JP2801938B2 - 農園芸用殺菌組成物 - Google Patents

農園芸用殺菌組成物

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JP2801938B2
JP2801938B2 JP31256489A JP31256489A JP2801938B2 JP 2801938 B2 JP2801938 B2 JP 2801938B2 JP 31256489 A JP31256489 A JP 31256489A JP 31256489 A JP31256489 A JP 31256489A JP 2801938 B2 JP2801938 B2 JP 2801938B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、農業生産上問題となる植物病害を引き起こ
す病原菌の防除に用いられる農園芸用殺菌組成物に関す
る。
「従来の技術及びその課題」 農業生産において、その生産を拒む要因の1つに数多
くの植物病害がある。これら植物病害から植物を防除す
るために多数の殺菌剤が開発されている。しかし、これ
らの効果は、十分満足できるとは言えず、より高い効果
のある殺菌剤の出現が望まれている。しかし、農園芸用
殺菌剤に必要な性質として、効果が高いことはもちろん
のこと、人畜、植物等に安全性が高いことが不可欠であ
るため、殺菌活性を有する新規化学物質の開発は長期間
を要し、開発費用も莫大であり、上市にまで至る頻度は
非常に稀である。また、高い効果を持つ殺菌剤が開発さ
れても、同一薬剤の連用等で薬剤耐性菌が生じ、効果の
低下を招くことが近年問題化している。薬剤耐性菌対策
に用いられる方法として、病害防除効果面ではやや不十
分であっても、他の種々の薬剤と交互に使用するか、複
数薬剤を混合して使用することがよく行われる。また、
同様の目的で複数の薬剤の有効成分を混合した製剤も多
数上市販売されている。しかし、これらの混合製剤の大
部分のものは、混合製剤中のある有効成分に対して生じ
た薬剤耐性菌を他の有効成分の効果によって補完しよう
とする着想によるもので、効果面から見ると混合製剤中
の薬剤耐性を被っていない有効成分と同等の効果、もし
くは個々の有効成分の効果の和にとどまるものである。
現在、市販されている殺菌剤には、例えば化学構造式 で示される3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソ
プロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボ
キサミド(以下イプロジオンと称す)があり、この殺菌
剤は農園芸用殺菌剤としてイネのごま葉枯病、紋枯病、
変色米、農園芸用作物の灰色かび病、菌核病、斑点落葉
病、黒斑病、灰星病、フォモプシス腐敗病、黒とう病、
黒かび病、輪紋病、灰色腐敗病、白絹病、すすかび病、
つる枯病、黒腐病、芝のブラウンパッチ、ヘルミントス
ポリウム葉枯病等の数多くの病害に極めて高い効果を有
するものである。しかし、同一薬剤の連用により、本剤
の薬剤耐性菌が出現し、効果の低下が問題となってい
る。また販売価格面から、より少量の散布量で高い効果
を発現する方法の出現が同時に強く望まれている。
また、化学構造式 で示される1,1′−イミニオジ(オクタメチレン)ジグ
アニジン(以下イミノクタジンと称す)は、その塩酸塩
を有効成分として農園芸用作物の斑点落葉病、モニリア
病、腐らん病、銀葉病、黒とう病、晩腐病、褐斑病、青
かび病、緑かび病、黒腐病、茎枯病、斑点病、麦類の雪
腐病、条斑病、腥黒穂病、茶の輪斑病、芝のヘルミント
スポリウム葉枯病等の数多くの病害に極めて高い効果を
示し、現在農園芸用殺菌剤として市販されている。
また、1,1′−イミニオジ(オクタメチレン)ジグア
ニジンの直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(直鎖アル
キル基の炭素数は12を主とする;以下イミノクタジン・
LSA塩と称す)を有効成分として、上記の酢酸塩の短所
である植物に対する薬害の強さを改善することにより、
農園芸作物の斑点落葉病、黒星病、灰星病、フォモプシ
ス腐敗病、輪斑病、つる枯病、うどんこ病、炭そ病、落
葉病、菌核病、茎枯病、斑点病、灰色かび病等を対象に
現在農園芸用殺菌剤として開発中である。しかし、本殺
菌剤においても、より少量の散布量で高い効果を発現す
る方法の出現が強く望まれている。
「課題を解決するための手段」 そこで、本発明者らは、イプロジオンが果樹、野菜、
穀類、野菜、芝等の分野に発生する病害に対して広範囲
にわたり顕著な効果を有するにもかかわらず、本剤もし
くは本剤と化学構造上に共通点を有するジカルボキシイ
ミド系薬剤の連用によりジカルボキシイミド系薬剤耐性
菌が出現し、効果の低下が問題となっていることに着目
し、イプロジオンと種々の既知殺菌成分との組み合わせ
た場合に、本剤の感受性菌はもとより、耐性菌にも高い
効果を発揮する殺菌成分の組み合わせを選定した。
すなわち、イプロジオンと、 テトラクロルイソフタロニトリル(TRN)、亜鉛イオン
配位マンガニーズエチレンビスチオカーバメート(マン
ゼブ)、N′−(ジクロルフルオルメチルチオ)−
N′,N′−ジメチル−N′−フェニルスルファミド(ジ
クロフルアニド)、8−ヒドロキシキノリン銅(有機
銅)、1,2−ビス(3−メトキシカルボニル−2−チオ
ウレイド)ベンゼン(チオファネートメチル)、N−ト
リクロルメチルチオテトラヒドロフタルイミド(キャプ
タン)等とを混合した各種殺菌剤について、ジカルボキ
シイミド系薬剤耐性菌下での効果を検討したが、いずれ
の場合においてもどちらか一方の薬剤の効果か、もしく
は相加効果にとどまるにすぎなかった。しかし、イプロ
ジオンと、イミノクタジンとその塩とを組み合わせた場
合には著しい相乗効果により、ジカルボキシイミド系薬
剤の感受性菌はもちろんのこと、耐性菌に対しても著し
く高い効果を発揮することを見い出した。
すなわち、本発明は、たとえば各種野菜、果樹、花卉
等の灰色かび病、菌核病等に本来著しく高い効果を有す
るものの、その薬剤耐性菌の出現により効果の低下が問
題化しているジカルボキシミイド系薬剤のイプロジオン
とイミノクタジンとその塩とを組み合わせた場合に、本
剤の感受性菌はもとより、耐性菌にも高い効果を発揮す
る有効成分を含有する農園芸用殺菌組成物及びその組成
物を用いた灰色かび病防除法を提供するものである。
「構成」 本発明は、イプロジオンを第1殺菌成分とする。他の
殺菌成分としての1,1′−イミニオジ(オクタメチレ
ン)ジグアニジンとその塩とは特公昭43−27335号公報
に農園芸用殺菌剤として公知であるイミノクタジンおよ
びその塩であり、その塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝
酸硝酸等の鉱酸塩あるいは蟻酸塩、酢酸塩、乳酸塩等で
ある。または、特開昭60−178801号公報に農園芸用殺菌
剤として公知であるイミノクタジンの全炭素数9以上の
親油性基を有する酸の付加塩(これについても、以下イ
ミノクタジンとその塩と称す)で、その付加塩としては
カルボン酸塩、硫酸モノエステル塩、スルホン酸塩等が
あげることができる。本発明の農園芸用殺菌組成物は第
1殺菌成分と他の殺菌成分とを混合した場合に生じる特
異的に強い相乗効果に基づき、ジカルボキシイミド系薬
剤耐性菌に対して著しく高い効果を有し、勿論、ジカル
ボキシイミド系薬剤感受性菌や、他の薬剤耐性菌(たと
えばベンゾイミダゾール系薬剤等)に対しても、高い効
果を発揮する。種々のイミノクタジンとその塩の中で
も、特にイミノクタジン酢酸塩または、イミノクタジン
・LAS塩をプロジオンと組み合わせた場合に最も良好な
結果が得られる。本発明の農園芸用殺菌組成物の有効成
分比は、イプロジオン1重量部に対して0.05〜10重量部
であることが好ましい。さらに好ましくはイプロジオン
1重量部に対して0.1〜5重量部である。
本発明においては、有効成分を配合したものをそのま
ま農園芸用殺菌剤として使用することができるが、さら
に適当な担体や補助剤を加えて粉剤、水和剤、乳剤、フ
ロアブル剤等に製剤化して用いることができる。粉剤お
よび水和剤を製剤するには、有効成分の他に界面活性
剤、増量剤等を混合して粉砕する。乳剤を製剤するに
は、有効成分の他に有機溶剤、界面活性剤を加えて、ま
た、フロアブル剤を製剤するには、有効成分の他に界面
活性剤、増粘剤、有機溶剤、水等を加えて、均質化する
ことにより得る。界面活性剤には、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル等を、増量剤には、クレー、ホワイトカーボン
等を、有機溶剤には、トルエン、キシレン、プロピレン
グリコール等を、増粘剤には、CMC(カルボキシメチル
セルロース)等を用いることができる。
本発明の殺菌組成物は、効果を減退させる作用のない
限り、他の薬剤、たとえば殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、
除草剤、植物成長調節剤等の農薬、あるいは肥料と混合
することができる。
また、本発明の対象とする農園芸作物は、果樹類:リ
ンゴ、ナシ、モモ、柑橘類、ブドウ、ビワ等、野菜類:
キュウリ、ナス、スイカ、メロン、イチゴ、ピーマン、
レタス、キャベツ、ジャガイモ、タマネギ、ゴボウ、大
根等、穀類:稲、麦、豆類:ダイス、インゲン、エンド
ウ等、花卉類:バラ、キク、カーネーション、シクラメ
ン等、芝類等の全ての有用植物であり、これら植物を加
害する灰色かび病、菌核病、灰星病、フォモプシス腐敗
病、灰色腐敗病、褐色斑点病、つる枯病、黒腐病、黒と
う病、輪紋病、ごま葉枯病、紋枯病、ブラウンパッチ、
ヘルミントスポリウム葉枯病等、効力の及ぶ全ての病害
を対象とする。
「実施例」 以下に実施例、比較例を挙げ、本発明の実用効果につ
いて具体的に述べる。ただし、これらの例は一例にすぎ
ず、本発明の範囲が、ここに挙げた殺菌成分の比率、剤
型、対象病害に限られるものではない。
なお、実施例、比較例に挙げた有効成分であるイミノ
クタジンの塩として下記(第1表)に示される物を使用
した。
実施例1 アミノクタジン・塩酸塩13部に水和剤調製用白試料
(クレー95部にポリオキシエチレンラウリルエーテル5
部を加えて混合後、粉砕機にて粉砕したもの)87部を加
えて混合しサンプルミルにて粉砕して、殺菌活性成分で
あるイミノクタジン部分の含量を10%としたイミノクタ
ジン・塩酸塩水和剤を得る。これに市販のイプロジオン
水和剤(有効成分50%;八洲化学(株))を使用時に希
釈・混合し、所定濃度の薬液を得る。
実施例2 イミノクタジン・酢酸塩15部に水和剤調製用白試料85
部を加えて混合しサンプルミルにて粉砕して、殺菌活性
成分であるイミノクタジン部分の含量を10%としたイミ
ノクタジン・酢酸塩水和剤を得る。これに市販のイソプ
ロジオン水和剤を使用時に希釈・混合し、所定濃度の薬
液を得る。
実施例3 イミノクタジン・ラウリン酸塩原末(イミノクタジン
・ラウリン酸塩50部をホワイトカーボン50部に吸着させ
て得られる顆粒状粉末をサンプルミルにて粉砕したも
の)53.5部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル5
部、クレー41.5部を加えて混合し、サンプルミルにて粉
砕して、殺菌活性成分であるイミノクタジン部分の含量
を10%としたイミノクタジン・ラウリン酸塩水和剤を得
る。これに市販のイソプロジオン水和剤を使用時に希釈
・混合し、所定濃度の薬液を得る。
実施例4 イミノクタジン・ラウリル硫酸塩原末(イミノクタジ
ン・ラウリル硫酸塩50部をホワイトカーボン50部に吸着
させ得られる顆粒状粉末をサンプルミルにて粉砕したも
の)64.5部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル5
部、クレー30.5部を加えて混合し、サンプルミルにて粉
砕して、殺菌活性成分であるイミノクタジン部分の含量
を10%としたイミノクタジン・ラウリル硫酸塩水和剤を
得る。これに市販のイプロジオン水和剤を使用時に希釈
・混合し、所定濃度の薬液を得る。
実施例5 イミノクタジン・LAS塩(以下イミノクタジン・LAS塩
と称す)原末(イミノクタジン・LAS塩50部をホワイト
カーボン50部に吸着させて得られる顆粒状粉末をサンプ
ルミルにて粉砕したもの)74.5部に、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル5部、クレー20.5部を加えて混合
し、サンプルミルにて粉砕して、殺菌活性成分であるイ
ミノクタジン部分の含量を10%としたイミノクタジン・
LAS塩水和剤を得る。これに市販のイプロジオン水和剤
を使用時に希釈・混合し、所定濃度の薬液を得る。
実施例6 イプロジオン30部、イミノクタジン・LAS塩原末(有
効成分50%)40部、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル11部、クレー19部の混合物をジェット粉砕機にて微粉
末化し、それぞれの有効成分を30%、20%含有する水和
剤を得る。
実施例7 イプロジオン30部、イミノクタジン・LAS塩原末(有
効成分50%)20部、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル11部、クレー39部の混合物をジェット粉砕機にて微粉
末化し、それぞれの有効成分を30%、10%含有する水和
剤を得る。
実施例8 イプロジオン30部、イミノクタジン酢酸塩5部、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル5部、CMC0.05
部、プロピレングリコール5部、水54.95部の混合物を
湿式粉砕機にて粉砕してフロアブル剤を得る。
比較例1 イミノクタジン・塩酸塩13部に水和剤調製用白試料87
部を加えて混合しサンプルミルにて粉砕して、殺菌活性
成分であるイミノクタジン部分の含量を10%としたイミ
ノクタジン・塩酸塩水和剤を得る。
比較例2 イミノクタジン・酢酸塩15部に水和剤調製用白試料85
部を加えて混合しサンプルミルにて粉砕して、殺菌活性
成分であるイミノクタジン部分の含量を10%としたイミ
ノクタジン・酢酸塩水和剤を得る。
比較例3 イミノクタジン・ラウリン酸塩原末(有効成分50%)
53.5部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル5部、
クレー41.5部を加えて混合し、サンプルミルにて粉砕し
て、殺菌活性成分であるイミノクタジン部分の含量を10
%としたイミノクタジン・ラウリル酸塩水和剤を得る。
比較例4 イミノクタジン・ラウリル硫酸塩原末(有効成分50
%)64.5部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル5
部、クレー30.5部を加えて混合し、サンプルミルにて粉
砕して、殺菌活性成分であるイミノクタジン部分の含量
を10%としたイミノクタジン・ラウリル硫酸塩水和剤を
得る。
比較例5 イミノクタジン・LAS塩原末(有効成分50%)74.5部
に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル5部、クレー
20.5部を加えて混合し、サンプルミルにて粉砕して、殺
菌活性成分であるイミノクタジン部分の含量を10%とし
たイミノクタジン・LAS塩水和剤を得る。
比較例6 イミノクタジン・LAS塩原末(有効成分50%)80部、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル5部、クレー15部
を加えて混合し、粉砕機にて粉砕して、イミノクタジン
・LAS塩を40%含有する水和剤を得る。
比較例7 本発明の殺菌組成物の1成分で、市販品のイプロジオ
ン水和剤(有効成分50% 八洲化学(株))を供試し
た。
比較例8 一般に灰色かび病防除薬剤として使用され、市販され
ているジカルボキシイミド系薬剤のプロシミドン水和剤
(N−(3,5−ジクロルフェニル)−1,2−ジメチルシク
ロプロパン−1,2−ジカルボキシミド 50%日本農薬
(株))を供試した。
比較例9 一般に灰色かび病防除薬剤として使用され、市販され
ているジカルボキシミド系薬剤のビンクロゾリン水和剤
(3−(3,5−ジクロルフェニル)−5−メチル−5−
ビニル−2,4−オキサゾリンジンジオン 50%日本曹達
(株))を供試した。
比較例10 市販の殺菌剤であるTPN水和剤(テトラクロルイソフ
タロニトリル 75% 武田薬品(株))を供試した。
比較例11 市販の殺菌剤であるジクロフルアニド水和剤(N′−
(ジクロルフルオルメチルチオ)−N′,N′−ジメチル
−N′−フェニルスルファミド50% 日本特殊農薬
(株))を供試した。
比較例12 市販の殺菌剤であるマンゼブ水和剤(亜鉛イオン配位
マンガニーズエチレンビスジチオカーバメート75% 東
京有機化学工業(株))を供試した。
比較例13 市販の殺菌剤であるチオファネートメチル水和剤(1,
2−ビス(3−メトキシカルボニル−2−チオウレイ
ド)ベンゼン70% 日本曹達(株))を供試した。
比較例14 市販の殺菌剤であるTPN・ベノミル水和剤(テトラク
ロルイソフタロニトリル50%,メチル−1−(ブチルカ
ルバモイル)−2−ベンゾイミダゾールカーバメート20
% 武田薬品(株))を供試した。
比較例15 市販の殺菌剤である有機銅水和剤(8−ヒドロキシキ
ノリン銅40% アグロ・カネショウ(株))を供試し
た。
比較例16 市販の殺菌剤である有機銅・キャプタン水和剤(8−
ヒドロキシキノリン銅30%,N−トリクロルメチルチオテ
トラヒドロフタルイミド20%,トモノ農薬(株)))を
供試した。
試験例1 イチゴ果実(品種:麗紅)の果実を1区10果供試し
た。それぞれの所定濃度となるように希釈、混合した薬
液に果実を浸漬、風乾後ジカルボキシイミド系薬剤耐性
灰色かび病菌を接種した。20℃、湿室下で7日間保存し
た後、発病の程度を6段階(0(無発病)〜5(果実表
面積の75%以上に発病))に分けて調査し、発病後、防
除価、防除価期待値を次式により求めた。
ただし、m,nはそれぞれの単剤の防除価 以上の通り、イプロジオンと、イミノクタジンとその
塩との組み合わせによりジカルボキシイミド系薬剤耐性
灰色かび病菌に対し期待できる防除価よりはるかに高い
防除価を示した。本試験例より本発明の組成物は、これ
を構成する個々の殺菌成分が相乗的に働くことに、農園
芸用殺菌剤として有用であることは明らかである。
試験例2(ジカルボキシミイド系薬剤耐性菌優先下にお
ける灰色かび病に対する効果;ポット試験) 1ポット当り2〜3本植えにした、つるなしさやイン
ゲンを各処理区ごとに5鉢ずつ供試した。開花直前より
試験に供試した。2週間間隔で合計2回、実施例、比較
例の殺菌組成物を処理した。処理方法は実施例、比較例
の各薬剤を水で希釈し農薬散布用噴務機にて散布するこ
とにより行った。また、処理量は300ml/区とした。試験
開始日より、供試植物は発病を助長するように温室内の
湿潤条件下に保持し、さらに植物体上にあらかじめ培養
しておいたジカルボキシイミド系薬剤耐性灰色かび病菌
を吊り下げ、接種源とした。最終処理8日後に、各区約
150花について発病の有無を調査し、発病花率を算定し
次式により防除価を、また試験例1に記載した式より防
除価期待値を算出した。
以上の通り、本発明の殺菌組成物は、ジカルボキシイ
ミド系薬剤優先下において、これを構成する個々の殺菌
成分の効果よりはるかに高く、相乗的であること、また
比較例として用いた一般に使用されている薬剤よりはる
かに高い効果を示すことは、本試験例より明らかであ
る。
試験例3(ジカルボキシイミド系薬剤耐性菌優先下にお
ける灰色かび病に対する効果;施設栽培試験) ロックウール栽培温室で栽培したトマト(品種:ファ
ーストパワー)を、各処理区ごとに8個体供試し、3反
復で試験した。1週間間隔で合計3回、実施例、比較例
の殺菌組成物を処理した。処理方法は、各薬剤を水で希
釈し、農薬散布用背負い式噴霧機にて散布することによ
り行った。また、処理量は約300/10aの割合とした。
発病の助長とジカルボキシミイド系薬剤耐性菌を優先さ
せる方法として、供試植物体上、約1.5mにあらかじめ培
養しておいたジカルボキシイミド系薬剤耐性菌灰色かび
病菌を吊り下げ、接種源とした。
最終散布12日後まで、第2果房および第2果房の果実
を対象に累計発病果数を調査し、発病果率を算定した。
以上の通り、本試験においても本発明の殺菌組成物の
効果は、対照例に比較して明らかに高く、試験例1の結
果を裏づけ、ジカルボキシイミド系薬剤耐性菌優先下に
おける本発明の殺菌組成物の有用性を明らかであった。
試験例4(ベンソイミダゾール系薬剤耐性菌優先下にお
ける灰色かび病に対する効果;ポット試験) 1ポット当り2〜3本植えにした、つるなしさやイン
ゲンを各処理区ごとに5鉢ずつ供試した。開花直前より
試験に供試した。1週間間隔で合計2回、実施例、比較
例の殺菌組成物を処理した。処理方法は実施例、比較例
の各薬剤を水で希釈し農薬散布用噴務機にて散布するこ
とにより行った。また、処理量は300ml/区とした。試験
開始日より、供試植物は発病を助長するように温室内の
湿潤条件下に保持し、さらに植物体上にあらかじめ培養
しておいたベンゾイミダゾール系薬剤耐性灰色かび病菌
を吊り下げ、接種源とした。最終処理7日後に、各区約
150花について発病の有無を調査し、発病花率を算定し
た。
以上の通り、ベンゾイミタゾール系薬剤耐性菌優先下
においても本発明の殺菌組成物の効果は安定して高かっ
た。
試験例5(感受性菌優先下における灰色かび病に対する
効果;ポット試験) ポット栽培のベゴニアを各区5個体供試した。12日間
隔で合計2回、実施例、比較例の殺菌組成物を処理し
た。処理方法は実施例、比較例の各薬剤を水で希釈し農
薬散布用噴務機にて散布することにより行った。また、
処理量は200ml/区とした。供試植物は発病を助長する温
室内の湿潤条件下に保持し、さらに植物体上にあらかじ
め培養しておいた薬剤感受性灰色かび病菌を吊り下げ、
接種源とした。
最終散布9日後に、全葉(約700葉/区)について発
病の有無を調査し、発病葉率を算定した。
以上の通り、本発明の殺菌組成物はその組成物中の殺
菌成分含有量が対照例に比較して低いにもかかわらず薬
剤感受性菌優先下においても効果が高く、有用性が高い
ことは明らかである。
試験例6(モル灰星病に対する効果) モモ果実(品種:大久保)を1区8果供試した。実施
例、対照例の殺菌組成物を所定の濃度に希釈し、散布処
理した。薬剤処理果実を風乾後、束ねた針で1果につき
4箇所に深さ1.5mm程度の傷を付けた。付傷部分に灰星
病胞子を接種し、20℃湿室下に保った。接種7日後まで
累積発病箇所数を求めた。
以上の通り、本発明の殺菌組成物はモモ灰星病におい
ても効果が高く、本病害に対しても実用性が高いことは
明らかである。
試験例7(ナシ黒斑病に対する効果) 圃場のナシ(品種:二十世紀)を2樹供試し、自然発
病下の試験を行った。実施例、比較例の殺菌組成物を所
定濃度に希釈して4月19日、5月3日、15日、24日、6
月2日、12日、21日、30日の合計8回散布した。7月11
日に、各区約1500枚の葉について発病の有無を調査し、
発病葉率を算定した。
以上の通り、本発明の殺菌組成物はナシ黒斑病におい
ても効果が高く、本病害においても実用性が高いことは
明らかである。
試験例8(リンゴ斑点落葉病に対する効果) 圃場のリンゴ(品種:スターキング・デリシャス)を
2樹供試し、自然発病下の試験を行った。実施例、比較
例の殺菌組成物を所定濃度に希釈して6月27日、7月6
日、22日の合計3回散布した。8月3日に新梢の上位葉
について発病の有無を調査し、発病葉率を算定した。
以上の通り、本発明の殺菌組成物はリンゴ斑点落葉病
に対しても効果が高く、実用性が高いことは明らかであ
る。
試験例9(芝ヘルミントスポリウム葉枯病に対する効
果) ターフを形成した芝(品種:コウライ)を1区2m2
3反復で試験に供試し、自然発病下における試験を実施
した。実施例、比較例の殺菌組成物を所定の濃度に調整
し、8月26日、9月2日、9日、16日の合計4回、1
/m2の割合でジョロで散布した。9月30日に各区におけ
る発病枯死面積率を目測にて求めた。
以上の通り、本発明の殺菌組成物は芝ヘルミントスポ
リウム葉枯病に対しても効果が高く、実用性が高いこと
は明らかである。
「発明の効果」 本発明による農園芸用殺菌組成物は、先にも記した様
に、本発明の農園芸用殺菌組成物を構成する有効成分間
に特異的に生じる強い相乗効果に基づき、ジカルボキシ
イミド系薬剤耐性菌、感受性菌、ベンゾイミダゾール系
薬剤耐性菌等のいかなる薬剤感受性の異なる菌株優先下
においても、安定して極めて高い効果を発揮できる。も
ちろん、それぞれの殺菌節分が個別に持つ殺菌スペクト
ラムが合さり、より幅広い病害を1度に防除できること
から省力化につながることは言うまでもない。さらに、
植物病害防除に要する有効成分を下げることができ、防
除コストを下げることも可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−18309(JP,A) 特開 昭52−25027(JP,A) Fitopatol.Bras., (1988),Vol.13,No.1,P. 28−31 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 47/44 A01N 47/38 CA(STN)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イ
    ソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カル
    ボキサミドおよび1,1′−イミニオジ(オクタメチレ
    ン)ジグアニジンとその塩を有効成分として含有する農
    園芸用殺菌組成物。
  2. 【請求項2】3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イ
    ソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カル
    ボキサミドおよび1,1′−イミニオジ(オクタメチレ
    ン)ジグアニジン・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩
    を含有する農園芸用殺菌組成物。
  3. 【請求項3】請求項1の農園芸用殺菌組成物を用いるこ
    とを特徴とする灰色かび病の防除法。
  4. 【請求項4】請求項2の農園芸用殺菌組成物を用いるこ
    とを特徴とする灰色かび病の防除法。
  5. 【請求項5】請求項1の農園芸用殺菌組成物を用いるこ
    とを特徴とするジカルボキシイミド系及びベンゾイミダ
    ゾール系薬剤耐性菌の防除法。
  6. 【請求項6】請求項2の農園芸用殺菌組成物を用いるこ
    とを特徴とするジカルボキシイミド系及びベンゾイミダ
    ゾール系薬剤耐性菌の防除法。
  7. 【請求項7】請求項1の農園芸用殺菌組成物を用いるこ
    とを特徴とするジカルボキシイミド系薬剤耐性菌の防除
    法。
  8. 【請求項8】請求項2の農園芸用殺菌組成物を用いるこ
    とを特徴とするジカルボキシイミド系薬剤耐性菌の防除
    法。
  9. 【請求項9】請求項1の農園芸用殺菌組成物を用いるこ
    とを特徴とするジカルボキシイミド系及びベンゾイミダ
    ゾール系薬剤耐性灰色かび病の防除法。
  10. 【請求項10】請求項2の農園芸用殺菌組成物を用いる
    ことを特徴とするジカルボキシイミド系及ベンゾイミダ
    ゾール系薬剤耐性灰色かび病の防除法。
  11. 【請求項11】請求項1の農園芸用殺菌組成物を用いる
    ことを特徴とするジカルボキシイミド系薬剤耐性灰色か
    び病の防除法。
  12. 【請求項12】請求項2の農園芸用殺菌組成物を用いる
    ことを特徴とするジカルボキシイミド系薬剤耐性灰色か
    び病の防除法。
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