スラスト軸を回転可能に
支持するスラスト軸受け体と、前記ラジアル軸受け体及
びスラスト軸受け体を保持するケーシングとを備え、こ
れら部材から任意に選択される一対の部材の組合せのう
ち、少なくとも一組が弾性体を介して連結されるととも
に、前記ラジアル軸受け体とスラスト軸受け体の境界部
分に対応するように、前記ケーシングには同ケーシング
における他部位よりも肉厚の薄い切欠き部が形成され、
同切欠き部には複数のスリットが形成されている。
[作用] 前記ラジアル軸受け体、スラスト軸受け体、ケーシン
グから任意に選択される一対の部材の組合せのうち、少
なくとも一組が弾性体を介して連結されることにより、
相互の部材間には相互の取り付け角度を微小に変化させ
る程度の自由度が確保される。即ち、 ラジアル軸受け体とスラスト軸受け体とが弾性体を介
して連結されている場合、両部材間には相互の取り付け
角度を微小に変化させる程度の自由度が確保される。
ラジアル軸受け体とケーシングとが弾性体を介して連
結されている場合、ケーシングに取り付けられたスラス
ト軸受け体とラジアル軸受け体との間には相互の取り付
け角度を微小に変化させる程度の自由度が確保される。
また、スラスト軸受け体とケーシングとが弾性体を介
して連結されている場合、ケーシングに取り付けられた
ラジアル軸受け体とスラスト軸受け体との間には相互の
取り付け角度を微小に変化させる程度の自由度が確保さ
れる。
従って、ラジアル軸とスラスト軸との間の直角度の不
足に起因して、通常ならば、一体回転されるラジアル軸
とスラスト軸とを不安定振動させるモーメントが生じる
ような場合でも、ラジアル軸受け体及びスラスト軸受け
体は、それぞれラジアル軸及びスラスト軸との間の空気
圧バランスに応じて、相互の取り付け角度を微妙に変化
させ、各軸とのクリアランスが局所的に狭くなることを
極力回避する。それ故、一体回転されるラジアル軸とス
ラスト軸とを不安定振動させるモーメントの発生が未然
に防止され、ラジアル軸及びスラスト軸の安定した一体
回転が確保される。
前記弾性体はリング状に形成されて、連結される部材
間に介装されることが好ましく、このような簡便な構成
により、両部材間には相互の取り付け角度を微小量変化
させる程度の自由度が確保される。
この場合の弾性体厚さは、0.5〜2.0mmの範囲が好適で
ある。弾性体厚さが0.5mm未満では連結される両部材間
に必要な自由度を付与することができず、2.0mmを超え
ると軸受け体としての剛性が不足して新たな問題を生ず
る。
前記弾性体の構成材料としては、シリコンゴム、ウレ
タンゴム、フッ素ゴム及びブチルゴム等があげられ、前
記弾性体はこれらから選択される何れか少なくとも一種
からなることが好ましい。
また、前記弾性体は、ショア硬度にして60〜95、圧縮
永久歪みにして最大で20〜40%のものが好ましく、この
範囲内のものであれば、新たな問題を生じることなく、
前記連結される両部材を、適度な弾性をもって連結する
ことができる。
更に、ラジアル軸受け体とスラスト軸受け体の境界部
分に対応するように、前記ケーシングには同ケーシング
における他部位よりも肉厚の薄い切欠き部が形成され、
同切欠き部には複数のスリットが形成されている。
このスリットによって、ケーシング内の圧力は容易に
大気に開放されるとともに、肉薄に形成されている切欠
き部には弾性が付与されて、両軸受け体の境界部分に対
応するケーシングのラジアル軸方向の上半部は下半部に
対し弾性変形可能となっている。そのため、ケーシング
を介してラジアル及びスラストの両軸受け体が弾性的に
連結され、両軸受け体間には前述のような自由度が付与
される。
前記ケーシングとしては、アルミニウム、炭素鋼、真
鍮等の金属製ケーシングが好ましく、切欠き部の形成に
よって、効果的にケーシング自体に適度な弾性を持たせ
ることができる。
ラジアル軸受け体及びスラスト軸受け体、並びにラジ
アル軸及びスラスト軸の構成材料としてはセラミックス
が好適であり、なかでも炭化珪素が有利である。
その理由は、炭化珪素焼結体は機械的強度、耐磨耗性
等に優れており、かつ比較的軽量だからである。
[第一実施例] 以下に、本発明をターボ分子ポンプの駆動モータ部に
具体化した第一実施例を図面を参照しながら説明する。
第1図に示すように、中央部1aが半径方向へ突出した
円筒形状のケーシング1内には、その軸方向(上下方
向)に延びるロータシャフト2が回動可能に収容されて
いる。このロータシャフト2のケーシング1外へ突出さ
れた上端部には、タービン翼3が設けられている。一
方、ロータシャフト2の下端部外周には、複数に分割さ
れたマグネット4が一体的に取着されると共に、ケーシ
ング1の下部内周面上には、マグネット4を包囲するよ
うに、複数の電磁コイル17が設けられている。
また、ケーシング1内には、その上半部内周面に対応
させて円筒状に形成されたラジアル軸受け部5と、その
軸受け部5に直交して鍔状に形成されたスラスト軸受け
部6とを有し、かつ炭化珪素焼結材料で形成された軸受
け部材7が設けられている。そして、この軸受け部材7
は、その上下両端部外周にそれぞれ設けられると共に、
シリコンゴムを使用して環状に形成された第1ゴムリン
グ18及び第2ゴムリング19(断面逆L字状)を介して前
記ケーシング1に装着されており、軸受け部材7とケー
シング1とは、両ゴムリング18,19の厚み(1.0mm)に相
当する距離だけ離間されている。
前記ロータシャフト2の外周部には、この軸受け部材
7のラジアル軸受け部5に対向して円筒状に形成された
炭化珪素製のラジアル対向部材11が、前記ラジアル軸受
け部5との間に所定のクリアランスC3(実寸10μm)を
隔てて一体回動可能に取着されている。
また、ケーシング1の中央部1a内には、前記軸受け部
材7のスラスト軸受け部6に対応して環状に形成された
炭化珪素製のスラスト軸受け板8が設けられている。こ
のスラスト軸受け板8は、その下面側に設けられると共
に、シリコンゴムを使用して環状に形成された第3ゴム
リング20を介してケーシング1に装着されており、スラ
スト軸受け板8とケーシング1とは、該ゴムリング20の
厚み(1mm)に相当する距離だけ離間されている。更
に、スラスト軸受け板8と前記軸受け部材7のスラスト
軸受け部6とは、両者6,8間に介在された円筒状のスペ
ーサ9によって所定間隔を隔てられ、かつ互いの対向面
が平行になるように配置されている。
前記ラジアル対向部材11の下側に隣接したロータシャ
フト2の外周部には、前記軸受け部材7のスラスト軸受
け部6と前記スラスト軸受け板8の双方に対向して円板
状に形成された炭化珪素製のスラスト対向部材12が、両
者6,8との間に所定のクリアランスC4(実寸5μm)を
隔てて一体回動可能に取着されている。
一方、軸受け部材7のラジアル軸受け部5に対応する
金属製のケーシング1の周面には、他部位(肉厚3〜10
mm)よりも肉厚h(本実施例では1.5mm)の薄い切欠き
部1bが周面全体にわたって形成されると共に、この切欠
き部1bにはケーシング1の長さ方向へ延びる複数のスリ
ット21が形成されている。そのため、この切欠き部1bに
よってケーシング1には弾性が付与され、この切欠き部
1bから上側にあるケーシング1の上半部は、この切欠き
部1bよりも下側にあって、極めて高い剛性を有するケー
シング1の中央部1a及び下半部に対し、ケーシング1の
上端部においてコンマ数μmの変位が可能となってい
る。
更に、前記ラジアル対向部材11の外周面、及び前記ス
ラスト対向部材12の上下両面には、ロータシャフト2の
回転に伴い、前記各クリアランスC3,C4にそれぞれ気体
を導入する複数の動圧溝15及び16が刻設されている。
尚、前記軸受け部材7のラジアル軸受け部5によって
ラジアル軸受け体が構成され、軸受け部材7のスラスト
軸受け部6及びスラスト軸受け板8によってスラスト軸
受け体が構成される。また、前記ロータシャフト2、並
びに前記ラジアル対向部材11及びスラスト対向部材12に
より回転体Rが構成され、ラジアル対向部材11及びスラ
スト対向部材12がそれぞれ回転体Rのラジアル軸及びス
ラスト軸に相当する。更に、前記第1〜第3ゴムリング
18,19,20は、それぞれ弾性体を構成する。
次に、上述のように構成されたターボ分子ポンプの駆
動モータ部の作用について説明する。
前記各電磁コイル17に対する通電制御が開始される
と、各電磁コイル17によって形成される磁界とマグネッ
ト4による磁界との相互作用により、回転体Rが所定方
向へ回転駆動される。
回転体Rの起動に伴って、前記各動圧溝15,16の作用
により、ラジアル対向部材11と軸受け部材7のラジアル
軸受け部5との間、並びに、スラスト対向部材12とスラ
スト軸受け板8及び軸受け部材7のスラスト軸受け部6
との間に空気が導入されて、それぞれに圧力気体膜が形
成される。この圧力気体膜により、回転体Rはケーシン
グ1に内装された各部材7,8等と、前記各クリアランスC
3,C4を保ちながら、非接触状態に支持されて回転され
る。
ここで、仮に、この回転体Rのロータシャフト2の中
心線Lと、スラスト対向部材12のスラスト面に平行な平
面Pとが、加工精度の限界から完全に直交していないと
する。このような場合、前述したように、回転体Rのラ
ジアル方向及びスラスト方向のうち、回転時の剛性の高
い方向が優先的に位置規制され、回転体Rの重心を中心
とする揺動現象を生じる条件が成立する。
しかし、軸受け部材7とスラスト軸受け板8とは、そ
れぞれ第1,第2ゴムリング18,19及び第3ゴムリング20
を介してケーシング1に連結されているため、両部材7,
8はケーシング1に対する取り付け位置を微小量変化さ
せることができ、両部材7,8間には相互の取り付け角度
を微小に変化させる程度の自由度が確保される。それに
加えて、軸受け部材7のラジアル軸受け部5とスラスト
軸受け部6の境界部分に対応するように、ケーシング1
には切欠き部1bが形成されているため、ケーシング1の
上半部は下半部に対して変位可能、即ち弾性的に連結さ
れ、前記両部材7,8間の相互自由度は更に増大されてい
る。
従って、両部材7,8間には、ケーシング1の上端にお
いて0.1〜2.0μm程度変位させる自由度が確保されてお
り、それ故に、回転時の剛性の低い方向の回転体Rの対
向部材(11又は12)と、対する軸受け体(5又は6,8)
との間に、通常のクリアランスよりも狭い部位が形成さ
れて、一方の対向部材を所定位置に復元しようとするモ
ーメントが生ずるような場合でも、ケーシング1側の各
軸受け部材7,8は、回転体Rの各対向部材11,12との間の
空気圧バランスに応じて、相互の取り付け角度を微妙に
変化させ、各クリアランスC3,C4が局所的に狭くなるこ
とを極力回避する。それ故に、回転体Rを不安定振動さ
せようとするモーメントの発生が未然に防止され、回転
体Rは安定回転することができる。
また、仮に一方の対向部材(11又は12)において前述
のようなモーメントが発生される場合でも、他方の対向
部材はその影響をほとんど受けることなく、所定のクリ
アランスを保持し続けることができる。従って、回転体
Rの駆動時において、回転体の振動が前記第1〜第3ゴ
ムリング18,19,20によって吸収されると考えることもで
きる。
尚、本実施例に近似する別例としては、次のものがあ
げられる。
(a)第2図に示すように、前記第一実施例において、
第1ゴムリング18及び第3ゴムリング20を省略して、軸
受け部材7のラジアル軸受け部5及びスラスト軸受け板
8をそれぞれケーシング1の内周面に密接させた構成と
してもよい。このような構成としても、切欠き部1bを介
してケーシング1の上下両半部が弾性的に連結されるた
め、前記と略同様の作用、効果を発揮することができ
る。
(b)第1、2図にそれぞれ示す軸受け構造において、
軸受け部材7のラジアル軸受け部5とスラスト軸受け部
6とを別部材によって分割構成し、それぞれに弾性体を
介してケーシング1に装着してもよい。また、別体とし
た両部材を弾性体を介して相互に連結してもよい。
[第二実施例] 第3図に示すように、本実施例ではケーシング(図示
略)側の軸受け体として、円筒状に形成されたラジアル
軸受け部35と、その軸受け部35に直交して鍔状に形成さ
れたスラスト軸受け部36とを有する軸受け部材37、及び
前記スラスト軸受け部36に対し平行に配置されるスラス
ト軸受け板38が設けられている。これら37,38は、両者
間に介装される円筒状の介装部材39によって所定間隔を
隔てられていると共に、軸受け部材37、介装部材39、ス
ラスト軸受け板38を貫通して螺着される複数個のボルト
31及びナット32(一組のみ図示)によって連結されてい
る。更に、各ボルト31の頭部と軸受け部材37との間、及
び、軸受け部材37と介装部材39との間には、シリコンゴ
ムにてリング状に形成された一対のリングゴム33(厚み
0.5mm)がそれぞれ介装されている。尚、前記軸受け部
材37のラジアル軸受け部35によってラジアル軸受け体が
構成され、軸受け部材37のスラスト軸受け部36及びスラ
スト軸受け板38によってスラスト軸受け体が構成され
る。
従って、弾性体としてのリングゴム33を介在させるこ
とによって、軸受け部材37とスラスト軸受け板38とが弾
性的に連結される。そして、リングゴム33の弾性と、ボ
ルト31の締め付け具合とにより、軸受け部材37とスラス
ト軸受け板38との間には相互の取り付け角度を微小に変
化させる程度の自由度が確保されるため、前記第一実施
例と同様、回転体Rを不安定振動させようとするモーメ
ントの発生が未然に防止され、回転体Rは振動を生じる
ことなく、安定回転することができる。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、弾性体及びケー
シングに形成された切欠き部により、ラジアル軸及びス
ラスト軸と一体回転される回転体の回転数の上昇に伴う
振動等の発生を未然に防止して、係る回転体を常時安定
回転させることができるという優れた効果を奏する。
従って、本発明は高速回転機用の気体軸受け構造とし
て極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第一実施例を示す断面図、第2図は第
一実施例に近似した別例を示す要部断面図、第3図は本
発明の第二実施例を示す要部断面図、第4図は試験的構
成例を示す断面図、第5図(a)及び(b)は前記試験
的構成例の欠点を示す説明図である。 1……ケーシング、1b……切欠き部、5,35……ラジアル
軸受け体としてのラジアル軸受け部、6,36……スラスト
軸受け部、8,38……スラスト軸受け板(前記6,8及び36,
38によりそれぞれスラスト軸受け体が構成される)、11
……ラジアル軸としてのラジアル対向部材、12……スラ
スト軸としてのスラスト対向部材、18,19,20……弾性体
としての第1,第2,第3ゴムリング、33……弾性体として
のリングゴム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16C 17/10 F16C 27/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラジアル軸(11)を回転可能に支持するラ
    ジアル軸受け体(5,35)と、 スラスト軸(12)を回転可能に支持するスラスト軸受け
    体(6,8,36,38)と、 前記ラジアル軸受け体及びスラスト軸受け体を保持する
    ケーシング(1)とを備え、 これら部材から任意に選択される一対の部材の組合せの
    うち、少なくとも一組が弾性体(18,19,20,33)を介し
    て連結されるとともに、前記ラジアル軸受け体(5,35)
    とスラスト軸受け体(6,36)の境界部分に対応するよう
    に、前記ケーシング(1)には同ケーシング(1)にお
    ける他部位よりも肉厚の薄い切欠き部(1b)が形成さ
    れ、同切欠き部(1b)には複数のスリット(21)が形成
    されていることを特徴とする気体軸受け構造。
  2. 【請求項2】ラジアル軸受け体(35)とスラスト軸受け
    体(38)とが弾性体(33)を介して連結されてなる請求
    項1に記載の気体軸受け構造。
  3. 【請求項3】ラジアル軸受け体(5)とケーシング
    (1)とが弾性体(18,19)を介して連結されてなる請
    求項1に記載の気体軸受け構造。
  4. 【請求項4】スラスト軸受け体(6,8)とケーシング
    (1)とが弾性体(18,19,20)を介して連結されてなる
    請求項1に記載の気体軸受け構造。
  5. 【請求項5】前記弾性体(18,19,20,33)は、シリコン
    ゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム及びブチルゴムから選
    択される何れか少なくとも一種からなることを特徴とす
    る請求項1乃至4の何れか一項に記載の気体軸受け構
    造。
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