JP2802641B2 - 尿素窒素の測定方法及び測定用試薬 - Google Patents

尿素窒素の測定方法及び測定用試薬

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urea nitrogen
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、尿素窒素、特に生体液(血清及び尿)中
の尿素窒素の測定方法及び測定用試薬に関する。更に詳
しくは、尿素をアンモニアに分解するに際し、ウレアー
ゼと共にウレアーゼの拮抗阻害剤としてアセトヒドロキ
サム酸(AHA)またはその塩を使用し、Km値を大きくす
ることにより、ウレアーゼと基質(尿素)との親和力を
小さくし(調節し)、高濃度の尿素溶液であっても測定
可能とした尿素窒素の測定方法及び測定用試薬に関す
る。
<従来の技術と発明が解決しようとする問題点> 血清及び尿中の尿素窒素(以下UNという)は肝実質障
害や腎機能障害の指標として臨床上有用な物質である。
近年、臨床領域における自動分析装置の普及にともな
い、短時間に終了し、かつ共存物質の影響のない反応速
度法(レートアッセイ)によるUN定量法の開発が望まれ
ている。この目的のために、従来特開昭59−151900号に
係る尿素窒素の測定方法が公表されているが、その概要
は次の通りである。
(イ)試料をα−ケトグルタル酸(α−KG)、及びNADH
またはNADPHの存在下に、グルタミン酸脱水素酵素(GLD
H)を作用させ、微量の(内因性)アンモニアを予め除
去する。
(ロ)ウレアーゼ、及びウレアーゼ拮抗阻害剤としてホ
ウ酸またはその塩を同時に加え、試料中の尿素をアンモ
ニアに分解し、このアンモニアの生成量に対応するNADH
またはDADPHの減少速度を測定してその減少速度から尿
素窒素を求める。
この際、ウレアーゼと共にウレアーゼ拮抗阻害剤とし
てホウ酸またはその塩を同時に加える理由は、ウレアー
ゼを用いたUN測定においては、ウレアーゼの尿素に対す
るKmが小さいため、レートアッセイを行うには試料を希
釈して反応系における尿素濃度を低くすることが必要で
あるが、この希釈操作は煩雑で測定値に与える影響も大
きく多検体を処理する分析センター等では採用出来ない
ので、Km値を調節する手段として酵素に対する拮抗阻害
剤としてホウ酸またはその塩を同時に加え、見かけのKm
値を大きくしてUNの測定範囲を広げようとするものであ
る。
またホウ酸以外にも拮抗阻害剤としてヒドロキシウレ
アを使用する方法もある(クリニカルケミストリー,25
巻,1721,1979)。
しかしながら、発明者が詳細に試験したところホウ酸
を用いてUN試薬を調製すると試薬の保存安定性(特にウ
レアーゼの安定性)が十分ではなく、ヒドロキシウレア
は拮抗阻害剤としての効果が弱いことが判明した。そこ
で、この反応系においてホウ酸に変わるウレアーゼの拮
抗阻害剤について鋭意検討した結果、アセトヒドロキサ
ム酸(AHA)またはその塩を用いると良好な結果を得ら
れることを知り本発明を完成した。
<問題点を解決するための手段> すなわち、本願は前記した欠点を解決するために成さ
れたもので、次の(1)〜(3)の3請求項が構成され
ている。
(1)次の(A)、(B)の反応工程(手順)を順次経
て測定されるニコチンアミドアデニンジヌクレオタイド
(NADH)またはニコチンアミドアデニンジヌクレオタイ
ドフォスフェート(NADPH)の減少速度から尿素窒素を
求めることを特徴とする尿素窒素の測定方法。
(A)試料をα−ケトグルタル酸(α−KG)またはその
塩、及びNADHまたはNADPHの存在下に、グルタミン酸脱
水素酵素(GLDH)を作用させ、微量の(内因性)アンモ
ニアを予め除去する工程 (B)ウレアーゼ、及びウレアーゼ拮抗阻害剤としてア
セトヒドロキサム酸(AHA)またはその塩を加え、試料
中の尿素をアンモニアに分解し、このアンモニアの生成
量に対応するNADHまたはNADPHの減少速度を測定する工
程 (2)少なくとも、次に記載する(a)、(b)、
(c)、(d)、(e)の物質から構成される尿素窒素
測定用試薬。
(a)α−KGまたはその塩 (b)NADHまたはNADPH (c)GLDH (d)ウレアーゼ (e)AHA (3)前記(a)、(b)、(c)の物質を含有する溶
液と、前記(d)、(e)の物質を含有する溶液とから
構成される特許請求の範囲第2項記載の尿素窒素測定用
試薬。
ウレアーゼの阻害剤としてAHA及びその誘導体を用い
ることは公知ではあるが(例えば特公昭62−27795
号)、生体液(血清及び尿)中のUNの測定にAHAを用い
ウレアーゼのKmを増大させた例はなく、AHAを用いるこ
とで、特に高濃度域でのUN測定精度を向上させることが
可能となり、更に驚くべきことに、試薬の保存安定性
(特にウレアーゼの安定性)が格段に向上する。またそ
のときの感度、再現性も優れているという、従来予想し
えなかった効果を見い出したのである。
本発明に係る尿素窒素の測定方法の反応は下記のよう
に進行する。
本反応系において、前記のNADH、NADPHの減少速度
は、340nmの吸光度の変化を測定する。
本発明を実施するに当たり、反応系に添加するα−K
G、NADH、NADPH及びGLDHの各量は検体中に依存する内因
性アンモニア量、尿素量により異なるが、UN30mg/dlの
標準血清を測定する場合、各々、α−KG 1mM、GLDH 5U/
ml、NADPH 0.1mM以上で十分である。、 本反応系に使用する緩衝液としては、通常使用されて
いるものであればいずれも使用可能で、また周知の各種
安定剤、賦活剤等を同時に添加することができる。
また、本発明を実施するに当たり、阻害剤であるAHA
とウレアーゼの反応系(試薬)中の濃度は基質(本反応
系においてはUN)濃度と測定値の再現性とから決定すべ
きである。高濃度の尿素を含む検体の測定においては、
Km値を大きくすることが必要で、そのためには阻害剤を
増加させればよく、同時にウレアーゼ量を調節し、実行
感度(ΔAbs/min)と再現性から至適条件を設定する。
一例を挙げると、UN標準液(30mg/dl)を用い、感度300
×10-4を得るにはウレアーゼ1U/mlのとき、AHAの添加量
は、0.3mM程度でよく、再現性も良好な結果が得られ
る。
<実施例1> 次の組成を有する試薬1及び試薬2を調製し、UNとし
て50〜500mg/dlの尿素を含む標準希釈試料を作製した。
各標準液4μに試薬1を320μ加え、37℃、5分
間加温した後、更に試薬2を80μ加えて、単位時間あ
たりの吸光度変化を340nmにて測定した。
試薬1:NADPH 0.4mM GLDH 30 U/ml α−KGNa 5 mM 0.1Mトリエタノールアミン塩酸緩衝液(pH8.0) で溶解 試薬2:ウレアーゼ 1U/ml AHA 0.3mM α−KGNa 5 mM 0.1Mトリエタノールアミン塩酸緩衝液(pH8.0) で溶解 (比較例) 前記試薬2のAHAの代わりに、阻害剤無添加のもの
(ウレアーゼ0.2U/ml、α−KGNa 5mM、0.1Mトリエタノ
ールアミン塩酸緩衝液(pH8.0)で溶解)、及び阻害
剤としてホウ酸を用いたもの(ウレアーゼ0.3U/ml、ホ
ウ酸0.3mM、α−KGNa5mM、0.1Mトリエタノールアミン塩
酸緩衝液(pH8.0)で溶解)を調製し、同様の操作を行
った。
測定結果を第1図に示す。
第1図の結果は、AHAを添加したものは高濃度のUNに
対しても直線性が高く、高濃度のUNでも感度よく測定す
ることができることを示している。
<実施例2> 実施例1で調製した各試薬を冷蔵保管(1週間)した
後、標準溶液(UNとして30mg/dl)を用い、各試薬の濃
度(ΔAbs/min)、繰り返し再現性及びウレアーゼ活性
を測定した。
試薬の感度、ウレアーゼ活性は、調製直後の値を100
として比較した。
測定操作は、実施例1に準じて行い、ウレアーゼ活性
は「インドフェノール法」により測定した。
測定結果を第1表(巻末)に示す。
第1表の結果によれば、本発明のAHAを添加した試薬
は、保存しても感度、ウレアーゼ活性の減少が少なく、
共に良好な値を示すことが分かる。
<実施例3> 実施例1で調製したAHA添加試薬を用い、血清試料中
のUNを測定した。別の既知濃度の標準液を用い検量線を
作製し、これからUN濃度を求め、従来法(阻害剤を含ま
ない「ウレアーゼ酵素法」)と比較した。
測定結果を第2表に示す。
第2表の測定によれば、AHAを添加しても測定値に影
響を与えないことが分かる。
<発明の効果> この発明は以上のように構成したから、高濃度のUNを
含む溶液であっても高感度に測定することができると共
に、UN測定用試薬の保存安定性を向上させることができ
るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
図面は、UNの検量線を示すグラフである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12Q 1/58 Medline

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の(A)、(B)の反応工程(手順)を
    順次経て測定されるニコチンアミドアデニンジヌクレオ
    タイド(NADH)またはニコチンアミドアデニンジヌクレ
    オタイドフォスフェート(NADPH)の減少速度から尿素
    窒素を求めることを特徴とする尿素窒素の測定方法。 (A)試料をα−ケトグルタル酸(α−KG)またはその
    塩、及びNADHまたはNADPHの存在下に、グルタミン酸脱
    水素酵素(GLDH)を作用させ、微量の(内因性)アンモ
    ニアを予め除去する工程 (B)ウレアーゼ、及びウレアーゼ拮抗阻害剤としてア
    セトヒドロキサム酸(AHA)またはその塩を加え、試料
    中の尿素をアンモニアに分解し、このアンモニアの生成
    量に対応するNADHまたはNADPHの減少速度を測定する工
  2. 【請求項2】少なくとも、次に記載する(a)、
    (b)、(c)、(d)、(e)の物質から構成される
    尿素窒素測定用試薬。 (a)α−KGまたはその塩 (b)NADHまたはNADPH (c)GLDH (d)ウレアーゼ (e)AHA
  3. 【請求項3】前記(a)、(b)、(c)の物質を含有
    する溶液と、前記(d)、(e)の物質を含有する溶液
    とから構成される特許請求の範囲第2項記載の尿素窒素
    測定用試薬。
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