JP2003041879A - 立坑シールド機による水中掘削方法及び装置 - Google Patents

立坑シールド機による水中掘削方法及び装置

Info

Publication number
JP2003041879A
JP2003041879A JP2001234384A JP2001234384A JP2003041879A JP 2003041879 A JP2003041879 A JP 2003041879A JP 2001234384 A JP2001234384 A JP 2001234384A JP 2001234384 A JP2001234384 A JP 2001234384A JP 2003041879 A JP2003041879 A JP 2003041879A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lining
excavation
shield machine
water
shaft shield
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001234384A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Takahashi
義幸 高橋
Kikuo Ishida
喜久雄 石田
Isao Kataigi
功 片居木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Construction Co Ltd filed Critical Mitsui Construction Co Ltd
Priority to JP2001234384A priority Critical patent/JP2003041879A/ja
Publication of JP2003041879A publication Critical patent/JP2003041879A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の泥水式縦型シールド工法に改良を加
え、特に地下水を含む掘削水の水圧力からの悪影響を軽
減した状態で、現場打ちコンクリートによる覆工作業と
泥水掘削作業との切り換えを迅速に行い、作業能率の向
上と施工費の低減を可能にした立坑シールド機による水
中掘削方法及び装置を提供する。 【解決手段】 立坑2の坑底部に立坑シールド機4を設
置し、立坑シールド機4の隔壁8で覆工作業領域2Bと
区分した掘削作業領域2Aを設け、掘削水が充填されて
所望に水量及び水圧調整13,14した掘削作業領域2
A内で機械掘削5Aを行い、掘削土砂を流体輸送して排
土5Bすると共に、立坑シールド機4は覆工32の1リ
ング分づつ順次推進させ、覆工作業領域2Bでは覆工型
枠30の盛替えを行いながら、現場打ちコンクリートに
よる覆工32を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下水量の多い地
盤に大深度立坑を構築するのに好適な立坑シールド機に
よる水中掘削方法及び装置であって、特に騒音や振動或
いは盤膨れなどの影響を周辺環境に及ぼしてはならない
都市部で大深度立坑を構築する場合に効果的である。
【0002】
【従来の技術】この種の立坑を構築する技術としては、
開削工法、オープンケーソン工法、地中連続壁工法、シ
ールド掘削工法などの各種工法があり、これらの各工法
にはそれぞれ得失があるので、諸々の状況に応じて適合
する工法を適宜採択して立坑の構築が行われている。
【0003】ところで、近年になって都市部における大
深度地下空間を有効利用する必要性が高まり、これに伴
って地下50m以上の大深度立坑の構築が必要になる
が、特に都市部における立坑の構築では騒音や振動或い
は盤膨れなどの影響を周辺環境に及ぼしてはならないこ
と及び、大深度になると多量の地下水をどのように処理
するかが重要な課題となる。
【0004】従来工法の中でも、シールド掘削工法は施
工能率が良いことなどの理由から大深度立坑の構築には
有利であって、特に泥水中で行うシールド掘削工法の場
合には地下水を掘削水として利用できる利点があり、こ
の従来技術として例えば、特開平5−25989号公
報、特開平6−307186号公報、特開平5−239
988号公報などに開示されているものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら従来のシールド
掘削工法において、特開平5−25989号公報及び特
開平6−307186号公報の従来技術では、掘削面の
覆工としてセグメントを使用しているが、このセグメン
トは高価であって而も取付作業に時間を要するので、特
に大深度立坑のように多数のセグメントを必要とする場
合にはコスト面で不利であった。
【0006】特開平5−239988号公報の従来技術
では、掘削面の覆工に現場打ちコンクリートを使用して
いるのでコスト面では有利であるが、現場打ちコンクリ
ートの覆工型枠として立坑シールド機のテール部を使用
しているために、コンクリートが硬化するまで立坑シー
ルド機の発進を中止することになり、掘削作業と覆工作
業の切り換えを迅速に行うことができないので、作業能
率上で不利であった。
【0007】上記した何れの従来技術の場合にも、推進
ジャッキの伸長で立坑シールド機を推進させながら1リ
ング分の掘削作業を行う際に、立坑シールド機が掘削水
からの水圧力を受けるので、立坑シールド機の推進が阻
害されたり、反力受けとなる覆工部が損傷する恐れがあ
り、また推進ジャッキを縮短させて覆工作業を行う際に
は、掘削水からの水圧力で立坑シールド機が押し上げら
れ、1リング分の間隔が確保できなくなって覆工作業を
行うことができなくなる恐れもある。
【0008】そこで本発明では、これら従来のシールド
掘削工法に改良を加え、特に地下水を含む掘削水の水圧
力からの悪影響を軽減した状態で、現場打ちコンクリー
トによる覆工作業と泥水掘削作業との切り換えを迅速に
行うことができるようにし、作業能率の向上と施工費の
低減を可能にした立坑シールド機による水中掘削方法及
び装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の立坑シールド機
による水中掘削方法は、立坑の坑底部に立坑シールド機
を設置し、立坑シールド機の隔壁で上方の覆工作業領域
と区分した掘削作業領域を設け、掘削水が充填されて所
望に水量及び水圧調整した掘削作業領域内で機械掘削を
行い、掘削土砂を流体輸送して排土すると共に、立坑シ
ールド機は覆工する1リング分づつ順次推進させ、覆工
作業領域では覆工型枠の盛替えを行いながら、現場打ち
コンクリートによる覆工を行う。
【0010】この立坑シールド機による水中掘削方法で
は、高価で取付作業にも時間を要するセグメントを使用
しないので、特に大深度立坑を構築する場合には施工費
を大幅に軽減させることが可能であり、また立坑シール
ド機のテール部を覆工型枠にしている従来技術のよう
に、新たに打設した覆工コンクリートが硬化するまで立
坑シールド機の推進(掘削作業)を中断することなく、
掘削作業と覆工作業とを交互に継続的に行うことができ
る。
【0011】前記立坑シールド機による水中掘削方法に
おいて、前記掘削作業領域内における掘削水の水量及び
水圧調整は、前記掘削作業領域内と連通状態に接続した
水量調整管を設け、水量調整管を介して給水又は排水を
して水量調整を行うと共に、前記掘削作業領域内と連通
状態に接続した水圧調整管を設け、水圧調整管に流出す
る掘削水の水頭調整によって水圧調整を行う形態を採る
ことができる。
【0012】この立坑シールド機による水中掘削方法で
は、前記水量調整管によって、地下水量が少ない場合や
排土で目減りした水量を補充すると共に、過剰な地下水
量を排出し、前記水圧調整管によって、立坑シールド機
を推進させた際における過剰な地下水圧を放出させるこ
とができる。
【0013】前記立坑シールド機による水中掘削方法に
おいて、前記覆工の外周面には、1リング分ずつ順次継
ぎ足して熱融着で連続状にした止水シートを張設すると
共に、前記立坑シールド機の推進で生じた止水シートと
周辺地山間のテールボイドには、直ちに裏込め材を充填
する形態を採ることができる。
【0014】この立坑シールド機による水中掘削方法で
は、止水シートよって覆工コンクリートの打ち継目を被
覆し、周辺地山から流入する地下水を遮断して打設する
コンクリートの劣化を防止すると共に、立坑シールド機
の推進と同時に裏込め材を充填して周辺地山の緩みを抑
制し、高品質の覆工を行うことができる。
【0015】前記立坑シールド機による水中掘削方法に
おいて、立坑シールド機は、推進ジャッキの一端を連結
した支圧リングを、覆工コンクリート内に補強材として
埋設するプッシュロッドと覆工型枠に宛って、推進の反
力受けにすると共に、推進ジャッキを縮短させる際には
仮受けジャッキを伸長してプッシュロッドに当接させ、
所定位置に係止保持させる形態を採ることができる。
【0016】この立坑シールド機による水中掘削方法で
は、推進ジャッキの反力を覆工型枠とプッシュロッドの
双方で負担して支持力が増強されるので、覆工型枠や覆
工を損傷させる恐れがなく、しかも覆工型枠に対する反
力負担が軽減されると、その軽減分だけ連接する覆工型
枠の数を減らすことも可能となり、盛替え作業時におけ
る覆工型枠の移動距離が短くなって作業能率を向上させ
る。
【0017】また、推進ジャッキの縮短時には水圧によ
って立坑シールド機が上昇し、1リング分の覆工領域を
確保できなくなるのを阻止するために、プッシュロッド
に仮受けジャッキを係合させて所定位置に係止保持させ
るが、これによって覆工型枠の設置作業や覆工内に埋設
する補強材の取付作業が容易になると共に、覆工の外周
面に設ける止水シートの張設作業も容易になる。
【0018】本発明の立坑シールド機による水中掘削装
置は、掘削作業領域を画定した状態で覆工する1リング
分づつ順次推進させる立坑シールド機と、掘削水が充填
された掘削作業領域内を掘削して掘削土砂を流体輸送し
て排土する水中掘削部と、覆工作業領域では覆工型枠の
盛替えを行いながら現場打ちコンクリートによる覆工を
行う覆工施工部とを備え、前記立坑シールド機には掘削
水の水量調整管及び水圧調整管を設けた。
【0019】この立坑シールド機による水中掘削装置で
は、立坑シールド機の隔壁を境にして下方側における水
中掘削作業と上方側における現場打ちコンクリートによ
る覆工作業とを、継続状態で交互に能率良く行うことが
可能である。
【0020】また水量調整管によって、地下水量が少な
い場合や排土で目減りした水量を補充すると共に、過剰
な地下水量を排出し、水圧調整管によって、立坑シール
ド機を推進させた際における過剰な地下水圧を放出させ
ることができる。
【0021】前記立坑シールド機による水中掘削装置に
おいて、前記立坑シールド機には、先端に推進刃口を形
成したスキンプレートの中間部に、前記掘削作業領域と
覆工作業領域とを区分する隔壁と、立坑シールド機を推
進する推進ジャッキ及び、推進した立坑シールド機を既
設の覆工に仮受けする仮受けジャッキを設けた形態を採
ることができる。
【0022】この立坑シールド機による水中掘削装置で
は、立坑シールド機の構成が極めて簡単であることか
ら、安価に提供することが可能である。
【0023】前記立坑シールド機による水中掘削装置に
おいて、前記覆工には、1リング分づつ順次連結するプ
ッシュロッドを補強材として埋設させ、前記型枠とプッ
シュロッドを前記推進ジャッキの反力受けにすると共
に、前記プッシュロッドを前記仮受けジャッキの支持部
材とする形態を採ることができる。
【0024】この立坑シールド機による水中掘削装置で
は、推進ジャッキの反力を覆工型枠とプッシュロッドの
双方で負担して支持力が増強されるので、覆工型枠や覆
工を損傷させる恐れがなく、しかも覆工型枠に対する反
力負担が軽減されると、その軽減分だけ連接する覆工型
枠の数を減らすことも可能となり、盛替え作業時におけ
る覆工型枠の移動距離が短くなって作業能率を向上させ
る。
【0025】また、推進ジャッキの縮短時には水圧によ
って立坑シールド機が上昇し、1リング分の覆工領域を
確保できなくなるのを阻止するために、プッシュロッド
に仮受けジャッキを係合させて所定位置に係止保持させ
るが、これによって覆工型枠の設置作業や覆工内に埋設
する補強材の取付作業が容易になると共に、覆工の外周
面に設ける止水シートの張設作業も容易になる。
【0026】前記立坑シールド機による水中掘削装置に
おいて、前記水中掘削部は、旋回アームの先端にバック
ホウ等の掘削具を装着した旋回掘削手段を前記立坑シー
ルド機の隔壁下部側に設けると共に、前記掘削具の近傍
に吸泥口を有する吸泥パイプを介して取り込んだ掘削土
砂を地上へパイプで流体輸送する排土手段を前記隔壁上
部側に設けた形態を採ることができる。
【0027】この立坑シールド機による水中掘削装置で
は、バックホウ等の掘削具を装着した旋回掘削手段を使
用しているので、従来の泥水式シールド機で使用してい
る回転カッターに比べて安価であると共に、地山の状況
に応じて水中掘削機やアタッチメントなどを適宜選択し
て幅広い土質に適合した掘削が可能であり、排土作業も
パイプによる流体輸送で容易に行うことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明による立坑シールド
機による水中掘削方法及び装置に付いて、その好適な実
施形態を示す添付図面に基づき詳細に説明するが、図1
は、水中掘削装置1を用いて行われる本発明工法の掘削
及び覆工作業を示す要部縦断面図、図2は、図1のA−
A線に沿った横断面図、図3は、図1のB−B線に沿っ
た横断面図を示す。
【0029】水中掘削装置1は、懸吊装置(図示を省
略)によって地上から立坑2内に吊り降ろして切羽3の
有る坑底部に設置されるが、その主要な構成部分とし
て、掘削作業領域を画定した状態で覆工する1リング分
づつ順次推進させる立坑シールド機4と、掘削水が充填
された掘削作業領域内を掘削して掘削土砂を流体輸送し
て排土する水中掘削部5と、覆工作業領域では覆工型枠
の盛替えを行いながら現場打ちコンクリートによる覆工
を行う覆工施工部6とを備えている。
【0030】立坑シールド機4は、図2に横断面図を、
図4及び図5に左右を分割した状態で拡大縦断面図を示
すように、円筒状のスキンプレート7と、スキンプレー
ト7の中間部に設けた円板状の隔壁8を備え、スキンプ
レート7は先端側のフード部7Aと中間のリングガーダ
7B及び後端側のテール部7Cで形成される。
【0031】スキンプレート7には、フード部7Aの先
端に推進刃口9を形成し、リングガーダ7Bに推進ジャ
ッキ10と仮受けジャッキ11を装着すると共に、テー
ル部7Cの内周には推進ジャッキ10の一端を連結した
支圧リング12を配置させており、推進ジャッキ10と
仮受けジャッキ11は、図2で示すように所定間隔毎に
多数が同心円上に配置されている。
【0032】隔壁8は、立坑2の坑底部を水面下に設け
た切羽3側の掘削作業領域2Aと、水面上に設けた上方
の覆工作業領域2Bとに区分しており、隔壁8には、掘
削作業領域2A内の水量を調整する水量調整管13と、
掘削作業領域2Aの水圧を一定に保持する水圧調整管1
4と、掘削作業領域2A内の状況を点検する着脱可能な
点検蓋15が設けられている。
【0033】水中掘削部5は、図6で拡大縦断面図を示
すように、水中で掘削作業を行う掘削手段5Aと、泥状
の掘削土砂を排土させる排土手段5Bとで構成される
が、バックホウ(下向きバケット)16やロードヘッダ
などの掘削具を装着した掘削手段5Aを隔壁8の下部側
に設け、吸泥パイプ17を介して取り込んだ掘削土砂を
地上へパイプで流体輸送する排土手段5Bを隔壁8の上
部側に設けている。
【0034】掘削手段5Aは、起伏及び伸縮作動を可能
にした旋回アーム18の先端側に掘削具としてバックホ
ウ16を装着させ、旋回アーム18の基端側を旋回軸1
9に連結すると共に、隔壁8の中央に設けた基台20に
旋回軸19と油圧モータ21を取付け、旋回軸19と油
圧モータ21の回転軸との間を、歯車やプーリなどの動
力電動手段を介して連結しており、これら各部に対して
掘削制御ユニット22から電力を供給したり制御を行っ
ている
【0035】排土手段5Bは、吸泥パイプ17の先端側
に設けた吸引口をバックホウ16の隣接位置に開口さ
せ、吸泥パイプ17の基端側は隔壁8の上部側に載置し
たバキュームタンク23に連結するが、吸泥パイプ17
の中間はスイベル24で旋回可能に連結し、バキューム
タンク23内には水中ポンプ25を収容させ、水中ポン
プ25に連結した排泥パイプ26を介して掘削土砂を地
上に流体輸送する。
【0036】覆工施工部6は、図3に横断面図を、図4
及び図5に左右を分割した状態で拡大縦断面図を示すよ
うに、隔壁8の上部側に円筒状の型枠移動架台27を設
け、型枠移動架台27の外周に型枠取付リング28を同
心状に配置すると共に、型枠移動架台27と型枠取付リ
ング28の間に昇降機構29(詳細な図示は省略)を介
在させ、型枠取付リング28を昇降移動可能にするが、
昇降機構29はラックとビニオンの組合せその他公知の
昇降運動機構を用いて実施が可能である。
【0037】また、型枠取付リング28の外周には円環
状に接合される覆工型枠30を複数に分割した状態で所
定間隔毎に装着するが、長尺な円弧状のキー隣接型枠3
0Aと、短尺の円弧状のキー型枠30Bを交互に配置
し、各型枠30A,30Bはテレスコープ形の着脱ジャ
ッキ31の先端へ着脱可能に装着し、着脱ジャッキ31
の伸縮で半径方向に移動して覆工コンクリート32を施
工できるようにする。
【0038】掘削作業の施工手順を説明すると、掘削す
る際には掘削作業領域2A内に適正な掘削水量が確保さ
れている必要があり、地下水によって適量の掘削水量が
確保されていない場合及び、掘削排土によって掘削水量
が減少した際には、水量調整管13に接続した圧送ポン
プを介して給水を行って補充すると共に、水圧調整官1
4からオーバーフローする程の過剰な地下水がある場合
には排水を行う。
【0039】掘削水は、特に側壁の崩壊や盤膨れなどの
恐れがある軟弱地盤の場合には、ベントナイトなどの安
定液を混合させた泥水の使用が必要であるから、安定液
又は安定液混合水を水量調整管13から供給するが、そ
の際にスラリー状の掘削排土から水分を分離させて掘削
作業領域2A内に環流させ、掘削水として再利用するこ
ともできる。
【0040】立坑シールド機4は、推進ジャッキ10の
伸長で推進刃口9を切羽3に貫入させ、その際に反力は
支圧リング12を介して覆工型枠30と覆工コンクリー
ト32によって支持すると共に、スキンプレート7の移
動でテール部7Cに生じたテールボイドには、注入ポン
プに接続された裏込め注入管33を介して直ちに裏込め
材34を充填し、周辺地山の緩みを抑制する。
【0041】推進ジャッキ10の反力は、支圧リング1
2を覆工型枠30に宛って覆工型枠30と覆工コンクリ
ート32の付着力及び摩擦力で確保することも可能であ
るが、その場合には多数の覆工型枠30を上下に連接し
ておく必要があり、これにより最上段の覆工型枠30を
取り外して最下段に移動する覆工型枠30の盛替え作業
に時間を要する。
【0042】図示の実施形態による反力受けは、覆工型
枠30だけではなく覆工コンクリート32も負担するも
のであり、特に後述するように覆工コンクリート32に
補強材として埋設したプッシュロッド35にも支圧リン
グ12を宛うと、覆工型枠30の負担が軽減されて支持
力が増強されるが、負担が軽減される分だけ連接する覆
工型枠30の数を減らして盛替え作業を容易にすること
も可能である。
【0043】切羽3の掘削は、バックホウ16による水
中掘削手段5Aで水中掘削を行うと共に、掘削土砂は吸
泥パイプ17とバキュームタンク23及び排泥パイプ2
6を介して順次地上へ流体輸送し、次に施工する覆工コ
ンクリート32の1リングを確保する長さ(1ステップ
分)まで、推進ジャッキ10を伸長させながら立坑シー
ルド機4を順次移動させるが、テール部7Cは既に施工
した覆工コンクリート32の1リングとオーバーラップ
させている。
【0044】1ステップ分の掘削が完了した後に、推進
ジャッキ10を縮短させて確保した1リング分の間隙に
次の覆工コンクリート32を施工するが、そのままの状
態では浮力で立坑シールド機4が押し上げられるので、
仮受けジャッキ11を伸長して覆工コンクリート32に
内蔵させたプッシュロット35に押し当て、立坑シール
ド機4を係止保持させた状態にした後に推進ジャッキ1
0を縮短させる。
【0045】立坑シールド機4を推進させた際に、掘削
作業領域2A内の水圧力が必要以上に高まると、立坑シ
ールド機4の推進が困難になると共に、反力受けとして
支圧リング12を支持している覆工型枠30と覆工コン
クリート32では対抗できなくなる恐れもあるが、圧力
調整管14を設けて掘削作業領域2A内の水圧力が過大
にならないように圧力調整を行っている。
【0046】すなわち、掘削作業領域2A内に過大な水
圧力が発生した際には、圧力調整管14に掘削水を流出
させて水頭を調整することで過大な水圧力は放出させる
ことが可能であり、掘削作業領域2A内を所定の水圧力
に保持する安全弁として機能させ、また必要に応じて圧
力調整機を圧力調整管14に接続して強制的に加圧又は
減圧操作を行うことも可能である。
【0047】掘削作業は、掘削作業領域2A内に一定圧
力の掘削水を充填した状態で行われるので、切羽3に作
用する地下水圧による盤膨れを防止することが可能であ
り、また掘削水にベントナイトなどの安定液を混入させ
て周辺地山の崩壊を防ぎ、特に作業者が立ち入らないで
作業が行われるので、安全な作業環境のもとで行うこと
ができる。
【0048】図示の実施形態では、水中掘削部5として
バックホウ16を装備した掘削手段5Aを用いたが、こ
れは従来の泥水式シールド機で使用している回転カッタ
ーに比べて安価であると共に、地山の状況に応じて水中
掘削機やアタッチメントなどを適宜選択して幅広い土質
に適合した掘削が可能であることに基づく。
【0049】但し、必ずしもバックホウ16に限定され
るものではなく、軸心を中心に回転するツインヘッダや
ロードヘッダその他掘削手段を用いることも可能であ
り、また必要に応じて、例えば点検蓋15の部分に監視
装置を設置して、地上又は隔壁8上で水中掘削状況を監
視することも可能であり、この監視装置には赤外線カメ
ラその他の公知の監視手段を用いる。
【0050】覆工作業は、型枠取付リング28を型枠移
動台27の上端側に移動させると共に、着脱ジャッキ3
1を伸長作動して上端側の覆工型枠30を取り外し、着
脱ジャッキ31を縮短作動させた状態で型枠取付リング
28を型枠移動台27の下端側に移動させ、着脱ジャッ
キ31を伸長作動して覆工型枠30を下端側にセット
し、コンクリート供給管36を介して地上から流体輸送
したコンクリートの打設を行い、覆工コンクリート32
を施工する。
【0051】覆工の付帯作業としては、先に述べた覆工
コンクリート32と地山間に対して裏込め材34を充填
する裏込め作業の他に、覆工コンクリート32内に埋設
する補強材37の取付作業及び、裏込め作業に先行して
行われる地山の止水作業があり、補強材37には鉄筋籠
や分割した穴明き鋼板などを適宜選択して使用すること
が可能である。
【0052】また、仮受けジャッキ11を支持するプッ
シュロッド35も補強材37として機能するが、プッシ
ュロッド35は1リング分の覆工コンクリート32を施
工する毎に連接させる必要があるので、例えば両端部に
ねじ手段(雄ねじ部と雌ねじ部)を設けてねじ込みによ
って連接させ、支圧リング12には仮受けジャッキ11
の先端部11aが嵌入する通孔12aを設け、先端部1
1aがプッシュロッド35の端部に当接できるようにし
ている。
【0053】地山の止水作業は、スキンプレート7のテ
ール部7A内面にロール状の止水シート38を設け、既
に張設済みの止水シート38の下端側と熱融着で接合
し、連続状態に継ぎ足しながら1リング分ずつ順次張設
するが、止水シート38には例えば表面にポリエチレン
をコーティングしたアラミド繊維複合材料などを用いて
行うことができ、これによって覆工のコンクリート32
の打ち継目を被覆して周辺地山から流入する地下水を遮
断し、打設するコンクリートを劣化させないようにして
いる。
【0054】覆工作業は、立坑シールド機4の隔壁8に
よって掘削作業領域2Aと区分させると共に、周辺地山
からの地下水とは止水シート38で遮断し、水の影響を
受けない覆工作業領域2Bで行われるので、高品質な覆
工コンクリート32を安全作業によって作業能率良く施
工することが可能である。
【0055】また、掘削作業と覆工作業とを継続した状
態で交互に行うことができるので、作業能率の向上を図
ることができ、特に地下水を掘削水として有効に利用し
て、地下水量の多少に影響を受けることなく作業を行う
ことができると共に、周辺環境に騒音や振動などを与え
ることなく施工することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した水中掘削装置を用いて行われ
る掘削及び覆工作業を示す要部縦断面図を示す。
【図2】図1のA−A線に沿った横断面図を示す。
【図3】図1のB−B線に沿った横断面図を示す。
【図4】図1の左半分を拡大した縦断面図を示す。
【図5】図1の右半分を拡大した縦断面図を示す。
【図6】図1の掘削及び排土を拡大した縦断面図を示
す。
【符号の説明】
1 水中掘削装置 2 立坑 2A 掘削作業領域 2B 覆工作業領
域 3 切羽 4 立坑シールド
機 5 水中掘削部 5A 掘削手段 5B 排土手段 6 覆工施工部 7 スキンプレート 7A フード部 7B リングガーダ 7C テール部 8 隔壁 9 推進刃口 10 推進ジャッキ 11 仮受けジャ
ッキ 12 支圧リング 13 水量調整管 14 水圧調整管 15 点検蓋 16 バックホウ(掘削具) 17 吸泥パイプ 18 旋回アーム 19 旋回軸 20 基台 21 油圧モータ 22 掘削制御ユニット 23 バキューム
タンク 24 スイベル 25 水中ポンプ 26 排泥パイプ 27 型枠移動架
台 28 型枠取付リング 29 昇降機構 30 覆工型枠 31 着脱ジャッ
キ 32 覆工コンクリート 33 裏込め注入
管 34 裏込め材 35 プッシュロ
ッド 36 コンクリート供給管 37 補強材 38 止水シート
フロントページの続き (72)発明者 片居木 功 千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目9番1号 三井建設株式会社幕張本店内 Fターム(参考) 2D054 AA07 BA22 DA12 DA24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立坑の坑底部に立坑シールド機を設置
    し、立坑シールド機の隔壁で上方の覆工作業領域と区分
    した掘削作業領域を設け、掘削水が充填されて所望に水
    量及び水圧調整した掘削作業領域内で機械掘削を行い、
    掘削土砂を流体輸送して排土すると共に、立坑シールド
    機は覆工する1リング分づつ順次推進させ、覆工作業領
    域では覆工型枠の盛替えを行いながら、現場打ちコンク
    リートによる覆工を行うことを特徴とした立坑シールド
    機による水中掘削方法。
  2. 【請求項2】 前記掘削作業領域内における掘削水の水
    量及び水圧調整は、前記掘削作業領域内と連通状態に接
    続した水量調整管を設け、水量調整管を介して給水又は
    排水をして水量調整を行うと共に、前記掘削作業領域内
    と連通状態に接続した水圧調整管を設け、水圧調整管に
    流出する掘削水の水頭調整によって水圧調整を行う請求
    項1に記載した立坑シールド機による水中掘削方法。
  3. 【請求項3】 前記覆工の外周面には、1リング分ずつ
    順次継ぎ足して熱融着で連続状にした止水シートを張設
    すると共に、前記立坑シールド機の推進で生じた止水シ
    ートと周辺地山間のテールボイドには、直ちに裏込め材
    を充填する請求項1又は2に記載した立坑シールド機に
    よる水中掘削方法。
  4. 【請求項4】 立坑シールド機は、推進ジャッキの一端
    を連結した支圧リングを、覆工コンクリート内に補強材
    として埋設するプッシュロッドと覆工型枠に宛って、推
    進の反力受けにすると共に、推進ジャッキを縮短させる
    際には仮受けジャッキを伸長してプッシュロッドに当接
    させ、所定位置に係止保持させる請求項1〜3の何れか
    に記載した立坑シールド機による水中掘削方法。
  5. 【請求項5】 掘削作業領域を画定した状態で覆工する
    1リング分づつ順次推進させる立坑シールド機と、掘削
    水が充填された掘削作業領域内を掘削して掘削土砂を流
    体輸送して排土する水中掘削部と、覆工作業領域では覆
    工型枠の盛替えを行いながら現場打ちコンクリートによ
    る覆工を行う覆工施工部とを備え、前記立坑シールド機
    には掘削水の水量調整管及び水圧調整管を設けたことを
    特徴とした立坑シールド機による水中掘削装置。
  6. 【請求項6】 前記立坑シールド機には、先端に推進刃
    口を形成したスキンプレートの中間部に、前記掘削作業
    領域と覆工作業領域とを区分する隔壁と、立坑シールド
    機を推進する推進ジャッキ及び、推進した立坑シールド
    機を既設の覆工に仮受けする仮受けジャッキを設けた請
    求項5に記載した立坑シールド機による水中掘削装置。
  7. 【請求項7】 前記覆工には、1リング分づつ順次連結
    するプッシュロッドを補強材として埋設させ、前記型枠
    とプッシュロッドを前記推進ジャッキの反力受けにする
    と共に、前記プッシュロッドを前記仮受けジャッキの支
    持部材とする請求項6に記載した立坑シールド機による
    水中掘削装置。
  8. 【請求項8】 前記水中掘削部は、旋回アーム先端にバ
    ックホウ等の掘削具を装着した旋回掘削手段を前記立坑
    シールド機の隔壁下部側に設けると共に、前記掘削具の
    近傍に吸泥口を有する吸泥パイプを介して取り込んだ掘
    削土砂を地上へパイプで流体輸送する排土手段を前記隔
    壁上部側に設けた請求項5〜7の何れかに記載した立坑
    シールド機による水中掘削装置。
JP2001234384A 2001-08-02 2001-08-02 立坑シールド機による水中掘削方法及び装置 Pending JP2003041879A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001234384A JP2003041879A (ja) 2001-08-02 2001-08-02 立坑シールド機による水中掘削方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001234384A JP2003041879A (ja) 2001-08-02 2001-08-02 立坑シールド機による水中掘削方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003041879A true JP2003041879A (ja) 2003-02-13

Family

ID=19065998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001234384A Pending JP2003041879A (ja) 2001-08-02 2001-08-02 立坑シールド機による水中掘削方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003041879A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108533290A (zh) * 2018-05-31 2018-09-14 中铁隧道局集团有限公司 硅步式轻型单侧墙模板台车
CN113356862A (zh) * 2021-07-01 2021-09-07 广西建工集团控股有限公司 一种基于内置光靶实时动态控制全自动化泥水平衡式顶管施工方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6150190U (ja) * 1984-08-31 1986-04-04
JPH01116191A (ja) * 1987-10-30 1989-05-09 Mitsui Constr Co Ltd 立坑掘削装置
JPH04216798A (ja) * 1990-12-18 1992-08-06 Tobishima Corp 場所打ちライニングにおける覆工方法
JPH05239988A (ja) * 1992-02-27 1993-09-17 East Japan Railway Co 深礎杭用自動掘削方法及び深礎杭用掘削機
JPH09303094A (ja) * 1996-02-07 1997-11-25 Kenzo Nakajima コンクリート管施工装置
JPH11286942A (ja) * 1998-04-02 1999-10-19 Komatsu Ltd ケーソン内部掘削機の走行用レール清掃装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6150190U (ja) * 1984-08-31 1986-04-04
JPH01116191A (ja) * 1987-10-30 1989-05-09 Mitsui Constr Co Ltd 立坑掘削装置
JPH04216798A (ja) * 1990-12-18 1992-08-06 Tobishima Corp 場所打ちライニングにおける覆工方法
JPH05239988A (ja) * 1992-02-27 1993-09-17 East Japan Railway Co 深礎杭用自動掘削方法及び深礎杭用掘削機
JPH09303094A (ja) * 1996-02-07 1997-11-25 Kenzo Nakajima コンクリート管施工装置
JPH11286942A (ja) * 1998-04-02 1999-10-19 Komatsu Ltd ケーソン内部掘削機の走行用レール清掃装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108533290A (zh) * 2018-05-31 2018-09-14 中铁隧道局集团有限公司 硅步式轻型单侧墙模板台车
CN108533290B (zh) * 2018-05-31 2022-11-22 中铁隧道局集团有限公司 跬步式轻型单侧墙模板台车
CN113356862A (zh) * 2021-07-01 2021-09-07 广西建工集团控股有限公司 一种基于内置光靶实时动态控制全自动化泥水平衡式顶管施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4696607A (en) Slurry trench method and apparatus for constructing underground walls
JP5597113B2 (ja) 地中に地下空間を形成する方法
JP4693730B2 (ja) 循環式掘削装置
JP2003206691A (ja) シールド到達工法
JP2003041879A (ja) 立坑シールド機による水中掘削方法及び装置
JP2007138702A (ja) トンネルの作業筒先進全断面後退掘削工法
JP4273031B2 (ja) シールド工法における地山の安定化方法
JP5597114B2 (ja) 管設置装置
JP4901634B2 (ja) マンホール管埋設工法
KR102230972B1 (ko) 친환경 세미실드 굴착장치
JP5688274B2 (ja) 管設置装置
JP5597112B2 (ja) 地中への管設置方法
CN217811285U (zh) 一种天顶移动式水压沉箱挖掘机
JP4334954B2 (ja) 地下空間拡幅方法及び装置
JP6223751B2 (ja) 既設トンネルのインバート施工方法
JP2004316318A (ja) 到達立坑の到達部構造およびシールド掘削機の到達方法
JP5340012B2 (ja) マンホール管埋設工法
JP6062677B2 (ja)
JP2693028B2 (ja) 管路中間部人孔の施工法
JP2003239687A (ja) 推進工法における立坑の排水構造
JP5340011B2 (ja) マンホール管埋設工法及びそのマンホール管埋設工法で使用するマンホール管
JPH10237865A (ja) ケーシングの建込工法
JPH09158228A (ja) マンホール管の埋設方法
JPH07259477A (ja) トンネルの構造とその築造方法および築造装置
JPH09279984A (ja) 到達立坑へのシールド掘進機の受入方法および到達立坑におけるシールド掘進機の受入部の構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100907

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110222