JP2807036B2 - 自動ねじ締め方法及び装置 - Google Patents

自動ねじ締め方法及び装置

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JP2807036B2 JP2099658A JP9965890A JP2807036B2 JP 2807036 B2 JP2807036 B2 JP 2807036B2 JP 2099658 A JP2099658 A JP 2099658A JP 9965890 A JP9965890 A JP 9965890A JP 2807036 B2 JP2807036 B2 JP 2807036B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は複数ねじ種のねじを予め設定された締め付け
トルクで自動的に締め付ける自動ねじ締め及び装置に関
する。
[従来の技術] 時計、カメラ等の精密機器、コンピュータ、ディスク
メモリ装置等の電子機器等の各種産業における組立て作
業において、ねじ締め作業は最も基本的なものである。
このねじ締め作業は、モータ動力によりねじ締めを行う
自動ねじ締め装置を用いて行われる。
一般にねじ締め作業においては、締め付けトルクを予
め設定した値にすることが求められている。このため従
来の自動ドライバ装置においても締め付けトルクを調節
できるようにしたものがある。
しかし、従来の自動ドライバ装置ではねじの種類さ被
締め付け体が異なる場合でも単に締め付けトルクの値を
調整できるだけであった。すなわち、ねじの太さやピッ
チ等の形状や、鉄やプラスチック等の材質や、セルフタ
ッピング用ねじなどの機能が異なる場合や、被締め付け
体の材質が金属やプラスチック等と異なる場合でも、設
定した締め付けトルクに応じて同じ締め付け制御をして
いた。
[発明が解決しようとする課題] このため、例えば径の小さいねじを締め付ける場合に
は、締め付け時の回転により、ねじに加わる締め付けト
ルクが設定値を大きく越えてしまい、ねじの頭に大きな
ストレスが加わるという問題があった。加わったストレ
スによりねじ締め付け時に千切れる場合には対処も可能
であるが、ねじ締め時には千切れるまで至らなかったね
じが数日以上経ってから突然ねじの頭がとれてしまうと
いう事故が発生して問題となっていた。
本発明の目的は、ねじの種類の応じて最適なねじ締め
制御を行うことができる自動ねじ締め方法及び装置を提
供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的は、ねじ径の異なる複数ねじ種のねじを予め
設定された締め付けトルクで自動的に締め付ける自動ね
じ締め方法において、ねじ着座前は、前記複数ねじ種か
ら選択されたねじ種と前記設定された締め付けトルクに
基づいて、ねじ径が大きいねじ種ほど最適回転数が小さ
くなるように定められる最適回転数により前記設定され
た締め付けトルク以下の回転トルクで前記ねじを回転さ
せ、ねじ着座後は、前記選択されたねじ種に応じて、ね
じ径が大きいねじ種ほど回転トルクの立ち上がりを強く
鈍らせるように定められる前記回転トルクの時間変化特
性に基づいて、前記回転トルクを前記設定された締め付
けトルクまで上昇させながら前記ねじを締め付けること
を特徴とする自動ねじ締め方法によって達成される。
上記目的は、ねじ径の異なる複数ねじ種のねじを予め
設定された締め付けトルクで自動的に締め付ける自動ね
じ締め方法において、前記ねじを回転させる回転手段
と、前記複数ねじ種から選択されたねじ種と前記設定さ
れた締め付けトルクに基づいて、ねじ径が大きいねじ種
ほど最適回転数が小さくなるように前記回転手段の最適
回転数を設定する最適回転数設定手段と、前記回転手段
を前記最適回転数で定速回転させる定速制御信号を出力
する定速制御手段と、前記選択されたねじ種に応じて、
ねじ径が大きいねじ種ほど回転トルクの立ち上がりを強
く鈍らせるように定められる前記回転手段の回転トルク
の時間変化特性に基づいて、ねじ着座時における前記定
速制御信号の立上りを変化させる立上り制御手段と、前
記回転手段の回転トルクが前記設定された締め付けトル
クを越えないように前記定速制御信号を制限するトルク
制限手段とを備えたことを特徴とする自動ねじ締め装置
によって達成される。
[作用] 本発明によれば、ねじ着座前は、複数ねじ種から選択
されたねじ種と設定された締め付けトルクに基づいて、
ねじ径が大きいねじ種ほど最適回転数が小さくなるよう
に定められる最適回転数により設定された締め付けトル
ク以下の回転トルクでねじを回転させ、ねじ着座後は、
選択されたねじ種に応じて、ねじ径が大きいねじ種ほど
回転トルクの立ち上がりを強く鈍らせるように定められ
る回転トルクの時間変化特性に基づいて、回転トルクを
設定された締め付けトルクまで上昇させながらねじを締
め付けるようにしたので、ねじ径の異なるねじ種に応じ
て最適なねじ締め制御を行うことができる。
[実施例] 本発明の第1の実施による自動ねじ締め装置を第1図
乃至第3図を用いて説明する。
本実施例による自動ねじ締め装置は、ねじ締めを行う
ドライバユニット10と、ドライバユニット10を制御する
制御ユニット20に分かれている。これらドライバユニッ
ト10と制御ユニット20はコネクタCNTにより接続されて
いる。
ドライバユニット10にはねじ締めを行う回転手段であ
るモータ12が設けられている。このモータ12の回転軸に
は、先端でねじを回転するビット14が取付けられ、この
回転軸の後端には、モータ12の回転数を検出するため回
転に応じたパルス信号を出力するエンコーダ16が取付け
られている。なお、エンコーダ16の代わりにタコジェネ
レータを用いてもよい。
制御ユニット20には、例えばマイクロコンピュータに
より構成された制御部22が設けられ、自動ねじ締め装置
の全体を制御している。
制御ユニット20には、自動ねじ締め装置への各種指示
を入力する入力部24と、その指示内容を表示する表示部
26とが設けられ、制御部22に接続されている。これら入
力部24及び表示部26は、第2図に示す制御ユニット20の
前面パネル28上に設けられている。
第2図に示すように、前面パネル28上部左には、ねじ
種選択スイッチ24aが設けられ、M1.0からM2.0の4種類
のねじ種を選択するようになっている。ねじ種選択スイ
ッチ24a上部には現在選択されたねじ種を表示するねじ
種表示部26aが設けられている。
前面パネル28上部右には、締め付けトルクを設定する
トルク設定スイッチ24bが設けられている。このトルク
設定スイッチ24bは、1kgcmの位の値を設定するスイッチ
と、0.1kgcmの位の値を設定するスイッチと、0.01kgcm
の位の値を設定するスイッチという3つのスイッチによ
り構成されている。トルク設定スイッチ24b上部には設
定された締め付けトルクの値を表示するトルク表示部26
bが設けられている。
前面パネル28の中央部には、モータ12の回転方向を切
換える正/逆転切換スイッチ24cと、リモートとマニュ
アルを切換えるリモート/マニュアル切換スイッチ24d
が設けられている。
前面パネル28下部左には、電源スイッチ30が設けら
れ、下部右にはドライバユニット10を接続するためのコ
ネクタ32が設けられている。
制御ユニット20による基本的制御は、ねじ着座前は、
モータ12が選択されたねじ種と設定締め付けトルクに基
づいた最適回転数になるような定速制御を行い、ねじ着
座後は、選択されたねじ種に応じて回転トルクを時間変
化させつつ上昇させ、設定された締め付けトルクを越え
ないように制限してモータ12を電流制御するものであ
る。
入力部24のトルク設定スイッチ24bにより設定された
締め付けトルクは制御部22に記憶される。制御部22に記
憶された締め付けトルクのデジタル信号は、D/A変換部3
4によりアナログ信号に変換されてモータ電流制限部36
と最適回転数設定部46に出力される。
入力部24のねじ種選択スイッチ24aにより選択された
ねじ種は制御部22に記憶され、制御部22に接続された選
択部48は選択されたねじ種のねじ種信号を最適回転数設
定部46と立上り制御部50に対して出力する。
ドライバユニット10のエンコーダ16からのパルス信号
は入力回路42を介して制御部22と定速制御部44に出力さ
れる。定速制御部44はモータ12の回転数が所定の最適定
速回転になるようにモータ12を制御するために定速制御
信号を出力する。すなわち、モータ12の回転数が低いと
モータ電流を大きくして回転数が上昇するようにし、モ
ータ12の回転数が高いとモータ電流を小さくして回転数
が低くなるような定速制御信号を出力する。
効率よくねじ締めを行うためには、モータ12を高速回
転させて短時間でねじ締めを行うことが望ましい。しか
し、モータ12の回転が早くなり過ぎると着座時に慣性に
より設定された締め付けトルクを越えてしまい、ねじの
頭切れなどの事故が起きやすくなる。したがって、設定
された締め付けトルクを越えることなく、最も効率的に
ねじ締めを行うことができる最適回転数でモータ12を回
転させることが必要である。このようにモータ12の最適
回転数は設定された締め付けトルクに応じて異なると共
に、同じ締め付けトルクでも締め付けるねじの径により
異なる。
最適回転数設定部46は、D/A変換部34からの設定ねじ
締めトルクに応じたアナログ信号と、選択部48からのね
じ種信号に基づいて設定した最適回転数を定速制御部44
に出力する。本実施例では、複数ねじ種M1.0、M1.4、M
1.8、M2.0と設定された締め付けトルクに基づいて、第
3図に示すように最適回転数を設定する。ねじ径が大き
いねじ種ほど締め付けトルクに対する最適回転数を小さ
くする。
定速制御部44からの定速制御信号は、最適回転数から
のずれに応じてモータ電流すなわち回転トルクを変化さ
せるように変化する。ねじが着座するとモータ12の回転
数が急激に減少して最適回転数から大きくずれて定速制
御信号がステップ状に立上る。この定速制御信号をその
ままモータ駆動部38に入力してモータ12を駆動すると、
ねじ着座時のモータ12の電流変化が急激すぎて設定され
た締め付けトルク以上のトルクがねじに加わるおそれが
ある。このため定速制御部44からの定速制御信号の立上
りをある程度鈍らせて回転トルクの時間変化をコントロ
ールする必要がある。しかも、回転トルクの最適な時間
変化特性は、ねじ種により異なる。径の大きいねじ種ほ
どねじ自身の慣性が大きいのでモータ12の回転トルクの
立上りを強く鈍らせる必要がある。
立上り制御部44は、選択部48からのねじ種信号に基づ
いて、ねじ種M1.0〜M2.0から選択されたねじ種に応じた
時間変化特性により定速制御部44からの定速制御信号の
立上りを鈍らせて、モータ12の回転トルクの立上りを鈍
らせるようにする。径の大きいねじ種ほど定速制御信号
を強く鈍らせるようにする。
モータ駆動部38は、立上り制御部44により変化させら
れた定速制御信号に応じたモータ電流が流れるようなモ
ータ駆動信号をモータ12に出力する。
ねじが着座すると、前述のようにモータ12の回転数が
減少して定速制御信号が大きくなり回転トルクが上昇す
る。トルク制限手段としてのモータ電流制限部36は、ね
じ着座後に上昇するモータ12の回転トルクが、設定した
締め付けトルクを越えないように、モータ駆動部38によ
るモータ電流を制限する。
モータ12におけるモータ電流を検出するためにモータ
電流検出抵抗40が接続されている。本実施例ではモータ
電流検出抵抗40は制御ユニット20内に設けられている。
モータ電流制限部36は、このモータ電流検出抵抗40によ
るモータ電流信号と、D/A変換部34からの設定締め付け
トルクの設定トルク信号を入力し、モータ電流による回
転トルクが設定締め付けトルクを越えないように、定速
制御信号を制限する。
ねじ締め終了検出部54は、モータ電流制限部36からの
出力信号によりモータ12が停動トルクに達して停止し、
ねじ締めが終了したことを検出する。ねじ締め終了信号
は制御部22に出力される。
起動制御部52は制御部22からのねじ締め終了信号に応
じてねじ締めの終了及び起動を制御する。すなわち、ね
じ締め終了信号が入力されると締め付けられる板などの
被締め付け体のばね性等が安定する時間、例えば0.3秒
だけモータ電流を切ることなく停動状態を維持し、その
後モータ電流を切るためのモータ停止信号をモータ駆動
部38に出力する。モータ停止後、例えば1秒後には、モ
ータ起動信号をモータ駆動部38に出力して、次のねじ締
めのためにモータ12の回転を再開する。
第4図に立上り制御部50とモータ駆動部38とモータ電
流制御部36の詳細を示す。
立上り制御部50は入力した定速制御信号を遅延させる
CR遅延回路として構成されている。共通のコンデンサ50
aに対して、ねじ種に応じた4つの抵抗50b、50c,50d、5
0eが並列接続されて設けられている。各抵抗50b、50c、
50d、50eにはアナログスイッチ50f、50g、50h、50iが直
列接続されている。これらアナログスイッチ50f、50g、
50h、50iのいずれかが、ねじ種信号に応じてオンして、
抵抗50b、50c、50d、50eを切換える。なお、定速制御信
号の立ち下り時は遅延させないようにするために、抵抗
50b〜50e及びアナログスイッチ50f〜50iに並列に、直列
接続されたダイオード50jと抵抗50kが設けられている。
モータ駆動部38はパワーアンプ38aにより構成されて
いる。このパワーアンプ38aの入力端には立上り制御部5
0とモータ電流制限部36が接続されている。
モータ電流制限部36はオペアンプ36aで構成され、オ
ペアンプ36aの入力端の一方にはモータ電流検出抵抗40
によるモータ電流信号が入力され、他方にはD/A変換部3
2からの設定トルク信号が入力される。設定トルク信号
が入力される入力端には入力抵抗36bが接続され、オペ
アンプ36aの出力端には出力抵抗36cが接続されている。
この出力抵抗36cとパワーアンプ38aの入力端との間には
ダイオード36dが設けられ、モータ駆動部38からモータ
電流制限部36の方向にのみ電流が流れるように構成され
ている。
次に、本実施例の自動ねじ締め装置を用いたねじ締め
動作について説明する。
まず、電源スイッチ30をオンするとモータ12が軽いト
ルクで回転する定速回転状態となる。
次に、ねじ締めが行われるねじ種をねじ種選択スイッ
チ24aにより選択する。選択結果はねじ種表示部26aに表
示される。同様に、ねじを締め付ける締め付けトルクを
トルク設定スイッチ24bを操作して設定する。設定され
た締め付けトルク値はトルク表示部26bに表示される。
最適回転数設定部46は、選択されたねじ種と設定され
た締め付けトルクの値に基づいた最適回転数を演算して
定速制御部44に対して最適回転数を設定する。また、立
上り制御部50では、選択されたねじ種に基づいてアナロ
グスイッチ50f、50g、50h、50iのいずれかがオンし、ね
じ種に適した抵抗50b、50c、50d、50eに切換えられる。
次に、ドライバユニット10のビット14先端に真空によ
りねじをチャッキングする。なお、真空チャッキングは
周知技術であるので詳細な説明を省略する。モータ12が
アイドリング状態で回転しているので、チャッキングし
たねじの頭の溝がビット14に自動的に噛み合う。
次に、ビット14先端にチャッキングされたねじをねじ
穴に合わせてねじ締めを開始する。
ねじ締めを開始すると、定速回転部44は、モータ12の
回転数が最適回転数設定部46により設定された最適回転
数になるような定速制御信号を出力する。ねじが着座す
るまでは、ねじ穴の雌ねじの山とねじの雄ねじの山が噛
み合ってねじ込まれていくだけであるから負荷トルクが
小さく、最適回転数でねじが回転される。
ねじが着座すると急激に回転が減少するので、定速制
御部44からの定速制御信号がモータ12を最適回転数で回
転させるように急激に立上がる。立上り制御部50は、切
換えられた抵抗50b、50c、50d、50eとコンデンサ50aに
よるCR時定数により定速制御信号の急激な立上りを鈍ら
せて徐々にモータ電流が増えるようにモータ駆動部38を
制御する。
定速制御信号が増大してモータ駆動部38によりモータ
電流が増大して、モータ電流制限部36へのモータ電流信
号が設定された締め付けトルクを示す設定トルク信号を
越えようとすると、オペアンプ36aがパワーアンプ38aの
入力端から電流を引込んで、定速制御信号が増大しない
ように制限する。このため、ねじ着座後の定速制御部44
によるモータ電流の増大が制限されて、設定された締め
付けトルクでねじ締めが行われる。
ねじ締め終了検出部54によりねじ締めが終了したこと
が検出され、エンコーダ16のパルス信号からモータ12の
回転が停止したことが検出されると、起動制御部52は0.
3秒間だけモータ電流を切ることなく停動状態を維持
し、その後モータ12の電流を切る。これによりねじ締め
を終了する。
続いて、起動制御部52はモータを1秒間停止させた後
にモータ12の回転を再開し、次のねじ締めのためにアイ
ドリング状態に戻る。
このように本実施例によれば、ねじ締め開始時はモー
タをねじ種及び設定トルク値に応じた最適回転数で回転
させて、着座後は設定した締めつけトルクになるように
ねじを締め付けるので、ねじの種類に応じた適切なねじ
締め作業を迅速に行うことができる。
本発明の第2の実施例による自動ねじ締め装置を第5
図を用いて説明する。第1の実施例と同一の構成要素に
は同一の符号を付して説明を省略する。
実際の工場における組立て調整作業では、左ねじを締
め付けたり、既に締め付けられているねじを緩めて外し
たり、一度締め付けたねじをある角度だけ緩めた後にね
じに固定された部材の位置を調整した後に再びねじを締
め付けたり、最初にねじを弱く締めて部材の位置決めを
行った後に強く締め付けたり、等々の種々の作業が行わ
れている。
本実施例の自動ねじ締め装置は上述した実際の組立て
調整作業における多様なねじ締め作業を行うことができ
るようにすると共に、組立てロボット等の他の自動装置
からも制御できるようにした点に特徴がある。
本実施例の自動ねじ締め装置では、制御ユニット20の
モータ駆動部38の後段に新たに正逆転切換部56を設けて
いる。正逆転切換部56は制御部22からの指令信号により
モータ12の回転方向を正転又は逆転になるように切換え
る。
また、制御部20に、モータ12にブレーキをかけるブレ
ーキ部57を設けている。ドライバユニット10のモータ12
の両端をショートすることによりモータ12を発電機とし
て動作させて制動する。
さらに、制御ユニット20にインターフェース部58を設
け、外部の自動装置60との間で信号の授受を行うように
している。自動装置60からの指令信号をインターフェー
ス部58を介して入力した指令信号を制御部22が判断して
指令信号に応じてドライバユニット10を制御する。
インターフェース部58を介して入力される指令信号に
より制御するかどうかは、リモート/マニュアル切換ス
イッチ24dにより切換えられる。
次に、本実施例の自動ねじ締め装置により可能な各種
制御の具体例について説明する。なお、各種制御におけ
るねじ締め制御の詳細は第1の実施例と同様であるため
省略する。
左ねじの締め付け制御 前面パネル28中央部の正/逆転切換スイッチ24cを切
換えると、制御部22からの逆転指令信号により正逆転切
換部56がモータ12の回転方向を切換える。逆方向にモー
タ12を回転させて左ねじを締め付ける。なお、回転方向
が逆である点を除いては第1の実施例のねじ締め制御と
同様であるので説明を省略する。
右ねじと左ねじが混在した締め付け制御を連続的に行
う場合には、自動装置60の指令信号をインターフェース
部58を介して制御部22に入力し、制御部22は必要に応じ
て正逆転切換部56に切換指令信号を出力して制御する。
ねじの緩め制御 右ねじを緩める場合には、制御部22からの逆転指令信
号により正逆転切換部56がモータ12の回転方向を切換え
る。緩めるために必要なトルク値をトルク設定スイッチ
24bにより設定する。制御部22からD/A変換部34に設定ト
ルク値が出力されてアナログ信号に変換され、モータ電
流制限部36に出力される。
制御部22から起動制御部52に起動指令信号を出力して
モータ12を起動する。最初、ねじは回転しないので定速
制御部44により最適回転数でモータ12を回転しようとし
てモータ電流が急激に上昇する。モータ電流の上昇によ
りモータ12のトルクがねじ戻しトルクより大きくなると
ねじが緩んで回転し始める。ねじが緩み始めると定速制
御部44の働きによりモータ電流が低下し、最適回転数に
達して所定時間経過すると、起動制御部52はモータ電流
を切ってねじの緩め制御を終了する。
なお、左ねじを緩める場合の制御は、右ねじを緩める
場合と回転方向が逆である点を除いては動揺であるので
説明を省略する。
ねじの締め付け又は緩め角度制御 入力部24から予め制御角度を制御部22に設定記憶して
おく。ねじの締め付け又は緩め制御において、エンコー
ダ14からのパルス信号は入力回路42を介して制御部22に
入力される。制御部22はパルス信号をカウントし、モー
タ起動時からの回転角が制御角度に達すると、制御部22
は起動制御部52に停止指令信号を発する。起動軌道制御
部52は停止指令信号を受けてブレーキ部57によりモータ
12の両端をショートさせてブレーキをかける。
この角度制御により、一度締め付けたねじを少し緩め
て部材を位置調整することが可能となる。
自動装置60からの角度制限指令信号が入力されると、
予め設定記憶された角度だけ締め付け又は緩めの制御を
行う。
ねじ締め付けトルクの選択制御 入力部24から複数の設定トルク値を入力し、制御部22
に予め記憶させておく。ねじ締め付け制御部に、制御部
22が予め設定記憶しておいた複数の設定トルク値から最
適な設定トルク値を選択し、D/A変換部34に出力する。D
/A変換部34はアナログ信号に変換してモータ電流制限部
36に出力する。
自動装置60から制御する場合は、自動装置60からの選
択指令信号をインターフェース部58を介して制御部22に
入力させて設定トルク値を選択する。
ねじ種の選択制御 自動装置60からのねじ種の選択指令信号をインターフ
ェース部58を介して制御部22に入力させる。制御部22か
らの選択指令信号により選択部48は最適な最適回転数設
定部46及び立上り制御部50を選択する。
ねじ締め付け動作不良の検出 本実施例のねじ締め付け制御においては、ねじの締め
付け終了を検出してモータ電流を一旦切るようにしてい
る。制御部22で起動時から締め付け終了までの時間を監
視して動作不良を検出する。すなわち、(a)モータ12
起動時から一定時間経過しても締め付けを終了しない場
合、(b)モータ12起動時から一定時間経過していない
のに締め付け終了した場合、には締め付け不良としてエ
ラー信号を発し、インターフェース部58を介して自動装
置60に出力すると同時に表示部26に表示する。自動装置
60はエラー信号により一連のねじ締め制御を停止するな
どの必要な処置をとる。
このように本実施例によれば、実際の組立て調整作業
における多種多様なねじ締め作業を行うことができると
共に、外部の自動装置からの制御により多種多様なねじ
締め作業を組合わせた複雑な一連の作業を行うことがで
きる。
[発明の効果] 以上の通り、本発明によれば、ねじの種類の応じて最
適なねじ締め制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例による自動ねじ締め装置
のブロック図、 第2図は同自動ねじ締め装置の制御ユニットの前面パネ
ルを示す図、 第3図は同自動ねじ締め装置における設定トルクと最適
回転数の関係を示すグラフ、 第4図は同自動ねじ締め装置の要部の詳細を示す回路
図、 第5図は本発明の第2の実施例による自動ねじ締め装置
のブロック図である。 図において、 10……ドライバユニット 12……モータ 14……ビット 16……エンコーダ 20……制御ユニット 22……制御部 24……入力部 24a……ねじ種選択スイッチ 24b……トルク設定スイッチ 24c……正/逆転切換スイッチ 24d……リモート/マニュアル切換スイッチ 26……表示部 26a……ねじ種表示部 26b……トルク表示部 28……前面パネル 30……電源スイッチ 32……コネクタ 34……D/A変換部 36……モータ電流制限部 36a……オペアンプ 36b……入力抵抗 36c……出力抵抗 36d……ダイオード 38……モータ駆動部 38a……パワーアンプ 40……モータ電流検出抵抗 42……入力回路 44……定速制御部 46……最適回転数設定部 48……選択部 50……立上り制御部 50a……コンデンサ 50b、50c、50d、50e……抵抗 50f、50g、50h、50i……アナログスイッチ 50j……ダイオード 50k……抵抗 52……起動制御部 54……ねじ締め終了検出部 56……正逆転切換部 57……ブレーキ部 58……インターフェース部 60……自動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02P 7/00 H02P 7/00 C (56)参考文献 特開 平2−83173(JP,A) 特開 昭57−138578(JP,A) 特開 昭57−8086(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B25B 23/14 620 B25B 23/14 630 B25B 21/00 B23P 19/06 H02P 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ねじ径の異なる複数ねじ種のねじを予め設
    定された締め付けトルクで自動的に締め付ける自動ねじ
    締め方法において、 ねじ着座前は、前記複数ねじ種から選択されたねじ種と
    前記設定された締め付けトルクに基づいて、ねじ径が大
    きいねじ種ほど最適回転数が小さくなるように定められ
    る最適回転数により前記設定された締め付けトルク以下
    の回転トルクで前記ねじを回転させ、 ねじ着座後は、前記選択されたねじ種に応じて、ねじ径
    が大きいねじ種ほど回転トルクの立ち上がりを強く鈍ら
    せるように定められる前記回転トルクの時間変化特性に
    基づいて、前記回転トルクを前記設定された締め付けト
    ルクまで上昇させながら前記ねじを締め付けることを特
    徴とする自動ねじ締め方法。
  2. 【請求項2】ねじ径の異なる複数ねじ種のねじを予め設
    定された締め付けトルクで自動的に締め付ける自動ねじ
    締め装置において、 前記ねじを回転させる回転手段と、 前記複数ねじ種から選択されたねじ種と前記設定された
    締め付けトルクに基づいて、ねじ径が大きいねじ種ほど
    最適回転数が小さくなるように前記回転手段の最適回転
    数を設定する最適回転数設定手段と、 前記回転手段を前記最適回転数で定速回転させる定速制
    御信号を出力する定速制御手段と、 前記選択されたねじ種に応じて、ねじ径が大きいねじ種
    ほど回転トルクの立ち上がりを強く鈍らせるように定め
    られる前記回転手段の回転トルクの時間変化特性に基づ
    いて、ねじ着座時における前記定速制御信号の立上りを
    変化させる立上り制御手段と、 前記回転手段の回転トルクが前記設定された締め付けト
    ルクを越えないように前記定速制御信号を制限するトル
    ク制限手段と を備えたことを特徴とする自動ねじ締め装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の自動ねじ締め装置におい
    て、 前記回転手段の回転方向を切換える回転方向切換手段を
    備えたことを特徴とする自動ねじ締め装置。
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