JP2024008225A - 電動工具システム - Google Patents

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Abstract

【課題】所望のトルクを出力させるための制御を促す。【解決手段】電動工具システム100は、駆動部13と、操作部12と、制御部11と、工具本体10と、トルク設定部920と、推奨値演算部921と、を備える。駆動部13は、モータ131の回転により先端工具を回転駆動させて締め付け部材を締め付ける。操作部12は、ユーザにより操作される。制御部11は、締め付け部材の締付トルクがトルク設定値に近づくように、操作部12へのユーザの操作に応じて駆動部13の動作を制御する。工具本体は、可搬型であって、駆動部13、操作部12、及び制御部11を保持する。トルク設定部920は、複数のトルク値のうちから選択された一のトルク値を、トルク設定値として設定する。推奨値演算部921は、トルク設定部920で設定されたトルク設定値に応じて、駆動部13の動作に関連する制御パラメータの推奨値を求める。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に電動工具システムに関する。本開示は、より詳細には、可搬型の工具本体を備える電動工具システムに関する。
特許文献1には、インパクト回転工具が開示されている。特許文献1に記載のインパクト回転工具は、インパクト力発生部と、軸部と、トルク検出部と、トルク受信部と、制御部と、を備える。インパクト力発生部は、駆動源の動力をパルス状のトルクに変化させてインパクト力を発生させる。軸部は、発生したインパクト力によりパルス状のトルクを先端工具に伝達する。トルク検出部は、軸部に加わるトルクを検出してトルクに対応した信号を出力する。トルク受信部は、トルク検出部が出力したトルクに対応した信号を受信する。制御部は、トルク受信部が受信したトルクに対応した信号から求めたトルク値が所定のトルク値に達した場合に駆動源を所定の駆動状態に制御する。
特開2014-133283号公報
特許文献1に記載のインパクト回転工具のような電動工具では、使用時に、振動或いはキックバック等による工具本体の動き(ぶれ)が発生する場合がある。工具本体の動きが発生すると、制御部による制御が影響を受けて、電動工具が所望のトルクを出力できなくなる場合がある。
本開示の目的は、所望のトルクを出力させるための制御を促すことが可能な電動工具システムを提供することにある。
本開示の一態様の電動工具システムは、駆動部と、操作部と、制御部と、工具本体と、トルク設定部と、推奨値演算部と、を備える。前記駆動部は、モータを有し、前記モータの回転により先端工具を回転駆動させて締め付け部材を締め付ける。前記操作部は、ユーザにより操作される。前記制御部は、前記締め付け部材の締付トルクがトルク設定値に近づくように、前記操作部への前記ユーザの操作に応じて前記駆動部の動作を制御する。前記工具本体は、可搬型であって、前記駆動部、前記操作部、及び前記制御部を保持する。前記トルク設定部は、複数のトルク値のうちから選択された一のトルク値を前記トルク設定値として設定する。前記推奨値演算部は、前記トルク設定部で設定された前記トルク設定値に応じて、前記駆動部の動作に関連する制御パラメータの推奨値を求める。
本開示によれば、所望のトルクを出力させるための制御を促すことが可能となる、という利点がある。
図1は、実施形態の電動工具システムのブロック図である。 図2は、同上の電動工具システムのシステム構成図である。 図3は、同上の電動工具システムに用いられる電動工具の概略図である。 図4は、同上の電動工具システムにより、異なる最大回転数で締め付け操作を行った場合の良品度の分布を示すグラフである。 図5は、同上の電動工具システムにより、異なるユーザが締め付け操作を行った場合の良品度の分布を示すグラフである。 図6は、同上の電動工具システムにおける設定機の動作を説明するフローチャートである。 図7は、同上の電動工具システムにおける電動工具の動作を説明するフローチャートである。 図8は、変形例1の電動工具システムのブロック図である。 図9は、変形例2の電動工具システムのブロック図である。
本開示の実施形態の電動工具システムについて、図面を用いて説明する。下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(1)概要
図1に示すように、本実施形態の電動工具システム100は、電動工具1と、設定機9と、を備えている。
図1~図3に示すように、電動工具1は、制御部11と、操作部12と、駆動部13と、工具本体10と、を備えている。
駆動部13は、モータ131を有する。駆動部13は、モータ131の回転により先端工具20(図3参照)を回転駆動させて、締め付け部材200を締め付ける。締め付け部材200は、例えばネジ、ボルト等である。操作部12は、ユーザ(操作者)により操作される。制御部11は、締め付け部材200の締付トルクがトルク設定値に近づくように、操作部12へのユーザの操作に応じて駆動部13の動作を制御する。工具本体10は、可搬型であり、駆動部13、操作部12、及び制御部11を保持する。
図1に示すように、設定機9は、トルク設定部920と、推奨値演算部921と、を備えている。
設定機9は、複数のトルク値を予め記憶している。トルク設定部920は、複数のトルク値のうちから選択された一のトルク値を、トルク設定値として設定する。推奨値演算部921は、トルク設定部920で設定されたトルク設定値に応じて、駆動部13の動作に関連する制御パラメータの推奨値を求める。制御パラメータは、例えば、モータ131の回転数の上限である最大回転数を含む。推奨値演算部921は、例えば、トルク設定部920で設定されたトルク設定値に応じて、最大回転数の推奨値である推奨最大回転数を求める。
すなわち、電動工具システム100は、駆動部13と、操作部12と、制御部11と、工具本体10と、トルク設定部920と、推奨値演算部921と、を備えている。駆動部13は、モータ131を有し、モータ131の回転により先端工具20を回転駆動させる。操作部12は、ユーザにより操作される。制御部11は、締め付け部材200の締付トルクがトルク設定値に近づくように、操作部12へのユーザの操作に応じて駆動部13の動作を制御する。工具本体10は、可搬型であって、駆動部13、操作部12、及び制御部11を保持する。トルク設定部920は、複数のトルク値のうちから選択された一のトルク値を、トルク設定値として設定する。推奨値演算部921は、トルク設定部920で設定されたトルク設定値に応じて、駆動部13の動作に関連する制御パラメータの推奨値を求める。
電動工具1を用いて、締め付け部材200の締付トルクがトルク設定値に近づくように締め付け作業を行う場合に、キックバック等による工具本体10のぶれ(動き)が発生すると、締付トルクがトルク設定値からずれてしまうことがある。締付トルクがトルク設定値から大きくずれると、締め付け不良のような不具合につながり得る。このような工具本体10のぶれ(動き)の発生の有無、及びその大きさは、ユーザが工具本体10を安定して保持可能か否かに依存する。ユーザが工具本体10を安定して保持可能か否かは、モータ131の最大回転数のような、駆動部13の動作に関連する制御パラメータの値に依存する。
本実施形態の電動工具システム100では、トルク設定部920で設定されたトルク設定値に応じて、推奨値演算部921が、例えば推奨最大回転数のような、駆動部13の動作に関連する制御パラメータの推奨値を求めている。そのため、本実施形態の電動工具システム100では、求めた推奨値に従うことで、工具本体10のぶれ(動き)を低減する、すなわちトルク設定値からの締付トルクのずれを低減することが、可能となる。このように、本実施形態の電動工具システム100では、所望のトルクを出力させるための制御を促すことが可能となる。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る電動工具システム100について、図面を参照しながら詳細に説明する。上述のように、電動工具システム100は、電動工具1と設定機9とを備える。
(2.1)電動工具
電動工具1は、例えば、工場、建築現場等で使用される事業者向けの電動工具である。電動工具1は、例えば、設計図面、作業指図書等に従って、複数の締め付け部材200で作業対象(例えば太陽電池パネル等)を被取付部材(例えば架台等)に締め付ける作業を行うために使用される。この種の電動工具1としては、例えば、締め付け部材200を回転させて衝撃力を加えることによって締め付ける電動式のインパクトドライバーがある。なお、電動工具1は、電動式のインパクトドライバーに限定されず、電動式のインパクトレンチでもよいし、打撃力を与えるタイプではない電動ドリルドライバー、電動式のトルクレンチ等でもよい。
図1~図3に示すように、電動工具1は、工具本体10と、制御部11と、操作部12と、駆動部13と、センサ部14と、検出部15と、通信部16と、記憶部17と、電源部18と、を備える。
工具本体10は、制御部11、操作部12、駆動部13、センサ部14、検出部15、通信部16、記憶部17、及び電源部18を保持する。
図3に示すように、工具本体10は、筒形状の胴体部101と、胴体部101の周面から径方向に突出する握り部102と、を備える。
胴体部101の軸方向における一端側からは、駆動部13の出力軸133が突出している。出力軸133の先端には、先端工具取付部134が設けられている。先端工具取付部134は、例えばチャックを備える。先端工具取付部134には、作業対象の部材に合わせた先端工具20(例えば、ドライバービット、ソケットビット等)が着脱自在に取り付けられる。
握り部102の一端(図3における下端)には、樹脂製のケース内に電源部18を収納した電池パック103が、着脱自在に取り付けられている。
制御部11は、駆動部13、センサ部14、検出部15、通信部16等の動作を制御する。制御部11は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されている。1以上のプロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部11として機能する。プログラムは、ここでは制御部11のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部11は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成されてもよい。制御部11を構成するコンピュータシステム(回路基板110等)は、例えば握り部102の内部に収容されている。
操作部12は、握り部102に設けられたトリガスイッチ121を備える。トリガスイッチ121がユーザによって操作されると、トリガスイッチ121の引き込み量(操作量)に比例した大きさの操作信号が、制御部11へ出力される。制御部11は、操作部12からの操作信号に応じた速度で回転するように、駆動部13のモータ131の回転数を調整する。モータ131の回転数とは、モータ131の回転速度であり、単位時間当たりにモータ131のロータが回転する回数(速さ)[rpm]を意味する。
駆動部13は、モータ131と、インパクト機構132と、出力軸133と、先端工具取付部134と、を備える。
モータ131の動作(回転)は、制御部11によって制御される。モータ131の出力軸の回転は、インパクト機構132を介して出力軸133に伝達される。出力トルクが所定レベル以下であれば、インパクト機構132は、モータ131の出力軸の回転を減速して出力軸133に伝達するように構成されている。出力トルクが所定レベルを超えると、インパクト機構132は、出力軸133に打撃力を加えて、出力軸133を回転させるように構成されている。モータ131及びインパクト機構132は胴体部101内に収納されている。
センサ部14は、締め付け部材200の締付トルクを検出する。センサ部14は、出力軸133による締付トルクを測定する。センサ部14は、例えば、出力軸133に取り付けられた磁歪式のトルクセンサ141を備えている。磁歪式のトルクセンサ141は、出力軸133にトルクが加わることにより発生する歪みに応じた透磁率の変化を、非回転部分に設置したコイルで検出し、歪みに比例した電圧信号を出力する。これによりセンサ部14は、出力軸133に加わったトルクを測定する。つまり、センサ部14は、電動工具1が締め付け部材200に与えるトルク(締付トルク)を測定する。センサ部14は、測定したトルク(締付トルク)を制御部11へ出力する。センサ部14は、モータ131の出力軸に加わるトルクを測定してもよい。センサ部14は、モータ131の出力軸に加わるトルクの測定値、及び減速機構の減速比等に基づいて、出力軸133に加わる締付トルクを測定してもよい。なお、センサ部14は磁歪式のトルクセンサ141を備えるものに限定されず、センサ部14の具体化手段は適宜変更が可能である。例えば、センサ部14は、モータ131に流れる電流を検出することによって、モータ131の出力軸に加わるトルクを測定してもよい。或いは、センサ部14は、インパクト機構132が出力軸133に加えた打撃の回数を振動センサを用いて計数し、打撃の回数から締付トルクを求めてもよい。
制御部11は、駆動部13(モータ131)の動作を制御する駆動制御部111を備える。
駆動制御部111は、操作部12から入力される操作信号に応じてモータ131を駆動する。駆動制御部111は、電源部18からの電圧をモータ131用の駆動電圧に変換するインバータ回路を備えている。駆動電圧は、例えば、U相電圧、V相電圧及びW相電圧を含む三相交流電圧である。インバータ回路は、例えば、PWMインバータとPWM変換器とを利用して実現できる。PWM変換器は、駆動電圧の目標値(電圧指令値)に従って、パルス幅変調されたPWM信号を生成する。PWMインバータは、このPWM信号に応じた駆動電圧をモータ131に与えてモータ131を駆動する。PWMインバータは、例えば、三相分のハーフブリッジ回路とドライバとを備える。PWMインバータでは、ドライバがPWM信号に従って各ハーフブリッジ回路におけるスイッチング素子をオン/オフすることにより、電圧指令値に従った駆動電圧がモータ131に与えられる。
駆動制御部111は、締め付け部材200の締付トルクがトルク設定値に近づくように、駆動部13を制御する。駆動制御部111は、例えば、センサ部14で測定された締付トルクの値が、予め設定されたトルク設定値に達すると、駆動部13のモータ131の回転を停止させる。トルク設定値は、設定機9が備えるトルク設定部920によって変更可能である。トルク設定値は、設定機9から送信される設定データに基づいて、制御部11によって設定変更される。
ここで、駆動制御部111は、モータ131の回転数が最大回転数を超えないように、駆動部13の動作を制御する。すなわち、駆動制御部111は、トリガスイッチ121の引き込み量が検出可能な最大値であっても、モータ131の回転数が最大回転数を超えないように、駆動部13の動作を制御する。
図1に示すように、制御部11は、検出情報処理部112を更に備える。検出情報処理部112は、電動工具1の使用時にセンサ部14及び検出部15で検出された情報の処理を行う。
検出部15は、制御パラメータに関する物理量を検出する。検出部15は、回転数検出部151を備える。回転数検出部151は、物理量として、モータ131に関する回転数を検出する。
回転数検出部151は、出力軸133の回転数(回転速度)を検出する。回転数検出部151は、例えば、モータ131の回転数を検出する磁気ロータリエンコーダ或いはホール素子IC等と、減速機構の減速比等に基づいてモータ131の回転数を出力軸133の回転数に換算する演算部と、を備える。ただしこれに限らず、回転数検出部151は、駆動制御部111がベクトル制御によりモータ131の動作を制御する場合、ベクトル制御において算出されるd軸電流(励磁電流)の値等を用いて、モータ131の回転数を検出してもよい。或いは、回転数検出部151は、出力軸133の回転数を直接検出してもよい。回転数検出部151は、検出した物理量(回転数)を制御部11へ出力する。
制御部11の検出情報処理部112は、センサ部14で検出された情報(締付トルク)と検出部15で検出された情報(回転数)とに基づいて、検出データを生成する。ここでは、検出情報処理部112は、1回の締め付け作業においてセンサ部14で検出された締付トルクの値と、その作業において回転数検出部151で検出した回転数の最大値と、を紐付ける。1回の締め付け作業とは、例えば、トリガスイッチ121がオンされてモータ131が回転を開始してから、センサ部14で測定された締付トルクの値がトルク設定値に達することでモータ131の回転が停止するまでの、1回分の作業であり得る。検出データには、更に、その1回の締め付け作業を行った際のトルク設定値も含まれている。なお、検出情報処理部112は、トリガスイッチ121がオンされてモータ131が回転を開始してから、トリガスイッチ121がオフされることで、センサ部14で測定された締付トルクの値がトルク設定値に達することなくモータ131の回転が停止した場合、その過程で検出された情報(締付トルク及び回転数)を破棄してもよい。検出情報処理部112は、生成した検出データを、記憶部17に記憶させる。
通信部16は、例えば、設定機9と無線通信を行うための通信モジュールである。通信部16は、例えば、ZigBee(登録商標)に準拠した近距離無線通信を行う。通信部16は、記憶部17に記憶されている検出データを、無線通信方式で設定機9に送信する。なお、通信部16と設定機9との間の無線通信の方式は、例えば、920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信であってもよい。また、通信部16は、通信線により設定機9と接続されて、検出データを有線通信方式で設定機9に送信してもよい。
記憶部17は、例えば、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ等を含む。不揮発性メモリには、例えばEEPROM又はフラッシュメモリ等がある。記憶部17は、制御部11が実行する制御プログラムを記憶する。また記憶部17は、検出情報処理部112が求めた検出データを記憶する。
電源部18は、蓄電池を備えている。電源部18は、電池パック103内に収容されている。電池パック103は、樹脂製のケース内に電源部18を収容して構成されている。電池パック103を工具本体10から取り外し、取り外した電池パック103を充電器に接続することによって、電源部18の蓄電池を充電することができる。電源部18は、蓄電池に充電された電力で、制御部11を含む電気回路とモータ131とに動作に必要な電力を供給する。電源部18及び電池パック103は、本実施形態では電動工具1の構成要素に含まれることとするが、電動工具1の構成要素に含まれていなくてもよい。
(2.2)設定機
設定機9は、例えば適宜の演算処理が可能な情報処理装置により実現される。
設定機9の形態は、特に限定されない。設定機9は、電動工具1と直接又は間接的に通信可能であって、所定のプログラムに従って所望の処理を実行できる装置であればよい。設定機9は、例えば、ユーザに装着されるメガネ型、腕輪型等のウェアラブル端末であってもよい。設定機9は、例えば、スマートホン、タブレット端末等の携帯型の情報端末であってもよい。設定機9は、例えば、ノートパソコン、デスクトップパソコン等の据え置き型の情報端末であってもよい。設定機9は、サーバ装置(クラウドコンピュータを含み得る)であってもよい。
設定機9は、図1に示すように、通信部91と、制御部92と、操作部93と、表示部94と、を備える。
通信部91は、電動工具1の通信部16と通信を行うための通信モジュールである。通信部91は、例えば、ZigBee(登録商標)に準拠した近距離無線通信を行う。通信部91は、電動工具1の通信部16から、検出データを受信する。また、通信部91は、制御部92によって生成された設定データを、電動工具1の通信部16へ送信する。
表示部94は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイのような薄型ディスプレイを備え、制御部92によって表示内容が制御される。
操作部93は、例えば、表示部94を構成する薄型ディスプレイに設けられたタッチスイッチを備え、操作に応じた信号を制御部92に出力する。操作部93は、ボタンスイッチ、マウス、キーボード等を備えていてもよい。
制御部92は、通信部91、操作部93、表示部94等の動作を制御する。制御部92は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されている。1以上のプロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部92として機能する。プログラムは、ここでは制御部92のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
図1に示すように、制御部92は、トルク設定部920と、推奨値演算部921と、ユーザ情報受付部922と、を備えている。
トルク設定部920は、トルク設定値を設定する。
例えば、制御部92のメモリには、トルク設定値の候補となる複数のトルク値が記憶されている。複数のトルク値は、離散値であってもよいし、上限値と下限値とで決まる設定範囲内の連続値であってもよい。トルク設定部920は、例えば、複数のトルク値のうちから、操作部93へのユーザの操作によって選択された所定のトルク値を、トルク設定値として設定する。
ユーザ情報受付部922は、電動工具1を操作するユーザ(操作者)の情報であるユーザ情報の入力を受け付ける。
例えば、制御部92のメモリには、ユーザ情報の複数の候補が記憶されている。ユーザ情報の候補としては、例えば、ユーザが電動工具1の使用に熟達した者であることを示す「熟練者」、ユーザが電動工具1の使用にある程度慣れた者であることを示す「中級者」、ユーザが電動工具1の使用に不慣れな者であることを示す「初級者」等がある。例えば、表示部94にユーザ情報の複数の候補が表示された状態で、ユーザが操作部93を適宜に操作することで、表示された複数の候補のうちから一のユーザ情報が選択される。ユーザ情報受付部922は、選択されたユーザ情報を受け付ける。
推奨値演算部921は、トルク設定部920で設定されたトルク設定値に応じて、制御パラメータの推奨値を求める。推奨値演算部921は、ユーザ情報受付部922で受け付けたユーザ情報に更に応じて、制御パラメータの推奨値を求める。ここでは、推奨値演算部921は、制御パラメータの推奨値として、モータ131の推奨最大回転数を求める。本実施形態の電動工具システム100では、推奨値演算部921は、データベースDB1に基づいて、推奨最大回転数を求める。
推奨最大回転数を求めるためのデータベースDB1について、以下に説明する。
データベースDB1では、例えば、ユーザ情報毎に、「最大回転数」、「トルク値(トルク設定値)」及び「締付トルク」を1セットとしたデータセットが、多数保存されている。1つのデータセットは、ある「最大回転数」及び「トルク設定値」が設定された状態で、電動工具1を用いて締め付け部材200の締め付け作業を1回行った場合の、「締付トルク」の結果を示している。
ここで、電動工具1を用いて、締め付け部材200の締付トルクがトルク設定値に近づくように締め付け作業を多数回行う場合、全ての締め付け作業において、締付トルクがトルク設定値と一致することが望ましい。すなわち、「最大回転数」及び「トルク設定値」によらず、全てのデータセットにおいて、「締付トルク」が、そのデータセットにおける「トルク設定値」と一致することが望ましい。
しかしながら、実際上は、工具本体10のぶれ(動き)の影響等で、締付トルクがトルク設定値からずれてしまう場合がある。例えば、モータ131の最大回転数を一定として多数回の締め付け作業を行った場合、締付トルクは、トルク設定値を中心としてばらつくことになる。
図4に、トルク設定値を一定としかつモータ131の最大回転数を一定とした場合の多数回(例えば1000回)の締め付け作業における締付トルクの分布を、横軸を「良品度」、縦軸を「割合(=回数/全回数)」として、示す。なお、「良品度」とは、締付トルクのトルク設定値からのずれの大きさを示す指標であって、具体的には「締付トルク/トルク設定値」の値である。「良品度」は、締付トルクがトルク設定値と一致する場合に、1となる。また、図4の各グラフG1~G3は、データベースDB1に保存されているデータセットに基づいて得られるグラフである。
このような締付トルクのばらつきは、電動工具1のモータ131の回転数に依存しており、モータ131の回転数が増加する程、ばらつきが大きくなる傾向にある。例えば図4の例において、グラフG1は、モータ131の最大回転数がN1の場合の分布であり、グラフG2は、モータ131の最大回転数がN2(N2>N1)の場合の分布であり、グラフG3は、モータ131の最大回転数がN3(N3>N2)の場合の分布である。この理由としては、モータ131の回転数が増加する程、ユーザが工具本体10を安定して保持し難くなって工具本体10のぶれ(動き)が大きくなりやすくなり、締付トルクがトルク設定値からずれやすくなるからである。モータ131の回転数は最大回転数によって制限されるから、最大回転数が増加する程、締付トルクがトルク設定値からずれやすくなる、とも言える。
本実施形態のデータベースDB1では、このような前提の下で、締付トルクのばらつき(締付トルクのトルク設定値からのずれの発生頻度及びずれの大きさ)が許容範囲に収まるように、複数のトルク値(トルク設定値)の各々に対して推奨最大回転数を対応付けている。本実施形態では特に、あるトルク値(トルク設定値)において最大回転数が一定の条件下で多数回(例えば1000回)の締め付け作業を行うという処理を、複数の最大回転数で行った場合に、「良品度」が所定範囲内に収まっている作業の回数の割合が所定値以上となる最大回転数のうちで、最も大きな最大回転数を、このトルク値(トルク設定値)に対応する推奨最大回転数としている。
ここで、上述の「所定範囲」は、許容される「良品度」の範囲、すなわち、トルク設定値に対して許容される締付トルクのずれの大きさの程度を、示している。所定範囲は、1回の締め付け作業の結果が「良(所定範囲内)」であるか「不良(所定範囲外)」であるかの境界を示している、とも言える。所定範囲は、例えば、0.85~1.15の範囲である。ただし、これに限らず、所定範囲の下限は、0.8、0.9、0.95等の他の数値であってもよい。また、所定範囲の上限は、1.2、1.1、1.05等の他の数値であってもよい。所定範囲は、本実施形態では予め定められているが、例えば操作部93を用いてユーザが設定可能であってもよい。図4では、分かりやすさのために、所定範囲(0.85~1.15の範囲)内の領域を、ドットハッチングで示してある。
また、上述の「所定値」は、多数回の締め付け作業を行った場合に、良品度が所定範囲内に収まる作業の回数の割合の、許容範囲(許容下限)を示している。所定値は、「良品率」の許容範囲を示している、とも言える。「良品率」とは、多数回の締め付け作業を行う場合において良品度が所定範囲内に収まる作業の回数の割合、すなわち、結果が「良」である作業の割合である。図4のグラフG1を例に説明すると、良品率は、「(グラフG1のうちでドットハッチングされた領域の面積)/(グラフG1の面積)」で求められる。所定値は、例えば0.95である。ただし、これに限らず、所定値は、0.9、0.98、0.99等の他の数値であってもよい。所定値は、本実施形態では予め定められているが、例えば操作部93を用いてユーザが設定可能であってもよい。
例えば、図4の例において、モータ131の最大回転数がN1の場合(グラフG1)の良品率が所定値以上であり、モータ131の最大回転数がN2の場合(グラフG2)の良品率が所定値よりも小さい場合、推奨値演算部921は、推奨最大回転数を「N1」と決定してもよい。
このように、データベースDB1は、複数のトルク値(トルク設定値の複数の候補値)と制御パラメータの複数の値(推奨最大回転数の複数の値)との間の対応関係を、規定している。推奨値演算部921は、データベースDB1に基づいて、トルク設定部920によりトルク設定値として設定された所定のトルク値と対応付けられている推奨最大回転数の値(候補値)を、推奨最大回転数として決定する。
より詳細には、データベースDB1は、制御パラメータ(最大回転数)及びトルク設定値をそれぞれ所定の値に設定して締め付け部材200を締め付ける作業を複数回行った場合の、トルク設定値からの締付トルクのずれの程度を示す指標(良品率)を含む。推奨値演算部921は、トルク設定部920で設定されたトルク設定値に対して、締付トルクのずれの程度を示す指標(良品率)の値が許容範囲内に収まる(許容下限以上となる)制御パラメータの値を、制御パラメータの推奨値(推奨最大回転数)として求める。
これにより、締付トルクのばらつきが許容範囲内に収まりやすくなる。
なお、設定機9は、データベースDB1を直接用いて推奨最大回転数を求めなくてもよい。例えば、複数のトルク値(トルク設定値の複数の候補)に対して推奨最大回転数の値をデータベースDB1に基づいて対応付けたデータテーブルを、予め用意してもよい。推奨値演算部921は、このデータテーブルを用いて推奨最大回転数を求めてもよい。
データベースDB1では、複数のトルク値(トルク設定値)と推奨最大回転数の複数の値との対応付けを、複数のユーザ情報について個別に行っている。図5に、同じ最大回転数及び同じトルク設定値で電動工具1を使用した場合における良品度の分布を、ユーザが熟練者である場合(グラフG11)とユーザが初級者である場合(グラフG12)とについて示す。図5に示すように、ユーザが熟練者の場合(グラフG11)に比べて、ユーザが初級者の場合(グラフG12)の方が、締付トルクのばらつきが大きくなる傾向にある。すなわち、同じ回転数及び同じトルク設定値の条件下でモータ131を動作させた場合であっても、電動工具1を使用するユーザが熟練者であるか初級者であるかによって、工具本体10のぶれ(動き)の程度は変わり、締付トルクのトルク設定値からのずれの程度も変わる。そのため、良品率が所定値(許容下限)以上となる最大回転数の最大値も、ユーザによって変わり得る。そこで、本実施形態のデータベースDB1及び推奨値演算部921では、複数のユーザ情報に対して、制御パラメータの推奨値(推奨最大回転数)を別々に定めている。
要するに、推奨値演算部921は、受け付けたトルク設定値及びユーザ情報に応じて、制御パラメータの推奨値を求めている。
制御部92は、トルク設定部920で設定したトルク設定値及び推奨値演算部921で求めた推奨最大回転数(数値)を含む設定データを、通信部91を介して電動工具1へ送信する。
電動工具1の制御部11は、設定データに含まれる推奨最大回転数を、最大回転数として設定する。そして制御部11(駆動制御部111)は、上述のように、モータ131の回転数が最大回転数を超えないように、締め付け部材200の締付トルクがトルク設定値に近づくよう駆動部13の動作を制御する。
このように、本実施形態の電動工具システム100では、電動工具1の制御部11は、推奨値演算部921で求めた制御パラメータの推奨値に基づいて、駆動部13の動作を制御する。制御パラメータは、モータ131の回転数の上限である最大回転数を含んでいる。推奨値演算部921は、トルク設定値に応じて、最大回転数の推奨値である推奨最大回転数を求める。制御部11は、モータ131の回転数が推奨値演算部921で求めた推奨最大回転数を超えないように、駆動部13の動作を制御する。
本実施形態の電動工具システム100では、トルク設定部920で設定されたトルク設定値に応じて、良品率が所定値以上となるように、モータ131の最大回転数を設定している。これにより、締め付け部材200の締付トルクの精度の向上を図ることが可能となる。要するに、本実施形態の電動工具システム100では、所望のトルクを出力させるための制御を(制御部11に)促すことが可能となる。
また、本実施形態の電動工具システム100では、複数のユーザ情報の候補のうちから選択されたユーザ情報に応じて、モータ131の最大回転数を設定している。これにより、例えば複数のユーザが電動工具1をシェアして使用する場合であっても、実際に電動工具1を使用するユーザに応じた最大回転数を設定することが可能となる。そのため、実際に電動工具1を使用するユーザによらずに(誰であっても)、締め付け部材200の締付トルクの精度を保つことが可能となる。
図1に示すように、設定機9の制御部92は、更新部923を更に備えている。更新部923は、通信部91を介して電動工具1から受け取った検出データに基づいて、データベースDB1を更新する。すなわち、更新部923は、センサ部14で検出された締付トルクの値と検出部15(回転数検出部151)で検出された物理量(回転数)とに基づいて、データベースDB1を更新する。具体的には、更新部923は、検出データに含まれている「回転数の最大値(最大回転数)」「トルク設定値」「締付トルク」のデータセットを、このユーザのユーザ情報に紐付けて、データベースDB1に追加する。これにより、データベースDB1が更新される。推奨値演算部921は、更新後のデータベースDB1に基づいて、推奨最大回転数を求める。
検出データは、実際にユーザが行った締め付け作業の結果を反映している。そのため、よりユーザに適した制御を提供することが可能となる。
(3)動作例
本実施形態の電動工具システム100の動作の具体例について、図6、図7のフローチャートを参照して説明する。
電動工具1を用いてユーザが作業を行う場合、ユーザはまず、設定機9の操作部93を操作してトルク設定値を入力する(ST1)。また、ユーザは、操作部93を操作してユーザ情報を入力する(ST2)。設定機9の制御部92は、トルク設定値とユーザ情報とに応じて、データベースDB1に基づいて推奨最大回転数(推奨値)を決定する(ST3)。設定機9は、トルク設定値及び決定した推奨値を含む設定データを、電動工具1へ送信する(ST4)。
電動工具1は、設定機9から設定データを受信する(ST11)と、設定データに基づいて、トルク設定値及び制御パラメータ(最大回転数)を設定する(ST12)。
ユーザは、電動工具1を所定の位置にセットして、トリガスイッチ121をオンする(ST13)。トリガスイッチ121がオンされると、制御部11(駆動制御部111)は、トリガスイッチ121の引き込み量に基づいて、モータ131の回転数が最大回転数を超えないように、駆動部13を制御する。これにより、ユーザは、電動工具1を用いた作業を行う(ST14)。
トリガスイッチ121がオンされている間、電動工具1の制御部11は、トリガスイッチ121がオフされたか否かを随時判定する(ST15)。また、トリガスイッチ121がオンに維持されている状態(ST15:No)で、制御部11は、センサ部14で検出された締付トルクがトルク設定値に達したか否かを随時判定する(ST16)。締付トルクがトルク設定値に達していない場合(ST16:No)、制御部11は、駆動部13の動作を継続する。
トリガスイッチ121がオフされると(ST15:Yes)、制御部11は、モータ131への電流の供給を停止して駆動部13の動作を停止させる(ST17)。また、締付トルクがトルク設定値に達すると(ST16:Yes)、制御部11は、駆動部13の動作を停止させる(ST17)。
なお、電動工具システム100の動作は、図6、図7のフローチャートに限られず、工程の順番が変更されたり一部の工程が省略又は追加されたりしてもよい。例えば、駆動部13の動作を停止(ST17)した後、電動工具1の制御部11が検出データを設定機9へ送信し、検出データに基づいて設定機9(更新部923)がデータベースDB1を更新してもよい。
(4)変形例
上記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。上記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。上記の実施形態及び以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(4.1)変形例1
本変形例の電動工具システム100Aについて、図8を参照して説明する。本変形例の電動工具システム100は、許容範囲受付部924が設けられている点において、上記の実施形態の電動工具システム100と相違する。本変形例の電動工具システム100Aにおいて、上記の実施形態の電動工具システム100と同様の構成については、適宜説明を省略する場合がある。
図8に示すように、本変形例の電動工具システム100Aにおいて、設定機9Aの制御部92Aは、許容範囲受付部924を更に備えている。許容範囲受付部924は、許容範囲の入力を受け付ける。
上述の実施形態で説明したように、設定機9のデータベースDB1では、締付トルクのばらつきが許容範囲に収まるように、複数のトルク値(トルク設定値)の各々に対して推奨最大回転数を対応付けている。本変形例の電動工具システム100では、許容範囲受付部924を備えることで、この許容範囲を変更可能としている。より詳細には、許容範囲受付部924は、良品率の許容下限である「所定値」の入力を受け付ける。データベースDB1は、複数のトルク値(トルク設定値)の各々に対して、受け付けた「所定値」に基づいて、推奨最大回転数を対応付ける。
本変形例の電動工具システム100Aでは、許容範囲を変更可能とすることで、実際の作業に必要となる許容範囲に基づいて、電動工具1を動作させることが可能となる。
なお、許容範囲受付部924は、所定値(良品率の許容下限)に代えて又は加えて、所定範囲(許容される良品度の範囲)の入力を受け付けてもよい。
(4.2)変形例2
本変形例の電動工具システム100Bについて、図9を参照して説明する。本変形例の電動工具システム100Bは、主として通知部19を備えている点において、上記の実施形態の電動工具システム100と相違する。本変形例の電動工具システム100Bにおいて、上記の実施形態の電動工具システム100と同様の構成については、適宜説明を省略する場合がある。
通知部19は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を備えている。LEDの発光色は、例えば赤色である。LEDは、例えば、ユーザが作業中に目視しやすいように、工具本体10の胴体部101における出力軸133とは反対側の端部に設けられている。
本変形例の電動工具システム100Bにおいて、電動工具1Bの制御部11(駆動制御部111)は、モータ131の回転数を最大回転数(推奨最大回転数)以下に抑える制御は行わない。代わりに、制御部11は、トリガスイッチ121への引き操作に応じてモータ131の回転数が推奨値演算部921で求めた推奨最大回転数を超えることが検出された場合に、例えばLEDを発光させて、通知部19によりユーザへ通知を行う。これにより、モータ131の回転数が推奨最大回転数を超えるような制御を自制するよう、ユーザに促すことができる。要するに、本変形例の電動工具システム100では、所望のトルクを出力させるための制御を(ユーザに)促すことが可能となる。
なお、電動工具1Bは、通知部19に代えて又は加えて、推奨値(推奨最大回転数)を表示可能な表示部を備えていてもよい。表示部には、推奨値最大回転数に加えて、モータ131の回転数の計測値等の他の情報が更に表示可能であってもよい。
また、電動工具1Bの制御部11は、第1モードと第2モードとを切り替え可能であってもよい。第1モードは、上記の実施形態で説明したように、モータ131の回転数が最大回転数(推奨最大回転数)を超えないように制御部11(駆動制御部111)が駆動部13を制御するモードである。第2モードは、モータ131の回転数が最大回転数(推奨最大回転数)を超えることが検出された場合に、ユーザへ通知を行うモードである。第1モードと第2モードとは、工具本体10又は設定機9に設けられたスイッチへの操作に応じて切り替えられてもよい。
通知部19(及び表示部)は、設定機9に設けられていてもよい。
(4.3)その他の変形例
一変形例において、トルク設定部920、推奨値演算部921等が電動工具1(1B)と別体の設定機9(9A)に設けられていることは必須ではなく、電動工具1(1B)の制御部11が、トルク設定部920、推奨値演算部921等の機能を有していてもよい。
一変形例において、推奨値演算部921がその推奨値を求める駆動部13の動作に関連する制御パラメータは、モータ131の最大回転数に限られず、例えばモータ131に供給するモータ電流の最大値であってもよいし、PWM信号のデューティの最大値であってもよい。検出部15が物理量を検出する制御パラメータは、モータ電流、PWM信号のデューティ等であってもよい。
一変形例において、電動工具システム100(100A,100B)は、所定の期間内に工具本体10の振動に関するパラメータが閾値以上となった回数、又は所定の期間内に操作部12が操作された時間の積算値を求める作業量判定部を、備えていてもよい。作業量判定部は、所定の期間内に工具本体10の振動に関するパラメータが閾値以上となった回数が基準値を超える、又は所定の期間内に操作部12が操作された時間の積算値が基準値を超えると、操作部12(トリガスイッチ121)への操作の有無にかかわらず、モータ131の回転を停止させてもよい。
一変形例において、ユーザ情報は、ユーザ個人々々に割り当てられていてもよい。これにより、データベースDB1をユーザ毎に更新することが可能となり、ユーザ個人々々により適した制御を提供することが可能となる。
(5)態様
以上説明した実施形態及び変形例から明らかなように、本明細書には以下の態様が開示されている。
第1の態様の電動工具システム(100;100A;100B)は、駆動部(13)と、操作部(12)と、制御部(11)と、工具本体(10)と、トルク設定部(920)と、推奨値演算部(921)と、を備える。駆動部(13)は、モータ(131)を有し、モータ(131)の回転により先端工具(20)を回転駆動させて締め付け部材(200)を締め付ける。操作部(12)は、ユーザにより操作される。制御部(11)は、締め付け部材(200)の締付トルクがトルク設定値に近づくように、操作部(12)へのユーザの操作に応じて駆動部(13)の動作を制御する。工具本体(10)は、可搬型であって、駆動部(13)、操作部(12)、及び制御部(11)を保持する。トルク設定部(920)は、複数のトルク値のうちから選択された一のトルク値を、トルク設定値として設定する。推奨値演算部(921)は、トルク設定部(920)で設定されたトルク設定値に応じて、駆動部(13)の動作に関連する制御パラメータの推奨値を求める。
この態様によれば、所望のトルクを出力させるための制御を促すことが可能となる。
第2の態様の電動工具システム(100;100A;100B)では、第1の態様において、推奨値演算部(921)は、複数のトルク値と制御パラメータの複数の値との間の対応関係を規定したデータベース(DB1)に基づいて、制御パラメータの推奨値を求める。
この態様によれば、所望のトルクを出力させるための制御を促すことが可能となる。
第3の態様の電動工具システム(100;100A;100B)では、第2の態様において、データベース(DB1)は、制御パラメータ及びトルク設定値をそれぞれ所定の値に設定して締め付け部材(200)を締め付ける作業を複数回行った場合の、トルク設定値からの締付トルクのずれの程度を示す指標を含む。推奨値演算部(921)は、設定されたトルク設定値に対して、締付トルクのずれの程度を示す指標の値が許容範囲内に収まる制御パラメータの値を、制御パラメータの推奨値として求める。
この態様によれば、所望のトルクを出力させるための制御を促すことが可能となる。
第4の態様の電動工具システム(100A)は、第3の態様において、許容範囲の入力を受け付ける許容範囲受付部(924)を、更に備える。
この態様によれば、実際の作業に必要となる許容範囲に基づいて、電動工具を動作させることが可能となる。
第5の態様の電動工具システム(100;100A;100B)は、第2~第4のいずれか1つの態様において、締付トルクを検出するセンサ部(14)と、制御パラメータに関する物理量を検出する検出部(15)と、センサ部(14)で検出された締付トルクの値と検出部(15)で検出された物理量とに基づいて、データベース(DB1)を更新する更新部(923)と、を更に備える。
この態様によれば、よりユーザに応じた制御を提供することができる。
第6の態様の電動工具システム(100;100A;100B)は、第1~第5のいずれか1つの態様において、ユーザの情報であるユーザ情報の入力を受け付けるユーザ情報受付部(922)を更に備える。推奨値演算部(921)は、ユーザ情報に更に応じて、制御パラメータの推奨値を求める。
この態様によれば、よりユーザに応じた制御を提供することができる。
第7の態様の電動工具システム(100;100A;100B)では、第1~第6のいずれか1つの態様において、制御パラメータは、モータ(131)の回転数の上限である最大回転数を含む。推奨値演算部(921)は、トルク設定値に応じて、最大回転数の推奨値である推奨最大回転数を求める。
この態様によれば、所望のトルクを出力させるための制御を促すことが可能となる。
第8の態様の電動工具システム(100B)は、第7の態様において、モータ(131)の回転数が推奨値演算部(921)で求めた推奨最大回転数を超えることが検出された場合にユーザへ通知を行う通知部(19)を、更に備える。
この態様によれば、所望のトルクを出力させるための制御をユーザに促すことが可能となる。
第9の態様の電動工具システム(100;100A)では、第1~第8のいずれか1つの態様において、制御部(11)は、推奨値演算部(921)で求めた制御パラメータの推奨値に基づいて、駆動部(13)の動作を制御する。
この態様によれば、所望のトルクを出力させるための制御を制御部(11)に促すことが可能となる。
第10の態様の電動工具システム(100;100A)では、第9の態様において、制御パラメータは、モータ(131)の回転数の上限である最大回転数を含む。推奨値演算部(921)は、トルク設定値に応じて、最大回転数の推奨値である推奨最大回転数を求める。制御部(11)は、モータ(131)の回転数が推奨値演算部(921)で求めた推奨最大回転数を超えないように、駆動部(13)の動作を制御する。
この態様によれば、トルク設定値に応じた最大回転数での制御を行わせることが可能となる。
100,100A,100B 電動工具システム
10 工具本体
11 制御部
113 作業量判定部
12 操作部
13 駆動部
131 モータ
14 センサ部
15 検出部
19 通知部
20 先端工具
200 締め付け部材
920 トルク設定部
921 推奨値演算部
922 ユーザ情報受付部
923 更新部
924 許容範囲受付部
DB1 データベース

Claims (10)

  1. モータを有し、前記モータの回転により先端工具を回転駆動させて締め付け部材を締め付ける駆動部と、
    ユーザにより操作される操作部と、
    前記締め付け部材の締付トルクがトルク設定値に近づくように、前記操作部への前記ユーザの操作に応じて前記駆動部の動作を制御する制御部と、
    前記駆動部、前記操作部、及び前記制御部を保持する、可搬型の工具本体と、
    複数のトルク値のうちから選択された一のトルク値を前記トルク設定値として設定するトルク設定部と、
    前記トルク設定部で設定された前記トルク設定値に応じて、前記駆動部の動作に関連する制御パラメータの推奨値を求める推奨値演算部と、
    を備える、
    電動工具システム。
  2. 前記推奨値演算部は、前記複数のトルク値と前記制御パラメータの複数の値との間の対応関係を規定したデータベースに基づいて、前記制御パラメータの推奨値を求める、
    請求項1に記載の電動工具システム。
  3. 前記データベースは、前記制御パラメータ及び前記トルク設定値をそれぞれ所定の値に設定して前記締め付け部材を締め付ける作業を複数回行った場合の、前記トルク設定値からの前記締付トルクのずれの程度を示す指標を含み、
    前記推奨値演算部は、設定された前記トルク設定値に対して、前記締付トルクのずれの程度を示す指標の値が許容範囲内に収まる前記制御パラメータの値を、前記制御パラメータの推奨値として求める、
    請求項2に記載の電動工具システム。
  4. 前記許容範囲の入力を受け付ける許容範囲受付部を、更に備える、
    請求項3に記載の電動工具システム。
  5. 前記締付トルクを検出するセンサ部と、
    前記制御パラメータに関する物理量を検出する検出部と、
    前記センサ部で検出された前記締付トルクの値と前記検出部で検出された前記物理量とに基づいて、前記データベースを更新する更新部と、
    を更に備える、
    請求項2に記載の電動工具システム。
  6. 前記ユーザの情報であるユーザ情報の入力を受け付けるユーザ情報受付部を更に備え、
    前記推奨値演算部は、前記ユーザ情報に更に応じて、前記制御パラメータの推奨値を求める、
    請求項1に記載の電動工具システム。
  7. 前記制御パラメータは、前記モータの回転数の上限である最大回転数を含み、
    前記推奨値演算部は、前記トルク設定値に応じて、前記最大回転数の推奨値である推奨最大回転数を求める、
    請求項1に記載の電動工具システム。
  8. 前記モータの回転数が前記推奨値演算部で求めた前記推奨最大回転数を超えることが検出された場合に前記ユーザへ通知を行う通知部を、更に備える、
    請求項7に記載の電動工具システム。
  9. 前記制御部は、前記推奨値演算部で求めた前記制御パラメータの推奨値に基づいて、前前記駆動部の動作を制御する、
    請求項1に記載の電動工具システム。
  10. 前記制御パラメータは、前記モータの回転数の上限である最大回転数を含み、
    前記推奨値演算部は、前記トルク設定値に応じて、前記最大回転数の推奨値である推奨最大回転数を求め、
    前記制御部は、前記モータの回転数が前記推奨値演算部で求めた前記推奨最大回転数を超えないように、前記駆動部の動作を制御する、
    請求項9に記載の電動工具システム。
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