JP2793016B6 - 加熱器具のヒーター切換装置 - Google Patents

Description

（イ） 産業上の利用分野
本発明は電気ポット等の加熱器具のヒータ切換装置に関する。
（ロ） 従来の技術
海外旅行時には小型の電気ポットやヘアードライヤーは携行必需品となっている。ところが、海外においては商用電源が大別して100V国と200V国とがあるため供給されている商用電源に応じて電圧検出回路によりリレーを駆動して２つの切換スイッチを操作し２つのヒータを直列接続したり或は並列接続するようにしている。すなわち、供給されている商用電源が100Vの場合には２つのヒータを並列接続し、200Vの場合には２つのヒータを直列接続して各々の接続状態における総発熱量が略同じになる様に構成している。（特開昭62−18932号公報）
この様な構成において、切換スイッチによって各々のヒータが並列接続されている場合に高電圧の商用電源が供給された時には検出回路がその電圧を検出した後リレーを駆動して各々のスイッチを作動し各々のヒータを直列接続するわけであるが、高電圧が供給されたことを検出回路が検出してリレーが作動し各々のスイッチが作動するまでに若干の時間遅れを生ずるため各々のヒータの並列回路に高電圧が印加されることになる。
このため、スイッチの作動時に該スイッチの接点間にアーク電流が流れることになり、スイッチの接点溶着や接点不良及びリード線が焼損する欠点や危険があった。このことは、特に前述の先行技術に示す様にリレー接点をスイッチとして用いる場合に顕著であるがヒータの発熱量が比較的大きくて携帯用であるため本体を小型化するようなものにおいてはスイッチとして大きな放熱板を必要とするような半導体制御素子を用いることができないという制約がありその対策が困難であった。
（ハ） 発明が解決しようとする課題
本発明は、ヒータを直並列に切換えるスイッチの接点に生ずるアーク電流を少なくして接点の溶着、不良を防止する。
（ニ） 課題を解決するための手段
第１ヒータと、第２ヒータと、前記第１ヒータと第２ヒータの各々を直並列に切換接続し各々が連動した第１及び第２スイッチと、保護抵抗と、供給電圧に応じて前記第１及び第２スイッチを作動するリレーを有した検出回路とを備え、供給電圧が低電圧の時は前記リレーによって前記第１スイッチの一方の接点を前記第１ヒータと第２ヒータの接続部に切換接続し第２スイッチの一方の接点を第２ヒータと保護抵抗を直列接続するように切換えて第１ヒータと第２ヒータを並列接続し、供給電圧が高電圧の時は前記リレーによって第１スイッチの他方の接点と第２スイッチの他方の接点を切換接続して各々のスイッチの他方の接点と第１ヒータと第２ヒータを直列接続する構成としたものである。
（ホ） 作用
本発明は、電源電圧の高、低を検出回路によって検出し該検出回路によって２つのスイッチを作動して２つのヒータを並列接続或は直列接続するものであって、供給電圧が高電圧の場合には２つのスイッチの各々の接点を介して各々のヒータを直列接続する。
（ヘ） 実施例
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。（１）は第１ヒータ、（２）は該第１ヒータと同じ基板（図示せず）に巻き付けた第２ヒータで、その一端を前記第１ヒータ（１）の一端に接続している。（３）は前記第１ヒータ（１）の両側間に接続した供給電圧の検出回路で、抵抗（４）と該抵抗に直列接続した検出電圧設定用の定電圧素子（５）と、SCR（６）と該SCRに直列接続した後で述べる第１及び第２スイッチを作動するリレー（７）と、前記SCR（６）のゲートと、定電圧素子（５）と抵抗（４）との接続部に接続した導通素子（８）と、高電圧（200V）を検出してSCR（６）が導通した時に点灯する高電圧供給用の表示器（９）と、降圧抵抗（10）、ダイオード（11）と、電解コンデンサ（12）とを有している。（13）は前記リレー（７）によって作動する第１スイッチで、可動接点（13a）と２つの接点（13b）、（13c）を有しており、一方の接点（13b）は前記第１ヒータ（１）と第２ヒータ（２）の接続部に接続し可動接点（13a）は交流電源（AC）に接続している。（14）は前記第１スイッチ（13）と共に連動して前記検出回路（３）により作動する第２スイッチで、可動接点（14a）と２つの接点（14b）、（14c）を有しており、一方の接点（14b）は保護抵抗（15）を介して交流電源（AC）に接続し可動接点（14a）は第２ヒータ（２）の他端に接続し他方の接点（14c）は前記第１スイッチ（13）の他方の接点（13c）に接続している。前記保護抵抗（15）は第２スイッチ（14）の切換時における短絡回路を防ぐものである。前記第１ヒータ（１）の他端と保護抵抗（15）の端部とを交流電源（AC）に接続している。
次に動作について述べる。通常の状態では第１スイッチ（13）と第２スイッチ（14）の各々の可動接点（13a）、（14a）は図面の実線で示す様に各々の一方の接点（13b）、（14b）に接続しており、第１スイッチ（13）の可動接点（13a）は第１ヒータ（１）と第２ヒータ（２）の接続部に接続し、第２スイッチ（14）の可動接点（14a）は一方の接点（14b）と接続して第２ヒータ（２）と保護抵抗（15）を直列接続し、第１ヒータ（１）と第２ヒータ（２）を並列接続し、この並列回路を第１スイッチ（13）の可動接点（13a）と一方の接点（13b）とによって交流電源（AC）に接続している。
今、ここで供給される交流電源電圧が低電圧（100V）の場合は、第１ヒータ（１）の両端に100Vが印加されるが、検出回路（３）の定電圧素子（５）の導通電圧（150V）以下であるために該導通素子は導通せずSCR（６）は遮断しているため各々のスイッチが作動せず第１ヒータ（１）、第２ヒータ（２）と保護抵抗（15）の直列回路に100Vが印加される。この時表示器（９）は点灯しない。
そして、供給される交流電源電圧が高電圧（200V）の場合は、供給と同時に第１ヒータ（１）の両端に200Vが印加されるため定電圧素子（５）が導通し導通素子（８）が導通状態となってSCR（６）を導通せしめリレー（７）を駆動して第１及び第２スイッチ（13）、（14）の各々の可動接点（13a）、（14a）を破線位置に切換えて各々のスイッチの他方の接点（13c）、（14c）に接続し、第１スイッチ（13）の可動接点（13a）と他方の接点（13c）と、第２スイッチ（14）の可動接点（14a）と他方の接点（14c）と、第１ヒータ（１）と、第２ヒータ（２）を直列接続し表示器（９）が点灯する。前述の様な各々のスイッチの可動接点（13a）、（14a）と他方の接点（13c）、（14c）との切換接続による第１、第２ヒータ（１）、（２）の並列回路から直列回路への切換時には、各々のスイッチの可動接点（13a）、（14a）が他方の接点（13c）、（14c）に切換ることにより第１ヒータ（１）と第２ヒータ（２）が直列接続されることになる。
（ト） 発明の効果
以上の様に本発明は、供給電圧が高電圧の時は検出回路のリレーにより、第１スイッチの他方の接点と第２スイッチの他方の接点を切換接続して各々の他方の接点と第１ヒータと第２ヒータを直列接続し、高電圧の場合にはリレーにより第１及び第２スイッチの各々の他方の接点が接続されることにより第１ヒータと第２ヒータが直列接続されるため、各々スイッチの一方の接点から他方の接点への切換接続時におけるアーク電流の発生が少なくなり接点の溶着、接点不良がない。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の加熱器具のヒータ切換装置の電気回路である。
（１）……第１ヒータ、（２）……第２ヒータ、（３）……検出回路、（７）……リレー、（13）……第１スイッチ、（13a）……可動接点、（13b）、（13c）……接点、（14）……第２スイッチ、（14a）……可動接点、（14b）、（14c）……接点、（15）……保護抵抗。

Claims (1)

1. 第１ヒータと、第２ヒータと、前記第１ヒータと第２ヒータの各々を直並列に切換接続し各々が連動した第１及び第２スイッチと、保護抵抗と、供給電圧に応じて前記第１及び第２スイッチを作動するリレーを有した検出回路とを備え、供給電圧が低電圧の時は前記リレーによって前記第１スイッチの一方の接点を前記第１ヒータと第２ヒータの接続部に切換接続し第２スイッチの一方の接点を第２ヒータと保護抵抗を直列接続するように切換えて第１ヒータと第２ヒータを並列接続し、供給電圧が高電圧の時は前記リレーによって第１スイッチの他方の接点と第２スイッチの他方の接点を切換接続して各々のスイッチの他方の接点と第１ヒータと第２ヒータを直列接続することを特徴とする加熱器具のヒータ切換装置。

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