JPH07138681A - 複層銅系焼結摺動部材 - Google Patents

複層銅系焼結摺動部材

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JPH07138681A
JPH07138681A JP5312476A JP31247693A JPH07138681A JP H07138681 A JPH07138681 A JP H07138681A JP 5312476 A JP5312476 A JP 5312476A JP 31247693 A JP31247693 A JP 31247693A JP H07138681 A JPH07138681 A JP H07138681A
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JP
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sliding member
alloy
carbon
tin
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JP5312476A
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Masahito Fujita
正仁 藤田
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Nippon Dia Clevite Co Ltd
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NDC Co Ltd
Nippon Dia Clevite Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 [目的] 境界潤滑を繰返し起すような厳しい条件下で
も、優れた摺動特性を示す軸受摺動部材を提供する。 [構成] 錫、鉛、銅若しくはこれにリンを加えた合金
組成の金属粉末に球状カ−ボンを添加して、重量%で錫
1〜11%、鉛1〜30%、球状カ−ボン0.5〜5
%、銅残余若しくはさらにリン0.1〜1%が加わった
混合粉末を作成し、この混合粉末を鋼板上に散布して加
熱焼結させた後、加圧ロ−ルダウンする。得られた摺動
部材は強固な合金組織と改質された摩擦表面層を有し、
高速、高荷重、変動荷重下でも疲労破壊や異状摩耗を起
しにくく、軸受用として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複層銅系焼結摺動部材に
係り、詳しくは、自動車、産業機械、農業機械等に使用
される半割軸受、ブッシュ、スラストワッシャ−等に適
し、内燃機関の出力増大に伴なう高速、高変動荷重の運
転条件下においても、充分な耐疲労破壊性や耐異状摩耗
性を発揮し得る軸受用摺動部材に係る。
【0002】
【従来の技術】エンジン等に使用される軸受メタルの材
料の一つとして、従来から青銅系の合金が利用されてい
る。
【0003】例えば、JIS H 5115の高鉛青銅
LBC2(銅82〜86%、錫9〜11%、鉛4〜6
%)、LBC3(銅77〜81%、錫9〜11%、鉛9
〜11%)、LBC4(銅74〜78%、錫7〜9%、
鉛14〜16%)、LBC5(銅70〜76%、錫6〜
8%、鉛16〜22%)、JIS H 5113のリン
青銅PBC2(銅87〜91%、錫9〜12%、リン
0.05〜0.5%)、PBC3(銅84〜88%、錫
12〜15%、リン0.05〜0.5%)等のJIS規
格、SAE482(鉛24〜32%、錫4〜7%、鉄
0.35%、不純物0.45%、銅残余)、SAE79
1(鉛3.5〜4.5%、錫3.5〜4.5%、亜鉛
1.5〜4%、鉄0.1%、不純物0.2%、銅残余)
等が知られている。
【0004】また、米国特許第2460991号には、
100メッシュを通過するル−ズな塊状のアトマイズド
銅合金粉が記載され、この合金粉は、鉛5〜50%、ニ
ッケル2%以下、錫12%以下、亜鉛6%以下、リン
0.5%以下、銅残余から成って、酸素含量が0.5%
以下が含まれ、この合金粉は軸受の製造用に適している
とされている。
【0005】これら青銅系合金から成る摺動材料は、高
融点、高強度の物性にもとづく耐熱性、耐荷重性のすぐ
れた軸受用材料として評価されているが、エンジンの高
速、高荷重化に対応する摺動材用としては、耐焼付性、
耐摩耗性等を含めてまだ該特性が不充分であり、その改
良の一手段として該合金に固体潤滑剤として黒鉛を含有
させた摺動材が開発されている。例えば、特公昭64−
1523号及び米国特許第4579712号には、20
0メッシュを通過するリン青銅合金粉末と350メッシ
ュを通過する黒鉛粉末からなり、重量%でリン0.03
〜1%、錫7.5〜16%、黒鉛1〜8%、銅残余の組
成を有する混合粉末を鋼板上に散布し、これを焼結圧延
して黒鉛含有、リン青銅軸受材料を製造する方法が記載
されており、また、特公昭56−12288号には、錫
5.5〜7.0%、リン0.03〜0.35%、銅残余
からなるリン青銅合金、あるいは錫9.0〜11.0
%、鉛4.0〜11.0%、ニッケル1%以下、不純物
3%以下、銅残余からなる鉛青銅合金の各粉末約94重
量%と、黒鉛粉末約6重量%から成る混合粉末を、鋼板
上で焼結させてすべり層を形成させる旨が記されてい
る。
【0006】黒鉛の添加は、合金層の潤滑性を向上さ
せ、耐焼付性、耐摩耗性を改善し、さらに、黒鉛に一定
メッシュを通過する微小粉末を限定使用することは、そ
の改善効果を助長することもできるが、一方、黒鉛添加
によって合金強度が低下して耐疲労性が悪化し、また、
黒鉛粒子端部が露出した組織において、黒鉛自体がヘキ
開面に沿ってりん片状に遊離しやすく、それに伴なって
合金自体も剥離しやすくなり、摩擦面が不安定となって
摺動性が劣ってくるという欠点がある。
【0007】近年のエンジンの高出力化は、軸受摺動部
材にますます苛酷な使用条件を課し、従来の高速、高荷
重に的を絞って、合金元素の種類、組成比及び粉体の大
きさのみを追求した上記の如き摺動部材では、必ずしも
充分対応できるような性能が得られていないのが現状で
あり、よりすぐれた摺動部材の開発が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の背景の
下になされたもので、高速、高荷重、さらには変動荷重
を受け、境界潤滑を繰返し起すような条件下であって
も、疲労破壊や異状摩耗を起しにくい摺動部材を提供
し、特にクランク軸受、コンロッド軸受、ピストンピン
軸受の改良に貢献することを目的とする。より具体的に
は、青銅系合金に固体潤滑剤としてカ−ボンを添加した
摺動部材において、カ−ボン粒子の形状が合金組織の物
理的性質に及ぼす影響を詳細に解析し、銅、錫、鉛、或
いは銅、錫、鉛、リンの合金に、限定された形状のカ−
ボン粒子を添加することによって、従来の摺動性能(耐
焼付性、耐摩耗性、摩擦係数)及び耐疲労性を大巾に向
上させた摺動部材を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は銅系合金焼結層
と鋼板裏金が複層一体化されて成る複層銅系焼結摺動部
材において、この銅系焼結合金層が、重量%で錫1〜1
1%、鉛1〜30%、球状カ−ボン0.5〜5%を含ん
で、残余が実質的に銅からなることを特徴とする。
【0010】青銅系合金粉末に黒鉛を添加して焼結させ
ると、黒鉛粒子は合金組織中に分散し、表面に存在する
黒鉛粒子は、軸荷重の支持、対軸摩擦係数の低減の役割
を果すが、一方、黒鉛粒子と合金相の冶金的結合力が乏
しいために合金強度を低下させる。本発明者はこの現象
を合金組織学的に詳細に観察、解析した結果、従来研究
されていたカ−ボンの添加量、カ−ボン粒子の大きさ以
外に、カ−ボン粒子の形状、材質、硬度及びマトリック
スの骨格を構成する銅合金粉末との粒径比が黒鉛含有青
銅系合金の摺動特性、合金強度に大きな影響を及ぼして
いることを見出し、球形状の黒鉛粒子を必須添加するこ
とにより、従来に較べてすべり性能が著しく向上し、且
つ強固な冶金的組織に改善できることを確認して本発明
に到達した。
【0011】カ−ボン粒子は製造工程上、1000℃付
近で焼成した場合、アモルファス状態となり、この状態
はカ−ボン自体の性質、潤滑性をそこなうことなく、硬
度が非常に硬い状態でその為、本特許が解決しようとす
る問題の1つである耐摩耗性に関してきわめて有効であ
ることを発見した。
【0012】又このカ−ボン粒子を2000℃以上で焼
成するとやわらかくなり、同時に結晶化度が上り、一般
的に使われる黒鉛の性質に変わってしまう。
【0013】カ−ボン粒子には板状、粒状、塊状等の形
状を有するものがあるが、従来一般に天然の板状カ−ボ
ン粒子が多く利用されている。図3は鉛青銅系合金に従
来の板状粒子のカ−ボンを添加した場合の摺動部材の合
金組織を示す。
【0014】この図のようにカ−ボン粒子5が組織中に
均一に分散させられたとしても、焼結合金粉末の粒子間
にわたって板状のカ−ボンが存在する形態をとり、この
板状カ−ボン粒子が合金層の疲労破壊の起点となる切欠
効果を示すため、合金強度を弱めることになる。
【0015】また、摺動面においても、板状カ−ボン粒
子の線状の表面や、粒子端部が露出した組織となり、カ
−ボンのヘキ開面に沿って片状にカ−ボン自体が遊離し
やすく、それに伴なって合金自体も剥離しやすくなり、
摩擦面が不安定になって摺動性の改善効果も思うように
上らない。これに対して図1は本発明にもとづいた摺動
部材の合金組織を示す。
【0016】即ち、添加された黒鉛が球状粒子であると
合金組織中に混ざりやすく、合金組織中に球状のカ−ボ
ン粒子が組織を分断することなく均一に分散するので、
合金強度が弱められることがない。又分散状態を理想的
な状態とする為に、銅合金粉末との粒径比の最適値を規
定した。図2は本発明による摺動部材の摺動面に近い部
分を拡大して図示したもので、この図のように、摺動す
る摩擦面では硬質粒子である球状カ−ボン1が荷重を支
え、且つ摩擦面積が小さいので摩擦係数が小さくなり、
これらの結果摺動材料の理想に近い形態が保たれる。上
記の如き球状カ−ボン粒子の作用により、摺動部材とし
ての合金層の性能が飛躍的に改善される。
【0017】本発明による摺動部材は、合金層の成分が
銅、錫、鉛及び球状黒鉛、若しくは銅、錫、鉛、リン及
び球状黒鉛の各元素から成り、且つ各々が限定された割
合で含有されることによって始めて本発明の効果を表す
ことができる。各成分の作用効果及び含有量範囲の限定
理由は次の如くである。
【0018】錫は銅と合金化し、銅系基地の強化に貢献
する。錫の成分比は重量%で1〜11%であることが必
要である。錫が1%未満では基地の材料強度が不足する
と共に、耐摩耗性が不充分で、11%以上では錫、銅の
硬い化合物相が発生し、合金が脆弱になる。
【0019】鉛は合金の組織中に単独で存在し、耐焼付
性に寄与する。鉛が1%未満ではほとんど効果がなく、
30%以上では組織粒界が分断され、合金の強度が弱く
なってしまう。従って、鉛の成分比は重量%で1〜30
%が適当である。
【0020】リンは青銅合金中でCu3Pなる化合物と
なり、それが微細に析出することで合金強度を高める。
リンが0.1%未満では効果が少なく、1%以上になる
と粗大な化合物が発生して効果を減殺するので、リンの
成分比は重量%で0.1〜1%が適当である。
【0021】球状カ−ボンは、前述の如く、境界潤滑条
件において固体潤滑剤として作用し、摺動部材の焼付を
防止する。
【0022】また、通常のカ−ボンがショア硬度D形で
30〜50程度であるのに比べ、アモルファス球状カ−
ボンは100以上と非常に硬いので、耐摩耗性にもきわ
めて有効である。そして、従来の板状カ−ボンに較べて
合金の基地の中に均一に分散、混合されやすく、焼結し
た場合、板状カ−ボンに較べて合金強度を低下させる程
度が少なく、従って、耐疲労性にも優れた合金層を形成
させ得る。さらに、従来の板状カ−ボンに較べて、耐焼
付性、耐摩耗性、摩擦係数等の一般的な摺動特性を改善
する効果が格段に優れている。
【0023】また、球状カ−ボンの粒径を5〜50ミク
ロンとし、銅系合金粉末との粒径比を銅系合金粉末に対
し、0.15〜0.45とすることで、理想的な分散状
態が得られ、合金強度を害することなく摩擦性能の向上
を計ることが出来る。
【0024】これは図6に見る様に、銅系合金粉末を母
粉末(骨格を構成する粉末)とした時、その粒径を一定
とし、添加粉である球状カ−ボン粉の粒径を変えること
で、粒径比と合金強度及び摩擦係数の関係をみたグラフ
であるが、この図より粒径比が0.15〜0.45位に
引張り強さの最大値があり、かつ摩擦係数の最小値とな
っているのがわかる。
【0025】すなわち、粒径比が0.15〜0.45に
おいては、マトリックス強度をそこなわずに、摩擦係数
を小さくすることが出来るわけである。また、理論的に
も、母粉末(球状粒子とする)が結晶構造でいう面心立
方格子状に充填されたとすれば、そのすき間に入ること
の出来る添加球状粉の粒径は0.23〜0.41と算出
され、このことからも請求の範囲に述べた粒径比が0.
15〜0.45の範囲は、銅系合金粉末と球状カ−ボン
粉末の分散状態が理に適った範囲であり、この分散、焼
結状態が合金強度の面からも摩擦性能の面からも良好な
特性を引き出している。
【0026】球状カ−ボンの添加量は成分比の重量%で
0.5〜5%であることが必要である。0.5%未満で
は上記の効果が期待できず、5%を越えると、カ−ボン
に冶金的結合が乏しいため合金強度の低下が大きくな
る。
【0027】上記の如き成分組成比が得られるように、
銅、錫、鉛若しくはさらにこれにリンを添加した合金の
粉末と球状カ−ボンを混合して、薄く銅メッキした鋼板
上に散布し、還元雰囲気下で加熱、焼結させて、該混合
粉末を鋼板上に被着形成させた後、ロ−ル圧下で圧延
し、要すれば、焼結、圧延を繰返すことにより、本発明
の鋼板裏金と複層一体化された摺動部材を得ることがで
きる。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明する。
【0029】表1に示した銅、錫、鉛若しくはこれにリ
ンを加えた合金組成の金属粉末に粒子径がほぼ20ミク
ロンの球状カ−ボンを添加して混合粉末を作成し、この
混合粉末を表面に薄く銅メッキした1.6mmの鋼板上
に散布し、還元雰囲気の水素気流中で750〜850℃
で15分間焼結した。得られた焼結板を圧下率20%で
ロ−ルダウンし、さらにもう一度800℃で7分間焼結
し、約5%ロ−ルダウンして、本発明による球状カ−ボ
ン含有青銅焼結摺動部材サンプルを作成した。
【0030】比較例として、上記と同じ合金組成の金属
粉末に従来用いられている板状カ−ボンを添加して得ら
れた混合粉末を、上記と同様な条件で鋼板状で焼結圧延
して、従来品の黒鉛含有青銅焼結摺動部材サンプルを作
成した。表1においてNo.4、5、6は本発明品サン
プル、No.1、2、3は従来品サンプルを示す。
【0031】No.1〜6の各サンプルについて機械的
性質(引張強さ、硬さ)、曲性、摺動特性を調べた。摺
動特性については、鈴木式摩擦摩耗試験機により摩耗量
及び焼付荷重を測定し、バウデンレ−ベン試験機によっ
て摩擦係数の測定を行なった。各試験機の概略図を図4
及び図5に示す。
【0032】鈴木式摩擦摩耗試験機による測定条件及び
測定方法は以下の通りである。 測 定 項 目 摩 耗 量 焼 付 荷 重 測定条件 荷重の段階 1(一定) 20kgf/step 初期荷重 20kgf 試験時の軸速度 2000mm/sec 4000mm/sec (周速) 油 温 130℃ 130℃ 試料背面温度の 175℃ 200℃ 限界値 試験時間 60min 15min/step
【0033】油浴としては潤滑剤SAE7.5w−30
浴を使用し、相手軸として、材質S45C、硬さH
RC5.5のものを用いた。
【0034】また、本試験時前にならし運転を相手軸周
速500mm/sec、荷重2.5kgfで10分間行
なった。摩耗量として摩耗深さをμm単位で表示し、焼
付荷重として試料背面温度が200℃を越えた時の荷重
をkgf/cm2で表示した。
【0035】バウデンレ−ベン試験機による測定条件及
び測定方法は以下の通りである。 試験圧子 直径10mmの球体、材質S45C、硬
さHRC5.5 試験荷重 乾性摩擦試験時 200kgf 湿性摩擦試験時 400kgf 試料送り速度 2mm/sec ストロ−ク 20mm 試料送り回数 50往復
【0036】乾性、湿性摩擦試験の何れも常温、大気中
で行ない、湿性摩擦試験時には、潤滑剤SAE7.5w
−30を滴下した。試験時に発生する摩擦力を歪計式ロ
−ドビ−ムによって検出し、チャ−ト用紙に記録された
波形から摩擦係数を求めた。測定結果を表1に総括し
た。
【0037】表1からわかるように球状カ−ボンを添加
した本発明品のNo.4、5、6は、従来品のNo.
1、2、3に較べて機械的性質の引張り強さ及び合金硬
さが何れも高く、曲げテストによる発生クラックは小さ
く、摺動特性においては、摩耗量が小さく、焼付荷重が
大きく摩擦係数が小さいという傾向を明らかに示してお
り、本発明品が従来品に較べて摺動部材として優れてい
ることが明白である。
【0038】実際に、本発明品のNo.5、6の摺動材
をピストンピンブッシュに適用したところ、板状黒鉛を
使用した従来品では達成できなかった曲げ性が発揮され
て、丸め加工後及びその加工精度を高めることができ
た。また、本発明品のNo.4の摺動材を半割軸受に加
工し、クランク軸受、コンロッドに適用した場合には、
表1のデ−タから、エンジンの運転時に生ずる繰返しの
曲げ応力による金属疲労の軽減が充分に期待できる。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、青銅系の合
金に対して材質を限定した球状カ−ボン粒子を理想的な
分散状態にするという新しい発想によって、重量%で錫
1〜11%、鉛1〜30%、球状カ−ボン0.5〜5
%、残余が実質的に銅からなる合金層若しくはさらにこ
れにリン0.1〜1%を加えてなる合金層を鋼板裏金と
複層一体化せしめた本発明の軸受摺動部材は、合金組織
が強固になったことに加えて、摩擦表面層が改質され、
機械的性質、摺動特性の両面とも従来品に較べて明らか
に優れている。
【0041】本発明の摺動部材を適用したクランク軸
受、コンロッド軸受、ピストンピン軸受は、高速、高荷
重、さらには変動荷重を受ける厳しい運転条件下におい
ても疲労破壊や異状摩耗を起しにくく、性能の改善され
た新しい軸受として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施例に係る摺動部材の一部の
拡大断面図である。
【図2】図1に示す摺動部材の摺動面に近い部分をさら
に拡大し、潤滑油及び軸を合わせて図示した断面図であ
る。
【図3】従来例の摺動部材の一部の拡大断面図である。
【図4】本発明の実施例に係る摺動特性測定用の鈴木式
摩擦摩耗試験機の概略図である。
【図5】本発明の実施例に係る摺動特性測定用のバウデ
ンレ−ベン摩擦試験機の概略図である。
【図6】銅粉末とカ−ボン粉末の粒径比と合金焼結層の
機械的特性との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 球状カ−ボン 2 鉛 3 銅系基地 4 鋼板裏金 5 板状カ−ボン 6 潤滑油 7 軸 8 試験荷重 9 摩擦力 10 摩擦力検出器 11 潤滑剤(SAE7.5w−30) 12 試料 13 相手軸 14 ワ−ドビ−ム歪計 15 試験圧子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅系合金焼結層と鋼板裏金が複層一体化
    されて成る複層銅系焼結摺動部材において、この銅系焼
    結合金層が、重量%で錫1〜11%、鉛1〜30%、球
    状カ−ボン0.5〜5%を含んで、残余が実質的に銅か
    らなることを特徴とする複層銅系焼結摺動部材。
  2. 【請求項2】 銅系合金焼結層と鋼板裏金が複層一体化
    されて成る複層銅系焼結摺動部材において、この銅系焼
    結合金層が、重量%で錫1〜11%、鉛1〜30%、リ
    ン0.1〜1%、球状カ−ボン0.5〜5%を含んで、
    残余が実質的に銅からなることを特徴とする複層銅系焼
    結摺動部材。
  3. 【請求項3】 前記球状カ−ボンをアモルファスタイプ
    カ−ボンとする請求項1又は2記載の複層銅系焼結摺動
    部材。
  4. 【請求項4】 前記球状カ−ボンの硬度をショア硬度D
    形で100以上とする請求項1、2又は3記載の複層銅
    系焼結摺動部材。
  5. 【請求項5】 前記球状カ−ボンの粒径を5〜50ミク
    ロンとする請求項1、2、3又は4記載の複層銅系焼結
    摺動部材。
  6. 【請求項6】 銅系焼結合金層を構成する銅系合金粉末
    の粒径をA、前記球状カ−ボンの粒径をBとするとき、
    B/Aが0.45〜0.15を満足する請求項1、2、
    3、4又は5記載の複層銅系焼結摺動部材。
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