JP2801757B2 - 金属円筒の製造方法及び製造装置 - Google Patents

金属円筒の製造方法及び製造装置

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JP2801757B2
JP2801757B2 JP2235935A JP23593590A JP2801757B2 JP 2801757 B2 JP2801757 B2 JP 2801757B2 JP 2235935 A JP2235935 A JP 2235935A JP 23593590 A JP23593590 A JP 23593590A JP 2801757 B2 JP2801757 B2 JP 2801757B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、金属円筒の製造方法及びその実施に用い
る製造装置に関する。
(従来の技術) 各種の電子管その真空容器、又はアノード、グリッド
等の各種電極、あるいは共振空胴、高周波導波管部など
は、金属円筒で構成される。
例えば電子レンジ用マグネトロンのアノード構体を例
にとって説明すると、このアノード構体は、周知のよう
にアノード円筒の内側に放射状に複数枚のアノードベイ
ンが並べられ、このアノードベインの数に相当する共振
空胴が構成されている。これらは電気伝導度及び熱伝導
度の良い銅(Cu)、アルミニウム(Al)などが使用され
得るが、一般的には耐熱性の点から銅(Cu)が使用され
る。
このようなマグネトロンアノード構体の製造方法は、
通常、長大な円筒素材をアノード円筒としての所要の長
さに切断し、内外面や両開口端を所定の形状に切削等の
加工をしたうえ、内周壁にアノードベインをろう接する
方法である。しかしながら、このような円筒素材から加
工することは、円筒素材そのものの製造に多くの労力を
要すること、又、円筒素材の寸法精度が低いと、改めて
マグネトロンのアノード円筒として要求される内外径寸
法に仕上げなければならず、結果的に製品価格を不所望
に高くしているのが、現状である。
そこで、マグネトロンのアノードを平板状素材を丸め
成形して両端部を突き合わせ接合して円筒状に形成する
ことが、既に実用化されている。これは、平板状素材の
製造が容易であり、又、所望の円筒直径に作ることや、
丸め加工の際に板厚の制御を同時に行ない得るため、製
品価格の低減にすこぶる有効である。
即ち、従来の製造方法の概略工程は第19図に示すよう
に構成され、同図の(a)に示すように、先ず長尺の平
板条を所定の長さに切断して、平板状素材1を得る。次
に同図(b)に示すように、平板状素材1を丸め成形す
る工程により、円筒部品2を得る。更に、しごき成形
(絞り成形)工程を経た後、常温まで冷却する。このし
ごき成形により、合わせ目3の隙間が所定範囲になるよ
うにする。その後、脱脂・洗浄を行ない、円筒部品2全
体に付着している加工油や異物を除去する。この時、合
わせ目3の内部も同時に脱脂・洗浄される。次に、同図
(c)に示すように、複数の円筒部品2を互いに端部を
密着して縦列配置し、個々の円筒部品2の合わせ目3を
一直線上に並べるために、位置出しを行なう。但し、図
では便宜上1個の円筒部品2のみ示す。その後、合わせ
目3の隙間をなくすために押圧力を加えて合わせ目3を
密着した状態で、一直線上に並んだ各合わせ目3に高エ
ネルギービームを連続的に照射して溶接により接合する
と、同図(d)に示すような円筒部品4が得られる。そ
の後、図示していないが、圧縮成形工程、切削加工工
程、洗浄工程、検査工程を経て、マグネトロンのアノー
ド円筒が完成する。
ところで上記の場合、合わせ目3の位置出しに当たっ
ては、第20図に示すような位置出し装置を使用する。こ
の位置出し装置は、回転可能なボス5と、このボス5を
回転させる駆動モータ6と、円筒部品2の合わせ目3を
検出するセンサー7により構成されている。合わせ目3
の位置出しを行なうには、丸め成形された円筒部品2を
ボス5に1個づつ嵌め込み、円筒部品2内面とボス5外
面の摩擦により両者を適度に固定する。そして、駆動モ
ータ6によりボス5と円筒部品2を回転し、円筒部品2
の外周をセンサー7にて走査する。センサー7が合わせ
目3を検出すると駆動モータ6が停止し、位置出しを完
了する。
(発明が解決しようとする課題) ところが、上記のような従来の位置出し装置を使用し
た場合、1個ごとの位置出しのため能率が低く、能率を
上げようと回転速度を上げると、駆動モータ6のオーバ
ーランが拡大し、位置出し精度を欠く。
この発明は、合わせ目の位置決めを複数個同時に行な
って、生産性を向上出来る金属円筒の製造方法、及びそ
の実施に用いる製造装置を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は、平板状の金属素材を丸め成形して円筒部
品とし、次に得られた円筒部品の複数個の各合わせ目を
一直線上に位置決めし、この合わせ目に高エネルギービ
ームを連続的に照射して溶接し、その後、個々に分離し
て金属円筒として用いる金属円筒の製造方法において、
各合わせ目を一直線上に位置決めする工程は、複数の円
筒部品を縦列配置すると共に各円筒部品を個々に回転さ
せてそれぞれの合わせ目が所定位置に来た時に各円筒部
品の回転を独立に停止させ、全数の合わせ目を一直線上
に整列させて保持する金属円筒の製造方法である。
又、この発明は、平板状金属素材を丸め成形した複数
の円筒部品が載置される回転自在のローラーと、このロ
ーラーに載置される円筒部品の合わせ目を検出して位置
決めする複数の位置検出手段と、この位置検出手段によ
る合わせ目の位置決め後に各円筒部品の個々に対応して
設けられ各円筒部品をそれぞれ独立に保持固定するクラ
ンパとを具備してなる金属円筒の製造方法の実施に用い
る金属円筒の製造装置である。
(作用) この発明によれば、複数の円筒部品の合わせ目の位置
出しを実質的に同時に実施出来、処理能力の向上を図る
ことが出来る。
(実施例) 以下、図面を参照して、この発明を電子レンジ用マグ
ネトロンのアノード構体の製造方法に実施した例を詳細
に説明する。
先ず、この発明によって完成する金属円筒、即ちマグ
ネトロンのアノード構体は、第18図に示すように構成さ
れ、アノード円筒21の内周壁側に放射状に複数枚のアノ
ードベイン22、22…が接合固着されている。この場合、
アノード円筒21は銅即ち無酸素銅、或いは銅を主とする
銅合金(単に銅と記す)からなり、軸に沿って平行に延
びる素材両端面合わせ目がレーザ或いは電子ビームのよ
うな高エネルギービームによる溶接で真空気密に接合さ
れている。
この接合部は内、外方に突出することなく形成されて
おり、ビーム溶接部を符号Bで表わしている。
さて、この発明によるマグネトロンアノード構体の製
造方法は、第1図乃至第14図に示すように構成され、第
1図は全体の概略工程を示したもので、各工程の詳細な
説明に入る前に、この概略工程を順次説明する。
即ち、第1図の(a)に示すように、先ず銅からなる
長尺の平板条を所定の長さlに切断して、板厚t1の平板
状素材26を得る。
次に、同図(b)に示すように、平板状素材26を丸め
成形する工程により、円筒部品27を得る。この段階で
は、平板状素材26の両端面23aは完全に密着せず、V字
状隙間S1が残る。
次に、同図(c)に示すように、しごき成形(絞り成
形)工程を経た後、常温まで冷却する。このしごき成形
により、合わせ目23の隙間S2が所定範囲(後述)になる
ようにする。
その後、同図(d)に示すように、脱脂・洗浄を行な
い、円筒部品27全体に付着している加工油や異物を除去
する。この時、合わせ目23には隙間S2があるため、合わ
せ目23の内部も同時に脱脂・洗浄される。
次に、同図(e)に示すように、複数の円筒部品27の
各合わせ目23の位置決めを行ない、一直線状に配置す
る。
次に、同図(f)に示すように、隙間S2をなくすため
に押圧力W1を加え、合わせ目23を密着した状態でレーザ
ビームを照射し、局部的に銅を溶融させて接合した後、
冷却する。それにより合わせ目23が気密接合された円筒
部品27が得られる。
次に、同図(g)に示すように、しごき成形を兼ねた
圧縮成形工程において、円筒部品27に軸方向圧縮力を加
えて塑性変形を生じさせ、開口端に必要な段差32、33を
形成する。これによって肉厚及び真円度が均等化され
る。尚、同図(g)における符号51はポンチ、59は固定
ダイ、61はダイ・アンド・ノックアウトである。
次に、同図(h)に示すように、円筒部品27の開口端
部や内外周面を所定の形状、寸法に切削加工する工程に
移る。この(g)における符号73は切削バイトである。
その後、同図(i)に示すように、円筒部品27の全体
を洗浄する。
最後に、同図(j)に示すように、検査工程に移る。
尚、こうして完成したアノード円筒にアノードベイン
を固着すれば、マグネトロンアノード構体が得られる。
以下、各工程につき詳細に説明する。
先ず、第2図及び第3図に示すように、長尺の銅製平
板条24を所定の長さlとなるようカッター25により切断
して、平板状素材26を得る。この平板状素材26の板厚t1
は、製品であるアノード円筒21の肉厚よりも極く僅か厚
いものであり、長さlはその中立線円周長に対して同等
もしくは極く僅か長い寸法となるように切断され、各面
が基本的に直角に交わる六面体である。
次に、丸め成形工程は、平板状素材26を第4図に示す
ように、数10Kg以上の圧力で一方の芯金ロール31とポリ
ウレタンゴムのような強弾性材からなる外周ロール32と
が噛み合う丸め成形装置の各ロール31、32間に挿入し丸
め成形する。
外周ロール32はショア硬度80〜95度の材質が適当であ
り、これに矢印33の如く回転駆動力が与えられる。芯金
ロール31はアノード円筒21の内径寸法より少し小さい外
径寸法をもつ硬度金属であり、これ自体には回転駆動力
は与えず外周ロール32から伝達される力で自在に矢印34
の如く回転するようになっている。
この丸め成形によって、第5図に示すように平板状素
材26はほぼ円筒状に成形される。この丸め成形で得られ
る円筒部品27は、両端面23a付近は未だ直線状のままで
ある。
尚、第4図のように芯金ロール31の外周に丸まってゆ
く段階で平板状素材26の外周に拘束力を与えれば、第4
図に示すよりも両端面23aの合わせ目付近はもっと真円
に近く成形出来るので、そのようにしても良い。
このように丸め成形で1次加工品即ち円筒部品27を作
るが、その方法は上述の実施例に限定されず、例えば4
方向からのスライド金型で丸め成形しても良い。
次に、しごき(絞り)成形工程について説明する。
この工程は、第6図に示すようにしごき成形装置を用
いて、例えば同図の場合1ストロークで2段の連続しご
き成形を行なう。この装置は、図の上方にポンチ40が上
下動するように配設され、下方に一次加工品即ち円筒部
品27を定位置にするためのガイド41、第1のしごきダイ
42、ガイド43、第2のしごきダイ44、基台45が設置され
ている。ポンチ40の外径寸法d1は完成品アノード円筒21
の内径寸法に略相当し、第1のしごきダイ42の最小内径
d2、第2のしごきダイ44の最小内径d3は順次小さくなる
寸法である。
そして、各ダイの内径d2、d3、ポンチ40の外径寸法d1
は、一次加工品である円筒部品27がポンチ40の外周に嵌
まって各しごきダイを通ることによる肉厚減少率即ち各
しごきダイを通る前の肉厚に対する通過後の肉厚減少分
の比率(以下同じ)が、各々3%以下となる寸法に設定
されている。
尚、ポンチ40にはストッパ部46、47が設けられてい
る。好ましい例としては、第1のしごきダイ42でのしご
き率が約2%、第2のしごきダイ44でのしごき率が約3
%となるように設定されている。そして、先ず図のよう
に円筒部品27がガイド41の内側に置かれ、次にポンチ40
が下降して円筒部品27がポンチ40の外周に嵌まり、スト
ッパ部46で押されて一緒に2個のしごきダイ42、44を1
ストロークで連続的に通り、点線で示す如くしごき成形
品27が得られる。軸方向に僅かにしごかれた肉は、ポン
チ40のもう1つのストッパ部47までの外周に残る。
このしごき成形により第7図に示すように、円筒部品
27の素材両端面の合わせ目23のV字状隙間Gを少しずつ
埋めるように、第7図の(a)に矢印48の如く両側から
素材が塑性流動される。そして順次、同図(b)の如く
中立線まで内周面側から隙間が狭められてゆき、最終的
にV字状隙間Gがなくなって密着させられる。しごき成
形装置から取出した円筒部品27は、素材中に残っている
スプリングバック力で合わせ目23が同図(c)に示す如
く所定寸法(0.03〜0.35mmの範囲)の隙間S2だけ開く。
このしごき成形によって加工品は数10℃以上に高温と
なるので、油冷や自然冷却で室温付近まで冷却する。
尚、このしごき成形は、第6図の装置と方法によること
に限定されず、例えば1ストロークで1段のしごきダイ
を通すしごき成形を2回以上行なっても良いし、或いは
1ストロークで3段以上のしごきダイを連続して通す多
段しごき、或いはこれらの組み合わせによる方法であっ
ても良い。
上記のようなしごき成形後、円筒部品27の脱脂・洗浄
を行ない、円筒部品27の全体に付着している加工油や異
物を除去する。上記しごき成形により、円筒部品27の両
端面合わせ目23が少し開いて、所定寸法(0.03〜0.35mm
の範囲)の隙間S2が生じるので、この隙間S2を利用して
合わせ目23の内部も同時に脱脂・洗浄できる。
次に、複数の円筒部品27の各合わせ目23を一直線上に
位置決めする。この工程で用いる位置決め装置は第8図
乃至第9図に示すように構成され、複数の円筒部品27が
載置される回転自在に一対のローラー11と、このローラ
ー11に載置される各円筒部品27の外周に接触し合わせ目
23をそれぞれ独立に検出して位置決めする複数の位置検
出手段である回動自在の爪12と、この爪12による合わせ
目23の位置決め後に各円筒部品27に対応して設けられ各
円筒部品27をそれぞれ独立に固定するクランパ13とから
なっている。尚、ローラー11の上方には可動自在の一対
の扉14を有する供給機15が配設され、この供給機15には
複数の円筒部品27が貯蔵されている。第8図中の符号16
はモーターである。尚又、センサーは非接触式の位置セ
ンサーであっても良い。
このような位置決め装置により位置決めを行なうに
は、予め供給機15に複数例えば10個の円筒部品27が貯蔵
されているが、この供給機15の扉14が開くと10個の円筒
部品27が2本のローラー11上に供給される。ローラー11
上に10個の円筒部品27が供給されると、爪12が円筒部品
27外周に接触する。ここで、モーター16によりローラー
11を回転駆動すると、10個の円筒部品27全てが回転す
る。この時、爪12の先端12aは円筒部品27の外周を適度
な接触圧力を持って擦る。そして、回転中の円筒部品27
の合わせ目23が爪12の先端12aに引っ掛かると、円筒部
品27は回転を拘束され、合わせ目23は爪12の位置に位置
決めされたことになる。こうして、合わせ目23は位置決
めが行なわれる。
更に、2本のローラー11は回転駆動を続け、位置決め
が完了されていない円筒部品23を回転させる。位置決め
が完了した円筒部品27はローラー11とスリップし、回転
を中止して位置決め状態を保持する。合わせ目23が未検
出の円筒部品27は、位置決めが行なわれるまでローラー
11により回転を続ける。爪12は円筒部品27の個々に対し
て独立に揺動を行なえる構造となっているが、爪12の先
端12aは円筒部品27の軸方向に直線的に配列され、個々
に位置決めされた10個の円筒部品27の合わせ目23は一直
線上に並ぶ。次に、各クランパー13により各円筒部品27
はそれぞれ独立に保持され定される。次に、爪12は円筒
部品27から離れる。
次に、第10図及び第11図に示すように、円筒部品27の
合わせ目23にレーザビーム28を照射して局所的に銅を溶
融させて接合を行ない、気密溶接された円筒部品27を得
る。溶接すべき複数個の円筒部品27、27…は互いに端面
が密着させられた状態で縦列に配置されているので、更
に押え治具49の2つのアーム49a、49bにより押圧力W1
加えて合わせ目23を密着させる。押え治具49は、ストッ
パ面49cにより円筒部品27を過度に押付けないようにな
っている。こうして、各円筒部品27の合わせ目23は、一
直線に並べられ密着させられる。尚、円筒部品27の内側
には溶接時に円筒素材の溶融物が円筒部品内面に不所望
に付着しないように、受皿50が設置されている。
そして第11図の(a)に示すように、レーザビーム28
を円筒部品27の軸z、即ち合わせ目の長手方向の面に対
して斜めに照射する。例えば、軸zに対する垂直線xに
対し、およそ20度の角度θで照射するように設定する。
それによって、レーザビーム28の素材表面で反射したビ
ームがレーザ発振器に戻ってしまうことを防止できる。
従って、発振器の正確なパワーコントロールが保証でき
る。尚、レーザビーム28は、波長が比較的長い炭酸ガス
(CO2)レーザが銅素材の場合、特に好適である。
そこで、レーザビーム28のパワーは、同図の(b)に
示すように、円筒部品27の端面よりも外側でオンし、各
円筒部品27を矢印Rの如く移動する。そして、最初の円
筒部品27の端部aにさしかかった時、レーザパワーを一
時的に大きくし、その後次第に小さくし、この円筒部品
27の後部を溶接する間は一定のパワーを維持するように
コントロールする。そしてレーザビーム28の照射位置が
隣りの円筒部品27の端面bにさしかかった時、再びレー
ザパワーを大きくし、同様にコントロールする。最後の
円筒部品27の端面eを経た後にパワーをオフする。それ
によって、互いに密着させているとはいえ、熱伝導が少
なくて温度が低い後段の円筒部品27の溶接初期の端部付
近も、十分な溶け込みが得られ、合わせ目の全体を完全
に融接することができる。レーザビーム28の焦点Pは、
好ましくは、円筒部品27の合わせ目23の表面から僅かな
寸法Qだけ素材の内部に位置するように照射する。
一例として、銅素材の肉厚が約2mm、直径が38mm、軸
方向長さが28mmの円筒部品27の場合で、CO2レーザのビ
ーム焦点Pの大きさは約0.2乃至0.4mmの範囲の直径、ビ
ーム出力は3〜6kWの範囲、更に、円筒部品27の移動速
度は毎秒5〜10cmの範囲の速度が適当である。合わせ目
23を溶接した各円筒部品27は、その溶接部品で繋がって
しまうが、密着した端面b、c、d…を捩じることによ
り簡単に分離することが出来る。こうして、第12図に示
す溶接状態の円筒部品27が得られる。この接合部Bの横
断面を観察すると、同図に模式的に示すように、外周面
から内周面に連続した溶融層29が認められ、物理的、機
械的に安定な接合層が得られる。尚、図示のように接合
部Bの内、外周には溶接肉により僅かな凸ビード31が生
じる。あるいは、溶接条件や合わせ目23への加圧力の条
件によっては、凹みビードが生じる場合もある。
尚、ビーム溶接に用いる高エネルギービームは、レー
ザに限らず、熱線ビームや電子ビーム等でもよい。レー
ザや熱線ビーム溶接の場合は、円筒素材の酸化及び溶融
接合部(内部)への空気等の巻き込みを防ぐため、真空
又は不活性ガス雰囲中で行なう必要がある。尚又、ビー
ム照射は円筒部品27の内外面のどちらからでもよい。
次に、第13図及び第14図に示す装置及び手順による圧
縮成形工程を経て、第15図に示す両開口端面の内周に所
定形状の円筒状段差32、33を有するアノード円筒27を得
る。
即ち、第13図は成形直前の状態を示し、第14図は成形
終了状態を示している。この圧縮成形装置は、円柱状の
ポンチ51、長尺のダイ52、被成形品であるしごき成形済
みの円筒部品27を案内するガイド53を有している。ポン
51は、所定の外径寸法Dpを有する主要円柱部54を有
し、先端部から円筒部品27の高さ寸法Haよりも大きい高
さ寸法Hbの位置に一体形成された2段のストッパ部55、
56を有している。主要円柱部54の外径寸法Dpは、完成品
アノード円筒21の内径寸法と同等になっている。ストッ
パ部55、56は、主要円柱部54の外径寸法Dpに対して少な
くとも2段階の外径寸法が拡大する円柱部であり、第1
のストッパ部55は後述するように円筒部品27の一方の開
口端部内周の円周状段差32を圧縮成形工程で作るための
段部である。
ガイド53は、円筒部品27をスムースに挿入させるなだ
らかな中央孔57を有している。
被成形円筒部品27の外径寸法をDaとする。又、この状
態で円筒部品27の内部に、ポンチ51の主要円柱部54が緩
く嵌合できる内径寸法になっている。
ダイ52は、装置基台58の上に固定ダイ59が設けられ、
その中心の徐々に内径が僅かに縮小する成形用孔60の底
部に、可動ダイとなるダイ・アンド・ノックアウト61が
押上シリンダ62により上下可能に密嵌合されている。固
体ダイ59の上に、ガイド53が同軸的に設置されている。
この固定ダイ59の成形用孔60の形状と内径寸法Dbは、完
成品アノード円筒21の外周形状と外径寸法を定めるよう
に構成され、且つ被成形円筒部品27の外径寸法Daよりも
僅か小さい寸法となっている。
又、成形用孔60の上端即ちガイド53に面する部分は、
曲面60aになっている。固定ダイ59の底部孔63の内側に
装着されているダイ・アンド・ノックアウト61は、円筒
部品27の下端面を保持してポンチ51と共に拘束して圧縮
成形する。又、これは、成形終了状態の円筒部品27を上
方に押出して、固定ダイ59から外す機能を有している。
そのため、ダイ・アンド・ノックアウト61の上端部に
は、内側にポンチ51の先端部を密に受入れる短い円筒状
の受部64が設けられている。そのため、この受部64の内
径寸法Dsは、ポンチ51の外径寸法Dpと同等か極く僅か大
きい寸法になっている。
受部64の外周には、外径寸法Dtが成形用孔60の内径寸
法Dbと受部64の内径寸法Dsとのほぼ中間の直径寸法を有
し、所定深さの円周状段部65が形成されている。尚、ダ
イ・アンド・ノックアウト61の中心部分には、通気孔61
aが形成されている。また、このダイ・アンド・ノック
アウト61は、圧縮成形時には基台58上に保持され、成形
終了時に押上げシンリダ62により上方に押上げられて円
筒部品27を排除するようになっている。
さて圧縮成形において、被成形円筒部品27は、ポンチ
51の主要円柱部54の外周に嵌められ、第1のストッパ部
55に係止されて下降し、固定ダイ59の成形用孔60に挿入
される。この成形用孔60を通過する間、円筒部品27は軸
方向にしがかれて肉厚が僅かに減少する。同時にこの円
筒部品27は、内外周面がポンチ51及び固定ダイ59によっ
て挾持され拘束されながら、その開口端部の一方がポン
51のストッパ部55で、他方がダイ・アンド・ノックア
ウト61の受部64の間に挾まれ、軸方向の圧縮力を受け
る。
このように円筒部品27は、その内外周面及び両開口端
部がポンチ51及び固定ダイ59によって挾持され拘束され
たうえ、更にポンチ51の下降により素材に塑性流動が生
じ、圧縮成形される。そして、第14図に示すようにポン
51のストッパ部55及びダイ・アンド・ノックアウト61
の受部64が、被成形素材つまり円筒部品27に軸方向に所
定寸法圧入され食い込まされる。
この圧縮成形の完了後、ポンチ51を図の上方に抜くと
共に、押上げシンリダー62を上方に押上げて、第15図に
示す圧縮成形された円筒部品27を取出す。
前述したように、このしごき成形を兼ねた圧縮成形に
より、溶接肉による凸ビードが解消されて全周に均等な
肉厚となり、且つ真円度が向上した円筒部品27が得られ
る。又、ポンチ51のストッパ部55で一方の開口端部に円
周状段差32が、又、ダイ・アンド・ノックアウト61の受
部64で他方の開口端部に円周状段差33が同時に形成され
た円筒部品27が得られる。
上記のような圧縮成形工程を経た円筒部品27は、一方
或いは両方の開口端に、僅かながら余分の素材肉からな
るバリ或いは凹凸状面が生じる。これを切削してアノー
ド円筒として要求される形状に仕上げる。そのため、切
削工程を経る。即ち、第14図に示すように、円筒部品27
をチャックで保持しながら、高速回転を与えて円周方向
の切削加工を施す。切削装置の円筒状ホルダ71の先端に
設けたチャック72に被加工円筒部品27を保持させ、高速
回転させながら、切削バイト73、74で所要形状に切削す
る。このようにして、第17図に示すような端部形状34、
35に、又、内、外周面にテーパ面36、37を形成し、完成
品アノード円筒21を得る。
尚、内、外周のテーパ面36、37は、しごき成形を兼ね
た圧縮成形工程で形成してもよい。そのため、ダイス又
はポンチにテーパ面を設けておけばよい。
最後に、この完成品アノード円筒21の内周壁に、所定
枚数のアノードベイン22をろう接又はビーム溶接などに
より接合・固着すれば、第18図に示すマグネトロンアノ
ード構体が得られる。
以上説明した実施例は、金属円筒部材が銅の場合であ
るが、それに限らずその他の金属材料による所定長さの
円筒部材であってもよい。
[発明の効果] この発明によれば、複数の円筒部品の合わせ目を一直
線上に正確に整列させることが可能となる。更に、処理
能力が高く合わせ目の接合作業の能率を格段に向上させ
ることが出来る。例えばレーザ溶接等による自動接合を
行なうに当っては、合わせ目の高い位置精度での連続整
列は、接合の信頼性を向上させ、高品質を実現する。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第16図はこの発明の一実施例に係る金属円筒
の製造方法を示したもので、第1図は全体の概略工程を
示す斜視図及び断面図、第2図は長尺材料の切断工程を
示す断面図、第3図は平板状素材を示す斜視図、第4図
は丸め成形工程の一例を示す概略断面図、第5図はそれ
により得られる円筒部品の一例を示す横断面図、第6図
はしごき成形工程の一例を示す縦断面図、第7図はしご
き成形工程での円筒部品の各形状例を示す横断面図、第
8図及び第9図は円筒部品の合わせ目の位置決め工程で
用いられる位置決め装置を示す斜視図と側面図、第10図
はビーム溶接工程の一例を示す横断面図、第11図はその
溶接工程を模式的に示す半断面図及びビームパワーのコ
ントロール図、第12図はそれにより得られる円筒部品の
接合部を拡大して示す横断面図、第13図は圧縮成形工程
における成形前の状態を示す縦断面図、第14図は圧縮成
形工程における成形完了状態を示す縦断面図、第15図は
それにより得られる円筒部品を示す半縦断面図、第16図
は切削工程の一例を示す各々要部縦断面図、第17図はそ
れにより得られるアノード円筒を示す半縦断面図、第18
図はこの発明の製造方法により完成したマグネトロンの
アノード構体を示す斜視図、第19図は従来の金属円筒の
製造方法における全体の概略工程を示す斜視図、第20図
は従来の金属円筒の製造装置の例を示す斜視図である。 11……ローラー、12……爪(センサー)、13……クラン
パ、14……扉、15……供給機、21……完成品アノード円
筒、23……合わせ目、26……平板素材、27……円筒部
品、28……レーザビーム、B……溶接部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−72773(JP,A) 特開 平3−207589(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 26/00 B23K 26/10 B21C 37/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平板状の金属素材を丸め成形して円筒部品
    とし、次に得られた円筒部品の複数個の各合わせ目を一
    直線上に位置決めし、この合わせ目に高エネルギービー
    ムを連続的に照射して溶接し、その後、個々に分離して
    金属円筒として用いる金属円筒の製造方法において、 上記各合わせ目を一直線上に位置決めする工程は、上記
    複数の円筒部品を縦列配置すると共に各円筒部品を個々
    に回転させてそれぞれの合わせ目が所定位置に来た時に
    各円筒部品の回転を独立に停止させ、全数の合わせ目を
    一直線上に整列させて保持することを特徴とする金属円
    筒の製造方法。
  2. 【請求項2】平板状金属素材を丸め成形した複数の円筒
    部品が載置される回転自在のローラーと、このローラー
    に載置される上記円筒部品の合わせ目を検出して位置決
    めする複数の位置検出手段と、この位置検出手段による
    合わせ目の位置決め後に上記各円筒部品の個々に対応し
    て設けられ各円筒部品をそれぞれ独立に保持固定するク
    ランパとを具備してなることを特徴とする請求項1記載
    の方法の実施に用いる金属円筒の製造装置。
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