JP2805026B2 - なじみ性に優れた鉄粉焼結軸受材料の製造法 - Google Patents

なじみ性に優れた鉄粉焼結軸受材料の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 本発明はなじみ性に優れた鉄粉焼結軸受材料の製造法
に係り、一般的に求められる強度特性を具備しながら摩
擦係数が小さくて軸受性能に優れ、しかも鉄粉のみによ
る低コストな焼結軸受材料の好ましい製造法を提供しよ
うとするものである。
(産業上の利用分野) 各種軸受材として用いられる鉄粉焼結材料の製造技
術。
なお本発明において、鉄粉焼結軸受材料とは、金属材
料として鉄粉のみを用い、これに適宜潤滑剤を添加して
圧縮成形焼結することを意味するもので、従来鉄粉が50
wt%以上用いられ、これに銅系または鉛系金属粉を配合
したものに対して採用されている鉄系焼結材料とは鉄粉
のみを金属材料とすることにおいて異なっている。
(従来の技術) JIS B1581などに規定されているように焼結含油軸受
としては銅系のものと、鉄系のものとがある。
これらの軸受において一般に銅系のものはなじみ性に
優れた軸受材料として高い評価を受けているが、鉄系の
ものは銅系のものに比し、なじみ性においては劣るもの
の原料が安価であることから近時においては多量に使用
されている。
なお、特開昭51−112712号においては、具体例として
鉄、銅または鉄と鉛および銅の金属配合粉を用い、800
〜1000℃で低温焼結することが発表されている。
又本発明者等は特開昭56−90954や特開昭56−96001の
如きを提案し、鉄粉の青銅粉や黄銅粉を配合して焼結す
ることを発表しており、このような青銅粉などの添加で
1000℃以下で焼結することも可能となるが、一般に鉄系
材料の焼結に当っては日本粉末冶金工業会編著(技術書
院昭和62年発行)の「焼結機械部品、その設計と製造」
328頁に記載されているように焼結温度は1000〜1200℃
が採用されている。
(発明が解決しようとする課題) 上記のように1000〜1200℃で焼結された従来の鉄系焼
結材料においてはそのなじみ性が好ましいものではな
い。又摩擦係数も高いものであるから実際の軸受として
の性能は必ずしも満足すべきものでない。
従って高価な銅系軸受材などを採用せざるを得ない場
合が多く、折角の低コスト性を充分に利用することがで
きない。
特開昭51−112712号や特開昭56−90954号、特開昭56
−96001号によるものにおいては、その具体例としては
銅系または鉛系のような鉄粉に対し他の金属粉末をも添
加することによって焼結温度を低下し得るとしても添加
された他の金属粉末によって相当に高価とならざるを得
ない。しかも銅系などの他の金属粉末添加量が10〜20%
のように少ないものにおいてはその摩擦係数が高く、な
じみ性において鉄粉のみを用いた焼結材料に近いものと
ならざるを得ないし、また特開昭51−112712号における
添付図面の図表では800〜1050℃の広範囲に亘って焼結
処理した結果が示されているが、騒音レベルの低い焼結
温度920℃以下のものにおいてはその圧環強度からして
α相領域における固体拡散による焼結がなされているも
のと認められず、従ってまた純度98%以上の純鉄粉のみ
を用いた焼結金属が得られているものでないことも明ら
かである。
「発明の構成」 (課題を解決するための手段) 本発明は上記したような従来のものにおける課題を解
決するように検討を重ね、工業的に広く採用されている
JIS H2601による鉄粉を用いてなじみ性に優れた軸受材
料を得ることに成功したものであって、以下の如くであ
る。
金属粉末としてFe:98.0wt%以上の鉄粉のみを圧縮成
形してから800℃以上910℃以下の温度でα相領域におけ
る固体拡散によって焼結することを特徴とするなじみ性
に優れた鉄粉焼結軸受材料の製造法。
(作用) 金属粉末としてFe:98.0wt%以上の鉄粉のみを用いる
ことにより、JIS H2601に規定された還元法、電解法、
噴霧法による各種純鉄粉のみを採用して低コストに製品
を得しめる。
前記のように金属粉末としてFe:98%以上の鉄粉のみ
を用い圧粉成形されたものを800〜910℃で焼結すること
によりα相領域における固体拡散によって焼結が行わ
れ、圧環強度15kg/mm2以上を適切に得しめる。即ち金属
粉末としてFe:98%以上の鉄粉のみの圧粉成形体とする
ことにより、銅その他の元素との合金化によるミクロ硬
度の上昇をなからしめてなじみ性を良好に維持し、また
このような純度の高い鉄粉のみによる圧粉成形体を上記
温度で焼結することにより従来の焼結技術における如
く、α相→γ相→α相の相変態を経ることなしに固体拡
散によって焼結せしめて適切な強度を得しめ、しかも焼
結体のなじみ性を良好とし、摩擦係数の小さい製品を得
しめる。
なお焼結温度の下限を800℃とすることにより軸受材
料としての圧環強度の如き必要強度を確保する。またそ
の上限を910℃とすることによりそれなりに浸炭性雰囲
気であっても温度条件が低いことから浸炭が殆んど起ら
ず、浸炭硬化によるなじみ性劣化を回避する。
(実施例) 本発明によるものの具体的な実施例について説明する
と、先ず本発明で用いる鉄粉は、JIS H2601に規定され
る如くであって、その化学成分%は次の第1表に示すよ
うな還元法、電解法、憤霧法の何れかによるFe:98%以
上のものを適宜に採用し得る。
上記した第1表のような純鉄粉を用い具体的に得た製
造例について示すと以下の如くである。
製造例1 市販の鉱石還元鉄粉(−80メッシュ)のものに潤滑剤
としてステアリン酸亜鉛を0.5%添加して内径6mm、外径
12mm、全長6mmでサイジング後の含油率20vol%の円筒形
状に圧縮成形した。次にこのものを、アンモニア分解ガ
ス中で、焼結温度800℃にて焼結し、サイジングして内
径6.01mm、外径12.00mm、全長6mmの軸受形状とし、ター
ビン油を含浸して圧環強度が16.3kg/mm2の焼結含油軸受
を得た。
製造例2 市販鉱石還元鉄粉(−80メッシュ)を製造例1と同様
に圧縮成形、焼結、サイジングし、軸受とした。但し焼
結温度は860℃とした。得られた軸受の圧環強度は21.4k
g/mm2であった。
製造例3 市販の鉄石還元鉄粉(−80メッシュ)を製造例1、2
と同様の方法で処理し軸受とした。但し焼結温度は910
℃としたが、得られた軸受の圧環強度は24.8kg/mm2であ
った。
製造例4 市販の噴霧鉄粉(−100メッシュ)のものに潤滑剤と
してステアリン酸亜鉛を0.5%添加して製造例1〜3と
同様に内径6mm、外径12mm、全長6mmでサイジング後の含
油率20vol%の円筒形状に圧縮成形した。次にこのもの
を、アンモニア分解ガス中で、焼結温度860℃にて焼結
し、サイジングして内径6.01mm、外径12.00mm、全長6mm
の軸受形状とし、タービン油を含浸して焼結含油軸受と
した。この軸受についての圧環強度は20.5kg/mm2であっ
た。
製造例5 製造例4と同じに得られた圧縮成形体を焼結温度910
℃で焼結し、以下同様の工程で処理し焼結含油軸受とし
たが、その圧環強度は22.1kg/mm2であった。
製造例6 市販の分解鉄粉(−60メッシュ)と潤滑剤(ステアリ
ン酸亜鉛)を製造例1〜5の場合と同じ寸法で且つ同様
の方法で成形し、860℃で焼結してからサイジング処理
しタービン油を含浸せしめて含油軸受としたところ、こ
のものの圧環強度は20.1kg/mm2であった。
比較例1 製造例1と同じ条件で圧縮成形したサンプルをアンモ
ニア分解ガス中で、1150℃で焼結した後、サイジングし
て製造例1と同じ寸法で圧環強度が31.8kg/mm2の軸受と
した。
比較例2 製造例1と同じに得られた圧縮成形体を、焼結温度95
0℃で焼結し、以下同様の工程を経しめて焼結含油軸受
とした。この軸受の圧環強度は26.9kg/mm2であった。
上記のようにして得られた本発明の製造例および比較
例に関し、代表的に製造例1〜6および比較例1、2に
ついて各PV値(軸受内径の単位面積にかかる軸荷重と軸
の摺動速度の積)における摩擦係数を測定した結果は次
の第2表の如くであって、添付図面に要約して示される
如くである。
即ち、本発明によるものが摩擦係数において、特にPV
値1000以上で大幅に低減しており、軸材に対するなじみ
性に優れたものであることが確認された。又焼結温度が
低いほど小さい摩擦係数を示すこととなるが、800℃以
下では焼結体としての強度が不都合であった。
なお前記した製造例1の鉱石還元鉄粉に代え、ミルス
ケール還元鉄粉を用いることについても検討したが、鉱
石還元鉄粉の場合とほぼ同様の結果が得られ、又アンモ
ニア分解ガスに代えて水素ガスや炭化水素変成ガスを用
いた場合においてもその結果は同様であった。
更に別の比較例として鉱石還元鉄粉90%に銅粉10%を
添加混合したもの(比較例3)、および鉄石還元鉄粉90
%に青銅粉10%添加混合したもの(比較例4)について
圧粉成形後1040℃で焼結し、タービン油を20vol.%含有
させた比較例について、各PV値(kgf・m/cm2・min)に
おける摩擦係数を測定した結果は次の第3表の如くであ
る。また圧環強度は比較例3のものは32.5kg/mm2であ
り、比較例4のものは34.6kg/mm2であった。
即ちこれら比較例3、4の銅または青銅を10%添加し
たものにおいては全般的に前記比較例1、2のものより
摩擦係数が高くなることが知られた。
「発明の効果」 以上説明したような本発明によるときは金属粉末とし
て純鉄粉のみを用いることにより800℃以上910℃以下の
焼結温度で固体拡散により有効な強度特性を具備した焼
結を図り、しかも軸材に対するなじみ性が良好で摩擦係
数が低く、使用時における昇熱なども少ない軸受材を低
コストに得しめることができるものであって工業的にそ
の効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の技術的内容を示すものであって、本発明
の各製造例と比較例についてのPV値と摩擦係数の関係を
要約して示した図表である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属粉末としてFe:98.0wt%以上の鉄粉の
    みを圧縮成形してから800℃以上910℃以下の温度でα相
    領域における固体拡散によって焼結することを特徴とす
    るなじみ性に優れた鉄粉焼結軸受材料の製造法。
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