JP2805240B2 - 舶用減速逆転機 - Google Patents

舶用減速逆転機

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JP2805240B2
JP2805240B2 JP2098624A JP9862490A JP2805240B2 JP 2805240 B2 JP2805240 B2 JP 2805240B2 JP 2098624 A JP2098624 A JP 2098624A JP 9862490 A JP9862490 A JP 9862490A JP 2805240 B2 JP2805240 B2 JP 2805240B2
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恒雄 佐藤
敏夫 今中
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ヤンマーディーゼル株式会社
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、舶用減速逆転機であって、特に入力軸と
出力軸が同芯に配置された同芯形のものに関する。
従来の技術 従来の同芯形舶用減速逆転機は、減速逆転機ケースの
下部側に、機関のクランク軸側に連結される入力軸とプ
ロペラ軸側へ連結される出力軸とを同芯に配置し、これ
ら入力軸と出力軸の上方に、入力軸と出力軸間の動力を
嵌脱するクラッチを備えたクラッチ軸を配置している
(例えば、実公昭60−3411号公報参照)。
発明が解決しようとする課題 近時、船舶においては、機関室部分のデッキの高さを
他の部分と同じ高さにして、作業性を向上させた所謂ロ
ーラインタイプのものが要望されている。このようなロ
ーラインタイプの船舶にエンジンを搭載する場合には、
必然的に、そのエンジンの全高を低くする必要がある。
そのため、従来において機関の上部側に配置されていた
潤滑揺クーラーや過給機等が、総体的に、そのエンジン
の後部方向にオーバーハング状に突出した状態で取付け
られるようになっている。他方、機関の後部側に連結さ
れる同芯形の舶用減速逆転機は、その入力軸がクランク
軸と同芯となるようにして取付けられるから、その入力
軸及び出力軸よりも上方に配置したクラッチ軸のため
に、総体的に、クランク軸線に対して高い位置に取付け
られることになって、その上部が前記潤滑油クーラーや
過給機と干渉する場合を生ずる。そこで、このような同
芯形の減速逆転機をかかるローラインタイプの機関に連
結するには、上記潤滑油クーラーや過給機との干渉を避
けるため、軸芯方向に後方へ引き延ばした状態で取付け
なければならず、そのために、軸方向の全長が長くな
り、減速逆転機事態も大型化するという欠点がある。
この発明は、このような従来の同芯形減速逆転機の欠
点を解消することを目的としてなされたものである。
課題を解決するための手段 上記の課題を解決するため、この発明では、入力軸と
出力軸を同芯に配置するとともに、それら入力軸と出力
軸間の動力を嵌脱するクラッチを備えた前進用の一つの
クラッチ軸と、同じく入力軸と出力軸間の動力を嵌脱す
るクラッチを備えた後進用の一つのクラッチ軸とを備え
た前進一軸、後進一軸式の減速逆転機であって、それら
のクラッチ軸を全て前記出力軸よりも下位位置に配置し
たことを特徴とする。
作用 上記のこの発明の構成によれば、全てのクラッチ軸が
出力軸よりも総体的に下位位置に配置されているので、
その出力軸と同芯に配置された入力軸をクランク軸と同
じ高さにおいてそのクランク軸側へ連結した場合でも、
減速逆転機がそのクランク軸線よりも上方へ大きく突出
することがなく、潤滑油クーラーや過給機等との干渉を
避けることができる。
実 施 例 第1図において、(1)は、減速逆転機ケースであ
り、この減速逆転機ケース(1)の前端開放部分、機関
側へ取付けるための継手フランジ(2)によって覆われ
ている。減速逆転機ケース(1)内の上半部中央部分
に、筒状の筒状ボス(3)が形成され、入力軸(4)の
後端が、この筒状ボス(3)によって、軸受け(5)で
支持され、その前端が、前記継手フランジ(2)を貫通
し、かつこの継手フランジ(2)によって軸受け(6)
を介して軸支されている。これらの軸受け(5)(6)
間において、入力軸(4)の外周に入力ギヤ(7)が一
体に形成されている。更に、この入力軸(4)の公報に
は、その入力軸(4)と同芯に配置された出力軸(8)
が、その前端を、前記の筒状ボス(3)へ軸受け(9)
により、後端を、軸受けケース(1)の後部壁を貫通す
るとともに、その後部壁へ軸受け(10)を介して軸支さ
れている。なお、入力軸(4)の前端部には、この前端
へスプラインを介して取付けたボス(11)を介して、ク
ランク軸側に連結するためのダンパー継手(12)が固定
されている。
上記入力軸(4)及び出力軸(8)の下方には、前進
用クラッチ軸(13)が配置され、このクラッチ軸(13)
の前端は、減速逆転機ケース(1)の前壁により軸受け
(14)を介して軸支され、後端部は、減速逆転機ケース
(1)の後壁部へ軸受け(15)を介して軸支されてい
る。このクラッチ軸(13)には、その前端部を支持する
軸受け(14)の後部において、外周に前進入力ギヤ(1
6)を形成した有底筒状のクラッチハウジク(17)が嵌
着され、このクラッチハウジク(17)に対向して、その
後部側に、出力軸(8)上の出力歯車(19)に噛合する
前進ピニオン(18)が、そのクラッチ軸(13)に対して
遊転自在に外嵌されている。この前進ピニオン(18)の
前側面より、前記クラッチハウジンク(17)内へ突出し
て、ボス(20)が一体に形成されている。そして、この
ボス(20)の外周と前記クラッチハウジング(17)内周
面とに、互いに圧接される多板クラッチ板(21)が交互
に配置されている。これらの多板クラッチ板(21)の前
部側において、前記クラッチハウジング(17)内に、油
圧ピストン(22)が挿入され、この油圧ピストン(22)
の背面即ち前部側に圧油を供給することによって、その
油圧ピストン(22)を後方へ摺動させ、多板クラッチ板
(20)を相互に圧接させるようにしている。(23)は、
多板クラッチ板(20)の後部側において、クラッチハウ
ジング(17)内周面に取付けた止め輪(24)によって支
持される押さえ板であり、多板クラッチ板(21)は、こ
の押さえ板(23)と油圧ピストン(22)で挟まれた状態
で押圧される。そして、この押さえ板(23)に対向し
て、前記の前進ピニオン(18)を軸方向に貫通して形成
したネジ穴(26)内に、緊急ボルト(27)がネジ込まれ
ている。
減速逆転機ケース(1)の後壁の外側面には、前記前
進クラッチ(13)に対向して、前記の油圧ピストン(2
2)背面或いは各潤滑部へ作動油や潤滑油を供給するた
めの歯車式の作動油ポンプ(28)が、その作動油ポンプ
(28)の後側面より軸方向に差し込んだボルト(29)に
よって固定されている。この作動油ポンプ(28)の駆動
軸(30)が、前進クラッチ軸(13)と同芯に配置され、
その前進クラッチ軸(13)の後端面に一体に回転するよ
うに連結されている。即ち、作動油ポンプ(28)は、前
進クラッチ軸(13)によって駆動するよう、この前進ク
ラッチ軸(13)と同芯に取付けられるが、このクラッチ
軸(13)が前記出力軸(8)よりも総体的に下位に位置
していることにより、減速逆転機ケース(1)の底部に
設けられるオイルパン(31)からの吸い込みのための通
路が短くなり、これによってポンプ効率が向上し、それ
だけ作動油ポンプ(28)を小型化できることになる。
上記において、作動油ポンプ(28)を取付けるボルト
(29)は、クラッチ軸の軸芯(32)に対して、前記緊急
ボルト(27)の回転半径と同じ長さlの距離に配置され
ている。また、その一部の取付けボルト(29)を螺子込
むため、減速逆転機ケース(1)の後壁に形成される穴
(33)は、その後壁を貫通して形成されており、従っ
て、その取付ボルト(29)を取り除くと、その螺子穴
(33)は減速逆転機ケース(1)を内外に貫通する連通
穴となるから、その螺子穴(33)へ、後方よりドライバ
ー等の工具を差し込んで、上記緊急ボルト(27)を回転
させてその前方に押し込み、押さえ板(23)を介して多
板クラッチ板(20)を圧接することができる。
第2図は、後進用クラッチ軸(35)の取付け構造を示
したもので、この後進用クラッチ軸(35)は、その前端
が前記と同様に減速逆転機ケース(1)の前壁に、後端
が後壁に軸支されているが、その前半部分に後進入力ギ
ヤ(36)を備えたクラッチハウジング(17)が、後半部
に後進ピニオン(37)が遊転自在に外嵌されており、こ
れらクラッチハウジング(17)と後進ピニオン(37)の
ボス(20)との間に、前記と同様に多板クラッチ板(2
1)が配置され、その他板クラッチ板(21)の前部側に
油圧ピストン(22)が配置されている。後進クラッチ軸
(35)は、第3図で示すように、出力軸(8)と前進ク
ラッチ軸(13)との上下方向の中間位置における側方部
分に配置されている。この後進入力ギヤ(36)は、前記
前進入力ギヤ(16)へ咬合している。
上記の構造における動力の伝達経路は、前進側におい
ては、入力軸(4)、入力ギヤ(7)、前進入力ギヤ
(16)、前進用多板クラッチ板(21)、前進ピニオン
(18)、出力ギヤ(19)から出力軸(8)へ伝えられ
る。また、後進時においては、常時回転する前進入力ギ
ヤ(16)から後進入力ギヤ(36)へ伝達され、更に後進
用の多板クラッチ板(21)、後進ピニオン(37)、出力
ギヤ(19)から出力軸(8)の順に伝達される。
第4図は、上記減速逆転機の取付け状態を示したもの
である。なおこの第4図においては、前後が第1図とは
逆になっている。(40)は機関であり、この機関(40)
の後部に、減速逆転機(41)が、前記の入力軸(4)及
び出力軸(8)がその機関(40)のクランク軸中心(4
1)と同芯となるようにして、取付けられている。そし
て、この減速逆転機(42)の後部に、船体(43)によっ
て支持された推進装置(44)の前端部が連結されてい
る。(45)は、機関(40)の潤滑油クーラー、(46)は
同じく過給機であって、ローライン形の機関において
は、これら潤滑油クーラー(45)及び過給機(46)が、
総体的に機関(40)よりも後方にオーバーハング状に突
出しているが、クラッチ軸(13)を出力軸(8)よりも
総体的に下位位置に配置したこの発明の減速逆転機(4
2)では、その上面が総体的に低くなることから、これ
ら潤滑油クーラー(45)や過給機(46)等と干渉するこ
とがない。また、この図で判るように、減速逆転機(4
2)は総体的に従来のものよりもその下端が低くなる
が、このようにしても、機関(40)のオイルパン(47)
の範囲内に収まり、全体が大型化することがない。
発明の効果 以上のように、この発明によれば、入力軸と出力軸を
同芯に配置した同芯形のものにおいて、全てのクラッチ
軸を出力軸よりも総体的に下位位置に配置しているか
ら、その入力軸を機関のクランク軸中心と同じ軸芯上に
配置して機関へ取付けた場合でも、その機関の後方に突
出する機器類と干渉することがないという効果が得られ
る。また、この種の舶用減速逆転機においては、作動油
ポンプをクラッチ軸によって駆動するため、そのクラッ
チ軸の軸芯上に配置することが行なわれているが、この
作動油ポンプが総体的にオイルパン側に近く設置され
て、その吸入効率を向上させ、その結果作動油ポンプも
小型化できるといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例を示す減速逆転機の全体の
縦断面図、第2図は、後進用クラッチ軸部分の縦断面
図、第3図は減速逆転機ケースを後方から見た場合の側
面図、第4図は、減速逆転機を機関へ取付けた場合の全
体側面図である。 (4)……入力軸、(8)……出力軸、(13)(35)…
…クラッチ軸、(42)……減速逆転機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−161694(JP,A) 実開 昭62−81762(JP,U) 実開 昭62−163495(JP,U) 実開 昭58−88042(JP,U) 実公 昭60−3411(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63H 23/08 B63H 23/30 F16H 3/14 B63H 5/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸と出力軸を同芯に配置するととも
    に、それら入力軸と出力軸間の動力を嵌脱するクラッチ
    を備えた前進用の一つのクラッチ軸と、同じく入力軸と
    出力軸間の動力を嵌脱するクラッチを備えた後進用の一
    つのクラッチ軸とを備えた前進一軸、後進一軸式の減速
    逆転機であって、それらのクラッチ軸を全て前記出力軸
    よりも下位位置に配置したことを特徴とする舶用減速逆
    転機。
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