JP2800983B2 - アルミニウム合金の表面処理法 - Google Patents

アルミニウム合金の表面処理法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム或いはア
ルミニウム合金(以下、総称して「アルミニウム合金」
と呼ぶ)の表面処理法に関し、特に、塗装下地処理とし
てりん酸亜鉛処理が施される用途、例えば、自動車パネ
ル材の表面処理において、りん酸亜鉛処理性に優れる表
面を付与でき、塗膜密着性を著しく向上し得る表面処理
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルミ
ニウム合金は、軽量化を目的として自動車パネル材など
の自動車部材に採用されつつある。しかし、通常の自動
車塗装ラインの下地処理はりん酸亜鉛処理であって、鋼
材に対しては、塗料の密着性の確保及び耐食性の向上に
効果的であるが、アルミニウム合金に対しては充分な下
地処理とは言えないのが現状である。
【0003】すなわち、通常の自動車塗装ラインにおい
て、塗装の下地処理としてりん酸亜鉛処理が採用されて
いるのは、専ら鋼材用の下地処理のためであるが、自動
車部材に鋼材と共にアルミニウム合金を適用する場合に
は、同じ下地処理によってアルミニウム合金も下地処理
するのが経済的である。しかるに、アルミニウム合金に
この下地処理(りん酸亜鉛処理)を行うと、りん酸亜鉛処
理性がよくなく、したがって、優れた塗膜密着性等が得
られないという問題があった。
【0004】このため、従来より、アルミニウム合金の
りん酸亜鉛処理性を改善しようとする提案がなされてい
る。例えば、特開昭61−157693号には、りん酸
亜鉛処理性を改善するためにアルミニウム合金に亜鉛め
っきを施すことが提案されている。具体的には、亜鉛め
っき層或いは亜鉛系合金めっき層を1g/m2以上の付着
量にて形成するというものである。
【0005】この提案では、亜鉛めっき法を公知の電気
めっき或いは浸漬めっき法により行うもので、通常のめ
っき条件、めっき浴組成でよいとされている。具体例と
しては電気めっき法が示されている。しかし、この電気
めっき法によってもめっき皮膜の密着性が必ずしも充分
とは云えない。
【0006】また、亜鉛めっきの別の方法としては、い
わゆるジンケート処理があるが、以下に示すとおり、2
段のジンケート処理を実施しなければ、めっき皮膜の密
着性が改善されないといわれるものであり、煩雑な工程
を必要とするので、工業的方法としては難点があった。
【0007】(従来のジンケート処理工程)アルカリエ
ッチング→水洗→硝酸洗浄→1段目ジンケート処理→水
洗→硝酸剥離→水洗→2段目ジンケート処理→水洗。な
お、ジンケート処理浴は、通常、NaOH、ZnOにロッ
セル塩等を添加した組成のもので、20〜24℃で、3
0秒浸漬の条件が代表的である。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題点を解決
し、りん酸亜鉛処理性に優れる亜鉛或いは亜鉛合金めっ
き処理を行うに際し、煩雑な工程に頼ることなく、1段
の化学処理でも、アルミニウム合金表面に密着性の優れ
ためっき皮膜を形成し得る処理法を提供することを目的
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者は、アルミニウム合金の亜鉛或いは亜鉛合
金めっき処理法、特に電気めっき法ではめっき皮膜の密
着性が不十分となる原因並びにその対策について鋭意研
究を重ねた結果、電気めっきに先立って特定の処理剤を
用いた化学めっきを行うことにより可能であることを見
い出し、ここに本発明を完成したものである。
【0010】すなわち、本発明は、アルミニウム合金を
電気めっきするに先立ち実施する亜鉛及び亜鉛合金化学
めっきにおいて、ZnOとNaOHを主添加成分とし、更
にX2O・nSiO2(X:Li、Na又はK、n:2以上)で
示される珪酸塩を1種以上を含み、その添加量の合計が
0.5〜30g/lである処理剤を用いることを特徴とす
るめっき皮膜の密着性に優れるアルミニウム合金表面処
理法を要旨とするものである。
【0011】また、他の本発明は、アルミニウム合金を
電気めっきするに先立ち実施する亜鉛及び亜鉛合金化学
めっきにおいて、ZnOとNaOHを主添加成分とし、更
にXO・nSiO2(X:Zn、Sr又はBa、n:1以上)で
示される珪酸塩を1種以上を含み、その添加量の合計が
0.5〜30g/lである処理剤を用いることを特徴とす
るめっき皮膜の密着性に優れるアルミニウム合金表面処
理法を要旨とするものである。
【0012】以下に本発明を更に詳述する。
【0013】
【作用】
【0014】前述の如くりん酸亜鉛処理性の優れた亜鉛
又は亜鉛合金めっきを電気めっき法により行う場合、め
っき皮膜の密着性が不十分であるが、本発明では、電気
めっきに先立って化学めっきにより予め皮膜を形成する
ことにより、電気めっき皮膜の密着性の問題が解決した
ものである。
【0015】但し、この化学めっきでは、特定の処理剤
(めっき浴)を用いる必要がある。すなわち、この処理剤
は、ZnOとNaOHを主添加成分とし、これに更に、X
2O・nSiO2(X:Li、Na又はK、n:2以上)、或い
はXO・nSiO2(X:Zn、Sr又はBa、n:1以上)を
0.5〜30g/l添加しためっき浴である。このめっき
浴を用いた亜鉛めっきは、次に行う電気めっきの下地処
理として有効であり、これらのめっき処理により、アル
ミニウム合金表面に密着性に優れためっき皮膜を形成で
きる。
【0016】この処理剤の成分限定理由は以下のとおり
である。
【0017】ZnOは、アルミニウム合金表面に析出す
る亜鉛の供給源として必須であり、また、NaOHはア
ルミニウム合金を溶解し亜鉛の析出を可能とするための
成分である。これらの主添加成分の添加量は特に制限さ
れるものではないが、それぞれZnOは5〜20g/l、
NaOHは50〜250g/lが好ましい。
【0018】X2O・nSiO2(X:Li、Na又はK、
n:2以上)並びにXO・nSiO2(X:Zn、Sr又はB
a、n:2以上)は、めっき皮膜の密着性を向上するため
に効果的な成分である。これらの1種以上を主添加成分
に添加した処理剤を用いることにより、1段処理が可能
となる。
【0019】X2O・nSiO2(X:Li、Na又はK)にお
いて、nが2未満ではめっき皮膜の均一な析出ができ
ず、密着性が向上しない。また、XがLi、Na及びK以
外の元素では上述の効果が期待できない。
【0020】また、XO・nSiO2(X:Zn、Sr又はB
a)において、nが1未満ではめっき皮膜の密着性向上効
果が得られない。また、XがZn、Sr及びBa以外の元
素では上述の効果が期待できない。
【0021】X2O・nSiO2又はXO・nSiO2の珪酸
塩の総添加量が0.5g/l未満では密着性の向上効果が
充分でなく、また30g/lを超えると密着性の向上効果
が飽和すると共にめっき皮膜の析出速度が低下するので
好ましくない。よって、珪酸塩の総添加量は0.5〜3
0g/lの範囲とする。
【0022】勿論、亜鉛合金めっきの場合には、適当な
合金元素を添加することができる。
【0023】なお、この処理剤を用いて行う亜鉛めっき
及び亜鉛合金化学めっきの他の条件は、適宜決められる
もので、特に制限されない。
【0024】このような処理剤を用いて亜鉛及び亜鉛合
金化学めっきを行うことにより、アルミニウム合金表面
に珪酸塩を含む亜鉛及び亜鉛合金層のめっき皮膜が形成
される。例えばZn−Fe、Zn−Ni或いはZn−Fe−N
i皮膜が得られる。
【0025】この化学めっきの後、電気めっきを行う
が、化学めっきによる下地処理によって密着性の優れた
めっき皮膜が既に形成されているので、その皮膜上に形
成される電気めっき皮膜も密着性に優れるものが得られ
る。電気めっきは適当な方法で行えばよく、その条件も
制限されない。例えば、前述の特開昭61−15769
3号に示される方法も可能である。
【0026】本発明において、アルミニウム合金の成分
系に制限がなく、Al−Mg系、Al−Cu系、Al−Zn
系、Al−Si−Mg系、Al−Mg−Cu系等々、種々の成
分系及び組成のものが可能である。勿論、化学めっき及
びその後の電気めっき後に下地処理として適用するりん
酸亜鉛処理を通常の条件で実施できる。
【0027】次に本発明の実施例を示す。
【0028】
【実施例】JIS6061合金、5182合金の供試材
について、常法により脱脂→アルカリエッチング→水洗
→硝酸洗浄の後、
【表1】 に示す組成の処理浴を用いて亜鉛化学めっき処理を行っ
た。処理浴温度は35℃、処理時間は50秒である。
【0029】その後、更に電気めっきを実施した。電気
めっきに用いた浴組成は、
【化1】 Fe2+50g/、
【化2】 Zn2+20g/ であり、浴pHは3、電流密度は40A/dm2である。
【0030】化学めっき及び電気めっきの各めっき皮膜
の密着性並びにりん酸亜鉛処理性を調査した結果を表1
に併記する。なお、めっき皮膜の密着性はセロテープ剥
離試験により評価し、りん酸亜鉛処理性は市販のりん酸
亜鉛処理浴で処理し皮膜量を測定して評価した。
【0031】表1より明らかなように、本発明例はいず
れも、化学めっき皮膜の密着性に優れると同時に電気め
っき皮膜の密着性も優れており、したがって、りん酸亜
鉛処理性が優れている。
【0032】これに対し、添加剤なしの場合(No.14)
は各めっき皮膜の密着性が共に劣っており、添加剤が少
ない場合(No.15、No.17)も各めっき皮膜の密着性
の改善効果がない。一方、添加剤が多すぎると(No.1
6、No.18)、化学めっき皮膜の密着性は良好である
ものの、皮膜生成速度が遅い。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
亜鉛及び亜鉛合金化学めっき処理の1段処理でも、優れ
ためっき皮膜密着性が得られるので、その後の電気めっ
きの下地処理として適しており、電気めっき皮膜との総
合皮膜の密着性を優れたものとすることができる。この
ため、りん酸亜鉛処理を下地処理として施す自動車部材
用アルミニウム合金の表面処理用として有効である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金に対し実施する亜鉛及
    び亜鉛合金化学めっきにおいて、ZnOとNaOHを主
    添加成分とし、更にXO・nSiO(X:Li、N
    a又はK、n:2以上)で示される珪酸塩を1種以上を
    含み、その添加量の合計が0.5〜30g/1である処
    理剤を用い、その化学めっきの後、更に電気めっきを施
    ことを特徴とするめっき皮膜の密着性に優れるアルミ
    ニウム合金表面処理法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム合金に対し実施する亜鉛及
    び亜鉛合金化学めっきにおいて、ZnOとNaOHを主
    添加成分とし、更にXO・nSiO(X:Zn、Sr
    又はBa、n:1以上)で示される珪酸塩を1種以上を
    含み、その添加量の合計が0.5〜30g/1である処
    理剤を用い、その化学めっきの後、更に電気めっきを施
    ことを特徴とするめっき皮膜の密着性に優れるアルミ
    ニウム合金表面処理法。
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