JP2794317B2 - テルペン酸α―トコフェロールエステル類 - Google Patents

テルペン酸α―トコフェロールエステル類

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、香料の保留剤あるいは酸化防止剤として有
用であるばかりでなく医薬品としても期待される従来の
文献に未記載の下記式(A) 式中、Rはα−トコフェリル基を示し、点線は一個の
二重結合を示す、 で表されるテルペン酸α−トコフェロールエステル類に
関する。
更に詳しくは、本発明は、上記式(A)に包含される
下記式(A)−1 式中、Rは前記したと同義である、 で表されるα−トコフェリル3,7,11,15−テトラメチル
ヘキサデカ−2(E),6(E),10(E),14−テトラエ
ノエート(以下、ゲラニルゲラン酸α−トコフェロール
と称する)および下記式(A)に包含される下記式
(A)−2 式中、Rは前記したと同義である、 で表されるα−トコフェリル3,7,11,15−テトラメチル
ヘキサデカ−2(Z),6(E),10(E),14−テトラエ
ノエート(以下、ゲラニルネラン酸α−トコフェロール
と称する)並びに下記式(A)に包含される下記式
(A)−3 式中、Rは前記したと同義である、 で表されるα−トコフェリル3,7,11,15−テトラメチル
ヘキサデカ−3,6(E),10(E),14−テトラエノエー
トに関する。
(従来の技術) 従来、本発明の式(A)の化合物と構造の類似する化
合物としては、例えば、抗炎症作用を有する長鎖不飽和
脂肪酸であるリノール酸、リノレン酸、アラキドン酸の
α−トコフェロールエステル類が報告されており、該化
合物を化粧料基剤に配合して皮膚を保護する皮膚化粧料
(特公昭48−14932号公報参照)の提案がされている。
また、別の提案としては、例えば、α−リノレン酸α
−トコフェロールエステルが知られており、この化合物
が血小板凝集阻止作用を有することを見いだし、該化合
物を含有する血小板凝集阻止剤(特公平1−53849号公
報参照)などの提案がなされている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、上記従来提案の長鎖不飽和脂肪酸のα
−トコフェロールエステル類が抗炎症作用、血小板凝集
阻止作用あるいは血管強化作用などの薬理作用を有して
いることに注目し、更に、上記提案とは異なる多種類の
長鎖不飽和脂肪酸のα−トコフェロールエステル類につ
いて鋭意研究を行ってきた。
その結果、新規な上記式(A)の化合物が、香料ある
いは香料組成物の芳香特性又は芳香安定性を向上させ、
経時によっても常に一定の香気を発散させる保留効果を
有しており、香料保留剤として有用であること、また、
酸化により劣化を受けやすい香料、香料組成物、香粧
品、食品などに対して酸化防止効果を有しており、酸化
防止剤として有用であることを発見して本発明を完成し
た。また、上記式(A)の化合物は、抗炎症作用、血小
板凝集阻止作用あるいは血管強化作用などの薬理作用が
期待される。
従って、本発明の目的は、香料保留剤あるいは酸化防
止剤として有用であり、更には上述の薬理作用が期待さ
れる従来の文献に未記載の前記式(A)の化合物を提供
するにある。
(発明を解決するための手段) 本発明によれば、前記式(A)の化合物は、下記式
(B) 式中、点線は一個の二重結合を示す、 で表されるテルペン酸類をα−トコフェロール(ビタミ
ンE)と反応させることにより容易に合成することがで
きる。
本発明で得ることのできる式(A)の化合物の合成法
を反応式で示すと、例えば、以下のように表すことがで
きる。
式中、Rはα−トコフェリル基、DCCはN,N′−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(以下、DCCと称する)、DMA
Pは4−ジメチルアミノピリジン(以下、DMAPと称す
る)を示し、点線は一個の二重結合を示す、 上記反応式に従って、本発明の式(A)の化合物の合
成法を以下に詳細に説明する。
本発明の出発原料である式(B)のテルペン酸類は、
3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2(E),6
(E),10(E),14−テトラエノイック酸[(B)−
1](以下、ゲラニルゲラン酸と称する)、3,7,11,15
−テトラメチルヘキサデカ−2(Z),6(E),10
(E),14−テトラエノイック酸[(B)−2](以
下、ゲラニルネラン酸と称する)および3,7,11,15−テ
トラメチルヘキサデカ−3,6(E),10(E),14−テト
ラエノイック酸[(B)−3]が包含される。
式(B)の化合物に包含される式[(B)−1]およ
び式[(B)−2]の化合物は、例えば、ゲラニルゲラ
ニアールおよびゲラニルネラールの混合物[95対5]を
酸化銀、亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤で酸化し、更
に、酸化生成物を単離精製することにより、好純度に合
成することができる。
また、式(B)の化合物に包合される式[(B)−
3]の化合物は、例えば、式[(B)−1]のメチルエ
ステルであるゲラニルゲラン酸メチルをアルカリで加水
分解して、二重結合を転移させるか、又は、アルカリの
存在下における共役二重結合の異性化後、加水分解し、
更に単離精製することにより、好純度で得ることができ
る。
上記反応式において、式(B)の化合物から式(A)
の化合物を合成するには、式(B)の化合物を有機溶媒
中でDMAPおよびDCCの存在下、α−トコフェロール(ビ
タミンE)と反応させることにより容易に行うことがで
きる。
上記の反応は、例えば、約0℃〜約100℃の温度範囲
で約1時間〜約24時間程度で行うことができる。
この反応に使用するα−トコフェロールの使用量は、
例えば、式(B)の化合物1モルに対して、約0.5モル
〜約2モル程度の範囲内が例示される。
上記反応に用いるDMAPの使用量は、触媒として作用す
るに足りる量であればよく、例えば、式(B)の化合物
1モルに対して、約1ミリモル〜約100ミリモル程度の
範囲であればよい。また、DCCの使用量は、式(B)の
化合物1モルに対して、約1モル〜約10モル程度の範囲
をしばしば採用することができる。
また、この反応に使用する有機溶媒の種類としては、
例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,
2−ジクロロエタンなどを挙げることができる。これら
有機溶媒の使用量は、特に制限されるものではないが、
一般には式(B)の化合物に対して、例えば、約2〜約
50重量倍程度の範囲を例示することができる。
反応終了後は、減圧分子蒸留、カラムクロマトグラフ
ィーなどの精製手段を用いて式(A)の化合物に包含さ
れる式(A)−1の化合物、(A)−2の化合物および
式(A)−3化合物を好収率、好純度で取得することが
できる。
本発明においては、別の反応態様の方法を採用するこ
とにより、式(A)−1の化合物から式(A)−3化合
物を合成することができる。
上記反応において、式(A)−3の化合物を合成する
には、例えば、式(A)−1の化合物を有機溶媒中でリ
チウムジイソプロピルアミド(以下、LDAと称する)お
よびヘキサメチルホスフォロトリアミド(以下、HMPAと
称する)の存在下に異性化反応させることにより容易に
行うことができる。
上記の異性化反応は、例えば、約−70℃〜約50℃の温
度範囲で約0.5時間〜約5時間程度で行うことができ
る。
上記反応に用いるLDAの使用量は、例えば、式(A)
−1の化合物1モルに対して、約1モル〜約10モル程度
の範囲であればよい。また、HMPAの使用量は、式(A)
−1の化合物1モルに対して、約1モル〜約10モル程度
の範囲をしばしば採用することができる。
また、この反応に使用する有機溶媒の種類としては、
例えば、テトラヒドロフラン、エーテルなどを挙げるこ
とができる。これら有機溶媒の使用量は、特に制限され
るものではないが、一般には式(A)−1の化合物に対
して、例えば、約2〜約50重量倍程度の範囲を例示する
ことができる。
反応終了後は、常法に従って洗浄、乾燥、濃縮、更に
は減圧蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの精製手段
を用いることにより、式(A)−3の化合物を好収率、
好純度で取得することができる。
上述のようにして得ることのできる式(A)の化合物
は、香料あるいは香料組成物の芳香特性又は芳香安定性
を向上させ、経時によっても常に一定の香気を発散させ
る保留効果を有しており、優れた香料保留剤として有用
である。また、該化合物は、酸化により劣化を受けやす
い香料、香料組成物、香粧品、食品などに対して酸化防
止効果を有しており、酸化防止剤として有用である。ま
た、式(A)の化合物は、抗炎症作用、血小板凝集阻止
作用あるいは血管強化作用などの薬理作用が期待され
る。
以下に本発明について、実施例及び参考例を挙げて、
更に詳細に説明する。
(実施例) 実施例1 ゲラニルゲラン酸αトコフェロール[(A)−1の化合
物]の合成。
300mlのフラスコにゲラニルゲラン酸[(B)−1]
6.0g(20ミリモル)、α−トコフェロール8.6g(20ミリ
モル)、DMPA150mgおよび塩化メチレン100mlを仕込み、
撹拌する。この中に室温下、15分でDCC16.5g(80ミリモ
ル)の塩化メチレン50ml溶液を滴下する。滴下後、更に
室温で15時間撹拌して反応させる。
反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下濃縮す
る。得られた残渣をシリカゲカラムクロマトグラフィー
(n−ヘキサン/酢酸エチル=99/1)で精製することに
より、純粋な式[(A)−1]の化合物8.3g(収率:58
%)を得た。尚、構造はMS,IR,PMRで確認した。
MS(m/z):716(m+,33),430(82),165(47),69(10
0). IR(film):2928,2868,1736,1649,1462,127cm-1 PMR(CDCl3):δ0.87(12H,d,J=7Hz),1.0〜1.6(26
H),1.60(9H,broad s),1.68(3H,broad s),1.7〜2.2
(19H,m),2.23(5H,broad s),2.59(2H,t,J=7Hz),
5.13(3H,broad s),5.97(1H,broad s). 実施例2 ゲラニルネラン酸α−トコフェロール[(A)−2の化
合物]の合成。
実施例1のゲラニルゲラン酸[(B)−1]の代わり
にゲラニルネラン酸[(B)−2]6.0gを用いた他は、
実施例1と同様にして、純粋な式[(A)−2]の化合
物8.6g(収率:60%)を得た。
尚、構造はMS,IR,PMRで確認した。
MS(m/z):716(m+,9),430(100),165(54),69(8
6). IR(film):2928,2868,1736,1647,1456,1127cm-1 PMR(CDCl3):δ0.87(12H,d,J=7Hz),1.0〜1.6(26
H),1.59(9H,broad s),1.67(3H,broad s),1.7〜2.2
(22H),2.4〜2.8(4H,m),5.0〜5.2(3H,m),6.00(1
H,broad s). 実施例3 実施例1のα−トコフェリル3,7,11,15−テトラメチル
ヘキサデカ−3,6(E),10(E),14−テトラエノエー
ト[式(A)−3の化合物]の合成。
ゲラニルゲラン酸[(B)−1]の代わりに3,7,11,1
5−テトラメチルヘキサデカ−3,6(E),10(E),14−
テトラエノイック酸[(B)−3]3.0gを用いた他は、
実施例1と同様にして、純粋な式[(A)−3]の化合
物3.9g(収率:55%)を得た。
尚、構造はMS,IR,PMRで確認した。
MS(m/z):716(m+,28),430(94),165(62),69(10
0). IR(film):2928,2870,1756,1649,1456,1127cm-1 PMR(CDCl3):δ0.87(12H,d,J=7Hz),1.0〜1.6(26
H),1.60(9H,broad s),1.68(3H,broad s),1.7〜2.3
(22H,m),2.58(2H,t,J=7Hz),3.31(2H,s),5.0〜5.
2(4H,m). 実施例4 α−トコフェリル3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ
−3,6(E),10(E),14−テトラエノエート[式
(A)−3の化合物]の合成(異性化法)。
アルゴンガスで置換した100mlのフラスコに1.5Nのn
−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液2.5ml(4ミリモ
ル)および乾燥テトラヒドロフラン20mlを仕込む。この
フラスコをドライアイス−アセトンで冷却(−60℃)し
ながら、30分間でジイソプロピルアミン0.4g(4ミリモ
ル)の乾燥テトラヒドロフラン10ml溶液を滴下する。滴
下後、更に冷却しながら30分間撹拌してLDAを調製す
る。この溶液中に、−60℃、30分間でHMPA0.72g(4ミ
リモル)の乾燥テトラヒドロフラン10ml溶液を滴下し、
次いで、式(A)−1の化合物2.15g(3ミリモル)の
乾燥テトラヒドロフラン10ml溶液を滴下する。滴下後、
更に、同温度で1時間撹拌して反応させる。
反応終了後、反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液中
に注入し、エーテル抽出を行う。エーテル層を重曹水
洗、食塩水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃
縮する。得られた残渣をシリカゲカラムクロマトグラフ
ィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=98/2)で精製するこ
とにより、純粋な式[(A)−3]の化合物1.57g(収
率:73%)を得た。尚、構造はMS,IR,PMRで確認した。
(参考例) 参考例1 リラタイプの調合香料組成物として下記の各成分(重
量部)を混合した。
フェニルエチルアセテート 10 シンナミックアルコール 40 ターピネオール 130 シクラメンアルデヒド 10 ヘリオトロピン 50 シンナミルアセテート 10 カーネーション 20 リナロール 30 インドール 2 スチィラックスレジノイド 30 イランイラン 10 ヒドロキシシトロネラール 290 ベンジルアセテート 20 アニスアルデヒド 20 アブソリュートジャスミン 20 フェニルエチルアルコール 278アニスアルコール 30 合計 1000 上記のリラタイプの調合香料組成物(ブランク品組成
物)と、該組成物に本発明の式(A)化合物に包含され
るゲラニルゲラン酸α−トコフェロール[(A)−1]
を30重量%配合して調製した組成物(本発明品組成物)
のそれぞれについて、専門パネラーにより香料の保留効
果を調べた。
(試験方法) 匂い紙(6mm×15cm)の端に1枚につきブランク品組
成物0.35g、本発明品組成物0.50gを均一に塗布したもの
を各4枚づつ、計8枚を調製し、恒温恒湿室(温度30
℃、湿度50%、風速0.05m/秒以下)中に開放放置する。
放置時間は、0分(放置直後)、150分、270分、450分
の4点とした。所定の時間放置した後、調香専門パネラ
ー5名により香料の保留効果の判定を行った。
(結果) ブランク品組成物の0分時の香調は強く、香りの調和
も充分である。しかし、150分時、270分時の時間の経過
と共に、トップノートの香調は弱まり、バランスの変化
が認められた。また、450分時にはトップノートと共に
わずかではあるが全体の香調に変化が現れ、持続性の点
で問題があった。
本発明品組成物の0分時における香調は、全体的にマ
イルドで、香りの調和も充分であり、ブランク品組成物
と同等に評価される。しかも、本発明品組成物は、150
分時〜450分時までの経時においてもトップノートの香
調の変質は極めて少なく、450分時のブランク品組成物
との比較では、香気の強さならびに持続性の点で調香専
門パネラー5名とも明らかな有意差を認めた。
上記の結果より、[(A)−1]の化合物が、香料保
留効果に優れており、香料保留剤として極めて有用であ
ることが確認できた。
参考例2 参考例1の方法に準じて、式[(A)−2]及び式
[(A)−3]の化合物の保留効果の判定をおこなった
ところ、式[(A)−1]の化合物と同等の効果がある
と評価され、香料保留剤として有用であることが判明し
た。
参考例3 参考例1で用いたリラタイプの調合香料組成物(ブラ
ンク品組成物)と、該組成物に本発明の式(A)−1の
化合物を0.5重量%配合して調製した組成物(本発明品
組成物)のそれぞれについて、以下の耐熱試験により香
料組成物の酸化防止効果ならびに香気の変化を調べた。
(試験方法) ブランク品組成物および本発明品組成物のそれぞれ30
gを透明なガラス容器に詰め、密封した後、この容器を4
0℃に設定した恒温槽に入れた。酸化防止の効果は、恒
温槽内における1週間後、2週間後、3週間後の時間の
経過に伴う香料組成物の色調の変化を肉眼で観察して調
べ、また香気の変化は、パネラー5人により判定した。
(結果) 調合した直後のブランク品組成物は、淡黄色の液体で
ある。しかし、1週間後におけるブランク品組成物は、
褐色に変化しており、時間の経過と共に濃い色調に変化
し、3週間後には濃い暗褐色を呈していた。また、ブラ
ンク品組成物の香気の変化に関しては、パネラー5人の
全員が酸敗臭を感じた。
本発明品組成物の1週間後における色調には、ほとん
ど変化が認められない。時間の経過と共にわずかづつ変
化するが、3週間後でも薄い褐色を呈している程度であ
った。また、本発明品組成物の香気については、ほとん
ど変化は認められず、1人のパネラーが、わずかに酸敗
臭を感じたのみであった。
酸化反応が着色の主な原因であると考えられることか
ら、式[(A)−1]の化合物が、香料組成物の酸化防
止効果に優れており、酸化防止剤として極めて有用であ
ることが確認できた。
参考例4 参考例3の方法に準じて、式[(A)−2]及び式
[(A)−3]の化合物の酸化防止効果を調べたとこ
ろ、式[(A)−1]の化合物と同等の効果があると判
定され、酸化防止剤として有用であることが確認され
た。
(発明の効果) 本発明は、従来の文献に未記載の前記式(A)で表さ
れるテルペン酸α−トコフェロールエステル類を提供す
るにある。
該化合物は、香料あるいは香料組成物の芳香特性又は
芳香安定性を向上させ、経時によっても常に一定の香気
を発散させる優れた保留効果を有しており、香料保留剤
として有用であるとともに、酸化により劣化を受けやす
い香料、香料組成物、香粧品、食品などに対して酸化防
止効果を有しており、酸化防止剤としても有用である。
また、上記式(A)の化合物は、抗炎症作用、血小板凝
集阻止作用あるいは血管強化作用などの薬理作用が期待
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 井上 典之 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 311/72 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(A) 式中、Rはα−トコフェリル基を示し、点線は一個の二
    重結合を示す、 で表されるテルペン酸α−トコフェロールエステル類。
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