JP2805719B2 - ワンピース眼内レンズ - Google Patents
ワンピース眼内レンズInfo
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Description
を損なわれた水晶体の代わりに眼内に移植される眼内レ
ンズであって、レンズ部とレンズ部を眼内に支持する支
持腕部とが同一材料で一体に形成されたワンピース眼内
レンズに関する。
体の代わりに眼内に移植される眼内レンズは、略円形の
レンズ部とレンズ部を眼内に支持する支持腕部とから構
成されているが、一般に、支持腕部とレンズ部とを同一
材料で一体に形成したものをワンピース眼内レンズとい
い、支持腕部をレンズ部と別材料で別個に形成してレン
ズ部に固定するようにしたツーピース又はスリーピース
眼内レンズと区別している。
内レンズは、支持腕部をレンズ部と別材料で構成してい
ることから、支持腕部を構成する材料として、十分な弾
力性や柔軟性に富むと同時に十分な強度を有する材料を
比較的自由に選ぶことが可能である。その半面、レンズ
部に支持腕部を固定するための取り付け孔等を設ける必
要があるために、レンズ部の有効面積が制限されるとと
ともに、製造工程も比較的複雑になるという欠点があ
る。
部に取り付け孔等を設ける必要がないので、レンズ部の
有効面積を広く確保できるとともに、製造工程も比較的
単純化できるので、近年、多く用いられるようになって
きた。しかし、ワンピース眼内レンズは、支持腕部をレ
ンズ部と同一材料で構成しなければならないので、その
材料の選択の自由度が限定され、必ずしも十分な弾力性
や柔軟性と強度とを兼ね備えた材料を選ぶことができな
い。このため、従来から、支持腕部を適切な形状にする
ことによって弾力性や柔軟性と強度とをもたせる試みが
なされている。
公報に開示された従来のワンピース眼内レンズ100及
び200を示すものである。いずれの例も同一形状の支
持腕部102,202をレンズ部101,201の中心
を対称中心にして対称的位置に2つ設けた例であるが、
主としてその根元部121と221との形状が互いに異
なっている。
1,221の幅方向の中点を結ぶ曲線をそれぞれ中線1
24,224と、レンズ部101,201の外周からの
根元部121,221の両側の立ち上がり点をそれぞれ
P1 ,P2 と、P1 ,P2 の中点をP0 と、レンズ部1
01,201の中心Oと中点P0 とを通る直線の方向を
直径方向LD と、点P2 の接線方向をLs と、それぞれ
定義する。そうすると、図8に示される例は、根元部1
21の幅が中間部123及び先端部122より広く形成
されている。また、中線124が点P0 から直径方向L
D の一方の側に湾曲していく曲線であり、ほぼこの曲線
が中間部123及び先端部122まで連続的に続いてい
くような形をなしている。同時に、根元部121の幅方
向の一方の側部、すなわち、点P1 から立ち上がって行
く側部121aは、中線に向けて凸の曲率の大きい曲線
形状をなし、他方の側部、すなわち、点P2 から立ち上
がって行く側部121bは、点P2 から該点P2 の接線
Ls に内接し、かつ、レンズ部101の半径D/2より
大きい曲率半径を有する曲線であって上記根元部121
から中間部123にいたるしたがって次第に中線124
の曲線に略沿うようになる曲線を有したものである。こ
の例では、根元部121の幅が広く形成され、かつ、点
P2 から立ち上がる側部の形状が点P2 の接線に内接す
る曲線形状であって、レンズ部101の外周から滑らか
に移行していく曲線となっていることから、根元部12
1の強度が大きいという特徴を有している。半面、根元
部121及び該根元部121から中間部123にいたる
部分の弾力が強すぎて柔軟性に欠けるきらいがあり、眼
内に挿入しずらい場合があるという問題があった。
される例の欠点を除去するために考えられたもので、図
10にその部分拡大図を示したように、根元部221の
幅がすぐに中間部223及び先端部222とほぼ同じに
なるようにし、また、根元部221における中線224
が直径方向LD と略一致するようにし、さらに、根元部
221の両側部221a,221bの形状が略同じにな
るようにしたものである。すなわち、根元部221では
略直径方向LD に沿って立ち上がり、中間部223にい
たる部分で大きく湾曲させるようにすることによって、
根元部221から中間部223にいたる部分の柔軟性を
確保できるようにしたものである。
に示される例は、図8に示される例に比較して柔軟性に
富むという点では優れているが、根元部221及び該根
元部221から中間部223にいたる部分の機械的強度
が弱いという欠点のあることがわかった。すなわち、眼
内挿入の手術前の取扱中あるいは手術中において、根元
部221及び該根元部221から中間部223にいたる
部分に繰り返し応力を加えると、この部分が脆くなり、
場合によっては、折れるおそれもあることがわかった。
れたものであり、その目的は、適度の弾力及び柔軟性を
備えると同時に十分な機械的強度を有する支持腕部を具
備したワンピース眼内レンズを提供することである。
めに本発明にかかるワンピース眼内レンズは、(1)
レンズ部と、このレンズ部を眼内に保持するための支持
部材であってレンズ部の外周部の一部を該外周部から連
続的に外方に延長してレンズ部と同一材料で形成した支
持腕部とを有するワンピース眼内レンズにおいて、前記
支持腕部は、その根元部が該根元部を通る前記レンズ部
の直径方向に対して一方の側に所定の角度をなして立ち
上がるとともに、該根元部から続く中間部に向かうにし
たがって前記直径方向に対して他方の側に急激に湾曲し
ていく形状をなし、かつ、前記根元部は前記中間部及び
該中間部から続く先端部より太く形成され、また、前記
根元部から中間部に移行する部分で急激に細くなるよう
に形成されたものであることを特徴とした構成とし、構
成1の態様として、(2) 構成1のワンピース眼内レ
ンズにおいて、前記支持腕部の根元部から先端部にいた
る湾曲形状が、曲率の異なる複数の曲線を組み合わせて
なるものであることを特徴とする構成、及び、(3)
構成1又は2のいずれかのワンピース眼内レンズにおい
て、前記支持腕部が、その先端部が前記根元部と先端部
との間の中間部よりも太く形成されていることを特徴と
する構成としたものである。
状を、根元部を通るレンズ部の直径方向に対して一方の
側に所定の角度をなして立ち上がるとともに、該根元部
から続く中間部に向かうにしたがって前記直径方向に対
して他方の側に急激に湾曲していく形状をなし、かつ、
前記根元部は前記中間部及び該中間部から続く先端部よ
り太く形成され、また、前記根元部から中間部に移行す
る部分で急激に細くなるように形成されたものであるこ
とを特徴とした構成としたことにより、挿入時に必要と
される適度の柔軟性を備えると同時に、眼内に固定する
ために十分な弾力性を有し、かつ、十分な機械的強度を
有する支持腕部を具備したワンピース眼内レンズを得る
ことが可能になった。
から先端部にいたる湾曲形状を、曲率の異なる複数の曲
線を組み合わせた形状にすることによって、眼内への挿
入がよりしやすいワンピース眼内レンズを得ることが可
能になった。
を根元部と先端部との間の中間部よりも太く形成したこ
とによって、眼内への挿入がさらにしやすくなる。
眼内レンズの平面図、図2は一実施例の側面図、図3は
図1の部分拡大図、図4は支持腕部の形状をXーY座標
で表した図、図5及び図6は眼内挿入の様子を示す図、
図7は一実施例のワンピース眼内レンズを眼球内に挿入
後の眼球断面図である。以下、これらの図面を参照にし
ながら一実施例を説明する。
レンズ、符号1はレンズ部、符号2は支持腕部である。
このワンピース眼内レンズ10は、同一形状の2つの支
持腕部2,2をレンズ部1の中心Oを対称中心にしてレ
ンズ部1の外側に対称的に設けたものである。
チルメタクリレート(PMMA)で構成されている。こ
こで、レンズ部1は平面視が略円形をなした凸レンズで
あり、そのレンズの直径が約7mmである。なお、この
レンズ部1は凸レンズに限られるものではなく、凹レン
ズ、平凸レンズ、平凹レンズ、メニスカスレンズもしく
は非球面レンズ等を必要に応じて用いることができる。
を外方に延長したもので、レンズ部1の外周からの延長
開始部である根元部21と、支持腕部2の先端をなす先
端部22と、先端部22と根元部21との中間にある中
間部23との各部からなり、根元部21が該根元部21
を通るレンズ部の直径方向に対して一方の側(図中右
側)に所定の角度θ(θ=0〜45°)をなして立ち上
がるとともに、中間部23に向かうにしたがって上記直
径方向に対して他方の側(図中左側)に急激に湾曲して
いく形状をなし、かつ、根元部21は中間部23及び先
端部22より太く形成され、また、根元部21から中間
部23に移行する部分で急激に細くなるように形成され
たものである。そして、先端部22が、レンズ部1の中
心Oを中心とする直径約13.5mmの仮想円Cに内接
するようになっている。また、先端部22は中間部23
よりも若干太く形成されている。以下、この支持腕部2
の形状を具体的に説明する。
線を中線24と、レンズ部1の外周からの根元部2の両
側の立ち上がり点をそれぞれP1 ,P2 と、P1 ,P2
の中点をP0 と、中点P0 を通るレンズ部1の直径方向
を直径方向LD と、支持腕部2の幅方向の両側の輪郭線
を表す曲線の変化点をそれぞれP3 ,P4 ,P5 ,P6
,P7 ,P8 ,P9 ,P10と、それぞれ定義する。
輪郭を表す曲線、すなわち、点P1から立ち上がる曲線
は、曲線P1 P5 と、曲線P5 P6 と、曲線P6 P7
と、曲線P7 P8 と、曲線P8 P10及び仮想円Cに内接
する曲線とを連結したものであり、他方の側の輪郭を表
す曲線、すなわち、点P2 から立ち上がる曲線は、曲線
P2 P3 と、曲線P3 P4 と、曲線P4 P9 及び仮想円
Cに沿う曲線とを連結したものである。
元部21の幅方向の両側の輪郭形状のうち、一方の側の
輪郭形状、すなわち、点P1 から立ち上がる輪郭形状
は、中線24に向けて凸の1つの曲線P1 P5 によって
表され、この曲線P1 P5 がただちに中間部23の輪郭
を表す曲線P5 P6 に連結されている。これに対し、他
方の側の輪郭形状、すなわち、点P2 から立ち上がる輪
郭形状の基端部の輪郭を表す曲線P2 P3 は中線24に
向けて凸の曲線形状をなしているが、この基端部に続く
曲線P3 P4 は、中線24の曲線に略沿うとともに、上
記対向する側の曲線P1 P5 の曲線の曲率より大きな曲
率で中線24側に向けて凹の曲線となっている。さら
に、中線24が直径方向LD に対して角度θをなすよう
に形成されている。すなわち、これにより、根元部21
の基端部の太さに比較して、該根元部21から中間部2
3に移行する部分が僅かに太くなっているとともに、こ
の移行部分が急激に左方に湾曲すると同時に急激に細く
なるように形成されているものである。この特徴点によ
って、支持腕部2に応力が加えられた場合、この応力の
一部を十分な強度を有する根元部21の基端部でも吸収
することが可能になり、これにより、根元部21から中
間部23にいたる部分が適度の弾力と柔軟性を備え、繰
り返し応力に対しても十分に耐える強度を備えるように
なった。
中心Oを原点とするXーY座標における各点の座標値
(図4参照)及び各曲線の曲率半径の値によって具体的
に示す。これらの各値は以下の通りである。
持腕部2は、目的に応じて、レンズ部1の光軸に直交す
る平面に対して角度α(α=0〜15°程度)なすよう
に形成される。
ないし図7に示されるように、ピンセットあるいは専用
工具等の把持具40によって把持されて、眼球30の角
膜の一部を切開して形成された切開部31aから眼内に
挿入され、例えば、図7に示されるように虹彩32の近
傍に支持腕部2によって眼内に固定される。
したので、支持腕部2は、適度な弾力と柔軟性を兼ね備
えており、挿入の際に挿入部の形状に対応して容易に変
形可能であり、挿入部に傷を付ける等のおそれが少ない
とともに、挿入作業も容易であり、かつ、挿入後は適度
の弾力によって眼内にしっかりと固定することが可能で
ある。しかも、十分な強度を有しているので、取り扱い
時に破損するようなおそれもない。
2つ設けた例を掲げたが、支持腕部は1また3以上とし
てもよい。また、レンズ1及び支持腕部2を構成する材
料としては、レンズ材料として用いることができると同
時に適度な弾性有するものであればよく、PMMAのほ
かにも、例えば、ヒドロキシエチルメタアクリレート、
シリコーン、ポリスルフォン、フッ素系のポリマー、ポ
リカーボネート等を用いることができる。
ス眼内レンズは、支持腕部の根元部の形状を、根元部を
通るレンズ部の直径方向に対して一方の側に所定の角度
をなして立ち上がるとともに、該根元部から続く中間部
に向かうにしたがって前記直径方向に対して他方の側に
急激に湾曲していく形状をなし、かつ、前記根元部は前
記中間部及び該中間部から続く先端部より太く形成さ
れ、また、前記根元部から中間部に移行する部分で急激
に細くなるように形成されたものであることを特徴とし
た構成としたことにより、挿入時に必要とされる適度の
柔軟性を備えると同時に、眼内に固定するために十分な
弾力性を有し、かつ、十分な機械的強度を有する支持腕
部を具備したワンピース眼内レンズを得ている。また、
支持腕部の根元部から先端部にいたる湾曲形状を、曲率
の異なる複数の曲線を組み合わせた形状にすることによ
って、眼内への挿入がよりしやすいワンピース眼内レン
ズを得ている。さらに、支持腕部の先端部を根元部と先
端部との間の中間部よりも太く形成したことによって、
眼内への挿入をさらに容易にした。
ズの平面図である。
る。
入後の眼球断面図である。
ある。
ある。
ンズ、21…根元部、 22…中間部、23…先端部、24…中線、LD …直径
方向。
Claims (3)
- 【請求項1】 レンズ部と、このレンズ部を眼内に保持
するための支持部材であってレンズ部の外周部の一部を
該外周部から連続的に外方に延長してレンズ部と同一材
料で形成した支持腕部とを有するワンピース眼内レンズ
において、 前記支持腕部は、その根元部が該根元部を通る前記レン
ズ部の直径方向に対して一方の側に所定の角度をなして
立ち上がるとともに、該根元部から続く中間部に向かう
にしたがって前記直径方向に対して他方の側に急激に湾
曲していく形状をなし、かつ、前記根元部は前記中間部
及び該中間部から続く先端部より太く形成され、また、
前記根元部から中間部に移行する部分で急激に細くなる
ように形成されたものであることを特徴としたワンピー
ス眼内レンズ。 - 【請求項2】 請求項1に記載のワンピース眼内レンズ
において、 前記支持腕部の根元部から先端部にいたる湾曲形状が、
曲率の異なる複数の曲線を組み合わせてなるものである
ことを特徴とするワンピース眼内レンズ。 - 【請求項3】 請求項1又は2のいずれかに記載のワン
ピース眼内レンズにおいて、 前記支持腕部が、その先端部が前記中間部よりも太く形
成されていることを特徴とするワンピース眼内レンズ。
Priority Applications (1)
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JP5014215A JP2805719B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | ワンピース眼内レンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5014215A JP2805719B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | ワンピース眼内レンズ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06218001A JPH06218001A (ja) | 1994-08-09 |
JP2805719B2 true JP2805719B2 (ja) | 1998-09-30 |
Family
ID=11854871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5014215A Expired - Fee Related JP2805719B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | ワンピース眼内レンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2805719B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL8900082A (nl) * | 1989-01-13 | 1990-08-01 | Pharmacia Production B V | Intra-oculaire lens. |
-
1993
- 1993-01-29 JP JP5014215A patent/JP2805719B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH06218001A (ja) | 1994-08-09 |
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