JP2794067B2 - カラーインク複写方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、樹脂板、ガラス板、金属板、樹脂フイル
ム等の基材又は立体的な基材の表面に特殊な機械を使用
しないでインク層よりなる絵柄模様及び文字等を複写す
ることを目的としたカラーインク複写方法に関するもの
である。

（従来の技術） 従来この種のカラーインクを被写体に複写する場合
は、例えば、複写機のトナーにカラートナーを各々使用
する方法か、あるいは、トナー画像にカラー箔を接着す
る方法等が使用されている現状である。

（発明が解決しようとする課題） 上記従来のカラーインクを被写体に複写する方法によ
れば、前者はトナーの一色ごとに現像ユニツトが必要と
なり、大変に高価となると共に、作業が面倒である点
と、そのトナーの限定色数にしか使用できない問題点
と、コピーー用紙に限定されるという問題点があつた。
次に、後者のものは、黒いトナーが下地に存在するため
インクの色が黒ずんでしまう問題点と、限定された色数
しかカラーが使用できない点と、コピー用紙のみに限定
される問題点があつた。

この発明は、上記の問題点を解決するためのもので、
その目的とする所は、各種の基材の表面に市販されてい
るカラーインク及び各種色に混合された無限のインク色
の絵柄、文字を自由に複写できるようにし、さらに、立
体物にもカラーコピーが容易に出来ると共に、高価な機
械設備が不用でも作業が簡単にできる複写方法を提供す
ることを目的としている。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、この発明のカラーインク
複写方法によれば、樹脂板等の各種の基材（１）の表面
に各種の着色されたカラーインクを平坦状に塗布してイ
ンク層（２）を形成する。このインク層（２）に対して
静電式複写機によつて複写された絵柄模様又は文字等の
トナー画像（３）を重合形成させ、このインク層（２）
とトナー画像（３）との上部表面より該トナー画像
（３）を溶融しないで該インク層（２）を溶融するイン
ク用の各種の溶剤（７）を塗布して表面に露出している
インク層（２）を溶融除去し、その後、該インク層
（２）を溶融しないでトナー画像のみを溶融するトナー
用の有機溶剤（８）を塗布することによつて表面の該ト
ナー画像（３）のみを溶融除去し、前記基材（１）の表
面にトナー画像（３）と同一の絵柄模様又は文字等のカ
ラーインクの美しいインク層（２）を残置現出させるカ
ラーインク複写方法である。

（作用） 次に、この発明の作用工程を説明すると、第１図に示
す、（イ）図の如く、ガラス板、金属板、樹脂フイル
ム、樹脂板及び立体的な表面となる基材（１）に対して
各種の着色されたカラーインクを平坦状にインク層
（２）として塗布する。次に、このインク層（２）を表
面に対して、（ロ）図のように静電式複写機による絵柄
模様又は文字等のトナー画像（３）を直接又は転写手段
によつて重合形成する。次に、このインク層（２）と該
トナー画像（３）に対して、（ハ）図に示す如く、その
表面上部より該トナー画像（３）を溶融しないでインク
層（２）を溶融するアルコール又は水等のインク用の溶
剤（７）を塗布又は散布することによつて、表面に露出
しているインク層（２）を溶融してこれを拭き取り等の
手段を以て（ニ）図に示す如く除去する。その後、
（ホ）図に示す如く、インク層（２）とトナー画像
（３）の表面寄り、該インク層（２）が溶融しないでト
ナー画像（３）のみを溶融するトナー用の有機溶剤
（８）を塗布又は泡含させることによつて表面に該トナ
ー画像（３）を拭き取り等の手段で除去すると、（ヘ）
図の如く、基材（１）の表面に求めるカラーインクのイ
ンク層（２）よりなる各種のトナー画像（３）と同一の
絵柄模様又は文字等のインク層（２）を残置現出させて
第２図に示す求めるカラー色のインク層（２）よりなる
絵柄、文字等を自由に選定して複写するものである。

（実 施 例） 次に、この発明の実施例を図面について説明すると、
第２図に示すガラス板、金属板、樹脂フイルム、樹脂板
等及び立体的な表面となる基材（１）の表面に求めるカ
ラーインクよりのインク層（２）を平坦状に第１図
（イ）の如く塗布する。この基材（１）のインク層
（２）に対して静電式複写機を用いた各種の絵柄模様、
文字等のトナー画像（３）を直接又は透明な粘着層に転
写したトナー画像を間接的に重合圧着することによつて
（ロ）図の如く形成する。その後、この重合した基材
（１）の表面より（ハ）図の如くトナーを溶融しないで
インクのみを溶融するインク用の溶剤（７）を散布又は
塗布する。この塗布によつて（ニ）図に示す如くトナー
画像（３）とトナー画像（３）との間の表面に露出して
いるインク層（２）のインク溶融部（５）（５）を溶融
することによつてトナー画像（３）による絵柄模様を残
置する。次に、この状態の（ニ）図に対して（ホ）図に
示す如く、トナー画像（３）の表面よりトナー画像
（３）のみを溶融するトナー用の有機溶剤（８）を散布
又は塗布することによつて（ヘ）図に示す如くトナー溶
融部（６）のみを溶融し、これを紙、布地等により拭き
取ることによつて基材（１）の表面に各種模様、文字等
のカラー色のインク層（２）（２）……を複写形成する
ものである。

なお、この発明に適用した市販されているインクは、
下記の通りである。

（１）、Mr.スプレー“ジユニア” （２）、リキテツクス絵具 （３）、パントンカラートーンスーパー （４）、ペイントスプレー （５）、オフセツトインク 以下に適用する有機溶剤を示す。

（ａ）、トナーを溶融しないでインクを溶融する溶剤 （ｂ）、インクを溶融しないでトナーを溶融する溶剤 （発明の効果） この発明は、上記説明したように構成されたカラーイ
ンク複写方法によれば、通常のコピー機以外の高価な機
械設備を用いずに比較的に安価な材料だけで簡単に各種
のガラス板、金属板、樹脂板、樹脂フイルムの基材及び
ガラス板等の立体物にも自由にカラーコピーできる効果
と、各種市販のカラーインクを自由に使用できると共
に、色違いの絵柄、文字及び混合色も可能で色数は無限
に使用できる効果がある。また、印刷インクや、ラツカ
ーをインク層に使用すれば、画像が堅牢で擦り傷等に対
しても簡単に消滅する憂いがない効果もある。

更に、シート状の基材では直接にインクを塗布した後
に複写機によつてトナー画像を形成できるためカラーイ
ンクの複写が容易にできる便利な効果がある。そして、
インク層に対してトナー画像を重合した後に、トナー画
像を溶融しないで、インク層を溶融するインク用の溶剤
を塗布したので、絵柄、文字等のトナー画像以外のイン
ク層を確実に溶かして鮮明にトナー画像の絵柄、文字の
みを残置できる。また、トナー画像のみを溶融する有機
溶剤を塗布することによつて、上面のトナー画像は容易
に溶けるため、溶融しないインク層がトナー画像と同一
の絵柄、文字等を確実に残置して求めるカラーの複写が
極めて確実容易にできる便利な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の基材にインク層を被写した場合の
斜面図、第２図はこの発明の作業工程を示す説明図であ
る。符号（１）は基材、（２）はインク層、（３）はト
ナー画像、（５）はインク溶融部、（６）はトナー溶融
部、（７）はインク用溶剤、（８）はトナー用溶剤であ
る。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】樹脂板、ガラス板、金属板、樹脂フイルム
   等の基材の表面に各種の着色されたカラーインクを平坦
   状にインク層として塗布し、該インク層に対して静電式
   複写機による絵柄模様又は文字等のトナー画像を重合形
   成し、前記インク層とトナー画像との上部表面より該ト
   ナー画像を溶融しないで、該インク層を溶融するインク
   用の溶剤を塗布して表面に露出しているインク層を溶融
   除去し、その後、該インク層を溶融しないでトナー画像
   のみを溶融するトナー用の有機溶剤を塗布することによ
   つて表面の該トナー画像を除去させ、前記基材にトナー
   画像と同一の絵柄模様又は文字等のカラーインクのイン
   ク層を残置現出させる事を特徴としたカラーインク複写
   方法。