JPH10100074A - ねじ締め方法及び装置 - Google Patents

ねじ締め方法及び装置

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Publication number
JPH10100074A
JPH10100074A JP8258510A JP25851096A JPH10100074A JP H10100074 A JPH10100074 A JP H10100074A JP 8258510 A JP8258510 A JP 8258510A JP 25851096 A JP25851096 A JP 25851096A JP H10100074 A JPH10100074 A JP H10100074A
Authority
JP
Japan
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motor
screw
tightening
torque
vibration
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Application number
JP8258510A
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English (en)
Inventor
Kazuo Oishi
和男 大石
Saburo Kojima
三郎 小島
Tamotsu Kiyohara
保 清原
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mining Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Mining Co Ltd filed Critical Nippon Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータの出力トルクに応じた締め付け力でね
じ締めすることが可能なねじ締め方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】 モータ12により回転するビット14に
よりねじを締めて被締め付け体をねじ締めする。モータ
12からビット14とねじを介して被締め付け体に至る
間に存在する摩擦部分に、モータ12の回転方向に沿っ
た振動を与えながらねじ締めする。これにより、摩擦部
分において停止、回転の大きな動きを制し、停止してい
る時間と回転する角度を少なくし、モータ12の出力ト
ルクに応じた締め付け力によりねじ締めすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータにより回転
するビットによりねじを締めて被締め付け体をねじ締め
するねじ締め方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】時計、カメラ等の精密機器、コンピュー
タ、ハードディスクドライブ装置等の電子機器等の各種
産業における組立て作業において、ねじ締め作業は最も
基本的なものである。近年、ねじ締め作業の効率化の観
点から、モータ動力によりねじ締めを行う電動ドライバ
を用いて行われる。
【0003】従来の電動ドライバでは、例えば、ねじ締
めを2段階で行うようにしている。ねじ着座前の最初の
段階では、小さなモータ電流によりねじ締めを行い、ね
じ着座後の最終段階では、モータ電流を大きくして所望
の大きな締め付け力が得られるように定電流制御を行っ
て一定トルクで締め付けるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電動ドライバでは、ねじ着座後にモータ電流を大きくし
てモータが出力するトルクを増加しても、そのモータ出
力トルクに応じた締め付け力により被締め付け体をねじ
締めできないことがあった。そのため、従来の電動ドラ
イバでは、所望の締め付け力によるねじ締めを安定して
行うことができなかった。特に、ギア付きの電動ドライ
バの場合、安定した締め付け力によるねじ締めを行うこ
とが困難であった。
【0005】本発明の目的は、モータの出力トルクに応
じた締め付け力でねじ締めすることが可能なねじ締め方
法及び装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、モータ
出力トルクに応じた締め付け力により被締め付け体をね
じ締めできないことがある現象を解明するために、モー
タを用いたねじ締めについて力学的な解析を行った。そ
の結果、モータから被締め付け体の間に存在する摩擦面
において、動摩擦係数と静止摩擦係数との間に差がある
ため、その摩擦面において停止、回転の動きを繰り返す
ことが原因であることがわかった。
【0007】そこで、本願発明者等は、この摩擦面に対
しモータの回転方向に沿った振動を与えることにより、
停止、回転の大きな動きを制し、停止している時間と回
転する角度を少なくすることを思いついた。このように
すれば、理想的な振動条件では、ほとんど停止せずにス
ムーズに最終締め付けまで達することができる。このよ
うにモータの回転方向に沿った振動を摩擦面に与えるこ
とにより、モータの出力トルクに応じた締め付け力によ
りねじ締めすることが可能である。
【0008】したがって、本発明によるねじ締め方法
は、モータにより回転するビットによりねじを締めて被
締め付け体をねじ締めするねじ締め方法において、モー
タからビットとねじを介して被締め付け体に至る間に存
在する摩擦部分に、モータの回転方向に沿った振動を与
えながらねじ締めすることを特徴とする。また、本発明
によるねじ締め装置は、モータにより回転するビットに
よりねじを締めて被締め付け体をねじ締めするねじ締め
装置において、モータの駆動電流に振動成分を与える電
流振動手段を有することを特徴とする。
【0009】さらに、本発明によるねじ締め装置は、モ
ータにより回転するビットによりねじを締めて被締め付
け体をねじ締めするねじ締め装置において、モータのモ
ータ軸に振動を印加する振動印加手段を有することを特
徴とする。このように、本発明によれば、モータからビ
ットとねじを介して被締め付け体に至る間に存在する摩
擦部分に、モータの回転方向に沿った振動を与えるよう
にしたので、停止、回転の大きな動きを制し、停止して
いる時間と回転する角度を少なくし、理想的な振動条件
ではほとんど停止することなくスムーズに最終トルクま
で締め付け、モータの出力トルクに応じた締め付け力に
よりねじ締めすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態による電動ド
ライバを図1乃至図4を用いて説明する。本実施形態に
よる電動ドライバは、ねじ締めを行うドライバユニット
10と、ドライバユニット10を制御する制御ユニット
20に分かれている。これらドライバユニット10と制
御ユニット20はコネクタ32により接続されている。
【0011】ドライバユニット10にはねじ締めを行う
回転手段であるモータ12が設けられている。モータ1
2は、コアレスDCモータである。モータ12の回転軸
には、3つの遊星ギアにより構成されたギア13が設け
られ、ギア13には、ねじを回転するビット14が取付
けられている。ギア13として、例えば、大きなトルク
でねじ締めするためにモータ12の回転速度を減速する
減速ギアが用いられている。なお、モータ固有の慣性モ
ーメントによる限界を越えるような高速でねじ締めする
ために、ギア13として増速ギアを用いるようにしても
よい。また、ギア13を用いることなくモータ12のモ
ータ軸にビット14が直結されていてもよい。
【0012】モータ12の回転軸の後端には、モータ1
2の回転速度を検出するため、回転に応じたパルス信号
を出力するエンコーダ16が取付けられている。なお、
エンコーダ16の代わりにタコジェネレータを用いても
よい。制御ユニット20には、例えばマイクロコンピュ
ータにより構成された制御部22が設けられ、電動ドラ
イバの全体を制御している。
【0013】制御ユニット20には、電動ドライバへの
各種指示を入力する入力部24と、その指示内容を表示
する表示部26とが設けられ、制御部22に接続されて
いる。これら入力部24及び表示部26は、図2に示す
制御ユニット20の前面パネル28上に設けられてい
る。図2に示すように、前面パネル28上部左には、ね
じ種選択スイッチ24aが設けられ、M1.0 からM2.0
の4種類のねじ種を選択するようになっている。ねじ種
選択スイッチ24a上部には現在選択されたねじ種を表
示するねじ種表示部26aが設けられている。
【0014】前面パネル28上部右には、締め付けトル
クを設定するトルク設定スイッチ24bが設けられてい
る。このトルク設定スイッチ24bは、0.1N・mの
位の値を設定するスイッチと、0.01N・mの位の値
を設定するスイッチと、0.001N・mの位の値を設
定するスイッチという3つのスイッチにより構成されて
いる。トルク設定スイッチ24b上部には設定された締
め付けトルクの値を表示するトルク表示部26bが設け
られている。
【0015】前面パネル28の中央部には、モータ12
の回転方向を切換える正/逆転切換スイッチ24cと、
リモートとマニュアルを切換えるリモート/マニュアル
切換スイッチ24dが設けられている。前面パネル28
下部左には、電源スイッチ30が設けられ、下部右には
ドライバユニット10を接続するためのコネクタ32が
設けられている。
【0016】制御ユニット20による基本的制御は、ね
じ着座前は、モータ12が選択されたねじ種と設定締め
付けトルクに基づいた最適回転速度になるような定速制
御を行い、ねじ着座後は、ねじ種によりねじを締め付け
て行く過程の最適なトルクの変化特性が異なることか
ら、ねじ種に応じて定められる締め付けトルクの最適な
変化特性に基づいて、締め付けトルクを設定締め付けト
ルクまで上昇させながら、刻々変化する締め付けトルク
が設定締め付けトルクを越えないように制限してモータ
12を電流制御するものである。
【0017】入力部24のトルク設定スイッチ24bに
より設定された締め付けトルクのデータと、入力部24
のねじ種選択スイッチ24aにより選択されたねじ種は
制御部22に記憶される。制御部22はこの2つのデー
タから算出された最適回転速度のデジタル値をD/A変
換器34に出力する。ドライバユニット10のエンコー
ダ16からのパルス信号は入力回路42を介して制御部
22と定速制御部44に出力される。定速制御部44は
モータ12の回転速度が所定の最適定速回転になるよう
にモータ12を制御するために定速制御信号を出力す
る。すなわち、モータ12の回転速度が低いとモータ電
流を大きくして回転速度が上昇するようにし、モータ1
2の回転速度が高いとモータ電流を小さくして回転速度
が低くなるような定速制御信号を出力する。
【0018】効率よくねじ締めを行うためには、モータ
12を高速回転させて短時間でねじ締めを行うことが望
ましい。しかし、モータ12の回転が速くなり過ぎると
着座時に慣性モーメントにより設定された締め付けトル
クを越えてしまい、ねじの頭切れなどの事故が起きやす
くなる。したがって、設定された締め付けトルクを越え
ることなく、最も効率的にねじ締めを行うことができる
最適回転速度でモータ12を回転させることが必要であ
る。このようにモータ12の最適回転速度は設定された
締め付けトルクに応じて異なると共に、同じ締め付けト
ルクでも締め付けるねじの径により異なる。
【0019】複数ねじ種M1.0 、M1.4 、M1.8 、M2.
0 と設定された締め付けトルクとに基づいて最適回転速
度を設定する。ねじ径が大きいねじ種ほど設定された締
め付けトルクにおける最適回転速度を小さくする。定速
制御部44からの定速制御信号は、最適回転速度からの
ずれに応じてモータ電流すなわち回転トルクを変化させ
るように変化する。ねじが着座するとモータ12の回転
速度が急激に減少して最適回転速度から大きくずれて定
速制御信号がステップ状に立上る。この定速制御信号を
そのままモータ駆動部38に入力してモータ12を駆動
すると、モータの発生する締め付けトルクに慣性モーメ
ントが加算されて設定された締め付けトルク以上のトル
クがねじに加わるおそれがある。
【0020】このため、定速制御部44からの定速制御
信号の変化をコントロールする必要がある。しかも、設
定された締め付けトルクの最適な変化特性は、ねじ種や
ねじ締め条件により異なるので、制御部22に締め付け
トルクの最適な変化曲線を予め記憶させておく。D/A
変換部49は、記憶された締め付けトルクの最適な変化
曲線に応じて変化するデジタルの締め付けトルク信号を
アナログ信号に変換し、モータ電流制限部36に出力す
る。モータ電流制限部36は、このような締め付けトル
クの変化特性に応じてモータ駆動部38を制御して、定
速制御部44から立上り制御部50を介した定速制御信
号を制限し、最終的には締め付けトルクの最適な変化特
性に応じてモータを駆動制御する。
【0021】立上り制御部50は、定速制御部44から
の定速制御信号の立上りを一定程度鈍らせて、モータ1
2の回転トルクの立上りを鈍らせるようにする。定速制
御信号の急激な変化があっても急激に変化せず、締め付
けトルクの最適な変化特性に対して追随できるようにし
ておく。モータ駆動部38は、立上り制御部50により
変化させられた定速制御信号に応じたモータ電流が流れ
るようにモータ駆動信号をモータ12に出力する。
【0022】ねじが着座すると、前述のようにモータ1
2の回転速度が減少して定速制御信号が大きくなり回転
トルクが上昇する。トルク制限手段としてのモータ電流
制限部36は、ねじ着座後に上昇するモータ12の回転
トルクが、D/A変換部49からの最適な変化曲線に応
じて設定された締め付けトルクを越えないように、モー
タ駆動部38によるモータ電流を制限する。
【0023】着座検出部54は、モータ電流制限部36
からの出力信号によりモータ12が停動トルクに達して
着座したことを検出し、着座検出信号を制御部22に出
力する。起動制御部52は、制御部22からの信号によ
り、ねじ締めの終了及び起動を制御する。すなわち、ね
じ締め終了信号が入力されると制御部22は一定時間、
例えば、0.3秒だけモータ電流を切ることなく停動状
態を維持し、その後モータ電流をきるためのモータ停止
信号を起動制御部52に出力する。モータ停止後、例え
ば、1秒後には、モータ起動信号を起動制御部52に出
力して、次のねじ締めのためにモータ12の回転を制御
する。
【0024】発振回路56は、モータ12を駆動するモ
ータ電流に所定の周波数の振動成分を与えるためのもの
である。制御部22は、発振回路56から出力される振
動成分の振幅のデジタル値をD/A変換部58に出力
し、D/A変換器58の出力が発振回路56から出力さ
れる振動成分の振幅を設定する。発振回路56のオンオ
フは、制御部22からの信号により制御される。
【0025】次に、本実施形態の電動ドライバを用いた
ねじ締め動作について説明するまず、電源スイッチ30
をオンするとモータ12が軽いトルクで回転する定速回
転状態となる。次に、ねじ締めが行われるねじ種をねじ
種選択スイッチ24aにより選択する。選択結果はねじ
種表示部26aに表示される。同様に、ねじを締め付け
る締め付けトルクをトルク設定スイッチ24bを操作し
て設定する。設定された締め付けトルク値はトルク表示
部26bに表示される。
【0026】制御部22は、この2つのデータから算出
された最適回転速度のデジタル値をD/A変換器34に
出力し、算出された振動成分の振幅のデジタル値をD/
A変換部58に出力する。D/A変換器34の出力が定
速制御部44に対して最適回転速度を設定する。定速制
御部44はモータ12の回転速度が最適回転速度になる
ような定速制御信号を出力する。
【0027】D/A変換部58の出力が発振回路56に
対して振動成分の振幅を設定する。発振回路56は所定
の周波数で設定された振幅の振動成分をモータ駆動部3
8に対して出力する。モータ駆動部38からのモータ電
流には、発振回路56から出力された振動成分が重畳さ
れる。次に、図3に示すように、ドライバユニット10
のビット14先端に真空によりねじ3をチャッキングす
る。モータ12がアイドリング状態で回転しているの
で、チャッキングしたねじ3の頭の溝がビット14に自
動的に噛み合う。
【0028】次に、ビット14先端にチャッキングされ
たねじ3を、被締め付け体1、2のねじ穴に合わせてね
じ締めを開始する。ねじ3が被締め付け体2に着座する
までは、ねじ穴の雌ねじの山とねじの雄ねじの山が噛み
合ってねじ込まれていくだけであるから負荷トルクが小
さく、最適回転速度でねじが回転される。
【0029】ねじ3が被締め付け体2に着座すると急激
に回転が減少するので、定速制御部44からの定速制御
信号がモータ12を最適回転速度で回転させるように急
激に立上がる。立上り制御部50は、抵抗とコンデンサ
によるCR時定数により定速制御信号の急激な立上りを
鈍らせるようにモータ駆動部38を制御する。定速制御
信号が増大していくと、モータ電流制限部36は、D/
A変換部49から出力される締め付けトルクの最適な変
化特性に応じて、締め付けトルクを越えようとしても定
速制御信号が増大しないように制限する。
【0030】このため、ねじ着座後の定速制御部44に
よるモータ電流は、D/A変換部49からの締め付けト
ルクの最適な変化特性に応じた締め付け制御がなされ、
最終的には設定された締め付けトルクでねじ締めが行わ
れる。本実施形態では、ねじ着座後に、発振回路56か
らの振動成分をモータ電流に重畳する。なお、モータ電
流に対して振動成分を、ねじ着座前から印加するように
してもよいし、ねじ着座後所定時間が経過した後に印加
するようにしてもよい。
【0031】着座検出部54によりねじが着座したこと
が検出され、エンコーダ16のパルス信号からモータ1
2の回転が停止したことが検出されると、制御部22か
らの信号により起動制御部52は0.3秒間だけモータ
電流を切ることなく停動状態を維持し、その後モータ1
2の電流を切る。これによりねじ締めを終了する。続い
て、制御部22からの信号により起動制御部52はモー
タを1秒間停止させた後にモータ12の回転を再開し、
次のねじ締めのためにアイドリング状態に戻る。
【0032】本実施形態では、モータ駆動部38から出
力されるモータ電流に対して発振回路56からの振動成
分を重畳している。このようにモータ電流に振動成分を
加えることにより、ギア13内の歯の噛み合わせ面、ね
じ3の座面等の摩擦面に対しモータ12の回転方向に沿
った振動を与え、モータ12の出力トルクに応じた締め
付け力によりねじ締めすることが可能である。
【0033】図4に、モータ電流に振動成分を加えない
場合(図4(a))と、モータ電流に振動成分を加えた
場合(図4(b))の、出力トルクの変化を示す。図4
(b)に示すように、モータ電流に、例えば、振動周波
数が250Hzで振幅が締付けトルクを発生する電流の
4%の振動成分を与えると、出力トルクの変化曲線に一
時的な落ち込みや乱れがなく、モータ電流の変化に応じ
て出力トルクがスムーズに変化する。出力トルクはねじ
締め付け時に一定値となり、その値が締め付けトルクと
なる。したがって、所望の締め付けトルクによる安定し
たねじ締めを行うことができる。
【0034】これに対し、モータ電流に振動成分を加え
ない場合には、図4(a)に示すように、出力トルクの
変化曲線に一時的な落ち込みや乱れがあり、スムーズに
変化していない。このため、ねじの締め付けトルクは、
ねじ締めの途中の段階における出力トルクの最大値とな
り、ねじ締め毎に異なってしまう。したがって、所望の
締め付けトルクによる安定したねじ締めを行うことがで
きない。
【0035】試作したねじ締め装置では、モータ電流に
重畳する振動成分の振動周波数としては、約200〜2
70Hzの範囲であれば安定したねじ締めを行うことが
できた。モータ電流に重畳する振動成分の振動波形とし
ては、正弦波等のどのような波形であっても安定したね
じ締めが可能であるが、振動波形を鋸波にした場合が良
好であった。
【0036】本発明の他の実施形態による電動ドライバ
を図5を用いて説明する。図1に示す電動ドライバと同
一又は同種の構成要素には同一の符号を付して説明を省
略又は簡略にする。上述した実施形態では、モータ12
の駆動電流に振動成分を重畳することにより、摩擦部分
にモータ12の回転方向に沿った振動を与えるようにし
たが、本実施形態では、振動を与えるための振動用モー
タをモータ12とは別個に設け、この振動用モータによ
りモータ軸に振動を直接印加する点に特徴がある。
【0037】本実施形態においては、図5に示すよう
に、モータ12のビット14に振動用モータ15が設け
られている。振動用モータ15には発振回路56の出力
信号がコネクタ32を介して印加されている。発振回路
56は、振動モータ15に所定の周波数のモータ電流を
与えるためのものである。制御部22からの信号により
発振回路56がオンオフされ、D/A変換器58により
発振回路56からの出力信号の振幅が設定される。
【0038】ねじ3が被締め付け体2に着座すると、モ
ータ電流制限部36は、D/A変換部49から出力され
る締め付けトルクの最適な変化特性に応じて電流を制限
し、最終的には設定された締め付けトルクでねじ締めが
行われる。本実施形態では、この間、発振回路56から
出力される振動信号により振動用モータ15が駆動さ
れ、ギア13内の歯の噛み合わせ面、ねじ3の座面等の
摩擦面に対しモータ12の回転方向に沿った振動を与え
る。これにより、モータ12の出力トルクに応じた締め
付け力によりねじ締めすることが可能である。
【0039】本実施形態のように、モータとは別個に振
動用モータを設け、この振動用モータによりモータ軸に
直接振動を与えるようにしても、所望の締め付けトルク
による安定したねじ締めを行うことができる。なお、本
実施形態では、モータ軸に直接振動を与えるための手段
として振動用モータを用いたが、超音波振動子、磁歪振
動子、電歪振動子、ラチェットとエアーを用いた振動子
等の他の機械的振動子を使用してもよい。
【0040】本発明は上記実施形態に限らず種々の変形
が可能である。例えば、上記実施形態では、モータのモ
ータ電流を制御してモータ軸に振動を与えるようにした
が、モータの駆動電力や駆動電圧を制御してもよい。ま
た、モータのモータ軸に振動を与えるようにしたが、被
締め付け体の方に振動を与えるようにしてもよい。要
は、モータからビットとねじを介して被締め付け体に至
る間に存在する摩擦部分に、モータの回転方向に沿った
振動を与えることができれば、どのような手段を用いて
もよい。
【0041】また、上記実施形態では、モータによるね
じ締めに本発明を適用したが、本発明の原理はねじ締め
だけではなく、ナット締めや、ボトルのキャップ締め
や、ドラム缶のキャップ締め等の他の締め付け制御に対
しても有効である。例えば、図6の実施形態は、モータ
12によりキャップホルダ17を回転してボトル5のキ
ャップ5aを締め付けるものである。この実施形態にお
いても、モータ12のモータ軸に振動を与えることによ
り、モータ12から被締め付け体であるボトル5に至る
摩擦面、例えば、ギア13内の歯の噛み合わせ面、キャ
ップホルダ17とキャップ5a間の面等の摩擦面に対
し、モータ12の回転方向に沿った振動を与える。これ
により、モータ12の出力トルクに応じた締め付け力に
よりキャップ締めをすることができる。
【0042】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、モータか
らビットとねじを介して被締め付け体に至る間に存在す
る摩擦部分に、モータの回転方向に沿った振動を与える
ようにしたので、停止、回転の大きな動きを制し、停止
している時間と回転する角度を少なくし、理想的な振動
条件ではほとんど停止することなくスムーズに最終トル
クまで締め付け、モータの出力トルクに応じた締め付け
力によりねじ締めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による電動ドライバのブロ
ック図である。
【図2】本発明の一実施形態による電動ドライバの制御
ユニットの前面パネルを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による電動ドライバによる
ねじ締め動作を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態による電動ドライバにおけ
るモータ電流と出力トルクの関係を示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施形態による電動ドライバのブ
ロック図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態によるボトルのキャ
ップ締め動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1、2…被締め付け体 3…ねじ 5…ボトル 5a…キャップ 10…ドライバユニット 12…モータ 13…ギア 14…ビット 15…振動用モータ 16…エンコーダ 17…キャップホルダ 20…制御ユニット 22…制御部 24…入力部 24a…ねじ種選択スイッチ 24b…トルク設定スイッチ 24c…正/逆転切換スイッチ 24d…リモート/マニュアル切換スイッチ 26…表示部 26a…ねじ種表示部 26b…トルク表示部 28…前面パネル 30…電源スイッチ 32…コネクタ 34…D/A変換部 36…モータ電流制限部 38…モータ駆動部 40…モータ電流検出抵抗 42…入力回路 44…定速制御部 49…D/A変換部 50…立上り制御部 52…起動制御部 54…着座検出部 56…発振回路 58…D/A変換部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータにより回転するビットによりねじ
    を締めて被締め付け体をねじ締めするねじ締め方法にお
    いて、 前記モータから前記ビットと前記ねじを介して前記被締
    め付け体に至る間に存在する摩擦部分に、前記モータの
    回転方向に沿った振動を与えながらねじ締めすることを
    特徴とするねじ締め方法。
  2. 【請求項2】 モータにより回転するビットによりねじ
    を締めて被締め付け体をねじ締めするねじ締め装置にお
    いて、 前記モータの駆動電流に振動成分を与える電流振動手段
    を有することを特徴とするねじ締め装置。
  3. 【請求項3】 モータにより回転するビットによりねじ
    を締めて被締め付け体をねじ締めするねじ締め装置にお
    いて、 前記モータのモータ軸に振動を印加する振動印加手段を
    有することを特徴とするねじ締め装置。
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