JP2794008B2

JP2794008B2 - 摩擦リングの製作方法

Info

Publication number: JP2794008B2
Application number: JP63034147A
Authority: JP
Inventors: ヨハン・グラムベルガー; フェルディナント・マイルホーファー
Original assignee: MIBA ZUINTAAMETARU AG; Tsuetsuto Bee En Tsuanraadoeruku Noienshutain Unto Co GmbH
Current assignee: MIBA ZUINTAAMETARU AG; Tsuetsuto Bee En Tsuanraadoeruku Noienshutain Unto Co GmbH
Priority date: 1987-02-21
Filing date: 1988-02-18
Publication date: 1998-09-03
Anticipated expiration: 2013-09-03
Also published as: CA1319251C; ES2044986T3; KR960003132B1; JPS6479308A; EP0280201A1; ATE93936T1; US4917743A; EP0280201B1; DE3883557D1; KR880010264A; DE3705658A1; DE3705658C2

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、円錐形または円筒形の摩擦面を有する摩擦
リングを製造する方法に関する。

［従来の技術］焼結体に生ずる材料内の焼結孔は、この種の材料を摩
擦ライニングに用いるならば、平坦な摩擦面を有する摩
擦ディスクにおいて容易に利用出来る種々の利点をもた
らす。つまり、各種の成分から成る焼結粉末は、これを
ディスク本体上に正確に配置して、一連の作業工程によ
り焼結して締め固めることが可能である。焼結に際して
は摩擦ライニングとディスク本体とが効果的に結合され
る。

然し乍ら、例えば変速ギアの同期化装置、摩擦クラッ
チ又は摩擦ブレーキ等に用いられるような摩擦リング
は、一般に、焼結材料から成る摩擦ライニングを有して
いない。何故ならば、既に焼結材料を円筒形または円錐
形の摩擦面上に載着する時点で各種の問題が生じ、しか
も載置された粉末層をプレッシャースタンプの軸方向運
動によって締め固めることは出来ないからである。

それにも拘らず、摩擦リングに散布焼結式の摩擦ライ
ニングを形成しうるようにするため、例えばドイツ連邦
共和国特許第3417813号明細書によれば、まず従来の方
式によって摩擦ライニングを平坦な担体プレート上に焼
結し、次いでこの担体プレートを、摩擦リングの幾何学
的な摩擦面形状に応じて彎曲させた後に、点熔接により
それと支持リングと結合することが公知となっている。

［発明が解決しようとする課題］然し、この公知の摩擦リングの明らかな欠点を述べれ
ば、支持リングが点熔接による不均等な熱負荷を受けて
不都合な熱応力を生ぜしめる恐れがあり、各熔接箇所間
における担体プレートのばね弾性に基いで摩擦ライニン
グの正確な二次加工が行われ得ず、更に実地において
は、支持リングの寸法が予め定められている以上、担体
プレートの厚さ分だけ焼結材料が薄くなるので、厳密な
製作公差を保つことが出来ない。

そこで、本発明の課題とするところは、冒頭に述べた
形式による摩擦リングの製作方法に改良を加えて、上述
のような公知技術における欠点を除き、特別な担体上に
焼結材料を載設してこの担体を支持リングに結合する工
程を必要とすることなく、簡単な形式により、焼結材料
から成る摩擦ライニングを支持リング上に形成しうるよ
うにすることにある。

［課題を解決するための手段］上述の課題を解決すべく提案された本発明の方法は、
周辺摩擦面を有する摩擦リングを製作する方法であっ
て、次の諸工程を含む方法である。

第１周辺支持面（３）を有するリング状の支持部材
（２）を製造する工程と、焼結粉末を成形圧縮して、前記第１周辺支持面（３）
に補足的な第２周辺支持面を有する条片状の焼結粉末部
材（５）を用意する工程と、前記焼結粉末部材（５）から、自己支持性のある機械
的に安定した摩擦部材（４）を用意する工程と、前記摩擦部材（４）を前記支持部材（２）にプレスし
て、前記第１周辺支持面および第２周辺支持面を互いに
結合させる工程と、前記第２周辺支持面が前記支持部材（２）の前記第１
周辺支持面（３）に存在する状態で前記摩擦部材（４）
を焼結する工程。

ここで、条片状とは、２つの端部を有する細長い形状
である。

［発明の効果］仮焼結（または結合剤を用いた結合）により所定の焼
結粉末から、後続の処理に充分耐えられる圧縮強度を持
つ自己支持性のある条片状の成形体が得られるので、摩
擦ライニングを形成する際に特別な担体プレートを用い
る必要がなくなり、焼結材料から予め製作された条片状
の成形体を直接支持リングにプレスして、支持リングと
緊密な結合状態で焼結することが出来る。

従って、摩擦ライニングと支持リングとの間では全面
的な結合状態が保証され、この結合部は単に発生する全
ての負荷に耐えられるのみならず、そうでない場合には
各結合箇所間に生ずるばね弾性的な支承力、つまり摩擦
面の後処理に際して製作公差において直ちに低下するよ
うな支承力の発生も回避される。更に、摩擦ライニング
の寸法設計に際して担体プレートの厚みを考慮する必要
がないので、自己支持性のある条片状の成形体を形成す
るに当り焼結粉末層の厚みを所望の適宜な値に設定する
ことが出来る。

このようにして焼結粉末の層を比較的厚いものにして
おきさえすれば、粉末載着時の不均等性も殆ど不都合に
作用しないので、焼結材料の密度とこの密度に関連した
所望の間隙率とを極めて正確に調整することが可能にな
る。

なお、この点に関連して考慮しておくべきことは、ベ
ース上に載設される焼結粉末層を所望の厚さに締め固め
ることである。本発明における如く、摩擦ライニングが
比較的厚く形成されていると、例えば潤滑媒体を強制案
内するための溝の穿設作業もかなり容易に実施されう
る。

担体プレートの厚さ分だけ厚い層を有する担体のない
自己支持性の条片状の成形体を用いるならば、この条片
状の成形体自体を多層構造のものとし、例えば支持リン
グに面した側に付着媒介層を形成することが出来るの
で、摩擦ライニングから支持リングに移行する状況をこ
の付着媒介層によって得別に考慮することが可能にな
る。

［実施例］先ず初めに、仮焼結（または結合剤を用いた結合）に
より締め固められた焼結粉末から、少くとも１つの自己
支持性を有する圧力負荷可能な条片状の成形体を形成
し、この条片状の成形体を支持リングにプレスし、次い
で、これを摩擦ライニングとして焼結する。

個々のセグメントから合成されるか或いは摩擦面の周
長さに応じた条片状の成形体によって形成されうる摩擦
ライニングは、簡単な形成により以下のようなプロセス
で製作できる。即ち、平坦なベースに載設されて締め固
められた焼結粉末の仮焼結後に得られた自己支持性のあ
る条片状の成形体をトリミングしてから彎曲加工し、次
いで、これを支持リングにプレスして、仕上げ焼結する
というプロセスで製作することが出来る。

この場合、条片状の成形体を曲げロールによって彎曲
加工すると有利である。トリミングされた平坦な条片状
の成形体は曲げロールのロール間隙を通して案内され
る。

平坦に予め製作された条片状の成形体を所望の幾何学
的摩擦面形状に応じて彎曲加工するための別の実施態様
としては、トリミングされた条片状の成形体を支持リン
グヘプレスする工程の時に彎曲させる方式が考えられる
が、この方式は、実地においては処理する条片状の部材
がセグメントタイプの条片状の部材であることを前提と
する。

然し、この種の処理方式によれば、トリミングされた
条片状の成形体を特別に曲げ加工する必要がなくなる。
支持リングをも矢張り焼結して、予め作製された条片状
の成形体を支持リング用の成形プレスでプレスするなら
ば、支持リングのプレス加工時に条片状の成形体をも同
時に成形し、次いで両者を共に焼結することが出来るの
で、特に効果的な状況が得られる。摩擦ライニングとし
て合成される条片状のセグメントの数が多くなればなる
ほど、成形加工も容易に行わることになる。

［図示例］次に、添付図面に示した実施例につき、円錐形または
円筒形の摩擦面を有する摩擦リングを製作するための本
発明による方法を詳細に説明する。

第１図は摩擦リングを示している。それは、自動車の
マニュアル式トランスミッションに用いる同期化機構の
同期化リングである。この図示例の同期化リングは、外
周面に歯形を設け、円周面に摩擦面を有する。しかし、
いうまでもなく、同期化リングは、内周面に歯形を設
け、外周面に摩擦面を設けることもできる。さらに、摩
擦面および／または歯形を内周面と外周面の両方に設け
ることも可能である。

第１図の実施例においては、同期化リングが金属又は
焼結粉末材料で作られた支持リング２を備えている。こ
の支持リング２は、当業界で知られている鍛造、鋳造、
焼結その他の方法で製造することができる。

摩擦周辺面をつくるために、支持リング２には焼結粉
末材料製の摩擦ライニング４が設けられる。

製造工程においては、まず焼結粉末を加工成形して条
片状の焼結粉末部材をつくる。つぎに、その条片状の焼
結粉末部材を仮焼結して自己支持性のある機械的に安定
した摩擦部材をつくる。さらに、その摩擦部材を所定形
状に切り出して、摩擦部材の外周面が支持リング２の対
応の内周面に接触するように、摩擦部材を支持リング内
に入れプレスする。しかるのち、支持リング２を摩擦部
材と一緒に焼結する。

第１図に示すように、摩擦ライニング４を形成して、
摩擦部材５が支持リング２にピッタリとはまって、摩擦
部材５と支持リング２の焼結接合によって機械的に安定
し得るようにする。

支持リング２が焼結粉末で作られている場合は、仮焼
結した支持リング２と仮焼結した摩擦部材を使用して、
これらの２つの部材を一緒にしてから焼結することもで
きる。

条片状の摩擦部材５を製作するためには、第２図にそ
の過程が示されているように、先ず焼結粉末が適宜な配
量装置によりベース７上に散布され、それらがコンベヤ
８に載設された状態で、焼結オーブン９内を案内され、
後続の処理を受けるのに充分な圧縮強さを有する自己支
持性のある条片状の部材を得るために、この焼結オーブ
ン９内で仮焼結され、次いで、プレス10に送られて締め
固められ、打抜き装置11によって所定の寸法の条片状の
部材としてトリミングされる。

このようにして予め製作された条片状の部材は、次に
曲げロール12の間を通してリング面３に適合した形状に
彎曲加工される。この予め成形された条片状の部材５を
支持リング２にプレスすれば、条片状の部材５と支持リ
ング２とを互いに結合した状態で同時に仕上げ焼結する
ことが出来る。

条片状の部材５を支持リング２にプレスする際には、
潤滑媒体案内溝13を摩擦ライニング４の面に圧刻するこ
とが可能である。その場合、条片状の部材５の材料は支
持リング２に適宜形成された溝状の切欠14内に強制的に
圧入される。従って、支持リング２と摩擦ライニング４
との間の全面的な結合状態は依然として保たれたままで
ある。

特に高い精度条件を満たすために、条片状の部材５の
焼結処理後に、切削による二次加工を行うことが出来
る。

条片状の部材５はそれ自体単層構造または複層構造の
ものとして構成することが可能である。複層構造の条片
状の部材を得るためには、相前後して配置された複数の
配量装置を用いることにより、焼結粉末を単にベース７
の上に層を成すように載設しさえすればよく、その際に
個々の層における締め固め度をそれぞれ異ったものにす
れば種々異る間隙率（多孔率）を得ることも出来る。

条片状の部材５におけるこのような複数層構造は、支
持リング２と条片状の部材５との間を特に緊密に結合る
ために役立つ。

条片状の部材５を焼結オーブン９内で予め焼結する代
りに、適宜な結合材を用いて焼結粉末を充分な耐圧性を
示す条片状の部材として結合させることも可能である。
この場合に注意しなければならないのは、条片状の部材
に適正な密度を与え、支持リング２にプレスしうるよう
にしておくことである。つまり、摩擦ライニング４の焼
結処理は条片状の部材５を支持リング２にプレスした後
で行われるからである。

なお、本発明による方法を実施するに当り、必ずしも
平坦な条片状の部材のみが用いられうるのではないこと
は言うまでもない。例えば、セグメント式の条片状の部
材の周長さが限られている場合には、焼結粉末を適宜に
彎曲せしめられたベース上に散布乃至塗布することも可
能である。何故ならば、このようなケースでは焼結体に
必要な締め固めに特別な問題が生じないからである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の方法によって製作された焼結摩擦ラ
イニングを有する摩擦リングの断片をリング軸線に対し
て垂直に切断して示す断面図である。第２図は、摩擦ライニングを必要とする条片状の部材を
製作するための設備をブロックごとに概略的に示した図
である。１……歯列２……支持リング３……リング面４……摩擦ライニング５……条片状の部材６……配量装置７……ベース８……コンベヤ９……焼結オーブン 10……プレス 11……打抜き装置 12……曲げロール 13……潤滑媒体案内溝 14……切欠

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者ヨハン・グラムベルガーオーストリア共和国ア‐4902 ヴォルフゼグハウプトシュールストラッセ 26 (72)発明者フェルディナント・マイルホーファーオーストリア共和国ア‐4810 グムンデンモースベルクヴェーク 41 (56)参考文献特開昭51−14106（ＪＰ，Ａ) 実開昭49−82145（ＪＰ，Ｕ) 実開昭50−46705（ＪＰ，Ｕ) 特公平７−42487（ＪＰ，Ｂ２)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】周辺摩擦面を有する摩擦リングを製作する
方法において、次の諸工程を含む方法。第１周辺支持面（３）を有するリング状の支持部材
（２）を製造する工程と、焼結粉末を成形圧縮して、前記第１周辺支持面（３）に
補足的な第２周辺支持面を有する条片状の焼結粉末部材
（５）を用意する工程と、仮焼結、または結合剤を用いた結合により、前記焼結粉
末部材（５）から、自己支持性のある機械的に安定した
摩擦部材（４）を用意する工程と、前記摩擦部材（４）を前記支持部材（２）にプレスし
て、前記第１周辺支持面および第２周辺支持面を互いに
結合させる工程と、前記第２周辺支持面が前記支持部材（２）の前記第１周
辺支持面（３）に存在する状態で前記摩擦部材（４）を
焼結する工程。
【請求項２】前記周辺摩擦面が円錐形である請求項１の
方法。
【請求項３】前記周辺摩擦面が円筒形である請求項１の
方法。
【請求項４】前記周辺摩擦面が外周面である請求項１の
方法。
【請求項５】前記周辺摩擦面が円周面である請求項１の
方法。
【請求項６】接着層が前記条片状の焼結粉末部材の前記
第２周辺支持面にある請求項１の方法。
【請求項７】前記焼結粉末部材（５）の圧縮および仮焼
結が平坦な支持体（７）上で行なわれ、前記自己支持性
のある機械的に安定した条片状の摩擦部材（４）が切り
とられて曲げられる請求項１の方法。
【請求項８】切りとり後の条片状の摩擦部材（４）の曲
げ加工が、曲げローラ（12）によって行なわれる請求項
７の方法。
【請求項９】切りとり後の条片状の摩擦部材（４）の曲
げ加工が、前記条片状の摩擦部材（４）を前記支持リン
グ（２）ヘプレスする際に行なわれる請求項７の方法。