JP2001260042A - 打撃締付工具 - Google Patents

打撃締付工具

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JP2001260042A JP2000074131A JP2000074131A JP2001260042A JP 2001260042 A JP2001260042 A JP 2001260042A JP 2000074131 A JP2000074131 A JP 2000074131A JP 2000074131 A JP2000074131 A JP 2000074131A JP 2001260042 A JP2001260042 A JP 2001260042A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンマとアンビルの衝突音を検出し易くす
る。 【解決手段】 ハンマ4がアンビル2に衝突することに
よりアンビル2を回転させる打撃締付工具1において、
ハンマ4とアンビル2の衝突を検出する検出手段30
と、検出手段30で検出したハンマ4とアンビル2の衝
突回数に基づいて、ハンマ4を回転させる回転駆動源2
2を制御する制御手段とを備え、検出手段30が、特定
周波数領域の音を他の周波数領域の音に比較して大きな
電気信号に変換する特性を有する受音部材で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インパクトレンチ
やインパクトドライバ等の打撃締付工具の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ボルト・ナット等のネジ類を強固に締付
けるための打撃締付工具としてインパクトレンチやイン
パクトドライバ等がよく用いられる。この種の工具は、
例えば電動モータやエアモータ等の駆動源によって回転
するハンマと、ネジ類に係合してネジ類を回転させるア
ンビルを備える。このハンマとアンビルは相互に衝突し
て、ハンマがアンビルを回転させる。そして、ハンマと
アンビル間に所定値以上の力が作用したときは、アンビ
ルに対してハンマが遊転するように連携されている。か
かる構成を備えるため、ネジが軽負荷で螺合する間はハ
ンマがアンビルを連続的に回転させ、ネジ類を連続的に
締付ける。そして、ネジ類が締込まれ、アンビルとハン
マ間に所定値以上の力が作用するようになると、ハンマ
は遊転を始め、所定角遊転した後にアンビルに衝突する
ようになる。この遊転と衝突という動作が繰り返される
ことによって、ハンマが衝突するたびにアンビルが回転
し、ネジ類がその都度締付けられる。
【0003】上述した打撃締付工具では、最終的なネジ
の締付トルクはハンマとアンビルの衝突回数に依存す
る。このため、従来からハンマとアンビルの衝突回数に
基づいて締付トルクを調整する技術が開発されている
(例えば、特開平5−200677号等)。上記公報に
記載された技術では、ハンマとアンビルの衝突音を受音
するマイクロフォンによりハンマとアンビルの衝突を検
出する。そして、ハンマとアンビルが予め設定された回
数だけ衝突したときに、ハンマを回転させる駆動源の動
きを停止する。これによって、ハンマとアンビルは予め
設定された回数だけ衝突することとなり、ネジ類が適切
な締付トルクで締付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た打撃締付工具では、衝突音を検出する受音部材として
マイクロフォンを使用しているため、マイクロフォンか
ら出力される検出信号は比較的広い周波数領域の音が電
気信号に変換されたものとなる。このため、マイクロフ
ォンから出力される電気信号には、衝突音のみではなく
鉄骨等の被締結材で反響した反響音や駆動源から発生す
る音等多くのノイズ成分が含まれた電気信号となる。し
たがって、作業環境等によっては、これらの電気信号か
らハンマとアンビルの衝突を検出(判定)することが困
難な場合があった。
【0005】本発明は、上述した実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、検出手段から出力される電気
信号に含まれるノイズ成分を少なくすることにより、ハ
ンマとアンビルの衝突を検出し易くすることができる打
撃締付工具を実現する。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記課題
を解決するため請求項1に記載の打撃締付工具は、ハン
マがアンビルに衝突することによりアンビルを回転させ
る打撃締付工具において、ハンマとアンビルの衝突を検
出する検出手段と、該検出手段で検出したハンマとアン
ビルの衝突回数に基づいて、ハンマを回転させる駆動源
を制御する制御手段とを備え、前記検出手段が、特定周
波数領域の音を他の領域の音と比較して大きな電気信号
に変換する特性を有する受音部材で構成されている。上
記打撃締付工具では、検出手段は特定周波数領域の音を
他の領域の音と比較して大きな電気信号に変換する特性
を有する。したがって、前記特定周波数領域内に衝突音
の周波数ピークが含まれるようにすることにより、衝突
音を他の音(反響音等のノイズ)に比較して大きな電気
信号に変換することができ、ハンマとアンビルの衝突を
検出し易くする。
【0007】請求項1に記載の打撃締付工具において
は、前記受音部材をブザーにより構成することが好まし
い。ブザーは、特定周波数領域の音のみを大きな電気信
号に変換する性質を有し、かつ、市販される安価な部材
であるため、打撃締付工具の製造コストを安くすること
ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明を具現化した打撃締付
工具を、図を参照して説明する。図1はインパクトレン
チ1の一部断面側面図を示している。図中3はハウジン
グを示し、ここに回転駆動源であるモータ22が収容固
定されている。そのモータ22の出力軸20(ベアリン
グ19に軸支されている)にはギヤが形成され、このギ
ヤに複数の遊星ギヤ12が噛合っている。この遊星ギヤ
12はピン14を軸とし、ピン14はベアリング23に
軸支されたスピンドル8に固定されている。また遊星ギ
ヤ12は、インターナルギヤケース18に固定されたイ
ンターナルギヤ16の内径側に位置して、そのインター
ナルギヤ16に噛合っている。これらのギヤ列によって
減速機構が構成されている。ピン14を固定しているス
ピンドル8はモータ22で回転駆動される。スピンドル
8には複数の溝8aがV字型に形成されており、そのス
ピンドル8にハンマ4が遊転可能となっている。そし
て、ハンマ4と溝8a間にはボール6が介装されてい
る。この溝8aとボール6とによりカム機構が構成さ
れ、ハンマ4はスピンドル8に対し溝8aに沿って相対
移動可能となっている。また、ハンマ4とスピンドル8
との間に、ボール51とワッシャ49を介してバネ10
が圧縮状態で収容されており、ハンマ4は図示右方に常
時付勢されている。ハンマ4の先端側には、アンビル2
がハウジング3に対して回転可能に取付けられている。
アンビル2の先端2aは断面多角形になっており、ここ
にナット類の頭部に係合する図示されていないボックス
が取付けられる。アンビル2の後端面には直径方向に伸
びる一対の突条2b、2cが形成されている。またハン
マ4の先端面にも直径方向に伸びる突条4b、4cが形
成されており、各突条2b、2cと4b、4cの側面が
当接するようになっている。
【0009】次に、上述した締付機構の作用について説
明する。上述した締付機構においてナット類が軽負荷で
締付けられている場合、アンビル2とハンマ4の各突条
間に作用する力、すなわちスピンドル8とハンマ4間に
ボール6を介して作用する力も弱く、ハンマ4はバネ1
0の力によってアンビル2側に押付けられている。この
ためスピンドル8の回転がハンマ4とアンビル2に連続
的に伝えられ、ナット類(図示しない)は連続的に締付
けられる。一方ナット類の締付力が大きくなると、アン
ビル2とハンマ4の各突条間にも大きな力が作用するよ
うになり、スピンドル8とハンマ4間にもボール6を介
して大きな力が作用するようになる。このためハンマ4
を溝8aに沿ってスピンドル8の後方側に移動させる力
も大きくなる。すなわちアンビル2とハンマ4間に所定
値以上の力が作用すると、ハンマ4が後退して突条2
b、2cと突条4b、4cの当接関係が失われ、ハンマ
4はアンビル2に対して遊転する。突条4b、4cが突
条2b、2cをのりこえると、バネ10によりハンマ4
は前進する。このためハンマ4はアンビル2に対して所
定角遊転したのちに衝突する。この遊転して衝突する現
象が繰り返され、衝突毎にナット類はより強固に締付け
られる。
【0010】次に、ハンドル部3aに設けられる各種ス
イッチ類について説明する。ハンドル部3aには、回転
駆動源であるモータ22を起動させるためのメインスイ
ッチ48及びモータ22の回転方向を切換える正逆転切
替スイッチ24が設けられている。また、ハンドル部3
aの下端にはハンマ4とアンビル2の衝突回数を設定す
るためのダイヤル設定部34が設けられている。このダ
イヤル設定部34は、バッテリパック122を打撃締付
工具1から取外した状態で操作(設定回数の変更等)が
可能となっている。これは、使用者の意図しない設定変
更を防止するためである。
【0011】また、ハンドル部3a内の下端よりの位置
には、制御基板36が取付けられており、ここにマイク
ロコンピュータ38やスイッチング素子40等の電子部
品が実装されている。また、制御基板36にはハンマ4
とアンビル2の衝突音を受音する受音部30(圧電ブザ
ー)が組込まれている。
【0012】次に図2乃至4を参照して本打撃締付工具
1の回路構成を説明する。制御基板36に取付けられて
いるマイクロコンピュータ38はCPU110、ROM
118、RAM120とI/O108が1チップ化され
たマイクロコンピュータであり、図2に示すように接続
されている。このマイクロコンピュータ38のROM1
18には、モータ22の動作を制御するための制御プロ
グラム等が記憶されている。受音部30はフィルタ10
2を介して比較器104の一方の端子に接続されてい
る。比較器104の他方の端子には基準電圧発生器11
2の電圧V3が入力される。比較器104の出力電圧は
マイクロコンピュータ38に入力される。なお、電源で
あるバッテリパック122は、メインスイッチ48、正
逆転切替スイッチ24、スイッチング素子40を介して
モータ22に接続されている。スイッチング素子40は
スイッチング回路114を介してマイクロコンピュータ
38に接続されている。ダイヤル設定部34もマイクロ
コンピュータ38に接続されている。
【0013】次に上述した回路における受音部30、フ
ィルタ102、比較器104の具体的な回路構成を、図
3を用いて説明する。図3に示すように、受音部30は
抵抗R1を介して12V電源に接続されるとともに、コ
ンデンサC1の一方の端子に接続される。コンデンサC
1の他方の端子は比較器104の一方の端子に接続さ
れ、比較器の他方の端子は基準電圧発生器Vrefに接続
されている。また、コンデンサC1と比較器104の間
のB点には、ダイオードD3を介してアース線、及び、
ダイオードD2を介して5V電源に接続されている。一
方、図中A点とコンデンサC1の間のD点には、マイク
ロコンピュータ38が接続され、受音部30(圧電ブザ
ー)から音を発生するためのブザー信号が入力されるよ
うになっている。具体的には、D点はダイオードD1を
介してトランジスタTRのコレクタ端子に接続され、ト
ランジスタTRのベース端子はブザー信号を出力するマ
イクロコンピュータ38の出力ポートに接続され、トラ
ンジスタTRのエミッタ端子はアース線に接続されてい
る。
【0014】次に、上述した回路の作用を、図4を用い
て説明する。まず、モータ22が回転することによりハ
ンマ4がアンビル2に衝突し、衝突音が発生した際の作
用を説明する。ハンマ4とアンビル2が衝突して衝突音
が発生すると、受音部30より電圧V1が発生する。こ
の電圧V1は、図4(A)に示すように電圧Vb(電源
12Vから抵抗R1による電圧降下分を引いた電圧)を
基準として上下に振動する交流信号となる。この受音部
30から出力された電圧V1は、コンデンサC1により
直流成分が取り除かれ、ダイオードD3によって負の成
分が取り除かれる。このB点の電圧V2は、図4(B)
に示すように負の成分が除去された信号となっている。
電圧V2は、比較器104の一方の入力端子に入力さ
れ、比較器104の他方の端子に入力された基準電圧V
3と比較される。そして、出力電圧V2が基準電圧V3
より高くなると比較器104がオンされて、比較器10
4から出力電圧V4が出力される。この比較器104か
ら出力される出力電圧V4は、図4(C)に示すように
パルス波となる。このパルス波は、マイクロコンピュー
タ38の入力ポートで検出される。このパルス波は、ハ
ンマ4とアンビル2の衝突のときに立上がっており、衝
突音に相当するものとなる。したがって、マイクロコン
ピュータ38は、このパルス波をカウントすることで衝
突回数をカウントする。なお、受音部30で衝突音を検
出する際は、マイクロコンピュータ38の出力ポートか
らブザー信号は出力されず、トランジスタTRはオフと
なっている。
【0015】一方、受音部30(圧電ブザー)から音を
発生するときは、マイクロコンピュータ38の出力ポー
トからブザー信号(パルス波)が出力される。このパル
ス波によりトランジスタTRがオン−オフされる。した
がって、受音部30の一端の電圧(A点の電圧)もオン
(high)−オフ(low)されて、受音部30から音が発
生する。
【0016】ここで、上述した回路で用いられている受
音部30は、圧電ブザー(ムラタ製作所製、PKM22
EPP−4001)を使用している。この圧電ブザー
は、特定の周波数領域の音を出力するものであり、本実
施の形態の圧電ブザーでは周波数4kHz近くに出力音
圧レベルのピークを有する。このため、圧電ブザーを受
音部材として使用した場合には、特定の周波数領域(周
波数4kHz近辺)の音を他の周波数領域の音と比較し
て大きな電気信号に変換する特性を備える。なお、本実
施の形態の受音部30として4kHz近くに出力音圧レ
ベルのピークを有する圧電ブザーを用いた理由は、次の
理由による。すなわち、本実施の形態に係る打撃締付工
具により実際に締付作業を行い、ハンマ4とアンビル2
の衝突音を測定した。衝突音の測定は、比較的広い周波
数領域の音を受音できるコンデンサマイクを使用し、反
響音が生じない実験条件で測定した。そして、この測定
した音をFFT解析した結果、4kHz近辺に周波数の
ピーク(衝突音のピークに相当)が出たためである。
【0017】次に、上述したように構成される打撃締付
工具の動作について説明する。本実施の形態の打撃締付
工具においては、ダイヤル設定部34にハンマ4とアン
ビル2の打撃回数を設定し、この設定した回数だけハン
マ4とアンビル2が衝突したときにモータ22の回転が
停止させられる。このときのマイクロコンピュータ38
で行われる処理について説明する。なお、この処理はメ
インスイッチ48が操作されている間実行され、オフさ
れるとその実行も停止され、再度メインスイッチ48が
操作されると再度実行が開始される。まず、メインスイ
ッチ48がオンされるとまずダイヤル設定部34に設定
されている数字「xy」(10の位がx、1の位がy)
が読込まれ変数xyとしてRAM120に記憶される。
次に、ダイヤル設定部34にセットされている値が「0
0」かどうか判別される。ダイヤル設定部34に「0
0」が設定されている場合、衝突回数が0回に設定され
ているため、メインスイッチ48が操作されてもモータ
22は回転しない。
【0018】ダイヤル設定部34の設定値が「00」で
ないと判別されると、次に「99」が設定されているか
否かを判別する。ここで「99」は、ダイヤル設定部3
4で設定しうる最大値であり、この最大値が設定されて
いればスイッチング素子40をオンする。すなわち「9
9」が設定されている場合、メインスイッチ48がオン
されている間モータ22を回転させつづける。作業者は
「99」をセットすることにより、ハンマ4とアンビル
2の衝突回数によることなく、ナット等を連続的に締付
ることができる。
【0019】「00」も「99」も設定されていない場
合、すなわち「01」〜「98」がダイヤル設定部34
に設定されている場合は、次に正逆転切替スイッチ24
において、正転がセットされているか逆転がセットされ
ているかを、マイクロコンピュータ38が判別する。こ
れは図2に示すように正逆転切替スイッチ24とスイッ
チング素子40間の一方のリード線の電位を判別するこ
とで判別される。この電位は正逆転切替スイッチ24の
正逆によって変化する。正逆転切替スイッチ24が逆転
にセットされているときは、メインスイッチ48がオン
されている間モータ22を回転させる。すなわち、逆転
のときはメインスイッチ48がオフされるまでモータ2
2を回し続け、ナット等を緩める。
【0020】正転が設定されている場合は、ダイヤル設
定部34に設定されている数字「xy」から衝突予定回
数zを算出し、RAM120に記憶する。この衝突予定
回数zは、以下に示す式で算出される。 z=(x×10+y)×2+1 つまりダイヤル設定部34に「50」(10の位が
「5」、1の位が「0」)が設定された場合は、衝突予
定回数zは101回となる。衝突予定回数をRAM12
0に記憶すると、次に、スイッチング素子40をオン
し、モータ22を回転させ始める。次に衝突音を受音部
30が検出し、比較器104が打撃音検出信号を出力す
るまで待機する。
【0021】比較器104から出力されたパルス波をマ
イクロコンピュータ38の入力ポートで検出すると、C
PU110は次にRAM120に記憶されている打撃予
定回数zから1を減じる演算を行なう。次に、1を減じ
られた結果がゼロになったか否かが判別され、ゼロにな
ればスイッチング素子40をオフし、モータ22の回転
駆動を停止する。ゼロでなければ、上述した処理を繰り
返すこととなる。これらの処理により打撃予定回数zだ
けハンマ4とアンビル2が衝突したときにモータ22は
停止される。これにより、ナット等の締付トルクが所定
の値に管理される。
【0022】次に、上述した打撃締付工具(締付トルク
200Nmクラス)を用いて、ナット類の締付を行った
ときの比較器104の端子に入力される信号(受音部3
0から出力された信号)を測定した実験結果を説明す
る。図5、図6は受音部30に圧電ブザー(本実施の形
態に係る打撃締付工具)を用いた実験結果であり、図
7、図8は受音部30にコンデンサマイク(従来の打撃
締付工具)を用いた実験結果である。なお、図5及び図
7には反響音が生じないようにして測定したときの結果
を示し、図6及び図8には反響音が生じるようにして測
定したときの結果を示している。図5、図6の圧電ブザ
ーを使用したものでは、反響音無し・反響音有りのどち
らの場合においても、ノイズ成分が除去され、打撃間隔
毎にピーク(衝突音)が検出できた。一方、図7、図8
のコンデンサマイクを使用したものでは、図8に示す反
響音有りの場合、ノイズ成分が大きすぎて打撃(衝突
音)を検出することができなかった。
【0023】以上、詳述したように、本実施の形態の打
撃締付工具によれば、衝突音を検出する受音部30に圧
電ブザーを使用するため、ノイズ成分が除去されハンマ
4とアンビル2の衝突音を正確に検出することができ
る。特に、締付トルク200Nmクラスの打撃締付工具
を反響音が生じる状態で使用した場合においても、衝突
音を正確に検出することができた。また、本実施の形態
の打撃締付工具によれば、高性能のフィルタ等によりノ
イズ成分を除去する必要がないため、電気回路が複雑に
ならず、制御基板36を安価に製造することができる。
さらに、本実施の形態の打撃締付工具によれば、受音部
30を圧電ブザーとしているため、作業者へ警告を発す
る音源として受音部30を利用することもできる。これ
により、衝突音を検出するための受音部材と、警告を発
するための音声発生部材を同一の部品とすることがで
き、制御基板36の実装スペースを小さくすることがで
きる。
【0024】以上、本発明を具現化した一実施の形態に
ついて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限ら
れることなく、次に示す各形態で実施することが可能で
ある。ただし、下記に示す形態もあくまで例示であっ
て、本発明が上述した実施の形態や、次に記載された形
態に限定されると解釈すべきではない。
【0025】(1)上述した実施の形態においては、ハ
ンマとアンビルの衝突音を検出する手段としてブザーを
使用したが、衝突音を検出する検出手段としてはブザー
に限られず、例えば固有振動数を衝突音の周波数ピーク
と一致させた振動体と、この振動体の振動を電気信号に
変換する変換手段とで受音部材を構成できる。また、例
えば、特定周波数の音のみを発生するダイナミックスピ
ーカで受音部材を構成しても良い。
【0026】(2)上述した実施の形態においては、検
出手段から出力された電気信号を特別なフィルタを介さ
ずにそのままマイクロコンピュータに入力するような構
成としたが、このような構成に限られず、検出手段から
出力された電気信号をさらにフィルタ等によりノイズを
除去するようにしても良い。これにより、さらに衝突音
の検出を容易に行うことができる。
【0027】(3)上述した実施の形態においては、受
音部材として周波数4kHzにピークを有する圧電ブザ
ーを用いたが、圧電ブザーの周波数特性は打撃締付工具
の最大締付トルクや、ハウジングの形状等により適宜選
択することが好ましい。この際、実際に衝突音を測定し
て圧電ブザーの周波数特性を決定しても良いし、計算機
を利用した音解析等の結果を利用して周波数特性を決定
しても良い。
【0028】以上、本発明のいくつかの実施の形態につ
いて詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明
は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形
態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る打撃締付工具の一部断面側
面図。
【図2】本実施の形態に係る打撃締付工具の回路構成を
示すブロック図。
【図3】本実施の形態に係る打撃締付工具の具体的な回
路構成を示す図。
【図4】図3に示す回路における各点における出力電圧
を説明する図。
【図5】本実施の形態に係る圧電ブザーを用いた場合の
比較器へ入力される信号を示す実験結果(反響音無
し)。
【図6】本実施の形態に係る圧電ブザーを用いた場合の
比較器へ入力される信号を示す実験結果(反響音有
り)。
【図7】従来のコンデンサマイクを用いた場合の比較器
へ入力される信号を示す実験結果(反響音無し)。
【図8】従来のコンデンサマイクを用いた場合の比較器
へ入力される信号を示す実験結果(反響音有り)。
【符号の説明】 2 ・・アンビル 4 ・・ハンマ 24・・正逆転切替スイッチ 30・・受音部 34・・ダイヤル設定部 38・・マイクロコンピュータ 48・・メインスイッチ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンマがアンビルに衝突することにより
    アンビルを回転させる打撃締付工具において、 ハンマとアンビルの衝突を検出する検出手段と、該検出
    手段で検出したハンマとアンビルの衝突回数に基づい
    て、ハンマを回転させる回転駆動源を制御する制御手段
    とを備え、 前記検出手段が、特定周波数領域の音を他の周波数領域
    の音に比較して大きな電気信号に変換する特性を有する
    受音部材で構成されていることを特徴とする打撃締付工
    具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の打撃締付工具におい
    て、前記受音部材がブザーであることを特徴とする打撃
    締付工具。
JP2000074131A 2000-03-16 2000-03-16 打撃締付工具 Expired - Fee Related JP3670189B2 (ja)

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