JP2797239B2 - 表示素子検査方式 - Google Patents

表示素子検査方式

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JP2797239B2
JP2797239B2 JP5248470A JP24847093A JP2797239B2 JP 2797239 B2 JP2797239 B2 JP 2797239B2 JP 5248470 A JP5248470 A JP 5248470A JP 24847093 A JP24847093 A JP 24847093A JP 2797239 B2 JP2797239 B2 JP 2797239B2
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寛 江川
邦広 水野
啓一 蔵所
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ミナトエレクトロニクス株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶ディスプレイ、プラ
ズマディスプレイなどの表示素子の検査方式に関わる。
さらに詳述すれば、表示素子の表示する画面を読取り、
その良否を検査する方式に関わる。
【0002】
【従来の技術】表示素子に表示された画面を検査する際
の表示画面の光度情報を検査装置に読取る方式として
は、ラインセンサを用いる方式(以下第1従来例とい
う)、あるいはCCDカメラなどの2次元センサを用い
る方法(以下第2従来例という)が周知である。このい
ずれの場合も規則的に配列された模様を規則的に配列さ
れたセンサ画素を用いて標本化することが基本であり、
モアレ縞が発生する。このモアレ縞の発生する度合いは
表示画素に対応して配置されるセンサ画素の数に依存
し、数の多いほどモアレ縞を目立たなくすることができ
る。このモアレ縞が表示画面の表示むらより充分小さい
状態で表示画面の良否を検査する必要がある。例えば、
第1従来例では1ミリメートル当たり16画素のライン
センサを用いて、1ミリメートル当たり3画素程度の表
示素子の表示画面を入力する例では、センサ画素の配列
方向に対しては1個の表示画素当たり5個程度のセンサ
画素を対応して配置することになり、各表示画素におい
てこれに対応するセンサ画素の検知光度の最大のものを
当該表示画素の光度の代表値として検査すると、対応す
るセンサ画素の数が比較的少ないためにモアレ縞が比較
的大きくなり、表示むらの検査が困難となる。表示むら
の検査を可能とするには、ラインセンサの画素数を増加
させてモアレ縞をより小さくする必要がある。当然の事
ながら走査方向に対する走査ピッチも検査性能に大きく
影響する。また、第2従来例の2次元センサカメラを用
いる場合にも、表示画面を幾つかの領域に区分し、セン
サカメラを移動させつつ区分した領域を次々と読取って
は検査していく移動形の方法により個々の表示画素に対
応するセンサ画素の数を増大させて検査能力を向上させ
ている。第1従来例、第2従来例のいずれの場合も、検
査精度を高めるには、1回当たり読取り範囲をより狭く
制限し、移動回数を増す必要が生じ、速度性能が低下す
る問題が生じる。これらの移動形式の方法に対してセン
サカメラと検査対象の表示素子の位置関係を固定した静
止形の画面読取方式を本発明の発明者が特願平4−18
8918号、「表示素子検査読取方式」(以下第3従来
例という)で提案している。この第3従来例は表示素子
に表示された画面を少ないセンサ画素で、すなわち少な
いカメラ台数で効率良く検査するため、検査対象の画素
近くにある近傍画素を消灯状態とし、検査対象画素像に
関わる複数のセンサ画素の検知した光量を積算し、その
積算値をもって検査対象画素の光量とすることを特徴と
している。この方法の点灯状態での検査では、表示素子
の一部の光量を標本値として検出して評価する第1従来
例、第2従来例と異なり、検査対象画素の光量のほとん
ど全てを検知して評価するため、表示画素に対応させる
センサ画素の数を極めて少なくしてもモアレ縞の発生を
著しく低減できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】第1従来例、第2従来
例ではモアレ縞による検査誤差を削減するには表示画素
に対応するセンサ画素の数を増加させる必要があり、検
査性能に限界がある。また、移動回数を増加させ等価的
に対応センサ画素を増加させる方法では検査速度が劣化
する欠点がある。また、第3従来例では、近傍画素から
干渉を避けるため検査対象の画素近くにある近傍画素を
消灯状態として検査する。すなわち点灯状態にする表示
画素を分散させた分散点灯状態の検査パターンで検査す
る必要がある。このため、表示素子の個々の画素を点灯
状態あるいは消灯状態に制御しつつ検査をする必要があ
るため、駆動回路を搭載する前の状態の表示素子の検査
では、駆動用の信号を供給するため多数の端子接続を行
うプローバを必要とする。例えば、640×480画素
のカラーLCDでは2500に近い端子接続が必要とな
る。このような多端子のプローバは高価であり、検査設
備の高騰をもたらす。また、接続信頼性も課題となる。
さらには、表示素子の高精細化の進展に応じて駆動線の
ピッチがさらに細かくなると端子を接続すること自体が
困難となってくる。また、検査対象画素を限定して、そ
の近傍画素を消灯状態にして取込む必要があり、検査パ
ターンに制約を受ける。また、全画素を検出するには検
査対象とする点灯画素の位置を変えつつ数回に別けて表
示画面の取込みを行う必要があり、検査時間が増大する
欠点もある。また、全画素を消灯状態とした黒画面での
表示むらの検査をする場合等では、分散点灯の手法が使
えず、全ての表示画素が消灯状態での光度でもって規則
的に並んだ状態となる結果、分散点灯状態で検査する点
灯状態の検査に比較してモアレ縞が顕著になる。表示画
素に対応して配置させるセンサ画素を極限近くまで少な
くすると、このモアレ縞も大きくなり、黒画面で表示む
らの検査能力が著しく低下する。
【0004】本発明は上記欠点を解決し、表示画素に対
応するセンサ画素が比較的少ない条件下においても以下
のように検査能力を向上でき、特に全ての表示画素を所
定の明るさとする検査パターンで個々の表示画素の正常
性を検査できる以下の表示画面検査方式を提供する。
(1)モアレ縞の存在を許容して精度良く表示画素単位
の正常性を検査できる表示画面検査方式を提供する。
(2)モアレ縞の発生を制限して、表示むらの検査能力
の高い表示画面検査方式を提供する。(3)カメラと検
査対象のLCDとの相対的な位置を表示画素ピッチ程度
の少ない変位量と限られた回数だけ変化させることで、
表示画素単位の正常性の検査精度を改善した表示画面検
査方式を提供する。(4)センサ画素に欠陥を許容する
表示画面検査方式を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、表示画素とセ
ンサ画素との対応する画素の数の関係が整数となるよう
に構成することを基本としたもので、(1)像画素の配
列方向に対してセンサ画素の配列方向を平行するように
整列させると共に、各々の配列方向に対してそれぞれ独
立に、互いに約分できない正の整数をq、rとして、像
画素q個の寸法領域に対してセンサ画素r個の寸法領域
が対応するように配置して、表示する画面を読取り、該
表示素子を検査することを特徴とする表示素子検査方式
である請求項1の発明と、(2)検査対象の像画素の近
傍に在って、かつ検査対象の像画素からの画素間距離が
qの零でない整数倍だけ離れた位置にある像画素を比較
対象とすることを特徴とする請求項1よりなる請求項2
の発明と、(3)当該表示画素に関与するセンサ画素を
含むrの正の整数倍の連続するセンサ画素で検出した光
度の加算処理値を当該表示画素の検出光度と見なして表
示画面の検査をすることを特徴とする請求項1よりなる
請求項3の発明と、(4)センサ画素の任意の配列方向
について、画素間相対センス位置を変えた複数の状態で
表示画面読取りを行い、個々の読取り情報を総合的に見
たピーク値をもって当該表示画素の検出光度とすること
を特徴とする請求項1よりなる請求項4の発明と、
(5)画素間相対センス位置を変えた複数の状態をnと
し、センサ画素ピッチをnで徐した値を基本変位量とし
て、最も近い画素間相対センス位置にある二つの状態の
画素間相対センス位置の差を基本変位量とすることを特
徴とする請求項4よりなる請求項5の発明と、(6)検
査対象の像画素に関わるセンサ画素と比較対象の像画素
に関わるセンサ画素との中から欠陥センサ画素とこの欠
陥センサ画素と画素間相対位置を等しくするセンサ画素
とを除き、残りのセンサ画素の検出光度を対象として近
傍の像画素の相互を比較することにより表示画素の欠陥
を検査することを特徴とする請求項1よりなる請求項6
の発明と、(7)基本変位量にセンサ画素ピッチの零で
ない整数倍の変位量を加えて変位させ、画素間相対セン
ス位置の差が基本変位量となることを特徴とする請求項
5よりなる請求項7の発明と、(8)欠陥センサ画素の
関与する像画素から画素間距離がqの正の整数倍の位置
にある像画素において欠陥センサ画素と等しい画素間相
対位置にあるセンサ画素の検出光度を欠陥センサ画素の
検出光度と見なすことを特徴とする請求項1よりなる請
求項8の発明を構成したものである。
【0006】
【作用】本発明を前記のように構成したので、いずれの
表示画素においてもほぼ等しい数のセンサ画素が対応す
ることになる。また、画素間距離が比較的小さい範囲で
は、画素間距離がqの正の整数倍となる表示画素の間で
は表示画素の形成する像画素とセンサ画素の対応位置関
係が近似的に等しいと見なせる。この近似的に等しいと
見なせる範囲は表示素子の画素数の2分の1より少ない
範囲である。この結果、(1)画素間距離がqの正の整
数倍だけ離れた位置にある表示画素相互では、表示画素
の形成する像画素と特定の位置関係にあるセンサ画素の
検知光量をもって互いを比較することによって表示画素
の良否を検査することができ、(2)rの正の整数倍の
連続するセンサ画素で検出した光度を加算処理した処理
値はq個の正の整数倍の表示画素の光度の平均化処理値
と等価と見なす事ができ、むらが容易に検査でき、
(3)表示画素の形成する像画素とセンサ画素の相対的
な位置関係を変えると、センサ画素の検出する検出光度
はセンサ画素ピッチを周期として変化するため、相対的
な位置を変えることによってより高い検出光度をもって
表示画素の検査ができ、検査精度を向上でき、(4)セ
ンサ画素ピッチを画素間相対センス位置を変えた状態の
数nで徐した値を画素間相対センス位置の変化量として
n回の表示画面の読取りを行うと画素間相対センス位置
と検出光量の特性で一定の位置間隔でサンプリングする
のと等価になり、効率良く検出光度が高められ、(5)
さらに変位量をセンサ画素ピッチ分の正の整数倍だけ増
量するとセンサ中心画素が変わる事になり、欠陥センサ
画素の存在を許容して表示画素の検査が可能になり、
(6)また、欠陥のセンサ画素を除いて画素間相対位置
を同じくするセンサ画素相互で検出光度を比較する事が
でき、表示画素単位の良否を検査することができ、
(7)欠陥のセンサ画素の替わりに画素間相対位置が欠
陥のセンサ画素の画素間相対位置と等しいセンサ画素を
近傍の像画素に関与するセンサ画素の中から選んで検出
光度を置き換えると、欠陥のセンサ画素が近似的に正し
い光度を検出できるように見なすことができ、むらの検
出精度を高められる.
【0007】
【実施例】表示素子に液晶ディスプレイ(LCD)を、
センサにCCD2次元センサカメラを用いた場合を例に
本発明を詳細に説明する。LCDの表示画素の像をセン
サ画素の配列面に形成し、その像の光の強さをセンサに
よって検出する。本明細書ではセンサ画素の配列面であ
るセンサ画素面に形成される像としてのLCDの表示画
素を像画素と呼称する。また、像画素の配列ピッチを像
画素ピッチと呼称する。
【0008】センサ画素は直交するx、yの両方向に2
次元的な広がりを持つ。像画素も直交するx、yの両方
向に2次元的な広がりを持ち、センサ画素と像画素の配
列が平行するようにLCDとカメラの相対位置を調整す
る。この調整の誤差とレンズの歪みなどで厳密な意味で
は平行性が崩れるが、例えば像画素10個程度の限定さ
れた領域では実用上は平行と見なすことができる程度に
調整できる。したがって、限定された領域内では特に断
らない限り平行とみなして記述する。像画素およびセン
サ画素は上記のように2次元的な広がりを持つが、2次
元的な広がりをもって説明するといたずらに複雑にな
る。そこで、x、yのいずれか1方向にだけ着目した1
次元配列での説明で2次元的な広がりの場合に拡張して
容易に理解できることから、本明細書では特に断らない
限り1次元配列でもって説明する。
【0009】また、本明細書では表示画素の発する光の
強さを光度と言う用語をもって表す。光度は任意単位と
し、表示画素の発する単位面積当たりの光の強さも、表
示画素の全域に渡って積分した光量も、また像画素の単
位面積当たりの光の強さも、像画素の光度分布領域の一
定領域に渡って積分した光量も、これら全てを光度とい
う用語で表現する。
【0010】 本発明は像画素とセンサ画素の位置関係
が重要である。個々の表示画素の光度を評価するには、
個々の像画素の光度をそれぞれのセンサ画素で検出する
ことになるが、その際、個々の像画素の光度を最も強く
センスしたセンサ画素をセンス中心画素と呼称し、この
センス中心画素の光度を特に断らない限り当該表示画素
の光度の代表値として検査することになる。また、この
センス中心画素と像画素との相対的な位置を画素間相対
センス位置と呼称する。正常なセンサ画素はいずれも均
質と見なすことができるため、LCDとカメラの相対位
置を変え、像画素とセンサ画素の相対的な位置(以後、
画素間相対位置と呼称する)を変えていくと、センサ中
心画素のセンスする像画素の光度はセンサ画素ピッチを
周期として規則的に変化する。すなわち、センサ画素ピ
ッチの量だけ変わる毎にセンサ画素が次々と変わるだけ
で、センスした光度に変わりはない。従ってセンス光度
の観点からは画素間相対位置の変化、すなわち像画素と
センサ画素を相対的に位置を変化させた変位量(以後、
画素間相対変位量と呼称する)はセンサ画素ピッチの範
囲で意味がある。そこで、本明細書では、画素間相対変
位量Jを、 J=m×P±d ただし、Pはセンサ画素ピッチ、mは整数と表し、セ
ンサ画素ピッチPより小さな値となるdを画素間相対
センス変位量と呼称することにする。以上の説明から明
らかなように、画素間相対センス変位量dを同じくする
画素間相対変位量Jが多数存在することが可能で、画素
間相対変位量Jがセンサ画素ピッチPより大きくなっ
た場合は、像画素の光度を検出するセンサ画素が変わっ
たことになる。
【0011】図1は本発明の基本原理を説明するための
図である。像画素の領域10が像画素ピッチPD で、像
画素間ギャップGをもって配列され、1つの像画素ピッ
チの領域内にセンサ画素11を2個対応して配置させた
場合を例にして、センサ画素の開口率は100%で、ギ
ャップが零の場合を示している。なお、センス中心画素
には斜線を付して示している。また、像画素の光度分布
20が像画素の領域10との位置関係で示されている。
Aはセンサ画素の中心が光度分布のピーク位置にある場
合を示し、以下B、C、D、E、…となるに従ってセン
サ画素と像画素の対応位置関係が像画素ピッチPD の1
2分の1だけずれていった場合を示している。Dはセン
サ画素の端が光度分布のピーク位置にきた場合に相当す
る。センサ画素と光度分布の対応位置関係によってセン
サ画素の検出光度は異なり、Aの画素間相対位置の関係
にある場合が検出光度は最も大きく、Dの位置関係にあ
る場合が検出光度は最も小さくなる。全ての像画素につ
いて画素間相対センス位置を等しくすれば、センス中心
画素での検出光度を基に表示画素の検査が容易に実施で
きるが、現実にはLCDとカメラの位置関係の設定ず
れ、レンズの歪等に原因して像画素の位置によって像画
素とセンサ画素の相対位置関係は変化し、例えばAのよ
うな位置関係からB,Cの位置関係を経てDの位置関係
に変化し、さらにEの位置関係を経て再びAの位置関係
になるなどの変化をする。像の歪み具合によってはA、
B、C、D、Eと変化してきたものが逆にE、D、C…
といった複雑な変化をする場合もある。
【0012】図2は画素間相対位置によって検出光度が
変化する様子を模式的に示した図で、図中A、B、C、
D、Eは図1のA、B、C、D、Eに示す画素の位置関
係でのセンス中心画素の検出光度を示している。図1の
例に示す光度分布では、Aの位置関係で像画素の全光度
を検出でき、Dの位置関係では半分の光度しか検出でき
ない。これは1次元に限定した場合で、実際は2次元の
配列であるため2方向を総合すると極大値を1とする
と、極小値は1/4程度にまで低下し、像画素の位置に
よって検出光度は大幅に変化する。このことはセンス中
心画素の検出光度をそのまま評価したのでは表示画素の
良否を検査できないことを示している。しかし、画素間
相対位置のずれが微小な範囲に限定すれば、位置のずれ
によるセンス中心画素の検出光度の誤差も小さくなる。
図2において、aなる画素間相対位置と、そこからΔ
だけずれたbなる画素間相対位置での検出光度の差Δ
は画素間相対位置のずれΔが減少するに従って減少す
ることを示している。本発明は像画素とセンサ画素の対
応関係に制限を設けることにより、特定の位置関係にあ
る像画素の間での画素間相対位置のずれを小さくするこ
とにより像画素の検出光度を一定の誤差内に収め、検出
光度を相対的に比較することにより表示画素を検査す
る。すなわち、互いに約分できない正の整数をq、rと
するとき、像画素q個の寸法領域に対してセンサ画素
個の寸法領域が対応するように配置させると、画素間距
離がqの整数倍となる像画素では、センス中心画素の像
画素との位置関係は全て等しくなって、画素間距離がq
の整数倍となる像画素の検出光度を互いに比較すること
により表示画素を検査することができる。ここで画素の
寸法領域とは画素部分とギャップ部分を含む長さ領域を
さす。光学系の歪み、初期の位置合わせ誤差などによっ
て像画素とセンサ画素のq対rの対応関係を全領域に対
して正しく設定する事は困難で、実用的には少しの誤差
を伴い、像画素q個の寸法領域に対してr個の寸法領域
が概略対応するように配置させる事になる。概略の対応
は検査精度に影響が生じる。
【0013】図1の実施例では像画素1個の寸法領域に
対してセンサ画素2個の寸法領域が対応するように配置
している。この場合はq=1であり、画素間距離が1と
なる隣の像画素相互では画素間相対位置が等しくなる。
従って両像画素のセンス中心画素の検出光度を比較する
ことにより表示画素の検査ができる。さらに、隣の隣の
像画素とも、またその次とも比較が可能で近傍にある像
画素と比較して検査することもできる。近傍画素として
比較できる像画素の画素間距離の限界は像画素とセンサ
画素との対応関係のずれの大きさで定まる検査精度の問
題である。
【0014】図3は2個の像画素に対して5個のセンサ
画素を対応させた例を示している。図3では図1の場合
と同様の記号を用いている。A、B、C、Dはそれぞれ
センサ画素と像画素の対応位置関係が像画素ピッチPD
の10分の1ずつずれていった場合のセンサ画素の対応
位置状態を示している。各像画素に対応するセンス中心
画素を斜線で示している。この例ではq=2の場合に相
当し、像画素の画素間距離が2だけ離れた位置関係にあ
る像画素相互では画素間相対位置が等しくなる。すなわ
ち、Aの場合を例に説明すると、像画素101 、1
3 、105 のそれぞれに対してセンス中心画素1
2 、117 、1112がそれぞれ対応していずれも画素
間相対センス位置は等しくなる。また像画素102 、1
4 、106 のそれぞれに対してセンス中心画素1
4 、119 、1114がそれぞれ対応していずれも画素
間相対センス位置が等しくなる。この様に互いに画素間
距離が2だけ離れた位置にある像画素相互では画素間相
対位置が等しくなる。この関係は像画素とセンサ画素の
対応位置が異なるB、C、Dについても図1と図3の例
から明らかなように、互いに約分できない正の整数を
q、rとして、像画素q個の領域に対してセンサ画素r
個を対応するように配置させれば、像画素の画素間距離
がqだけ離れた位置にある像画素相互では画素間相対位
置を等しくできることを示している。従って、互いに距
離がqの整数倍だけ離れた位置にあって、一定の距離の
範囲にある近傍の像画素の検出光度を互いに比較するこ
とで表示画素の検査ができる。ここで一定の範囲の近傍
に限った理由は上記のLCDとカメラの位置関係の設定
ずれ、レンズの歪等に起因する画素間相対位置のずれに
よる誤差を考慮したためである。ここで、カメラとLC
Dの位置の設定ずれによる画素間相対位置のずれについ
て詳細に説明する。640×400の表示画素を持ち、
表示画素のピッチが300μmのLCDについて像画素
1個に対してセンサ画素2個を対応させる場合を例にす
ると、表示画面の長手方向について640個の像画素に
対して1280個のセンサ画素を対応配置させることに
なる。画素間相対位置のずれが発生する第1の要因は検
査対象であるLCDとカメラとの位置合わせである。突
き当機構による位置合わせでは、LCDの寸法誤差など
のためにセンサ画素の並びと表示画素の並びとの平行度
がずれてしまう。このずれは表示画面の一端と他端とで
表示画素の2画素ピッチ分、すなわち600μm以内の
ずれの範囲内に収めることは容易にできる。これはセン
サ画素面では4センサ画素ピッチ以内のずれに相当す
る。さらに自動位置合わせ機構を用いれば平行度の両端
でのずれを50μm以下にすることもできる。第2の要
因は、光学系の倍率調整であり640個の像画素に対し
て1280個のセンサ画素が正しく狂いなく対応するよ
うに倍率を調整することは困難で、多少のずれを許容し
て調整することになる。この倍率調整誤差によるずれも
1センサ画素ピッチ相当分以下にすることもできる。さ
らに第3の要因として光学系による像の歪みがあるが、
比較的良質のレンズを用いれば前記の2つの要因よりず
れを小さくすることができる。総合的なずれとしてセン
サ画素面で640個が並ぶ像画素の両端でのずれ分を2
センサ画素ピッチの範囲内にすることは比較的容易であ
る。ここでは総合的なずれが±4センサ画素ピッチ相当
になる場合を例に説明する。総合的なずれの全てが倍率
調整誤差によるとみなすと、1280個のセンサ画素を
対応させようとした調整が±4センサ画素ピッチだけ狂
い、1276個から1284個の範囲でセンサ画素を対
応させた場合に相当する。この調整条件では、センサ画
素の配列ピッチが等価的に最大4/1280だけ、すな
わち約0.3%だけ拡大あるいは縮小したようにみなす
事ができる。像画素の1配列ピッチ領域にセンサ画素を
2個対応させようとするのであるから、画素間相対セン
ス距離の隣接する像画素のあいだでのずれはセンサ画素
ピッチの約0.6%程度であり、数画素程度離れた場合
でも数%程度以下と小さいために、それぞれの像画素に
対して最大の光度を検出するセンサ画素は同じような位
置関係にあるセンサ画素と見なしうる。したがって、像
画素の位置が数画素程度離れた場合でも像画素の光度の
代表値として検出するセンス光度は実用上等しいと見な
す事ができ、互いに近傍にある像画素のセンス光度を単
純に比較することによって欠陥画素を検出することがで
きる。以上の説明で明らかにしたように、センス中心画
素で検出した像画素の光度はセンス中心画素と像画素の
位置関係により変動し、像画素1個に対してセンサ画素
2個を対応させる場合を例にすると、1次元に限定した
場合で極大と極小の比は2:1、実際の2次元配列の状
態では4:1と検出光度が大幅に変化する。画素間相対
位置のある一定のずれに対する検出光度の変化の度合い
は、検出光度が小さくなるに従って大きくなり、その結
果検出光度が小さくなればなるほど検査精度は低下す
る。これは実際の光度分布は像画素中央が強く、端部に
近付くに従って弱くなる特性を呈することによる。この
検査精度の低下の問題を解決する方法について以下詳細
に説明する。
【0015】 センス中心画素の検出光度は画素間相対
センス位置によって変化し、画素間相対位置を変えてい
くと検出光度は周期的に変化する。その周期はセンサ画
素ピッチである。従って画素間相対位置をセンサ画素ピ
ッチの半分だけ移動させると位相が反転する。すなわち
極大と極小が反転する。図4はこの様子を示す特性図
で、各像画素の位置に対してセンス中心画素で検出した
検出光度を示している。Sは画素間相対位置を変える前
の特性曲線を、Tは画素間相対位置をセンサ画素ピッチ
の半分だけ移動した後の特性曲線を示す。図から明らか
なように画素間相対位置を変えることにより位相が反転
し、検出光度の極大と極小の位置が反転している。画素
間相対位置を変える前後の検出光度を総合的にみて検出
光度の大きい方を検査対象の検出光度とすれば各像画素
の検出光度は図中太線で示す特性と等価と見なすことが
でき、検出光度を一定の値以上にすることができる。例
えば、aなる位置にある像画素のセンス中心画素での検
出光度は画素間相対位置を変える前ではb点で示す検出
光度になるが、画素間相対位置を変えた場合はc点で示
す高いレベルの検出光度となる。これらを総合的に見て
より高いレベルのcで示される検出光度を選択すると検
査精度を高めることができる。以上、画素間相対位置を
センサ画素ピッチの半分だけ変えた例で説明したが、一
般に、2以上の整数をnとするとき、当該配列方向のセ
ンサ画素ピッチのn分の1を基本変位量とし、センサ画
素の配列方向に画素間相対センス位置を基本変位量だけ
変えながらその各々の状態で表示画面読取りを行い、各
状態での検出光度を総合的に見て検出光度の大きい方を
検査対象の検出光度とすれば、nが大きくなるに従って
検出光度の変動は低下し、かつより高い検出レベルとす
ることができ、検査精度を高めることができる。ここで
表示画面読取りの回数は位置を変えない状態での表示画
面読取りの1回を加えてn回の状態になり、実際に変位
する回数は(n−1)回である。図5はn=4の場合を
示し位置を変える回数をiとしてi=0は画素間相対位
置を変えない状態を示し、i番目の位置を変えた状態で
はi=0の状態から(i×P÷4)だけ位置が変化し
た状態での検出光度特性を示している。検出光度の大き
い方を検査対象の検出光度とすれば各像画素の検出光度
は図中太線で示す特性とみなすことができ、図4に示す
n=2の場合に比較して検出光度の変動は低下し、かつ
検出レベルが高いレベルに限定できる事を示している。
以上の説明では各位置での変化量が等しく、かつセンサ
画素ピッチPのn分の1を基本変位量とする場合で説
明したが、基本変位量をセンサ画素ピッチPのn分の
1に限定しなくても、位置を変えるたび毎にその変位量
を変えても検出光度の変動を低減でき、かつ検出レベル
を高いレベルに限定できる効果が得られる。しかし、変
位量を等しくし、さらに変位量を変位の回数に応じてセ
ンサ画素ピッチPを等分した量とすると、図5の例に
みられるように画素間相対位置の変化による特性曲線の
シフトが等間隔になることから明らかなように検出光度
の変動を最も効率良く低減でき、さらに移動制御が簡素
化できる。この様に画素間相対位置を変化させつつ複数
回の表示画面取込みを行うことによって表示画素の欠陥
を精度良く検査することができる。以上は1次元に限定
した説明であるが、2次元配列での両方向に対して画素
間相対センス位置を変える事もできる。x方向に対して
画素間相対位置をセンサ画素ピッチPSXのn分の1を
基本変位量として(n−1)回の変位をさせ、y方向に
対して画素間相対位置をセンサ画素ピッチPSYのm分
の1を基本変位量として(m−1)回の変位をさせる事
になる。x方向のi回目の変位状態に対してy方向の変
位を0から(m−1)までのm回の表示画面の読取りを
行うことになる。すなわち全てでn×mの表示画面の読
取りを行うことになる。
【0016】画素間相対位置を変化させる手段として
は、カメラを移動しても良く、またLCDを移動させる
方法でも良い。またカメラとLCDの中間に光学的な素
子を挿入して光軸を移動させても良く、要は像画素とセ
ンサ画素の相対的な位置を変化できれば良い。
【0017】以上の説明から明らかなように、センサ画
素の任意の配列方向について、画素間相対センス位置を
変えた複数の状態で表示画面読取りを行い、個々の読取
り情報を総合的に見たピーク値をもって当該表示画素の
検出光度とすれば検出光度値を向上することができる。
さらに、画素間相対センス位置を変えた複数の状態をn
とし、センサ画素ピッチをnで徐した値を基本変位量と
して、最も近い画素間相対センス位置にある二つの状態
の画素間相対センス位置の差を基本変位量とするように
すると、検出光度の変動を最も効率良く低減できる。
【0018】次に、画素間相対位置を変えつつセンサ画
素から得られた検出光度情報を基に各像画素に対応した
最大の検出光度を捜し出す方法について説明する。有効
センサ画素のxy方向の配列がg×hのカメラでは、
(i、j)に位置するセンサ画素をメモリのアドレス
(g×i+j)に対応させ、検出情報をメモリ上に2次
元的に配列させた後、近隣のアドレス位置にある情報を
比較してピーク検出を行うことによりセンス中心画素を
求めることができることは周知である。これと同じよう
にして、x方向に第p番目、y方向に第q番目の移動状
態(ただし、変位させない状態でのp、qはそれぞれ0
とする)での検出光度情報を{g×(i・n+q)+
(j・m+p)}のメモリアドレスに格納すれば、状態
に応じた2次元的な配列を1次元的な配列のメモリに対
応させることができメモリに格納されている情報を比較
して近隣でピークを呈するアドレスに格納されている情
報が各像画素に対応する最大の検出光度として特定でき
る。この各像画素の最大の検出光度が格納されるメモリ
アドレスは表示画面が変わっても、例えば表示画面の階
調が変わっても変わらず保存されるため、あらかじめ1
枚の検査画面で対応するアドレス情報を抽出し、対応情
報として保存しておけば、各検査画面毎にピーク検出な
どの処理を実行する必要がなく高速に検査処理ができ
る。
【0019】以上、1センサ画素の検出光度を代表的な
像画素の光度として表示画素単位の良否を検査する方法
について詳細に説明した。本明細書の冒頭で説明したよ
うに1センサ画素の検出光度を像画素の光度の代表値と
するとモアレ縞が発生するため、表示画面のむらの検査
には適切ではない。以下にむらの検査方法について詳細
に説明する。表示画面に生じる微妙な光度の差をむらと
して検出する必要がある。本発明は像画素q個の寸法領
域に対してセンサ画素r個の寸法領域が概略対応するよ
うに配置させることを特徴としている。従って連続する
r個のセンサ画素の検出光度を加算した加算値Iは連続
する像画素q個の平均的な光度を代表するものとみなす
ことができる。連続するr個のセンサ画素の先頭の画素
が像画素のいかなる位置から始まり、最後のセンサ画素
が像画素のどの位置で終わろうとも、各像画素の光度が
等しく、像画素q個の寸法領域に対してセンサ画素r個
の寸法領域が正しく対応するように配置された画素配列
条件が満たされていれば、いずれの連続するr個のセン
サ画素の加算値Iも等しい値を呈する。従って、表示む
らとしての異常があれば加算値Iにも異常値となって表
れ、加算値をもって表示むらの検査をすることができ
る。実用上の問題としては光学系の倍率調整誤差あるい
はレンズ系の歪みによる画素配列条件の乱れがあり、像
画素とセンサ画素の上記画素配列条件が正しく満たされ
ない場合が生じ、表示場所によって加算値Iに差が生じ
てモアレ縞が発生することになるが、検出すべき表示む
らのレベルより十分小さく無視できる程度に画素配列条
件を整える事ができる。以上、センサ画素の検出値を加
算した加算値Iをもって本発明を説明したが、加算値I
から一定の値を加減算した処理値、加算値Iに一定の値
を乗除した処理値さらには加算値Iに一定の値を乗除し
た値に一定の値を加減算した処理値であっても良い。こ
れらの処理値を加算処理値と呼称する。また、加算する
連続するセンサ画素の数はr個としたが、rの正の整数
倍の連続するセンサ画素の加算処理値を用いても良い。
【0020】次に加算処理の方法について説明する。各
像画素に対応するセンス中心画素を基準にして連続する
センサ画素の検出値を加算処理すればよい。加算の開始
対象となるセンサ画素はセンス中心画素から始まって
も、またセンス中心画素の前後にずれた位置から始めて
も良い。要は、当該像画素近傍の平均的な光度を表すも
のが加算処理値としてえられれば良く、この条件を大き
く逸脱して当該像画素位置から遠く離れた位置に対応す
るセンサ画素の検出値を加算処理するのでなければよ
い。また、上述のように各像画素対応に加算処理値を求
めて表示むらの検査をする必要は必ずしもなく、一般的
には像画素s個おきに上記のように加算処理値を求め、
等価的に画素数をs分の1に削減した状態で検査するこ
ともでき、等価的な画素数の減少によって検査時間の短
縮ができる。また、画素間相対センス位置を変化させつ
つ複数回の表示画面読取りを行う検査方式では、画素間
相対センス位置を変化させた場合の検出値を含めて加算
処理した処理値を用いれば、さらにモアレ縞の度合いを
低減できる。すなわち、むら検出のための基本的な加算
処理対象の連続したセンサ画素をa1 、a2 、a3 、a
4 とするとき、各センサ画素の移動前の検出光度を 0
1 02 03 04 とし、移動した状態で得ら
れた同じセンサ画素の検出光度をそれぞれ 11 1
2 13 14 とするとき、
【数1】 を加算処理値とすることができ、 0i (i=1、2、
3、4)の単独加算よりはモアレ縞の度合いを低減でき
る。
【0021】以上、表示画面のむらの検出を1次元配列
で説明したが、当然のことながら表示画面に合わせて2
次元配列に応じた加算処理をする必要がある。すなわ
ち、各々の配列方向に対してそれぞれ独立に像画素とセ
ンサ画素を対応させる事になり、x方向に対して像画素
q個の寸法領域に対してセンサ画素r個の寸法領域を対
応させ、y方向に対して像画素s個の寸法領域に対して
センサ画素t個の寸法領域を対応させた場合は、x方向
にはrの正の整数倍の個数からなる連続するセンサ画素
で、y方向にはtの正の整数倍の連続するセンサ画素か
らなる矩形領域のセンサ画素の検出値を加算処理するこ
とになる。
【0022】次に、センサ画素に欠陥がある場合につい
ての欠陥救済法について説明する。本発明では像画素q
個の寸法領域に対してセンサ画素r個の寸法領域を概略
対応させる。このため、近傍の像画素相互では像画素と
センサ画素の対応位置関係が近似的に一致している。こ
こで、光度分布領域内にあるとして当該像画素の光度の
感知に関与するセンサ画素を当該像画素に関与するセン
サ画素と定義すると、検査対象の像画素に関与するセン
サ画素と比較対象の像画素に関与するセンサ画素との中
から欠陥センサ画素とこの欠陥センサ画素の画素間相対
位置に等しいセンサ画素とを除き、残りのセンサ画素の
検出光度を対象として近傍の像画素の相互を比較するこ
とにより表示画素の欠陥を検査することができる。例え
ば、図3のAを例とすると、像画素102 と104 は画
素間相対位置の対応関係では一致している。センサ画素
についてこの対応関係を見ると、当該像画素に関連する
センサ画素は、113 に対して118 が、114 に対し
て119 が、115 に対して1110が対応する。像画素
102 のセンス中心画素になるセンサ画素114 が欠陥
とすると、欠陥のセンサ画素114 と等しい画素間相対
位置にあるセンサ画素119 を除外し、互いに画素間相
対位置が等しい113 と118 とを、また115 と11
10とを比較して像画素の欠陥を検査することができる。
ここで、113 と118 を、また115 と1110を個々
に比較してもよく、両比較結果のAND条件あるいはO
R条件を基に表示画素の欠陥の判定をすることもでき
る。さらに113 と115 の加算処理値と118 と11
10の加算処理値を比較してもよい。
【0023】上述の画素間相対センス位置を変化させつ
つ複数回の表示画面読取りを行う検査方式において、基
本変位量づつ変位させると、変位前のセンサ中心画素と
変位後のセンサ中心画素が同一のセンサ画素となり、当
該センサ画素が欠陥の場合、変位前の検出光量と変位に
よって得られる検出光度の全てが不良情報となって当該
像画素の検査が不能となる。そこで、基本変位量にセン
サ画素ピッチの零でない整数倍の量を加えた変位量を画
素間相対変位量とし、画素間相対センス変位量が基本変
位量となるように変位させると、変位させることなく得
られた光度情報と変位によって得られた光度情報はセン
サ中心画素が異なることになる。この結果、センサ画素
の欠陥が孤立的な欠陥である限り、1つの像画素に関わ
り検出された複数の検出光量の内、センサ中心画素が欠
陥であった検出光度を除外し、残りの正常な検出光度に
ついて互いに画素間相対位置を等しくするもの相互を近
傍の像画素の間で比較することによって表示画素の検査
ができる。
【0024】以上のセンサ画素の欠陥に対する対処法は
表示画素単位の良否を検査に関するものであった。次
に、複数の表示画素に関わるむらの検査に対するセンサ
画素の欠陥に対する対処法について説明する。むらは光
度に差のある表示画素が複数個連続して存在して領域を
形成する。この光度の差は比較的微妙であり、一般に各
画素の検出光度の平均処理を主体に検査する事が行われ
る。すなわち、センサ画素の検出精度のばらつきを加算
処理により低減し、むらとしての光度差の検出精度を高
めている。欠陥センサ画素からの異常な検出光度をその
まま含めてむら検出処理を行うと、異常な検出光度が正
常値から大幅に異なる場合は、加算処理した範囲の表示
画素に微小な光度差があった場合と等価になり、むらが
あるかのように誤った検出をしてしまう。本発明では画
素間距離がqの正の整数倍の位置にある像画素相互では
像画素とセンサ画素の対応位置関係、すなわち画素間相
対位置が近似的に一致することから、欠陥センサ画素の
関与する像画素から画素間距離がqの正の整数倍の位置
にある像画素において欠陥センサ画素と等しい画素間相
対位置にあるセンサ画素の検出光度を欠陥センサ画素の
検出光度と見なして加算処理を行うと、極端な異常値を
加算処理することが無くなり、検出精度が向上する。欠
陥センサ画素だけに限定して置き換える必要はなく、欠
陥センサ画素の近傍のセンサ画素の検出光度も含めて置
き換えても類似の効果が得られる。
【0025】次に表示画素に欠陥がある場合について述
べる。現状においてはLCDは孤立的な数画素の欠陥の
存在は許容されて商品化されており、欠陥の深さも比較
的大きいものも許容されている。この欠陥画素の検出光
度をそのまま適用して加算処理した処理値でむらの検査
を実行すると、誤った検査結果をもたらす事態も発生す
る。そこで欠陥表示画素に関与するセンサ画素の検出光
度の替わりに欠陥表示画素の近傍にあって、かつ欠陥表
示画素の光度の影響を無視できる位置にある正常な表示
画素に関与するセンサ画素の検出光度を適用すれば、欠
陥表示画素の影響を排除して、正しくむらの検査をする
ことができる。
【0026】
【発明の効果】本発明を請求項1の通り構成し、像画素
の配列方向に対してセンサ画素の配列方向を平行するよ
うに整列されると共に、各々の配列方向に対してそれぞ
れ独立に、互いに約分できない正の整数をq、rとし
て、像画素q個の寸法領域に対してセンサ画素r個の寸
法領域が対応するように配置して、表示する画面を読取
り該表示素子を検査する表示素子検査方式は、個々の表
示画素に対する少ないセンサ画素の対応で、近傍の像画
素相互を比較し表示する画面を読取ることにより表示画
素単位の良否を容易に検査することができ、さらにモア
レ縞を著しく低減して精度良くむらの検出もできること
から、少ないカメラ台数で経済的な検査装置を提供する
ことができるという効果がある。
【0027】本発明を請求項2の通り構成し、検査対象
の像画素の近傍に在って、かつ検査対象の像画素からの
画素間距離がqの零でない整数倍だけ離れた位置にある
像画素を比較対象とする請求項1よりなる請求項2の発
明は、単位表示画素に対応するセンサ画素が比較的少な
い条件下でも精度良く表示画素単位の良否の検査ができ
る。また、比較対象の像画素を複数選択でき、その平均
値と比較することでセンサ画素の感度ばらつきを等価的
に低減して、検査精度を高めることができるという効果
がある。
【0028】本発明を請求項3の通り構成し、当該表示
画素に関与するセンサ画素を含む正の整数倍の連続する
センサ画素で検出した光度の加算処理値を当該表示画素
の検出光度と見なして表示画面の検査をする請求項1よ
りなる請求項3の発明は、像画素の光度の加算範囲が近
似的に等しいと見なすことができる事から単位表示画素
に対応するセンサ画素が比較的少ない条件下でもモアレ
縞の発生を著しく低減でき、表示画面のむらの検査が可
能となる。また、より広い範囲のセンサ画素で検出した
光度を平均化するため、センサ画素の感度ばらつきを等
価的に低減し、むらの検出性能を向上できる。さらに、
むら検出の画像処理において処理対象となる画素数を低
減でき、処理速度を向上する事ができるという効果があ
る。
【0029】本発明を請求項4の通り構成し、センサ画
素の任意の配列方向について、画素間相対センス位置を
変えた複数の状態で表示画面読取りを行い、個々の読取
り情報を総合的に見たピーク値をもって当該表示画素の
検出光度とする請求項1よりなる請求項4の発明は、各
表示画素の光度を代表する検出光度の低いレベルを高い
レベルに置き換え、変動を低減して検査精度を向上する
ことができるという効果がある。
【0030】本発明を請求項5の通り構成し、画素間相
対センス位置を変えた複数の状態をnとし、センサ画素
ピッチをnで徐した値を基本変位量として、最も近い画
素間相対センス位置にある二つの状態の画素間相対セン
ス位置の差を基本変位量とする請求項4よりなる請求項
5の発明は、画素間相対センス位置を変えた状態の数が
同じ場合、各表示画素の光度を代表する検出光度の変動
を低減する効果が高く、効率良く検査精度を向上できる
という効果がある。
【0031】本発明を請求項6の通り構成し、検査対象
の像画素に関わるセンサ画素と比較対象の像画素に関わ
るセンサ画素との中から欠陥センサ画素とこの欠陥セン
サ画素と画素間相対位置を等しくするセンサ画素とを除
き、残りのセンサ画素の検出光度を対象として近傍の像
画素の相互を比較することにより表示画素の欠陥を検査
する請求項1よりなる請求項6の発明は、センサ画素の
欠陥を除外して表示画素単位の検査ができるため欠陥の
センサ画素の存在を許容したカメラが適用でき経済的な
検査装置が実現できるという効果がある。
【0032】本発明を請求項7の通り構成し、基本変位
量にセンサ画素ピッチの零でない整数倍の変位量を加え
て変位させ、画素間相対センス位置の差が基本変位量と
なる請求項5よりなる請求項7の発明は、欠陥のセンサ
画素の替わりに近傍のセンサ画素を用いて表示画素単位
の検査ができるため欠陥のセンサ画素の存在を許容した
カメラが適用でき経済的な検査装置が実現できるという
効果がある。
【0033】 本発明を請求項8の通り構成し、欠陥セ
ンサ画素の関与する像画素から画素間距離がqの正の整
数倍の位置にある像画素において欠陥センサ画素と等し
い画素間相対位置にあるセンサ画素の検出光度を欠陥セ
ンサ画素の検出光度と見なす請求項1よりなる請求項
の発明は、欠陥のセンサ画素による検出光度の替わりに
近傍像画素の正常なセンサ画素からの検出光度を代用し
てむらの検査ができるため欠陥のセンサ画素の存在を許
容したカメラが適用でき経済的な検査装置が実現できる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を説明するための図で、像画
素の1個の寸法領域に対してセンサ画素2個の寸法領域
を対応させた場合の像画素とその光度分布及びセンサ画
素の対応関係を示す説明図。
【図2】像画素とセンサ画素の相対的な位置とセンサ画
素の検出光度の関係を模式的に示す特性図。
【図3】像画素の2個の寸法領域に対してセンサ画素5
個の寸法領域を対応させた場合の例で、像画素とその光
度分布及びセンサ画素の対応関係を示す説明図。
【図4】像画素の位置とセンス中心画素で検出した検出
光度の関係を示す特性図で、画素間相対位置をセンサ画
素ピッチの半分だけ移動した場合の位相の反転状態を示
す説明図。
【図5】 像画素の位置とセンス中心画素で検出した検
出光度の関係を示す特性図で、画素間相対位置をセンサ
画素ピッチの1/4ずつ3回変位させつつ検出した特性
変位前の特性を含めて示す説明図。
【符号の説明】
10 像画素の領域 11 センサ画素 20 像画素の光度分布 P 像画素ピッチ センサ画素ピッチ G 像画素間ギャップ S 画素間相対位置を変える前のセンス中心画素で検
出した検出光度の像画素の位置に関する特性曲線 T 画素間相対位置をセンサ画素ピッチの半分だけ変
位した状態でのセンス中心画素で検出した検出光度の像
画素の位置に関する特性曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−244932(JP,A) 実開 平4−55535(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01M 11/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像画像の配列方向に対してセンサ画素の
    配列方向を平行になるように整列させると共に、各々の
    配列方向に対してそれぞれ独立に、互いに約分できない
    正の整数をq,rとして、像画素q個の寸法領域に対し
    てセンサ画素r個の寸法領域が対応するように配置し
    て、表示する画面を読み取り、検査対象の像画素の近傍
    に在って、かつ検査対象の像画素からの画素間距離がq
    の零でない整数倍だけ離れた位置にある像画素を比較対
    象とすることを特徴とする表示素子検査方式。
  2. 【請求項2】 像画像の配列方向に対してセンサ画素の
    配列方向を平行になるように整列させると共に、各々の
    配列方向に対してそれぞれ独立に、互いに約分できない
    正の整数をq,rとして、像画素q個の寸法領域に対し
    てセンサ画素r個の寸法領域が対応するように配置し
    て、表示する画面を読み取り、当該表示画素に関与する
    センサ画素を含むrの正の整数倍の連続するセンサ画素
    で検出した光度の加算処理値を当該表示画素の検出光度
    と見なして表示画面の検査をすることを特徴とする表示
    素子検査方法。
  3. 【請求項3】 像画像の配列方向に対してセンサ画素の
    配列方向を平行になるように整列させると共に、各々の
    配列方向に対してそれぞれ独立に、互いに約分できない
    正の整数をq,rとして、像画素q個の寸法領域に対し
    てセンサ画素r個の寸法領域が対応するように配置し
    て、表示する画面を読み取り、センサ画素の任意の配列
    方向について、画素間相対センス位置を変えた複数の状
    態で表示画面読取りを行い、個々の読取り情報を総合的
    に見たピーク値をもって当該表示画素の検出光度とする
    ことを特徴とする表示素子検査方式。
  4. 【請求項4】 画素間相対センス位置を変えた複数の状
    態をnとし、センサ画素ピッチをnで徐した値を基本変
    位量として、最も近い画素間相対センス位置にある二つ
    の状態の画素間相対センス位置の差を基本変位量とする
    ことを特徴とする請求項の表示素子検査方式。
  5. 【請求項5】 像画像の配列方向に対してセンサ画素の
    配列方向を平行になるように整列させると共に、各々の
    配列方向に対してそれぞれ独立に、互いに約分できない
    正の整数をq,rとして、像画素q個の寸法領域に対し
    てセンサ画素 r個の寸法領域が対応するように配置し
    て、表示する画面を読み取り、検査対象の像画素に関わ
    るセンサ画素と比較対象の像画素に関わるセンサ画素と
    の中から欠陥センサ画素とこの欠陥センサ画素と画素間
    相対位置を等しくするセンサ画素とを除き、残りのセン
    サ画素の検出光度を対象として近傍の像画素の相互を比
    較することにより表示画素の欠陥を検査することを特徴
    とする表示素子検査方式。
  6. 【請求項6】 基本変位量にセンサ画素ピッチの零でな
    い整数倍の変位量を加えて変位させ、画素間相対センス
    位置の差が基本変位量となることを特徴とする請求項
    の表示素子検査方式。
  7. 【請求項7】 像画像の配列方向に対してセンサ画素の
    配列方向を平行になるように整列させると共に、各々の
    配列方向に対してそれぞれ独立に、互いに約分できない
    正の整数をq,rとして、像画素q個の寸法領域に対し
    てセンサ画素r個の寸法領域が対応するように配置し
    て、表示する画面を読み取り、欠陥センサ画素の関与す
    る像画素から画素間距離がqの正の整数倍の位置にある
    像画素において欠陥センサ画素と等しい画素間相対位置
    にあるセンサ画素の検出光度を欠陥センサ画素の検出光
    度と見なすことを特徴とする表示素子検査方式。
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