JP2796704B2 - 棒種菌並びにこれを用いた接種方法 - Google Patents

棒種菌並びにこれを用いた接種方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はしいたけ等のきのこ
類の栽培に用いる種菌並びにこれの接種方法に関するも
のである。
【0002】
【発明の背景】しいたけ等のきのこ類の栽培にあたって
は、大別して原木を用いた栽培と、おが屑を用いた栽培
とがある。原木を用いた栽培はきのこ類本来の生息状態
に近いため、きのこ特有の風味、香気を具えた製品を生
産することができるものの、占有空間が広い、歩留りが
悪い等の欠点があり最近ではもっぱら高級品として少量
が生産されているにすぎない。一方、おが屑を用いた栽
培には大別してビン栽培と袋栽培とがあり、いずれも低
原価で効率良く短期室内栽培が行えるため通年生産、大
量生産及び個人栽培に適している。このうちビン栽培に
関してはビン本体を蓋を用いて封止する構造が機械によ
る扱いになじんでいるため、自動化、効率化のための種
々の案出がなされているとともに、実用化されている。
一方、袋栽培に関しては、形状が一定にならないこと
と、口を折り曲げてステープラ、テープ等を用いて封止
する構造とが機械による扱いになじまないため、自動
化、効率化がなされていないのが実情である。
【0003】ところできのこ類の栽培において最も重要
且つ困難な作業は種菌の接種であり、この際雑菌が栽地
に対して混入すると雑菌が繁殖してしまい子実体(きの
こ)の発生を阻害するため歩留りが悪くなってしまう。
以下袋栽培における接種の態様を示すとともに、問題点
を例示する。袋栽培の一般的な態様は、図7(a)
(b)に示すようにおが屑7、栄養剤、水等を一例とし
てポリエチレンから成る耐熱性の袋6に封入した後、図
7(c)に示すように蒸し器、圧力鍋等を用いて加熱殺
菌した栽地8に対して図7(d)(e)に示すように種
菌2(おが屑種菌)を接種するものである。その後適宜
の温度湿度管理を行うことで図7(f)に示すように種
菌2(菌糸3)が栽地8を養分として繁殖するものであ
り、やがて90日〜120日後に子実体(きのこ1)が
発生する。因みにこのように栽地8に菌糸3が繁殖した
状態のものは原木を用いた栽培におけるほだ木に相当す
る。
【0004】前記種菌2の接種にあたっては図7(d)
に示すように一旦袋6を開封し、ここから種菌2を図7
(e)に示すようにスプーン等で投入するのであるが、
殺菌処理を施した空間にて行わなければ雑菌の繁殖を引
き起こしてしまうので、このための無菌状態に保った接
種室10を必要とする。更に接種室10及び使用する器
具(ボール、おたま、種菌ビン等)についてはそれらの
殺菌処理を要し、なお且つ衣服も清潔なものに着替える
必要があるため、種菌2の接種は非常に手間のかかる工
程となってしまっていた。
【0005】更に栽地8に対して均一に菌糸3を繁殖さ
せるために、栽地8に対して図7(d)に示すようにニ
ードル等で穴を開け、この部分に種菌2を落とし込むた
め、1800ccの栽地8に対しておおよそ25cc
と、多量の種菌2を必要としていた。前記のような状況
からきのこ類の袋栽培においては、使用する種菌量の少
量化並びに種菌の接種の際の設備及び工程の簡略化をす
ることが望まれていた。
【0006】
【解決を試みた技術的課題】本発明はこのような背景を
充分に認識して案出されたものであり、きのこ類の袋栽
培において栽地に対して種菌を接種するにあたり、設備
及び工程の簡略化をなしつつ、栽地に対して雑菌の混入
を防ぐことができるようにした新規な棒種菌並びにこれ
を用いた接種方法を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
棒種菌は、一端を鋭利に加工した棒状部材を、殺菌した
容器内に配列するとともにきのこ類の種菌を投入し、容
器を密閉した後適宜の温度湿度管理を行って前記棒状部
材に対して種菌を純粋培養したことを特徴とする。そし
て請求項1記載の発明によれば、棒種菌を栽地に対して
突き刺すことができ、種菌が栽地の深層部にまで至る。
【0008】また請求項2記載の棒種菌を用いた接種方
法は、おが屑、栄養剤、水等を袋に封入した後に殺菌処
理を施した栽地に対して、この袋を開封せずに、一端を
鋭利に加工し種菌を純粋培養した棒種菌を突き刺すこと
を特徴とする。そして請求項2記載の発明によれば、殺
菌処理を施した栽地に対して雑菌が混入しない。これら
各請求項記載の発明により前記課題の解決が図られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の棒種菌について説明
し、更に棒種菌を用いた接種方法について説明する。図
2(a)に示すのが棒状部材4であり、一例として長さ
80mm、5mm角程度の角材を用い、一端を鉛筆削り
等適宜の器具によって鋭利に加工を施す。材質に関して
は、栽培するきのこ1の種菌2が繁殖するのに適したも
のを用いることが好ましい。例えばしいたけでは、コナ
ラ、クヌギ、シイ等であり、えのきたけでは、ケヤキ、
エノキ、ポプラ等である。もちろん多種のきのこ1に適
したミズナラ、ブナノキ、シデ類等を用いたり、廃材
(割り箸)、木材繊維を原料として成形したファイバー
ボードを加工したもの等を用いて共通化を計れば、原価
低減につながる。
【0010】そして図2(a)に示す棒状部材4から図
2(b)に示す棒種菌5を製造するのであるが、このた
めにまずガラス、ポリプロピレン等を素材とする蓋付き
の培養ビン9をアルコール洗浄、加熱等により殺菌処理
を施す。次いで培養ビン9内に、加熱殺菌処理後冷却し
た棒状部材4を配列するとともに、約3ccの種菌2を
投入し、蓋で密閉した後、適宜の温度湿度管理(一例と
して温度25℃、湿度65%)を行って前記棒状部材4
に対して種菌2を純粋培養させ、棒種菌5を得るのであ
る。因みにこのような手法は、既存の種駒、おが屑種菌
等の製造手法と同様であり、種菌2の投入は無菌室内に
おいて行うものとする。
【0011】次に袋6について説明する。このものはポ
リプロピレン等の耐熱性を有する素材から成る袋体であ
り、一例として容積2500cc程度のものを使用す
る。そしてこのものに、図4(a)に示すようにおが屑
7、栄養剤、水等を適宜ミキサー等で攪拌したものを七
分目程度まで投入する。次いで口を折り曲げて図4
(b)に示すようにステープラ等で封止した後、蒸し
器、圧力釜等により加熱殺菌することで栽地8を形成す
る。おが屑7及び栄養剤の材質に関しては、製品の風
味、香気、肉質等を左右するため、栽培するきのこ1に
適したものを用いることが好ましい。因みにこのような
栽地8は、従来よりおが屑7を用いた袋栽培に用いてい
たものと同様である。
【0012】本発明の棒種菌を用いた接種方法は前記し
た棒種菌5及び栽地8を用いるものであって、以下この
接種方法について説明する。まず適宜温度湿度管理を行
うことのできる室内に設けた棚上に栽地8を配列する。
次いで培養ビン9の蓋を開け、消毒したピンセット等に
より棒種菌5を取り出し、図5(a)に示すように、栽
地8に対して突き刺す。このようにすることで棒種菌5
は栽地8の深層部にまで至るので、種菌2を深層部にま
で接種することができるのである。更に図1に拡大して
示すように、棒種菌5は、棒状部材4が種菌2によって
コーティングされた状態であり、袋6と棒状部材4との
境界部は種菌2によって埋められている。種菌2は雑菌
に対して抵抗力を持っているので、この境界部から雑菌
が混入することはないのである。因みにこのような接種
工程は、従来手法のように室内の殺菌処理、衣服の交換
等わずらわしい作業をする必要がなく、極めて容易にな
されるのである。なお一度蓋を開けた培養ビン9中の棒
種菌5は使い切るのが好ましい。
【0013】やがて適宜の温度湿度管理の下、接種後2
5日〜30日程度経過すると、図5(b)に示すよう
に、栽地8の半分程度まで種菌2(菌糸3)の繁殖が進
行し、更に接種後50日〜60日程度経過すると、図5
(c)に示すように、栽地8の全域にわたって種菌2
(菌糸3)の繁殖が進行する。やがて図1に示すよう
に、きのこ1が発生するので、この状態で、あるいはき
のこ1を収穫して出荷するのである。
【0014】本発明の棒種菌並びにこれを用いた接種方
法の基本的な実施の形態は上述したとおりであるが、本
発明の技術的思想に基づき以下に示すような態様を取る
こともできる。例えばビン栽培に適用するならば、図6
に示すように蓋あるいは蓋の一部をポリプロピレン、通
気シート等により構成し、この部分に適宜の長さの棒種
菌5を突き刺す。このような手法を採ると、機械を用い
た自動化に対応することができるともに、従来行われて
いた蓋の開閉工程及びそのための装置並びに栽地8への
穴開け及びそのための装置等を省略することができる。
【0015】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、棒種菌5
は、一端を鋭利に加工した棒状部材4に種菌2が純粋培
養されているので、栽地8に対して突き刺すことがで
き、種菌2が栽地8の深層部にまで至る。このためニー
ドル等で穴を開ける必要がなくなるとともに、従来はこ
の穴を埋めるように種菌2を多量に用いていたのに比
べ、種菌2の使用量を著しく減少することができる。
【0016】また請求項2記載の発明によれば、おが屑
7、栄養剤、水等を袋6に封入した後に殺菌処理を施し
た栽地8に対して、この袋6を開封せずに棒種菌5を突
き刺すことで種菌2の接種を行うので、栽地8に対して
雑菌が混入しない。このため、従来12月〜3月にかけ
ての寒冷期にしか行うことができなかった種菌2の接種
を、年間を通して行うことができる。また接種作業が極
めて簡単であるため、初心者でも容易に接種作業を行う
ことができる。ひいてはきのこ1の量産効率が向上し、
コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の棒種菌並びにこれを用いた接種方法に
よりきのこが発生した様子を示す斜視図である。
【図2】本発明の棒種菌及びこれに使用する棒状部材を
示す斜視図である。
【図3】同上棒状部材に種菌を培養し、棒種菌を得る様
子を示す斜視図である。
【図4】本発明の棒種菌を用いた接種方法に用いる栽地
の形成の様子を二段階に分けて示す斜視図である。
【図5】同上棒種菌を栽地に対して突き刺した状態から
菌糸の繁殖する様子を三段階で示す斜視図である。
【図6】本発明の棒種菌を用いた接種方法をビン栽培に
適用した様子を示す斜視図である。
【図7】従来行われていた袋栽培の様子を段階的に示す
説明図である。
【符号の説明】
1 きのこ 2 種菌 3 菌糸 4 棒状部材 5 棒種菌 6 袋 7 おが屑 8 栽地 9 培養ビン 10 接種室

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端を鋭利に加工した棒状部材を、殺菌
    した容器内に配列するとともにきのこ類の種菌を投入
    し、容器を密閉した後適宜の温度湿度管理を行って前記
    棒状部材に対して種菌を純粋培養したことを特徴とする
    棒種菌。
  2. 【請求項2】 おが屑、栄養剤、水等を袋に封入した後
    に殺菌処理を施した栽地に対して、この袋を開封せず
    に、一端を鋭利に加工し種菌を純粋培養した棒種菌を突
    き刺すことを特徴とする棒種菌を用いた接種方法。
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