JP2803093B2 - サーマルヘッドの発熱抵抗体形成方法 - Google Patents

サーマルヘッドの発熱抵抗体形成方法

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JP2803093B2 JP63178328A JP17832888A JP2803093B2 JP 2803093 B2 JP2803093 B2 JP 2803093B2 JP 63178328 A JP63178328 A JP 63178328A JP 17832888 A JP17832888 A JP 17832888A JP 2803093 B2 JP2803093 B2 JP 2803093B2
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【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、感熱記録方式のファクシミリ装置やサーマ
ルプリンタ等の感熱記録装置に使用されるサーマルヘッ
ドの発熱抵抗体形成方法に関するものである。
(2) 従来の技術 感熱記録方式のファクシミリ装置やサーマルプリンタ
等の感熱記録装置として、サーマルヘッドが従来より広
く用いられている。
次に、この種のサーマルヘッドの従来例の概略を、第
9図〜第14C図により説明する。
第9図に示すように、プラテンロールRの外周に沿っ
て搬送される感熱記録紙Pに熱記録を行うためのサーマ
ルヘッドH0は、支持板01を備えている。この支持板01の
表面には、第9図中、左側部分に絶縁基板02が接着剤に
よって張付けられており、この絶縁基板02表面には、第
10,11A,11B図に示されているように、帯状の共通電流本
体部03aとこの共通電極本体部03aから櫛歯状に突出する
多数の共通電極接続部03bとから成る共通電極03と、前
記多数の共通電極接続部03bの先端部03b1に対向する個
別電極先端部04aを有する個別電極04とが形成されてい
る。そして、前記対向する前記各共通電極接続部03bの
先端部03b1と個別電極先端部04aとの間にはそれぞれ発
熱抵抗体05が配設されている。また、前記個別電極04
は、その基端部(第9図中、右端部)に後述の駆動用IC
と接続するためのIC接続端子04bが形成されている。
前記支持板01の表面には、第9図中、右側部分にプリ
ント配線板06が接着剤によって張付けられており、この
プリント配線板06表面には外部接続用配線07が形成され
ている。この外部接続用配線07はその入力端側(第9図
中、右側)において前記プリント配線板06を貫通するリ
ード線08を介して、駆動信号入力端子としてのソケット
09に接続されている。プリント配線板06の前記絶縁基板
02に近い部分には駆動用ICが配設されており、この駆動
用ICはボンディングワイヤ010および011によって前記個
別電極04のIC接続端子04bおよび外部接続用配線07と接
続されている。
そして従来のサーマルヘッドH0は、前記符号01〜011
で示された部材等によって構成されている。なお、第1
0,11A,11B図中、XはサーマルヘッドH0の主走査方向を
示している。
ところで、前述のサーマルヘッドの発熱抵抗体は第12
A〜14C図に示すような方法で形成される。
ホトリソグラフィの技術を用いて、第12A,Bに示すよ
うに前記絶縁基板02上に帯状の共通電極本体部03aとこ
ろ共通電極本体部03aから櫛歯状に突出する多数の共通
電極接続部03bとから成る共通電極03と、前記多数の共
通電極接続部03bの先端部03b1に対向する個別電極先端
部04aを有する個別電極04とを形成する。次に、第13A,
B,C図に示すように、絶縁基板02上にホトレジスト層020
を形成してからその上にマスク021を重ね、露光、現像
することにより、第14A,B,C図に示すように、ホトレジ
スト層020に複数の抵抗体形成用開口部020aを形成す
る。その後、抵抗体形成用ペーストを前記抵抗体形成用
開口部020aに充填してから、乾燥、焼結等の工程を経
て、前記絶縁基板02上に主走査方向Xに沿って複数の発
熱抵抗体05(第11A,B図参照)を形成する。
(3) 発明が解決しようとする課題 ところで、従来は、前述の第13C図に示すマスク021を
使用した場合、第14C図に示すように主走査方向Xの中
間部に形成される抵抗体形成用開口部020a(第14C図
中、右端側に示した抵抗体形成用開口部020a)は、その
側壁が垂直に形成されるが、主走査方向Xの両端部に形
成される抵抗体形成用開口部020a(第14C図中、左側に
示した抵抗体形成用開口部020a)は、その側壁が下方に
行くに従って狭まるように形成される。すなわち、抵抗
体形成用開口部020aの形状は不均一となり、このような
形状の不均一な開口部に充填された発熱抵抗体形成用ペ
ーストから形成される発熱抵抗体の形状は不均一にな
る。したがって、主走査方向Xに沿って絶縁基板上に形
成された複数の発熱抵抗体の発熱量も不均一となるの
で、それらの発熱抵抗体によって印字されたドットの形
状が不均一となり、印字品質が低下するという問題点が
あった。
このような問題点の生じる理由は次のようであると考
えられる。
すなわち、従来は、実際に使用する発熱抵抗体の数だ
けの抵抗体形成用開口部020aをホトレジスト層に形成す
るようなマスクパターンを用いていたので、主走査方向
Xの中間部に在る抵抗体形成用開口部020aは、その両側
の隣接する抵抗体形成用開口部020aに照射された光の回
り込みの影響を受けているが、主走査方向Xの両端部の
抵抗体形成用開口部020aは中間部に配置された開口部と
比べて照射された光量に差が生じているものと考えられ
る。すなわち、ポジ型のフォトレジストでは、隣接の開
口部からの光のもれ込み量に差が発生し、ネガ型フォト
レジストでは、開口部以外の領域からの光のもれ込み量
に差が発生する。このため、主走査方向Xに沿って形成
された複数の抵抗体形成用開口部020aの形状が不均一に
なるものと考えられる。
本発明は前記事情および検討結果に鑑みてなされたも
ので、ホトレジスト層に主走査方向Xに沿って形成され
る複数の抵抗体形成用開口部の形状を均一にすることを
課題とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 前記課題を解決するために本発明のサーマルヘッドの
発熱抵抗体形成方法は、絶縁基板上に着膜したホトレジ
スト層の上部にマスクを重ねて露光、現像することによ
り前記ホトレジスト層に複数の抵抗体形成用開口部を主
走査方向に沿って形成する工程と、前記複数の抵抗体形
成用開口部内に未焼結抵抗体を形成する工程と、前記ホ
トレジスト層を除去し且つ前記未焼結抵抗体を焼結して
発熱抵抗体を形成する工程とを順次行うことにより、前
記絶縁基板表面に主走査方向に沿って複数の発熱抵抗体
を形成するサーマルヘッドの発熱抵抗体形成方法であっ
て、前記マスクとして、前記ホトレジスト層に前記複数
の抵抗体形成用開口部とそれらの外方に隣接して配置さ
れるダミー開口部とを形成するためのパターンを有する
ものを使用することを特徴とする。
(2) 作用 前記本発明のサーマルヘッドの発熱抵抗体形成方法に
よれば、レジスト層にマスクを重ねて露光、現像するこ
とにより前記レジスト層の主走査方向に沿って配置され
る複数の抵抗体形成用開口部を形成する際、前記マスク
として、前記ホトレジスト層に前記複数の抵抗体形成用
開口部とそれらの外方に隣接して配置されるダミー開口
部とを形成するためのパターンを有するものを使用する
ので、ホトレジスト層の主走査方向に沿って形成される
複数の抵抗体形成用開口部のうち、その外端部に在る抵
抗体形成用開口部も、主走査方向中間部に在る抵抗体形
成用開口部と同様に、主走査方向の片側だけでなく両側
に隣接して配置された開口部に照射される光の回り込み
の影響を受けることになる。したがって、主走査方向に
沿って配置された複数の抵抗体形成用開口部のうち、そ
の両端部および中間部に配置された開口部に照射される
光量が等しくなる。
(3) 実施例 以下、図面により本発明のサーマルヘッドの発熱抵抗
体形成方法の一実施例を説明する。
第1A図は本発明のサーマルヘッドの発熱抵抗体形成方
法の実施例により形成した発熱抵抗体の斜視図、第1B図
は第1A図のIB−IB線断面図、であり、第2A〜8B図は第1
A,1B図に示した発熱抵抗体の形成方法の説明図である。
第1A,1B図において、絶縁基板1上には主走査方向X
に延びる共通電極2が形成されている。共通電極2は、
主走査方向Xに沿って延設された共通電極本体部3と、
この共通電極本体部3から副走査方向Yに沿って延びる
複数の共通電極接続部4とから形成されている。また、
絶縁基板1上には、前記共通電極接続部4と同一の幅を
有する複数の個別電極5が主走査方向Xに沿って配設さ
れており、各個別電極先端部5aはそれぞれ前記複数の共
通電極接続部4の各先端部(以下、「共通電極先端部」
という)4aに対向して配置されている。
前記各共通電極先端部4aおよび個別電極先端部5a間を
それぞれ接続する発熱抵抗体6は、主走査方向Xに沿っ
て複数配設されており、その主走査方向Xの延長線上に
は複数のダミー抵抗体7,7…が配設されている。
これらのダミー抵抗体7,7…は、不要なものである
が、後述の発熱抵抗体形成過程で形成されるものであ
り、存在していても支障がなく、それを無くすることの
方が面倒なので、形成後放置されているものである。こ
の実施例では前記ダミー抵抗体7,7…は5個示されてお
り全て共通電極2上面に配設されているが、絶縁基板1
上に直接配設されていても良く、また、印字にあづかる
発熱抵抗体と同様に共通電極、個別電極上に形成されて
いても良い。さらに、ダミー抵抗体の個数は5個に限ら
ずたとえば10個程度配設しても良く、また、それらを除
去しても良い。
次に、第2A〜8B図により、前記第1A,1B図に示した共
通電極2、個別電極5および発熱抵抗体6等の形成方法
を説明する。
第2A,2B図において、絶縁基板1の表面全体にノリタ
ケ株式会社製の有機金ペーストD27(商品名)をベタ印
刷して焼成し、厚さ0.6μm程度の金製の電極形成用導
体層を形成してからホトリソグラフィにより絶縁基板1
表面に所定の間隔を置いて前記共通電極2および個別電
極5を形成する。この共通電極2は前記第1A図に示した
ように共通電極本体部3、共通電極接続部4および共通
電極先端部4aを備えており、また、個別電極5は前記共
通電極先端部4aに対向する個別電極先端部5aを備えてい
る。
次に、第3A〜3C図に示すように、両電極2,5を形成し
た前記絶縁基板1上にホトレジスト層8を形成し、その
上面にマスク9を重ねる。このマスク9には主走査方向
Xに沿って配置された複数の実抵抗用開口9aとその外方
に配置された5個のダミー用開口部9bが形成されてい
る。
次に前記マスク9の上方から露光した後現像すると、
第4A〜4C図に示すように、フォトレジスト層8には、主
走査方向Xに沿って配置された複数の抵抗体形成用開口
部8aとその外方に配置された5個のダミー開口部8bとが
形成される。
このとき形成された複数の抵抗体形成用開口部8aのう
ち、主走査方向Xの中間部に配設されたものは主走査方
向Xの両側方に隣接する他の開口部8a,8a,…に照射され
た光の回り込みによって影響を受け、主走査方向Xの外
端部に配設されたものは主走査方向Xの両側に隣接する
他の開口部8a,8a,…,8b,8b,…に照射された光によって
影響を受ける。したがって、前記複数の抵抗体形成用開
口部8aは、中間部に在っても外端部に在ってもいずれも
同じ条件で露光されて形成されることになるので、均一
に形成することができる。
次に、第5A,5B図に示すように、抵抗体形成用ペース
トをすべての開口部8a,8bにはみ出るまで埋め込んだ
後、このペーストを乾燥させて未焼成抵抗層10を形成す
る。この未焼成抵抗層10はまだ焼結されていないので、
ラッピングにより容易に研削することができる硬さであ
る。次いで、従来公知のラッピング装置を用いて前記未
焼結抵抗層10をラッピングすることにより、前記開口部
8a,8bからホトレジスト層8上面にはみ出た未焼結抵抗
層10を除去する。そうすると、第6A,6B図に示すよう
に、前記各開口部8a,8b内にそれぞれ未焼結抵抗体10a,1
0bが形成される。
次に、未焼結抵抗体10a,10bが形成された絶縁基板1
を800〜900℃の温度で焼成することにより、絶縁基板1
上のホトレジスト層8を燃焼させて除去するとともに、
前記未焼結抵抗体10a,10bを焼成して前記第1A,1B図に示
した発熱抵抗体6およびダミー抵抗体7を絶縁基板1上
に形成する(第7A,7B図参照)。
次に、前記発熱抵抗体6およびダミー抵抗体7等が形
成された前縁基板1の表面をガラス耐摩耗層11で被覆す
る(第8B図参照)。
以上、本発明によるサーマルヘッドの発熱抵抗体形成
方法の一実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に
限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された
本発明を逸脱することなく、種々の小設計変更を行うこ
とが可能である。
例えば、絶縁基板1として表面にガラス蓄熱層が形成
された絶縁基板1を用いることも可能であり、また、絶
縁基板1表面に電極2,5を形成してから発熱抵抗体6を
形成する代わりに、発熱抵抗体6を形成した後で電極2,
5を形成するようにすることも可能である。また、電極
2,5を真空蒸着やスパッタリングによる公知の薄膜形成
技術を用いて形成することも可能である。
C.発明の効果 前述のサーマルヘッドの発熱抵抗体形成方法によれ
ば、ホトレジスト層に抵抗体形成用開口部を形成する際
に使用するマスクとして、前記ホトレジスト層に前記複
数の抵抗体形成用開口部とそれらの外方に隣接して配置
されるダミー開口部とを形成するためのパターンを有す
るものを使用しているので、前記ホトレジスト層の複数
の抵抗体形成用開口部は、中間部に在っても外端部に在
ってもいずれも同じ条件で露光されて形成されることに
なる。したがって、前記ホトレジスト層に形成される各
抵抗体形成用開口部の形状は均一になる。また、抵抗体
形成用開口部内で形成された未焼結抵抗体を焼結して発
熱抵抗体を形成するので、発熱抵抗体の形状は前記抵抗
体形成用開口部の形状により決定される。したがって、
前記均一な抵抗体形成用開口部により、各発熱抵抗体の
形状は均一になる。
【図面の簡単な説明】
第1A図は本発明のサーマルヘッドの発熱抵抗体形成方法
の実施例により形成した発熱抵抗体の斜視図、第1B図は
第1A図のIB−IB線断面図、第2A〜8B図は第1A,1B図に示
した発熱抵抗体の形成方法の説明図、第9図〜第14C図
は従来技術の説明図で、第9図は従来のサーマルヘッド
を備えた熱記録装置の全体説明図、第10図は第9図の要
部拡大斜視図、第11A図は第10図の矢視XIA部分の拡大
図、第11B図は第11A図のXIB−XIB線断面図、第12A〜14C
図は前記第11A図に示した従来の発熱抵抗体の形成方法
の説明図、である。 X……主走査方向、Y……副走査方向 1……絶縁基板、6……発熱抵抗体、8……ホトレジス
ト層、8a……抵抗体形成用開口部、8b……ダミー開口
部、9……マスク、10a……未焼結抵抗体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板(1)上に着膜したホトレジスト
    層(8)の上面にマスク(9)を重ねて露光、現像する
    ことにより前記ホストレジスト層(8)に複数の抵抗体
    形成用開口部(8a)を主走査方向(X)に沿って形成す
    る工程と、前記複数の抵抗体形成用開口部(8a)内に未
    焼結抵抗体(10a)を形成する工程と、前記ホトレジス
    ト層(8)を除去し且つ前記未焼結抵抗体(10a)を焼
    結して発熱抵抗体(6)を形成する工程とを順次行うこ
    とにより、前記絶縁基板(1)表面に主走査方向(X)
    に沿って複数の発熱抵抗体(6)を形成するサーマルヘ
    ッドの発熱抵抗体形成方法であって、 前記マスク(9)として、前記ホトレジスト層(8)に
    前記複数の抵抗体形成用開口部(8a)とそれらの外方に
    隣接して配置されるダミー開口部(8b)とを形成するた
    めのパターンを有するものを使用することを特徴とする
    サーマルヘッドの発熱抵抗体形成方法。
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