JP2793512B2 - 揚げ物用衣材 - Google Patents
揚げ物用衣材Info
- Publication number
- JP2793512B2 JP2793512B2 JP6281667A JP28166794A JP2793512B2 JP 2793512 B2 JP2793512 B2 JP 2793512B2 JP 6281667 A JP6281667 A JP 6281667A JP 28166794 A JP28166794 A JP 28166794A JP 2793512 B2 JP2793512 B2 JP 2793512B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- organic acid
- batter
- salt
- tempura
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Grain Derivatives (AREA)
Description
物用衣材に関する。以下、天ぷらを揚げ物の代表例とし
て、本発明を説明する。
水を加えてバッターをつくり、これに揚げ種を付着させ
て 180℃前後の油中で揚げ、加熱することによって、種
を蒸し焼きにする調理方法である。天ぷらのおいしさ
は、外観(いわゆる花咲き)及び食感が重要な要因とな
っており、この二つの要因は深く結びついている。即
ち、外観(花咲き)が良くなると衣の表面積が増加し、
油水の界面積が増えることによって熱の伝達が速やかに
行われる。よって、衣中の水分が効率よく蒸発すること
によって衣の食感が向上するとされている。従来、天ぷ
らの外観を向上させるために、衣にショ糖エステルなど
の乳化剤を加えることが報告されている(食生活研究.
Vol11, No.5, p38, 1990) 。しかし、添加する量が多す
ぎたり、調理時の揚げ温度、衣バッターの濃度、衣の溶
解状態などの条件によって、衣がフリッター状になった
り、薄衣になったりして、満足な結果を得ることは難し
かった。また、食感を改良するために小麦粉に有機酸を
加えることなどの技術(特公昭52−27222 号公報、特開
昭61−43971 号公報、特開昭62−115249号公報、特開昭
62−115250号公報)が提案されている。一方、天ぷら用
衣材に要求される特性として、経時的に衣ダレが発生し
ないことが挙げられる。ここで衣ダレとは、粉と水を混
合したバッターを放置することによって、このようなバ
ッターを用いて調理した天ぷらの外観や食感が低下する
ことを言う。この現象の原因として、小麦タンパク中に
含まれるグルテンタンパクの架橋による粘度の増大、放
置による密度勾配の発現による衣の濃度ムラ等が挙げら
れる。更に、天ぷらを調理する際の問題点として油ハネ
があるが、これらの問題を効果的に解決するような揚げ
物用衣材は未だ提供されていない。
らの外観(花咲き)と食感が向上すると同時に、衣ダレ
及び油ハネが抑制される揚げ物用衣材を提供することで
ある。
な特徴を持った揚げ物用衣材を提供すべく研究を重ね
た。その結果、有機酸若しくはその塩と有機酸モノグリ
セリドを特定比率で併用して添加することにより、天ぷ
らの外観が著しく向上すると同時に、経時的に衣ダレが
抑制され、かつ、驚くべきことに油ハネも抑制されるこ
とを見出し、本発明に至ったものである。即ち本発明
は、有機酸若しくはその塩及び粉全量に対して0.01〜3
重量%の有機酸モノグリセリドを含有し、且つ有機酸若
しくはその塩と有機酸モノグリセリドの比が1/20〜1
/1(重量比)であることを特徴とする揚げ物用衣材に
関する。
に使用されるものであれば特に限定されないが、味など
の面からクエン酸、酒石酸が好ましい。クエン酸及び酒
石酸はそれぞれ式C6H8O7及びC4H6O6で表されるものであ
り、結晶水を含んでいても良い。また、これらの対イオ
ンとしてカリウム、ナトリウムなどの塩の形に一部又は
全部がなっていても良い。また、これらは単独で用いて
もよいし、2種以上を併用してもよい。また、有機酸モ
ノグリセリドも特に限定されないが、クエン酸モノグリ
セリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリドが好ましい。
ここで言うクエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸
モノグリセリドとは、グリセリン脂肪酸モノエステル
で、脂肪酸によってエステル化されていない残りの-OH
基を1つ及び/又は全て有機酸でエステル化したもので
あるが、これ以外に脂肪酸のジエステルやクエン酸、酒
石酸またグリセリンが、一分子内に複数結合したものを
含んでいても良い。また、副生成物としてのダイマーや
トリマー等の誘導体を含んでいても良い。グリセリン脂
肪酸モノエステルを構成する脂肪酸は、C8〜C24 の飽和
及び不飽和の脂肪酸のいずれも使用できる。具体的に
は、飽和脂肪酸として、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が、不飽和脂
肪酸として、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレン酸等が挙げられる。これらの脂肪酸は単
一で構成されていても良いが、もちろん2種以上の混合
系で構成されていても良い。 また、未反応のクエン
酸、酒石酸やモノグリセリドが混入していても構わな
い。
配合量は、粉全量に対して0.01〜3重量%で効果があ
り、特に0.01〜1重量%が好ましい。また、本発明にお
いて、有機酸若しくはその塩と有機酸モノグリセリド及
びその誘導体との配合比は1/20〜1/1(重量比)、
好ましくは1/10〜1/4程度であることが好ましい。
が、更に外観を向上させるために、ショ糖脂肪酸エステ
ルを配合することが好ましい。本発明に用いられるショ
糖脂肪酸エステルとは、ショ糖と脂肪酸とのエステルで
あり、モノ、ジ、トリ及びポリエステル等を含むもので
あり、構成脂肪酸としては炭素数が14〜24の脂肪酸を用
いるのが好ましい。また、HLBは8〜12のものが好適
である。
記の如く有機酸若しくはその塩と有機酸モノグリセリド
を含有し、乾燥衣中蛋白質を2〜15重量%含有してなる
天ぷら粉であり、また、かかる天ぷら粉を水に混練した
バッターとしては、20℃で30重量%の水分散液の粘度が
300 〜700 cpとなるように調整して用いるのが好まし
い。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1〜6、比較例1〜6 表1に示す組成の粉 100gに対して水 150gを加えて衣
バッターを調製し、エビ、カボチャを天ぷら調理して評
価した。評価項目および評価基準は以下の通りである。 ・花咲き 花咲きは、官能で以下の5段階で評価した。花咲き(直
後)とは、粉を水と混合した直後に調理したものであ
り、花咲き(30分後)とは、粉を水と混合して室温で30
分間放置し調理したものである。 5:衣が非常に針状にトゲトゲし、花咲きがとても良好
なもの 4:衣がトゲトゲし、花咲きが認められるもの 3:衣が変形し、でこぼことした状態のもの 2:衣がやや変形し、クレーター状の表面となったもの 1:衣が変形せず、滑らかな表面となり、フリッター状
になったもの ・食感 食感は、官能で以下の5段階で評価した。食感(直後)
とは、粉を水と混合した直後に調理したものを、調理直
後に評価したものであり、食感(30分後)とは、同様に
調理後、30分室温で放置したものを評価したものであ
る。 5:衣が非常に軽く、サクッとした食感が得られるもの 4:衣が軽く、油っぽさがないもの 3:衣が油っぽくないもの 2:衣が油っぽいもの 1:衣が非常に油っぽく、ベタベタした食感が得られる
もの ・混合性 混合性は、調製した衣バッター 100gをメッシュ間隔2.
36mmのふるいに通し、ふるい上に残ったバッターの重量
(残存率)から以下の5段階で評価した。 5:残存率が20%以下のもの 4:残存率が20〜30% 3:残存率が30〜40%のもの 2:残存率が40〜50% 1:残存率が50%以上のもの ・ハネの少なさ ハネの少なさは、エビ(約10g)4尾をバッターに付着
させ、フライパン(直径18cm、深さ3.5cm )を用いて 1
80℃、 600gの油中で2分間調理し、この際、フライパ
ンに接するようにA4大の紙を設置し、調理終了後油ハ
ネ量を画像解析によりハネ面積の総量を定量化し、以下
の5段階で評価した。 5:ハネ面積が2cm2 以下のもの 4:ハネ面積が2〜4cm2 のもの 3:ハネ面積が4〜6cm2 のもの 2:ハネ面積が6〜8cm2 のもの 1:ハネ面積が8cm2 以上のもの
より、外観の良い天ぷらが出来、バッターを室温で放置
しても外観が劣化することなく、衣ダレが抑制され、ま
た調理時の油ハネ量の低減ができる。従って、本発明の
天ぷら用衣材を使用すると、従来のものと比較して、外
観が良く、衣ダレ、油ハネを気にすることなく容易にお
いしい天ぷらを揚げることが可能となる。
Claims (5)
- 【請求項1】 有機酸若しくはその塩及び粉全量に対し
て0.01〜3重量%の有機酸モノグリセリドを含有し、且
つ有機酸若しくはその塩と有機酸モノグリセリドの比が
1/20〜1/1(重量比)であることを特徴とする揚げ
物用衣材。 - 【請求項2】 有機酸若しくはその塩がクエン酸若しく
はその塩及び酒石酸若しくはその塩から選ばれる一種以
上である請求項1記載の揚げ物用衣材。 - 【請求項3】 有機酸モノグリセリドがクエン酸モノグ
リセリド及びジアセチル酒石酸モノグリセリドから選ば
れる一種以上である請求項1又は2記載の揚げ物用衣
材。 - 【請求項4】 更にショ糖脂肪酸エステルを含有するこ
とを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の揚げ物
用衣材。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項記載の衣材で
あり、乾燥衣中蛋白質を2〜15重量%含有してなる天ぷ
ら粉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6281667A JP2793512B2 (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 揚げ物用衣材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6281667A JP2793512B2 (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 揚げ物用衣材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08140610A JPH08140610A (ja) | 1996-06-04 |
JP2793512B2 true JP2793512B2 (ja) | 1998-09-03 |
Family
ID=17642302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6281667A Expired - Fee Related JP2793512B2 (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 揚げ物用衣材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2793512B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015057987A (ja) * | 2013-09-20 | 2015-03-30 | 理研ビタミン株式会社 | 天ぷら衣用品質改良剤 |
WO2016010060A1 (ja) * | 2014-07-15 | 2016-01-21 | 日清フーズ株式会社 | 天ぷら衣用ミックス |
WO2016010059A1 (ja) * | 2014-07-15 | 2016-01-21 | 日清フーズ株式会社 | 天ぷら衣用ミックス |
WO2017204324A1 (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | 日清フーズ株式会社 | 揚げ物衣用ミックス |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56106569A (en) * | 1980-01-30 | 1981-08-24 | Snow Brand Milk Prod Co Ltd | Creamy coating material for frying |
JPS59232059A (ja) * | 1983-06-11 | 1984-12-26 | Nippon Shiyotsuken Kk | 低温流通に適する,から揚げ用衣ミツクス |
JP2589138B2 (ja) * | 1988-05-06 | 1997-03-12 | 日清デイー・シー・エー食品株式会社 | 衣付冷凍食品の製造方法 |
JP3086818B2 (ja) * | 1992-04-20 | 2000-09-11 | ミヨシ油脂株式会社 | パン粉 |
JPH05336912A (ja) * | 1992-06-05 | 1993-12-21 | Kao Corp | 天ぷら衣ミックス及びバッター |
-
1994
- 1994-11-16 JP JP6281667A patent/JP2793512B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08140610A (ja) | 1996-06-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3244354B2 (ja) | 揚げ物調製用油脂組成物 | |
JPH0974999A (ja) | 揚げ物調理用油脂組成物 | |
JPH0614711A (ja) | 加熱調理用油脂組成物 | |
JP3032073B2 (ja) | 冷凍食品用品質改良剤及び冷凍食品 | |
JP2793512B2 (ja) | 揚げ物用衣材 | |
JP4171136B2 (ja) | フライ調理食品用食材およびフライ食品 | |
JP2003070437A (ja) | 衣用組成物 | |
JP2793513B2 (ja) | 揚げ物用衣材、天ぷら用衣材及びバッター | |
JPH05336912A (ja) | 天ぷら衣ミックス及びバッター | |
KR101696620B1 (ko) | 외관 및 식감이 개선된 튀김 식품의 제조 방법 | |
JP3960367B2 (ja) | 天ぷら衣用ミックスの製造方法 | |
JP5325051B2 (ja) | 炊飯用油脂組成物及びこれを用いて得られる炒飯並びに炒飯の製造方法 | |
JP3957030B2 (ja) | バッター液用油脂組成物及びこれを用いたバッター液 | |
JP2015228844A (ja) | 炒め加工米飯類の製造方法 | |
JP3174875B2 (ja) | 炊飯用乳化剤組成物、及びこれを用いた炊飯方法 | |
JPH06181687A (ja) | 加熱調理用油脂組成物 | |
JP4147507B2 (ja) | 米菓用乳化組成物 | |
JP3511115B2 (ja) | パン粉用乳化剤製剤、及びその製造方法 | |
JP3260854B2 (ja) | 加熱調理用油脂組成物 | |
JPH11243891A (ja) | 揚げ物用衣材 | |
JP3234078B2 (ja) | ショ糖脂肪酸エステル混合物及びこれを含有する加熱調理用油脂組成物 | |
JP3563511B2 (ja) | 揚げ物の製造方法 | |
JP4098933B2 (ja) | バッター用油脂組成物並びにこれを用いて製造されるバッター及び油ちょう食品 | |
JPS62181738A (ja) | 鉄板焼き用油 | |
JP2001275589A (ja) | 米飯用品質改良剤製剤、及びそれを用いた米飯類の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080619 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090619 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100619 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100619 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110619 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110619 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120619 Year of fee payment: 14 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120619 Year of fee payment: 14 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130619 Year of fee payment: 15 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |