JP2802146B2 - ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物

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JP2802146B2 JP16372790A JP16372790A JP2802146B2 JP 2802146 B2 JP2802146 B2 JP 2802146B2 JP 16372790 A JP16372790 A JP 16372790A JP 16372790 A JP16372790 A JP 16372790A JP 2802146 B2 JP2802146 B2 JP 2802146B2
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一夫 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、ポリオレフィン樹脂組成物に関し、さらに
詳しくは、クロス、レザー、ポリオレフィン樹脂以外の
プラスチック、金属などの異種材料を、プライマー処理
などの工程を省略して直接、接着剤で容易に接着するこ
とができ、経済性に優れるとともに、異種材料の接着
性、曲げ弾性および耐衝撃性のバランスに優れたポリオ
レフィン樹脂組成物に関する。
発明の技術的背景 ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン
樹脂は、分子内に極性基を有せず、化学的に不活性であ
るため、その性質を利用して種々の用途に利用されてい
る。しかしながら、分子内に極性基をもたないポリオレ
フィン樹脂からなる成形体は、その表面に極性基が存在
しないため、クロス、レザー、ポリオレフィン樹脂以外
のプラスチック、金属などの異種材料との接着が困難で
あるという問題点がある。しかも、従来は、ポリオレフ
ィン樹脂成形体と直接接着することが可能な材料および
接着剤がなかった。したがって、ポリオレフィン樹脂成
形体とクロス、レザーなどの異種材料との接着は、たと
えばポリオレフィン樹脂成形体の表面をトリクロロエタ
ンの蒸気で30秒間洗浄して脱脂を行なった後、プライマ
ーを塗布して乾燥し、次いで、このプライマー塗布面に
接着剤を塗布して乾燥した後、クロス、レザーなどの異
種材料を接着積層するという方法が、従来より採用され
ている。上記のような方法ではプライマーの処理工程を
必要とするため、得られるポリオレフィン樹脂成形体と
異種材料とからなる積層体は、ポリオレフィン樹脂その
ものが低コストであっても、製造コストが高くなるとい
う問題点がある。
また、上記のようなプライマー処理工程の代わりに、
ポリオレフィン樹脂成形体の表面にコロナ放電処理など
を施して、この成形体表面の樹脂に極性基を導入した
後、異種材料を接着剤で接着積層するという方法があ
る。しかしながら、この方法は、コロナ放電処理などの
設備費および運転費が高いため経済的でない。
さらに、極性基を有する樹脂を配合して接着性を付与
した改質ポリオレフィン樹脂からなる成形体と異種材料
とをプライマー処理することなく、直接接着剤を用いて
接着積層するという方法がある。しかしながら、従来の
改質されたポリオレフィン樹脂の成形体と異種材料とを
直接接着して得られた積層体は、必ずしも充分な接着強
度を有していなかった。
本発明者らは、上記のような問題点を解決すべく鋭意
研究し、特定のポリオレフィン樹脂と特定のグラフト変
性ポリオレフィンワックスとを配合したところ、プライ
マー処理することなく、クロス、レザーなどの異種材料
を接着剤を用いて直接接着することが容易で、経済性に
優れるとともに、異種材料との接着性、曲げ弾性(曲げ
弾性率)および耐衝撃性のバランスに優れた成形体を提
供し得るポリオレフィン樹脂組成物が得られることを見
出し、本発明を完成するに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、プライマー処理などの工程
を省略して、クロス、レザーなどの異種材料を、接着剤
を用いて直接接着することが容易で、経済性に優れると
ともに、異種材料との接着性、曲げ弾性(曲げ弾性率)
および耐衝撃性のバランスに優れた成形体が得られるよ
うなポリオレフィン樹脂組成物を提供することを目的と
している。
発明の概要 本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、 ポリオレフィン樹脂(A)100重量部とグラフト変性
ポリオレフィンワックス(B)0.01〜30重量部とからな
り、かつ 該グラフト変性ポリオレフィンワックス(B)が、 極限粘度[η]0.04〜0.6dl/gのポリオレフィンワッ
クス100重量部に対してスチレン系化合物を1〜900重量
部添加してグラフトさせたグラフト変性ポリオレフィン
ワックスであることを特徴としている。
発明の具体的説明 以下、本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物につい
て具体的に説明する。
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、特定のポ
リオレフィン樹脂(A)と特定のグラフト変性オリオレ
フィンワックス(B)とから構成されている。
ポリオレフィン樹脂(A) 本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(A)として
は、具体的には、炭素原子数2〜10のα−オレフィン、
たとえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチ
ル−1−ペンテンなどの単独重合体、あるいは上記のよ
うなα−オレフィンと他の炭素原子数2〜20のα−オレ
フィン20モル%以下との共重合体などが挙げられる。ま
た本発明においては、上記のような単独重合体、共重合
体は、単独で用いることもできるし、また2種以上混合
して用いることもできる。
本発明においては、上記のようなポリオレフィン樹脂
の分子量、メルトフローレート(MFR)などは特に制限
されないが、エチレンを主体とする重合体のメルトフロ
ーレート[ASTM D 1238に準拠(190℃、荷重2.16k
g)、以下同様]は、通常0.05〜30g/10分であり、また
プロピレンを主体とする重合体のメルトフローレート
[ASTM D 1238に準拠(230℃、荷重2.16kg)、以下
同様]は、通常0.1〜100g/10分である。
また、本発明においては、ポリオレフィン樹脂(A)
として、結晶性プロピレン重合体ブロック(イ)と、エ
チレン重合体ブロック(ロ)と、エチレン−プロピレン
系共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴムおよびス
チレン−ブタジエンブロック共重合体からなる群から選
択される1種または2種以上のゴムで構成されるゴムブ
ロック(ハ)とからなるプロピレン・エチレンブロック
共重合体を用いることができる。
上記のゴムブロック(ハ)を構成するスチレン−ブタ
ジエン系ゴム(SBR)としては、具体的には、JIS K−
6300に準拠して測定したムーニー粘度ML1+4(100℃)が
好ましくは20〜80、さらに好ましくは35〜60、かつ結合
スチレン含有量が好ましくは15〜60重量%、さらに好ま
しくは20〜50重量%のスチレン−ブタジエン系ゴムが望
ましい。
上記のゴムブロック(ハ)を構成するスチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体は、共役ジオレフィンと芳香族
ビニル化合物とからなる共重合体で、(A−B)n+1
たはB−(A−B)n+1またはA−(B−A)の一般
式で表わされる。ただし、上記一般式において、Aは芳
香族ビニル化合物からなる重合体ブロックであり、Bは
共役ジオレフィンからなる重合体ブロックであり、nは
1〜20の整数である。一般に、Aブロックの全体の分子
に占める割合は1〜50重量%である。
また、本発明で用いられるスチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体の平均分子量は、通常10000〜1000000、好
ましくは50000〜250000の範囲内にある。
上記の共役ジオレフィンとしては、具体的には、1,3
−ブタジエン、イソプレン、n−1,3−ペンタジエンな
どが挙げられる。
上記の芳香族ビニル化合物としては、具体的には、ス
チレン、メチルスチレン、ジメチルスチレンなどが挙げ
られる。
なお、本発明においては、共役ジオレフィン重合体ブ
ロックを水添したスチレン−ブタジエンブロック共重合
体も用いることができる。
上記のゴムブロック(ハ)として、エチレン−プロピ
レン系共重合体を用いる場合、本発明においては、下記
のようなプロピレン・エチレンブロック共重合体が好ま
しく用いられる。
[プロピレン・エチレンブロック共重合体] (I )アイソタクチック指数が90以上、好ましくは94
以上のプロピレン重合体ブロック60〜90重量%、好まし
くは70〜85重量%と、 (II )エチレン含有量が30〜80モル%、好ましくは40
〜60モル%で、極限粘度[η]が1.0〜8.0dl/g、好まし
くは2.0〜5.0dl/gであるプロピレン・エチレン共重合体
ブロック5〜25重量%、好ましくは8〜15重量%と、 (III)極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/g、好ましくは1.0
〜4.0dl/gのエチレン重合体ブロック5〜25重量%、好
ましくは7〜15重量%とからなり、かつ、 エチレン含有量が5〜30モル%、好ましくは8〜20モ
ル%で、メルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10
分、好ましくは2〜50g/10分であるプロピレン・エチレ
ンブロック共重合体。
このプロピレン・エチレンブロック共重合体は、上記
の各ブロック(I)(II)および(III)が、順次的に
重合した共重合体で構成されていることが好ましい。
上記のようなプロピレン・エチレンブロック共重合体
を用いると、耐衝撃性、剛性などの機械的強度特性のバ
ランスと耐熱性に優れた成形体を提供し得る成形性に優
れた組成物が得られる。
なお、上記のプロピレン・エチレンブロック共重合体
においては、アイソタクチック指数は、沸騰n−ヘプタ
ン不溶分を重量%で表わしたときの数値であり、エチレ
ン含有量は、13C−NMR法で測定した値[モル%]であ
り、極限粘度[η]は、135℃デカリン溶媒中で測定し
た値[dl/g]であり、メルトフローレートは、ASTM D
1238 Lに準拠して測定した値[g/10分]である。
上記プロピレン・エチレンブロック共重合体は、オレ
フィン類を立体規則性触媒、好ましくは担体付遷移金属
成分および有機アルミニウム化合物よりなる触媒の存在
下に、一つの重合反応系中で重合させることにより得ら
れる、いわゆる非ポリマーブレンドタイプの共重合体で
あり、具体的な製造方法は、本出願人による特開昭52−
98045号および特公昭57−26613号の公報に詳しく説明さ
れている。
上記プロピレン・エチレンブロック共重合体は、また
必ずしも一つの重合反応系中で重合させることにより得
られた一種の重合体に限らず、別々に重合された二種以
上のプロピレン・エチレンブロックの共重合体の混合物
であってもよい。
グラフト変性ポリオレフィンワックス(B) 本発明で用いられるグラフト変性ポリオレフィンワッ
クス(B)は、特定のポリオレフィンワックスに特定量
のスチレン系化合物をグラフト共重合した変性物であ
る。
グラフト共重合に供されるポリオレフィンワックス
は、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が
0.04〜0.6dl/g、好ましくは0.05〜0.5dl/g、さらに好ま
しくは0.06〜0.5dl/gの範囲内にある。
本発明で用いられるポリオレフィンワックスは、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−デセンなどのα−オレフィン
の単独重合体、またはこれらα−オレフィンの2種以上
の共重合体であって、具体的には、高圧法ポリエチレン
の熱分解によって得られるポリエチレンワックス、高圧
でエチレンをラジカル重合して得られる高圧重合ポリエ
チレンワックス、エチレンまたはエチレンと上記のよう
なα−オレフィンとを遷移金属化合物触媒の存在下に中
・低圧重合することによって得られるポリエチレンワッ
クスまたはエチレン・α−オレフィン共重合体ワック
ス、ポリプロピレンワックス、ポリ−1−ブテンワック
ス、ポリ4−メチル−1−ペンテンワックス、ポリプロ
ピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体ワックスな
どが挙げられる。なお、本発明でいうポリオレフィンワ
ックスにはポリオレフィンワックスの酸化物も含まれ
る。この場合の酸素含量は、通常10重量%以下である。
上記のスチレン系化合物はグラフトモノマーとして用
いられる。スチレン系化合物としては、具体的には、ス
チレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどが挙げられ
る。
本発明においては、スチレン系化合物は、ポリオレフ
ィンワックス100重量部に対して1〜900重量部、好まし
くは5〜500重量部、さらに好ましくは10〜450重量部の
量で用いられる。
また、スチレン系化合物のグラフト量は、ポリオレフ
ィンワックス1モルに対して2.5×10-3〜1.6モル、好ま
しくは1×10-2〜1.2モル、さらに好ましくは2×10-2
〜1.1モルの範囲内にある。スチレン系化合物のグラフ
ト量が上記のような範囲にあるグラフト変性ポリオレフ
ィンワックスは、ポリオレフィン樹脂(A)との相溶性
が良好で、接着性を向上させる効果を有する。なお本発
明では、上記のスチレン系化合物に加えて、(メタ)ア
クリル酸エステル、塩化ビニル、無水マレイン酸などを
グラフトモノマーとして用いることができる。この場
合、スチレン系化合物以外のグラフトモノマーのグラフ
ト量は、全グラフトモノマー中の約60モル%以下であ
る。
本発明で用いられるグラフト変性ポリオレフィンワッ
クスの135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]
は、通常0.05〜0.9dl/g、好ましくは0.07〜0.7dl/g、さ
らに好ましくは0.08〜0.7dl/gの範囲内にある。
グラフト変性ポリオレフィンワックスは、従来公知の
方法によって製造することができる。たとえば、上記ポ
リオレフィンワックスとスチレン系化合物とを、溶液状
態あるいは溶融状態で加熱反応させることによってグラ
フト変性ポリオレフィンワックスを得ることができる。
なお、この反応は、必要に応じてラジカル開始剤の存在
下で実施される。
上記反応に用いられるラジカル開始剤としては、有機
ペルオキシド、有機ペルエステル、アゾ化合物が挙げら
れる。具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジクロル
ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−
tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ペルオキシベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス
(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラ
ウロイルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert
−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどの有
機ペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、tert−
ブチルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテ
ート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチル
ペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピバレー
ト、クミルペルピバレート、tert−ブチルペルジエチル
アセテートなどの有機ペルエステル、アゾビス−イソブ
チルニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどのアゾ
化合物が挙げられる。これらのうちでは、ジクミルペル
オキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン−
3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキ
シ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイ
ソプロピル)ベンゼンなどのアルキルペルオキシドが好
ましい。
上記のグラフト反応温度は、通常130〜300℃、好まし
くは135〜250℃の範囲である。
本発明においては、グラフト変性ポリオレフィンワッ
クス(B)の中に、染料、顔料、ガラス繊維、カーボン
ブラック、帯電防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、炭酸
カルシウム、タルク、マイカ、SBR、NBR、スチレン・マ
レイン酸共重合体などの添加物を、本発明の目的を損な
わない範囲で配合することもできる。
このグラフト変性ポリオレフィンワックスを配合した
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物を成形すると、
表層部にグラフト変性ポリオレフィンワックスが存在し
ているポリオレフィン樹脂成形体が得られる。したがっ
て、このようなポリオレフィン樹脂成形体は、その表面
に極性基を有し、化学的に活性であるため、クロス、ポ
リオレフィン樹脂以外の樹脂、レザー、金属などの異種
材料との接着性に優れている。すなわち、このポリオレ
フィン樹脂成形体とクロスなどの異種材料とを接着する
際に、上述したようなプライマー処理などの工程を省略
することができる。
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物を構成するグ
ラフト変性ポリオレフィンワックス(B)は、ポリオレ
フィン樹脂(A)100重量部に対して0.01〜30重量部、
好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10
重量部の量で用いられる。
ポリオレフィン樹脂(A)とグラフト変性ポリオレフ
ィンワックス(B)とを、上記のような割合で配合する
と、ポリエステルやナイロンなどで作られたクロスなど
の異種材料との接着が容易で、経済性に優れるととも
に、異種材料との接着性、曲げ弾性(曲げ弾性率)およ
び耐衝撃性のバランスに優れたポリオレフィン樹脂組成
物が得られる。
なお、本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物には、
その混合の任意の段階で、酸化防止剤、耐候安定剤、塩
酸吸収剤、滑剤、核剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染
料などの各種添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲
で配合することができる。
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物を調製する方
法としては、たとえばポリオレフィン樹脂(A)および
グラフト変性ポリオレフィンワックス(B)を、あるい
はこれらの成分および上記のような添加剤を、ヘンシェ
ルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダーなどを
用いて混合する方法、この混合により得られた混合物
を、さらに押出機などで混練造粒を行なう方法、上記の
諸成分をバンバリーミキサー、単軸または多軸押出機、
ニーダーなどを用いて溶融混練して造粒する方法が挙げ
られる。
上記のようにして得られたポリオレフィン樹脂組成物
は、従来公知の成形法、たとえば射出成形法、押出成形
法、圧縮成形法により成形することができる。
また、上記のような成形法で製造されたポリオレフィ
ン樹脂成形体は、その表面をトリクロロエタン蒸気で洗
浄して脱脂し、次いで、接着剤を塗布した後、クロス、
ポリオレフィン樹脂以外の樹脂、レザー、金属などの異
種材料を積層して圧着または熱圧着することによって積
層体を得ることができる。また、上記の接着剤塗布後、
フロックを散布して静電気などを利用して接着層に定着
させることによってソフト感のあるポリオレフィン樹脂
成形品を得ることもできる。
発明の効果 本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、特定のポ
リオレフィン樹脂(A)と特定のグラフト変性ポリオレ
フィンワックス(B)とを特定の割合で含んで構成され
ているため、クロスなどの異種材料との接着が容易で、
経済性に優れるとともに、異種材料との接着性、曲げ弾
性および耐衝撃性のバランスに優れた成形体を提供する
ことができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、
これら実施例に限定されるものではない。
実施例1 [グラフト変性ポリオレフィンワックスの製造] 極限粘度[η]0.08dl/gの高密度ポリエチレンワック
ス420gを1.5のガラス製反応器に仕込み、140℃にて溶
解した。次いで、溶解した高密度ポリエチレンワックス
に、スチレンモノマー280gとジ−tert−ブチルペルオキ
シド11.7gとを添加して4時間加熱反応させた後、溶融
状態のまま5mmHg真空中で1時間脱気処理して揮発分を
除去し、その後、冷却した。
得られたグラフト変性ポリエチレンワックスにおける
スチレンのグラフト量は、ポリエチレンワックス1モル
に対して0.167モル(グラフト率42%)であった。
[ポリオレフィン樹脂組成物の製造] 下記のプロピレン・エチレンブロック共重合体100重
量部と、 上記グラフト変性ポリオレフィンワックス0.01重量部
と、 イルガノックス(Irganox)1010[酸化防止剤、ムサ
シノチバガイギー(株)製]0.10重量部と、マーク(Ma
rk)329[酸化防止剤、アデカ・アーガス化学(株)
製]0.10重量部と、ステアリン酸カルシウム(塩酸吸収
剤)0.08重量部とを、ヘンシェルミキサーで混合した
後、二軸押出機((株)日本製鋼所製、品番CIM−50)
を用い、樹脂温度220℃で押出して造粒し、ペレットを
得た。
プロピレン・エチレンブロック共重合体: エチレン含有量 60モル% MFR 25g/10分 上記プロピレン・エチレンブロック共重合体の組成 (I )プロピレン重合体ブロック …79重量% アイソタクチック指数97 (II )プロピレン・エチレン共重合体ブロック …11重量% エチレン含有量 43モル% 極限粘度[η] 2.8dl/g (III)エチレン重合体ブロック …10重量% 極限粘度[η] 2.0dl/g 得られたポリオレフィン樹脂組成物について、接着
力、曲げ弾性率およびアイゾット衝撃強度を下記の試験
方法に従って測定した。
[試験方法] (1)接着力 ポリオレフィン樹脂組成物を射出成形(樹脂温度200
℃、射出圧力1000kg/cm2)して得た厚さ2mmのシートを
長さ80mm、幅30mmの短冊状に切断し、表面をイソプロピ
ルアルコールで拭いて脱脂する。次に接着剤(サンスタ
ー化学製、商品名ペンギンセメント370)を塗布(塗布
量150g/m2)し、23℃で2分間前乾燥する。
次に、同様に接着剤を塗布して前乾燥した幅25mmの短
冊状のキャンバス用クロスを重ね、圧力1kg/cm2で3秒
感圧着して接着力測定用試験片を作製する。この試験片
を剥離スピード200mm/分で180℃剥離し、剥離強度を求
める。
(2)曲げ弾性率 ASTM D 790に準拠して曲げ弾性率を求める。
(3)アイゾット衝撃強度 ASTM D 256に準拠してアイゾット衝撃強度(ノッ
チ付)を求める。
試験結果を表1に示す。
実施例2 実施例1において、グラフト変性ポリオレフィンワッ
クスの配合量を0.1重量部とした以外は、実施例1と同
様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得、上記試験を行
なった。
試験結果を表1に示す。
実施例3 実施例1において、グラフト変性ポリオレフィンワッ
クスの配合量を1重量部とした以外は、実施例1と同様
にしてポリオレフィン樹脂組成物を得、上記試験を行な
った。
試験結果を表1に示す。
実施例4 実施例1において、グラフト変性ポリオレフィンワッ
クスの配合量を5重量部とした以外は、実施例1と同様
にしてポリオレフィン樹脂組成物を得、上記試験を行な
った。
試験結果を表1に示す。
実施例5 実施例1において、グラフト変性ポリオレフィンワッ
クスの配合量を30重量部とした以外は、実施例1と同様
にしてポリオレフィン樹脂組成物を得、上記試験を行な
った。
試験結果を表1に示す。
比較例1 実施例1において、グラフト変性ポリオレフィンワッ
クスを用いなかった以外は、実施例1と同様にしてポリ
オレフィン樹脂組成物を得、上記試験を行なった。
試験結果を表1に示す。
比較例2 実施例1において、グラフト変性ポリオレフィンワッ
クスの配合量を0.005重量部とした以外は、実施例1と
同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得、上記試験を
行なった。
試験結果を表1に示す。
比較例3 実施例1において、グラフト変性ポリオレフィンワッ
クスの配合量を40重量部とした以外は、実施例1と同様
にしてポリオレフィン樹脂組成物を得、上記試験を行な
った。
試験結果を表1に示す。
フロントページの続き (72)発明者 梅本 芳朗 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 伊藤 一夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 鬼頭 幸博 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 宇井 克己 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 村井 広一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−147533(JP,A) 特開 昭58−103530(JP,A) 特開 昭61−60750(JP,A) 特開 平3−168232(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン樹脂(A)100重量部とグ
    ラフト変性ポリオレフィンワックス(B)0.01〜30重量
    部とからなり、かつ 該グラフト変性ポリオレフィンワックス(B)が、 極限粘度[η]0.04〜0.6dl/gのポリオレフィンワック
    ス100重量部に対してスチレン系化合物を1〜900重量部
    添加してグラフトさせたグラフト変性ポリオレフィンワ
    ックスであることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成
    物。
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