JP2803077B2 - 新規なアミノベンゼンスルホンアミド誘導体及びそれらを使用した記録体 - Google Patents

新規なアミノベンゼンスルホンアミド誘導体及びそれらを使用した記録体

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JP2803077B2
JP2803077B2 JP6187649A JP18764994A JP2803077B2 JP 2803077 B2 JP2803077 B2 JP 2803077B2 JP 6187649 A JP6187649 A JP 6187649A JP 18764994 A JP18764994 A JP 18764994A JP 2803077 B2 JP2803077 B2 JP 2803077B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なアミノベンゼン
スルホンアミド誘導体、並びにこの化合物を顕色剤とし
た耐熱性に優れた感熱記録体あるいは光記録体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、感熱記録シートは通常無色ない
し淡色の染料前駆体とフェノール性化合物等の顕色剤と
を、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後、両者を混合
し、バインダー、充填剤、感度向上剤、滑剤及びその他
の助剤を添加して得られた塗液を、紙、合成紙、フィル
ム、プラスチック等の支持体に塗工したものであり、サ
ーマルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、レーザ−光等
の加熱による瞬時の化学反応により発色させ、記録画像
を得るものである。
【0003】これらの感熱記録体は計測用レコーダー、
コンピューターの端末プリンター、ファクシミリ、自動
券売機、バーコードラベル等、広範囲の分野に応用され
ているが、これらの記録装置の多様化及び高性能化の進
展に伴い、感熱記録シートに対する要求品質もより高度
なものとなっている。例えば、記録の高速化に伴い、微
小な熱エネルギーでも高濃度で鮮明な発色画像を得るこ
とが要求され、一方では耐光性、耐熱性、耐水性、耐油
性及び耐可塑剤性といった保存性の優れた感熱記録シー
トが要求されている。
【0004】さらに最近では、電子写真方式やインクジ
ェット方式などの普通紙へ記録する方式が普及するにつ
れ、感熱記録もこれらの普通紙記録と比較される機会が
多くなっている。例えば、画像の安定性はトナー記録並
の品質に、記録前後の非記録部分(白紙部あるいは地色
部)の安定性(以下、地色安定性という)は、普通紙記
録並の品質に近づくことが要求されている。また、高温
で滅菌処理を行う食品用ラベルとしての感熱記録紙の利
用やリフト券等のカード類に利用するにあたり熱ラミネ
ート処理を行うことなどから、100℃以上の熱に対す
る地色安定性への要求が高まっている。
【0005】熱に対する地色安定性に関しては、特開平
4−353490号公報に、3−ジブチルアミノ−7−
(o−クロロアニリノ)フルオラン、融点が120℃以
上の4−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物、及び
2,2´−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)フォスフェイトのナトリウム塩と珪酸マグ
ネシウムの混合物等を含有せしめた感熱記録体が、90
℃前後の高温環境下においても、地色部や記録画像部の
安定性に優れていることが開示されている。
【0006】一方、感熱記録体への記録は、一般に、発
熱体であるサーマルヘッドや発熱ICペンを感熱記録紙
に直接接触させて加熱記録する方法が行われている。こ
の方法では、該発熱体上に発色溶融物等が付着し堆積が
起こり記録機能の低下が起きやすく、また、サーマルヘ
ッドにおいては、発熱素子の集積密度を大きくする上で
限界があり、10本/mm前後の解像度が主体であって、
これ以上の高解像度記録は難しい。そこで、記録機能の
低下を起こすことなく、解像度をさらに向上させる方法
として、光による非接触記録方式が提案されている。
【0007】特開昭58−148776号公報は、炭酸
ガスレーザーを記録用光源として、該レーザーを一般の
サーマルヘッド用感熱記録紙に収束・走査させることに
より感熱記録が可能であることを開示している。この記
録方法では、炭酸ガスレーザーの発振波長を感熱記録紙
が吸収するにもかかわらず、高いレーザー出力を要す
る。記録光源としてガスレーザーを用いていることも含
め、記録装置は小型化が不可能であり、コスト的にも問
題がある。
【0008】また、一般の感熱記録紙は、可視や近赤外
領域の光を吸収しにくいため、可視や近赤外領域に発振
波長をもつレーザ−を記録用光源とした場合、レーザ−
出力を相当大きくしないと発色に必要な熱エネルギーが
得られない。
【0009】さらに、従来の感熱記録材料と光吸収材料
との組み合せからなる光記録体が特開昭54−4142
号、特開昭57−11090号、特開昭58−9449
4号及び特開昭58−209594号公報等に提案され
ている。
【0010】特開昭54−4142号公報は、支持体上
にロイコ染料を主体とする感熱記録層を塗布してなる感
熱記録体において、格子欠陥を持たせた金属化合物を用
いることにより、この金属化合物が可視あるいは赤外領
域の光を吸収し、熱変換することにより感熱記録が可能
であることを開示している。特開昭57−11090号
公報は、無色または淡色の発色性物質、フェノール性物
質及び有機高分子バインダーから成る記録層中に光吸収
剤としてベンゼンジチオール系ニッケル錯体類を含有さ
せ、レーザー光で記録する光記録体が記載されている。
特開昭58−94494号公報は、1種類または2種類
以上の感熱発色材料と、0.7〜3μmの近赤外領域に
最大吸収波長をもつ化合物からなる1種または2種以上
の近赤外吸収材料とを基材上に被覆してなる記録媒体を
開示している。特開昭58−209594号公報は、
0.8〜2μmの近赤外領域に吸収波長を持つ近赤外吸
収剤と感熱発色材料を少なくとも1組以上基盤上に積層
することを特徴とする光学的記録媒体を開示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−35349
0号公報に開示された感熱記録体の地色の熱安定性(以
下、熱安定性という)は、95℃の熱風乾燥器中で、5
時間処理した後の地色のマクベス濃度が0.11であっ
て、かなりの安定性を示すとはいえ、耐熱温度において
は未だ不十分である。
【0012】また、フェノール系顕色剤を記録材料に用
いるこれまでの感熱記録体の耐熱性では、感熱記録後の
記録面または記録体全体をフィルム等で熱ラミネートす
ることは不可能であった。一方、フェノール系顕色剤を
記録材料に用いるこれまでの光記録体の耐熱性において
も、未記録の光記録体の記録面または記録体全体をフィ
ルム等で熱ラミネートすること及び感熱記録や光記録し
た後の記録面、または記録体全体をフィルム等で熱ラミ
ネートすると全面が発色してしまい、実用化は不可能で
あった。
【0013】そこで本発明では、熱ラミネートすること
が可能である程度の耐熱性及び優れた耐油性を有する感
熱記録体、あるいは光記録体を提供することを課題とし
た。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題は、支持体上に
無色ないし淡色の染料前駆体と、該染料前駆体と反応し
て発色させる顕色剤とが主成分として含有されている記
録層を設けた感熱記録体において、下記一般式(1)で
示される少なくとも1種の化合物を顕色剤として使用す
ることによって達成された。
【0015】
【化4】 (式中、Xは酸素原子あるいは硫黄原子を表し、R1
無置換あるいは置換されたアラルキル基、ナフチル基、
炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数〜6の低級ア
ルケニル基あるいは炭素数3〜6のシクロアルキル基を
表す。)
【0016】前記一般式(1)で示される化合物を顕色
剤として使用した感熱記録体は、サーマルヘッドなどで
記録できるにもかかわらず、一方では、160℃程度で
の熱環境においても、地色の発色が少ないといった今ま
での感熱記録紙では考えられないような特性を示す。ま
た、この感熱記録体は従来の顕色剤を用いた感熱記録体
に比べ、油に対する画像安定性に優れたものである。
【0017】前記一般式(1)で表される化合物を具体
的に例示すると以下に示す(1−1)〜(1−40)が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
【化5】
【化6】
【0019】
【化7】
【化8】
【0020】本発明のアミノベンゼンスルホンアミド誘
導体は、前記一般式(1)で示す中性構造(尿素の場合
はケト型構造)から構造変化を起こして酸性構造(尿素
の場合はエノ−ル型構造)に変化することによって顕色
能力を示すと考えられる。加熱後、顕色能力を示すと考
えられる酸性型構造を安定化させるためには、本発明の
前記一般式(1)の尿素構造あるいはチオ尿素構造のN
位(あるいは1位)にアミノスルホニル基を有する芳香
環が存在していれば良い。従って、前記一般式(1)中
のR1 としては特に顕色能力や安定性を阻害するもので
なければ良く、例えば無置換あるいは置換されたアラル
キル基、ナフチル基、炭素数1〜6の低級アルキル基、
炭素数〜6の低級アルケニル基あるいは炭素数3〜6
のシクロアルキル基が挙げられる。また、前記一般式
(1)中のR1 には、発色、耐熱性を阻害しないような
置換基を入れることができる。置換基としてはメチル
基、エチル基、イソプロペニル基等の炭化水素基、塩
素、フッ素等のハロゲン基等が挙げられる。これらの置
換基をR1 に導入した場合、油に対する溶解性が低下
し、画像の対油安定性を無置換のものに比べて向上させ
ることができる。
【0021】本発明の前記一般式(1)で表される化合
物は、スルファニルアミド(別名;4−アミノベンゼン
スルホンアミド)とイソシアン酸エステル類若しくはイ
ソチオシアン酸エステル類の反応により製造することが
できる。すなわち、反応はスルファニルアミド1モルに
対して、イソシアン酸エステル類若しくはイソチオシア
ン酸エステル類を1〜2.5モルの割合で加える。使用
する溶媒としてはスルファニルアミド、イソシアン酸エ
ステル類及びイソチオシアン酸エステル類を溶解するも
のであれば良く、たとえばベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメ
タン、クロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素
類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエー
テル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニト
リル類、酢酸エチルなどのエステル類、アセトン、メチ
ルエチルケトンなどのケトン類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン供与性極性
溶媒、メタノール、エタノールなどのアルコール類、ま
たはこれらの混合溶媒などである。反応温度は0〜15
0℃、望ましくは20〜100℃の範囲である。
【0022】本発明の記録体において、顕色剤として用
いられるアミノベンゼンスルホンアミド誘導体は、イソ
シアン酸エステル類若しくはイソチオシアン酸エステル
類とスルファニルアミドとの反応性(収率)あるいは経
済性を考慮に入れた場合、下記一般式(2)で示される
化合物が好ましい。
【0023】
【化9】 (式中、R2 は無置換あるいは置換されたアラルキル
基、ナフチル基、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素
〜6の低級アルケニル基あるいは炭素数3〜6のシ
クロアルキル基を表す。)
【0024】本発明の前記一般式(2)で表される化合
物を具体的に例示すると、以下に示す化合物(3)〜
(7)が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0025】
【化10】
【0026】前記一般式(2)で表されるアミノベンゼ
ンスルホンアミド誘導体は、生理活性物質、医薬品、感
熱記録紙の顕色剤等として利用することができる。特
に、化合物(3)〜(7)を顕色剤として用いた感熱記
録体は、耐熱性や耐油性において優れた性質を有してい
る。
【0027】本発明の感熱記録体を製造する一般的な方
法は染料前駆体と、顕色剤として前記一般式(1)で表
される少なくとも一種の化合物とをバインダーと共に各
々分散し、必要に応じて填料、滑剤、紫外線吸収剤、耐
水化剤、消泡剤等の助剤を添加して塗液を作製し、支持
体上に通常の方法で塗布、乾燥する方法である。
【0028】尚、上記塗料には、上記課題に対する所望
の効果を阻害しない範囲で染料前駆体を発色させる従来
公知の増感剤を添加することもできる。
【0029】本発明の記録体に使用する染料前駆体とし
ては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のもの
は全て使用可能であり、特に制限されるものではない
が、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合
物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以
下に代表的な染料前駆体の具体例を示す。また、これら
の染料前駆体は単独または2種以上混合して使用しても
よい。
【0030】<トリフェニルメタン系ロイコ染料> 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド[別名クリスタルバイオレットラ
クトン] 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
[別名マラカイトグリーンラクトン]
【0031】<フルオラン系ロイコ染料> 3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルア
ニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアニリ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアニ
リノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ[c]フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−ク
ロロアニリノ)フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノ
フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリ
ノ)フルオラン 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−
7−(p−クロロアニリノ)フルオラン 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロ
ロ−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン 2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミ
ノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルア
ミノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン
【0032】<フルオレン系ロイコ染料> 3、6、6´−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3´−フタリド] 3、6、6´−トリス(ジエチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3´−フタリド]
【0033】<ジビニル系ロイコ染料> 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラブロモフタリド 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド 3,3−ビス−[1,1−ビス(4−ピロリジノフェニ
ル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラブ
ロモフタリド 3,3−ビス−[1−(4−メトキシフェニル)−1−
(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−
4,5,6,7−テトラクロロフタリド
【0034】<その他> 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4−アザフタリド 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−4−アザフタリド 3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシ
フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール
−3−イル)−4−アザフタリド 3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3
´−ニトロ)アニリノラクタム 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4
´−ニトロ)アニリノラクタム 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジニトリルエタン 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2−
β−ナフトイルエタン 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジアセチルエタン ビス−[2,2,2´,2´−テトラキス−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−エテニル]−メチルマロン酸ジ
メチルエステル
【0035】本発明においては、上記課題に対する所望
の効果を阻害しない範囲で、染料前駆体を発色させる従
来公知の顕色剤の1種または2種以上を、本発明の一般
式(1)で表される化合物と併用することができる。耐
熱性の極めて優れた感熱記録体を製造する場合には、従
来公知の顕色剤の併用を避けた方がよいが、目的の熱環
境に対する耐熱温度特性に応じて、従来公知の顕色剤を
適当量添加し、本発明の前記一般式(1)の化合物と併
用することができる。かかる顕色剤としては、例えば、
特開平3−207688号、特開平5−24366号公
報等に記載のビスフェノールA類、4−ヒドロキシ安息
香酸エステル類、4−ヒドロキシフタル酸ジエステル
類、フタル酸モノエステル類、ビス−(ヒドロキシフェ
ニル)スルフィド類、4−ヒドロキシフェニルアリール
スルホン類、4−ヒドロキシフェニルアリールスルホナ
ート類、1,3−ジ[2−(ヒドロキシフェニル)−2
−プロピル]−ベンゼン類、4−ヒドロキシベンゾイル
オキシ安息香酸エステル、ビスフェノールスルホン類が
例示される。以下に代表的な公知の顕色剤の具体例を示
すが、特にこれらに制限されるものではない。
【0036】<ビスフェノールA類> 4,4´−イソプロピリデンジフェノール(別名ビスフ
ェノールA) 4,4´−シクロヘキシリデンジフェノール p,p´−(1−メチル−ノルマルヘキシリデン)ジフ
ェノール 1,7−ジ(ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオ
キサヘプタン
【0037】<4−ヒドロキシ安息香酸エステル類> 4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル 4−ヒドロキシ安息香酸エチル 4−ヒドロキシ安息香酸プロピル 4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル 4−ヒドロキシ安息香酸ブチル 4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル 4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル
【0038】<4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類> 4−ヒドロキシフタル酸ジメチル 4−ヒドロキシフタル酸ジイソプロピル 4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル 4−ヒドロキシフタル酸ジヘキシル
【0039】<フタル酸モノエステル類> フタル酸モノベンジルエステル フタル酸モノシクロヘキシルエステル フタル酸モノフェニルエステル フタル酸モノメチルフェニルエステル フタル酸モノエチルフェニルエステル フタル酸モノプロピルベンジルエステル フタル酸モノハロゲンベンジルエステル フタル酸モノエトキシベンジルエステル
【0040】<ビス−(ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド類> ビス−(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−6−
メチルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−エチルフェ
ニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−イソプロピ
ルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジイソプロピルフェ
ニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェ
ニル)スルフィド ビス−(2,4,5−トリヒドロキシフェニル)スルフ
ィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−シクロヘキシル−5−メ
チルフェニル)スルフィド ビス−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)スルフ
ィド ビス−(4,5−ジヒドロキシ−2−tert−ブチル
フェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジフェニルフェニ
ル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−tert−オクチル−5
−メチルフェニル)スルフィド
【0041】<4−ヒドロキシフェニルアリールスルホ
ン類> 4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスル
ホン 4−ヒドロキシ−4′−n−ブチルオキシジフェニルス
ルホン 4−ヒドロキシ−4′−n−プロポキシジフェニルスル
ホン
【0042】<4−ヒドロキシフェニルアリールスルホ
ナート類> 4−ヒドロキシフェニルベンゼンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−トリルスルホナート 4−ヒドロキシフェニルメチレンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−クロルベンゼンスルホナ
ート 4−ヒドロキシフェニル−p−tert−ブチルベンゼ
ンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−イソプロポキシベンゼン
スルホナート 4−ヒドロキシフェニル−1′−ナフタリンスルホナー
ト 4−ヒドロキシフェニル−2′−ナフタリンスルホナー
【0043】<1,3−ジ[2−(ヒドロキシフェニ
ル)−2−プロピル]ベンゼン類> 1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プ
ロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシ−3−アルキルフェ
ニル)−2−プロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−
2−プロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)−2−プロピル]ベンゼン
【0044】<レゾルシノール類> 1,3−ジヒドロキシ−6(α,α−ジメチルベンジ
ル)−ベンゼン
【0045】<4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香
酸エステル> 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ベンジル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸メチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸プロピル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ブチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸イソプロピル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸tert−ブ
チル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ヘキシル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸オクチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ノニル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸シクロヘキシ
ル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸β−フェネチ
ル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸フェニル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸α−ナフチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸β−ナフチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸sec−ブチ
【0046】<ビスフェノールスルホン類(I)> ビス−(3−1−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチル
フェニル)スルホン ビス−(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(3−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(2−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(2−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(3−クロル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(2,3−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン 4−ヒドロキシフェニル−2′−エチル−4′−ヒドロ
キシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−2′−イソプロピル−4′−
ヒドロキシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−3′−イソプロピル−4′−
ヒドロキシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−3′−secブチル−4′−
ヒドロキシフェニルスルホン 3−クロル−4−ヒドロキシフェニル−3′−イソプロ
ピル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−4′−ヒド
ロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−アミノフェニル−4′−ヒド
ロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−イソプロピルフェニル−4′
−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル−4′−ヒ
ドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−クロ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−メチ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−イソ
プロピル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−2′−メチ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン
【0047】<ビスフェノールスルホン類(II)> 4,4′−スルホニルジフェノール 2,4′−スルホニルジフェノール 3,3′−ジクロル−4,4′−スルホニルジフェノー
ル 3,3′−ジブロモ−4,4′−スルホニルジフェノー
ル 3,3′,5,5′−テトラブロモ−4,4′−スルホ
ニルジフェノール 3,3′−ジアミノ−4,4′−スルホニルジフェノー
【0048】<その他> p−tert−ブチルフェノール 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン ノボラック型フェノール樹脂 4−ヒドロキシアセトフェノン p−フェニルフェノール ベンジル−4−ヒドロキシフェニルアセテート p−ベンジルフェノール
【0049】本発明においては、上記課題に対する所望
の効果を阻害しない範囲で、従来公知の増感剤を使用す
ることができる。耐熱性の極めて優れた感熱記録体を製
造する場合には、原則として増感剤を使用しない方がよ
いが、目的の熱環境に対する耐熱温度特性に応じて増感
剤を適当量添加することができる。
【0050】かかる増感剤としては、ステアリン酸アミ
ド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アマイド、エチレン
ビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワック
ス、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、p
−ベンジルビフェニル、β−ベンジルオキシナフタレ
ン、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、m−ターフ
ェニル、1,2−ジフェノキシエタン、シュウ酸ジベン
ジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジ
(p−メチルベンジル)、テレフタル酸ジベンジル、p
−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカ
ーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、
1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸フェニルエステル、o−キシレリン−ビス−
(フェニルエ−テル)、4−(m−メチルフェノキシメ
チル)ビフェニルを例示することができるが、特に、こ
れらに制限されるものではない。これらの増感剤は単独
または2種以上混合して使用してもよい。
【0051】本発明で使用するバインダーとしては、重
合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコ
ール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変
性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアル
コール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラ
ール変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、アセチルセルロースなどのセルロース誘導体、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアク
リルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチ
ラール、ポリスチロール及びそれらの共重合体、ポリア
ミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケ
トン樹脂、クマロン樹脂を例示することができる。これ
らの高分子物質は水、アルコール、ケトン、エステル、
炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水または他
の媒体中乳化またはペースト状に分散した状態で使用
し、要求品質に応じて併用することもできる。
【0052】また、本発明においては、上記課題に対す
る所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効
果などを示す公知の安定剤であるp−ニトロ安息香酸金
属塩(Ca,Zn)、または、フタル酸モノベンジルエ
ステル金属塩(Ca,Zn)を添加することも可能であ
る。
【0053】本発明で使用することができる填料として
は、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリ
ン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸
化アルミニウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン
樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体や、中空プラスチックピグメントなど
の無機または有機充填剤などが挙げられる。
【0054】このほかに脂肪酸金属塩などの離型剤、ワ
ックス類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール
系の紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分
散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料などを使用するこ
とができる。
【0055】本発明の感熱記録体に使用する顕色剤及び
染料前駆体の量、その他の各種成分の種類及び量は要求
される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定さ
れるものではないが、通常、染料前駆体1部に対して、
本発明の顕色剤1〜8部、填料1〜20部を使用し、バ
インダーは全固形分中10〜25%が適当である。
【0056】支持体としては、紙、合成紙、プラスチッ
クフィルム、不織布、金属箔等が使用可能であり、ま
た、これらを組み合わせた複合シートを使用してもよ
い。これら支持体のうち任意のものに、上記組成から成
る塗液を塗布することによって目的とする感熱記録体が
得られる。
【0057】さらに、保存性を高める目的で高分子物質
等のオーバーコート層を感熱発色層上に設けることもで
きる。また、保存性及び感度を高める目的で、有機填料
または無機填料を含有するアンダーコート層を発色層と
支持体の間に設けることもできる。
【0058】前述の顕色剤、染料前駆体並びに必要に応
じて添加する材料はボールミル、アトライター、サンド
グラインダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によ
って数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バイ
ンダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液と
する。
【0059】本発明の感熱記録体は、その感熱記録層等
に光を吸収して熱に変換する光吸収剤を含有させて、光
記録体とすることができる。本発明の記録体に使用する
光を熱に変換する光吸収剤としては、各種光源の発光波
長を吸収する物質であればよく、各種染料、各種顔料、
近赤外吸収剤等が使用でき、特に限定されるものではな
い。
【0060】連続した発光波長をもつようなストロボフ
ラッシュを記録用光源に用いた場合、光を熱に変換する
光吸収剤としては、例えば、特開平2−206583号
公報や特願平5−30954号明細書に記載されている
チオ尿素誘導体と銅化合物との加熱反応生成物、特開平
3−86580号公報記載の黒鉛、硫化銅、硫化鉛、三
硫化モリブデン、黒色チタン等が挙げられる。その他、
カーボンブラックも光吸収剤として使用可能である。こ
れらの光吸収剤は、レーザー記録用の光吸収剤にもなり
得る。
【0061】小型化、安全性、価格、変調等の点で優れ
ている半導体レーザーを記録用レーザーとして用いた場
合、特に可視部波長領域から近赤外線域の発振波長をも
つ半導体レーザーを用いた場合、その発振波長に応じた
吸収をもつ材料としては、特開昭54−4142号、特
開昭58−94494号、特開昭58−209594
号、特開平2−217287、特開平3−73814号
公報、及び「近赤外吸収色素」(化学工業43、198
6年5月号)等に開示されているポリメチン系色素(シ
アニン色素)、アズレニウム系色素、ピリリウム系色
素、チオピリリウム系色素、スクワリリウム系色素、ク
ロコニウム系色素、ジチオール金属錯塩系色素、メルカ
プトフェノール金属錯体型色素、メルカプトナフトール
金属錯体系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシア
ニン系色素、トリアリルメタン系色素、インモニウム系
色素、ジインモニウム系色素、ナフトキノン系色素、ア
ントラキノン系色素、金属錯塩系色素等が使用できる。
【0062】具体的には、ポリメチン系色素(シアニン
色素)としては、例えば、インドシアニングリーン(第
一製薬(株)製)、NK−2014((株)日本感光色
素研究所製)、NK−2612((株)日本感光色素研
究所製)、1,1,5,5−テトラキス(p−ジメチル
アミノフェニル)−3−メトキシ−1,4−ペンタジエ
ン、1,1,5,5−テトラキス(p−ジエチルアミノ
フェニル)−3−メトキシ−1,4−ペンタジエン等が
挙げられる。スクワリリウム系色素としては、例えば、
NK−2772((株)日本感光色素研究所製)等が挙
げられる。ジチオール金属錯塩系色素としては、例え
ば、トルエンジチオールニッケル錯体、4−tertブ
チル−1,2−ベンゼンジチオールニッケル錯体、ビス
ジチオベンジルニッケル錯体、PA−1005(三井東
圧染料(株)製)、PA−1006(三井東圧染料
(株)製)、特願平4−80646号明細書記載のビス
(4−エチルジチオベンジル)ニッケル錯体や、ビス
(4−n−プロピルジチオベンジル)ニッケル錯体等が
挙げられる。インモニウム系色素あるいはジインモニウ
ム系色素としては、IRG002(日本化薬(株)
製)、IRG022(日本化薬(株)製)等が挙げられ
る。ナフタロシアニン系色素としては、例えば、NIR
−4(山本化成(株)製)やNIR−14(山本化成
(株)製)等が挙げらる。アントラキノン系色素として
は、例えば、IR−750(日本化薬(株)製)等が挙
げられる。これらの光吸収剤は単独または2種以上混合
して使用してもよい。本発明の光記録体に使用する光吸
収剤は、光記録体に必要な諸材料中に単に混合してもよ
いが、特開平2−217287号公報の記載にあるよう
に、本発明の光記録体の諸材料中に、光吸収剤を予め溶
融混合して溶解または分散せしめたものを使用すること
ができる。光吸収剤を予め溶融混合して溶解または分散
せしめる諸材料としては、例えば、感熱記録用増感剤、
本発明の顕色剤、従来公知の顕色剤、染料前駆体、感熱
記録用増感剤と本発明の顕色剤との組成物、感熱記録用
増感剤と従来公知の顕色剤との組成物、感熱記録用増感
剤と染料前駆体との組成物等が挙げられる。
【0063】また、本発明の光記録体に使用する光吸収
剤は、本発明の光記録体の諸材料と光吸収剤を予め溶剤
により溶解または分散せしめ、諸材料と光吸収剤の溶解
または分散混合物を、溶剤と分離後、使用することもで
きる。光吸収剤を溶剤により溶解または分散させる諸材
料も、前記の光吸収剤を予め溶融混合して溶解または分
散せしめる諸材料の例示と同様のものが挙げられる。
【0064】さらに、本発明の光記録体に使用する光吸
収剤は染料前駆体、顕色剤、あるいは増感剤のいずれか
一つと共分散(同時混合分散)させて使用してもよい。
また、染料前駆体と増感剤など、あるいは顕色剤と増感
剤などを併用したものと光吸収剤を共分散(同時混合分
散)させて使用してもよい。
【0065】本発明の光記録体に使用する光吸収剤、あ
るいは前記の諸材料との熱溶融、溶剤混合、共分散(同
時混合分散)等のいずれかの処理をした光吸収剤は、本
発明の顕色剤や染料前駆体から成る感熱記録材料中に混
合して光吸収性感熱記録層中の構成材料として使用して
もよい。また、前記光吸収剤は、本発明の顕色剤や染料
前駆体からなる感熱記録層の上部、あるいは下部の光吸
収層中の構成材料として使用してもよい。さらには、感
熱記録層の上部及び下部の両光吸収層中の構成材料とし
て使用してもよい。その他、前記光吸収剤は支持体に内
添あるいは含浸させ、光吸収性支持体の構成材料として
もよい。この光吸収性支持体上に、前記感熱記録層また
は前記光吸収性感熱記録層を形成せしめればよい。光吸
収性支持体上の前記感熱記録層または前記光吸収性感熱
記録層は、多層構成をとってもよい。
【0066】本発明の光記録体に使用する顕色剤及び染
料前駆体の量、その他の各種成分の種類及び量は要求さ
れる性能及び記録適性に従って決定され、特に限定され
るものではないが、通常、染料前駆体1部に対して有機
顕色剤1〜8部、填料1〜20部を使用し、バインダー
は全固形分中10〜25%が適当である。光吸収剤の添
加量は、その光吸収性能等に応じて決められる。
【0067】さらに、本発明の光記録体は、本発明の感
熱記録体同様に、保存性及び感度を高める目的で、高分
子物質等のオーバーコート層を光記録体の記録層上に設
けたり、有機填料または無機填料を含有するアンダーコ
ート層を記録層と支持体の間に設けることもできる。こ
れらのオーバーコート層やアンダーコート層に、前記光
吸収剤を添加してもよい。
【0068】前述の光吸収剤はボールミル、アトライタ
ー、サンドグラインダーなどの粉砕機あるいは適当な乳
化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒
化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加
えて塗液とする。
【0069】本発明の光記録体に対して、光による記録
を行うための光源としては、例えば、半導体レーザーや
半導体励起YAGレーザー等の各種レーザー、キセノン
フラッシュランプ、ハロゲンランプ等を使用することが
できる。また、これらの光源から照射される光をレンズ
等の光収束手段により光収束し、本発明の光記録体に光
記録を行ってもよい。さらに、ミラー等を使用して、光
走査記録を行ってもよい。
【0070】本発明の感熱記録体および光記録体は耐熱
性に優れ、地色の熱安定性が極めて高いため、プラスチ
ックフィルムの熱ラミネートにより強力な保護膜を設け
ることが可能である。従って、熱や光などによる記録前
あるいは記録後のいずれにおいても、熱ラミネート用フ
ィルムと市販のラミネーターにより、プラスチックフィ
ルムで保護された耐熱性や各種安定性に優れたカードを
容易に作製することができる。特に、本発明の光記録体
の場合は、ラミネートしたプラスチックフィルムの上か
ら、光による追記録が可能である。熱ラミネート用プラ
スチックフィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレ
ン、エチレン・酢ビ共重合体(EVA)、エチレン・エ
チルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン・メチ
ルメタクリレート共重合体(EMAA)、及びエチレン
・メタクリル酸共重合体(EMAA)等の熱可塑性樹脂
を用いることができる。
【0071】その他、本発明の感熱記録体および光記録
体に、比較的低温で押出し処理可能な低密度ポリエチレ
ン等の押出しコーティング用樹脂を用いて、押出しコー
ティング処理も可能である。
【0072】また、本発明の感熱記録体や光記録体は、
耐熱性に優れるため、電子写真複写機のトナー熱定着部
に接触しても地発色することがない。従って、電子写真
複写機用紙としての使用も可能である。電子写真複写機
によるトナー記録の前、あるいは後に、感熱記録や光記
録も可能である。
【0073】
【作用】本発明の一般式(1)で表されるアミノベンゼ
ンスルホンアミド誘導体が、感熱記録体や光記録体に使
用される染料前駆体の顕色剤として機能する理由、染料
前駆体及び本発明の顕色剤とから構成される感熱記録体
が極めて高い耐熱性を示す理由、同様に染料前駆体、本
発明の顕色剤及び光吸収剤とから構成される光記録体
が、極めて高い耐熱性を示す理由及び油に対する画像安
定性に優れている理由については明確には解明されてい
ないが、次のように考えることができる。
【0074】本発明のアミノベンゼンスルホンアミド誘
導体では、条件により下記式(以下、中性形をケト型、
酸性形をエノ−ル型と称する)のような構造変化(以
下、ケト・エノール互変異性と称する)が起こり得る。
これらの化合物が顕色剤として機能するには、エノール
型の構造になる必要があると考えられ、ケト型からエノ
ール型に互変異性を起こすためは、高温が必要である。
【0075】
【化11】 (式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
【0076】前記感熱記録の場合、サーマルヘッドは瞬
間的に200〜300℃以上の高温になるので、サーマ
ルヘッドと接触する感熱記録体の記録層に含有される前
記一般式(1)で表すことのできる化合物はケト・エノ
−ル互変異性を起こしエノール型になり、顕色機能が発
現する。これにより、染料前駆体のラクトン環が開裂
し、発色するものと考えられる。さらにアミノスルホニ
ル基(−SO2 NH2 )は、顕色機能の促進と、エノー
ル型構造の安定化に寄与していると考えられ、そのため
濃い記録画像濃度と、画像及び地色の熱安定性が得られ
るものと推察される。
【0077】また、本発明の一般式(1)で表される化
合物を顕色剤として使用した感熱記録体が油に対する画
像安定性に優れているのは、従来のフェノ−ル型顕色剤
に比べて油に対する溶解性が低いために画像部の消色が
起こりにくくなったものと推察される。
【0078】一方、前記光記録の場合は、光記録層中に
光吸収剤が存在するため、記録用光源から出射した光
が、この光吸収剤に効率良く吸収されて熱に変換され
る。この時、瞬間的に200〜300℃以上の高温にな
るため、記録層に含有される一般式(1)の化合物は、
感熱記録と同様、ケト・エノ−ル互変異性を起こし、エ
ノール型になり、顕色機能が発現する。これにより、染
料前駆体のラクトン環が開裂し、発色するものと考えら
れる。
【0079】また、前記一般式(1)の化合物は、エノ
ール型の構造に変化する温度までは顕色剤機能が発現せ
ず、染料前駆体と反応が起きないため、地色の発色が起
きることはない。このことが耐熱性の高い理由であると
思われる。前記一般式(1)の化合物がエノール型に変
化する温度は、熱ラミネートに必要な温度より高いと思
われ、そのため熱ラミネート処理等のような高温熱環境
でも、地色の発色が起きることはない。
【0080】さらに、熱ラミネート処理した前記構成か
ら成る光記録体の場合、記録用光源から出射した光が、
光記録層の上に存在するプラスチックフィルムを透過し
て、光記録層中の光吸収剤に到達し熱に変換されるの
で、ラミネート後であっても追記録が可能となる。
【0081】
【実施例】
<一般式(1)の化合物の製造;合成例1〜7>化合物
(3)〜(7)、(1−20)及び(1−24)を以下
のようにして合成した。尚、熱分析はSSC5200型
TG/DTA(セイコ−電子工業(株))を使用して行
った。
【0082】[合成例1]〈化合物(3);4−(N−
シクロヘキシルカルバモイル)アミノベンゼンスルホン
アミドの合成〉 スルファニルアミド20g(116.1mM)をアセト
ニトリル200mlに溶解し、撹拌しながらイソシアン
酸シクロヘキシル30.5g(243.7mM)を添加
して、2時間還流した。この反応混合物を濾過し、白色
生成物15.2g(収率44.0%)を得た。NMR測
定(DMSO−d6中)の結果は以下の通りである。 1.47ppm(dt,2H),1.54ppm(d
t,4H),1.55ppm(dt,4H),3.47
ppm(t,1H),6.22ppm(d,1H),
7.14ppm(s,2H),7.51ppm(d,4
H),7.66ppm(d,4H),8.69ppm
(s,1H) 熱分析から求めたこの物質の分解温度は225.7℃で
あり、質量分析(イオン化法)によって求められた分子
量は297であった。以上より、得られた化合物が目的
物であることを同定した。
【0083】[合成例2]〈化合物(4);4−(N−
ノルマルプロピルカルバモイル)アミノベンゼンスルホ
ンアミドの合成〉 スルファニルアミド20g(116.1mM)をアセト
ニトリル200mlに溶解し、撹拌しながらイソシアン
酸ノルマルプロピル11.9g(139.8mM)を添
加して、2時間還流した。この反応混合物を濾過し、白
色生成物14.5g(収率48.5%)を得た。NMR
測定(DMSO−d6中)の結果は以下の通りである。 0.87ppm(t,3H),1.45ppm(td,
2H),3.05ppm(dd,2H),6.29pp
m(t,1H),7.14ppm(s,2H),7.5
3ppm(d,2H),7.66ppm(d,2H),
8.80ppm(s,1H) 熱分析から求めたこの物質の分解温度は213.4℃で
あり、質量分析(イオン化法)によって求められた分子
量は257であった。以上より、得られた化合物が目的
物であることを同定した。
【0084】[合成例3]〈化合物(5);4−(N−
ナフチルカルバモイル)アミノベンゼンスルホンアミド
の合成〉 スルファニルアミド20g(116.1mM)をアセト
ニトリル200mlに溶解し、撹拌しながらイソシアン
酸ナフチル23.6g(139.5mM)を添加して、
2時間還流した。この反応混合物を濾過し、白色生成物
25.7g(収率64.8%)を得た。NMR測定(D
MSO−d6中)の結果は以下の通りである。 7.23ppm(s,2H),7.49ppm(td,
1H),7.58ppm(d,1H),7.62ppm
(s,1H),7.66ppm(d,1H),7.69
ppm(s,2H),7.77ppm(d,2H),
7.95ppm(d,1H),8.00ppm(d,1
H),8.12ppm(d,1H),8.88ppm
(s,1H),9.42ppm(s.1H) 熱分析から求めたこの物質の分解温度は251.8℃で
あり、質量分析(イオン化法)によって求められた分子
量は341であった。以上より、得られた化合物が目的
物であることを同定した。
【0085】[合成例4]〈化合物(6);4−(N−
ベンジルカルバモイル)アミノベンゼンスルホンアミド
の合成〉 スルファニルアミド20g(116.1mM)をアセト
ニトリル200mlに溶解し、撹拌しながらイソシアン
酸ベンジル18.6g(139.5mM)を添加して、
2時間還流した。この反応混合物を濾過し、白色生成物
22.0(62.0%)を得た。NMR測定(DMSO
−d6中)の結果は以下の通りである。 4.31ppm(d,2H),6.78ppm(t,1
H),7.15ppm(s,2H),7.23ppm
(td,1H),7.29ppm(td,2H),7.
36ppm(td,2H),7.55ppm(d,2
H),7.68ppm(d,2H),8.97ppm
(s,1H) 熱分析から求めたこの物質の分解温度は249.7℃で
あり、質量分析(イオン化法)によって求められた分子
量は305であった。以上より、得られた化合物が目的
物であることを同定した。
【0086】[合成例5]〈化合物(7);4−〔N−
(イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバ
モイル〕アミノベンゼンスルホンアミドの合成〉 スルファニルアミド20g(116.1mM)をアセト
ニトリル200mlに溶解し、撹拌しながらイソシアン
酸イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル28.1
g(139.5mM)を添加して、2時間還流した。こ
の反応混合物を濾過し、白色生成物10.9g(収率2
5.2%)を得た。NMR測定(DMSO−d6中)の
結果は以下の通りである。 1.62ppm(s,6H),2.10ppm(d,3
H),5.09ppm(t,1H),5.38ppm
(s,1H),6.77ppm(s,1H),7.14
ppm(s,1H),7.31ppm(d,1H),
7.32ppm(d,1H),7.34ppm(d,1
H),7.45ppm(d,2H),7.49ppm
(d,2H),7.64ppm(d,2H),8.81
ppm(s,1H) 熱分析から求めたこの物質の分解温度は209.0℃で
あり、質量分析(イオン化法)によって求められた分子
量は373であった。以上より、得られた化合物が目的
物であることを同定した。
【0087】[合成例6]〈化合物(1−20);4−
(N−シクロヘキシルチオカルバモイル)アミノベンゼ
ンスルホンアミドの合成〉 スルファニルアミド20g(116.1mM)をアセト
ニトリル200mlに溶解し、撹拌しながらイソチオシ
アン酸シクロヘキシル34.4g(243.6mM)を
添加して、2時間還流した。この反応混合物を濾過し、
白色生成物9.7g(収率26.6%)を得た。NMR
測定(DMSO−d6中)の結果は以下の通りである。 1.37ppm(dd,2H),1.50ppm(d
d,4H),1.58ppm(dd,4H),4.09
ppm(s,1H),7.24ppm(s,2H),
7.68ppm(t,2H),7.73ppm(t,2
H),7.92ppm(d,1H),9.62ppm
(s,1H) 熱分析から求めたこの物質の分解温度は202.7℃で
あり、質量分析(イオン化法)によって求められた分子
量は313であった。以上より、得られた化合物が目的
物であることを同定した。
【0088】[合成例7]〈化合物(1−24);4−
(N−ベンジルチオカルバモイル)アミノベンゼンスル
ホンアミドの合成)〉 スルファニルアミド20g(116.1mM)をアセト
ニトリル200mlに溶解し、撹拌しながらイソチオシ
アン酸ベンジル36.4g(243.9mM)を添加し
て、2時間還流した。この反応混合物を濾過し、白色生
成物14.6g(収率39.1%)を得た。NMR測定
(DMSO−d6中)の結果は以下の通りである。 4.75ppm(d,2H),7.27ppm(s,2
H),7.30ppm(t,1H),7.35ppm
(s,2H),7.36ppm(s,2H),7.68
ppm(d,2H),7.74ppm(d,2H),
8.44ppm(s,1H),9.90ppm(s,1
H) 熱分析から求めたこの物質の分解温度は193.0℃で
あり、質量分析(イオン化法)によって求められた分子
量は321であった。以上より、得られた化合物が目的
物であることを同定した。
【0089】<感熱記録体の製造;実施例1〜13、比
較例1〜7>以下に本発明の感熱記録体を実施例によっ
て説明する。尚、説明中の部数及び%はそれぞれ重量部
及び重量%を示す。
【0090】[実施例1〜7]実施例1〜7は、本発明
の感熱記録体に顕色剤として化合物(3)〜(7)、
(1−20)及び(1−24)を使用し、染料前駆体と
して3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン(ODB)を使用した例である。下記配合の顕
色剤の分散剤(A液)と染料前駆体の分散液(B液)と
をそれぞれ別々にサンドグラインダ−で平均粒子径が1
ミクロンになるまで湿式磨砕を行った。 A液(顕色剤分散液) 顕色剤 6.0部 10%ポリビニルアルコ−ル水溶液 18.8部 水 11.2部 B液(染料前駆体分散液) 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 2.0部 10%ポリビニルアルコ−ル水溶液 4.6部 水 2.6部 次いで下記の割合で分散液を混合して塗料とした。 A液(顕色剤分散液) 36.0部 B液(染料前駆体分散液) 9.2部 カオリンクレ−(50%分散液) 12.0部 上記各塗料を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、このシ−トをス−パ−カレンダ−で平滑度
が500〜600秒になるように処理し、塗布量6.0
g/m2 の感熱記録体を得た。
【0091】[実施例8〜13]実施例8〜13は顕色
剤として化合物(5)を使用し、染料前駆体としてOD
B以外の下記に示す染料前駆体を使用した例である。 (染料前駆体) ODB−2;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン PSD−150;3−(N−シクロヘキシル−N−メチ
ルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン Green40;3−ジエチルアミノ−7−(o−クロ
ロアニリノ)フルオラン CVL;3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)
−6−ジメチルアミノフタリド I−Red;3,3−ビス(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド ODB以外の染料前駆体分散液(C液)を、それぞれ別
々にサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンになる
まで湿式磨砕を行った。 C液(ODB以外の染料前駆体分散液) 前記の染料前駆体 2.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部 水 2.6部 次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。 A液(顕色剤分散液) 36.0部 C液(ODB以外の染料前駆体分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダーで平滑度
が500〜600秒になるように処理し、塗布量6.0
g/m2 の感熱記録体を得た。
【0092】[実施例14]実施例14は顕色剤として
化合物(5)を使用し、染料前駆体としてはODB及び
PSD−150を使用した例である。実施例1〜7と同
様にしてODB分散液(B液)、実施例8〜13と同様
にしてPSD−150分散液(C液)を処理した。次い
で下記の割合で分散液を混合して塗液とした。 A液(顕色剤分散液) 36.0部 B液(染料前駆体[ODB]分散液) 4.6部 C液(染料前駆体[PSD−150]分散液) 4.6部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダーで平滑度
が500〜600秒になるように処理し、塗布量6.0
g/m2 の感熱記録体を得た。
【0093】[実施例15]実施例15は顕色剤として
化合物(5)及び化合物(7)、染料前駆体としてOD
Bを使用した例である。実施例1〜7と同様にして化合
物(5)と化合物(7)の顕色剤分散液(A液)、及び
ODB分散液(B液)を処理した。 A液(顕色剤(5)分散液) 18.0部 A液(顕色剤(7)分散液) 18.0部 B液(染料前駆体[ODB]分散液 9.2部 カオリンクレ−(50%分散液) 12.0部 上記各塗料を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダーで平滑度
が500〜600秒になるように処理し、塗布量6.0
g/m2 の感熱記録体を得た。
【0094】[実施例16]実施例16は顕色剤として
化合物(5)及びビスフェノ−ルA(以下、BPAと記
す)、染料前駆体としてODBを使用した例である。実
施例1〜7と同様にして化合物(5)の顕色剤分散液
(A液)、及びODB分散液(B液)を処理した。さら
に、公知の顕色剤であるBPA分散液(D液)をサンド
グラインダ−で平均粒径1ミクロンになるまで湿式磨砕
を行った。 D液(公知の顕色剤[BPA]分散液) ビスフェノ−ルA(BPA) 6.0部 10%ポリビニルアルコ−ル水溶液 18.8部 水 11.2部 次いで下記の割合で分散液を混合して塗料とした。 A液(顕色剤(5)分散液) 30.0部 D液(公知の顕色剤[BPA]分散液) 6.0部 B液(染料前駆体[ODB]分散液) 9.2部 カオリンクレ−(50%分散液) 12.0部 上記各塗料を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダーで平滑度
が500〜600秒になるように処理し、塗布量6.0
g/m2 の感熱記録体を得た。
【0095】[比較例1〜7]比較例1〜7は顕色剤と
して下記の公知の顕色剤、実施例1〜14に示す前記各
種染料前駆体を使用した例である。実施例1〜13と同
様にして、比較例のための感熱記録体を作製した。 (公知の顕色剤) BPA:ビスフェノールA D−8:4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェ
ニルスルホン 実施例16と同様にしてBPA分散液を処理し、さらに
D−8分散液(D´液)をサンドグラインダ−で平均粒
子径1ミクロンになるまで湿式磨砕を行った。 D´液(公知の顕色剤[D−8]分散液) D−8 6.0部 10%ポリビニルアルコ−ル水溶液 18.8部 水 11.2部 次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。 D液又はD´液(公知の顕色剤分散液) 36.0部 B液、又C液(染料前駆体分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダーで平滑度
が500〜600秒になるように処理し、塗布量6.0
g/m2 の感熱記録体を得た。
【0096】<感熱記録体の評価;実施例1〜16、比
較例1〜7> [感熱記録性テスト(動的発色濃度)](表1、表2及
び表3参照) パーソナルワープロRupo−90FII((株)東芝
製)のプリンターを使用し、印加エネルギー最大で、前
記実施例1〜16及び前記比較例1〜7の感熱記録体に
感熱記録を行った(以下に示す感熱記録は全て同じ条
件)。記録部の記録濃度は、マクベス濃度計(RD−9
14、アンバーフィルター使用、以下全て同じ条件)で
測定した。本発明の化合物を顕色剤に使用した実施例1
〜16の感熱記録体は、前記プリンターにより十分な記
録濃度が得られた。尚、黒発色以外の染料前駆体を用い
た実施例は、記録濃度測定フィルターがアンバーのた
め、低い値を示している。
【0097】[地色の熱安定性テスト](表1、表2及
び表3参照) ギヤー式老化試験機((株)東洋精機製作所)を使用
し、試験温度100℃、120℃、140℃及び160
℃、各々30分間の耐熱性試験を、前記実施例1〜16
及び前記比較例1〜7の感熱記録体に行った。耐熱性試
験後、地色の濃度をマクベス濃度計で測定した。この場
合、マクベス濃度の値が小さいほど、地色発色が少な
く、地色の熱安定性が高いことになる。本発明の化合物
を顕色剤に使用した実施例1〜16の感熱記録体は、1
40℃30分後の地色の濃度で、0.3を越えるものが
ないのに対して、比較例1〜7のフェノール系顕色剤を
使用した感熱記録紙は100℃30分で既に全てが0.
5を越えている。実施例1〜15の感熱記録体は、16
0℃30分後でも、記録画像と地色のコントラストが高
く、極めて高い耐熱安定性を示している。
【0098】
【表1】
【表2】
【表3】
【0099】[画像部の安定性テスト](表4参照) 油に対する画像部の安定性試験を前記実施例1〜7の感
熱記録体について行った。この試験は感熱記録した感熱
記録体をサラダオイルに浸漬して室温下30分放置し、
過剰なサラダオイルを拭き取った後に画像部のマクベス
濃度を測定して行い、画像部の残存率(%)を算出して
評価した。尚、「画像部の残存率(%)」は次に示す式
より算出した。 残存率(%)=100×(処理後の記録濃度)/(未処
理の記録濃度) 本発明の化合物を顕色剤に使用した実施例1〜7の感熱
記録体は、画像残存率が50%以上であるのに対し、フ
ェノ−ル系顕色剤を使用した感熱記録紙のそれは20%
以下である。これは顕色剤として用いた化合物(3)〜
(7)、(1−20)及び(1−24)がフェノ−ル系
顕色剤に比べ、油に対する溶解性が低いためと推察でき
る。
【0100】
【表4】
【0101】<熱ラミネート及びトナー記録テスト;実
施例17〜38、比較例8〜13> 次に、本発明の感熱記録体に対し、熱ラミネート及び電
子写真複写機によるトナー記録を行った。
【0102】[熱ラミネートテスト](表5参照) 簡易ラミネート装置(MSパウチH−140(株)明光
商会)、及びラミネートフィルム(MSパウチフィルム
MP10−6095)を使用した。前記記載の条件で感
熱記録を既に行った実施例1〜8、11、15、16及
び比較例1、4、6、の感熱記録体を、前記ラミネート
フィルムに挟んで、送り速度20mm/secで、感熱
記録部を有するラミネートされた感熱記録体を作製した
(実施例17〜27、比較例8〜10)。熱ラミネート
処理後、ラミネートされた感熱記録体のラミネートフィ
ルム越しに前記の感熱記録による発色部及び地色部をマ
クベス濃度計で測定した(フィルム越しに測定するため
高い値となる)。地色に関しては、マクベス濃度値が小
さいほど地色が安定していることを示している。ラミネ
ートされた感熱記録体の感熱記録による発色部と地色の
コントラストを以下のように評価した。 ○…地色の発色が無い、殆ど無い(画像の読取りが可
能) △…地色の発色がある(画像の読取りがしにくい) ×…地色の著しい発色がある(画像の読取りが不可能) 前記コントラスト評価が△〜×のラミネートされた感熱
記録体は、読取りが困難であり、実質上、熱ラミネート
は不可能であった(比較例14〜16)。一方、実施例
17〜27に関しては、コントラスト評価は良好(○)
であり、熱ラミネートが可能であった。
【0103】
【表5】
【0104】[電子写真複写機によるトナー記録テス
ト](表6参照) 実施例1〜7、9、10、15、16及び比較例1、
4、6の感熱記録体を、電子写真複写機(Vivace
400富士ゼロックス(株)製)の用紙として、トナー
記録を行った。地色の発色の度合いにより、電子複写機
用紙として可能性を評価した。本発明の感熱記録体は地
発色することなく、電子写真複写機用紙としての使用が
可能であった(実施例28〜38)。
【0105】
【表6】
【0106】<光記録体の製造;実施例39〜57、比
較例20〜25> 以下に本発明の光記録体を実施例によって説明する。
尚、説明中、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示
す。
【0107】[実施例39〜43](表7参照) 実施例39〜43は本発明の光記録体において、顕色剤
として化合物(4)〜(7)及び(1−20)、光吸収
剤としてビス(1−メチル−3,4−ジチオフェノレー
ト)ニッケルテトラ−n−ブチルアンモニウムと増感剤
の熱溶融物(光吸収剤1)、染料前駆体として3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(O
DB)を使用した例である。実施例1〜7で使用した顕
色剤分散液(A液)と染料前駆体分散液(B液)、及び
下記配合の光吸収剤1分散液(E液)を、それぞれ別々
にサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンになるま
で湿式磨砕を行った。 E液(光吸収剤分散液) 4−ビフェニル−p−トリルエーテル94部に、ビス
(1−メチル−3,4−ジチオフェノレート)ニッケル
テトラ−n−ブチルアンモニウム6部を加え、100〜
150℃に加熱して、溶融混合後粉砕したものを光吸収
剤1とした。 光吸収剤1 4.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 10.0部 水 6.0部 次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。 A液(顕色剤分散液) 36.0部 E液(光吸収剤1分散液) 20.0部 B液(染料前駆体分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、塗布量6.0g/m2 の光記録体を得た。
【0108】[実施例44〜48](表7参照) 実施例44〜48は本発明の光記録体において、顕色剤
として化合物(4)〜(7)及び(1−20)、光吸収
剤としてNK−2612(光吸収剤2;(株)日本感光
色素研究所製)、染料前駆体として3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン(ODB)を使
用した例である。実施例1〜7で使用した顕色剤分散液
(A液)と染料前駆体分散液(B液)とをそれぞれ別々
にサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンになるま
で湿式磨砕を行った。さらに、下記配合の光吸収剤2水
溶液(F液)を調製した。 F液(光吸収剤2水溶液) NK−2612(光吸収剤2) 0.04部 水 3.96部 次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。 A液(顕色剤分散液) 36.0部 F液(光吸収剤2水溶液) 4.0部 B液(染料前駆体分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、塗布量6.0g/m2 の光記録体を得た。
【0109】[実施例49〜53](表7参照) 実施例49〜53は本発明の光記録体において、顕色剤
として化合物(4)〜(7)及び(1−20)、光吸収
剤としてビス(1−メチル−3,4−ジチオフェノレー
ト)ニッケルテトラ−n−ブチルアンモニウムと増感剤
の熱溶融物(光吸収剤1;実施例39〜43参照)、染
料前駆体として3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン(ODB−2)を使用した光吸収性
発色層を、基紙上の填料と黒鉛(光吸収剤3)から成る
光吸収性アンダー層上に設けた例である。以下に、前記
光吸収性アンダー層用の塗液の調製方法を示す。 G液(光吸収剤3[アンダー層用]分散液) 人造黒鉛(G−6S;(株)中越黒鉛工業所) 5.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 12.5部 水 7.5部 この光吸収剤分散液(G液)をサンドグラインダーで平
均粒子径1ミクロンになるまで湿式磨砕を行った。この
G液を以下の割合で混合して塗液とした。 G液(光吸収剤3[アンダー層用]分散液) 20.0部 カオリンクレー(50%分散液) 200.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 40.0部 上記塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後乾燥
し、塗布量4.0g/m2 の光吸収性アンダー層を形成
させ、光吸収性アンダーシートとした。光吸収性発色層
用の塗液は、実施例39〜43と同様にして顕色剤分散
液(A液)及び光吸収剤1分散液(E液)を調製し、
又、実施例8〜14と同様に染料前駆体分散液(C液)
を調製し、以下の割合で混合して塗液とした。 A液(顕色剤分散液) 36.0部 E液(光吸収剤分散液) 4.0部 C液(染料前駆体分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記塗液を、前記の光吸収性アンダーシート上の光吸収
性アンダー層形成面側に塗布した後、乾燥を行い、塗布
量6.0g/m2 の光記録体を得た。
【0110】[実施例54〜57](表8参照) 実施例54〜57は、本発明の光記録体において、顕色
剤として化合物(5)、光吸収剤としてNK−2612
(光吸収剤2;(株)日本感光色素研究所製)、染料前
駆体として、実施例8〜14に示すPSD−150、G
reen40、CVL、及びI−Redを使用した例で
ある。顕色剤分散液(A液)及び光吸収剤2水溶液(F
液)は実施例44〜48と同様にして調製した。また、
染料前駆体分散液(C液)は実施例8〜14と同様にし
て調製し、これら得られたA液、F液及びC液は以下の
割合で混合して塗料とした。 A液(顕色剤分散液) 36.0部 F液(光吸収剤2水溶液) 4.0部 C液(染料前駆体分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記塗液を、50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、塗布量6.0g/m2 の光記録体を得た。
【0111】[比較例14〜19](表9参照) 比較例14〜19は、公知の顕色剤として比較例1〜4
に示すビスフェノールA(BPA)、光吸収剤としてN
K−2612(光吸収剤2;(株)日本感光色素研究所
製)、染料前駆体として実施例1〜7に示すODB、実
施例8〜13に示すODB−2、PSD−150、Gr
een40、CVL,及びI−Redを用いた本発明の
光記録体に対する比較例である。顕色剤分散液(BP
A;D液)は比較例1〜4と同様にして調製し、光吸収
剤2水溶液(F液)は実施例44〜48と同様にして調
製した。また、各種染料前駆体(B液またはC液)は実
施例1〜7及び実施例8〜14と同様にして調製し、こ
れら得られたD液、F液、B液及びC液は以下の割合で
混合して塗料とした。 D液(顕色剤分散液) 36.0部 F液(光吸収剤2水溶液) 4.0部 B液またはC液(染料前駆体分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記塗液を、50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、塗布量6.0g/m2 の光記録体を得た。
【0112】<光記録体の評価;実施例39〜57、比
較例14〜19> [光記録テスト1]実施例39〜48、実施例54〜5
7,及び比較例14〜19の光記録体に対し、特開平3
−239598号公報記載のレーザプロッタ装置を使用
し、以下の方法でレーザー記録を行った。光記録用光源
としては発振波長830nm、出力30mWの半導体レ
ーザーLT015MD(シャープ(株)製)を使用し、
集光レンズには開口数0.45、焦点距離4.5mmの
非球面プラスチックレンズであるAP4545(コニカ
製)を2枚使用した。これらの半導体レーザー及びレン
ズから成るレーザー記録ヘッドを記録速度50mm/s
ec、記録線間隔50ミクロンで走査させることで、縦
横1cm角のベタ発色画像を得た。この縦横1cm角の
ベタ発色画像をマクベス濃度計(RD−914、アンバ
ーフィルター使用)により濃度測定した。この値を表
7、8、及び9の「光記録濃度」に示した。本発明の化
合物を顕色剤に使用した実施例39〜48、あるいは実
施例54〜57の光記録体は、前記のレーザー記録によ
り十分な記録濃度が得られた。
【0113】[光記録テスト2]実施例49〜53の光
記録体には、以下の方法でストロボフラッシュ光を用い
た光記録を行った。光記録方法としては、カメラ用スト
ロボフラッシュauto4330(サンパック社製)の
発光窓を5%に絞り込んで光照射を行った。この発色画
像をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルタ
ー使用)により濃度測定した。この値を表7(実施例4
9〜53)の「光記録濃度」に示す。本発明の化合物を
顕色剤に使用した実施例49〜53の光記録体は、前記
のストロボフラッシュ記録により十分な記録濃度が得ら
れた。
【0114】[地色の熱安定性テスト(光記録体)]前
記実施例39〜57及び前記比較例14〜19の光記録
体の耐熱性は、感熱記録体の熱安定性テスト同様にして
ギヤー式老化試験機((株)東洋精機製作所)を使用
し、試験温度100℃、120℃、140℃及び160
℃、各々30分間の耐熱試験を行い、地色のマクベス濃
度を測定することによって行った。この値を表7、8、
及び9に示した。この場合、マクベス濃度の値が小さい
ほど地色の発色が少なく、地色の熱安定性が高いことに
なる。本発明の化合物を顕色剤に使用した実施例39〜
57の光記録体は、140℃30分後の地色の濃度で、
0.3を越えるものが無いのに対し、比較例14〜19
のフェノール系顕色剤を使用した光記録体は、100℃
30分で既に全てが0.6以上となっている。実施例3
9〜56の光記録体は160℃30分後でも記録画像と
地色のコントラストが高く、極めて高い耐熱安定性を示
している。
【0115】
【表7】
【表8】
【表9】
【0116】<熱ラミネート、光追記録及びトナー記録
テスト;実施例58〜87、比較例20〜25> 本発明の光記録体に対し熱ラミネートを行い、更に、こ
のラミネート済み光記録体に対しては光追記録を試み
た。また、電子写真複写機によるトナー記録を行った。
【0117】[熱ラミネートテスト(表10参照)]熱
ラミネートテストは簡易ラミネート装置(MSパウチH
−140(株)明光商会)及びラミネートフィルム(M
SパウチフィルムMP10−6095)を使用して行っ
た。前記記載の条件で光記録([光記録テスト1]、ま
たは[光記録テスト2]参照)を既に行った実施例3
9、43、44、45、50、51、54、55、5
6、57及び比較例14、15、18の光記録体を、前
記ラミネートフィルムに挟んで、送り速度20mm/s
ecで、光記録部を有するラミネートされた光記録体を
作製した(実施例58〜67、比較例20〜22)。熱
ラミネート処理後、ラミネートされた光記録体のラミネ
ートフィルム越しに、前記の光記録による発色部、及び
地色部を、マクベス濃度計で測定した。地色に関して
は、マクベス濃度値が小さいほど地色が安定しているこ
とを示している。ラミネートされた光記録体の光記録に
よる発色部と地色のコントラストを以下のように評価し
た。 ○…地色の発色が無い、殆ど無い(画像の読取りが可
能) △…地色の発色がある(画像の読取りがしにくい) ×…地色の著しい発色がある(画像の読取りが不可能) 前記コントラスト評価が△〜×のラミネートされた光記
録体は読取りが困難であり、実質上、熱ラミネートは不
可能であった(比較例20〜22)。一方、実施例58
〜67に関しては、コントラスト評価は良好(○)であ
り、熱ラミネートが可能であった。熱による光記録画像
部の退色も認められなかった。
【0118】
【表10】
【0119】[光追記録テスト(表11参照)]実施例
58〜67に示すラミネート済みの光記録体に対し、光
記録体の評価に示す光記録テスト1及び光記録テスト2
を行った(実施例68〜77)。この光追記録により得
られた発色画像をマクベス濃度計(RD−914、アン
バーフィルター使用)により濃度測定した。この値を表
11の「光追記録濃度」に示した。実施例58〜67に
示すラミネート済みの光記録体は、全てラミネートフィ
ルム越しに、レーザー記録(光記録テスト1)及びスト
ロボフラッシュ記録(光記録テスト2)が可能であり、
十分な記録濃度が得られた。
【0120】
【表11】
【0121】[電子写真複写機によるトナー記録テスト
(表12参照)]実施例39、43、44、45、5
0、51、54、55、56、57及び比較例14、1
5、18の光記録体を電子写真複写機(Vivace4
00富士ゼロックス(株)製)の用紙として、トナー記
録を行った。地色の発色の度合いにより、電子写真複写
機用紙として可能性を評価した。本発明の光記録体は地
発色することなく、電子写真複写機用紙としての使用が
可能であった(実施例78〜87)。
【0122】
【表12】
【0123】
【発明の効果】以上に示すごとく、本発明の一般式
(1)で表すことのできる化合物を、顕色剤として使用
した感熱記録体及び光記録体は、160℃程度の温度環
境までは、地色のかぶりがほとんどないにもかかわら
ず、サーマルヘッド等の感熱記録装置や、レーザーやス
トロボフラッシュを使用した光記録装置により、実用に
足りる画像記録濃度を得ることができる。従って、本発
明の効果として次の諸点が挙げられる。
【0124】(1)これまで使用できなかった過酷な温
度条件下(例えば90〜160℃)で、感熱記録体や光
記録体を使用することができる。 (2)ラミネーターにより、記録済みの感熱記録体や光
記録体に熱ラミネートが行えるので、感熱記録カードや
光記録カードを容易に作ることができる。 (3)公知顕色剤を用いたものに比べて油に対する画像
安定性が高い。 (4)ラミネート済みの光記録体は、さらに光追記録が
可能である。 (5)熱ロールを通過させても、地色が安定なので、電
子写真複写機用紙として、感熱記録体や光記録体を使用
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南 敏明 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日 本製紙株式会社 商品開発研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−120513(JP,A) 特開 昭51−128329(JP,A) 欧州特許出願公開365484(EP,A) J.MED.CHEM.(1968),11 (3),430−431 ARCH.PHARM.(1976), 309(7),586−591 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 311/47 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、無色ないし淡色の染料前駆
    体と、該染料前駆体と反応して発色させる顕色剤とが主
    成分として含有されている記録層を設けた感熱記録体に
    おいて、前記顕色剤が下記一般式(1)で示される少な
    くとも1種の化合物を含むことを特徴とする感熱記録
    体。 【化1】 (式中、Xは酸素原子あるいは硫黄原子を表し、R1
    無置換あるいは置換されたアラルキル基、ナフチル基、
    炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数2〜6の低級ア
    ルケニル基あるいは炭素数3〜6のシクロアルキル基を
    表す。)
  2. 【請求項2】 支持体上に、無色ないし淡色の染料前駆
    体と、該染料前駆体と反応して発色させる顕色剤とが主
    成分として含有されている記録層を設けた感熱記録体に
    おいて、前記顕色剤が下記一般式(2)で示される少な
    くとも1種の化合物を含むことを特徴とする感熱記録
    体。 【化2】 (式中、R2 は無置換あるいは置換されたアラルキル
    基、ナフチル基、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素
    数2〜6の低級アルケニル基あるいは炭素数3〜6のシ
    クロアルキル基を表す。)
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは請求項2の感熱記録体
    に、感熱記録した後、該記録面または該記録体全体をプ
    ラスチックフィルムでラミネートしたことを特徴とする
    感熱記録体。
  4. 【請求項4】 請求項1あるいは請求項2の感熱記録体
    の記録層に、光を吸収して熱に変換する光吸収剤を含有
    していることを特徴とする光記録体。
  5. 【請求項5】 請求項の光記録体の記録面または該記
    録体全体をプラスチックフィルムでラミネートしたこと
    を特徴とする光記録体。
  6. 【請求項6】 請求項の光記録体に、感熱記録あるい
    は光記録した後、該記録面または該記録体全体をプラス
    チックフィルムでラミネートしたことを特徴とする光記
    録体。
  7. 【請求項7】 請求項あるいは請求項の光記録体
    に、ストロボフラッシュ光またはレーザ−光により追記
    録することを特徴とする光記録方法。
  8. 【請求項8】 請求項1あるいは請求項2の感熱記録
    体、または請求項の光記録体を使用した電子写真複写
    機用シート。
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