JP2796193B2 - 場所打ちライニングにおける覆工方法 - Google Patents
場所打ちライニングにおける覆工方法Info
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Landscapes
- Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
- Lining And Supports For Tunnels (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は場所打ちライニング工
法により形成する覆工コンクリートに内張材を取り付け
る覆工方法に関する。
法により形成する覆工コンクリートに内張材を取り付け
る覆工方法に関する。
【0002】内張材をトンネル内面に装着する目的に
は、トンネル覆工体に防水性、防蝕性、耐摩耗性およ
びこれらを総合してトンネルの高寿命化が求められる場
合トンネル覆工体に高水圧下で打継ぎ面の止水性が求
められる場合、又上記材料に相対して難燃性が求められ
る場合などがある。前者の内張材としては防水、防蝕シ
ートが使用され、後者の場合はPC(プレキャストコン
クリート)部材が使用される。
は、トンネル覆工体に防水性、防蝕性、耐摩耗性およ
びこれらを総合してトンネルの高寿命化が求められる場
合トンネル覆工体に高水圧下で打継ぎ面の止水性が求
められる場合、又上記材料に相対して難燃性が求められ
る場合などがある。前者の内張材としては防水、防蝕シ
ートが使用され、後者の場合はPC(プレキャストコン
クリート)部材が使用される。
【0003】
【従来の技術】近年、既成のセグメントを現地で組立て
覆工する方法に代わって、合理的にトンネルライニング
を行う方法として場所打ちライニング工法が提案されて
いる。この工法は、シールドの推進と同時に覆工コンク
リートを形成することを特徴としており、従って、内張
材を取り付ける場合には従来のトンネル覆工のようにラ
イニング形成した後、内張材を硬化した覆工コンクリー
トに接着材、ビス等によって固定するか、または吹付材
等によって代替することになる。
覆工する方法に代わって、合理的にトンネルライニング
を行う方法として場所打ちライニング工法が提案されて
いる。この工法は、シールドの推進と同時に覆工コンク
リートを形成することを特徴としており、従って、内張
材を取り付ける場合には従来のトンネル覆工のようにラ
イニング形成した後、内張材を硬化した覆工コンクリー
トに接着材、ビス等によって固定するか、または吹付材
等によって代替することになる。
【0004】このように内張材の取り付けを推進、覆工
と別途行う(後付け)方法では、新たに内張材取付けの
工程を組まなければならず、工期、コストともに従来の
場所打ちライニング工法に比べ大幅に増大することにな
る。また、硬化後コンクリートに内張材を取り付けるた
めには、内張材を接着材またはビス等によって固定する
ことになるが、これらの方法では覆工コンクリートと内
張材を密着一体化することが困難であり、内張材の本来
の機能である防水、防蝕等の効果を期待しにくく、高品
質の覆工体を形成できないおそれがある。特に内張材と
して、薄肉PC部材を取り付ける場合は、PC部材と覆
工コンクリートを一体化することは、事実上極めて困難
である。
と別途行う(後付け)方法では、新たに内張材取付けの
工程を組まなければならず、工期、コストともに従来の
場所打ちライニング工法に比べ大幅に増大することにな
る。また、硬化後コンクリートに内張材を取り付けるた
めには、内張材を接着材またはビス等によって固定する
ことになるが、これらの方法では覆工コンクリートと内
張材を密着一体化することが困難であり、内張材の本来
の機能である防水、防蝕等の効果を期待しにくく、高品
質の覆工体を形成できないおそれがある。特に内張材と
して、薄肉PC部材を取り付ける場合は、PC部材と覆
工コンクリートを一体化することは、事実上極めて困難
である。
【0005】そこで、特開平1−322100号公報記
載のような場所打ちコンクリートライニングによるシー
ルド工法が提案されている。この工法は図6に示すよう
に高強度PC部材を捨型枠21とし、支保リング26で
支持された捨型枠21とシールド機外殻22および妻枠
23からなる打設空間25にコンクリートを打設し、妻
枠23を矢印A方向に押圧移動することによりこの打設
されたコンクリート25aを介してシールド推進反力を
得る方法である。この方法では、覆工形成と同時に打設
コンクリートと密着してPC部材21の設置が可能とな
る。
載のような場所打ちコンクリートライニングによるシー
ルド工法が提案されている。この工法は図6に示すよう
に高強度PC部材を捨型枠21とし、支保リング26で
支持された捨型枠21とシールド機外殻22および妻枠
23からなる打設空間25にコンクリートを打設し、妻
枠23を矢印A方向に押圧移動することによりこの打設
されたコンクリート25aを介してシールド推進反力を
得る方法である。この方法では、覆工形成と同時に打設
コンクリートと密着してPC部材21の設置が可能とな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平1−322100号公報記載の従来技術において
は、次のような課題がある。すなわち、図6に示すよう
に妻枠23を押圧移動することにより打設コンクリート
25を介してシールド推進反力をとる方式は、すなわち
シールド推進時の全荷重を打設コンクリート25に期待
することに帰し、打設コンクリート25の内圧がかなり
高圧となる。推進と同時に行うテールボイドの充填にお
いて上記作用により、コンクリートの内圧と地山の土水
圧が極端に異なり、コンクリートが矢印Bのように地山
側に大幅に流れ込むことが予想され、打設空間25a内
のコンクリートの減少により、妻枠23が既打設コンク
リート27側に大きく移動し、内部のコンクリートの挙
動により、捨型枠21に沿って矢印C方向に剪断力が作
用する。例えば、土圧シールド工法では内径3mφ(外
径3.8mφ)、1回の打設長1mとした場合、シール
ド推力によってテール内のコンクリートに発生する応力
は最大25〜30kg/cm2、テールボイドを充填すること
によって妻枠が移動する長さは20〜30cm以上となる。こ
のような状況下で、捨型枠としてPC部材を用いた場
合、又はPC部材の代わりに防水材、防蝕材を取り付け
た内型枠を用いた場合、以下のような問題点がある。
開平1−322100号公報記載の従来技術において
は、次のような課題がある。すなわち、図6に示すよう
に妻枠23を押圧移動することにより打設コンクリート
25を介してシールド推進反力をとる方式は、すなわち
シールド推進時の全荷重を打設コンクリート25に期待
することに帰し、打設コンクリート25の内圧がかなり
高圧となる。推進と同時に行うテールボイドの充填にお
いて上記作用により、コンクリートの内圧と地山の土水
圧が極端に異なり、コンクリートが矢印Bのように地山
側に大幅に流れ込むことが予想され、打設空間25a内
のコンクリートの減少により、妻枠23が既打設コンク
リート27側に大きく移動し、内部のコンクリートの挙
動により、捨型枠21に沿って矢印C方向に剪断力が作
用する。例えば、土圧シールド工法では内径3mφ(外
径3.8mφ)、1回の打設長1mとした場合、シール
ド推力によってテール内のコンクリートに発生する応力
は最大25〜30kg/cm2、テールボイドを充填すること
によって妻枠が移動する長さは20〜30cm以上となる。こ
のような状況下で、捨型枠としてPC部材を用いた場
合、又はPC部材の代わりに防水材、防蝕材を取り付け
た内型枠を用いた場合、以下のような問題点がある。
【0007】(PC部材の場合)上記工法を用いること
で、コンクリートの内圧が高く、妻面の移動量も大きく
なり、これに対抗するためにPC部材としてかなりの耐
力が要求される。これに対して、アラミド繊維等を用い
た高強度PC部材であれば対抗可能であると考えられ
が、このような部材は大変高価である。
で、コンクリートの内圧が高く、妻面の移動量も大きく
なり、これに対抗するためにPC部材としてかなりの耐
力が要求される。これに対して、アラミド繊維等を用い
た高強度PC部材であれば対抗可能であると考えられ
が、このような部材は大変高価である。
【0008】また、PC部材と覆工コンクリートの一体
化を図るためには、埋込み金物等を用いPC部材と覆工
コンクリートとを合成構造とする必要があるが、このよ
うな埋込金物を取りつけた状態で上記に示す妻枠の移動
や内型枠の面に沿った剪断力が作用すれば埋込金物、ひ
いてはPC部材自身を破損するおそれがある。
化を図るためには、埋込み金物等を用いPC部材と覆工
コンクリートとを合成構造とする必要があるが、このよ
うな埋込金物を取りつけた状態で上記に示す妻枠の移動
や内型枠の面に沿った剪断力が作用すれば埋込金物、ひ
いてはPC部材自身を破損するおそれがある。
【0009】(防水材、防蝕材の場合)防水、防蝕を目
的とする内張材は、一般に塩化ビニール、ポリエチレン
等のシートを用いる。これらのシートは外力に対する耐
力を有しておらず、上記のような大きな力が作用するこ
とでシート自身を破損するおそれがある。
的とする内張材は、一般に塩化ビニール、ポリエチレン
等のシートを用いる。これらのシートは外力に対する耐
力を有しておらず、上記のような大きな力が作用するこ
とでシート自身を破損するおそれがある。
【0010】なお、内型枠にシールド推進の反力をとる
方式(例えば特開昭60−141998号公報、特開昭
62−19439号公報)もあるが、このような内型枠
と打設コンクリートの付着力に反力を期待する方法で
は、内型枠と打設コンクリートとの間に内張材等の介在
物を設置することはできない。従って、この方式でも上
記した従来のように内張材は後付けとならざるを得ず、
新たに内張材取付けの工程を組む必要があるため、工
期、コストともに従来の場所打ちライニング工法に比べ
大幅に増大することになる。
方式(例えば特開昭60−141998号公報、特開昭
62−19439号公報)もあるが、このような内型枠
と打設コンクリートの付着力に反力を期待する方法で
は、内型枠と打設コンクリートとの間に内張材等の介在
物を設置することはできない。従って、この方式でも上
記した従来のように内張材は後付けとならざるを得ず、
新たに内張材取付けの工程を組む必要があるため、工
期、コストともに従来の場所打ちライニング工法に比べ
大幅に増大することになる。
【0011】そこで、本発明は上記のような従来技術の
課題に鑑み、合成シヤフトに推進反力をとる方式を採用
し、予め内型枠に取り付けた内張材に何ら損傷を与えず
覆工コンクリートと密着一体化させ、高品質の覆工体が
形成できるとともに工期の短縮、コストの低減が図れる
場所打ちライニングにおける覆工方法を提供することを
目的とする。
課題に鑑み、合成シヤフトに推進反力をとる方式を採用
し、予め内型枠に取り付けた内張材に何ら損傷を与えず
覆工コンクリートと密着一体化させ、高品質の覆工体が
形成できるとともに工期の短縮、コストの低減が図れる
場所打ちライニングにおける覆工方法を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明の場所打ちライニングにおける覆工方法は、覆工コ
ンクリート内に埋設した鋼管内の速硬モルタルで形成し
た合成シヤフトを押圧することによってシールドの推進
反力をとり、コンクリートを打設するための打設管をテ
ールフレームと同調させつつ移動してテールボイドにコ
ンクリートを充填する場所打ちライニング工法におい
て、アンカーを有する内張材を内型枠に予め取り付け、
この内張材付内型枠をリング状に組み立てて打設空間を
形成し、該打設空間内にコンクリートを打設して該内張
材とコンクリートを該アンカーを介して密着一体化さ
せ、該内型枠を脱型して該内張材の取り付けを完了させ
ることを特徴とする。
発明の場所打ちライニングにおける覆工方法は、覆工コ
ンクリート内に埋設した鋼管内の速硬モルタルで形成し
た合成シヤフトを押圧することによってシールドの推進
反力をとり、コンクリートを打設するための打設管をテ
ールフレームと同調させつつ移動してテールボイドにコ
ンクリートを充填する場所打ちライニング工法におい
て、アンカーを有する内張材を内型枠に予め取り付け、
この内張材付内型枠をリング状に組み立てて打設空間を
形成し、該打設空間内にコンクリートを打設して該内張
材とコンクリートを該アンカーを介して密着一体化さ
せ、該内型枠を脱型して該内張材の取り付けを完了させ
ることを特徴とする。
【0013】
【作用】上記構成においては、アンカーを有する内張材
を予め取り付けた内型枠等から形成される打設空間にコ
ンクリートを打設することで、打設コンクリートと内張
材との密着一体化作用が得られ、防水材、防蝕材として
の内張材の性能を充分発揮させることができる。
を予め取り付けた内型枠等から形成される打設空間にコ
ンクリートを打設することで、打設コンクリートと内張
材との密着一体化作用が得られ、防水材、防蝕材として
の内張材の性能を充分発揮させることができる。
【0014】覆工コンクリート内に埋設した鋼管内の速
硬モルタルで形成した合成シヤフトにシールド推進の反
力をとり、打設管をテールと同調して移動させ、テール
ボイドにコンクリートを充填させる工法においては、テ
ールボイド充填時において内型枠に沿った力は殆ど発生
せず、このため、内張材にアンカーのような突起物があ
っても損傷を与えることなく内張材と覆工コンクリート
との密着一体化が図れる。加えて、捨型枠としてPC部
材を用いる場合でも、妻枠を介して打設コンクリートに
シールド推進の反力をとる方式に比べ、PC部材に作用
する荷重が軽微であることでPC部材に対し多大な耐力
が要求されない。
硬モルタルで形成した合成シヤフトにシールド推進の反
力をとり、打設管をテールと同調して移動させ、テール
ボイドにコンクリートを充填させる工法においては、テ
ールボイド充填時において内型枠に沿った力は殆ど発生
せず、このため、内張材にアンカーのような突起物があ
っても損傷を与えることなく内張材と覆工コンクリート
との密着一体化が図れる。加えて、捨型枠としてPC部
材を用いる場合でも、妻枠を介して打設コンクリートに
シールド推進の反力をとる方式に比べ、PC部材に作用
する荷重が軽微であることでPC部材に対し多大な耐力
が要求されない。
【0015】更に、内型枠に内張材を取り付け、シール
ド推進、覆工の作業を実施することで、従来の方式に比
べ内張材を含めた覆工体を形成するための作業時間、コ
ストを大幅に削減することができる。
ド推進、覆工の作業を実施することで、従来の方式に比
べ内張材を含めた覆工体を形成するための作業時間、コ
ストを大幅に削減することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例にかかる場所打ちライ
ニングにおける覆工方法、特に内張材を覆工体に取り付
ける工法について図面を参照しながら説明する。
ニングにおける覆工方法、特に内張材を覆工体に取り付
ける工法について図面を参照しながら説明する。
【0017】図1は場所打ちライニング工法シールド機
の概略縦断面図、図2は図1のA−A断面におけるトン
ネル円周方向の概略横断面図である。
の概略縦断面図、図2は図1のA−A断面におけるトン
ネル円周方向の概略横断面図である。
【0018】図1、図2に示すように、シールド機の外
殻をなすテールフレーム1に同心状にエアバッグ等の弾
性体2と補助テールフレーム3が内装されている。この
テールフレーム3の内側にはシールド掘進に伴い構築さ
れる内型枠4がリング状に設けられている。また、この
内型枠4の外側面には覆工コンクリートと一体密着化し
た内張材5が取り付けられている。この内張材5は後述
するように予め内型枠4に取り付けられたものである。
内型枠4の切羽端面には妻枠6が妻枠ジャッキ7により
押接されている。
殻をなすテールフレーム1に同心状にエアバッグ等の弾
性体2と補助テールフレーム3が内装されている。この
テールフレーム3の内側にはシールド掘進に伴い構築さ
れる内型枠4がリング状に設けられている。また、この
内型枠4の外側面には覆工コンクリートと一体密着化し
た内張材5が取り付けられている。この内張材5は後述
するように予め内型枠4に取り付けられたものである。
内型枠4の切羽端面には妻枠6が妻枠ジャッキ7により
押接されている。
【0019】また、内張材5付の内型枠4、テールフレ
ーム1(正確には補助テールフレーム3)及び妻枠6と
の間に形成された打設空間8aにコンクリートが充填さ
れている(このコンクリートを現打設コンクリート8と
いう)。そして、この現打設コンクリート8が打継ぎ面
9において既打設コンクリート10と連続した覆工体を
形成するようになっている。
ーム1(正確には補助テールフレーム3)及び妻枠6と
の間に形成された打設空間8aにコンクリートが充填さ
れている(このコンクリートを現打設コンクリート8と
いう)。そして、この現打設コンクリート8が打継ぎ面
9において既打設コンクリート10と連続した覆工体を
形成するようになっている。
【0020】本発明方法では、シールド機の推進は、合
成シヤフト反力方式を採用する。すなわち、シールド機
の推進反力を得るために、妻枠6を貫通し、現打設コン
クリート8内の鋼管11を通り、既打設コンクリート1
0の内部に埋設された鋼管11内に充填された速硬モル
タルで形成した合成シヤフト12まで、テレスコピック
ジャッキである推進ジャッキ13が延伸しており、覆工
コンクリートを形成し、シールド推進するにあたって、
内型枠4に取り付けた内張材5が何ら影響受けない構造
となっている。図中、14は補強部材たる鉄筋籠、15
は内型枠4を脱型しているエレクタを示す。
成シヤフト反力方式を採用する。すなわち、シールド機
の推進反力を得るために、妻枠6を貫通し、現打設コン
クリート8内の鋼管11を通り、既打設コンクリート1
0の内部に埋設された鋼管11内に充填された速硬モル
タルで形成した合成シヤフト12まで、テレスコピック
ジャッキである推進ジャッキ13が延伸しており、覆工
コンクリートを形成し、シールド推進するにあたって、
内型枠4に取り付けた内張材5が何ら影響受けない構造
となっている。図中、14は補強部材たる鉄筋籠、15
は内型枠4を脱型しているエレクタを示す。
【0021】ここで、図3(a)(b)により内張材5
(内張シート5Aを例示)を予め内型枠4に取り付ける
要領について説明する。
(内張シート5Aを例示)を予め内型枠4に取り付ける
要領について説明する。
【0022】内張シート5Aは(a)に示すように、平
板状のシートの上面にコンクリートとの密着を目的とし
て複数のアンカー5aが突設されており、下面には少な
くとも前後左右に内型枠4に係着のための突起5bが突
設されている。この突起5bを内型枠4に穿設した係着
穴に嵌合することにより内張シート5が内型枠4に係着
されるようになっている。(b)はその係着した状態図
である。
板状のシートの上面にコンクリートとの密着を目的とし
て複数のアンカー5aが突設されており、下面には少な
くとも前後左右に内型枠4に係着のための突起5bが突
設されている。この突起5bを内型枠4に穿設した係着
穴に嵌合することにより内張シート5が内型枠4に係着
されるようになっている。(b)はその係着した状態図
である。
【0023】図4(a)(b)は、各種の内張材を内型
枠に予め取り付け、覆工コンクリートを打設した状態を
示す。
枠に予め取り付け、覆工コンクリートを打設した状態を
示す。
【0024】(a)では、防水、防蝕性を有する塩化ビ
ニール又はポリエチレン等の内張シート5Aを取りつけ
た状態を示す。この場合、内張シート5Aが凹凸に加工
されている場合は、そのまま内型枠4に取り付け、打設
コンクリートCとの一体化が図れるが、表面が平滑な内
張シートのようにコンクリートと一体化しにくい場合に
おいては、図示するように予めシートにアンカーと同機
能のジベル5cを溶着しておき、これを内型枠4に取り
付けコンクリートCを打設する。
ニール又はポリエチレン等の内張シート5Aを取りつけ
た状態を示す。この場合、内張シート5Aが凹凸に加工
されている場合は、そのまま内型枠4に取り付け、打設
コンクリートCとの一体化が図れるが、表面が平滑な内
張シートのようにコンクリートと一体化しにくい場合に
おいては、図示するように予めシートにアンカーと同機
能のジベル5cを溶着しておき、これを内型枠4に取り
付けコンクリートCを打設する。
【0025】(b)は薄肉PC部材5Bの取り付け状況
を示す。コンクリートCとの密着性を高めるためにアン
カーと同機能のトラス筋5d又は上記のジベル5cを上
面に突設した薄肉PC部材を使用し、その反対面に予め
ナットを埋設しておき、内型枠4にはボルト16によっ
て固定する。そして、これを所定位置に組み立て、コン
クリートCを打設し、コンクリートCとPC部材5Bと
の一体化を図るようになっている。
を示す。コンクリートCとの密着性を高めるためにアン
カーと同機能のトラス筋5d又は上記のジベル5cを上
面に突設した薄肉PC部材を使用し、その反対面に予め
ナットを埋設しておき、内型枠4にはボルト16によっ
て固定する。そして、これを所定位置に組み立て、コン
クリートCを打設し、コンクリートCとPC部材5Bと
の一体化を図るようになっている。
【0026】本発明の覆工方法における合成シヤフト推
進反力方式では、コンクリートとの密着一体化のための
アンカーを有する内張材であっても、アンカー自身に剪
断力が働かず、アンカー及び内張材を損傷することがな
く、内張材本来の機能を損なうようなことがない。
進反力方式では、コンクリートとの密着一体化のための
アンカーを有する内張材であっても、アンカー自身に剪
断力が働かず、アンカー及び内張材を損傷することがな
く、内張材本来の機能を損なうようなことがない。
【0027】なお、このことから電力洞道内の配線、配
管や間仕切り等を設置するためのアンカー用の埋込金物
を予め内型枠に取り付けてボルト等で固定し、コンクリ
ートを打設することも可能となる。
管や間仕切り等を設置するためのアンカー用の埋込金物
を予め内型枠に取り付けてボルト等で固定し、コンクリ
ートを打設することも可能となる。
【0028】次に、図5(a)〜(g)に基づき本発明
方法の施工順序を内張材の取り付け作業を含め、シール
ド機全体の動作に対し、内張材としてシートを用いた場
合を例として経時的に説明する。
方法の施工順序を内張材の取り付け作業を含め、シール
ド機全体の動作に対し、内張材としてシートを用いた場
合を例として経時的に説明する。
【0029】(a)のように、テレスコピックジャッキ
である推進ジャッキ13を引っ込めて、妻枠6を妻枠ジ
ャッキ7を短縮することにより妻面から脱型し、鉄筋籠
14挿入スペースを確保する。次いで、(b)のように
再び推進ジャッキ13を伸長し、推進ジャッキ13をガ
イドとして分割された鉄筋籠14を組み立て、その後予
め図3(a)(b)の要領で内張材5を取り付けた内型
枠4をエレクタ15により順次建込んでいく。次いで
(c)に示すようにテールフレーム1、内型枠4、シー
ルド機側で内型枠4の端面に押接する妻枠6からなるコ
ンクリートの打設空間8aを形成する。そして、コンク
リートの打設管Pを妻枠6に貫通して該打設空間8aに
挿入し、打継ぎ面9近傍に設置する。この後シールド機
外に設備されているコンクリートポンプから送給された
コンクリートを打設管Pを通して打設空間8a内に充満
させる。コンクリートの打設終了後、(d)及び図1に
示すようにテレスコピックジャッキである推進ジャッキ
13の二段目ロッド13aにより合成シヤフト12を押
圧することによってシールド機を掘進させる。掘進によ
って、テールエンドが移動し、テール部に空隙(テール
ボイド)が発生するが、このテールボイドをコンクリー
トで充填させるために打設管Pをテールエンドに同調さ
せつつ移動させ、打設管Pより打設空間8aの圧力を土
水圧以上に保持しながらコンクリートを圧入していく。
このとき、妻枠6の移動がなく、内型枠4の面に沿った
力が作用しないことからアンカー5aを有する内張材5
であっても破損するようなことはなく、内張材5とコン
クリートとの密着一体化が図れる。テールボイド充填
後、(e)に示すように妻枠6の早期脱型を図るため、
妻枠6の加圧板6aをテレスコピックジャッキの一段目
ロッド13bによって加圧し、コンクリート中の余剰水
を妻面から積極的に排水し、妻枠脱型後のコンクリート
の自立性を向上させる。加圧終了後、妻枠脱型までの養
生期間に(f)に示すように覆工体内の鋼管11から推
進ジャッキ13を引き抜き、この鋼管11にモルタル注
入管Mにより速硬モルタルを充填し合成シヤフト12を
形成する。覆工コンクリートが所定の強度に達した後、
(g)及び図1に示すように内張材5からエレクタ15
によって内型枠4を脱型し、内張材5間の目地部を溶着
して連結一体化した後、係着用の突起5bは切断除去す
る。
である推進ジャッキ13を引っ込めて、妻枠6を妻枠ジ
ャッキ7を短縮することにより妻面から脱型し、鉄筋籠
14挿入スペースを確保する。次いで、(b)のように
再び推進ジャッキ13を伸長し、推進ジャッキ13をガ
イドとして分割された鉄筋籠14を組み立て、その後予
め図3(a)(b)の要領で内張材5を取り付けた内型
枠4をエレクタ15により順次建込んでいく。次いで
(c)に示すようにテールフレーム1、内型枠4、シー
ルド機側で内型枠4の端面に押接する妻枠6からなるコ
ンクリートの打設空間8aを形成する。そして、コンク
リートの打設管Pを妻枠6に貫通して該打設空間8aに
挿入し、打継ぎ面9近傍に設置する。この後シールド機
外に設備されているコンクリートポンプから送給された
コンクリートを打設管Pを通して打設空間8a内に充満
させる。コンクリートの打設終了後、(d)及び図1に
示すようにテレスコピックジャッキである推進ジャッキ
13の二段目ロッド13aにより合成シヤフト12を押
圧することによってシールド機を掘進させる。掘進によ
って、テールエンドが移動し、テール部に空隙(テール
ボイド)が発生するが、このテールボイドをコンクリー
トで充填させるために打設管Pをテールエンドに同調さ
せつつ移動させ、打設管Pより打設空間8aの圧力を土
水圧以上に保持しながらコンクリートを圧入していく。
このとき、妻枠6の移動がなく、内型枠4の面に沿った
力が作用しないことからアンカー5aを有する内張材5
であっても破損するようなことはなく、内張材5とコン
クリートとの密着一体化が図れる。テールボイド充填
後、(e)に示すように妻枠6の早期脱型を図るため、
妻枠6の加圧板6aをテレスコピックジャッキの一段目
ロッド13bによって加圧し、コンクリート中の余剰水
を妻面から積極的に排水し、妻枠脱型後のコンクリート
の自立性を向上させる。加圧終了後、妻枠脱型までの養
生期間に(f)に示すように覆工体内の鋼管11から推
進ジャッキ13を引き抜き、この鋼管11にモルタル注
入管Mにより速硬モルタルを充填し合成シヤフト12を
形成する。覆工コンクリートが所定の強度に達した後、
(g)及び図1に示すように内張材5からエレクタ15
によって内型枠4を脱型し、内張材5間の目地部を溶着
して連結一体化した後、係着用の突起5bは切断除去す
る。
【0030】上記一連の動作を繰り返し行って、シール
ド機の推進、覆工体の形成がなされる。
ド機の推進、覆工体の形成がなされる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような効果が得られる。
のような効果が得られる。
【0032】(a)打設コンクリートと内張材とを密着
一体化することで防水材、防蝕材としての内張材の性能
を充分に発揮することができ、高品質の覆工体が形成で
きる。
一体化することで防水材、防蝕材としての内張材の性能
を充分に発揮することができ、高品質の覆工体が形成で
きる。
【0033】(b)シールドの推進、覆工体の形成の一
連の作業の中で、内型枠の面に沿った力が殆ど生じない
ため、アンカーを有する内張材であってもこれを損傷さ
せることなく、内張材と覆工コンクリートとの一体化が
図れる。
連の作業の中で、内型枠の面に沿った力が殆ど生じない
ため、アンカーを有する内張材であってもこれを損傷さ
せることなく、内張材と覆工コンクリートとの一体化が
図れる。
【0034】(c)内張材として薄肉PC部材を用いる
場合、PC部材に作用する荷重が妻枠を介して打設コン
クリートにシールド推進の反力をとる方式に比べ軽微で
あることでPC部材に多大の耐力が要求されない。
場合、PC部材に作用する荷重が妻枠を介して打設コン
クリートにシールド推進の反力をとる方式に比べ軽微で
あることでPC部材に多大の耐力が要求されない。
【0035】(d)内型枠に予め内張材を取り付け、シ
ールド推進、覆工の作業を実施することで、従来の方式
に比べ内張材を含めた覆工体を形成するための作業時
間、コストを大幅に削減できる。
ールド推進、覆工の作業を実施することで、従来の方式
に比べ内張材を含めた覆工体を形成するための作業時
間、コストを大幅に削減できる。
【図1】本発明の実施例にかかる場所打ちライニング工
法シールド機の概略縦断面図である。
法シールド機の概略縦断面図である。
【図2】図1のA−A断面におけるトンネル円周方向の
概略横断面図である。
概略横断面図である。
【図3】(a)、(b)は内張材を予め内型枠に取り付
ける要領図である。
ける要領図である。
【図4】(a)、(b)は各種の内張材において内張材
を内型枠に取り付け、覆工コンクリートを打設した状態
を示す断面図である。
を内型枠に取り付け、覆工コンクリートを打設した状態
を示す断面図である。
【図5】(a)〜(g)は本発明方法の施工順序を経時
的に示した説明図である。
的に示した説明図である。
【図6】従来の妻枠を移動押圧して推進反力をとる方式
の説明図である。
の説明図である。
1…テールフレーム 4…内型枠 5…内張材 5A…内張シート 5B…PC部材 5a…アンカー 6…妻枠 9…打継ぎ面 12…合成シヤフト 13…推進ジャッキ 14…鉄筋籠 P…打設管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀崎 敏嗣 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設 株式会社内 (72)発明者 稲田 義和 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設 株式会社内 (72)発明者 川端 康夫 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設 株式会社内 (72)発明者 桜井 洋 東京都中央区銀座8丁目21番1号 株式 会社竹中土木内 (72)発明者 大森 秀高 東京都中央区銀座8丁目21番1号 株式 会社竹中土木内 (72)発明者 改発 清秀 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 石川 吉見 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (56)参考文献 特開 昭62−69000(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 11/10 E21D 9/06 301 E21D 11/38
Claims (1)
- 【請求項1】 覆工コンクリート内に埋設した鋼管内の
速硬モルタルで形成した合成シヤフトを押圧することに
よってシールドの推進反力をとり、コンクリートを打設
するための打設管をテールフレームと同調させつつ移動
してテールボイドにコンクリートを充填する場所打ちラ
イニング工法において、アンカーを有する内張材を内型
枠に予め取り付け、この内張材付内型枠をリング状に組
み立てて打設空間を形成し、該打設空間内にコンクリー
トを打設して該内張材とコンクリートを該アンカーを介
して密着一体化させ、該内型枠を脱型して該内張材の取
り付けを完了させることを特徴とする場所打ちライニン
グにおける覆工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2403161A JP2796193B2 (ja) | 1990-12-18 | 1990-12-18 | 場所打ちライニングにおける覆工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2403161A JP2796193B2 (ja) | 1990-12-18 | 1990-12-18 | 場所打ちライニングにおける覆工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04216798A JPH04216798A (ja) | 1992-08-06 |
JP2796193B2 true JP2796193B2 (ja) | 1998-09-10 |
Family
ID=18512923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2403161A Expired - Lifetime JP2796193B2 (ja) | 1990-12-18 | 1990-12-18 | 場所打ちライニングにおける覆工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2796193B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003041879A (ja) * | 2001-08-02 | 2003-02-13 | Mitsui Constr Co Ltd | 立坑シールド機による水中掘削方法及び装置 |
-
1990
- 1990-12-18 JP JP2403161A patent/JP2796193B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04216798A (ja) | 1992-08-06 |
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