JP2806306B2 - 永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造方法

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JP2806306B2 JP7162564A JP16256495A JP2806306B2 JP 2806306 B2 JP2806306 B2 JP 2806306B2 JP 7162564 A JP7162564 A JP 7162564A JP 16256495 A JP16256495 A JP 16256495A JP 2806306 B2 JP2806306 B2 JP 2806306B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体から情報
を読み取るための磁気ヘッドに関し、さらに詳しくは、
磁気抵抗効果により情報を読み取る永久磁石バイアス型
磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果ヘッドにおいて、永久磁石
膜が磁気抵抗効果膜のセンサ作動領域の両端部に設けら
れたな構造をもつ永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッ
ドおよびフォトレジストによるステンシルを用いたその
製造方法は、たとえば、特開平3−125311号公報
などに開示されている。ここで、永久磁石バイアス膜は
磁気抵抗効果膜に磁気的バイアスを印加して磁区構造を
安定化し、単一磁区状態にするための重要な役割を担っ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に磁気抵抗効果ヘ
ッドの製造過程において、たとえば、パターニングする
ためのフォトレジストの熱処理など様々な温度履歴が加
えられるが、その過程で永久磁石バイアス膜の磁気特性
の安定性や信頼性が懸念される。さらに、製造過程にお
けるそれらの膜の内部応力による剥離についても懸念さ
れる。
【0004】本発明の目的は、その製造過程において、
永久磁石バイアス下地膜,永久磁石バイアス膜および電
極膜の剥離がなく、永久磁石バイアス膜の磁気特性が製
造工程での種々の温度履歴を経た後において成膜設計値
と変わらない値を保つことにより、磁気抵抗効果膜に安
定した縦バイアスを印加でき、低発熱・低ノイズの耐食
性に優れた高信頼性の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果
ヘッドおよびその製造方法を低コストで提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に少な
くとも軟磁性薄膜、非磁性スペーサ薄膜および磁気抵抗
効果薄膜からなる磁気抵抗効果センサ作動領域の両端部
に、電気的かつ磁気的に連続性を有する永久磁石バイア
ス下地膜,永久磁石バイアス膜および電極膜からなる積
層膜を配設した構造をもつ永久磁石バイアス型磁気抵抗
効果ヘッドにおいて、前記永久磁石バイアス下地膜,永
久磁石バイアス膜および電極膜にそれぞれクロム膜,コ
バルト・クロム・プラチナ合金膜およびタンタル・モリ
ブデン合金膜を用いることを特徴とする。
【0006】また、コバルト・クロム・プラチナ合金膜
は10原子百分率以上12原子百分率以下のクロムを含
有し、かつ12原子百分率以上15原子百分率以下のプ
ラチナを含有し、タンタル・モリブデン合金膜はモリブ
デンの組成が10原子百分率以上40原子百分率以下で
あり、これらの膜のすべてがスパッタ法を用いて0.1
パスカル以上0.5パスカル以下の圧力のArガス雰囲
気中で0.5ワット/cm2 以上1.6ワット/cm2
以下のパワー密度で成膜し、特に前記タンタル・モリブ
デン合金膜は0.3ワット/cm2 以下のパワー密度の
バイアスを印加するバイアス・スパッタ法により成膜
し、膜中のアルゴン含有量が3原子百分率以下であるこ
とを特徴する。
【0007】
【作用】本発明の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッ
ドにおける各機能膜の諸特性について図面を参照して詳
述する。
【0008】最初に各機能膜の評価用試料として、次の
試料を作製した。
【0009】(1) 試料A まず、ガラス基板上に、スパッタ法を用いて成膜パワー
密度1.1ワット/cm2 ,圧力0.2パスカルのアル
ゴン(Ar)雰囲気中で、厚さ100オングストローム
のクロム(Cr)膜,厚さ400オングストロームの1
0.8原子百分率のCrおよび13.6原子百分率のプ
ラチナ(Pt)を含むコバルト・クロム・プラチナ(C
oCrPt)合金膜および厚さ500オングストローム
の29.2原子百分率のモリブデン(Mo)を含むタン
タル・モリブデン(TaMo)合金膜を積層成膜した。
【0010】(2) 試料B 試料Aと同様にガラス基板上に、スパッタ法を用いて成
膜パワー密度1.6ワット/cm2 ,圧力0.2パスカ
ルのAr雰囲気中で、厚さ100オングストロームのC
r膜,厚さ400オングストロームの10.5原子百分
率のCrおよび14.0原子百分率のPtを含むCoC
rPt膜および厚さ500オングストロームの28.8
原子百分率のMoを含むTaMo膜を積層成膜した。
【0011】(3) 試料C 同様にガラス基板上に、スパッタ法を用いて成膜パワー
密度2.7ワット/cm2 ,圧力0.2パスカルのAr
雰囲気中で、厚さ100オングストロームのCr膜,厚
さ400オングストロームの10.3原子百分率のCr
および14.8原子百分率のPtを含むCoCrPt膜
および厚さ500オングストロームの27.9原子百分
率のMoを含むTaMo膜を積層成膜した。
【0012】このように作製された試料A,BおよびC
のうち、試料Aの膜中には、Arが2原子百分率含有し
ており、試料Bおよび試料Cには、それぞれ3原子百分
率および6原子百分率のArが含有していることが判っ
た。
【0013】図2は、試料A,BおよびCの膜中のAr
含有量と成膜パワー密度との関係を示す図である。
【0014】図2を参照すると、成膜パワー密度の増加
とともに膜中のAr含有量が増大しており、1.6ワッ
ト/cm2 以下の成膜パワー密度において、膜中のAr
含有量が3原子百分率以下に抑制可能であることが判
る。
【0015】一般に、スパッタ法を用いて成膜する場
合、プラズマ中のArがスパッタ粒子に紛れて膜中に混
入するが、成膜パワー密度の増加とともに膜堆積速度が
大きくなることにより、堆積中の膜表面に付着したAr
がプラズマ中に再放出される以前に膜が堆積され、より
多くのAr原子が膜中に封じ込まれるものと考えられ
る。
【0016】同様に、1.4ワット/cm2 の成膜パワ
ー密度でスパッタ中のArガス圧力を、0.1〜1.0
パスカルの範囲で変化させそのときの膜中のAr含有量
を測定したところ、Arガス圧の上昇とともに膜中のA
r含有量が増大し、0.5パスカル以下のArガス圧で
は、膜中のAr含有量を3原子百分率以下に抑制できる
ことが判った。
【0017】次に、これらの試料A,BおよびCを、A
rガス雰囲気中にて温度300℃で1時間熱処理したと
きの残留磁束密度および保磁力を測定した結果につい
て、表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1によれば、試料Aにおける該熱処理後
の残留磁束密度の変化割合は、−0.9%と小さく良好
であるのに対して、試料Bでは−2.0%と少し大きく
なり、試料Cでは−6.0%とさらに大きく減少するこ
とが判った。
【0020】熱処理により残留磁束密度が減少するとい
う原因については、現在のところ必ずしも明確ではない
が、その1つとして熱処理による構造緩和があり、構造
緩和を少なくするためには、歪が少なく格子整合の良好
な膜を作製することが必要である。また、化学的不活性
であるAr原子の挙動が構造緩和に与える影響もあるこ
とから、膜中のAr含有量は3原子百分率以下であるこ
とが望ましい。
【0021】これらのことから、成膜時のパワー密度は
1.6ワット/cm2 以下、Arガス圧は0.5パスカ
ル以下であることが好ましく、また、これらの成膜条件
の下限値は、スパッタする際の放電が安定に発生し、か
つ持続する条件によって規定すればよい。
【0022】CoCrPt合金膜は、CrおよびPtの
含有量を多くすると残留磁束密度が減少し、磁気抵抗効
果膜に適当な大きさの縦バイアス磁界を印加するために
は、その膜厚を厚くする必要があり製造価格が上昇す
る。また、CrおよびPtの含有量が少なくすると残留
磁束密度が大きくなるため、適当な縦バイアス磁界を得
るための膜厚を薄くする必要があるが、そうすると、膜
厚のばらつきによる縦バイアス磁界のばらつきが大きく
なり、製造上の膜厚の制御をより厳密にする必要があ
る。さらに、Pt組成の減少は耐食性が悪化することが
判っている。
【0023】これらのことから、CoCrPt合金膜
は、10原子百分率以上12原子百分率以下の組成のC
rおよび12原子百分率以上15原子百分率以下の組成
のPtを含有していることが望ましい。
【0024】図3は、TaMo合金薄膜の比抵抗のMo
組成依存性を示す図であって、このTaMo合金膜は、
ガラス基板上にスパッタ法を用い、R.F.バイアス・パワ
ー密度がそれぞれ0および0.3ワット/cm2 ,成膜
パワー密度が1.2ワット/cm2 、圧力が0.3パス
カルのArガス雰囲気の条件で作製した。
【0025】図3を参照すると、TaMo合金膜の比抵
抗は、Mo組成によって大きく変化し、スパッタ法を用
いて無バイアスで作製されたTaMo合金膜の比抵抗
は、Mo組成が15原子百分率以上で急激に減少し、
0.3ワット/cm2 のバイアス・パワー密度で作製さ
れた場合、Mo組成が10原子百分率以上で急激に減少
し、40〜60μΩ・cmとなる。
【0026】TaMo合金膜中のMo含有量を多くする
と耐食性が悪化するため、Mo組成は40原子百分率以
下であることが好ましい。また、スパッタ成膜時のバイ
アス・パワーを増大すると、磁気抵抗効果ヘッド素子を
製造する際に、印加電圧や再スパッタなどによって悪影
響を受けるため、バイアス・パワー密度は0.3ワット
/cm2 以下であることが好ましい。
【0027】上述した試料A,BおよびCに続き、さら
に、各機能膜の評価用試料として試料Dおよび試料Eを
作製した。
【0028】(4) 試料D シリコン基板上に、スパッタ法を用いて成膜パワー密度
1.4ワット/cm2 ,圧力0.3パスカルのAr雰囲
気中で、厚さ100オングストロームのCr膜、厚さ4
00オングストロームの10.7原子百分率のCrおよ
び13.9原子百分率のPtを含むCoCrPt膜およ
び厚さ500オングストロームの29.0原子百分率の
Moを含むTaMo膜を積層成膜した。
【0029】(5) 試料E ガラス基板上に、スパッタ法を用いて成膜パワー密度
1.4ワット/cm2 ,圧力0.8パスカルのAr雰囲
気中で、100オングストロームの厚さのCr膜、厚さ
400オングストロームの10.1原子百分率のCrお
よび16.0原子百分率のPtを含むCoCrPt膜お
よび厚さの500オングストロームの29.0原子百分
率のMoを含むTaMo膜を積層成膜した。
【0030】このとき、試料Dの膜中にはArが2.5
原子百分率含有しており、試料Eには5原子百分率のA
rが含有していることが判った。
【0031】次に、これらの試料D,試料Eついて、室
温から昇温速度9.2℃/分で300℃まで加熱し、3
00℃の温度で1時間保持した後、降温速度2.3℃/
分で室温まで冷却したときの内部応力の温度依存性につ
いて説明する。
【0032】図4は、試料Dの内部応力の温度依存性を
示す図であり、また、図5は、試料Eの内部応力の温度
依存性を示す図である。
【0033】まず、図4を参照すると、試料Dの内部応
力は、初期の室温状態では約7×109 dyn/cm2
の引っ張り応力であるが、加熱昇温とともに減少し、3
00℃付近でほぼゼロになる。そして、冷却過程では徐
々に大きくなり、室温に戻った状態では約3×109
yn/cm2 の引っ張り応力になる。すなわち、試料D
の内部応力は、成膜直後は比較的大きな内部応力を有し
ているが、熱処理を施すことにより小さくなることが判
る。また、熱処理過程において、内部応力が成膜直後よ
りも大きくなることはない。
【0034】これに対して、図5に示す試料Eの内部応
力は、初期の室温状態では約−3.5×109 dyn/
cm2 の圧縮応力であり、加熱昇温とともにマイナス方
向(圧縮応力方向)に大きくなり、300℃付近では−
9×109 〜−1.5×1010dyn/cm2 の圧縮応
力となる。そして、冷却過程では徐々に緩和され、室温
に戻った状態では約−6×109 dyn/cm2 の圧縮
応力になる。
【0035】試料Eは、試料Dと比較して成膜直後の内
部応力の絶対値は小さいが、熱処理過程では絶対値が大
きくなり、熱処理後の値も成膜直後より負に大きく、試
料Dと比較しても絶対値は大きい。温度による内部応力
の変化は、熱膨張による格子間隔の変化が主な原因であ
ると推察され、熱処理前後での内部応力の変化の原因と
しては熱処理による構造緩和が考えられる。また、化学
的不活性であるAr原子の挙動が構造緩和に与える影響
も考えられる。
【0036】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。
【0037】図1は、本発明の一実施例の概念的な製造
工程を示す断面図であって、製造工程を図1(a)〜同
図(c)により示す。
【0038】まず、図1(a)を参照すると、Al2
3 −TiC系のセラミック基板1上に、厚さ1000オ
ングストロームのAl2 3 膜からなる絶縁膜2、厚さ
250オングストロームのコバルト・ジルコニウム・モ
リブデン(CoZrMo)合金からなる軟磁性薄膜3、
厚さ200オングストロームのタンタル(Ta)薄膜か
らなる非磁性スペーサ薄膜4、厚さ200オングストロ
ームのニッケル・鉄(NiFe)合金からなる磁気抵抗
効果薄膜5をスパッタ法を用いて積層成膜し、さらに、
その上に厚さ3ミクロンのフォトレジスト6を塗布し、
その後、周知の技術によりフォトレジスト6を露光・現
像処理を行いステンシル・パターンを作製する。
【0039】次に、図1(b)を参照すると、45度の
角度に傾斜させた斜めイオンミリング法により、軟磁性
薄膜3,非磁性スペーサ薄膜4および磁気抵抗効果薄膜
5をテーパ状に加工する。続いて、スパッタ法により成
膜パワー密度1.4ワット/cm2 、圧力0.3パスカ
ルのAr雰囲気中で、厚さ100オングストロームの下
地Cr薄膜7a,7bおよび7c、厚さ300オングス
トロームの10.7原子百分率のCrおよび13.9原
子百分率のPtを含むCoCrPt合金膜からなる膜永
久磁石バイアス薄膜8a,8bおよび8c、および厚さ
500オングストロームの29.0原子百分率のMoを
含むTaMo合金膜からなる電極膜9a,9bおよび9
cを積層成膜する。
【0040】最後に、図1(c)を参照すると、磁気抵
抗効果センサとしての作動領域Twにあるフォトレジス
ト6,下地Cr薄膜7c,CoCrPt合金永久磁石バ
イアス薄膜8cおよびTaMo膜からなる電極膜9cを
アセトンなどの有機溶剤を用いて取り除き、永久磁石バ
イアス型磁気抵抗効果ヘッド素子を作製した。このと
き、フォトレジスト6を完全かつ速やかに除去するため
に超音波洗浄などを併用してもよい。
【0041】そして、この永久磁石バイアス型磁気抵抗
効果ヘッド素子は、周知の技術によりスライダ加工を施
すとともに、加圧ばね,支持アーム等の取り付け、およ
び電極への配線等を行って永久磁石バイアス型磁気抵抗
効果ヘッドを作製した。
【0042】このようにして作製された磁気抵抗効果型
ヘッドは、製造過程において膜の剥離がなく磁気抵抗効
果膜に安定した縦バイアスを印加でき、しかも素子抵抗
が18オームと小さく、これにより、発熱・ノイズが小
さく抑えられ、かつ耐食性にも優れていた。また、再生
特性についても熱による雑音が少なく、バルクハウゼン
ノイズや波形非対称のない良好な再生波形が得られた。
【0043】なお、本発明の永久磁石バイアス型磁気抵
抗効果ヘッドは、各機能膜の組成が下記の範囲内であれ
ば、同様の結果が得られる。
【0044】CoCrPt合金膜は、10原子百分率以
上12原子百分率以下のクロムを含有し、かつ12原子
百分率以上15原子百分率以下のPtを含有してもよ
く、また、TaMo合金膜は、Moの組成が10原子百
分率以上40原子百分率以下であればよい。
【0045】さらに、これらの膜を成膜するときは、ス
パッタ法を用いて0.1パスカル以上0.5パスカル以
下の圧力のArガス雰囲気中で、0.5ワット/cm2
以上1.6ワット/cm2 以下のパワー密度で成膜して
もよく、特に、TaMo合金膜は、0.3ワット/cm
2 以下のパワー密度のバイアスを印加するバイアス・ス
パッタ法により成膜し、膜中のアルゴン含有量が3原子
百分率以下であればよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、製
造過程において永久磁石バイアス下地膜,永久磁石バイ
アス膜および電極膜の剥離がなく、永久磁石バイアス膜
の磁気特性が製造工程での種々の温度履歴を経た後にお
いて成膜設計値と変わらない値を保つことにより、磁気
抵抗効果膜に安定した設計通りの縦バイアスを印加で
き、さらに、素子抵抗が小さく、それによって発熱・ノ
イズが小さくでき、耐食性に優れた高信頼性かつ低価格
の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドおよびその製
造方法を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概念的な製造工程を示す断
面図である。
【図2】試料(試料A,BおよびC)の膜中のAr含有
量と成膜パワー密度との関係を示す図である。
【図3】TaMo合金薄膜の比抵抗のMo組成依存性を
示す図である。
【図4】試料(試料D)の内部応力の温度依存性を示す
図である。
【図5】試料(試料E)の内部応力の温度依存性を示す
図である。
【符号の説明】
1 基板 2 絶縁膜 3 軟磁性薄膜 4 非磁性スペーサ薄膜 5 磁気抵抗効果薄膜 6 フォトレジスト 7a,7b,7c 下地Cr薄膜 8a,8b,8c 永久磁石バイアス薄膜 9a,9b,9c 電極薄膜 Tw 磁気抵抗効果型センサ作動領域

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも軟磁性薄膜、非磁性
    スペーサ薄膜および磁気抵抗効果薄膜からなる磁気抵抗
    効果センサ作動領域の両端部に、電気的かつ磁気的に連
    続性を有する永久磁石バイアス下地膜,永久磁石バイア
    ス膜および電極膜からなる積層膜を配設した構造をもつ
    永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドにおいて、前記
    永久磁石バイアス下地膜が、3原子百分率以下のアルゴ
    ンを含有するクロム膜であることを特徴とする永久磁石
    バイアス型磁気抵抗効果ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記永久磁石バイアス膜が、10原子百
    分率以上12原子百分率以下のクロムを含有し、かつ1
    2原子百分率以上15原子百分率以下のプラチナを含有
    するコバルト・クロム・プラチナ合金膜であることを特
    徴とする請求項記載の永久磁石バイアス型磁気抵抗効
    果ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記コバルト・クロム・プラチナ合金膜
    が、3原子百分率以下のアルゴンを含有することを特徴
    とする請求項記載の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果
    ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記電極膜は、モリブデンの組成が10
    原子百分率以上40原子百分率以下であるタンタル・モ
    リブデン合金膜であることを特徴とする請求項1から
    のいずれか1項記載の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果
    ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記タンタル・モリブデン合金膜が、3
    原子百分率以下のアルゴンを含有することを特徴とする
    請求項記載の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 基板上に少なくとも軟磁性薄膜、非磁性
    スペーサ薄膜および磁気抵抗効果薄膜からなる磁気抵抗
    効果センサ作動領域の両端部に、電気的かつ磁気的に連
    続性を有する永久磁石下地膜,永久磁石バイアス膜およ
    び電極膜が積層された構造をもち、前記永久磁石下地膜
    が3原子百分率以下のアルゴンを含有するクロム膜であ
    り、前記永久磁石バイアス膜が10原子百分率以上12
    原子百分率以下のクロムを含有し、かつ12原子百分率
    以上15原子百分率以下のプラチナを含有し、かつ3原
    子百分率以下のアルゴンを含有するコバルト・クロム・
    プラチナ合金膜であり、前記電極膜が10原子百分率以
    上40原子百分率以 下のモリブデンを含有し、かつ3原
    子百分率以下のアルゴンを含有するタンタル・モリブデ
    ン合金膜である永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッド
    の製造方法において、前記クロム膜を、スパッタ法を用
    いて0.1パスカル以上0.5パスカル以下の圧力のア
    ルゴンガス雰囲気中で、0.5ワット/cm2 以上1.
    6ワット/cm2 以下のパワー密度で成膜する工程を有
    することを特徴とする永久磁石バイアス型磁気抵抗効果
    ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記コバルト・クロム・プラチナ合金膜
    を、スパッタ法を用いて0.1パスカル以上0.5パス
    カル以下の圧力のアルゴンガス雰囲気中で、0.5ワッ
    ト/cm2 以上1.6ワット/cm2 以下のパワー密度
    で成膜する工程を有することを特徴とする請求項6記載
    永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記タンタル・モリブデン合金膜を、ス
    パッタ法を用いて0.1パスカル以上0.5パスカル以
    下の圧力のアルゴンガス雰囲気中で、0.5ワット/c
    2 以上1.6ワット/cm2 以下のパワー密度で成膜
    する工程を有することを特徴とする請求項6または7記
    載の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記スパッタ法において、パワー密度が
    0.3ワット/cm2 以下のバイアス・パワーを印加す
    ることを特徴とする請求項記載の永久磁石バイアス型
    磁気抵抗効果ヘッドの製造方法。
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