JPH0968225A - 焼結軸受およびその製造方法 - Google Patents

焼結軸受およびその製造方法

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JPH0968225A
JPH0968225A JP22237395A JP22237395A JPH0968225A JP H0968225 A JPH0968225 A JP H0968225A JP 22237395 A JP22237395 A JP 22237395A JP 22237395 A JP22237395 A JP 22237395A JP H0968225 A JPH0968225 A JP H0968225A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結軸受およびその製造方法において、一つ
の筒状焼結体で回転軸の高い支持力を得ること、高強度
と高含油率を有すること、一体構造のハウジングに容易
に組み込むことを課題とする。 【解決手段】 焼結合金により筒状に形成された焼結軸
受であって、その一端部および他端部は、その内周面が
それぞれ回転軸を摺動自在に支持する第1摺動面および
第2摺動面とされるとともに、一端部と他端部との間の
中央部の内周面に、周方向に沿って円環状に凹んだ逃げ
部が形成されてなり、前記他端部は、一端部より高密度
である技術が採用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼結軸受およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多孔質状の焼結合金により成形され潤滑
油を含浸させた筒状焼結体を用いた焼結含油軸受は、無
給油で長時間使用することができ、高温での耐久性に優
れ、低騒音であることから、ボールベアリングに代わる
回転軸の軸受として広く使用されている。
【0003】このような焼結含油軸受は、前記筒状焼結
体の内部に形成されている気孔内に潤滑油を含浸させ該
潤滑油を保持することにより、筒状焼結体の内面に摺動
状態に貫通された回転軸との間に油膜を形成して、長期
にわたり潤滑状態を維持することができるようになって
いる。
【0004】従来、高い支持力が得られる軸受として、
軸方向に離間した2カ所の摺動面により回転軸を支持す
るいわゆるツインベアリング方式の軸受が用いられてい
る。このツインベアリング方式は、特に、回転軸を片持
ち状態で支持する際の回転振れを防ぐ場合等に用いられ
ている。この方式は、2つに離間・分割された摺動面で
回転軸を支持することにより、一つの軸受で回転軸の回
転振れ等を防止することができるとともに、両摺動面の
間に逃げ部を形成することにより、回転軸との接触面積
を少なくして摩擦抵抗を低減させている。
【0005】このツインベアリング方式としては、例え
ば、ハウジングの軸受挿入孔に、短円筒状の2つの軸受
を軸方向に離間状態に配したものや、特開昭58−84
222号公報に開示されている軸受、すなわち長円筒状
の焼結体の内面中央部に逃げ部が設けられている焼結含
油軸受等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者の場合は、2つの軸受の2点で回転軸を支持すること
により、回転振れ等を防止することができるが、部品点
数が多くなってしまうとともに、組立に時間がかかって
しまう。一方、後者の軸受の場合は、回転軸を片持ちし
た状態において、回転軸を2カ所で支持する場合に比べ
て強い力が加わるため、高強度の軸受を必要とする。こ
の場合には、焼結体である軸受の密度を高めて強度を高
める方法が考えられるが、高密度になるほど内部の気孔
率が低下するとともに、含油率も低下するため、軸受の
寿命が短くなってしまう。
【0007】また、この軸受は、一つの軸受で高い支持
力を得ることができるが、摩擦抵抗を低減させるために
逃げ部を形成しなければならない。このため、該逃げ部
の形成方法として、例えば、円筒状に成形した後の円筒
状焼結体の内面に、機械加工による旋削を施して逃げ部
を形成する方法や前記特開昭58−84222号公報に
記載された製造方法によって逃げ部を形成する方法等が
ある。
【0008】前者の形成方法では、製造工程数が増大し
て、高コスト化を招いてしまうとともに、軸受の内面に
切粉が残存するおそれがあり、回転軸の回転に摩擦等の
悪影響を及ぼす場合がある。また、後者の形成方法によ
り製造した軸受をハウジング内に取り付ける場合には、
軸受の外径中央部が膨出して円環状の突条部が形成され
ているので、この部分を削ってハウジングに挿入する
か、ハウジング自体を2以上の分割構造として、軸受を
はめ込む必要がある。したがって、軸受の切削工程の追
加、もしくは、分割されたハウジングによる部品点数の
増加を招いてしまう。
【0009】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、一つの筒状焼結体で回転軸の高い支持力を得るこ
とができるとともに、高強度と高含油率を有し、一体構
造のハウジングに容易に組み込むことができる焼結軸受
およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の構成を採用した。すなわち、請求項
1記載の焼結軸受では、焼結合金により筒状に形成され
た焼結軸受であって、その一端部および他端部は、その
内周面がそれぞれ回転軸を摺動自在に支持する第1摺動
面および第2摺動面とされるとともに、一端部と他端部
との間の中央部の内周面に、周方向に沿って円環状に凹
んだ逃げ部が形成されてなり、前記他端部は、一端部よ
り高密度である技術が採用される。この焼結軸受では、
他端部が一端部より高密度に形成されているので、一端
部より気孔率が低下するが高い強度を有し、潤滑油に含
浸させると、一端部は他端部より高い含油率を有する。
したがって、回転軸の一端側に本発明の焼結軸受を片持
ち状態で取り付ける場合に、他端部を回転軸の他端側に
向けて配すると、他端部が高強度であるので、他端側に
接続された負荷源からの強い力が軸受に加わっても高い
支持力が得られる。さらに、一端部は高い含油率を有す
ることができるので、他端部に対して潤滑油の供給が行
われる。
【0011】請求項2記載の焼結軸受では、請求項1記
載の焼結軸受において、前記他端部は、その外周面に軸
方向に沿って複数の突条部が形成され、これら突条部の
上面には、前記一端部の外周面と面一なガイド面が形成
されている技術が採用される。この焼結軸受では、複数
の突条部のガイド面がハウジングに圧入する際のガイド
となる。
【0012】請求項3記載の焼結軸受の製造方法では、
一端部の内周面が回転軸を摺動自在に支持する第1摺動
面とされかつ中央部および他端部の内径が一端部より大
きく設定された筒状焼結体を形成しておき、該筒状焼結
体に円柱状のコアロッドを挿入し、この挿入状態で他端
部の外周面を他端部加圧手段によって内方に向けて加圧
することにより、該他端部を縮径させてその内周面を回
転軸を摺動自在に支持する第2摺動面とするとともに、
中央部の内周面に周方向に沿って円環状に凹んだ逃げ部
を形成する技術が採用される。この焼結軸受の製造方法
では、他端部加圧手段で、他端部に縮径を施して第2摺
動面を形成して、同時に中央部に逃げ部が形成される。
また、他端部のみを圧縮加工するので、該他端部は一端
部より高密度化されるとともに、ハウジングへの取付に
際して妨げとなる外周面の突条部等が形成されない。
【0013】請求項4記載の焼結軸受の製造方法では、
請求項3記載の焼結軸受の製造方法において、前記他端
部加圧手段は、前記筒状焼結体の他端部の外径より小さ
い内径の成形穴を有するダイに筒状焼結体の他端部を押
し込んで縮径させるダイ加工である技術が採用される。
この焼結軸受の製造方法では、ダイによって他端部を縮
径させるので、他端部の縮径工程にかかる時間が短く、
量産性が向上する。
【0014】請求項5記載の焼結軸受の製造方法では、
請求項3記載の焼結軸受の製造方法において、前記他端
部加圧手段は、成形ロールを前記他端部の外周面にその
軸線回りに回転させながら加圧して縮径する転圧加工で
ある技術が採用される。この焼結軸受の製造方法では、
成形ロールによって他端部に転圧加工を施すので、他端
部の縮径率が大きな場合でも、一度の圧縮加工で縮径成
形が可能である。
【0015】請求項6記載の焼結軸受の製造方法では、
請求項3から5のいずれかに記載の焼結軸受の製造方法
において、縮径される前の前記他端部の外径は一端部の
外径より大きく設定され、前記加圧時に他端部を一端部
と同じ外径に縮径する技術が採用される。この焼結軸受
の製造方法では、加圧時に他端部が圧縮加工されるとと
もに、一端部と同じ外径となるまで縮径することによ
り、他端部の外周面が一端部の外周面と面一に形成され
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る焼結軸受の製
造方法における実施の第1形態について、図1を参照し
ながら説明する。この図にあって、符号1は筒状焼結
体、2はダイ、3はコアロッド、4は上パンチを示して
いる。
【0017】筒状焼結体1は、図1の(a)に示すよう
に、多孔質状の焼結合金により成形された円筒状の焼結
体であり、その一端部1Aの内周面が回転軸を摺動自在
に支持する第1摺動面1aとされかつ中央部1Bおよび
他端部1Cの内径が一端部1Aより大きく設定されてい
る。
【0018】前記筒状焼結体1を、図1の(b)に示す
ように、他端部1Cを下方に向けて、他端部1Cの外周
面に軸線を同じくして配したダイ2上に配置するととも
に、筒状焼結体1およびダイ2に、一端部1Aの内径と
同じ外径に設定された円柱状のコアロッド3を挿入す
る。前記ダイ2は、他端部1Cの外径より小さい内径の
成形穴を有し、他端方向に漸次内径が狭められた縮径部
分2aを有する円環状の成形金型である。ダイ2におけ
る最小径部2bとコアロッド3の外径部との間隔は、他
端部1Cの厚さより狭く設定されている。
【0019】次に、一端部1Aの内径と同じ外径を有す
る円筒状の上パンチ4によって筒状焼結体1の上端を軸
方向に押圧するとともに、他端部1Cをダイ2に押し込
んで、筒状焼結体1の下端がダイ2の底部に達するまで
ダイ加工を施す。このとき、他端部1Cの外周面は、縮
径部分2aで内方に向けて加圧されて徐々に縮径され
る。そして、最小径部2bでは、他端部1Cの内周面が
コアロッド3に支持されて、他端部1Cが一端部1Aと
同じ内径に縮径される。この他端部1Cの内周面は、回
転軸を摺動自在に支持する第2摺動面1cとされる。ま
た、同時に、中央部1Bに一端部1Aおよび他端部1C
より大きな内径を有し、内周面に周方向に沿って円環状
に凹んだ逃げ部1bが形成される。
【0020】通常の焼結軸受における密度は、Fe系の
軸受材料の場合、6.6×103kg/cm3であるが、
上記の方法によって加工した筒状焼結体1では、一端部
1Aを通常の6.6×103kg/cm3としたのに対し
て、他端部1Cを6.8×103kg/cm3の高密度と
した。
【0021】このように筒状焼結体1を加工した焼結軸
受は、潤滑油を含浸させて焼結含油軸受とした後、ハウ
ジング(図示せず)内に圧入によって取り付けられる。
この焼結含油軸受の他端部1Cは、一端部1Aより高密
度のため、気孔率が低下するが高い強度を有し、逆に、
一端部1Aは、他端部1Cより高い含油率を有する。し
たがって、回転軸の一端側に本発明の焼結含油軸受を片
持ち状態で取り付ける場合に、他端部1Cを回転軸の他
端側に向けて配すると、他端部1Cが高強度であるの
で、他端側に接続された負荷源、例えばギヤ等の負荷が
伝達され強い力が軸受に加わっても高い支持力が得られ
る。さらに、一端部1Aは高い含油率を有するので、他
端部1Cに対して潤滑油の供給が行われる。なお、前述
した2つの軸受を軸方向に離間状態に配したツインベア
リング方式の場合、一方を高密度に焼結すれば同様に高
い強度を有することができるが、密度の異なる軸受を2
種類作製しなければならず、部品点数の増大を招いてし
まう。
【0022】次に、本発明に係る焼結軸受の製造方法に
おける実施の第2形態について、図2および図3を参照
して説明する。
【0023】第2形態と第1形態との異なる点は、他端
部加圧手段に用いるダイの形状が異なる点である。すな
わち、第2形態のダイ5は、図2に示すように、第1形
態のダイ2に、その内周面に軸方向に沿って複数の突部
形成用溝5aが形成され、これらの突部形成用溝5a
は、ダイ5の軸線と同じくして配される他端部1Cの外
周面より外側まで深く形成されている。
【0024】このダイ5によって、第1形態と同様に、
筒状焼結体1の他端部1Cを加圧して縮径を行うと、図
3に示すように、突部形成用溝5aの底部5bが他端部
1Cの外周面と非接触状態とされて該外周面に軸方向に
沿った複数の突条部6aが形成された焼結軸受6が得ら
れる。
【0025】この焼結軸受6は、突条部6aの上面に、
一端部1Aの外周面と面一なガイド面Gが形成されてい
るので、潤滑油を含浸させてハウジングに圧入する際
に、ガイドとなり、スムーズに圧入を行うことができる
とともに、ハウジングへの組み込み後は、他端部11C
とハウジングとの支持部となる。
【0026】次に、本発明に係る焼結軸受の製造方法に
おける実施の第3形態について、図4を参照して説明す
る。この図にあって、符号7はコアロッド、8は上部支
持部材、9は成形ロールを示している。
【0027】第3形態と第1形態および第2形態との異
なる点は、他端部加圧手段として第1形態および第2形
態がダイ加工を用いたのに対し、第3形態ではロール加
工を用いた点である。すなわち、第1形態および第2形
態と同様の筒状焼結体1に、他端部1Cを下方に向けた
状態で、一端部1Aの内径と同じ外径に設定された円柱
状のコアロッド7を挿入する。このとき、筒状焼結体1
の下端は、コアロッド7の外周部に段部状に形成された
下端係止部7aによって支持される。また、筒状焼結体
1の上端には、筒状焼結体1と同じ軸線を有する円筒状
の上部支持部材8が嵌合状態に配される。該上部支持部
材8とコアロッド7とによって、加工時に筒状焼結体1
が回転および傾斜しないように挟持されている。
【0028】この状態で、駆動源(図示せず)に接続さ
れた回転ロッド9aに支持され外周部が段付形状とされ
た円盤状の成形ロール9を、他端部1Cの外周面に当接
し、その軸線回りに回転させながら加圧して、他端部1
Cを縮径する。このとき、成形ロール9によって、他端
部1Cの外周面が、内方に向けて加圧されて徐々に縮径
される。そして、他端部1Cの内周面がコアロッド7に
支持されて、他端部1Cが一端部1Aと同じ内径に縮径
される。したがって、前述した第1形態と同様に、他端
部1Cの内周面は、回転軸を摺動自在に支持する第2摺
動面1cとされ、同時に、中央部1Bに一端部1Aおよ
び他端部1Cより大きな内径を有する逃げ部1bが形成
される。
【0029】前述した第1形態および第2形態では、ダ
イ加工を採用したが、例えば、他端部1Cの縮径率が高
いと、数種類のダイによって複数回の加工を必要とする
場合がある。これに対して、第2形態では、他端部加工
手段として成形ロール9によるロール加工を用いている
ので、高い縮径率でも一度の加工で行うことができる。
【0030】次に、本発明に係る焼結軸受の製造方法に
おける実施の第4形態について、図5を参照して説明す
る。この図にあって、符号11は筒状焼結体、12はダ
イを示している。
【0031】第4形態に用いる筒状焼結体11と第1形
態および第2形態に用いた筒状焼結体1との相違点は、
図5の(a)に示すように、他端部11Cの外径が一端
部11Aの外径より大きく設定され、他端部11Cと一
端部11Aとの外径差は少なくとも一端部11Aと他端
部11Cとの内径差より大きく設定されている点であ
る。
【0032】前記筒状焼結体11を、図5の(b)に示
すように、他端部1Cを下方に向けて、他端部1Cの外
周面に軸線を同じくして配したダイ12上に配置すると
ともに、筒状焼結体11およびダイ12に、一端部11
Aの内径と同じ外径に設定された円柱状のコアロッド3
を挿入する。前記ダイ12は、他端部1Cの外径より小
さい内径の成形穴を有し、他端方向に漸次内径が狭めら
れた縮径部分12aを有する円環状の成形金型である。
ダイ12における最小径部12bとコアロッド3の外径
部との間隔は、他端部11Cの厚さより狭く設定されて
いる。また、最小径部12bは、その内径が一端部11
Aおよび中央部11Bの外径と同じに設定されている。
【0033】次に、上パンチ4によって筒状焼結体11
の上端を軸方向に押圧するとともに、他端部11Cをダ
イ12に押し込んで、筒状焼結体11の下端がダイ12
の底部に達するまでダイ加工を施す。このとき、他端部
11Cの外周面は、縮径部分12aで内方に向けて加圧
されて徐々に縮径される。そして、最小径部12bで
は、他端部11Cの内周面がコアロッド3に支持され
て、他端部11Cが一端部11Aと同じ内径に縮径され
る。この他端部11Cの内周面は、回転軸を摺動自在に
支持する第2摺動面11cとされる。また、同時に、中
央部11Bに一端部11Aおよび他端部11Cより大き
な内径を有する逃げ部11bが形成される。さらに、縮
径された他端部11Cは、一端部11Aおよび中央部1
1Bと同じ外径となり、一端部11A、中央部11Bお
よび他端部11Cは、それぞれ面一状態となる。
【0034】このように筒状焼結体11を上記方法で加
工した焼結軸受は、潤滑油を含浸させて焼結含油軸受と
した後、ハウジング内に圧入によって取り付けた際に、
外周面に凹凸がなく外周面全面でハウジングに当接する
ことから、ハウジングとの接触面積が広がり、摩擦抵抗
の増大によって軸方向への軸ズレが生じ難い。
【0035】なお、第1形態、第2形態および第3形態
によって製造された焼結含油軸受を、ハウジングに組み
込む場合には、縮径によって凹んだ他端部の形状に対応
させた凸部をハウジングの軸受挿入孔に形成して嵌め込
むことにより、他端部の外周面と前記軸受挿入孔とが接
触状態となり、他端部をより強く支持することができる
とともに、軸方向の軸ズレを抑制することができる。
【0036】上記の各形態で参照した各図面における筒
状焼結体および焼結軸受は、その形状を理解しやすくす
るため、逃げ部等の厚さ方向の寸法を誇張して図示して
いる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。 (1)請求項1記載の焼結軸受によれば、他端部が一端
部より高密度に形成されているので、他端部に強い力が
加わっても高い支持力が得られ、潤滑油に含浸させる
と、高い含油率を有する一端部から他端部に潤滑油が供
給されることにより、高い支持力と潤滑油による低摩擦
性を長期間にわたって維持することができる。 (2)請求項2記載の焼結軸受によれば、他端部の外周
面に突条部が形成されているので、突条部の上面がハウ
ジングに圧入する際のガイド面となり、容易にハウジン
グ内に組み込むことができ、組立工程の効率化を図るこ
とができる。
【0038】(3)請求項3記載の焼結軸受の製造方法
によれば、他端部加圧手段で、他端部に縮径を施して第
2摺動面と逃げ部を形成することができ、また、他端部
のみを圧縮加工することにより、他端部を一端部より高
密度化して高い強度を有する他端部と、潤滑油に含浸さ
せると高い含油率を有する一端部とを有することができ
る。さらに、外周面に突部等が形成されないので、外周
面の加工処理等を行わずに一体構造のハウジングに組み
込むことができ、製造コストの削減を図ることができ
る。 (4)請求項4記載の焼結軸受の製造方法によれば、他
端部加圧手段を、ダイ加工とすることにより、他端部の
縮径工程にかかる時間が短く、量産性を向上させること
ができる。
【0039】(5)請求項5記載の焼結軸受の製造方法
によれば、成形ロールによって他端部に転圧加工を施す
ので、他端部の縮径率が大きな場合でも、一度の圧縮加
工で縮径成形が可能となり、径寸法の多様な焼結軸受を
容易に製造することができる。 (6)請求項6記載の焼結軸受の製造方法によれば、他
端部の外径を前記の設定としているので、他端部の外周
面を一端部の外周面と面一に圧縮加工して表面を平坦化
することにより、ハウジングとの接触面積が広がり、軸
方向への軸ズレが生じ難い焼結軸受を容易に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る焼結軸受およびその製造方法の第
1形態におけるダイ加工前の筒状焼結体とダイ加工時の
ダイおよび筒状焼結体とを示す断面図である。
【図2】本発明に係る焼結軸受およびその製造方法の第
2形態におけるダイを示す平面図である。
【図3】本発明に係る焼結軸受およびその製造方法の第
2形態における焼結軸受を示す正面図である。
【図4】本発明に係る焼結軸受およびその製造方法の第
3形態におけるロール加工時の成形ロールおよび筒状焼
結体を示す断面図である。
【図5】本発明に係る焼結軸受およびその製造方法の第
4形態におけるダイ加工前の筒状焼結体とダイ加工時の
ダイおよび筒状焼結体とを示す断面図である。
【符号の説明】
1,11 筒状焼結体 1A,11A 一端部 1B,11B 中央部 1C,11C 他端部 1a,11a 第1摺動面 1b,11b 逃げ部 1c,11c 第2摺動面 2,5,12 ダイ 5a 突部形成用溝 3,7 コアロッド 4 上パンチ 6 焼結軸受 6a 突条部 8 上部支持部材 9 成形ロール G ガイド面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結合金により筒状に形成された焼結軸
    受であって、 その一端部および他端部は、その内周面がそれぞれ回転
    軸を摺動自在に支持する第1摺動面および第2摺動面と
    されるとともに、一端部と他端部との間の中央部の内周
    面に、周方向に沿って円環状に凹んだ逃げ部が形成され
    てなり、 前記他端部は、一端部より高密度であることを特徴とす
    る焼結軸受。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の焼結軸受において、 前記他端部は、その外周面に軸方向に沿って複数の突条
    部が形成され、 これら突条部の上面には、前記一端部の外周面と面一な
    ガイド面が形成されていることを特徴とする焼結軸受。
  3. 【請求項3】 一端部の内周面が回転軸を摺動自在に支
    持する第1摺動面とされかつ中央部および他端部の内径
    が一端部より大きく設定された筒状焼結体を形成してお
    き、該筒状焼結体に円柱状のコアロッドを挿入し、この
    挿入状態で他端部の外周面を他端部加圧手段によって内
    方に向けて加圧することにより、該他端部を縮径させて
    その内周面を回転軸を摺動自在に支持する第2摺動面と
    するとともに、中央部の内周面に周方向に沿って円環状
    に凹んだ逃げ部を形成することを特徴とする焼結軸受の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の焼結軸受の製造方法にお
    いて、 前記他端部加圧手段は、前記筒状焼結体の他端部の外径
    より小さい内径の成形穴を有するダイに筒状焼結体の他
    端部を押し込んで縮径させるダイ加工であることを特徴
    とする焼結軸受の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の焼結軸受の製造方法にお
    いて、 前記他端部加圧手段は、成形ロールを前記他端部の外周
    面にその軸線回りに回転させながら加圧して縮径する転
    圧加工であることを特徴とする焼結軸受の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3から5のいずれかに記載の焼結
    軸受の製造方法において、 縮径される前の前記他端部の外径は一端部の外径より大
    きく設定され、 前記加圧時に他端部を一端部と同じ外径に縮径すること
    を特徴とする焼結軸受の製造方法。
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