JP2792951B2 - マイクロ波用誘電体磁器組成物 - Google Patents
マイクロ波用誘電体磁器組成物Info
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- JP2792951B2 JP2792951B2 JP1278939A JP27893989A JP2792951B2 JP 2792951 B2 JP2792951 B2 JP 2792951B2 JP 1278939 A JP1278939 A JP 1278939A JP 27893989 A JP27893989 A JP 27893989A JP 2792951 B2 JP2792951 B2 JP 2792951B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明はマイクロ波領域で共振器材料等に使用される
誘電体磁器組成物に関する。
誘電体磁器組成物に関する。
(ロ) 従来の技術 近年マイクロ波を利用した衛星通信・放送の受信器に
おいて、誘電体材料を用いた共振器やフィルタ等が用い
られている。このような用途で使用される材料はできる
限り、高誘電率低損失であることが要望される。
おいて、誘電体材料を用いた共振器やフィルタ等が用い
られている。このような用途で使用される材料はできる
限り、高誘電率低損失であることが要望される。
従来、この種の誘電体磁器材料として、例えば特開昭
59−228310号公報(H01B3/12)で提案されているBa(Co
1/3Nb2/3)O3−Ba(Zn1/3Nb2/3)O3系の組成物がある。
59−228310号公報(H01B3/12)で提案されているBa(Co
1/3Nb2/3)O3−Ba(Zn1/3Nb2/3)O3系の組成物がある。
しかしながら、この従来例の磁器材料では上記公報中
に記載されているように、そのQ値が6.5GHzが高々7000
程度であり、充分に低損失であるとは言えない。
に記載されているように、そのQ値が6.5GHzが高々7000
程度であり、充分に低損失であるとは言えない。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 本発明はQ値を一段と向上させ、また周辺回路とのマ
ッチングを良好に行うための誘電率及び共振周波数の温
度特性値の調整を自由に行い得るマイクロ波用誘電体磁
器組成物を提供することを目的とするものである。
ッチングを良好に行うための誘電率及び共振周波数の温
度特性値の調整を自由に行い得るマイクロ波用誘電体磁
器組成物を提供することを目的とするものである。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明によるマイクロ波用誘電体磁器組成物は、組成
式が(100−x)Ba(Co1/3Nb2/3)1-ySnyO3−xBa(Zn
1/3Nb2/3)O3(但し、xは重量%で0≦x<100、yは
モル分率で0<y≦0.4)で表わされる物質を主成分と
し、これに添加物としてCeO2を含有させてなり、前記Ce
O2の添加量が、前記主成分中のBa(Co1/3Nb2/3)1-ySny
O3の含有量に対して、0重量%を超え、5重量%以下で
あることを特徴とするものである。
式が(100−x)Ba(Co1/3Nb2/3)1-ySnyO3−xBa(Zn
1/3Nb2/3)O3(但し、xは重量%で0≦x<100、yは
モル分率で0<y≦0.4)で表わされる物質を主成分と
し、これに添加物としてCeO2を含有させてなり、前記Ce
O2の添加量が、前記主成分中のBa(Co1/3Nb2/3)1-ySny
O3の含有量に対して、0重量%を超え、5重量%以下で
あることを特徴とするものである。
(ホ) 作用 上記組成の誘電体磁器はBa(Co1/3Nb2/3)O3にSnO2を
固溶させることにより、Q値が向上し、またCeO2を添加
することにより、Q値が向上すると共に焼結性が向上す
る。
固溶させることにより、Q値が向上し、またCeO2を添加
することにより、Q値が向上すると共に焼結性が向上す
る。
(ヘ) 実施例 本発明の一実施例について以下説明する。
最初に、添加物としてCeO2を用いた場合について述べ
る。
る。
原料として高純度のBaCO3,CoO,ZnO,Nb2O5,SnO2及びCe
O2を使用し、先ずBa(Co1/3Nb2/3)O3とBa(Zn1/3N
b2/3)O3を焼成により作成する。次に、Ba(Co1/3N
b2/3)O3に所定量SnO2を固溶させ、これに所定量CeO2を
添加する。そして、このBa(Co1/3Nb2/3)1-ySnyO3+Ce
O2(但し、yはモル分率で0<y≦0.4)とBa(Zn1/3Nb
2/3)O3の各原料粉体をそれぞれ秤量配合し、ボールミ
ルにより10〜20時間混合する。これを1100〜1300℃で1
〜5時間仮焼したのちに、再びボールミルにより、10〜
50時間粉砕する。これにポリビニルアルコール等の有機
結合剤を加えて造粒し、2000〜3000kg/cm2の圧力で成形
する。この成形品を1400〜1600℃で1〜10時間焼成す
る。
O2を使用し、先ずBa(Co1/3Nb2/3)O3とBa(Zn1/3N
b2/3)O3を焼成により作成する。次に、Ba(Co1/3N
b2/3)O3に所定量SnO2を固溶させ、これに所定量CeO2を
添加する。そして、このBa(Co1/3Nb2/3)1-ySnyO3+Ce
O2(但し、yはモル分率で0<y≦0.4)とBa(Zn1/3Nb
2/3)O3の各原料粉体をそれぞれ秤量配合し、ボールミ
ルにより10〜20時間混合する。これを1100〜1300℃で1
〜5時間仮焼したのちに、再びボールミルにより、10〜
50時間粉砕する。これにポリビニルアルコール等の有機
結合剤を加えて造粒し、2000〜3000kg/cm2の圧力で成形
する。この成形品を1400〜1600℃で1〜10時間焼成す
る。
この焼成品を直径8mmφ,厚み4mmtの円柱に加工し測
定試料とした。測定は誘電体円柱共振器法により、誘電
率ε,Q及び共振周波数の温度係数τfを測定した。測定
周波数は8〜9.5GHzであった。
定試料とした。測定は誘電体円柱共振器法により、誘電
率ε,Q及び共振周波数の温度係数τfを測定した。測定
周波数は8〜9.5GHzであった。
まず、Ba(Co1/3Nb2/3)O3に対するSnO2の固溶及びCe
O2の添加の効果について説明する。
O2の添加の効果について説明する。
第1表はBa(Co1/3Nb2/3)O3に表中に示す各モル分率
でSnO2を固溶させ、更に表中に示す各重量%のCeO2を添
加して作成した各試料の測定結果を示すものである。
でSnO2を固溶させ、更に表中に示す各重量%のCeO2を添
加して作成した各試料の測定結果を示すものである。
第1表よりわかるように、SnO2をBa(Co1/3Nb2/3)O3
に固溶させて行くと、εは低下してくが、Q値は徐々に
向上し、0.3モル付近で最大となる。またτf値は徐々
にマイナス側に移動する傾向がある。また、CeO2の添加
により、Q値が向上し、焼結性が良くなる。
に固溶させて行くと、εは低下してくが、Q値は徐々に
向上し、0.3モル付近で最大となる。またτf値は徐々
にマイナス側に移動する傾向がある。また、CeO2の添加
により、Q値が向上し、焼結性が良くなる。
次に上述のBa(Co1/3Nb2/3)1-ySnyO3+CeO2にBa(Zn
1/3Nb2/3)O3を固溶させた場合について、組成の異なる
試料の測定結果を第2表に示す。
1/3Nb2/3)O3を固溶させた場合について、組成の異なる
試料の測定結果を第2表に示す。
尚表中、Ba(Co1/3Nb2/3)1-ySnyO3をBa(Co1/3N
b2/3)SnO3と略記しており、CeO2の添加量はBa(Co1/3N
b2/3)1-ySnyO3に対して1.0重量%である。
b2/3)SnO3と略記しており、CeO2の添加量はBa(Co1/3N
b2/3)1-ySnyO3に対して1.0重量%である。
第2表からわかるように、Q値は6500以上の良好な値
となっている。また、SnO2量及び2つの成分(Ba(Co
1/3Nb2/3)1-ySnyO3,Ba(Zn1/3Nb2/3)O3)の配合比を
様々な値にすることにより、ε及びτfが様々な値に変
化する。例えばSnO2量が0.3モルの時にBa(Zn1/3N
b2/3)O3の量を増加していくと、τfの値は−5PPM/℃
付近の値から+35PPM/℃付近まで変化させられる。また
εの値もそれにつれて27から40近くまで変化する。この
時の配合比xに対する誘電率εおよび共振周波数の温度
特性τfのグラフを第1図に示す。この図面からわかる
ように、その変化は直線的であるので、材料設計が容易
になる。
となっている。また、SnO2量及び2つの成分(Ba(Co
1/3Nb2/3)1-ySnyO3,Ba(Zn1/3Nb2/3)O3)の配合比を
様々な値にすることにより、ε及びτfが様々な値に変
化する。例えばSnO2量が0.3モルの時にBa(Zn1/3N
b2/3)O3の量を増加していくと、τfの値は−5PPM/℃
付近の値から+35PPM/℃付近まで変化させられる。また
εの値もそれにつれて27から40近くまで変化する。この
時の配合比xに対する誘電率εおよび共振周波数の温度
特性τfのグラフを第1図に示す。この図面からわかる
ように、その変化は直線的であるので、材料設計が容易
になる。
またSnO2量を変えることによってもτf値を変化させ
ることができる。
ることができる。
次に、添加物としてBi2O3を用いた場合について説明
する。
する。
第3表に、Ba(Co1/3Nb2/3)0.7Sn0.3O3に表中に示す
各重量%のBi2O3を添加して作成した試料の測定結果を
示す。尚、各試料の作成方法は、上述した添加物にCeO2
を使用した場合と同様である。
各重量%のBi2O3を添加して作成した試料の測定結果を
示す。尚、各試料の作成方法は、上述した添加物にCeO2
を使用した場合と同様である。
第3表より、Bi2O3を添加することによってQ値が向
上することがわかる。また、Bi2O3の添加により焼結性
が良くなる。
上することがわかる。また、Bi2O3の添加により焼結性
が良くなる。
次に上述のBa(Co1/3Nb2/3)1-ySnyO3+Bi2O3にBa(Z
n1/3Nb2/3)O3を固溶させた場合について第4表に示
す。尚表中、Ba(Co1/3Nb2/3)1-ySnyO3をBa(Co1/3Nb
2/3)SnO3と略記しており、Bi2O3の添加量はBa(Co1/3N
b2/3)1-ySnyO3に対して1.0重量%であり、Sn固溶量は
0.3モルである。
n1/3Nb2/3)O3を固溶させた場合について第4表に示
す。尚表中、Ba(Co1/3Nb2/3)1-ySnyO3をBa(Co1/3Nb
2/3)SnO3と略記しており、Bi2O3の添加量はBa(Co1/3N
b2/3)1-ySnyO3に対して1.0重量%であり、Sn固溶量は
0.3モルである。
第4表よりわかるように、Q値は最高で8800と良好な
値が得られている。また2主成分の配合比を変えること
によりε,τfが様々な値に変化する。例えば、Ba(Zn
1/3Nb2/3)O3の量を増加していくと、τfの値は−4PPM
/℃から+29PPM/℃付近まで変化し、またεの値もそれ
につれて26から37近くまで変化する。この時の配合比x
に対するεおよびτfのグラフを第2図に示す。この図
面からわかるようにその変化は直線的であり、材料設計
が容易である。
値が得られている。また2主成分の配合比を変えること
によりε,τfが様々な値に変化する。例えば、Ba(Zn
1/3Nb2/3)O3の量を増加していくと、τfの値は−4PPM
/℃から+29PPM/℃付近まで変化し、またεの値もそれ
につれて26から37近くまで変化する。この時の配合比x
に対するεおよびτfのグラフを第2図に示す。この図
面からわかるようにその変化は直線的であり、材料設計
が容易である。
(ト) 発明の効果 以上説明したように、本発明によると2成分の配合比
xおよびSnO2量を変えることによりε,Q及びτfの値を
様々な値にとることができ、また添加物としてCeO2を含
有させることにより焼結性を高め、高誘電率で高Qであ
り、かつ広範囲にわたりτfを調整できる材料選択の自
由度が高いマイクロ波用誘電体磁器が得られる。
xおよびSnO2量を変えることによりε,Q及びτfの値を
様々な値にとることができ、また添加物としてCeO2を含
有させることにより焼結性を高め、高誘電率で高Qであ
り、かつ広範囲にわたりτfを調整できる材料選択の自
由度が高いマイクロ波用誘電体磁器が得られる。
第1図及び第2図は本発明における配合比xに対する誘
電率εおよび共振周波数の温度特性τfの変化を示す図
である。
電率εおよび共振周波数の温度特性τfの変化を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 3/00 C04B 35/00
Claims (1)
- 【請求項1】組成式が(100−x)Ba(Co1/3Nb2/3)1-y
SnyO3−xBa(Zn1/3Nb2/3)O3(但し、xは重量%で0≦
x<100、yはモル分率で0<y≦0.4)で表される物質
を主成分とし、 これに添加物としてCeO2を含有させてなり、 前記CeO2の添加量が、前記主成分中のBa(Co1/3Nb2/3)
1-ySnyO3の含有量に対して、0重量%を超え、5重量%
以下であることを特徴とするマイクロ波用誘電体磁器組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1278939A JP2792951B2 (ja) | 1989-08-11 | 1989-10-25 | マイクロ波用誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20809889 | 1989-08-11 | ||
JP1-208098 | 1989-08-11 | ||
JP1278939A JP2792951B2 (ja) | 1989-08-11 | 1989-10-25 | マイクロ波用誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03171506A JPH03171506A (ja) | 1991-07-25 |
JP2792951B2 true JP2792951B2 (ja) | 1998-09-03 |
Family
ID=26516644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1278939A Expired - Fee Related JP2792951B2 (ja) | 1989-08-11 | 1989-10-25 | マイクロ波用誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2792951B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100646680B1 (ko) * | 2004-06-04 | 2006-11-23 | 익스팬테크주식회사 | 유전체 자기 조성물 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59228310A (ja) * | 1983-06-10 | 1984-12-21 | 富士電気化学株式会社 | マイクロ波用誘電体磁器組成物 |
JPS61158612A (ja) * | 1984-12-29 | 1986-07-18 | 太陽誘電株式会社 | 誘電体磁器組成物 |
JPS63292506A (ja) * | 1987-05-26 | 1988-11-29 | Nippon Denso Co Ltd | 誘電体共振器材料の製造方法 |
JP2663944B2 (ja) * | 1987-05-26 | 1997-10-15 | 株式会社デンソー | 誘電体共振器材料の製造方法 |
-
1989
- 1989-10-25 JP JP1278939A patent/JP2792951B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03171506A (ja) | 1991-07-25 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |