JPH05209207A - 軸 受 - Google Patents
軸 受Info
- Publication number
- JPH05209207A JPH05209207A JP1423992A JP1423992A JPH05209207A JP H05209207 A JPH05209207 A JP H05209207A JP 1423992 A JP1423992 A JP 1423992A JP 1423992 A JP1423992 A JP 1423992A JP H05209207 A JPH05209207 A JP H05209207A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- graphite
- bearing
- sintered
- powder
- oil
- Prior art date
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- Withdrawn
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- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 焼結合金からなる軸受の強度を向上させる。
【構成】 銅基焼結合金製含油軸受を製造するにあたっ
て、グラファイトのかわりに、銅をコーティングした塊
状グラファイトを配合する。これによって、混合、成形
に伴なうグラファイトの劈開を防止し、塊状のままで組
織中に均一に分散させることにより、軸受の強度を向上
する。 【効果】 塊状グラファイト12が均一に塊状に分散して
いることにより、強度が向上する。
て、グラファイトのかわりに、銅をコーティングした塊
状グラファイトを配合する。これによって、混合、成形
に伴なうグラファイトの劈開を防止し、塊状のままで組
織中に均一に分散させることにより、軸受の強度を向上
する。 【効果】 塊状グラファイト12が均一に塊状に分散して
いることにより、強度が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結合金からなる含油
軸受に関する。
軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】給油の不要な軸受として、多数の微細な
空隙に油を含浸させた焼結合金からなる含油軸受が知ら
れている。すなわち、この含油軸受は、粉末冶金法によ
って製造されるものであり、複数種の成分からなる微細
な原料粉末を混合した後、この原料粉末を金型により成
形して固め、つぎに、その成形体を焼結炉において焼結
し、さらに、その焼結体に矯正などを施した後、焼結体
中の多数の微細な空隙に油を真空含浸させて得られるも
のである。そして、このような含油軸受用の焼結合金と
しては、例えば、銅にグラファイトと錫などを添加した
ものが利用されるが、このように銅にグラファイトを添
加した焼結合金の金属組織においては、マトリックス中
に偏平な形状のグラファイトが均一に分布している。
空隙に油を含浸させた焼結合金からなる含油軸受が知ら
れている。すなわち、この含油軸受は、粉末冶金法によ
って製造されるものであり、複数種の成分からなる微細
な原料粉末を混合した後、この原料粉末を金型により成
形して固め、つぎに、その成形体を焼結炉において焼結
し、さらに、その焼結体に矯正などを施した後、焼結体
中の多数の微細な空隙に油を真空含浸させて得られるも
のである。そして、このような含油軸受用の焼結合金と
しては、例えば、銅にグラファイトと錫などを添加した
ものが利用されるが、このように銅にグラファイトを添
加した焼結合金の金属組織においては、マトリックス中
に偏平な形状のグラファイトが均一に分布している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、含油軸受の
製造に際し、前述のような焼結合金を得る場合、従来
は、図5に示すような銅1の粉末とグラファイト2の粉
末とを混合し、成形、焼結していた。しかし、この従来
の方法では、混合や成形に伴なって、図4に示すよう
に、グラファイト2の粉末が劈開して偏平な形状になり
やすい。したがって、従来の軸受用の焼結合金5では、
その金属組織において、偏平な形状のグラファイト2が
分散する。その結果、外力が加わった場合、グラファイ
トエッジ部に応力が集中しやすくなり、強度が低いとい
う問題があった。
製造に際し、前述のような焼結合金を得る場合、従来
は、図5に示すような銅1の粉末とグラファイト2の粉
末とを混合し、成形、焼結していた。しかし、この従来
の方法では、混合や成形に伴なって、図4に示すよう
に、グラファイト2の粉末が劈開して偏平な形状になり
やすい。したがって、従来の軸受用の焼結合金5では、
その金属組織において、偏平な形状のグラファイト2が
分散する。その結果、外力が加わった場合、グラファイ
トエッジ部に応力が集中しやすくなり、強度が低いとい
う問題があった。
【0004】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、グラファイトを含む銅基焼結合金からな
る軸受の強度を向上させることを目的とする。
とするもので、グラファイトを含む銅基焼結合金からな
る軸受の強度を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、銅とグラファイトからなる焼結含油軸受
において、混合や成形に伴なうグラファイトの劈開を防
止するために、銅コーティングを施した塊状グラファイ
ト粉末を使用するものである。
成するために、銅とグラファイトからなる焼結含油軸受
において、混合や成形に伴なうグラファイトの劈開を防
止するために、銅コーティングを施した塊状グラファイ
ト粉末を使用するものである。
【0006】好ましくは、前記塊状グラファイトの長軸
/短軸比は1〜5である。
/短軸比は1〜5である。
【0007】
【作用】本発明の軸受においては、塊状グラファイトに
銅コーティングを施すことにより、混合や成形に伴なう
劈開が防止されるために、焼結合金中で塊状グラファイ
トが均一に分散し、このグラファイト付近での応力集中
が生じにくくなり、これにより、焼結合金の強度が向上
する。
銅コーティングを施すことにより、混合や成形に伴なう
劈開が防止されるために、焼結合金中で塊状グラファイ
トが均一に分散し、このグラファイト付近での応力集中
が生じにくくなり、これにより、焼結合金の強度が向上
する。
【0008】なお、焼結合金の強度を十分に向上させる
ためには、塊状グラファイトの長軸/短軸比は1〜5で
あることが好ましい。
ためには、塊状グラファイトの長軸/短軸比は1〜5で
あることが好ましい。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図1から図
3および表1を参照しながら説明する。図3は、軸受6
の形状を示しているが、この軸受6は、グラファイトを
含む銅基焼結合金からなっており、多数の微細な空隙を
有している。この空隙には油が含浸される。また、図2
は、焼結合金となる原料粉末の混合状態を示している
が、11は銅の粉末、12はグラファイトの粉末、13はこの
グラファイト12の粉末に施された銅コーティングであ
り、14は合金元素である錫の粉末である。さらに、図1
は、軸受6の焼結合金16の金属組織を示している。
3および表1を参照しながら説明する。図3は、軸受6
の形状を示しているが、この軸受6は、グラファイトを
含む銅基焼結合金からなっており、多数の微細な空隙を
有している。この空隙には油が含浸される。また、図2
は、焼結合金となる原料粉末の混合状態を示している
が、11は銅の粉末、12はグラファイトの粉末、13はこの
グラファイト12の粉末に施された銅コーティングであ
り、14は合金元素である錫の粉末である。さらに、図1
は、軸受6の焼結合金16の金属組織を示している。
【0010】
【表1】
【0011】そして、表1には、本発明の焼結含油軸受
の実施例1〜13と、従来技術に係わる焼結含油軸受の例
1〜7について、配合組成と、製造された軸受に対しJ
ISZ 2507に準じて測定が実施された圧環強度Kとを
示してある。なお、表1において、上向きの矢印は、そ
の上の欄と同一数値であることを示している。また、銅
(Cu)の欄の「残」は、錫(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Z
n)およびグラファイト以外の成分が銅であることを示
している。本発明の焼結含油軸受の実施例1〜13におい
ては、約30%の重量比で銅コーティングを施したグラフ
ァイトの粉末を用いている。一方、従来技術に係わる焼
結含油軸受の例1〜7においては、コーティングを施し
ていないグラファイトの粉末を用いてある。また、原料
粉末としては、いずれも45メッシュ以下のものを用いて
いる。そして、軸受の製造条件は以下の通りである。ま
ず、原料粉末を混合する。ついで、この混合した原料粉
末を金型により成形して固める。その際の面圧は、2to
n/cm2 である。また、寸法は、外径が12mm、内径が8m
m、長さが12mmである。ついで、成形体を還元ガス雰囲
気中において 780℃で30分間加熱して焼結する。つい
で、焼結体に対し矯正を行う。その際の面圧は、2ton/
cm2 である。さらに、真空含浸を行う。なお、製造され
た軸受にあって、開放気孔の割合は5〜10%、含油率は
5〜10%になった。
の実施例1〜13と、従来技術に係わる焼結含油軸受の例
1〜7について、配合組成と、製造された軸受に対しJ
ISZ 2507に準じて測定が実施された圧環強度Kとを
示してある。なお、表1において、上向きの矢印は、そ
の上の欄と同一数値であることを示している。また、銅
(Cu)の欄の「残」は、錫(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Z
n)およびグラファイト以外の成分が銅であることを示
している。本発明の焼結含油軸受の実施例1〜13におい
ては、約30%の重量比で銅コーティングを施したグラフ
ァイトの粉末を用いている。一方、従来技術に係わる焼
結含油軸受の例1〜7においては、コーティングを施し
ていないグラファイトの粉末を用いてある。また、原料
粉末としては、いずれも45メッシュ以下のものを用いて
いる。そして、軸受の製造条件は以下の通りである。ま
ず、原料粉末を混合する。ついで、この混合した原料粉
末を金型により成形して固める。その際の面圧は、2to
n/cm2 である。また、寸法は、外径が12mm、内径が8m
m、長さが12mmである。ついで、成形体を還元ガス雰囲
気中において 780℃で30分間加熱して焼結する。つい
で、焼結体に対し矯正を行う。その際の面圧は、2ton/
cm2 である。さらに、真空含浸を行う。なお、製造され
た軸受にあって、開放気孔の割合は5〜10%、含油率は
5〜10%になった。
【0012】以上のような製造の過程において、グラフ
ァイトの粉末が銅コーティングを施したものであるため
に、図1に示すように、グラファイトはあまり崩れずに
保持される。すなわち、グラファイトの粉末の長軸/短
軸比すなわち長軸方向の長さaと短軸方向の長さbとの
比は、製造後も、1〜5程度の小さな値に保たれる。こ
うして、軸受の金属組織は、塊状グラファイトが均一に
分散したものとなる。これにより、グラファイト付近で
応力集中が生じにくくなり、焼結合金の強度が向上す
る。また、グラファイトの粉末が銅コーティングの施さ
れたものであるため、銅基マトリックスとグラファイト
との密着性も高まる。こうして、焼結合金の強度が向上
し、表1に示すように、図4に示すような金属組織を有
する従来の軸受の圧環強さKが15〜19kgf/mm2 であった
のに対して、実施例の軸受の圧環強さKは24〜26kgf/mm
2 となり、従来の約 1.5倍になる。
ァイトの粉末が銅コーティングを施したものであるため
に、図1に示すように、グラファイトはあまり崩れずに
保持される。すなわち、グラファイトの粉末の長軸/短
軸比すなわち長軸方向の長さaと短軸方向の長さbとの
比は、製造後も、1〜5程度の小さな値に保たれる。こ
うして、軸受の金属組織は、塊状グラファイトが均一に
分散したものとなる。これにより、グラファイト付近で
応力集中が生じにくくなり、焼結合金の強度が向上す
る。また、グラファイトの粉末が銅コーティングの施さ
れたものであるため、銅基マトリックスとグラファイト
との密着性も高まる。こうして、焼結合金の強度が向上
し、表1に示すように、図4に示すような金属組織を有
する従来の軸受の圧環強さKが15〜19kgf/mm2 であった
のに対して、実施例の軸受の圧環強さKは24〜26kgf/mm
2 となり、従来の約 1.5倍になる。
【0013】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
軸受の形状は、図3に示すものに限らず、種々の形状の
ものが可能である。また、配合組成も、表1に示すもの
に限らない。さらに、焼結方法は、真空焼結も可能であ
る。
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
軸受の形状は、図3に示すものに限らず、種々の形状の
ものが可能である。また、配合組成も、表1に示すもの
に限らない。さらに、焼結方法は、真空焼結も可能であ
る。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、銅基焼結含油軸受にお
いて、塊状グラファイトが均一に分散した金属組織を有
するので、軸受の強度が向上する。
いて、塊状グラファイトが均一に分散した金属組織を有
するので、軸受の強度が向上する。
【0015】なお、塊状グラファイトの長軸/短軸比が
1〜5であれば、強度向上の効果が十分確実に得られ
る。
1〜5であれば、強度向上の効果が十分確実に得られ
る。
【図1】本発明の一実施例を示す軸受の金属組織図であ
る。
る。
【図2】同上原料粉末の混合状態を示す説明図である。
【図3】同上軸受の斜視図である。
【図4】従来例を示す軸受の金属組織図である。
【図5】同上原料粉末の混合状態を示す説明図である。
6 軸受 11 銅 12 グラファイト
Claims (2)
- 【請求項1】 銅基焼結含油軸受において、塊状グラフ
ァイトが均一に分散した金属組織を有することを特徴と
する軸受。 - 【請求項2】 前記金属組織中の塊状グラファイトの長
軸/短軸比が1〜5であることを特徴とする請求項1記
載の軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1423992A JPH05209207A (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 軸 受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1423992A JPH05209207A (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 軸 受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05209207A true JPH05209207A (ja) | 1993-08-20 |
Family
ID=11855537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1423992A Withdrawn JPH05209207A (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 軸 受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05209207A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07138681A (ja) * | 1993-11-18 | 1995-05-30 | Ndc Co Ltd | 複層銅系焼結摺動部材 |
US7195825B2 (en) * | 2002-08-23 | 2007-03-27 | Senju Metal Industry Co., Ltd. | Multi-layer sliding part and a method for its manufacture |
US7255933B2 (en) * | 2002-08-23 | 2007-08-14 | Senju Metal Industry Co., Ltd. | Multi-layer sliding part and a method for its manufacture |
JP2013092188A (ja) * | 2011-10-25 | 2013-05-16 | Kurimoto Ltd | 摺動部材 |
CN106636989A (zh) * | 2017-01-09 | 2017-05-10 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种高强度、高导热石墨‑铜复合材料的制备方法 |
-
1992
- 1992-01-29 JP JP1423992A patent/JPH05209207A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07138681A (ja) * | 1993-11-18 | 1995-05-30 | Ndc Co Ltd | 複層銅系焼結摺動部材 |
US7195825B2 (en) * | 2002-08-23 | 2007-03-27 | Senju Metal Industry Co., Ltd. | Multi-layer sliding part and a method for its manufacture |
US7255933B2 (en) * | 2002-08-23 | 2007-08-14 | Senju Metal Industry Co., Ltd. | Multi-layer sliding part and a method for its manufacture |
JP2013092188A (ja) * | 2011-10-25 | 2013-05-16 | Kurimoto Ltd | 摺動部材 |
CN106636989A (zh) * | 2017-01-09 | 2017-05-10 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种高强度、高导热石墨‑铜复合材料的制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990408 |