JP2801708B2 - 液晶セル用シール剤組成物 - Google Patents

液晶セル用シール剤組成物

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JP2801708B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は液晶表示素子に用いられ液晶セル製造に際し
て用いられシール剤組成物に関するものである。
(従来の技術) 従来、液晶表示素子に用いられている液晶セルの透明
導電基板としては、ガラス上に酸化スズや酸化インジウ
ム等を蒸着やスパッタリングにより形成したものが用い
られてきた。しかしガラス基板は割れやすいという欠点
を有しているため、薄型化、軽量化、大面積化など近年
液晶表示素子に要求される特徴を十分に満たすことは難
しかった。
そこで、ガラス基板の代わりに透明性を有する高分子
フィルム上に透明導電膜を形成したものを液晶表示素子
の基板として採用することが検討されてきている。
このような状況においてシール剤組成物に係る要求も
ガラス基板を用いる場合とは様相を異にしており、具体
的には以下のことが要求されている。
(1) プラスチックフィルム基板、透明導電膜、透明
導電膜の密着性を向上させるために設けられた下地層等
との密着性に優れていること。
(2) プラスチックフィルム基板の採用のため、製造
工程、液晶セルの使用環境の変化などから、酸化物層が
適度の可とう性を有すること。
(3) 量産化及び作業性の観点から適当な長さのポッ
トライフを有し、また低温速硬化可能であること。
(4) スクリーン印刷性に優れていること。
(5) 耐液晶性に優れていること。
(6) 水蒸気、酸素等が液晶中に侵入することを防止
できること。
(7) 液晶の作動に関して電流値増大の原因になるイ
オン性不純物を含まない硬化物質であること。
(8) シール剤硬化物層に、にじみ出しや気泡残りが
ないこと。
これらの要求に対して従来用いられてきたエポキシ〜
ポリアミン、エポキシ〜ポリアミド系のシール剤では満
足な結果は得られていなかった。
(発明が解決しようとする課題) 本願発明者は、これらの諸要求を満足するため、鋭意
研究を行い、ポリチオール〜エポキシ系の組成物の優れ
ていることを見いだした。しかしながら、シール剤硬化
工程の加熱によるシール剤の粘度低下の結果起こるにじ
み出しや気泡残りのない良好な硬化物層を得るため、加
圧硬化に先立って行われるプリベークを厳密に管理する
必要があるという点で若干難点があるため、鋭意この点
についての改良検討を行い、酸化チタンとして硫酸法酸
化チタンを使用すると優れた改良効果があることを見い
だし、本発明を完成するに至ったものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、液晶セルの製造に用いられるシール剤であ
って、その組成がエポキシ樹脂骨格中にリン酸エステル
基が含まれている液状エポキシ樹脂100重量部に対し
て、ポリチオール系化合物80〜120重量部、硬化促進剤
0.1〜10重量部、無機充填剤10〜300重量部であり、無機
充填剤が酸化チタン及びシリカからなり、酸化チタンが
硫酸法酸化チタンであることを特徴とする液晶セル用シ
ール剤組成物に関するものである。通常の液晶セルにお
いて、シール面は、用いる基板あるいは透明導電膜の密
着性を向上するために設けられた層、及び透明導電膜
(以下ITO膜と略記する)であるが、ITO膜面が親水性表
面のため、リン酸エステル基のないエポキシ系では密着
性とゆう点で若干問題があった。リン酸エステル基はIT
O膜との密着性に寄与するため、リン酸エステルを含有
する液状エポキシ樹脂を使用することにより、シール層
の密着安定性が著しく向上する。
また本発明においてポリチオール化合物としてはエポ
キシ樹脂との相溶性の良好な2個以上の−SH基を含有す
る化合物はすべて使用可能である。具体的には以下のご
とき化合物が単独もしくは併用して用いられる。即ち2,
2′−ジメチルメルカプトジエチルエーテル、ペンタエ
リスリドールβ−チオグリコレート、グリセリンβ−チ
オグルコレート、ソルビトールβ−チオグリコレート、
トリスヒドロキシエチル(βチオグルコール)イソシア
ヌレート、トリスヒドロキシエチル(メルカプトプロピ
ル)イソシアヌレート等である。リン酸エステルを含有
する液状エポキシ樹脂100重量部に対するポリチオール
化合物の添加量は80〜120重量部(好ましくは90〜110重
量部)であり、80重量部未満では硬化物層の可とう性が
低下し、120重量部以上では耐液晶性が低下する。
次に本発明で用いられる硬化促進剤は酸無水物系エポ
キシ樹脂の硬化に際して用いられる促進剤はすべて使用
できるが、2,4,6トリ(ジメチルアミノメチル)フェノ
ールと分子内にエチレン性2重結合を有し且つ−COOH基
を有している化合物との塩が好ましい。シール材のポッ
トライフと速硬化性は相反する特性であるが、2,4,6ト
リ(ジメチルアミノメチル)フェノールと分子内にエチ
レン性2重結合を有し且つ−COOH基を有している化合物
との塩を使用することにより、適当な長さのポットライ
フを保持しつつ、低温速硬化性も実現できる。リン酸エ
ステルを含有する液状エポキシ樹脂100重量部に対する
硬化促進剤の添加量は0.1〜10重量部(好ましくは0.3〜
5重量部)であり、0.1重量部未満では速硬化性が著し
く低下し、10重量部以上では適当なポットライフが得ら
れない。
また印刷性、印刷時のにじみ防止とゆう観点から無機
充填剤の配合は不可欠であり、特に酸化チタン及びシリ
カが好ましい。酸化チタンとして、硫酸法酸化チタンを
用いる加圧硬化に先立って行われるプリベーク工程を厳
密に管理することなく、容易にシャープな直線性を有す
るにじみ出しや気泡残りのない良好な硬化物層を得るこ
とができる。リン酸エステルを含有する液状エポキシ樹
脂100重量部に対する無機充填剤の添加量は10〜300重量
部(好ましくは50〜200重量部)であり、10重量部未満
ではスクリーン印刷性が著しく低下し、300重量部以上
では接着性が著しく低下する。
(実施例) 溶融押し出し法により製膜したポリエーテルスルホン
(以下PESと略記する)フィルムにアンダーコート処理
を施し、高周波マグネトロンスパッタリング装置を用い
て約300オングストロームの厚さにITO膜を形成し、透明
導電基板を作成した。該透明導電膜を6N−HCIでエッチ
ングし、ITO膜のパターニングを行った。次に、イミド
系樹脂により配向膜を形成し、ラビング法により配向処
理を行った。
一方、以下の配合にしたがい、シール剤の主剤及び硬
化剤を3本インクロールを用い混練して得た。
(実施例2) 実施例1において、硬化剤(1)配合組成中のポリチ
オール化合物を2,2′−ジメチルメルカプトジエチルエ
ーテルからトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートβ
マーキャプトプロピオネートに変更した硬化剤(2)を
作成した。
(比較例1) 実施例1において、硫酸法酸化チタンを塩素法酸化チ
タンに変更した主剤(2)及び硬化剤(3)を作成し
た。
上記、主剤(1)〜(2)及び硬化剤(1)〜(3)
を100:90の割合で配合しスクリーン印刷により、印刷幅
0.5mm、印刷厚み20μmになるように、上部フィルム基
板に塗布した。これを、90℃、10〜20分プリベークし、
10μm径のギャップ剤(ポリマービーズ)を散布した下
部基板と重ね合わせ0.5g/cm2で押圧して150℃、3時間
加圧硬化して得たセルのシール仕上がりについて表1に
示す。
表1において、シール仕上がり良好(表中“○”)な
セルのキャビリティ内に、真空注入法により液晶を注入
し、注入口をUV硬化樹脂で封止した。得られた液晶セル
は強固に完全にシールされており、可とう性を有する上
に耐湿熱信頼性に優れた表示体として有用な液晶セルで
あった。
(発明の効果) 得られたシール剤組成物は、加圧硬化に先立って行わ
れるプリベーク工程を厳密に管理することなく、前記諸
用件を完全にクリヤーする優れた硬化シール層を形成す
ることができ好ましい。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶セルの製造に用いられるシール剤であ
    って、その組成がエポキシ樹脂骨格中にリン酸エステル
    基が含まれている液状エポキシ樹脂100重量部に対し
    て、ポリチオール系化合物80〜120重量部、硬化促進剤
    0.1〜10重量部、無機充填剤10〜300重量部であり、無機
    充填剤が酸化チタン及びシリカからなり、酸化チタンが
    硫酸法酸化チタンであることを特徴とする液晶セル用シ
    ール剤組成物。
  2. 【請求項2】硬化促進剤が2、4、6トリ(ジメチルア
    ミノメチル)フェノールと分子内にエチレン性2重結合
    を有し且つ−COOH基を有している化合物との塩である特
    許請求の範囲第1項記載の液晶セル用シール剤組成物。
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JPS62133425A (ja) * 1985-12-06 1987-06-16 Sumitomo Bakelite Co Ltd 液晶セル用シ−ル剤組成物
JPS6310131A (ja) * 1986-07-02 1988-01-16 Sumitomo Bakelite Co Ltd 液晶セル用シ−ル剤組成物

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