JP2795736B2 - 堆積膜の形成方法 - Google Patents

堆積膜の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は堆積膜の形成方法に関するものであり、主に
大面積のa−Siデバイスの製造方法に関する。
[従来の技術] 従来、アモルファスシリコン(以下a−Siと略記)デ
バイスの堆積膜であるa−Si層の製造方法としてはSiH4
又はSi2H6を成膜ガスとするRFプラズマCVD法(いわゆる
GD法)やマイクロ液プラズマCVD法、あるいは水素ガス
存在下でSiターゲットによりArプラズマ中で行なう反応
性スパッタリング法などが用いられて来た。実験的には
この他にも光CVD法、ECRCVD法、水素原子存在下でのSi
の真空蒸着法、などの報告があり、Si2H6などによる熱C
VD法での成膜例もある。これらの方法により得られるa
−Si膜はほとんど水素を10%又はそれ以上含むいわゆる
水素化a−Siであり、a−Siデバイスに利用出来る電子
材料としての特性を示すものはすべて10%又はそれ以上
の水素を含む。この様なa−Siの製法として最も普及し
ているのはプラズマCVD法で、多くの場合SiH4又はSi2H6
ガスを用い、必要に応じて水素ガスで希釈して13.56MHz
又は2.54GHzは高周波でプラズマを発生させ、プラズマ
により成膜ガスを分解して反応性のある活性種をつく
り、基板上にa−Si膜を堆積させている。成膜ガス中に
PH3,B2H6,BF3などのドーピングガスを混ぜればn型又は
p型のa−Si膜が形成されるので、これを利用して様々
なa−Siデバイスがつくられて来た。a−Siの場合には
単結晶Siと違って低温基板やガラス基板の上にも成膜出
来、大面積化も容易なだけでなく光吸収が結晶よりも強
い事、特性が等方的で方向性を持たない事、多結晶の様
な結晶粒界がない事などのため結晶とは異なる利用分野
が開けた。さらにアモルファス相の中に微結晶相を含む
ものも含めてプラズマCVD法でつくる事が出来るため、
必要に応じて微結晶相の割合を選択して様々に利用され
て来た。ここで、微結晶とは粒径30Å以上、500Å以下
の微小の結晶が非結晶質中に分散されたものと定義す
る。主なa−Siデバイスとしては太陽電池、ラインセン
サーやエリアセンサーなどのイメージセンサー、液晶デ
ィスプレー駆動や光センサーのスイッチングに使われる
TFT又はTFTアレイあるいはマトリックス、電子写真感光
体などが上げられる。単一の光センサーなどの例はある
が、a−Siデバイスの中心はやはりその特性を生かした
上記の大面積デバイスである。
[発明が解決しようとしている課題] しかしながら上記の従来例では常に成膜プロセスの条
件、特に基板温度が膜質に重大な影響を与えている事は
知られている。従って大面積基板を用いる場合には基板
温度を均一に保つ事が極めて重要である。例えばプラズ
マCVDによりa−Siを成膜する場合通常0.1〜1Torr程度
の圧力が用いられるが、この様な低圧で100〜1000mmの
オーダーの大きな基板の基板温度を均一に200〜300℃に
保つ事は容易ではない。またくり返して成膜を行なう場
合の基板温度の再現性を得る事もなかなか困難であり、
通常かなりの長さの時間か基板温度安定化のために必要
となる。この他にも放電の安定性その他成膜プロセスの
制御性が不充分なために、成膜したa−Si膜の特性が変
動し、なかなか高い歩留りが得られないという問題点が
ある。例えば成膜バッチごとに光劣化(いわゆるStable
r−Wronski効果)の程度に差が出たり1つのデバイスの
中でムラが生じたりする。これらは太陽電池の歩留りを
低下さる。光劣化が生じる事そのものが重大な問題とな
っている。太陽電池程の強い光を通常は照射しないイメ
ージセンサーにおいてもこの種の光劣化の不均一性及び
その程度は問題である。電子写真感光体として用いた場
合にもa−Si膜の特性の不均一性は画像に大きな悪影響
を及ぼし、種々の濃度ムラや画像の劣化を引き起こす。
a−SiをTFTに用いた場合にも個々のTFTの特性の変動や
劣化は重大な問題となる。液晶ディスプレーなどにa−
Si TFTを用いる場合には大面積にTFTをマトリックス状
に配列する事になり、これ自体はa−Siの大面積成膜に
向いているが、やはり全体の特性の均一性を得るために
様々な工夫が必要となってしまう。光劣化が余り問題に
ならない様な場合でも例えば光センサーの1画素ごとの
応答速度あるいは残像特性に不均一性があると製造の歩
留りは低下する。TFTアレイの場合でも同様の問題が生
ずる。
a−Si膜の特性を改良するために従来提案されて来た
H2プラズマ処理を繰返す方法(例えば応用物理学関係連
合講演会予稿集1990年春季31a−2D−8,31a−2D−11,198
8年秋季5p−2F−1など)があるが、これらの方法ではH
2プラズマ処理を充分に行なうとa−Si膜の結晶化が進
行してしまうためその適用には限界があった。結晶化は
デバイスの用途によっては好都合な事もあるが光吸収が
弱くなる事、結晶粒界に影響により均一性が低下するな
どの欠点もあり、特に受光デバイスにとっては不都合な
事が多い。特に制御出来ない結晶化は問題である。
この様なa−Siデバイスの製造の不安定さは大面積デ
バイスの場合には特に重大であり、これらは製造コスト
にも大きな影響を与えるためa−Siデバイスの普及の妨
げとなる。
従って本発明の目的は安定した製造安定性を得られる
a−Siデバイスの製造方法を提供する事である。特に大
面積が容易になる程の製造安定性を達成する方法を提供
する事が目的である。
本発明の他の目的は従来よりも光劣化が少なく、光応
答性や光起電力の高いa−Siデバイスの製造方法を提供
する事である。
[課題を解決するための手段] 本発明の目的はa−Siデバイスの製造方法において、
a−Si層を成膜する段階で下記の方法を用いる事により
達成される。
即ち、基体上にGD法によりa−Si層を堆積する工程と
堆積したa−Si層に水素プラズマ照射をする工程とを交
互に繰り返しながら堆積を行なうa−Si層の堆積方法を
用い、前記a−Si層を堆積する工程での堆積層厚が10オ
ングストローム以上100オングストローム以下である事
及び堆積と水素プラズマ照射を行なう際の基体温度を膜
中水素濃度変化の転移温度Tt以上に保つものである。
上記方法なおいて、少なくとも水素プラズマ照射時に
基体側にバイアスを印加するとさらに効果がある。
主にa−Siから成る太陽電池、ラインイメージセンサ
ー、電子写真感光体あるいは液晶ディスプレー用TFTア
レイなどの大面積a−Siデバイスの製造方法は、大面積
基板のクリーニングを始めとして電極の成膜、p,iある
いはn型のa−Si層の成膜あるいはその積層、さらに透
明電極の形成やそれらの各層のフォトリソなどによるパ
ターニングなど多岐にわたり、さらにその上にモジュー
ル化やパッケージング等の各種の工程を含んでいる。こ
れらの中でも最も製造のメカニズムに不明な点が多く、
又予測の難しい要因で特性が変動してしまう工程はa−
Si層の成膜の過程である。従ってa−Si層成膜の工程を
安定化させ、又a−Si層の特性を向上させる事がa−Si
デバイスの製造安定性を高め、デバイス特性を向上させ
るための重要なポイントである。
本発明でa−Si膜を堆積する手順は、その一例を第1
図に示す様に、一定時間tDの間a−Si層の堆積を行なっ
た後この堆積したa−Si層に対して別の一定時間tAだけ
水素プラズマ照射をするという一組のステップを繰返す
事である。一例としてtDの間の堆積速度をvDとすると各
ステップをn回繰返した後の堆積膜厚Lとこれに要する
堆積時間tTは単純に計算すれば次の様になる。
L =vDtDn (1) tT=(tD+tA)n (2) 従って平均的な堆積速度VDは、 となる。実際に成膜するとLとVDは上式の値に一致する
か又は若干小さい値になる。
各ステップのtD,VD,tAは上記の最も単純な例に限定さ
れない。各ステップ毎にtD,VD,tAが変化してもさしつか
えない。さらにVDは一定値でなく、時間の関数であって
も良い。
tAの間、堆積膜表面は水素プラズマ照射を受ける。こ
の間に何が起きているかは必ずしも明らかではないが水
素プラズマ中のH原子が堆積層の中へある程度拡散し、
過剰のH原子の引き抜きやSiネットワークの組換え(構
造緩和)が起きていると考えられる。tDの間に堆積する
a−Siの層厚l(=VD tD)は2原子層程度以上である
ことが好ましく、実際上10Å以上であることが望まし
い。もし新しく堆積した層が1原子程度しかないとアモ
ルファス構造を安定に保つ来が出来ず、水素プラズマ照
射により限りなく結晶化して行き、その程度を制御する
事が極めて困難になる。この原因としては1ステップ前
の水素プラズマ照射により出来たa−Si表面のH原子の
層が次のステップで表面に堆積するSi原子の表面拡散を
促進し、さらにこのステップでSiが3次元的なネットワ
ークをほとんど組めないために次の水素プラズマ照射の
時にアモルファスのSiネットワーク(2次元的)を保て
ず、結晶化してしまうというプロセスが考えられる。水
素プラズマ照射による過度のSiネットワークの組換えを
防ぎ、制御性良く構造緩和させるためには10Å以上のa
−Si層の堆積が必要である。tDの間に堆積するa−Si層
は部分的にμc−Siを含んでいても良いが、tDの間の堆
積層厚が10Å以上あればμc−Siを含む構造を保存した
まま構造緩和していくと考えられ、実際上、制御不能な
過度の結晶化を防ぐ事が出来る。10Å以上の層厚があっ
て初めて、水素プラズマ照射を充分に行なっても制御不
能な結晶化が起らず、望みの程度に微結晶を含んだアモ
ルファス構造のまま構造緩和する。
各ステップでのa−Si層の層厚が100Å以上だと水素
プラズマ照射をいくら行なっても構造緩和が進まなくな
る。この様な構造緩和の程度は膜中の水素濃度の減少及
びラマンスペクトルの480cm-1のピーク半値幅の減少に
より確める事が出来る。従ってtDの間に堆積する層厚は
100Å以下、望ましくは50Å以下である必要がある。水
素プラズマ照射中に基体に負バイアスを印加するとこの
層厚を1.5〜2倍増加させる事が出来る。負バイアスは
基体をアースから浮かせてプラズマの自己バイアスによ
り印加しても良い。
本発明において重要な事は基体温度を膜中水素濃度変
化の転移温度Tt以上に保つという事である。第2図に本
発明の方法で堆積したa−Si膜の膜中水素濃度と基体温
度との関係を示す。tAを充分に永く取ると、通常のGD法
では現われない折れ曲り点が現われる。ここで何らかの
構造転移あるいは反応メカニズムの変化が起きていると
考えられるが今のところ詳細なメカニズムは不明であ
る。しかし重要な事は上記の転移温度Tt以上の領域では
膜中水素濃度がかなり低く、しかも水素濃度の基体温度
依存性が小さいという事である。Tt以上の領域では膜中
水素濃度は低いがスピン密度1016cm-3程度以下であり、
ダングリングボンドは少ない。tAを充分に長く例えば60
sec程度にすると膜中の水素濃度をスピン密度を増加さ
せずに5%又はそれ以下にまで低下させる事が出来る。
tAを制御すれば膜中水素濃度を制御する事が出来る。第
2図に示す様にtAを長くするとTt以上での膜中水素濃度
の温度変化が小さくなるので通常の方法に較べて基体温
度が変化しても膜質の変化が少ない。このため基体各部
の温度にムラが出易い大面積a−Siデバイスのa−Si膜
堆積であっても広い範囲で膜質の均一性が得られ、歩留
りの向上に効果がある。
さらにTt以上堆積した膜は通常のGD法で堆積したもの
に較べても光照射下での電気伝導度が大きく、又その光
劣化(いわゆるStabler−Wronski効果)も少ないため、
受光デバイスに適している。
Ttの具体的な値は若干の装置依存性及び成膜条件依存
性を持つ場合があるがtAを30sec又はそれ以上に取ると
第2図に示す様な膜中水素濃度の転移領域が現われるの
でこれによりTtを決めてTt以上で成膜を行なう事は容易
である。転位温度Ttは、条件によっては250℃程度の低
温となることもあるが、通常Ttは300℃程度となる。
Tt以上の基体温度で、tDの間に10Å以上のa−Si層の
堆積を行ないtAの間に水素プラズマ照射をする本発明の
方法においては従来知られている他の方法(例えば平成
2年春季応用物理学関係連合講演会講演予稿集31a−2D
−8)に見られる様な結晶化を抑える事が出来る。tD
間の堆積膜圧を10Å以下にすると急速に結晶化が進む様
になる。tDを変化させたサンプルでラマン分光分析によ
る520cm-1付近の結晶のピークと480cm-1付近のアモルフ
ァスのピークの強度比を測定すると第3図の様になる。
従って同一構造のものを安定に成膜しようとすればtD
間に10Å以上の堆積が必要である。10Å以上であればTt
以上の基体温度においてtAを制御する事により第2図に
示す様に膜中水素濃度を制御出来、tAを充分永く取れば
膜の結晶化を引き起こす事なく水素濃度が低く、スピン
密度が低く、キャリア輸送性が高く、光劣化のない良質
のa−Si膜の堆積が可能になる。膜質は基体温度に強く
依存しなくなり、製造安定性が増す。膜質のtA依存性そ
のものが小さくなる(第4図a)。
tDの間の堆積層厚が100Å以上であれば第4図bに示
す様にtAを大きく取っても膜中水素濃度は減少せず、水
素プラズマ照射の効果はなくなってしまい、通常のGD法
と同様の膜質となる。第4図bの膜では光劣化が大き
く、また膜中水素濃度の基体温度依存性も大きい。従っ
てtDの間の堆積層厚は100Å以下、望ましくは10Å以下
である必要がある(第5図a)。
平均の成膜速度VDは第(3)式からわかる様にtDVD
なわち各ステップでの堆積層厚に依存する。tDVDが10〜
50Åの間でのみ良質の膜質が得られ、膜質の温度依存性
が小さいとすると膜特性を劣化させずにVDを大きくする
には困難がある。tDの間の堆積層厚を、膜質を低下させ
ずに大きくする事は少なくとも水素プラズマ照射時に基
板側にバイアスを印加する事により達成される。第5図
bは基板に−75Vを印加した場合のl(=VDtD)と膜中
水素濃度との関係を示すものであるが、バイアスを印加
する事によりlが大きい領域まで水素プラズマ照射の効
果が現われている。バイアス印加は外部からの電圧印加
でも達成出来るし、基体をアースから浮かせる事により
プラズマによる自己バイアスを利用しても良い。デバイ
スの生産性を向上させるためにはバイアス印加は極めて
有効である。
水素プラズマ照射の方法としては種々可能である。水
素プラズマ照射で重要な事は原子状水素をa−Siの堆積
表面へ送る事であり、プラズマ発光部がa−Si表面に触
れると必要はない。水素プラズマ照射の最も単純な方法
は容量結合又は誘導結合方式により100mTorr付近の圧力
の高周波グロー放電を行なう方法である。13.56MHzのRF
グロー放電はa−Siの成膜そのものにも良く使われる方
法である。基体上に堆積したa−Si膜を基体ごと水素ガ
スのグロー放電プラズマ中に置くか、プラズマの近傍に
置く事により水素原子をa−Si膜に供給する事が可能と
なる。この他マイクロ波プラズマにより水素プラズマを
発生させてa−Si表面へ拡散させる方法やECRプラズマ
により磁場を利用してa−Si表面へ水素プラズマ照射す
る方法も使用可能である。a−Si層を堆積する方法とし
てプラズマCVD法を要いる場合には水素プラズマも同一
の方法で発生させる事により極めて容易にa−Si層の堆
積と水素プラズマ照射を行なう事が可能となる。すなわ
ち、水素プラズマ照射の工程だけでなくa−Si層を堆積
する工程においても水素ガスを流す事により、a−Si堆
積の際の成膜ガスであるSiH4やSi2H6のみの流れをON/OF
F制御するだけでa−Si堆積と水素プラズマ照射の両方
を容易に切り換える事が可能となる。SiH4等の成膜ガス
の水素ガスに対する割合を下げ過ぎると水素プラズマ照
射時に結晶化が起き易い。成膜ガス濃度は10%以上、出
来れば20%以上が望ましい。この場合a−Si層を堆積す
る工程と水素プラズマ照射をする工程の両方で切れ目な
くフラズマを立てておく事も可能であり、この様にすれ
ばプラズマ発生初期に生じる膜質の悪い膜の堆積を防止
する効果がある。成膜ガスの流れのON/OFFによるグロー
放電プラズマの不安定性を改善するためにプラズマ中に
Arガスを混ぜる事は効果的である。tDの間にa−Si層を
堆積する方法としてはRFグロー放電法の他にも種々の方
法が可能である。a−Si成膜の方法として知られている
光CVD法やECRプラズマCVD法、あるいはH2ガスを含むガ
スを用いた反応性スパッター法やArのみを用いる通常の
スパッター法も適用可能である。高周波スパッターを用
いた場合にはArガスの流量をON/OFF制御する事によりプ
ラズマを継続的に保持したままでa−Siの堆積と水素プ
ラズマ照射を行なう事が出来る。水素プラズマ照射の際
若干のArガスが残留する事は放電の安定化のために好都
合である。真空蒸着法によってa−Si層の堆積を行なう
場合も本発明の方法に従って水素プラズマ照射をする事
により良質のa−Si膜が得られる。LP−CVDその他の熱C
VDではガスの分解にかなりの高温を要するためa−Si膜
の堆積は必ずしも容易ではないが、不可能ではなく、こ
の様に膜に水素プラズマ照射を本発明の方法に従って行
なう事により良質のa−Si膜が得られる。
水素プラズマ照射の際の放電条件は特に限定されない
が、放電のための投入パワーが低すぎると充分な水素原
子を発生せず、tAをかなり永くしないと水素プラズマ照
射の効果が現われない。この情況は第2図のデータを取
る事により確かめる事が出来る。重要な事は水素原子が
充分にa−Siの堆積表面に供給される事であるが、通常
広く用いられる放電条件の範囲でこれは容易に達成可能
である。
本発明の製造方法によって得られたa−Siデバイスの
a−Si膜はa−Si層の堆積の各ステップで通常若干の極
微量の不純物混入が避けられない。特に各ステップで堆
積するa−Siの層と層の界面は理想的には全く識別不可
能であるべきであるが、実際には層と層との界面に薄い
酸化層その他が存在する。この層はTEMその他でかろう
じて分析可能なものから、SIMSで膜全体として不純物濃
度が高い事が確認出来るレベルまで種々ある。またtD
間での1ステップのa−Si層が厚いと水素濃度も多層状
に変化する。しかしその分析は困難で、一般的に容易に
分析可能とは言えないため、その効果は現時点では確認
し切れない。
本発明に使用可能な装置としては得に特別なものは必
要ではなく、通常用いられるプラズマCVD装置などが使
用可能である事が、本発明の利点の一つである。第7図
に一例を示す。a−Si堆積にもプラズマCVDやスパッタ
ー報などの様にガスによる放電プラズマを用いる場合に
は、ガスの精密な制御が必要である。このため例えば成
膜室へのガスの供給ラインの他に、ガス供給バルブがCl
oseした時に供給元でのガスの流れを乱さないために供
給ラインから分れてガス流の不要部分をすてるガスライ
ンを持つ事はtD及びtAにおけるガスの安定供給のために
効果がある。第7図の714はその一例である。この様な
方法はMOCVDその他の関連分野で良く知られている。
本発明の方法はa−Siデバイスのi層部分だけでなく
p層やn層に適用しても効果がある。
[実施例] 実施例1 第9図の装置をa−Si層の成膜に用いる事により第10
図の画素構造を持つラインイメージセンサーをつくっ
た。画素密度は16lp/mmで長さは300mmである。1画素の
構造は第10図の通りであり1画素の電極の大きさは50μ
×40μである。
第9図において、900,901,902,903,904はそれぞれ真
空チャンバーで排気ポンプ911,912,913,914,915が付い
ている。903は基板の挿入室で900,901,902はそれぞれC
r,a−Si、及びITOの成膜室、904は成膜後のンプル取出
し室である。903及び904により成膜室900,901,902を大
気リークする事なく基板を出し入れする事が出来る。90
5,906,907,908は各チャンバーを仕切るゲートバルブ
で、図には明記していない基板搬送機構により基板の搬
送を行ない、成膜順に従って基板を各真空チャンバーへ
移動する。909,955,956,957,910は電極をかねた基板支
持台で、910以外には基板加熱ヒーター916,917,918及び
919が配置してある。903と904にはN2ボンベ931,932がつ
なげてあり、チャンバーの大気リークの際にN2ガスを供
給する。932,958,923は高周波電極で922にはCrターゲッ
ト920が、923にはITOターゲット921が取り付けてある。
924,925,926はマッチングボックス、928,929,930は13.5
6MHzの高周波電源、927,936,937,938,939,940,941,942,
943,944,952,953,958,959,960,961はガス配管のバル
ブ、934はガス流量を安定にON/OFFするためのガスライ
ン排気ポンプ935への系統とチャンバー901への系統を切
りかえる三方弁である。945,946,947,954はマスフロー
コントローラー、948はArボンベ、949はH2ボンベ、950
はSiH4ボンベ、951はO2ボンベである。成膜する際は基
本的には実施例と同様の手順で行なうがまず充分クリー
ニングしたコーテング705のガラスを基板挿入室903に入
れて真空に引いた後、基板ヒータ916で基板を150℃に加
熱してからCrスパッター室900に搬入する。Crスパッタ
ー室ではArボンベ948からのArをバルブ938,941,942を開
いて流し、所定の圧力でスパッタリングにより705の基
板上にCrを成膜する。次にこの基板をa−Siの成膜室90
1へ搬入して成膜を行なう。第2図と同様のデータを本
装置でとったところ転移温度Ttは300℃だったので基板
温度を350℃に設定した。圧力は0.1Torr、放電パワーは
20W。SiH4ガスはボンベ950より、H2ガスは949から供給
する。tDは10sec、tAは30secであり、SiH4とH2の流量は
それぞれ20sccm及び40sccmである。各ステップを200回
繰り返して約6000Åのa−Si膜がCr上に堆積した。各ス
テップの平均の堆積膜厚は30Åであった。a−Si膜の堆
積が終了した後基板を成膜室902にうつし、Arをボンベ9
48から、O2をボンベ951から所定の流量で流しながらa
−Si膜上にITOの成膜を行なった。基板温度は150℃であ
る。すべての成膜が終了した基板をサンプル取り出し室
904へ移し、ゲートバルブ908を閉じた後基板温度が下っ
てから大気中に取り出した。これを所定のフォトリソプ
ロセスによりパターニングし、あらかじめ用意した駆動
回路とボンディングにより結線したラインセンサーと
し、特性を評価した。あらかじめチェックしたところで
は基板の中央と端でのチャンバー901の中での温度差は5
8℃であったが中央と端での画素の特性、特に感度、暗
電流、及び残像にはほとんど差がなかった。光照射によ
る感度低下もほとんど認められなかった。これに対し基
板温度250℃で連続してa−Si膜をつけた(tA=0)サ
ンプルでは中央と端での温度差が30℃程度であったにも
かかわらず変動し、感度で10%、暗電流で15%、残像で
23%の変動があった。また強い光によって露光するとか
なり大きな光劣化(感度低下)が認められた。
実施例2 本発明のa−Si:H膜をi層に用い、pin構成の光起電
力素子を作製した。
第6図は、本実施例で作製したpin型光起電力素子を
模式的に表わしたものである。光が図の上部から入射す
る構造の光起電力素子で有り、図に於いて600は光起電
力素子本体、601は基板、602は下部電極、603はn型半
導体層多、604はi型半導体層、605はp型半導体層、60
6は上部電極、607は集電電極を表わす。
また第7図は本発明のa−Si:H膜をi層に用いたpin
構成の光起電力素子を作製するのに好適な成膜装置出あ
る。
第7図に於て700は反応チャンバー、701は基板、702
はアノード電極、703はカソード電極、704は基板加熱用
ヒーター、705は接地用端子、706はマッチングボック
ス、707は13.56MHzのRF電源、708および714は排気層、7
09および715排気ポンプ、710,712および715は成膜ガス
導入管、716は三方バルブ、720,730,740,750,760,722,7
32,742,752および762はバルブ、721,731,741,751および
761はマスフローコントローラーで示す。
成膜ガス導入管712には三方バルブ716がとりつけられ
ており、三方バルブ716を切り換えることにより、成膜
ガス導入管713あるいは排気管714に接続される。成膜ガ
ス導入管712が、三方バルブ716により成膜ガス導入管71
3に接続された時、成膜ガス導入管712より導入された成
膜ガスはチャンバー700内に導入される。成膜ガス導入
管712が三方バルブ716により排気管714に接続された時
は、成膜ガス導入管712より導入された成膜ガスは、排
気管714を通して、排気ポンプ715より系外に排出され
る。
本装置において、三方バルブ714を成膜ガス導入管713
あるいは排気管714のいずれの方向に接続しても成膜ガ
ス導入管712の圧力は、大気圧より低いため、マスフロ
ーは正常に動作する。また三方バルブ716の切り換えに
よって成膜ガス導入管712内に、ガスの付加的な滞留を
生じることのないため三方バルブ716を成膜ガス導入管7
13に接続したとき常に一定流量のガスがチャンバー内に
導入される。
次に、本発明のa−Si:H膜をi層に用いた第6図に示
すpin構成の光起電力素子の作製手順を説明する。
まず、表面を鏡面研磨し0.05μm Rmaxとした5cm角の
大きさのステンレス製(SUS 304)基板601を不図示のス
パッタ装置にいれ、該装置内を10-7Torr以下に真空排気
した後、Arガスを導入し、内圧を5mTorrとして200Wのパ
ワーでDCプラズマ放電を生起しAgのターゲットによりス
パッタを行い、約5000AのAgを堆積した。その後ターゲ
ットをZnOに変えて内圧、パワーともに同じ条件でDCプ
ラズマ放電を生起しスパッタを行い、約5000AのZnOを堆
積した。以上の工程で下部電極602を作製した後、基板6
01を取り出し反応チャンバー700の中のカソードに取り
付け排気ポンプ709により充分排気し、不図示のイオン
ゲージで反応チャンバー700の中の真空度が10-6Torrと
成るようにした。次に基板加熱用ヒーター704で基板701
を350℃に加熱した。基板温度が一定になった後、バル
ブ720,722を開け、マスフローコントローラー721の流量
を制御して不図示のSiH4ガスボンベからSiH4ガス30sccm
をガス導入管710を介して反応チャンバー700の中に導入
した。同様にしてバルブ740,742を開けマスフローコン
トローラー741の流量を制御してH2ガスを30sccm供給
し、バルブ750,752を開け、マスフローコントローラー7
51の流量を制御してH2ガスで5%に希釈されたPH3ガス
を10sccm導入した。反応チャンバー700の内圧が1.5Torr
に成るように調整した後、マッチングボックス706を介
してRF電源707から10Wのパワーを投入し、プラズマ放電
を3分間行ないn型非晶質シリコン層603を400A堆積し
た。ガス供給をやめた後、反応チャンバー700を再び真
空に引き、反応チャンバー700の中の真空度が10-6Torr
以下に排気した後、バルブ740,742を開けてH2ガス30scc
mを反応チャンバー700に導入した。
三方バルブ716を成膜ガス導入管712と排気管714とを
接続した状態にした後、バルブ760および762を開けて、
SiH4ガス30sccmを成膜ガス導入管712に流した。
この状態でRF電源707から20Wの高周波電力を投入し、
H2ガスによるプラズマ放電を電極702と703との間に起こ
した。プラズマ放電が生起した後、三方バルブ716を切
り換え、成膜ガス導入管712と713とを接続した状態に
し、チャンバー700にSiH4ガス30sccmを10秒間導入し
た。
10秒後、三方バルブ716を再び切り換え、成膜ガス導
入管712と排気管714とを接続した状態にし、チャンバー
700には、SiH4ガスの導入を中止した。
この状態を40秒間保った。
40秒間再びSiH4ガス30sccmをチャンバー700に10秒間
導入し、10秒後、SiH4ガスの導入を中止した。すなわち
10秒間SiH4ガス30sccmをチャンバー700に導入、40秒間S
iH4ガスの導入中止という繰り返しを200回行なった。そ
の結果n型a−Si:H層上に約6000Åのi型a−Si:H層60
4が堆積された。
i型a−Si:H層604の堆積後、RF電源707のパワーを0W
にしてプラズマ放電を止めてガス供給をやめた後、反応
チャンバー700の中の真空度を10-6Torr以下に排気し、
基板温度を200℃に変えた後、バルブ720,722,730,732,7
40,742を開けてSiH4ガス1sccmとH2ガスで5%に希釈し
たB2H6ガス10sccmとH2ガス300sccmを反応チャンバー700
に導入した。続いてRF電源706から200Wのパワーを投入
し、プラズマ放電を生起し5分間成膜を行ないp層605
を100Å堆積した。尚、この条件でp層をガラス基板状
に堆積した試料により粒径20Åから100Åの微結晶であ
ることを反射型高速電子線回折(RHEED)により確認し
た。次に、基板601を反応チャンバー700から取り出し、
不図示の抵抗加熱の蒸着装置に入れて、該装置内を10-7
Torr以下に真空排気し、基板温度を160℃に保った後、
酸素ガスを導入し、内圧を0.5mTorrとした後InとSnの合
金を抵抗加熱により蒸着し、反射防止効果を兼ねた機能
を有する透明導電膜(ITO膜)を700Å堆積し上部電極10
6とした。蒸着終了試料を取り出し不図示のドライエッ
チング装置により1cm×1cmの大きさのサブセルに分離し
た後、別の蒸着装置に移し、電子ビーム蒸着報によりア
ルミの集電電極607を形成した。得られた光起電力素子
をNo.1とした。
比較例1 実施例2において、i層の成膜をSiH4ガスへ断続的に
導入せずに、常に三方バルブ716を成膜ガス導入管712と
713とが接続される状態に保ったまま、チャンバー700に
SiH4ガスを30sccm導入し、RFグロー放電を200秒間行な
い、n型a−Si膜上に約6000Åのi型a−Si膜を堆積し
た。その他の操作は、実施例2と同じに行なってpin構
造のa−Si:H光起電力素子を作製した。得られた光起電
力素子をNo.2とした。
比較例2 実施例2において、i層の成膜時の基板温度のみを、
250℃に設定した条件で、他の作製条件及び手順は実施
例2と同じに光起電力素子を作製した。得られた光起電
力素子をNo.3とする。
比較例3 比較例1においてi層の成膜時の基板温度のみを、25
0℃に設定した条件で他の作製条件、及び手順は比較例
1と同じに光起電力素子を作製した。本作製条件は、従
来のa−Si:H光起電力素子の作製条件に準拠した条件で
ある.得られた光起電力素子をNo.4とする。
光起電力素子の評価 これらの試料をソーラーシミュレータを用いてAM−1.
5の太陽光スペクトルの光を100mW/cm2の強度で照射し、
電圧電流曲線を求めることにより、光起電力素子の初期
光電変換効率η(0)を測定した。
次に、電圧電流曲線を求めることによって得られた開
放電圧Voc及び短絡電流Iscから、最適負荷を算出し、負
荷抵抗を各々の試料に接続した。
次に負荷抵抗を接続された試料を25℃一定に保たれた
試料台上に配置し、前述と同じAM1.5光(100mV/cm-2
を500hr連続照射した後、再び前述と同様に試料の上部
電極106側よりAM1.5光(100mV/cm-2)を照射したときの
光電変換効率η(500)を求めた。この様にして得られ
たη(500)とη(0)とから劣化率{1−η(500)/
η(0)}を求めた。
また光起電力素子No.1〜4の膜中の水素原子含有量を
二次イオン質量分析計(SIMS)により分析した。
表1に光起電力素子No.4の初期光電変換効率を1とし
た時の光起電力素子No.1〜4の初期光電変換効率η
(0)の相対値、光起電力素子No.4の劣化率を1とした
時の光起電力素子No.1〜4の劣化率の相対値、及びSIMS
で分析したi層中の水素原子含有量を示す。
表1より本発明のa−Si:H膜をi層に用いたpin構成
の光起電力素子は比較例1〜3の方法によって作製した
光起電力素子に比べ、初期変換効率が高く、劣化率が小
さいことがわかる。特に劣化率の低下は著しい。
また実施例2及び比較例1〜3と同じ条件で、ただし
i層の膜厚が2μm以上になるように、i層の成膜まで
の工程を行ない、ラマン分光測定用の試料を作製した。
各試料のラマン分光測定の結果は、いずれも480cm-1
付近にブロードのピークがある非晶質シリコン膜の特徴
がみられた。
実施例3 本発明のa−Si:H膜を用い、第7図の成膜装置を用
い、第8図の構成の電界効果型薄膜トランジスタを作製
した。
第8図は、本発明によるa−Si:H膜を用いた電界効果
型薄膜トランジスタの概略的構成図である。
同図において、絶縁性基板801上にゲート電極802が所
望のパターンで形成され、更にその上に絶縁層803と半
導体層804が積層形成されている。半導体層804上には、
オーミックコンタクト層805′および805″を介して主電
極806′および806″が各々形成され、ゲート電極802に
印加当される電圧によって主電極806′および806″間に
流れる電流が制御される電界効果型トランジスタが構成
される。
次に、第8図に示す構成の電界効果型薄膜トランジス
タの作製方法を記す。
まず、ガラス基板801(コーニング社製#7059)上にA
1ゲート電極802を形成した後、チャンバー700内のアノ
ード電極704上に固定した。そして、チャンバー700内の
圧力を1×10-6Torr以下として、ヒーター704により、
基板の温度を350℃に保持する。次に成膜ガス導入管710
よりアンモニア(NH3)を150sccm、H2ガスを30sccm、チ
ャンバー700内に導入した。チャンバー700内の圧力を0.
4Torrになるように、排気ポンプ709の排気量を調整し
た。
この状態でアノード電極703とカソード電極702との間
に高周波電源707よりマッチングボックス706を介して10
Wの高周波当電力を導入した。その結果、アノード電極
とカソード電極702との間にNH3ガスとH2ガスとによりプ
ラズマが生起した。
この状態で、三方バルブ716を1周期的に切り換える
ことにより、成膜ガス導入管713よりSi2H6ガス20sccmを
周期的に断続導入した。一周期のSi2H6ガスの導入時間
は20秒で、導入しない時間は40秒である。
この繰り返しを100周期繰り返すことにより、SiN:Hの
絶縁層803を厚さ約1500Å堆積した。
次に放電を止め、ガスの導入を止め排気ポンプ709で
十分に排気を行ない、チャンバー700内圧力を1×10-6T
orr以下にした後、チャンバー700内に成膜ガス導入管71
0を介してH2ガスを30sccm導入した。排気ポンプ709の排
気量を調整することによりチャンバー内の内圧を0.3Tor
rにした。
高周波電力10Wを印加し、アノード電極703とカソード
電極702との間にH2ガスによるプラズマを生起した。
この状態で三方バルブ716を周期的に切り換えること
により、成膜ガス導入管713よりSi2H6ガス20sccmを周期
的に断続導入した。一周期のSi2H6ガスの導入時間は5
秒で、導入しない時間は40秒である。
この繰り返しを25周期繰り返すことにより、ノンドー
ブのa−Si:H層804を厚さ約50Å堆積した。次に防電を
止め、ガスの導入を止め、排気ポンプ709で十分に排気
を行ない、チュンバー700内圧力を1×10-6Torr以下に
した後、チャンバー700内に成膜ガス導入管710を介して
H2ガスを30sccm導入した。排気ポンプ709の排気量を調
整することにより、チャンバー内の圧力を0.3Torrにし
た。
高周波電力10Wを印加し、アノード電極703とカソード
電極702との間にH2ガスによるプラズマを生起した。
この状態で三方バルブ716を周期的に切り換えること
により、成膜ガス導入管713より1000ppmのPH3を混合し
たSi2H6ガス20sccmを周期的に断続導入した。一周期のS
i2H6ガスの導入時間は5秒で、導入しない時間は40秒で
ある。
この繰り返しを17周期繰り返すことにより、導電率0.
1S/cmのn+シリコンを500Å堆積させ、オーミックコンタ
クト層805を形成した。次に蒸着法によってAl層806を堆
積させ、チャンネル部分のオーミックコンタクト層805
及びAl層806をホトリソグラフィーによってパターニン
グし、チャンネル部分を除去して、オーミックコンタク
ト805′層および805″を介した主電極806′および806″
を形成した。
その結果、ガラス基板上に電界効果型薄膜トランジス
タが形成された。チャンネル幅Wとチャンネル長LはW/
L=100にした。
また、比較のために、Si2H6ガスを断続的に導入した
のでなく、連続的に導入し、他の条件は、本実施例と同
じにし、各層の成膜時間は、本実施例のSi2H6ガスを流
さない時間をのぞいた時間になるようにして、電界効果
型薄膜トランジスタを作製した。上記2種の電界効果型
薄膜トランジスタの特性を比較したところ、本発明によ
る電界効果型薄膜トランジスタは、比較のための薄膜ト
ランジスタに比べ移動層において1ケタ向上しており、
またバイアス印加時のVthのシフトも1/10以下になって
おり、良好な特性を示した。
実施例4 a−Si膜成膜の安定性を独立に調べるため、特にデバ
イスにはせず300mm×20mmの7059基板上に本発明の方法
により実施例1と同様の条件でa−Si膜のみの成膜を行
なった。条件は実施例1のa−Si膜の成膜条件とほぼ同
一であるが、基板温度を320℃と370℃の2段階に変えて
それぞれ成膜を行なった。圧力は0.1torr RFパワー20
W、tDは10sec、tAは40sec、SiH420sccm、H240sccmであ
る。転移温度Ttは約300℃であった。各ステップを300回
繰り返して約9000Åのa−Siが堆積した。この膜の中央
部と端部とにギャップ幅250μmのAlのくし型電極をEB
蒸着し、光電気伝導度を測定したところ両者でほとんど
差が無く、しかも全体に光電気伝導度が10-4〜10-5S/cm
と大きく良質な膜と判断出来る。また光劣化もほとんど
ない。ラマンスペクトルには520cm-1付近のピークは現
われず480cm-1付近のピークのみがある。さらに基板を
1″φのSiウェハーにとり換えただけで他の成膜条件が
全く等しいサンプルをつくり膜中の水素濃度を赤外吸収
スペクトルから測定した。この際先の7059基板の中央に
相当する位置と端に相当する位置にSiウェハーを置いて
比較した。従って基板温度の変化を含め4種のサンプル
がある事になる。その結果7059基板の中央に相当する位
置のサンプルと端に相当する位置のサンプルとで水素濃
度はともに約4at%で大きな差が出なかった。
これに対しtA=0として成膜した膜では基板温度320
℃のとき10%、320℃の時7%であり、光電気導電度は
上記サンプルに較べて1桁以上低かった。
また、tD=2secとして成膜した膜ではどちらの基板温
度でもラマンスペクトルには520cm-1付近のピーク強度
が強く、480cm-1のピークはよく見えないので大部分が
結晶化してしまったと考えられる。
実施例5 実施例4と同様の方法でSiウェハー上及び7059ガラス
上にa−Si膜に形成した。実施例4と同様に基盤の表面
温度がSiウェハーと7059とで一致する様にして成膜を行
なった。成膜条件は圧力0.1Torr、RFパワー20W、tD20se
c、tA40sec,SiH420sccm、H240sccmである。基板温度は3
50℃で転移温度より高く設定した。さらに基板に−60V
のバイアスを印加して各ステップを200回くり返し1.1μ
mのa−Si膜を得た。またバイアスを印加しないで成膜
したサンプルも用意し、特性の比較を行なった。バイア
ス0Vで成膜したものは水素濃度が8%で光電気伝導度が
バイアス−60Vのものより1桁低くまた光劣化は通常のG
D法と同レベルであったが−60Vのバイアス印加したもの
は水素濃度が5.5%で光電気伝導度も高く光劣化はバイ
アス0Vのものの1/3以下であった。従ってバイアス印加
は膜質を落さずに成膜速度を上げる有効な方法といえ
る。
比較例4 実施例4とほぼ同様の方法でSiウェハー及び7059ガラ
スにa−Siを堆積する際、基板温度を転移温度より低く
設定して成膜を行なった。基板温度は250℃。こうして
出来た膜は水素濃度が高いだけでなく、中央と端での水
素濃度差が8%と13%であり差が大きかった。また光電
気伝導度は10-6〜10-7S/cm程度であり、大きくはない。
さらに通常のGD法と同程度の光劣化を示す。この様に基
板温度が転移温度Ttより低い場合には水素プラズマ照射
の効果が現われにくい。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によればa−Si成膜の際の
膜質の基板温度依存性が少なくなるためa−Siデバイス
の製造安定法が向上するだけでなく大面積均一性が向上
するので特に大面積デバイスにおいて歩留りが向上す
る。また従来の方法に較べて光伝導性、キャリア輸送性
などが向上し、光劣化も少なくなるのでデバイス性能の
向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の手順を示す図、第2図は本発明に特徴
的な転移温度を示す図、第3図はラマンスペクトルの結
晶のピークとアモルファスのピークの比とtDの間に堆積
するa−Si膜厚との関係を示す図、第4図はtAと膜中水
素濃度との関係を示す図、第5図はtDの間に堆積する膜
の水素濃度と各ステップでの成膜膜厚との関係を示す
図、第6図は、本発明のa−Si:H膜をi層に用いたpin
構成の光起電力素子を模式的に示す図、第7図は、本発
明のa−Si:H膜をi層に用いたpin構成の光起電力素子
を作製するのに好適な成膜装置を示す模式図、第8図
は、本発明のa−Si:H膜を半導体層に用いた電界効果型
薄膜トランジスタを模式的に示す図、第9図は本発明を
実施するための装置の一例を示す図、第10図はショトキ
バリア型イメージセンサーの1画素の構造を示す図であ
る。 601……基板、602……下部電極 603……n型半導体層、604……i型半導体層 605……p型半導体層、606……透明電極 607……集電電極、700……反応チャンバー 701……基板、702……アノード電極 703……カソード電極 704……基板加熱用ヒーター 705……接地用端子 706……マッチングボックス 707……RF電源、708,714……排気管 709,715……排気ポンプ 710,712,713……成膜ガス導入管 720,730,740,750,760,722,732,742,752,762……バルブ 721,731,741,751,761……マスフローコントローラー 801……絶縁性基板、802……ゲート電極 803……絶縁層、804……半導体層 805′,805″……オーミックコンタクト層 806′,806″……主電極 903,900,901,902……真空チャンバー 958……RF電極 911,912,913,914,915,935……真空排気ポンプ 931,932,948,949,950,951……ガスボンベ 934……3方弁 935……成膜ガス用排気ポンプ 924,925,926……マッチングボックス 928,929,930……高周波電源 945,946,947……マスフローコントローラー 916,917,918,919……基板ヒーター 1001……ガラス基板、1002……Cr電極 1003……a−Si層、1004……ITO層 1005……パシベーション膜 1006……Al配線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/205

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基本上にGD法によりa−Si層を堆積する工
    程と堆積したa−Si層に水素プラズマ照射をする工程と
    を交互に繰り返しながら堆積を行なうa−Si層の堆積方
    法を用い、前記a−Si層を堆積する工程での堆積層厚が
    10オングストローム以上100オングストローム以下であ
    る事及び堆積と水素プラズマ照射を行なう際の基体温度
    を膜中水素濃度変化の転移温度Tt以上に保つ事を特徴と
    する堆積膜の形成方法。
  2. 【請求項2】基体上にGD法によりa−Si層を堆積する工
    程と堆積したa−Si層に水素プラズマ照射をする工程と
    を交互に繰り返しながら堆積を行なうa−Si層の堆積方
    法を用い、少なくとも水素プラズマ照射時に基体側にバ
    イアスを印加し、前記a−Si層を堆積する工程での堆積
    層厚が10オングストローム以上200オングストローム以
    下である事及び堆積と水素プラズマ照射を行なう際の基
    体温度を膜中水素濃度変化の転移温度Tt以上に保つ事を
    特徴とする堆積膜の形成方法。
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