JP2798261B2 - 紫外線硬化型ポリカーボネート樹脂被覆用組成物および表面特性を改質した硬化被膜を有するプラスチック成形品の製造方法 - Google Patents

紫外線硬化型ポリカーボネート樹脂被覆用組成物および表面特性を改質した硬化被膜を有するプラスチック成形品の製造方法

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JP2798261B2
JP2798261B2 JP1045321A JP4532189A JP2798261B2 JP 2798261 B2 JP2798261 B2 JP 2798261B2 JP 1045321 A JP1045321 A JP 1045321A JP 4532189 A JP4532189 A JP 4532189A JP 2798261 B2 JP2798261 B2 JP 2798261B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れた耐擦傷性、耐候性を有する硬化被膜
を与えるポリカーボネート樹脂用紫外線硬化型被覆用組
成物、並びに該被覆用組成物をポリカーボネート樹脂成
形品上で硬化させることにより得られる耐擦傷性、耐候
性および表面平滑性等の表面特性を改質した硬化被膜を
有するポリカーボネート樹脂成形品の製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
ポリカーボネート樹脂等のプラスチック成形品は、ガ
ラス製品に比べて軽量で耐衝撃性に優れているばかりで
なく、安価で成形加工が容易であるなどの種々の利点を
有しており、これらの利点を活かして種々の分野で利用
されている。
しかしながら、ポリカーボネート樹脂成形品は表面硬
度が不足しているため、成形品の輸送中、部品の取付時
あるいは使用中に他の物体との接触、衝撃、引っかきな
どの作用によって表面が損傷を受け、製品歩留が低下し
たり、美観が損なわれたりする。特に成形品の用途がカ
メラ・虫メガネなどの光学用レンズ、ファッショングラ
ス、サングラス、矯正レンズなどの眼鏡用レンズ、窓ガ
ラスなどの場合には、その表面に発生する損傷は商品価
値を著しく低下させたり、短期間で使用不能となるの
で、これらのポリカーボネート樹脂成形品表面の表面硬
度を改良することが強く要求されている。
また、ポリカーボネート樹脂は一般に光によって変質
されやすく、屋外や蛍光灯の下などの光に曝される条件
下で長時間放置すると、黄変、くもりなどの帯色や変色
するいわゆる耐候性が悪いという欠点がある。これら帯
色や変色の原因は紫外線であるといわれている。
ポリカーボネート樹脂を含むプラスチック成形品の基
材樹脂の耐擦傷性や耐候性などの表面特性の改質や基材
樹脂の保護を行なうために、これら基材樹脂の表面に紫
外線によって硬化する被膜を形成する方法が従来よりと
られている。
最も一般的な方法の1つに、例えば特開昭53−10293
6、同53−104638、同54−97633号公報に記載されている
ように、分子中に複数の(メタ)アクリロイルオキシ基
を有する化合物を成形品に塗布し空気中にて硬化させ、
耐擦傷性の優れたプラスチック成形品を得る方法があ
る。また、この様な製造法において光硬化型被覆用組成
物中に紫外線吸収剤を混入することにより耐候性を付与
したり(特開昭56−86847、同56−12284、同56−12763
5、同56−141309号公報)、表面平滑性を改良するため
に界面活性剤を混入する方法(特開昭55−98265、同56
−861号公報)等が一般的に行なわれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、硬化被膜への紫外線吸収剤の添加は、基
材樹脂を有害な紫外線から保護し、耐候性を向上させる
ために必要不可欠である。しかし、紫外線を用いて硬化
させる方法では、次のような問題点、すなわち、(イ)
改良された耐候性を付与するためには大量の紫外線吸収
剤を混入することが望ましいが、一般に、使用される紫
外線吸収剤と光重合開始剤の紫外線吸収波長がほぼ一致
しているため、紫外線吸収剤を大量に混入した場合に
は、硬化に必要な紫外線まで紫外線吸収剤が吸収してし
まい、硬化不足やそれ硬度不足、硬化時のシワの発生、
密着不足等を招き、最悪の場合には全く硬化できなかっ
たり、(ロ)空気中で硬化させるので、空気中の埃、粉
塵に起因するブツや塗布工程中に発生する流れ模様など
の表面欠陥が生じやすく、また、(ハ)空気中で硬化さ
せるので、空気中で硬化可能な被覆用組成物を用いる必
要があり、紫外線硬化型被覆用組成物に使用する架橋重
合性化合物が必然的に制約をうけたり、また、紫外線に
よる硬化の際に酸素による重合阻害を受け、被膜中に過
酸化物が生成し被膜の耐候性を損ねやすいといった問題
があった。
一方、合成樹脂板や成形品に同様な表面保護被膜を設
ける方法としては、特公昭49−22951、同49−36829、同
49−36830、同54−14617、同56−53488号公報に記載さ
れているように、鋳型成形面に分子中に複数の(メタ)
アクリロイルオキシ基を有する化合物よりなる被覆用組
成物を塗布し、硬化させて耐擦傷性被膜を予め形成させ
た後、合成樹脂基材の原料となる重合性組成物を鋳型に
注入して重合し、耐擦傷性の硬化被膜を基材樹脂側に転
写させる耐擦傷性に優れた合成樹脂成形品の製造法や、
特開昭47−30730、特公昭51−39662号公報に記載されて
いるような基材樹脂表面に形成した塗膜層に平滑面や模
様を施した中空ロールやフィルム状物を密圧着して紫外
線等の光若しくは放射線を照射して塗膜層を硬化させ表
面光沢や模様を有する被膜を形成する方法も知られてい
る。
これらの製造法は、品質の安定性、生産性等に極めて
優れている上、製品の表面となる面が被膜形成過程中に
おいて鋳型やフィルム状物の面にて固定されているの
で、上述した(ロ)のような表面欠陥を生じにくい。さ
らにこれらの方法は、被覆用組成物を硬化させる際、実
質的に空気が遮断されており、空気中の酸素による重合
阻害を受けないので上述した(ハ)のような制約がない
という大きな利点がある。
しかし、このような製法では鋳型の損傷、変形等が生
じた場合には、製品の歩留りを著しく低減させ、また、
これらの製法では前記(イ)のような最も大きな問題点
が解決されずに残ったままである。
すなわち、従来の製法を用いる限りにおいては、硬化
被膜に十分な硬度、密着性を付与するためには、紫外線
硬化型被覆用組成物中への紫外線吸収剤の添加量は必然
的に制約される。従って耐候性もおのずと限界が生じる
ものも必然であった。
本発明の目的は、比較的多量の紫外線吸収剤を含むに
もかかわらず、硬化不足に伴う硬度不足、密着力不足の
ない被膜を与えることのできる紫外線硬化型ポリカーボ
ネート樹脂被覆用組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、耐候性、耐擦傷性に優れ、かつ
表面欠陥の少ない硬化被膜を有するポリカーボネート樹
脂成形品の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、(A)1,4−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレートおよび1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレートの少なくとも一種を必須成分とす
る、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基またはメ
タクリロイルオキシ基を有する架橋重合性化合物(a−
1)50〜100重量%と、該化合物(a−1)と共重合可
能な他の化合物(a−2)0〜50重量%とからなる光重
合性組成物100重量部、(B)下記一般式(I) (R1、R2、R3はそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキ
ル基若しくはオキシアルキル基、フェニル基、置換フェ
ニル基、ベンジル基または置換ベンジル基を示す。)で
表わされる365〜400nmに増感波長のピークを有する光重
合開始剤(b−1)を含む光重合開始剤0.02〜10重量
部、および(C)紫外線吸収剤0.1〜15重量部を主成分
として含有してなる紫外線硬化型ポリカーボネート樹脂
被覆用組成物である。
また、もう一つの本発明は、前記紫外線硬化型ポリカ
ーボネート樹脂被覆用組成物を、ポリカーボネート樹脂
成形品と合成樹脂フィルムとの間にはさみ込み、圧着し
た後、該被覆用組成物に紫外線を照射し、硬化させた
後、合成樹脂フィルムを硬化被膜から剥離させることを
特徴とする表面特性を改質した硬化被膜を有するプラス
チック成形品の製造方法である。
〔作用〕
本発明で使用される光重合性組成物(A)は、1,4−
ブタンジオールジ(メタ)アクリレートおよび1,6−ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレートの少なくとも一
種を必須成分とする、分子中に少なくとも2個以上のア
クリロイルオキシ基(CH2=CH−COO−)またはメタクリ
ロイルオキシ基(CH2=CCH3−COO−)(以下、(メタ)
アクリロイルオキシ基と称記する)を有する架橋重合性
化合物(a−1)50〜100重量%と、該化合物(a−
1)と共重合可能な他の化合物(a−2)0〜50重量%
よりなるもので、紫外線にて硬化可能であれば特に限定
されないが、その選択にあたっては耐擦傷性、耐候性、
耐薬品性を十分考慮する必要がある。
分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を
有する架橋重合性化合物(a−1)の例としては、
(1)多価アルコールと(メタ)アクリル酸またはそれ
らの誘導体とから得られるポリ(メタ)アクリレート、
(2)多価アルコールと、多価カルボン酸と、(メタ)
アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られる飽和若
しくは不飽和ポリエステルのポリ(メタ)アクリレー
ト、および(3)ポリイソシアネートと活性水素及び
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物とから得
られるウレタンポリ(メタ)アクリレートが挙げられ
る。ここで使用される多価アルコールとしては、例えば
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、平均分子
量が約300〜約1000のポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2
−エチルヘキシル−1,3−ヘキサンジオール、2,2′−チ
オジエタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの
ような2価のアルコール;トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、ペンタグリセロール、グリセロー
ル、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオ
ールのような3価のアルコール;ペンタエリスリトー
ル、ジグリセロール、ジペンタエリスリトールのような
4価以上のアルコールが挙げられる。
また、多価カルボン酸としては、好ましくはジカルボ
ン酸が用いられ、その具体例としては、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪
族ジカルボン酸;テトラヒドロフタル酸、3,6−エンド
メチレンテトラヒドロフタル酸などの脂環族ジカルボン
酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸;チオジグリコール酸;チオジバレリン
酸;ジグリコール酸;あるいはマレイン酸、フマル酸、
イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸が挙げられ、これ
らの塩化物、無水物またはエステルを用いることもでき
る。
上記ポリ(メタ)アクリレート(1)の具体例として
は、2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するもの
としては、必須成分である1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレートおよび1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート以外にジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレートが挙げられる。また、3個以上の(メタ)ア
クリロイルオキシ基を有するものとしては、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロー
ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリ
レート、次の一般式(II) (式中、nは1〜4の正の整数であり、Xは少なくとも
3個以上がCH2=CR1−CO(O−R2−CO)mO−(mは0〜
2の整数、R1は水素またはメチル基、R2は炭素数1〜6
のアルキレン基)であり、残りは−OH基である。) で示される化合物、例えばジペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペ
ンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトー
ルヘプタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記ポリエステルポリ(メタ)アクリレート(2)
は、基本的には多価アルコールのヒドロキシル基と多価
カルボン酸および(メタ)アクリル酸両者のカルボキシ
ル基とが最終的には当量となるような混合物を反応させ
ることによって得られる化合物である。
好ましいポリエステルポリ(メタ)アクリレート
(2)としては、多価アルコールとして2価のアルコー
ル、3価のアルコールまたは2価のアルコールと3価の
アルコールの混合物を用い、多価カルボン酸として2価
カルボン酸を用いて得られたものがあげられる。2価の
アルコールと3価のアルコールの混合物を用いる場合、
2価のアルコールと3価のアルコールとのモル比は任意
に選ぶことができる。また、2価カルボン酸と(メタ)
アクリル酸とのモル比は、2価カルボン酸のカルボキシ
ル基と(メタ)アクリル酸のカルボキシル基との当量比
が2:1〜0:1の範囲であることが好ましい。2価カルボン
酸が上記の範囲より過剰の場合には、生成するポリエス
テルポリ(メタ)アクリレートの粘度が高くなりすぎて
塗膜の形成が困難になりやすい。
前記ウレタンポリ(メタ)アクリレート(3)の具体
例としては、トリメチロールプロパントルイレンジイソ
シアネートまたは下記一般式(III) (Rは炭素数1〜10のアルキレン基、フェニレン基、置
換フェニレン基、またはジフェニレン基を表わす) で示されるポリイソシアネートと活性水素および(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(例えば2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3
−プロピル(メタ)アクリレートおよびN−メチロール
(メタ)アクリルアミド等)とをイソシアネート化合物
1モルあたり、2モル以上を常法により反応させて得ら
れる化合物(i)、例えばトリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレートもしく
はジ(メタ)アクリレート、ジ(2−ヒドロキシエチ
ル)モノ(2−ヒドロキシヘプタン)イソシアヌル酸の
トリ(メタ)アクリレートもしくはジ(メタ)アクリレ
ート、および下記一般式(IV) (R1は(メタ)アクリロイルオキシ基、R2は水素または
メチル基、R3はフェニレン基、置換フェニレン基または
炭素数2〜6のメチレン基、Qは一般式 C4H8OまたはCH2 −CO−OCH2 nCO−O
CH2 (ここでm、nはそれぞれ1〜8の整
数、yは0〜10の整数を示す)を表わす)で示される化
合物(ii)が挙げられる。
架橋合性化合物(a−1)は、1,4−ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレートおよび1,6−ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレートのいずれかを単独で用いてもよ
いが、これら以外のものと2種以上組合わせて使用する
ことが好ましい。すなわち、上記化合物(a−1)の中
でも、(メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上有する
化合物は、硬化被膜に耐擦傷性、耐薬品性を付与する成
分として有用であり、このような(メタ)アクリロイル
オキシ基を3個以上有する化合物が架橋重合性化合物
(a−1)の一部を構成していることが好ましい。一
方、上記化合物(a−1)の中でも、(メタ)アクリロ
イルオキシ基を2個有する化合物は、硬化被膜に密着
性、可撓性を付与する成分として有用であり、同様に架
橋重合性化合物(a−1)の一部を構成していることが
好ましい。特に、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個
または3個有する化合物で、20℃における粘度が150cp
以下の化合物は、紫外線硬化型被覆用組成物の粘度を低
下させ、硬化被膜の表面欠陥を低下させる上で有効であ
る。
架橋重合性化合物(a−1)は、(メタ)アクリロイ
ルオキシ基を2個以上有し、20℃での粘度が150cpを超
える化合物0〜75重量%と(メタ)アクリロイルオキシ
基を2個または3個有する化合物で20℃での粘度が150c
p以下の化合物25〜100重量%との組合せであることが最
も好ましい。
本発明で用いられる架橋重合性化合物(a−1)と共
重合可能な他の化合物(a−2)としては、分子中に1
個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物;ス
チレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル化合物が挙げられる。特に好ましい化合物(a−
2)は、分子中に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基
を有する化合物、例えばメチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート、i
−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、
トリデシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、グリシジルアクリレート、テ
トラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレ
ート、1,4−ブチレングリコールモノアクリレート、エ
トキシエチルアクリレート、エチルカルビトールアクリ
レート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレ
ート、アクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリル
アミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒ
ドロキシプロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシブチ
ルアクリルアミド、ヒドロキシメチルジアセトンアクリ
ルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリル
アミド等、一般式X−(OC2H4−O−RまたはX−
(OC2H4)−OCO−R(但し、Xは(メタ)アクリロイル
オキシ基を示し、n=1〜10、Rはアルキル基、置換ア
ルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基ま
たは置換ベンジル基を示す)で示されるモノ(メタ)ア
クリレート、例えばメトキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオ
キシエチルハイドロゲンフタレート、β−(メタ)アク
リロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、β−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンサク
シネート等;及び各種公知のエポキシ(メタ)アクリレ
ート;ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明で用いられる光重合開始剤(B)は、365〜400
nmに増感波長のピークを有する下記一般式(I) (R1、R2、R3はそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキ
ル基若しくはオキシアルキル基、フェニル基、置換フェ
ニル基、ベンジル基または置換ベンジル基を示す。)で
表わされるアシロフォスフィンオキサイド系の光重合開
始剤(b−1)を含む必要があり、この光重合開始剤
(b−1)を用いることにより、光重合性被覆用組成物
中に比較的多量の紫外線吸収剤を添加しても良好に硬化
できるという本発明の硬化が発揮される。
アシロフォスフィンオキサイド系の光重合開始剤の中
でもR1、R2およびR3がそれぞれ独立して炭素数1〜8の
オキシアルキル基、フェニル基、または置換フェニル基
のものが好ましく、特に好ましいものの具体例として
は、例えばトリメチルベンゾイルジフェニルホスフィン
オキサイド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイ
ド等が挙げられる。
本発明において、光重合開始剤(B)は、光重合性組
成物(A)100重量部に対して、0.02〜10重量部の範囲
で使用される。このうち、光重合開始剤(b−1)は、
通常0.01〜7重量部の添加量で用いられ、過剰量添加す
ると硬化後の帯色性、クラックの発生、耐候性の低下を
招く場合があるので好ましくない。また、添加量が余り
に少なすぎると、硬化不良、硬化後の被膜の硬度不足、
硬化被膜の密着性不良を招く場合があるので好ましくな
い。なお、本発明においては、開始剤(b−1)に加
え、増感波長のピークが200nm〜365(未満)nmにある光
重合開始剤(b−2)を併用することが好ましい。2個
の光重合開始剤を併用することにより、より改良された
表面硬度を有する硬化被膜を得ることができる。
光重合開始剤(b−2)としては、例えばベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブ
チルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、
ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメト
キシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグ
リオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,
4′−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ンなどのカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノ
スルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの
硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物;ベン
ゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド
などのパーオキサイド化合物などが挙げられる。
光重合開始剤(b−2)の添加量は、光重合性組成物
(A)100重量部に対して6重量部までの量で配合され
るのが適当である。なお、光重合開始剤(b−2)は、
光重合開始剤(b−1)≧光重合開始剤(b−2)の重
量関係で配合されることが好ましい。光重合開始剤は光
エネルギーを吸収し重合反応を開始させるものである
が、種類ごとにある狭い波長領域の光エネルギーを特に
吸収しやすい性質をもっている。この波長領域は一般に
吸収帯と呼ばれ、その中で最も吸収する波長を最大吸収
波長と言い、それらは、吸収スペクトルを調べることに
よって知ることができる。
吸収スペクトルは光重合開始剤をエタノール、クロロ
ホルム、ヘキサン等の有機溶剤100mlに光重合開始剤を
0.1〜100mg程度溶解した溶液に分光光度計を用いる常法
によって測定できる。吸収スペクトルによって調べられ
る吸収帯は1つまたは複数ピークとなって現われ、これ
らのピークの中で最も吸収の大きい吸収を示す波長が最
大吸収波長である。本発明にいう増感波長のピークとは
その吸収帯の最大吸収波長をいう。
本発明に用いられる紫外線吸収剤(C)は、特に限定
されず、高分子用光安定剤に類するものも含まれ、光重
合性組成物中に何かしらの方法で均一に溶解しうるもの
であれば使用することができる。しかし本発明に対する
良好な溶解性と耐候性という観点からすれば、ベンゾフ
ェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル
系、または安息香酸フェニル系から誘導された化合物
で、それらの最大吸収波長が240nm〜370nmの範囲にある
ものが好ましい。これら紫外線吸収剤は単独で用いても
よいし、2種以上、それも上記以外の種類の光安定剤と
併用しても差しつかえない。例えば、これら紫外線吸収
剤にヒンダードアミン系光安定剤を併用すると効果的で
ある。
これら紫外線吸収剤の具体例としては、2−ヒドロキ
シベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾ
フェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロ
キシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒ
ドロキシ−4,4−ジメトキシベンゾフェノン、フェニル
サリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、
p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニルサリシ
レート、3−ヒドロキシフェニルベンゾエート、フェニ
レン−1,3−ジベンゾエート、2−(2−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−
ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−
t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−
ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
これら紫外線吸収剤(C)の添加量は、ポリカーボネ
ート樹脂成形品を有害な光線から保護し良好な耐候性を
付与できうる量でなければならず、それは被膜の膜厚に
依存するところが大きい。通常、紫外線吸収剤(C)の
添加量は、光重合性組成物(A)100重量部に対して0.1
〜15重量部である。
硬化被膜に良好な耐候性を付与するには、光重合性組
成物(A)100gに対する添加紫外線吸収剤(C)のモル
量x[mol/100g]と、硬化被膜の膜厚d[μm]との関
係が下式を満足することが望ましい。
0.07≦x・d≦0.58 x・dが0.07より小さい場合は被膜が有害光線を十分
カットできず、黄変やくもりを生じやすくなり良好なる
耐候性を得にくい。また、0.58より大きくても、被膜に
クラックが生じたり、十分な密着性や耐擦傷性が得られ
ないなど、他の物性に大きく影響を及ぼすので好ましく
ない。
紫外線吸収剤(C)のより好ましい添加量は、光重合
性組成物100gに対し0.001モルから0.045モルの範囲であ
る。0.001モル未満だと上記式の条件を満たしていても
膜厚が厚くなりすぎてクラックやワレの原因となりやす
く、また0.045モルを超えると逆に膜厚が薄くなりすぎ
て良好な耐候性が得にくい。
本発明においては、上記光重合性組成物(A)、光重
合開始剤(B)、紫外線吸収剤(C)が紫外線硬化型ポ
リカーボネート樹脂被覆用組成物の必須成分であるが、
この他に必要に応じてシリカ、酸化チタン、酸化アルミ
ニウム等の無機顔料からなる微粒子、乳化重合や懸濁重
合から重合される架橋重合体または架橋共重合体よりな
る有機微粒子、さらに酸化防止剤、重合禁止剤などの安
定剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔
料分散剤、帯電防止剤、防曇剤、艶消剤、艶出剤など適
宜少量添加してもよい。
また、基材にスプレー、はけ塗り、浸漬法、ロールコ
ーター等で塗布する際、塗工しやすくしたり、レベリン
グ効果をもたせるための希釈剤として有機溶剤を適宜用
いても差しつかえない。この場合使用できる有機溶剤
は、光硬化型被覆用組成物とよく混合し、常圧での沸点
が50℃以上200℃以下のもので常温での粘度が10c.p以下
のものが好ましい。具体的には、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノ
ール、n−ブタノールなどのアルコール類、ベンゼン、
トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化
水素、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、
その他ジオキサン、酢酸エチル、酢酸、n−ブチル、エ
チルセロソルブ、プロピオン酸などを用いることができ
る。
本発明の表面特性を改質した硬化被膜を有するポリカ
ーボネート樹脂成形品の製造方法は、上記紫外線硬化型
ポリカーボネート樹脂被覆用組成物を、ポリカーボネー
ト樹脂成形品と合成樹脂フィルムとの間にはさみ込み、
圧着した後、該被覆用組成物に紫外線を照射し、硬化さ
せた後、合成樹脂フィルムを硬化被覆から剥離させるこ
とによって実施される。
本発明方法に用いる合成樹脂フィルムとしては、特に
限定されないが、被覆用組成物の性質や、製品の品質な
どを十分考慮して選択するのが好ましい。例えばポリプ
ロピレンフィルムのような酸素透過率の高いフィルムを
使用すると、フィルムを透過してきた酸素によって重合
が阻害され被覆用組成物を硬化できない場合がある。ま
た、本発明の方法においては合成樹脂フィルムの表面が
被膜の表面を形成するため、表面の微細な平滑性を重視
する場合などには、特にフィルムの選択には注意を要す
る。しかしながら、逆に適切な合成樹脂フィルムを選択
すると、大きな利点がもたらされる。例えば酸素透過性
が小さくかつ表面に微細な凹凸の少ないフィルム、例え
ばポリエステルフィルムやトリアセテートフィルムを用
いれば、硬化時に実質的に空気中の酸素を遮断できるの
で、嫌気性の被覆用組成物の硬化も可能であるし、過酸
化物の生成による被膜自体の耐候性の低下を防ぐことも
可能である。さらに硬化時、被覆用組成物が合成樹脂フ
ィルムにて固定されているため流れ模様やブツ、ナミハ
ダなど埃やレベリングに起因する外観上の欠陥もほとん
ど阻止できる。
この合成樹脂フィルムの厚みは5〜300μm、好まし
くは10〜200μmがよく、10μmより薄いと合成樹脂フ
ィルムのうねりやたわみが被膜の外観を損ねやすく、ま
た200μmより厚いと被膜の膜厚の調整が困難になる。
合成樹脂フィルムと基材樹脂の間に被覆用組成物をは
さみ込み密圧着せしめる方法としては、プレスロール、
しごき棒、ハケ、ヘラなどを用いて被膜の膜厚が均一に
なるように密圧着できればいかなる方法を用いてもよ
く、合成樹脂フィルムや基材樹脂の特性、使用する被覆
用組成物、生産性などを考慮し最も適した方法を選べば
よい。
この被膜の厚みは得られる製品に要求される性能によ
って異なるが、硬化した被膜として1〜100μm好まし
くは2〜50μmが好ましい。2μm未満では十分な耐候
性、硬度を得るのが難しく、また50μmを超えると密着
不足やクラック発生の原因となりやすい。
紫外線の照射源としては蛍光ケミカルランプ、メタル
ハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、アーク灯
などが挙げられる。紫外線は強すぎたり、照射時間が長
すぎたりすると合成樹脂フィルムの剥離が困難になる場
合があるので適当な強さに調整して使用しなければなら
ない。通常、紫外線は、合成樹脂フィルム面から照射し
て、被覆用組成物を硬化させるのが好ましい。
〔実施例〕
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、実施例中の測定、評価は次に示す方法で行った。
1)耐擦傷性 #000スチールウールを25mmφ円形パッドに装着し、
往復式摩耗試験機台上に保持された試料表面に、このパ
ッドを置いて荷重1000g下で100回往復擦傷した。この試
料を洗浄した後、ヘーズメーターで曇価を測定した。耐
擦傷性(α)は、α=(擦傷後曇価)−(擦傷前曇価)
で示した。
2)被膜の密着性 サンプルをカミソリの刃で1mm間隔に縦・横11本ずつ
切り目を入れて100個のゴバン目をつくり、市販セロハ
ンテープをよく密着させた後、急激に剥がした時、被膜
が剥離せずに残存したます目数(x)をx/100で表示す
る。
3)外観 帯色、ブツ、クラック、くもりなどの欠陥について目
視にて判定し、次のように評価した。
○ 特に目立った欠陥なし △ ΔYI値として4.0以上の黄帯色またはわずかにク
ラック、くもりなどの発生がみられる × 外観をきわめて損ねたもの 4)耐候性試験 Q.U.V加速曝露試験機(accelerated Weathering Test
er;Q−Panel社製)を用いて、曝露条件として照射時63
℃,dry 6 hr/暗黒wet,45℃,6hrのサイクルで合計1000、
1500または2000時間暴露した。
なお、Q.U.V促進加速曝露試験はASTM G53−84に規定
された「非金属材料の光及び水曝露試験」で蛍光紫外線
ランプの照射過程と水の凝縮過程を繰り返すプラスチッ
クの劣化促進試験で、耐候性の評価に用いられるもので
ある。
実施例1 C6−DA(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、20
℃での粘度25cp)60重量部TAS(コハク酸/トリメチロ
ールエタン/アクリル酸のモル比1/2/4の縮合物、20で
の粘度3000〜5000cp)40重量部APO(トリメチルベンゾ
イルジフェニルフォスフィンオキサイド)2.0重量部チ
ヌビン−PS(紫外線吸収剤、チバガイギー社製、分子量
276)6.0重量部よりなる光重合性被覆用組成物を調製
し、これを厚さ1mmのポリカーボネート板(ダイヤライ
ト、商品名、三菱レイヨン(株)製)に塗布し、その上
からポリエステルフィルム(ダイヤホイル(株)製、厚
さ50μm)をかぶせながら、スポンジロールを用いて密
圧着し、塗膜の厚みが約7μmになるようによくしごい
た。次いで照射巾13cmに調整された120W/cmのメタルハ
ライドランプ下(平行型リフレクター付、オゾンレスタ
イプ、被射体との距離30cm)を2.0m/minのスピードで、
かつポリエステルフィルム面から照射されるように通過
させた。次いでポリエステルフィルムのみを剥離し、更
に120W/cmの高圧水銀灯(平行型リフレクター付、オゾ
ンタイプ、照射巾13cm、被射体とランプの距離30cm)下
を2m/minの速度で通過させ、表面硬化被膜を有する樹脂
板を得た。
こうして得られた樹脂板の硬度、密着性、外観および
Q.U.V加速曝露試験後の密着性、外観について評価し
た。第1表にその結果を示した。
実施例2〜6 第1表に示す光重合性被覆用組成物について実施例1
と全く同様の方法で、厚さ1mmのポリカーボネート板上
に表面保護用の硬化被膜を形成し、被膜の性能を評価
し、得られた結果を第1表に示した。
比較例1〜6 第2表に示す各種被覆用組成物について実施例1と全
く同様の方法で、厚さ1mmのポリカーボネート板上に表
面保護用の硬化被膜を形成し、被膜の性能の評価を行な
った。得られた結果を第2表に示した。
比較例1と実施例1を比較してみると、比較例1では
紫外線吸収剤を3重量部添加すると、十分な初期性能が
得られないのに対し、実施例1では、比較例1の2倍量
の紫外線吸収剤を添加したにもかかわらず、満足すべき
初期性能が得られ、耐候性能にも優れていることがわか
る。
また、比較例2では、紫外線吸収剤の添加量を2重量
部に減量すると良好な初期性能は得られたものの、耐候
性能に満足すべき結果は得られなかった。
実施例7〜14 第3表に示す光重合性被覆用組成物をポリカーボネー
ト板(ダイヤライト、三菱レイヨン(株)製、2mmt)に
バーコーターで塗布した。次いで、ポリエステルフィル
ム(ダイヤホイル、商品名、50μm)をかぶせロールで
上からよくしごき均一な膜厚に伸ばした後、メタルハラ
イドランプ(120W/cm、オゾンレスタイプ、9KW、照射距
離15cm)で紫外線を約5秒間照射して被膜を硬化させ
た。最後にポリエステルフィルムを剥して被覆ポリカー
ボネート板を得た。
得られたポリカーボネート板について被膜の密着性及
び耐擦傷性を評価した。結果は第3表に併記した。な
お、耐擦傷性の試験に際しては、この実施例7〜14では
荷重を1000gから3000gに変更した条件下で評価した。
実施例15〜21 第4表に示した光硬化型被覆用組成物を使用し、硬化
被膜の膜厚を種々変化させて形成したことを除き、実施
例7と全く同様にして硬化被膜を有するポリカーボネー
ト板を作成した。
得られたポリカーボネート板の密着性、耐候性の評価
結果を第5表に示した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08F 2/48 C08F 2/48 20/20 20/20 290/06 290/06 (56)参考文献 特開 昭55−13794(JP,A) 特開 昭57−131214(JP,A) 特開 昭59−89330(JP,A) 特開 昭62−285959(JP,A) 特開 昭50−151228(JP,A) 特開 昭57−163377(JP,A) 特開 昭53−22537(JP,A) 特開 昭58−204013(JP,A) 特開 平1−65111(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 7/04 C09D 4/00 - 4/02 C09D 167/06 - 167/07 C09D 175/14 - 175/16 C09D 5/00 C08F 2/48 C08F 20/20 C08F 290/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)1,4−ブタンジオールジ(メタ)ア
    クリレートおよび1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
    クリレートの少なくとも一種を必須成分とする、分子中
    に2個以上のアクリロイルオキシ基またはメタクリロイ
    ルオキシ基を有する架橋重合性化合物(a−1)50〜10
    0重量%と、該化合物(a−1)と共重合可能な他の化
    合物(a−2)0〜50重量%とからなる光重合性組成物
    100重量部、 (B)下記一般式(I) (R1、R2、R3はそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキ
    ル基若しくはオキシアルキル基、フェニル基、置換フェ
    ニル基、ベンジル基または置換ベンジル基を示す。)で
    表わされる365〜400nmに増感波長のピークを有する光重
    合開始剤(b−1)を含む光重合開始剤0.02〜10重量
    部、および (C)紫外線吸収剤0.1〜15重量部を主成分として含有
    してなる紫外線硬化型ポリカーボネート樹脂被覆用組成
    物。
  2. 【請求項2】前記光重合開始剤(B)が、前記光重合開
    始剤(b−1)と、増感波長のピークが200〜365(未
    満)nmにある光重合開始剤(b−2)との混合物である
    請求項1記載の紫外線硬化型ポリカーボネート樹脂被覆
    用組成物。
  3. 【請求項3】前記光重合開始剤(b−1)が2,4,6−ト
    リメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドで
    ある請求項1記載の紫外線硬化型ポリカーボネート樹脂
    被覆用組成物。
  4. 【請求項4】請求項1記載の紫外線硬化型ポリカーボネ
    ート樹脂をポリカーボネート樹脂成形品上に塗布した
    後、該被覆用組成物を硬化させるポリカーボネート樹脂
    成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の紫外線硬化型ポリカーボネ
    ート樹脂被覆用組成物を、ポリカーボネート樹脂成形品
    と合成樹脂フィルムとの間に挟み込み、圧着させた後、
    該被覆用組成物に紫外線を照射し、硬化させた後、合成
    樹脂フィルムを硬化被膜から剥離させることを特徴とす
    る表面特性を改質した硬化被膜を有するポリカーボネー
    ト樹脂成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】硬化被膜の膜厚をd[μm]、光重合性組
    成物(A)100gに対する紫外線吸収剤(C)の添加量を
    x[モル]としたとき、 0.07≦x・d≦0.58 を満たすように硬化被膜を形成する請求項4または5記
    載のポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
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