JP2802644B2 - 硬質塩化ビニル樹脂積層体 - Google Patents

硬質塩化ビニル樹脂積層体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、硬質塩化ビニル樹脂積層体、詳しくは制電
機能を有する透明な硬質塩化ビニル樹脂積層体に関す
る。
〔従来の技術〕
各種製品のカバーやケース、覗き窓のプレート、その
他の保形性を有する部材はポリ塩化ビニル樹脂(PVC)
の硬質成形体によって構成することが多い。
他方、PVCは一般に電気絶縁性が非常に優れいるた
め、他の部材と摩擦したり重なり合ったフィルムを剥離
したりするときに光電圧に帯電しやすい性質があり、そ
の性質のために上記硬質成形体の表面には塵芥が不着し
やすく、場合によっては人に電撃を与えたり火災原因に
なることもある。
そこで、従来は、上記硬質成形体の表面に酸化錫など
の導電性皮膜を形成し、硬質成形体によって保形性を与
えると同時に、上記導電性皮膜によって硬質成形体が高
電圧に帯電することを防止していた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、酸化錫などの金属の導電性皮膜を形成した硬
質成形体は皮膜が金属であるため金属などを嫌う半導体
や薬品の製造工程では使用できないという問題があっ
た。また、硬質成形体で構成されたカバーやケースなど
に透明性が要求される場合、その硬質成形体の表面に酸
化錫などの導電性皮膜を形成すると、その導電性皮膜に
よって透明性の低下が起こったり着色する問題もあっ
た。さらに、導電性皮膜を形成したものはその製作コス
トが高くつき製品が高価になる。
そこで、本願発明者は鋭意調査を行い次の事実を突き
止めた。すなわち、 市販の有機系帯電防止剤を十分な量の可塑剤と共に
練り込んだPVCRを成形して軟質成形体を製作すると、可
塑剤が軟質成形体の表面にブリード(滲出)するのに伴
って帯電防止剤がそれに随伴して軟質成形体の表面にブ
リードし、そのようにしてブリードした帯電防止剤が軟
質成形体の表面に導電性皮膜を形成すること 帯電防止剤のブリードは帯電防止剤がPVCとの相溶
性を具備しない場合に起こること こうして形成された導電性皮膜は制電作用を発揮し
得るものであり、その導電性皮膜が吸湿すると一層顕著
な帯電防止作用を発揮すること 合成樹脂の成形体の表面固有抵抗値が1011Ω以下で
あれば帯電に伴うトラブルが生じなくなること などを突き止めた。
本発明は以上の状況のもとでなされたもので、安価で
ありながら、帯電しにくく、しかも十分な保形性を有す
る硬質PVC積層体を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の硬質PVC積層体は、PVCよりなる透明硬質成形
体と、塩化ビニル樹脂にこれと相溶性を有さない有機系
帯電防止剤を0.2〜2重量部、可塑剤を20〜100重量部、
混練してなる透明軟質成形体とを積層した積層体であっ
て、その表面抵抗値が1011Ω以下である透明なものであ
る。
〔作 用〕
上記構成の硬質PVC積層体は、硬質成形体が具備して
いる保形性によって必要な強度が確保される。また、軟
質成形体に含まれる可塑剤と共に有機系帯電防止剤が軟
質成形体の表面にブリードし、ブリードした帯電防止剤
が軟質成形体の表面に導電性皮膜を形成して制電作用を
発揮する。
さらに、有機系帯電防止剤はPVCと相溶性を有さない
ので可塑剤と共にブリードし良好な表面抵抗値を示し、
その添加量も少なくて透明性を維持する。
〔実施例〕
第1図および第2図は本発明の実施例による硬質PVC
積層体Aの断面構造の説明図であり、第1図の積層体A
は硬質成形体2と軟質成形体1とをホットプレス法やラ
ミネート法などの公知の方法で積層したもの、第2図の
積層体Aは第1図の積層体Aにおける軟質成形体1の表
面にさらに薄い軟質薄層体3をホットプレス法やラミネ
ート法などの公知の方法で積層したものである。
PVC軟式成形体2やPVC硬質薄層体3やPVC軟質成形体
1はPVC樹脂にSn系安定剤や滑剤や安定助剤などを配合
し、カレンダーロールや押出機で板状、シート状、フィ
ルム状にした透明なものを好適に用いることができ、そ
れに混練する可塑剤の配合量を変えることによってな硬
質成形体2,硬質薄層体3としたり軟質成形体1としたり
することができる。硬質成形体2の厚みは要求される機
械的性質により種々変更可能であるが、硬質薄層体3の
厚みは軟質成形体3の表面に形成されるであろう導電性
皮膜にまで電気を逃がす必要性から300μ以下、または
軟質成形体1からの可塑剤のブリードを遮断しべとつき
と柔らかさをなくした硬質関を出すために50μ以上の厚
みの範囲内であることが必要である。また、軟質成形体
1にはPVCに対する相溶性を具備しない帯電防止剤が混
練されており、この帯電防止剤は軟質成形体1に混練さ
れた十分な量の可塑剤の一部が表面にブリードするとき
にそれに随伴して表面にブリードし、ブリードした帯電
防止剤が軟質成形体1の表面に導電性皮膜を形成し、そ
れが制電作用を発揮するのである。軟質成形体1の厚み
は積層体Aを硬質に保つために50〜200μの範囲が好ま
しい。
上記硬質成形体2や硬質薄層体3や軟質成形体1は同
じ基本的処方の原料を用いて成形することができる。基
本的処方の原料としてはたとえばPVC100部に対し、錫系
安定剤2部、滑剤1.5部、補強剤2部を混練したものを
好適に使用できる。そして、硬質成形体2や硬質薄膜体
3の場合には基本的処方の原料にDOP(ジオクチルフタ
レート)などの可塑剤を0〜2部程度加えるのに対し、
軟質成形体1の場合には基本的処方の原料にDOPなどの
可塑剤を20〜100部程度加えるとよい。軟質成形体1に
配合する可塑剤の量は成形後にその可塑剤の一部が表面
にブリードするだけの量以上である必要があり、20部よ
り少ないとブリードを生じにくい。また100部より多い
とブリードが過多になり表面がべとつき好ましくない。
可塑剤としては上記DOPのほかに、DIBP(ジイソブチル
フタレート)、BBP(ブチルベンジルフタレート)、DBP
(ジブチルフタレート)、DHO(ジヘプチルフタレー
ト)などが使用可能である。
有機系の帯電防止剤には非イオン性(ノニオン系)、
カチオン系、アニオン系、両性系のものを使用すること
ができる。このような帯電防止剤は市販されており、市
販品としは、たとえば竹本油脂社製のエレカットS−51
2(液状)、同社製のTAS−504(液状)、日本油脂社製
のニューエレガンASK(べたつきのある粒状)、西独BAS
F社製のAntistat B(べたつきのある粒状)、ミヨシ油
脂社製のPX−5(べたつきのある粒状)などの他に、制
電性能と可塑化性能を有するもの例えばアデカ・アーガ
ス社製の導電性可塑剤PX−339(液状)などがある。帯
電防止剤の配合量は熱可塑性合成樹脂100部に対し0.2〜
2.0部程度であればよく、配合量が過多になると軟質成
形体1の透明制が損なわれ、配合量が過少であるとブリ
ードにより安定した導電性皮膜が形成されず、制電作用
が不十分になる。
第1表に上述した基本的処方の原料を用いて成形した
軟質成形体と軟質成形体とをホットプレス法によって積
層一体化することによって製作した第1図および第2図
のPVC積層体の上記軟質成形体に含まれる可塑剤の種類
と配合量ならびに帯電防止剤の種類と配合量を示し、第
2表に各サンプル1〜6についての表面固有抵抗値を調
べた実験結果を示す。なお、軟質成形体1の厚みは100
μ、硬質薄層体3の厚みは250μのものをそれぞれ用い
た。また、第2表の表面固有抵抗値(1)は第1図の断
面構造を有する合成樹脂積層体、表面固有抵抗値(2)
は第2図の断面構造を有する合成樹脂積層体についての
ものであり、比較品1としてはPVC硬質成形体単独のも
のを、比較例2としては基本処方の原料にエレカットTA
S−504を0.7PHR配合した硬質成形体のものを用いた。
第1表および第2表より発明品であるサンプル1〜6
は比較品1および2に比べて表面固有抵抗値が小さく、
109〜11Ω・cmであるため十分な制電作用を発揮するこ
とが明らかである。
第2表より帯電防止剤を硬質成形品に配合したものは
表面固有抵抗値が高く制電作用がないことがわかる。
第1図および第2図の各積層体Aについて、その表面
を観察すると、第1図の積層体Aの表面は柔らかくて艶
もなくて軟質成形体の性質が出ていたが、第2図の積層
体Aの表面は硬くて艶もあり硬質体としての性質を保っ
ていた。また、機械的性質は硬質成形体と同じ性能を有
していた。
上記サンプルは帯電防止剤が0.7PHRであり、これを増
加させれば制電機能は増大し、また硬質薄層体3の厚み
を薄くすれば表面固有抵抗値は低下し制電機能が増大す
ることが明らかである。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明のPVC積層体は、金属製導
電性皮膜ではなく有機系帯電防止剤を使用する硬質形成
体であるから保形性を有し、従来の酸化錫などの導電性
皮膜を用いた合成樹脂製のカバーやケース、プレートな
どに代替できることは勿論のこと、金属を嫌う場所にも
使用できる。また可塑剤のブリードに随伴した帯電防止
剤が表面に析出して制電作用を発揮する導電性皮膜が形
成されるものであるから、この皮膜が一時的に除去され
てもすぐに再生され、長期間にわたってその性能を維持
できるものである。
更に、帯電防止剤としてPVCと相溶性を有さないもの
を使用しているので、表面抵抗値が1011Ω以下と良好な
制電効果を発揮する。そして、帯電防止剤を0.2〜2.0重
量部と小量しか添加していないので、透明性を維持でき
て、透明で制電機能を有する無金属のPVC積層体を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の実施例による合成樹脂積
層体Aの断面構造の説明図である。 A……合成樹脂積層体、1……軟質成形体、2……硬質
成形体。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル樹脂によりなる透明硬質成形体
    と、塩化ビニル樹脂にこれと相溶性を有さない有機系帯
    電防止材を0.2〜2重量部、可塑剤を20〜100重量部混練
    してなる透明軟質成形体とを積層した積層体であって、
    その表面抵抗値が1011Ω以下である透明な硬質塩化ビニ
    ル樹脂積層体。
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