JP3545134B2 - 電気加熱具の保安装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば電気カーペットの様な採暖用の電気加熱具の保安装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気カーペットに使用するヒータは、その消費電力が800W〜1000W程度の大きさを有するものであり、SCRやTRIACのような半導体制御素子で通電率を制御することは不都合である。その具体的な理由として、半導体制御素子の場合は導通角を制御できるものの大きな許容電流を取り出すことができない。仮に許容電流を大きくすると放熱板の面積を累乗で大きくする必要があり、放熱板が大型化して家庭用の器具には不向きであった。
【0003】
このような理由から電気カーペットのヒータの制御には小型で比較的許容電流の大きいリレーが用いられている。
【0004】
又、特に電気カーペットに使用されるヒータは、細長くて屈曲に耐え得るものでなければならないが、経年劣化や屈曲に耐えられずに断線を生ずることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述の様なリレーの使用は、長期間の使用に伴ないリレー接点の接点材料が劣化して溶着を生じ、本来リレー接点は開放(OFF)すべきであるのに閉成(ON)状態を続けヒータが高温となり非常に危険となることから、例えば特開昭63−113232号公報に見られるように溶着時には発熱抵抗を発熱させてヒータに直列接続された温度ヒューズを溶断して主回路を遮断するようにしている。
【0006】
また、ヒータの断線検出対策としては実開平2−32114号公報に開示されているが、ヒータが完全に断線して断線端部間に大きな距離が生じた場合には結果的に主回路が遮断されて問題はないが、断線の直前や断線後の端部間の距離が僅かの場合には断線端部の接触、離間により火花を生じて危険となった。
【0007】
そして、前述したリレー接点の溶着による安全回路とヒータの断線による安全回路とは別々に専用の回路が設けられており、回路が複雑になると共に回路基板が大きくなって実用性に問題があった。
【0008】
本発明はリレー接点の溶着によるヒータの異常過熱を防止すると共にヒータの断線を即時に検出して断線端部間のスパークを防止するもので、特にリレー接点の溶着検出回路とヒータの断線検出回路とを共用して回路の簡素化を図ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ヒータと、このヒータに直列接続したリレー接点と、このリレー接点を開閉するリレーに直列接続した第1スイッチング素子と、通常の状態ではこの第1スイッチング素子と連係して導通、非導通を行う第2スイッチング素子と、前記ヒータの温度を検出して前記第1スイッチング素子の制御を行う温度制御回路と、前記ヒータとリレー接点の直列回路に直列に接続した温度ヒューズと、前記ヒータとリレー接点の直列回路に並列接続された前記温度ヒューズの近傍に設けた加熱抵抗と前記第2スイッチング素子の導通によって導通する開閉素子の直列回路と、前記リレー接点の交流電源側と前記第2スイッチング素子の導通信号付与経路に接続した溶着検出ラインと、前記ヒータの一側と第1スイッチング素子の導通信号付与経路に接続した断線検出ラインとから構成し、リレー接点が溶着した場合には、第2スイッチング素子のトリガー側における前記溶着検出ラインの電位と断線検出ラインの電位とを同電位とし、またヒータが断線した場合には、断線検出ラインによるトリガー信号を停止して、いづれの場合にも第2スイッチング素子を非導通とし、前記開閉素子を導通状態とし加熱抵抗により温度ヒューズを溶断するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の電気加熱具の保安装置を電気カーペットに実装した場合の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例である電気カーペットの電気回路図、図2は同じくカーペット本体の平面図、図3は同じくヒータ線の説明図、図4は同じく温度保安器の説明図である。
【0011】
(1)は方形のカーペット本体で、ヒータ線(2)と温度検知線(3)を蛇行して配設し、コーナー部にはコントローラー(4)を設けている。
【0012】
前記ヒータ線(2)は、図3に示す様に絶縁芯(5)と、この絶縁芯の外側にスパイラルに巻装したヒータ(6)と、このヒータの外側に設けた所定温度以上で溶融する絶縁層(7)と、この絶縁層の外側にスパイラルに巻装した短絡線(8)と、この短絡線の外側を絶縁する外被(9)とから構成している。
【0013】
前記温度検知線(3)は、両端を短絡した2本の導線(10)(10)と、この導線間に介在して設けた温度によりインピーダンスが変化する感温層(11)と、図示していないが、内側の導線を巻装する芯材及び外側の導線を絶縁する外被とから構成している。
【0014】
(12)は商用交流電源、(13)は前記ヒータ(6)の一端に接続した後述するリレー(28)により開閉するリレー接点で、この直列回路を温度ヒューズ(14)を介して交流電源の両極間に接続している。
【0015】
前記温度ヒューズ(14)は図4に示す様に、その外側に2つの加熱抵抗(15)、(16)を密着しており、全体として、主回路遮断装置(17)を構成する。
【0016】
(18)は前記導線(10)に接続した温度検出回路、(19)はカーペット本体(1)を希望温度に設定するためにベースとなる基準回路、(20)は前記温度検出回路(18)と基準回路(19)の値を比較する比較回路である。前記温度検出回路(18)と基準回路(19)と比較回路(20)は温度制御回路(21)を構成する。
【0017】
(22)は前記交流電源(12)の極(A)に接続した第1ダイオード、(23)は前記第1ダイオード(22)と逆方向であって一方の加熱抵抗(15)と直列接続した第2ダイオード、(24)は一方の加熱抵抗(15)と直列接続した第3ダイオードで、この第3ダイオードと前記第2ダイオード(23)と一方の加熱抵抗(15)との直列回路は前記第1ダイオード(22)と温度ヒューズ(14)を介して前記交流電源(12)に接続している。
【0018】
(25)はカソードを前記短絡線(8)の一端に接続し、前記第3ダイオード(24)と逆方向に配置した第4ダイオードで、アノードは他方の加熱抵抗(16)の一端に接続している。他方の加熱抵抗(16)の他端は前記第1ダイオード(22)と第2ダイオード(23)との接続部に接続している。
【0019】
(26)は前記第4ダイオード(25)のアノードと他方の加熱抵抗(16)の一端の接続部と交流電源(12)の極(B)間に接続し、前記第1ダイオード(22)と同方向に配置した開閉素子(以下SCRとする)。
【0020】
前記SCR(26)のカソードは前記リレー接点(13)のヒータ(6)との接続側の接点とは異なる交流電源(12)の極(B)側の接点に接続している。
【0021】
(27)は一方の加熱抵抗(15)と第3ダイオード(24)との接続部に接続したリレー電源回路、(28)はこのリレー電源回路により得られる電圧を駆動電源とするリレーで、前記リレー接点(13)を開閉するものである。
【0022】
(29)は前記リレー(28)を制御するトランジスタからなる第1スイッチング素子で、コレクターを前記リレー(28)に接続し、エミッタを抵抗(30)を介してヒータ(5)とリレー接点(13)との接続部に接続しており、このエミッタの接続ラインは、前記ヒータ(5)の断線検出ライン(31)を構成する。
【0023】
(32)、(33)は抵抗とコンデンサで、前記SCR(26)のゲートトリガー回路(34)を構成する。(35)は前記SCR(26)の保護用ダイオード、(36)はゲート抵抗である。
【0024】
(37)は通常の状態では前記第1スイッチング素子(29)と連係して導通、非導通を行うトランジスタからなる第2スイッチング素子で、コレクターを抵抗(38)、(36)を介して前記SCR(26)に接続し、エミッタを前記リレー接点(13)のヒータ(6)との接続側の接点とは異なる交流電源(12)の極(B)側の接点に接続している。
【0025】
このエミッタの接続ラインは、リレー接点(13)の溶着検出ライン(39)を構成する。
【0026】
(40)、(41)は第2スイッチング素子(37)のベースとエミッタ間に接続した抵抗とダイオードである。
【0027】
次に動作について述べる。始めに通常の状態について説明する。ヒータ(6)への通電初期にはカーペット本体(1)の温度が低いために感温層(11)の抵抗値が大きくなっており、この抵抗値を検出した温度検出回路(18)は電圧の大きさに変換して出力するが、基準回路(19)の出力電圧との差が大きく比較回路(20)は第1スイッチング素子(29)のベースにバイアス電流を流して、この第1スイッチング素子を導通状態とする。
【0028】
第1スイッチング素子(29)の導通に伴なってリレー(28)が駆動され、リレー接点(13)が閉成して交流電圧がヒータ(6)に印加され、このヒータは発熱を継続する。
【0029】
この第1スイッチング素子(29)の導通により、前記第2スイッチング素子(37)のベースにバイアス電流が流れて、この第2スイッチング素子も導通状態となり、ゲートトリガー回路(34)のコンデンサー(33)の両端の電圧を吸収し前記SCR(26)を導通させるに至らず他方の加熱抵抗(16)の発熱はない。
【0030】
また、一方の加熱抵抗(15)も交流電源(12)のそれぞれの極(A)、(B)からの電流が第1ダイオード(22)と第2及び第3ダイオード(23)、(24)によって阻まれて流れず発熱するに至らない。
【0031】
やがて、カーペット本体(1)の温度が上昇して設定温度に達すると、比較回路(20)の出力がなくなり、第1スイッチング素子(29)が非導通となり、リレー(28)が除勢されてリレー接点(13)を開放しヒータ(6)への通電を遮断する。
【0032】
このリレー接点(13)の開放に伴ない交流電源(12)の極(A)からヒータ(6)を通し断線検出ライン(31)を介して流れる電流によって第2スイッチング素子(37)が導通しコンデンサー(33)の両端の電圧を吸収してSCR(26)の非導通状態を継続する。
【0033】
そして、カーペット本体(1)の温度が低下すると、比較回路(20)から出力を発生し、再び第1スイッチング素子(29)を導通してリレー(28)を駆動しリレー接点(13)を閉成してヒータ(6)に通電する。
【0034】
上述の様な動作を繰り返してカーペット本体(1)を設定された温度に制御する。
【0035】
斯して、カーペット本体(1)の長期間の使用に伴ない、或は他の何らかの要因によってリレー接点(13)が溶着した場合には、カーペット本体(1)が設定温度以上となっているため比較回路(20)からの出力がなく第1スイッチング素子(29)は非導通となっている。この時には通常の状態であれば前述したように第2スイッチング素子(37)のベース電位が高く該素子が導通してSCR(26)が非導通になっているが、リレー接点(13)の溶着に伴ない第2スイッチング素子(37)のベース電位とエミッタ電位が同電位となっており、該素子は非導通となる。
【0036】
このことから、ゲートトリガー回路(34)のコンデンサー(33)の電圧が吸収されずSCR(26)を導通することになり、交流電源(12)の極(A)から流れる電流は、第1ダイオード(22)と他方の加熱抵抗(16)とSCR(26)を介して交流電源(12)の極(B)に流れる。
【0037】
SCR(26)の導通により他方の加熱抵抗(16)が発熱し温度ヒューズ(14)を溶断して主回路を遮断しヒータ(6)への通電を断つ。
【0038】
また、カーペット本体(1)の折り曲げ回数の増加や経年劣化によりヒータ(6)の一部で断線を生じた場合には、断線検出ライン(31)によるバイアス電流がなくなり第2スイッチング素子(37)が非導通となってSCR(26)が導通し他方の加熱抵抗(16)が発熱して温度ヒューズ(14)を溶断し主回路を遮断する。
【0039】
この様に第2スイッチング素子(37)とSCR(26)と他方の加熱抵抗(16)及び温度ヒューズ(14)は、リレー接点(13)の溶着時における溶着検出回路とヒータ(6)の断線時における断線検出回路とを共用する。
【0040】
さらに、温度検出回路(18)や基準回路(19)及び比較回路(20)或は第1スイッチング素子(29)が故障したり短絡による原因でリレー接点(13)が継続して閉成状態となりヒータ(6)が連続して発熱し異常過熱状態において、絶縁層(7)が溶融し、例えば図1に示すa点で溶融しヒータ(6)と短絡線(8)が短絡した場合には、交流電源(12)の極(A)から流れる電流は、第1ダイオード(22)、他方の加熱抵抗(16)、第4ダイオード(25)、短絡線(8)、短絡部(a)、リレー接点(13)を介して極(B)に流れる。このため、他方の加熱抵抗(16)が発熱して温度ヒューズ(14)を溶断し主回路を遮断する。
【0041】
また、例えば図1に示すb点で溶融しヒータ(6)と短絡線(8)が短絡した場合には、交流電源(12)の極(B)から流れる電流は、第3ダイオード(24)、一方の加熱抵抗(15)、短絡線(8)、短絡部(b)、極(A)に流れる。このため、一方の加熱抵抗(15)が発熱して温度ヒューズ(14)を溶断し主回路を遮断する。
【0042】
従って、他方の加熱抵抗(16)と温度ヒューズ(14)は、前述のリレー接点(13)の溶着時と、ヒータ(6)の断線時と、ヒータ(6)と短絡線(8)の短絡時における安全装置として機能する。
【0043】
【発明の効果】
以上の様に本発明は、リレー接点の溶着検出時と、ヒータの断線検出時のそれぞれの検出時に主回路を遮断する加熱抵抗と温度ヒューズを共用したことにより、リレー接点の溶着検出時の安全回路とヒータの断線時の安全回路とを別々に設ける必要がなくなり、回路が簡単になると共に回路基板が小さくなり汎用性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気加熱具の保安装置の一実施例として説明した電気カーペットの電気回路図である。
【図2】同じくカーペット本体の平面図である。
【図3】同じくヒータ線の説明図である。
【図4】同じく温度保安器の説明図である。
【符号の説明】
1 カーペット本体
6 ヒータ
12 交流電源
13 リレー接点
14 温度ヒューズ
15 加熱抵抗
16 加熱抵抗
21 温度制御回路
26 開閉素子(SCR)
28 リレー
29 第1スイッチング素子
31 断線検出ライン
37 第2スイッチング素子
39 溶着検出ライン
Claims (1)
- ヒータと、このヒータに直列接続したリレー接点と、このリレー接点を開閉するリレーに直列接続した第1スイッチング素子と、通常の状態ではこの第1スイッチング素子と連係して導通、非導通を行う第2スイッチング素子と、前記ヒータの温度を検出して前記第1スイッチング素子の制御を行う温度制御回路と、前記ヒータとリレー接点の直列回路に直列に接続した温度ヒューズと、前記ヒータとリレー接点の直列回路に並列接続された前記温度ヒューズの近傍に設けた加熱抵抗と前記第2スイッチング素子の導通によって導通する開閉素子の直列回路と、前記リレー接点の交流電源側と前記第2スイッチング素子の導通信号付与経路に接続した溶着検出ラインと、前記ヒータの一側と第1スイッチング素子の導通信号付与経路に接続した断線検出ラインとから構成し、リレー接点が溶着した場合には、第2スイッチング素子のトリガー側における前記溶着検出ラインの電位と断線検出ラインの電位とを同電位とし、またヒータが断線した場合には、断線検出ラインによるトリガー信号を停止して、いづれの場合にも第2スイッチング素子を非導通とし、前記開閉素子を導通状態とし加熱抵抗により温度ヒューズを溶断することを特徴とする電気加熱具の保安装置。
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