JP2805347B2 - アンブレインの製法および新規中間体 - Google Patents

アンブレインの製法および新規中間体

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、従来の文献に記載されている(1R,2R,4aS,
8aS,1″R)−(3′E)−(+)−1,2,3,4,4a,5,6,7,
8,8a−デカヒドロ−1−[6′−(6″,6″−ジメチル
−2″−メチレンシクロヘキシル)−4′−メチル−
3′−ヘキセニル]−2−ヒドロキシ−2,5,5,8a−テト
ラメチルナフタレン(以下、アンブレインという)の新
規な製法および該化合物の合成中間体として有用な新規
化合物ならびに該化合物の新規な製法に関する。
更に詳しくは、本発明は、アンバー様の調合香料の保
留剤として有用な下記式(1) で表されるアンブレインの新規な製法、および該式
(1)の化合物の合成中間体として有用な下記式(A) 式中、R1はヒドロキシ基(−OH)、アセトキシ基(−
OAc)および水素原子を示し、OMOMはメトキシメチルオ
キシ基を示す、 で表される新規なシクロヘキシル置換テトラメチルナフ
タレン類ならびに該式(A)の新規な製法に関する。
更にまた、本発明は、前記式(1)および(A)の化
合物の合成中間体として有用な下記式(B) 式中、R2はアセトキシメチル基(−CH2OAc)、ヒドロ
キシメチル基(−CH2OH)およびホルミル基(−CHO)を
示し、R3はメトキシメチルオキシ基(−OMOM)を示す、 で表される新規なテトラメチルナフタレン類ならびに該
式(B)の化合物の新規な製法に関する。
また更に、本発明は、前記式(1)および(A)の化
合物の合成中間体として有用な下記式(C) 式中、R4はヒドロキシ基(−OH)、ビスジメチルアミ
ノホスホロ基[−OPO(NMe2]および水素原子(−
H)を示し、R5はヒドロキシ基(−OH)、t−ブチルジ
メチルシリロキシ基、トシロキシ基(−OTs)、トリメ
チルシリルエチニル基およびエチニル基を示す、 ここで、R4が−OHのとき、R5は−OHおよびt−ブチル
ジメチルシリロキシ基を示し、R4が[−OPO(NM
e2]のとき、R5はt−ブチルジメチルシリロキシ基
を示し、R4が−Hのとき、R5はt−ブチルジメチルシリ
ロキシ基、トシロキシ基(−OTs)、トリメチルシリル
エチニル基およびエチニル基を示す、 で表される新規なシクロヘキサン類ならびに該式(C)
の化合物の新規な製法に関する。
(従来の技術) 従来から知られている動物性香料は、数種類にすぎな
いが、その中の1つにアンバーグリス(ambergris)が
ある。アンバーグリスは、マッコウクジラの腸内に生ず
る病的生産物で、一種の結石であり、温和なアンバー様
乃至バルサム様の香気を有しており、高級なアンバー様
の調合香料の保留剤として有用であることが知られてい
る。
従来、ルチカ(Ruzicka)らは、アンバーグリスの成
分分析を行い、主要成分が、前記式(1)のアンブレイ
ンであることを見い出し、その構造決定を行っている
(Helv.Chim.Acta.,29,912〜921,1946)。
また、アンブレイン自身は、非揮発性の白色結晶でほ
とんど無臭であるが、長期間保存しておくと、大気中の
酸素により酸化的分解をうけ、アンバー様の香料として
有用な化合物である例えば、アンブロックス、アンブレ
ノリド、アンブリノール、シクロホモゲラニオール、ジ
ヒドロ−γ−イオノンなどの有香物質を生ずることが知
られている。(Fragrance Chemistry by Academic
Press Inc.,535〜573,1982)。
(発明が解決しょうとする課題 しかしながら、従来の上記提案においては、アンブレ
インがアンバーグリスの主要成分であり、その構造を決
定したこと、また、アンブレインを酸化的に分解する
と、アンバー様の香料として有用な有香物質が生成され
ることが記載されているのみで、該化合物の全合成に関
しては、示唆も提案もされたことがない。
また、近年、アメリカあるいはヨーロッパ各国から提
案されている鯨を保護する運動が国際的にたかまり、事
実上、捕鯨ができない状態になってきている。これに伴
い、天然産のアンブレインは高価なものになり、その入
手すら困難な状態である。
従来のようにアンブレインの入手源を天然産だけに求
めていたのでは、将来においてはアンブレインを調合香
料の調合素材に使用することは不可能な状況になると考
えられる。このような状況からして天然産のアンブレイ
ンではなく、合成的な手法により前記式(I)のアンブ
レインを安価にしかも高収率で調達する方法の開発が強
く望まれていた。
そこで本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭
意研究を行った結果、後記式(B)−1の化合物および
後記式(C)−1の化合物を出発原料に選ぶことによ
り、短い製造工程数で、前記式(1)の化合物を好収
率、好純度で初めて合成することに成功し、本発明を完
成した。
従って、本発明の目的は、従来合成されたことのない
前記式(1)の化合物の有利な製造方法を提供するにあ
る。
本発明の他の目的は、前記式(1)の化合物の合成に
有用な新規中間体である前記式(A)の化合物ならびに
該化合物の製造方法を提供するにある。
さらに、本発明の他の目的は、前記式(1)および
(A)の化合物の合成に有用な新規中間体である前記式
(B)および(C)の化合物ならびに該化合物の製造方
法を提供するにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、式(1)の化合物の製造原料である新規な
後記式(B)−1の化合物を製造する第1工程および式
(1)の化合物の製造原料である新規な後記式(C)−
1の化合物を製造する第2工程ならびに後記式(B)−
1の化合物と後記式(C)−1の化合物から前記式
(1)の化合物を製造する第3工程から成り立ってい
る。
以下に、本発明の製造方法を各工程別に詳しく述べ
る。
(第1工程) 本発明の第1工程によれば、公知化合物である後記式
(B)−5の化合物をアセチル化して、式(B)に包含
される後記式(B)−4の化合物を形成させ、該式化合
物をメトキシメチルオキシ化して、式(B)に包含され
る新規な後記式(B)−3の化合物を形成させ、次に該
式化合物を加水分解して、式(B)に包含される新規な
後記式(B)−2の化合物を形成させ、さらに、該式化
合物を酸化することにより、式(B)に包含される新規
な後記式(B)−1の化合物を容易に合成することがで
きる。
式(B)−5の化合物から、本発明の式(B)に包含
される後記式(B)−1の化合物の合成法を反応式で示
すと、例えば、以下のように表すことができる。
式中、MOM−Clはメトキシメチルクロライドを示し、P
DCはピリジウムジクロメートを示し、その他の基は前記
したと同じ基を示す、 上記反応式に従って、本発明の式(B)−1の化合物
の合成法を以下に詳細に述べる。
本発明の第1工程における出発原料である上記式
(B)−5で表される(1R,2R,4aS,8aS)−1,2,3,4,4a,
5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−ヒドロキシ−2,5,5,8a−
テトラメチルナフタレンエタノールは、同一出願人に出
願による特許(特願昭63−130218号参照)の方法で容易
に合成することができる。
上記反応式において、式(B)−5の化合物から式
(B)に包含される前記式(B)−4で表される(1R,2
R,4aS,8aS)−(+)−1−(2′−アセトキシエチ
ル)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−ヒド
ロキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフタレンを合成する
には、式(B)−5の化合物を有機溶媒中、ピリジンの
存在下に無水酢酸と反応させることにより容易に行うこ
とができる。
上記の反応は、例えば、約10℃〜約40℃の温度範囲
で、約1時間〜約50時間程度で行うことができる。
この反応に使用する無水酢酸の使用量は、例えば、式
(B)−5の化合物1モルに対して、約1モル〜約10モ
ル程度の範囲を例示することができる。また、上記反応
に用いるピリジンの使用量は、例えば、式(B)−5の
化合物1モルに対して、約1モル〜約50モル程度を好ま
しく示すことができる。
上記反応に使用する有機溶媒の種類としては、例え
ば、塩化メチレン、クロロホルム、4塩化炭素などを挙
げることができる。それら有機溶媒の使用量は、式
(B)−5の化合物に対して、例えば、約1〜約100重
量倍程度の範囲を示すことができる。
反応終了後は、洗浄、抽出、乾燥、濃縮、必要により
シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの精製手段を
用いることにより、式(B)−4の化合物を好収率、好
純度で得ることができる。
上述のようにして得ることのできる式(B)−4の化
合物から式(B)に包含される本発明の前記式(B)−
3で表される(1R,2R,4aS,8aS)−(−)−1−(2′
−アセトキシエチル)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカ
ヒドロ−2−メトキシメチルオキシ−2,5,5,8a−テトラ
メチルナフタレンを合成するには、式(B)−4の化合
物を有機溶媒中、ジイソプロピルエチルアミンの存在下
にメトキシメチルクロライドと反応させることにより容
易に行うことができる。
上記反応は、例えば、約5℃〜約50℃の温度範囲で、
約1時間〜約50時間程度の反応時間で行うことができ
る。
この反応に使用するメトキシメチルクロライドの使用
量は、例えば、式(B)−4の化合物1モルに対して、
約1.0モル〜約10.0モル程度の範囲を好ましく例示する
ことができる。
また、上記反応で使うジイソプロピルエチルアミンの
使用量は、例えば、式(B)−4の化合物1モルに対し
て、約1.0モル〜約50モル程度の範囲を好ましく示すこ
とができる。
上記反応に使用する有機溶媒の種類としては、例え
ば、1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、クロロホル
ムなどを挙げることができ、これら有機溶媒の使用量
は、式(B)−4の化合物に対して、例えば、約1〜約
100重量倍程度の範囲を示すことができる。
反応終了後は、常法に従って、反応生成物を洗浄、抽
出、乾燥、濃縮し、必要によりシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーなどの精製手段を用いることにより、式
(B)−3の化合物を好収率、好純度で得ることができ
る。
上記した方法で得ることができる式(B)−3の化合
物から、式(B)に包含される本発明の前記式(B)−
2で表される(1R,2R,4aS,8aS)−(−)−1,2,3,4,4a,
5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−メトキシメチルオキシ−
2,5,5,8a−テトラメチルナフタレンエタノールを合成す
るには、式(B)−3の化合物を溶媒中、炭酸カリウム
で加水分解反応させることにより容易に行うことができ
る。
上記の反応は、例えば、約10℃〜約60℃の温度で、通
常約1時間〜約50時間程度の範囲で行うことができる。
この反応に使用する炭酸カリウムの使用量は、例え
ば、式(B)−3の化合物1モルに対して、約0.1モル
〜約10モル程度の範囲を例示することができる。
また、上記反応に用いる溶媒の種類としては、例え
ば、メタノール、エタノールなどを挙げることができ
る。これら溶媒の使用量としては、例えば、式(B)−
3の化合物に対して、約5〜約50重量倍程度の範囲を好
ましく挙げることができる。
反応終了後は、反応生成物を洗浄、抽出、乾燥、濃縮
などの手段で分離し、更に、シリカゲルカラムクロマト
グラフィーなどの精製手段を用いることにより、式
(B)−2の化合物を好収率、好純度で得ることができ
る。
上述のようにして得ることのできる式(B)−2の化
合物から式(B)に包含される本発明の前記式(B)−
1で表される(1R,2R,4aS,8aS)−(−)−1,2,3,4,4a,
5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−メトキシメチルオキシ−
2,5,5,8a−テトラメチルナフタレンアセトアルデヒドを
合成するには、式(B)−2の化合物を有機溶媒中、ピ
リジウムジクロメートと反応させることにより容易に行
うことができる。
上記反応は、例えば、約10℃〜約50℃の温度範囲で、
約1時間〜約50時間程度で行うことができる。
この反応に使用するピリジウムジクロメートの使用量
は、例えば、式(B)−2の化合物1モルに対して、約
1.0モル〜約10.0モル程度の範囲を好ましく例示するこ
とができる。
また、上記反応に使用する有機溶媒の種類としては、
例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロ
ホルムなどを挙げることができる。これら有機溶媒の使
用量は、式(B)−2の化合物に対して、例えば、約5
〜約100重量倍程度の範囲を示すことができる。
反応終了後は、洗浄、抽出、乾燥、濃縮、必要により
シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの精製手段を
用いることにより、式(B)−1の化合物を好収率、好
純度で得ることができる。
上述のようにして得ることができる式(B)−1の化
合物は、本発明の第3工程で製造する前記式(1)で表
されるアンブレインの製造原料として、利用することが
できる。
次に、本発明の前記式(1)のアンブレンの製造原料
となる新規な前記式(C)−1の化合物を製造する第2
工程について、以下に詳細に説明する。
(第2工程) 本発明の第2工程によれば、公知化合物である後記式
(C)−10の化合物を水素化リチウムアルミニウムで還
元して、前記式(C)に包含される新規な後記式(C)
−9を形成し、該式化合物をtert−ブチルジメチルシリ
ルクロライドでシリル化して、前記式(C)に包含され
る新規な後記式(C)−8の化合物を形成し、該式化合
物をビスジメチルアミノホスホロクロリダートと反応さ
せて、前記式(C)に包含される新規な後記式(C)−
7の化合物を形成させ、該式化合物を金属リチウムと接
触させることにより、前記式(C)に包含される新規な
後記式(C)−6の化合物を形成させ、該式化合物をフ
ッ化水素酸で脱シリル化して、前記式(C)に包含され
る後記式(C)−5の化合物を形成させ、該式化合物を
p−トルエンスルホニルクロライドと反応させて、前記
式(C)に包含される新規な後記式(C)−4の化合物
を形成させ、該式化合物をヨウ化ナトリウムと反応させ
て、前記式(C)に包含される後記式(C)−3の化合
物を形成させ、次に、該式化合物をトリメチルシリルア
セチレンと反応させて、前記式(C)に包含される新規
な後記式(C)−2の化合物を形成させ、さらに、該式
化合物を炭酸カリウムと接触させることにより前記式
(C)に包含される新規な後記式(C)−1の化合物を
容易に合成することができる。
式(C)−10の化合物から、本発明の式(C)に包含
される式(C)−1の化合物の合成法を反応式で示す
と、例えば、以下のように表すことができる。
式中、Etはエチル基を示し、TMSはトリメチルシリル
基を示し、TBDMS−Clはt−ブチルジメチルシリルクロ
ライドを示し、(Me2N)2POClはビスジメチルアミノホ
スホロクロリダートを示し、TsClはパラトルエンスルホ
ニルクロライドを示し、その他の基は前記したと同じ基
を示す、 上記反応式に従って、本発明の式(C)−1の化合物
の合成法を以下に詳細に述べる。
本発明の第2工程における出発原料である上記式
(C)−10で表される(1S,3R)−(+)−3−(2′
−エトキシカルボニルエチル)−2,2−ジメチル−4−
メチレン−1−シクロヘキサノールは、公知の化合物で
従来の文献(Tetrahedron,42,(1),283〜290,1986)
に記載の方法で容易に合成することができる。
上記反応式において、(C)−10の化合物から前記式
(C)に包含される本発明の前記式(C)−9で表され
る(1R,3S)−(−)−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル
−6−メチレンシクロヘキサンエタノールを合成するに
は、式(C)−10の化合物を有機溶媒中、水素化リチウ
ムアルミニウムで還元することにより容易に行うことが
できる。
上記の反応は、例えば、約0℃〜約60℃の温度範囲
で、約0.5時間〜約10時間程度で行うことができる。
この反応に使用する水素化リチウムアルミニウムの使
用量は、例えば、式(C)−10の化合物1モルに対し
て、約0.5モル〜約10モル程度の範囲を例示することが
できる。
また、上記反応に使用する有機溶媒の種類としては、
例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどを
挙げることができる。これら有機溶媒の使用量は、式
(C)−10の化合物に対して、例えば、約10〜約100重
量倍程度の範囲を示すことができる。
反応終了後は、反応生成物を濾過し、濾液を洗浄、抽
出、乾燥、濃縮、必要によりシリカゲルカラムクロマト
グラフィーなどの精製手段を用いることにより、本発明
の前記式(C)−9の化合物を好収率、好純度で得るこ
とができる。
上述のようにして得ることのできる前記式(C)−9
の化合物から前記式(C)に包含される本発明の前記式
(C)−8で表される(1S,3R)−(−)−3−(2′
−t−ブチルジメチルシリロキシエチル)−2,2−ジメ
チル−4−メチレン−1−シクロヘキサノールを合成す
るには、式(C)−9の化合物を有機溶媒中、トリエチ
ルアミンの存在下にt−ブチルジメチルシリルクロライ
ドと反応させることにより容易に行うことができる。
上記反応は、例えば、約0℃〜約40℃の温度範囲で、
約1時間〜約20時間程度の反応時間で行うことができ
る。
この反応に使用するt−ブチルジメチルシリルクロラ
イドの使用量は、例えば、式(C)−9の化合物1モル
に対して、約1.0モル〜約10モル程度の範囲を好ましく
例示することができる。
また、上記反応で使うトリエチルアミンの使用量は、
例えば、式(C)−9の化合物1モルに対して、約1.0
モル〜約20モル程度の範囲を好ましく示すことができ
る。
上記反応に使用する有機溶媒の種類としては、例え
ば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどを挙げる
ことができ、これら有機溶媒の使用量は、式(C)−9
の化合物に対して、例えば、約5〜約100重量倍程度の
範囲を示すことができる。
反応終了後は、常法に従って、反応生成物を洗浄、抽
出、乾燥、濃縮し、必要によりシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーなどの精製手段を用いることにより、式
(C)−8の化合物を好収率、好純度で得ることができ
る。
上記した方法で得ることができる前記式(C)−8の
化合物から、前記式(C)に包含される本発明の前記式
(C)−7で表される(1R,3R)−3−(2′−t−ブ
チルジメチルシリロキシエチル)−2,2−ジメチル−4
−メチレン−1−ビス(ジメチルアミノ)ホスホニルオ
キシシクロヘキサンを合成するには、前記式(C)−8
の化合物を有機溶媒中、N,N,N′,N′−テトラメチルエ
チレンジアミンおよびn−ブチルリチウムの存在下、ビ
スジメチルアミノホスホロクロリデートと反応させるこ
とにより容易に行うことができる。
上記の反応は、例えば、約0℃〜約50℃の温度で、通
常約1時間〜約20時間程度の範囲で行うことができる。
この反応に使用するビスジメチルアミノホスホロクロ
リデートの使用量は、例えば、式(C)−8の化合物1
モルに対して、約1.0モル〜約10モル程度の範囲を例示
することができる。
また、上記反応に用いるN,N,N′,N′−テトラメチル
エチレンジアミンの使用量は、例えば、式(C)−8の
化合物1モルに対して、約1.0モル〜約20モル程度の範
囲を例示することができる。さらにまた、この反応に用
いるn−ブチルリチウムの使用量は、式(C)−8の化
合物1モルに対して、約1.0モル〜約10モル程度の範囲
を挙げることができる。
上記反応に用いる有機溶媒の種類としては、例えば、
ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエー
テルなどを挙げることができる。これら有機溶媒の使用
量としては、例えば、式(C)−8の化合物に対して、
約5〜約50重量倍程度の範囲を好ましく挙げることがで
きる。
反応終了後は、反応生成物を洗浄、抽出、乾燥、濃縮
などの手段で分離し、更に、シリカゲルカラムクロマト
グラフィーなどの精製手段を用いることにより、式
(C)−7の化合物を好収率、好純度で得ることができ
る。
上述のようにして得ることのできる前記式(C)−7
の化合物から前記式(C)に包含される本発明の前記式
(C)−6で表される(1R)−(+)−1−(2′−t
−ブチルジメチルシリロキシエチル)−2,2−ジメチル
−6−メチレンシクロヘキサンを合成するには、式
(C)−7の化合物を有機溶媒中、エチルアミンおよび
t−ブチルアルコールの存在下、金属リチウムと反応さ
せることにより容易に行うことができる。
上記反応は、例えば、約−78℃〜約0℃の温度範囲
で、約0.5時間〜約10時間程度で行うことができる。
この反応に使用する金属リチウムの使用量は、例え
ば、式(C)−7の化合物1モルに対して、約1.0モル
〜約20モル程度の範囲を好ましく例示することができ
る。
また、この反応に使用するエチルアミンの使用量は、
式(C)−7の化合物1モルに対して、約10モル〜約10
0モル程度の範囲を挙げることができる。また更に、こ
の反応に使用するt−ブチルアルコールの使用量は、式
(C)−7の化合物1モルに対して、約1.0モル〜約20
モル程度の範囲を好ましく例示することができる。
上記反応に使用する有機溶媒の種類としては、例え
ば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキ
シエタンなどを挙げることができる。これら有機溶媒の
使用量は、式(C)−7の化合物に対して、例えば、約
1.0〜約10重量倍程度の範囲を示すことができる。
反応終了後は、洗浄、抽出、乾燥、濃縮、必要により
シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの精製手段を
用いることにより、式(C)−6の化合物を好収率、好
純度で得ることができる。
上述のようにして得ることのできる前記式(C)−6
の化合物から前記式(C)に包含される前記式(C)−
5で表される(1R)−(+)−2,2−ジメチル−6−メ
チレン−1−シクロヘキサンエタノールを合成するに
は、式(C)−6の化合物を有機溶媒中、フッ化水素酸
と反応させることにより容易に行うことができる。
上記反応は、例えば、約10℃〜約50℃の温度範囲で、
約1時間〜約10時間程度の反応時間で行うことができ
る。
この反応に使用するフッ化水素酸の使用量は、例え
ば、式(C)−6の化合物1モルに対して、約0.001モ
ル〜約0.1モル程度の範囲を好ましく例示することがで
きる。
上記反応に使用する有機溶媒の種類としては、例え
ば、アセトニトリル、ジエチルエーテル、ヘキサン、ト
ルエンなどを挙げることができ、これら有機溶媒の使用
量は、式(C)−6の化合物に対して、例えば、約5〜
約100重量倍程度の範囲を示すことができる。
反応終了後は、常法に従って、反応生成物を中和、洗
浄、抽出、乾燥、濃縮し、必要によりシリカゲルカラム
クロマトグラフィーなどの精製手段を用いることによ
り、式(C)−5の化合物を好収率、好純度で得ること
ができる。
上述のようにして得ることのできる前記式(C)−5
の化合物から前記式(C)に包含される本発明の前記式
(C)−4で表される(1R)−(+)−2,2−ジメチル
−6−メチレン−1−(2′−トシロキシエチル)シク
ロヘキサンを合成するには、式(C)−5の化合物を有
機溶媒中、p−トルエンスルホニルクロライドと反応さ
せることにより容易に行うことができる。
上記反応は、例えば、約−10℃〜約30℃の温度範囲
で、約1時間〜約20時間程度の反応時間で行うことがで
きる。
この反応に使用するp−トルエンスルホニルクロライ
ドの使用量は、例えば、式(C)−5の化合物1モルに
対して、約1.0モル〜約10モル程度の範囲を好ましく例
示することができる。
上記反応に使用する有機溶媒の種類としては、例え
ば、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリンな
どを挙げることができる。これら有機溶媒の使用量は、
式(C)−5の化合物に対して、例えば、約5〜約50重
量倍程度の範囲を示すことができる。
反応終了後は、常法に従って、反応生成物を洗浄、抽
出、乾燥、濃縮し、必要によりシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーなどの精製手段を用いることにより、式
(C)−4の化合物を好収率、好純度で得ることができ
る。
上述のようにして得ることのできる前記式(C)−4
の化合物から前記式(C)に包含される前記式(C)−
3で表される(1R)−2,2−ジメチル−6−メチレン−
1−(2′−アイオドエチル)シクロヘキサンを合成す
るには、式(C)−4の化合物を有機溶媒中、炭酸水素
ナトリウムの存在下、ヨウ化ナトリウムと反応させるこ
とにより容易に行うことができる。
上記反応は、例えば、約20℃〜約60℃の温度範囲で、
約1時間〜約10時間程度で行うことができる。
この反応に使用するヨウ化ナトリウムの使用量は、例
えば、式(C)−4の化合物1モルに対して、約1.0モ
ル〜約10モル程度の範囲を好ましく例示することができ
る。また、この反応に使用する炭酸水素ナトリウムの使
用量は、式(C)−4の化合物1モルに対して、約1.0
モル〜約20モル程度の範囲を挙げることができる。
上記反応に使用する有機溶媒の種類としては、例え
ば、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン
などを挙げることができる。これら有機溶媒の使用量
は、式(C)−4の化合物に対して、例えば、約5〜約
50重量倍程度の範囲を示すことができる。
反応終了後は、洗浄、抽出、乾燥、濃縮、必要により
シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの精製手段を
用いることにより、式(C)−3の化合物を好収率、好
純度で得ることができる。
上述のようにして得ることのできる前記式(C)−3
の化合物から前記式(C)に包含される本発明の前記式
(C)−2で表される(1R)−(−)−2,2−ジメチル
−6−メチレン−1−(4′−トリメチルシリル−3′
−ブチニル)シクロヘキサンを合成するには、式(C)
−3の化合物を有機溶媒中、n−ブチルリチウムの存在
下、トリメチルシリルアセチレンと反応させることによ
り容易に行うことができる。
上記反応は、例えば、約0℃〜約30℃の温度範囲で、
約0.5時間〜約10時間程度の反応時間で行うことができ
る。
この反応に使用するトリメチルシリルアセチレンの使
用量は、例えば、式(C)−3の化合物1モルに対し
て、約1.0モル〜約10モル程度の範囲を好ましく例示す
ることができる。
また、この反応に用いるn−ブチルリチウムの使用量
は、例えば、式(C)−3の化合物1モルに対して、約
1.0モル〜約10モル程度の範囲を好ましく挙げることが
できる。
上記反応に使用する有機溶媒の種類としては、例え
ば、テトラヒドロフラン、ヘキサメチルリン酸トリアミ
ドなどを挙げることができ、これら有機溶媒の使用量
は、式(C)−3化合物に対して、例えば、約5〜約50
重量倍程度の範囲を示すことができる。
反応終了後は、常法に従って、反応生成物を洗浄、抽
出、乾燥、濃縮し、必要によりシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーなどの精製手段を用いることにより、式
(C)−2の化合物を好収率、好純度で得ることができ
る。
上述のようにして得ることのできる前記式(C)−2
の化合物から前記式(C)に包含される本発明の前記式
(C)−1で表される(1R)−(−)−1−(3′−ブ
チニル)−2,2−ジメチル−6−メチレンシクロヘキサ
ンを合成するには、式(C)−2の化合物を溶媒中、炭
酸カリウムと反応させることにより容易に行うことがで
きる。
上記反応は、例えば、約10℃〜約50℃の温度範囲で、
約1時間〜約20時間程度の反応時間で行うことができ
る。
この反応に使用する炭酸カリウムの使用量は、例え
ば、式(C)−2の化合物1モルに対して、約0.1モル
〜約10モル程度の範囲を好ましく例示することができ
る。
上記反応に使用する溶媒の種類としては、例えば、メ
タノール、エタノールなどを挙げることができる。これ
ら溶媒の使用量は、式(C)−2の化合物に対して、例
えば、約5〜約50重量倍程度の範囲を示すことができ
る。
反応終了後は、常法に従って、反応生成物を洗浄、抽
出、乾燥、濃縮し、必要によりシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーなどの精製手段を用いることにより、式
(C)−1の化合物を好収率、好純度で得ることができ
る。
上述のようにして得ることができる式(C)−1の化
合物は、本発明の第3工程で製造する前記式(1)で表
されるアンブレインの製造原料として、利用することが
できる。
次に、上述のようにして得ることのできる本発明の前
記式(B)−1の化合物および前記式(C)−1の化合
物から本発明の前記式(1)のアンブレンを製造する第
3工程について、以下に詳細に説明する。
(第3工程) 本発明の第3工程によれば、上述のようにして得るこ
とのできる前記式(C)−1の化合物をトリメチルアル
ミニウムと反応させて、後記式(C)−1′の中間体化
合物を形成させ、該式化合物と上述のようにして得るこ
とのできる前記式(B)−1の化合物と反応させて、前
記式(A)に包含される新規な後記式(A)−3の化合
物を形成させ、つぎに、該式化合物を無水酢酸と反応さ
せて、前記式(A)に包含される新規な後記式(A)−
2の化合物を形成し、更に、該式化合物を金属リチウム
と接触させることにより、前記式(A)に包含される新
規な後記式(A)−1の化合物を形成させ、また更に、
該式化合物を酢酸水溶液で加水分解することにより、前
記式(1)の化合物を容易に合成することができる。
前記式(C)−1の化合物および前記式(B)−1の
化合物から、本発明の式(1)の化合物の合成法を反応
式で示すと、例えば、以下のように表すことができる。
式中、Meはメチル基を示し、Cp2ZrCl2はビスシクロペ
ンタジエニルジルコニウムジクロリドを示し、その他の
基は前記したと同じ基を示す、 上記反応式に従って、本発明の式(1)の化合物の合
成法を以下に詳細に述べる。
上記反応式において、上述のようにして得ることので
きる(C)−1の化合物から前記式(C)−1′で表さ
れる中間体化合物を合成するには、式(C)−1の化合
物を有機溶媒中、ビスシクロペンタジエニルジルコニウ
ムジクロリドの存在下、トリメチルアルミニウムと反応
させることにより容易に行うことができる。
上記の反応は、例えば、約0℃〜約50℃の温度範囲
で、約1時間〜約10時間程度で行うことができる。
この反応に使用するトリメチルアルミニウムの使用量
は、例えば、式(C)−1の化合物1モルに対して、約
1.0モル〜約20モル程度の範囲を例示することができ
る。
上記反応に用いるビスシクロペンタジエニルジルコニ
ウムジクロライドの使用量は、例えば、式(C)−1の
化合物1モルに対して、約1.0モル〜約10モル程度の範
囲を挙げることができる。また、上記反応に使用する有
機溶媒の種類としては、例えば、ジクロルエタン、塩化
メチレンなどを挙げることができる。これら有機溶媒の
使用量は、式(C)−1の化合物に対して、例えば、約
5〜約50重量倍程度の範囲を示すことができる。
反応終了後は、反応生成物を単離することなく粗製物
のまま、直接次の反応に進めることができる。
上述のようにして得ることのできる前記式(C)−
1′の化合物から前記式(A)に包含される本発明の前
記式(A)−3で表される(1R,2R,4aS,8aS,2′RS,1″
R)−(3′E)−(−)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−
デカヒドロ−1−[2′−ヒドロキシ−6′−(6″,
6″−ジメチル−2″−メチレンシクロヘキシル)−
4′−メチル−3′−ヘキセニル]−2−メトキシメチ
ルオキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフタレンを合成す
るには、式(C)−1′の化合物を有機溶媒中、n−ブ
チルリチウムの存在下に前記式(B)−1の化合物と反
応させることにより容易に行うことができる。
上記反応は、例えば、約0℃〜約50℃の温度範囲で、
約1時間〜約10時間程度の反応時間で行うことができ
る。
この反応に使用する式(B)−1の化合物の使用量
は、例えば、式(C)−1′の化合物1モルに対して、
約0.5モル〜約2.0モル程度の範囲を好ましく例示するこ
とができる。
また、上記反応で使うn−ブチルリチウムの使用量
は、例えば、式(C)−1′の化合物1モルに対して、
約1.0モル〜約5.0モル程度の範囲を好ましく示すことが
できる。
上記反応に使用する有機溶媒の種類としては、例え
ば、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル
などを挙げることができ、これら有機溶媒の使用量は、
式(C)−1′の化合物に対して、例えば、約5〜約50
重量倍程度の範囲を示すことができる。
反応終了後は、常法に従って、反応生成物を中和、洗
浄、抽出、乾燥、濃縮し、必要によりシリカゲルカラム
クロマトグラフィーなどの精製手段を用いることによ
り、式(A)−3の化合物を好収率、好純度で得ること
ができる。
上記した方法で得ることができる前記式(A)−3の
化合物から、前記式(A)に包含される本発明の前記式
(A)−2で表される(1R,2R,4aS,8aS,2′RS,1″R)
−(3′E)−(+)−1−[2′−アセトキシ−6′
−(6″,6″−ジメチル−2″−メチレンシクロヘキシ
ル)−4′−メチル−3′−ヘキセニル]−1,2,3,4,4
a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−メトキシメチルオキシ
−2,5,5,8a−テトラメチルナフタレンを合成するには、
前記式(A)−3の化合物を有機溶媒中、4−ジメチル
アミノピリジンの存在下、無水酢酸と反応させることに
より容易に行うことができる。
上記の反応は、例えば、約0℃〜約50℃の温度で、通
常約1時間〜約20時間程度の範囲で行うことができる。
この反応に使用する無水酢酸の使用量は、例えば、式
(A)−3の化合物1モルに対して、約1.0モル〜約20
モル程度の範囲を例示することができる。また、この反
応に用いる4−ジメチルアミノピリジンの使用量は、式
(A)−3の化合物1モルに対して、約0.001モル〜約
0.1モル程度の範囲を挙げることができる。
上記反応に用いる有機溶媒の種類としては、例えば、
ピリジン、トリエチルアミン、ジエチルアニリンなどを
挙げることができる。これら有機溶媒の使用量として
は、例えば、式(A)−3の化合物に対して、約5〜約
50重量倍程度の範囲を好ましく挙げることができる。
反応終了後は、反応生成物を中和、洗浄、抽出、乾
燥、濃縮などの手段で分離し、更に、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーなどの精製手段を用いることによ
り、式(A)−2の化合物を好収率、好純度で得ること
ができる。
上述のようにして得ることのできる前記式(A)−2
の化合物から前記式(A)に包含される本発明の前記式
(A)−1で表される(1R,2R,4aS,8aS,1″R)−
(3′E)−(+)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒ
ドロ−2−メトキシメチルオキシ−1−[6′−
(6″,6″−ジメチル−2″−メチレンシクロヘキシ
ル)−4′−メチル−3′−ヘキセニル]−2,5,5,8a−
テトラメチルナフタレンの合成するには、式(A)−2
の化合物を有機溶媒中、エチルアミンおよびt−ブチル
アルコールの存在下、金属リチウムと反応させることに
より容易に行うことができる。
上記反応は、例えば、約−78℃〜約0℃の温度範囲
で、約1時間〜約10時間程度で行うことができる。
この反応に使用する金属リチウムの使用量は、例え
ば、式(A)−2の化合物1モルに対して、約1.0モル
〜約20モル程度の範囲を好ましく例示することができ
る。
また、この反応に使用するエチルアミンの使用量は、
式(A)−2の化合物1モルに対して、約10モル〜約10
0モル程度の範囲を挙げることができる。更にまた、こ
の反応に使用するt−ブチルアルコールの使用量は、式
(A)−2の化合物1モルに対して、約1.0モル〜約20
モル程度の範囲を挙げることができる。
上記反応に使用する有機溶媒の種類としては、例え
ば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキ
シエタンなどを挙げることができる。これら有機溶媒の
使用量は、式(A)−2の化合物に対して、例えば、約
5〜約50重量倍程度の範囲を示すことができる。
反応終了後は、洗浄、抽出、乾燥、濃縮、必要により
シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの精製手段を
用いることにより、式(A)−1の化合物を好収率、好
純度で得ることができる。
上述のようにして得ることのできる前記式(A)−1
の化合物から本発明の前記式(1)で表されるアンブレ
インを合成するには、式(A)−1の化合物を酸水溶液
で加水分解することにより容易に行うことができる。
上記反応は、例えば、約20℃〜約50℃の温度範囲で、
約1時間〜約20時間程度の反応時間で行うことができ
る。
この反応に使用する酸としては、例えば、酢酸、塩
酸、硫酸、リン酸などを挙げることができる。これら酸
の使用量は、例えば、式(A)−1の化合物1モルに対
して、約0.01モル〜約1.0モル程度の範囲を好ましく例
示することができる。
反応終了後は、常法に従って、反応生成物を中和、洗
浄、抽出、乾燥、濃縮し、必要によりシリカゲルカラム
クロマトグラフィーなどの精製手段を用いることによ
り、式(I)の化合物を好収率、好純度で得ることがで
きる。
以下に本発明の式(A)、式(B)、式(C)および
式(1)の化合物の製造方法について、さらに具体的に
実施例を挙げて詳細に述べる。
(実施例) 実施例1 (1R,3S)−(−)−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−
6−メチレンシクロヘキサンエタノール[式(C)−
9]の合成。
フラスコに水素化リチウムアルミニウムを2.0g(53.0
ミリモル)、テトラヒドロフラン150mlを仕込む。この
中に、氷冷却下、攪拌しながら式(C)−10の化合物6.
0g(26.5ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液30mlを10
分間で滴下する。滴下後、室温に戻し、更に12時間攪拌
して反応させる。反応終了後、反応液に水酸化ナトリウ
ム水溶液を加え、不溶解物を濾過する。濾液を乾燥、濃
縮した後、粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することによ
り、純粋な式(C)−9の化合物4.9g(定量的)を得
た。
旋光度:▲[α]20 D▼=−15.3゜(c=1.0,CHCl3) 実施例2 (1S,3R)−(−)−3−(2′−t−ブチルジメチル
シリロキシエチル)−2,2−ジメチル−4−メチレン−
1−シクロヘキサノール[(C)−8]の合成。
フラスコに式(C)−9の化合物4.84g(26.3ミリモ
ル)、トリエチルアミン18.2ml(131ミリモル)および
塩化メチレン150mlを仕込み、0℃に冷却する。この中
へ、t−ブチルジメチルシリルクロライド4.76g(31.6
ミリモル)を滴下する。滴下後、室温に戻し、12時間反
応させる。反応終了後、反応生成物を水中に注ぎ、エー
テルで抽出する。抽出物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製することにより、純粋な式(C)−8の
化合物7.66gを得た。
収率:98% ▲[α]22 D▼=−20.8゜(c=1.04,CHCl3) 実施例3 (1S,3R)−3−(2′−tブチルジメチルシリロキシ
エチル)−2,2−ジメチル−4−メチレン−1−ビス
(ジメチルアミノ)ホスホニルオキシシクロヘキサン
[式(C)−7]の合成。
フラスコに式(C)−8の化合物7.33g(24.6ミリモ
ル)、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン18.
5ml(123ミリモル)およびジメトキシエタン150mlを仕
込み、0℃に冷却する。この中に、n−ブチルリチウム
(74ミリモル)のヘキサン溶液46.5mlを10分間で加え、
その後、室温に戻した後、更に、2時間攪拌する。次
に、再び、フラスコを0℃に冷却し、ビス(ジメチルア
ミノ)ホスホロクロリデート(90%)10.1ml(62ミリモ
ル)を加え、室温に戻した後12時間攪拌しながら反応さ
せる。反応終了後、生成物を水中に注入し、ジクロロメ
タンで抽出する。抽出物は溶媒を回収して粗製物の式
(C)−7の化合物23.8gを得た。
実施例4 (1R)−(+)−1−(2′−t−ブチルジメチルシリ
ロキシエチル)−2,2−ジメチル−6−メチレンシクロ
ヘキサン[式(C)−6]の合成。
フラスコにエチルアミン200mlを仕込み、0℃に冷却
した後、金属リチウム2.6g(0.37モル)を加え、同温度
で20分間攪拌して溶解させる。次に、−70℃に冷却し、
さらに、1時間攪拌した後、式(C)−7の化合物23.8
gのテトラヒドロフラン30mlおよびt−ブチルアルコー
ル11.6mlの混合溶液を20分間で加え、さらに、同温度で
1時間攪拌して反応させる。反応終了後、反応液を水中
に注入し、ペンタンで抽出する。抽出物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=10:1)
で精製することにより純粋な式(C)−6の化合物を4.
05g得た。
収率:58% 旋光度:▲[α]21 D▼=+7.91゜(c=1.11,CHCl3) 実施例5 (1R)−(+)−2,2−ジメチル−6−メチレン−1−
シクロヘキサンエタノール[式(C)−5]の合成。
フラスコに式(C)−6の化合物3.87g(13.7ミリモ
ル)、アセトニトリル80mlおよび48%フッ化水素酸水溶
液2mlを仕込み、室温で1時間反応させる。反応終了
後、反応液を中和し、エーテル抽出する。抽出物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル
=10:1)で精製することにより、純粋な式(C)−5の
化合物を2.23g得た。
収率:97% 旋光度:▲[α]21 D▼=+26.6゜(c=1.04,CHCl3) 実施例6 (1R)−(+)−2,2−ジメチル−6−メチレン−1−
(2′−トシロキシエチル)シクロヘキサン[式(C)
−4]の合成。
フラスコに式(C)−5の化合物650mg(3.87ミリモ
ル)およびピリジン10mlを仕込み、0℃に冷却する。次
に、この中に、p−トルエンスルホニルクロライド1.1g
(5.81ミリモル)を滴下し、反応させる。反応終了後、
反応液を硫酸第1銅水溶液中に注ぎ、エーテルで抽出す
る。抽出液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン:エーテル=20:1)で精製することにより純粋な
式(C)−4の化合物を1.18gを得た。
収率:95% 旋光度:▲[α]24 D▼=+3.12゜(c=1.10,CHCl3) 実施例7 (1R)−2,2−ジメチル−6−メチレン−1−(2′−
アイオドエチル)シクロヘキサン[式(C)−3]の合
成。
フラスコにヨウ化ナトリウム1.1g(7.32ミリモル)、
炭酸水素ナトリウム3.1g(36.6ミリモル)およびアセト
ン100mlを仕込む。次に、この中に、式(C)−4の化
合物1.18g(3.66ミリモル)のアセトン溶液5mlを滴下す
る。滴下後、加熱還流下に12時間反応させる。反応終了
後、反応生成物を濾過、濃縮することにより、粗製物の
式(C)−3の化合物0.98gを得た。
実施例8 (1R)−(−)−2,2−ジメチル−6−メチレン−1−
(4′−トリメチルシリル−3′−ブチニル)シクロヘ
キサン[式(C)−2]の合成。
フラスコにトリメチルシリルアセチレン3.6ml(25.6
ミリモル)およびテトラヒドロフラン30mlを仕込み、0
℃に冷却する。次いでこの中に、n−ブチルリチウム
(18.3ミリモル)のヘキサン溶液11.5mlを加える。0℃
で10分間攪拌した後、式(C)−3の化合物980mgとヘ
キサメチルリン酸トリアミド10mlの溶液を滴下し、更
に、0℃で30分間反応させる。反応生成物を常法の手段
で単離し、さらにカラムクロマトグラフィー(ペンタ
ン)で精製することにより、純粋な式(C)−2の化合
物671mgを得た。
収率:74% 旋光度:▲[α]25 D▼=−13.0(c=1.09,ペンタン) 実施例9 (1R)−(−)−1−(3′−ブチニル)−2,2−ジメ
チル−6−メチレンシクロヘキサン[式(C)−1]の
合成。
フラスコに式(C)−2の化合物400mg(1.6ミリモ
ル)、メタノール20mlおよび炭酸カリウム400mgを仕込
み、室温で12時間反応させる。反応終了後、反応生成物
を水中に注入、ペンタン抽出などの処理をした後、さら
に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ペンタン)
で精製して、純粋な式(C)−1の化合物220mgを得
た。
収率:78% 旋光度:▲[α]26 D▼=−10.9゜(c=0.75,ペンタ
ン) 実施例10 (1R,2R,4aS,8aS)−(+)−1−(2′−アセトキシ
エチル)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−
ヒドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフタレン[式
(B)−4]の合成。
フラスコに式(B)−5の化合物1.02g(4.0ミリモ
ル)、ピリジン1.6mlおよび塩化メチレン10mlを仕込
み、室温下に無水酢酸471μl(5.0ミリモル)を滴下
し、12時間攪拌して反応させる。反応後、反応液を硫酸
第1銅水溶液中に注ぎ、エーテル抽出、水洗浄、乾燥、
さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=2:1)で精製することにより純粋な式
(B)−4の化合物1.17gを得た。
収率:99% 旋光度:▲[α]21 D▼=+1.06゜(c=1.0,CHCl3) 実施例11 (1R,2R,4aS,8aS)−(−)−1−(2′−アセトキシ
エチル)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−
メトキシメチルオキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフタ
レン[式(B)−3]の合成。
フラスコに式(B)−4の化合物378mg(1.18ミリモ
ル)、1,2−ジクロルエタン10mlおよびジイソプロピル
エチルアミン1.0mlを仕込む。次いで、この中にメトキ
シメチルクロライド269μl(3.54ミリモル)を室温下
で滴下し、攪拌しながら、12時間反応させる。反応生成
物は、常法に従って分離した後、カラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製することに
より、純粋な式(B)−3の化合物を366g得た。
収率:84% 旋光度:▲[α]15 D▼=−6.75゜(c=0.64,CHCl3) 実施例12 (1R,2R,4aS,8aS)−(−)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−
デカヒドロ−2−メトキシメチルオキシ−2,5,5,8a−テ
トラメチルナフタレンエタノール[式(B)−2]の合
成。
フラスコに式(B)−3の化合物325mg(0.96ミリモ
ル)、メタノール10mlおよび炭酸カリウム138mgを仕込
み、室温下、攪拌しながら12時間反応させる。常法の手
段で単離した粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン:エーテル=10:3)で精製して、純粋な
式(B)−2の化合物を278mg得た。
収率:98% 旋光度:▲[α]20 D▼=−18.4(c=0.53,CHCl3) 実施例13 (1R,2R,4aS,8aS)−(−)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−
デカヒドロ−2−メトキシメチルオキシ−2,5,5,8a−テ
トラメチルナフタレンアセトアルデヒド[式(B)−
1]の合成。
フラスコにピリジウムジクロメート(98%)565mg
(1.48ミリモル)、塩化メチレン20mlおよびモレキュー
ラシーブ3Aを600mg仕込み、攪拌して懸濁液を調製す
る。この懸濁液の中に、式(B)−2の化合物220mg
(0.74ミリモル)の塩化メチレン溶液4mlを滴下する。
滴下後、さらに、2時間攪拌して反応させる。反応終了
後、反応液を濾過し、さらにシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し
て、式(B)−1の化合物210mgを得た。
収率:96% 旋光度:▲[α]21 D▼=−26.8゜(c=0.50,CHCl3) 実施例14 (1R,2R,4aS,8aS,2′RS,1″R)−(3′E)−(−)
−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−1−[2′−
ヒドロキシ−6′−(6″,6″−ジメチル−2″−メチ
レンシクロヘキシル)−4′−メチル−3′−ヘキセニ
ル]−2−メトキシメチルオキシ−2,5,5,8a−テトラメ
チルナフタレン[式(A)−3]の合成。
フラスコにビスシクロペンタジエニルジルコニウムジ
クロリド(98%)1.4g(4.7ミリモル)および1,2−ジク
ロロエタン28mlを仕込む。この中へ、室温下、トリメチ
ルアルミニウム(9.5ミリモル)のヘキサン溶液9.5mlを
加え、30分間攪拌する。次いで、このフラスコの中へ、
式(C)−1の化合物144mg(0.82ミリモル)を滴下
し、2時間攪拌して反応させて、式(C)−1′の化合
物を合成する。
次に、反応液中の溶媒を減圧下に留去し、残渣にヘキ
サン28mlを加え、数分間攪拌した後、静置する。上澄み
液を別のフラスコに移し、この中に、n−ブチルリチウ
ム437μl(0.82ミリモル)のヘキサン溶液を加え30分
間攪拌する。この後、フラスコ内の反応液中にテトラヒ
ドロフラン4.5mlを加えた後、式(B)−1の化合物186
mg(0.63ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液800μl
を室温下で滴下し、1時間攪拌しながら反応させる。反
応終了後、反応液を中和、抽出し、さらにシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:
8)で精製することにより、純粋な式(A)−3の化合
物113mgを得た。
収率:37% 旋光度:▲[α]23 D▼=−2.79゜(c=0.74,メタノー
ル) 実施例15 (1R,2R,4aS,8aS,2′RS,1″R)−(3′E)−(+)
−1−[2′−アセトキシ−6′−(6″,6″−ジメチ
ル−2″−メチレンシクロヘキシル)−4′−メチル−
3′−ヘキセニル]−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒ
ドロ−2−メトキシメチルオキシ−2,5,5,8a−テトラメ
チルナフタレン[式(A)−2]の合成。
フラスコに式(A)−3の化合物77mg(0.16ミリモ
ル)、ピリジン4ml、無水酢酸150μl(1.6ミリモル)
および4−ジメチルアミノピリジン4mgを仕込み、室温
下、攪拌しながら12時間反応させる。反応終了後、反応
液を硫酸第1銅水溶液中に注ぎ、エーテル抽出し、抽出
物を水洗浄、乾燥、濃縮した後、カラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:3)で精製することに
より、純粋な式(A)−2の化合物68g得た。
収率:81% 旋光度:▲[α]22 D▼=+8.28゜(c=0.59,CHCl3) 実施例16 (1R,2R,4aS,8aS,1″R)−(3′E)−(+)−1,2,
3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−メトキシメチル
オキシ−1−[6′−(6″,6″−ジメチル−2″−メ
チレンシクロヘキシル)−4′−メチル−3′−ヘキセ
ニル]−2,5,5,8a−テトラメチルナフタレン[式(A)
−1]の合成。
フラスコにエチルアミン20gを仕込み、0℃に冷却し
た中に、金属リチウム9.5mg(1.38ミリモル)を加え、
0℃で20分間攪拌溶解させる。次いで、−70℃に冷却
し、更に1時間攪拌した後、式(A)−2の化合物36.5
mg(0.069ミリモル)のテトラヒドロフラン300μlおよ
びt−ブチルアルコール65μlの混合溶液を−65℃の温
度に保ちながら、5分間で滴下し、更に、10分間攪拌し
て反応させる。反応終了後、反応液に水を加え、エーテ
ルで抽出する。抽出液を水洗浄、乾燥、濃縮した後、カ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:
1)で精製することにより、純粋な式(A)−1の化合
物を30.5mg得た。
収率:94% 旋光度:▲[α]22 D▼=+1.94゜(c=0.65,ペンタ
ン) 実施例17 (1R,2R,4aS,8aS,1″R)−(3′E)−(+)−1,2,
3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−1−[6′−(6″,
6″−ジメチル−2″−メチレンシクロヘキシル)−
4′−メチル−3′−ヘキセニル]−2−ヒドロキシ−
2,5,5,8a−テトラメチルナフタレン(アンブレイン)
[式(1)]の合成。
フラスコに式(A)−1の化合物28mg(0.06ミリモ
ル)、テトラヒドロフラン2mlおよび80%酢酸水溶液5ml
を仕込む。次いで、1規定の塩酸1滴を加えた後、室温
下で攪拌しながら12時間反応させる。反応終了後、反応
液を水中に注入し、エーテルで抽出する。抽出液を中
和、水洗浄、乾燥、濃縮した後カラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=99:1)で精製することによ
り、純粋な式(1)の化合物14mgを得た。
収率:55% 旋光度:▲[α]22 D▼=+18.3゜(c=0.63,EtOH) (発明の効果) 本発明は、前記式(1)で表されるアンブインの新規
な製法を提供するにある。従来、アンブレインの全合成
の方法については提案されたことがなく、本発明者によ
って初めて提案されたものである。
また本発明は、前記式(1)の化合物の合成中間体と
して有用な新規化合物である前記式(A)で表されるシ
クロヘキシル置換テトラメチルナフタレン類、前記式
(B)で表されるテトラメチルナフタレン類および前記
式(C)で表されるシクロヘキサン類を提供するにあ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 43/30 C07C 43/30 43/315 43/315 47/225 47/225 69/145 69/145 C07F 7/18 C07F 7/18 A 9/24 9/24 Z // A61K 7/46 A61K 7/46 B C11B 9/00 C11B 9/00 C (56)参考文献 特開 昭62−74281(JP,A) Tetrahedron Lette rs,Vol.28,No.10,P.1031 −1034 (1987) Agric.Biol.Chem., Vol.48,No.2,P.461−464 (1984) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 35/23 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(C)−1 で表される(1R)−(−)−1−(3′−ブチニル)−
    2,2−ジメチル−6−メチレンシクロヘキサンを有機溶
    媒中、ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリ
    ドの存在下、トリメチルアルミニウムと反応させて得ら
    れる生成物を有機溶媒中、ノルマルブチルリチウムの存
    在下に下記式(B)−1 式中、OMOMはメトキシメチルオキシ基を示す、 で表される(1R,2R,4aS,8aS)−(−)−1,2,3,4,4a,5,
    6,7,8,8a−デカヒドロ−2−メトキシメチルオキシ−2,
    5,5,8a−テトラメチルナフタレンアセトアルデヒドと反
    応させて下記式(A)−3 式中、OMOMはメトキシメチルオキシ基を示す、 で表される(1R,2R,4aS,8aS,2′RS,1″R)−(3′
    E)−(−)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−
    1−[2′−ヒドロキシ−6′−(6″,6″−ジメチル
    −2″−メチレンシクロヘキシル)−4′−メチル−
    3′−ヘキセニル]−2−メトキシメチルオキシ−2,5,
    5,8a−テトラメチルナフタレンを形成させ、該式(A)
    −3の化合物を4−ジメチルアミノピリジンの存在下、
    ピリジン中で無水酢酸と反応させて下記式(A)−2 式中、OMOMはメトキシメチルオキシ基を示し、Acはアセ
    チル基を示す、 で表される(1R,2R,4aS,8aS,2′RS,1″R)−(3′
    E)−(+)−1−[2′−アセトキシ−6′−
    (6″,6″−ジメチル−2″−メチレンシクロヘキシ
    ル)−4′−メチル−3′−ヘキセニル]−1,2,3,4,4
    a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−メトキシメチルオキシ
    −2,5,5,8a−テトラメチルナフタレンを形成させ、次に
    該式(A)−2の化合物を有機溶媒中、金属リチウムと
    接触させて、下記式(A)−1 式中、OMOMはメトキシメチルオキシ基を示す、 で表される(1R,2R,4aS,8aS,1″R)−(3′E)−
    (+)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−メ
    トキシメチルオキシ−1−[6′−(6″,6″−ジメチ
    ル−2″−メチレンシクロヘキシル)−4′−メチル−
    3′−ヘキセニル]−2,5,5,8a−テトラメチルナフタレ
    ンを形成させ、さらに、該式(A)−1の化合物を酸の
    存在下に加水分解することを特徴とする下記式(1) で表される(1R,2R,4aS,8aS,1″R)−(3′E)−
    (+)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−1−
    [6′−(6″,6″−ジメチル−2″−メチレンシクロ
    ヘキシル)−4′−メチル−3′−ヘキセニル]−2−
    ヒドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフタレン(アン
    ブレイン)の製法。
  2. 【請求項2】下記式(A) 式中、R1はヒドロキシ基(−OH)、アセトキシ基(−OA
    c)および水素原子を示し、OMOMはメトキシメチルオキ
    シ基を示す、 で表されるシクロヘキシル置換テトラメチルナフタレン
    類。
  3. 【請求項3】下記式(B) 式中、R2はアセトキシメチル基(−CH2OAc)、ヒドロキ
    シメチル基(−CH2OH)およびホルミル基(−CHO)を示
    し、R3はメトキシメチルオキシ基(−OMOM)を示す、 で表されるテトラメチルナフタレン類
  4. 【請求項4】下記式(C) 式中、R4はヒドロキシ基(−OH)、ビスジメチルアミノ
    ホスホロ基[−OPO(NMe2]および水素原子(−
    H)を示し、R5はヒドロキシ基(−OH)、t−ブチルジ
    メチルシリロキシ基、トシロキシ基(−OTs)、トリメ
    チルシリルエチニル基およびエチニル基を示す、 ここで、R4が−OHのとき、R5は−OHおよびt−ブチルジ
    メチルシリロキシ基を示し、R4が[−OPO(NMe2
    のとき、R5はt−ブチルジメチルシリロキシ基を示し、
    R4が−Hのとき、R5はt−ブチルジメチルシリロキシ
    基、トシロキシ基(−OTs)、トリメチルシリルエチニ
    ル基およびエチニル基を示す、 で表されるシクロヘキサン類。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Agric.Biol.Chem.,Vol.48,No.2,P.461−464 (1984)
Tetrahedron Letters,Vol.28,No.10,P.1031−1034 (1987)

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