JP2792949B2 - 窒化アルミニウム粉末およびその製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム粉末およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、窒化アルミニウム粉末およびその製造方法
に関し、詳しくは、高純度且つ均一粒子径を有し、高密
度、高熱伝導性の焼結体を製造しうる窒化アルミニウム
粉末およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、電子材料の高集積化、高出力化に伴い、これま
で使用されてきたアルミナ基板に代わる高放熱性(高熱
伝導性)基板に対するニーズが高まりつつある。ベリリ
ア、ベリリアを焼結助剤とする炭化珪素、窒化アルミニ
ウム等は上記ニーズに適合する材料と言われている。と
りわけ窒化アルミニウムは、低毒性、高絶縁性等の特徴
を有するため高熱伝導性基板材料として最も注目を集め
ている。
このような窒化アルミニウム基板製造に用いられる窒
化アルミニウム粉末の製造方法としては以下のような方
法が知られている。
(a) 金属アルミニウムを窒素またはアンモニア雰囲
気中で加熱する方法 (b) アルミナ粉末とカーボン粉末とを混合し、窒素
またはアンモニア雰囲気中で加熱する方法 (c) 有機アルミニウム化合物とアミン類との反応生
成物を加熱処理する方法 (d) 塩化アルミニウムもしくは臭化アルミニウムガ
スのいずれかまたは両者の混合ガスとアンモニアガスと
を気相反応させる方法 (a)の方法で得られる窒化アルミニウム粉末は凝
集、固結が著しく、そのままでは焼結用原料粉末として
の使用が困難である。
(b)の方法では、原料であるアルミナの粒径や不純
物の影響がそのまま生成物の性質に反映されるため高純
度、微細な原料アルミナの使用が不可欠である。
(c)の方法では、生成物中に炭素が残留しやすい。
(d)の方法では、副生するハロゲン化水素ガスによ
る製造装置の腐食、廃ガスの処理等の問題が残されてい
る。
上記(d)の方法の問題点を解決するため、有機アル
ミニウム化合物とアンモニアガスとを気相反応させて窒
化アルミニウム粉末を製造する方法も、例えば、特開昭
63−60102号に述べられている。この方法によれば平均
粒径0.05μmという非常に微細な粉末を得ることができ
るが、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率を低下させる
と言われている酸素の含有量が多くなるという欠点があ
る。更に、このような微細粉末は焼結途中で粒成長しや
すいため焼結工程の管理が難しいという実用面での問題
点も残っている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、高密度、高熱伝導性の焼結体の製造
に適した窒化アルミニウム粉末およびその製造方法を提
供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究し
た結果、有機アルミニウム化合物とアンモニアとの気相
反応で得られる窒化アルミニウム粉末のクリスタリット
サイズを特定の範囲に制御した粉末が高密度、高熱伝導
性窒化アルミニウム焼結体製造用原料粉末として有効で
あることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、窒化アルミニウム焼結体を製造
する方法において、有機アルミニウム化合物とアンモニ
アとを気相反応させた後、還元性及び/又は不活性ガス
雰囲気中、1500℃以上、1800℃以下の温度で熱処理する
こと、または該熱処理工程後熱処理粉末を解砕すること
のいずれかの方法によって得られるクリスタリットサイ
ズが400Å以上、2000Å以下である窒化アルミニウム粉
末と酸化イットリウム粉末とを湿式混合、乾燥して得ら
れる組成物を成形、焼結することを特徴とする高熱伝導
性窒化アルミニウム焼結体の製造方法である。
また、本発明は、窒化アルミニウム粉末を製造する方
法において、有機アルミニウム化合物とアンモニアとを
気相反応させること、上記工程を経た後還元性及び/又
は不活性ガス雰囲気中、1500℃以上、1800℃以下の温度
で熱処理すること、または該熱処理工程後熱処理粉末を
解砕することのいずれかの方法によって窒化アルミニウ
ム粉末のクリスタリットサイズを400Å以上、2000Å以
下にすることを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造
方法である。
本発明における有機アルミニウム化合物としては、ト
リアルキルアルミニウム及びジアルキルアルミニウムハ
ライドが使用できる。具体的にはトリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、ジメチルアルミニウムハライド、ジエチルアルミ
ニウムハライド、ジイソブチルアルミニウムハライド等
が挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物はガス
状または液状で反応器に供給される。液状で供給した場
合には、該化合物の蒸発潜熱のために反応の安定性が疎
外されることがあり、従ってガス状で供給することが好
ましい。ガス状で供給する方法としては、有機アルミニ
ウム化合物を加熱気化させる方法、窒素、水素、アルゴ
ン、ヘリウム等の非酸化性ガスに同伴させて供給する方
法等が用いられる。
本発明において気相反応に用いられる反応器は特に限
定されるものではなく、一般に気相反応に使用される縦
型または横型の管状反応器が使用できる。
反応器に供給されるアンモニアの量は有機アルミニウ
ムに対してモル比で1以上あればよい。上限は特に限定
しないが、実施例に示すようにこのモル比は生成する窒
化アルミニウム粉末の粒径またはクリスタリットサイズ
に影響を与えるため、これ等との相関において適宜選択
される。
気相反応における反応温度は、窒化アルミニウムが生
成するのに十分な温度範囲である。気相反応によって得
られた窒化アルミニウム粉末、これを熱処理した粉末、
または熱処理した粉末を解砕して得られた粉末のクリス
タリットサイズが400Å以上、2000Å以下となるように
反応温度を選択する必要がある。具体的な温度範囲は、
有機アルミニウムとアンモニアのモル比、熱処理条件、
解砕条件によって異なるため一概に規定することはでき
ないが、本発明者等の経験によれば、600℃以上、1200
℃以下、好ましくは800℃以上、1000℃以下である。
本発明において気相反応により得られた窒化アルミニ
ウム粉末は、還元性ガス及び不活性ガスからなる群より
選ばれた1種または2種以上の雰囲気ガス中で熱処理す
る。ここで言う還元性ガスまたは不活性ガスとは窒化ア
ルミニウム粉末を実質的に酸化することのないガスを意
味する。これらのガスは、前記目的に適合するガスであ
れば特に限定されるものではないが、例えば、アンモニ
ア、水素、一酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウムおよ
びこれらの混合ガスである。
熱処理の温度は、熱処理によって得られる窒化アルミ
ニウム粉末またはこれを解砕して得られる粉末のクリス
タリットサイズが、400Å以上、2000Å以下となるよう
に適宜選択する必要がある。これに適合する具体的条件
は、気相反応の条件、解砕の条件によって異なるため一
概に規定することはできない。本発明者等の経験によれ
ば、1200℃以上、1800℃以下、好ましくは1300℃以上、
1700℃以下で熱処理を行うことが望ましい。1200℃に満
たない温度では、気相反応の条件によっては得られる窒
化アルミニウム粉末のクリスタリットサイズを400Å以
上とすることができない。1800℃を越える温度で熱処理
を行った場合には、得られる窒化アルミニウムのクリス
タリットサイズが2000Åを越え、解砕によってクリスタ
リットサイズを2000Å以下にするために長時間を要する
ばかりか、窒化アルミニウムが部分的に熱分解する可能
性があり好ましくない。
本発明では、気相反応により得られた窒化アルミニウ
ム粉末を熱処理した後、これを解砕することができる。
この解砕工程は本発明の特徴である窒化アルミニウム粉
末のクリスタリットサイズを特定の範囲に制御すること
を目的に採用されるものである。この工程には粉末の凝
集を低減し、成型性、焼結性を改善するという副次的な
効果がある。解砕工程に使用される解砕機は特に限定さ
れるものではなく、一般にセラミックス粉末の解砕に使
用されるあらゆる解砕機が使用可能である。この解砕機
は、例えば、回転式ボールミル、遊星型ボールミル、振
動ミル、回転式振動ミル、アトライター等である。解砕
方法は乾式解砕、湿式解砕いずれでもよい。解砕途中で
窒化アルミニウム粉末の酸化が実質的に起こらないよう
に、不活性ガス雰囲気下で解砕を行う等の方法を採用す
ることが望ましい。解砕条件は、熱処理粉末の特性、解
砕機の機種等により異なるため一概に規定することはで
きないが、得られる窒化アルミニウム解砕粉末のクリス
タリットサイズが400Å以上、2000Å以下となるような
条件を選択する必要がある。
本発明の特徴は、以上に例示したような方法で得られ
る窒化アルミニウム粉末のクリスタリットサイズを400
Å以上、2000Å以下の範囲とする点にある。ここでいう
クリスタリットサイズとは、粉末X線回析法により測定
される窒化アルミニウムの(100)面に垂直な方向の結
晶子の大きさを言い、式(I)によって算出される値と
する。
D=0.9λ/β COSθ ………(I) D:クリスタリットサイズ(Å) λ:使用X線波長(Å) β:回析ピーク半値幅(rad.) θ:回析角(deg.) 実際の測定は、理学電機(株)社製X線回析装置RAD
−Cを用いて行い、RAD−Cシステム(Ver.4.21)の中
の「Kα、Kα分離プログラム」を用いてCuKα
線とCuKα線より得られる回析像を分離し、次いで、
結晶子の大きさ・格子歪プログラムを用いてクリスタリ
ットサイズを算出した。
本発明において窒化アルミニウム粉末のクリスタリッ
トサイズを400Å以上、2000Å以下に限定するのは、400
Å未満または2000Åを越えるクリスタリットサイズを有
する窒化アルミニウム粉末より製造された焼結体が高い
熱伝導率を示さないという実験事実に基づくものであ
る。本発明者等はいまだその詳細な理由を明らかにし得
ないがおおよそ以下のような理由が考えられる。
一般に窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率を低下させ
る原因としては、焼結体の粒内または粒界に残存する不
純物である酸素が考えられている。クリスタリットサイ
ズが400Åより小さい粉末では、粉末の表面活性が著し
く高いため焼結初期に粒成長を起こし、粉末中に含まれ
ていた酸素が系外に揮散するのを困難にし、この酸素が
焼結体の熱伝導を疎外する。このような粉末は焼結体を
製造する工程の途中で粉末の表面酸化による酸素の混入
が避け難く、この酸素の増加が焼結体の熱伝導率の低下
を引き起こすことも考えられる。
ただし、本発明において窒化アルミニウム粉末のクリ
スタリットサイズを400Å以上に規定するのは、クリス
タリットサイズを増大させた際にしばしば起こる比表面
積の現象に伴う、表面酸素の低減を意味するものではな
い。このことは後述の実施例3および比較例3より明ら
かである。すなわち、ほぼ同一の比表面積と酸素を含有
する粉末であっても得られる焼結体の熱伝導率は明らか
に異なり、粉末のクリスタリットサイズを400Å以上と
したときに高熱伝導率を有する焼結体を得ることができ
る。
クリスタリットサイズが2000Åを越えると上記の問題
は解決されるが、粉末の焼結活性が乏しいために通常の
焼結体製造条件では緻密な焼結体を得られない。
上記推定の真偽は明確ではないが、本発明者等の検討
によれば、窒化アルミニウム粉末のクリスタリットサイ
ズが400Å以上、2000Å以下、好ましくは600Å以上、18
00Å以下、更に好ましくは800Å以上、1500Å以下であ
るとき初めて緻密且つ高熱伝導性の窒化アルミニウム焼
結体を安定に製造することができる。
具体的にクリスタリットサイズを上記範囲に制御する
ためには、上述のような各工程を採用すればよく、有機
アルミニウムとアンモニアとの気相反応においてその原
料比を制御すること、反応温度を制御すること、気相反
応によりえられた粉末を所定の温度、時間で熱処理する
こと、または更に熱処理した粉末を所定の条件で解砕す
ることにより窒化アルミニウム粉末のクリスタリットサ
イズの制御は達成される。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に説明する。
実施例1 第1図に示す気相反応装置を用い、加熱帯(1)によ
り800℃に加熱保持した反応器(2)の下部より流量調
節計(3)で調節しながら供給管(4)を通じてアンモ
ニアガスを導入した。同時に流量調節計(5)で調節し
ながら供給管(6)を通じて窒素ガスに同伴させたトリ
エチルアルミニウムを導入した。このときアンモニア/
トリエチルアルミニウムモル比を20とした。反応帯域で
生成した粒子は反応器(2)の上部より未反応ガス等と
ともに取り出され、フィルター(7)によりガスと分離
された後、捕集器(8)に捕集された。捕集した粉末を
黒鉛るつぼに入れ、高周波加熱式電気炉中で窒素ガスを
流通しながら1500℃で3時間熱処理した。得られた粉末
は白色微粉末で、比表面積は10.2m2/g、X線回析の結
果、クリスタリットサイズ590Åの窒化アルミニウム粉
末であった。またLECO法により測定した粉末中の酸素量
は1.1wt%であった。
この粉末10gに焼結助剤として酸化イットリウム0.3g
(3%)を加え、エタノールを分散媒として湿式混合し
た。得られたスラリーを乾燥後、1000kg/cm2の圧力で20
mmΦの円板に成型し、定法に従って黒鉛炉中、窒素気流
下に1800℃で3時間焼結した。得られた焼結体は、直径
10mm、厚み3mmに研削加工し、アルキメデス法による密
度測定、レーザーフラッシュ法による熱伝導率の測定を
行った。
焼結体の密度は3.27g/cm3、熱伝導率は152W/mKであっ
た。
実施例2 熱処理の温度を1700℃とした以外は実施例1と同様に
して窒化アルミニウム粉末を合成した。この粉末の比表
面積は3.0m2/g、クリスタリットサイズは1090Å、酸素
量は0.5wt%であった。この粉末を用い、実施例1と同
様にして製造した焼結体の密度は3.26g/cm3、熱伝導率
は203W/mKであった。
実施例3 熱処理の温度を1600℃とした以外は実施例1と同様に
して窒化アルミニウム粉末を合成した。この粉末の比表
面積は4.3m2/g、クリスタリットサイズは920Å、酸素量
は1.3wt%であった。この粉末を用い、実施例1と同様
にして製造した焼結体の密度は3.26g/cm3、熱伝導率は1
85W/mKであった。
比較例1 熱処理の温度を1150℃とした以外は実施例1と同様に
して窒化アルミニウム粉末を合成した。この粉末の比表
面積は18.7m2/g、クリスタリットサイズは180Å、酸素
量は1.4wt%であった。この粉末はやや黄色味をおびた
粉末であった。この粉末を用い、実施例1と同様にして
製造した焼結体の密度は3.27g/cm3と十分に緻密化して
いたが、熱伝導率は89W/mKと実施例1〜3に比較して低
い値であった。
比較例2 熱処理の温度を1820℃とした以外は実施例1と同様に
して窒化アルミニウム粉末を合成した。この粉末の比表
面積は1.3m2/g、クリスタリットサイズは2120Å、酸素
量は0.5wt%であった。この粉末を用い、実施例1と同
様にして製造した焼結体の密度は2.78g/cm3と十分に緻
密化しておらず、熱伝導率も112W/mKと低い値しか示さ
なかった。
比較例3 金属アルミニウムの直接窒化法によって製造された、
比表面積4.5m2/g、クリスタリットサイズ330Å、酸素量
1.3wt%の市販の窒化アルミニウム粉末を用いて、実施
例1と同様にして焼結体を製造した。得られた焼結体の
密度は、3.26g/cm3と十分に緻密化していたが、熱伝導
率は119W/mKと、比表面積、酸素量がほぼ等しく、クリ
スタリットサイズが大きい粉末を使用した実施例3に記
載の焼結体より著しく低い値しか示さなかった。
実施例4 比較例2と同様に1820℃で熱処理した窒化アルミニウ
ム粉末を、樹脂製ポット、鉄芯入ナイロンボールを用
い、エタノールを分散媒として40時間ボールミルで解砕
した。得られた解砕粉末の比表面積は3.0m2/gから3.7m2
/gに増加し、クリスタリットサイズは2120Åから1710Å
へと変化した。酸素量は0.5wt%から0.7wt%へと若干増
加した。この解砕粉末を用いて、実施例1と同様にして
製造した焼結体の密度は3.24g/cm3、熱伝導率は170W/mK
となり、焼結性、熱伝導性が大きく向上した。
実施例5 熱処理温度を1300℃とした以外は実施例1と同様にし
て窒化アルミニウム粉末を合成した。この粉末の比表面
積は14.4m2/g、クリスタリットサイズは430Å、酸素量
は1.0wt%であった。この粉末を用い、実施例1と同様
にして製造した焼結体の密度は3.26g/cm3、熱伝導率は1
38W/mKであった。
実施例6 アンモニア/トリエチルアルミニウムモル比を8とし
た以外は実施例5と同様にして窒化アルミニウム粉末を
得た。この粉末の比表面積は12.5m2/g、クリスタリット
サイズは420Å、酸素量は1.3wt%であった。この粉末よ
り製造した焼結体の密度は3.26g/cm3、熱伝導率は135W/
mKであった。
〔発明の効果〕
第2図に上記実施例1〜6、および比較例1〜3で得
られた窒化アルミニウム粉末のクリスタリットサイズと
その粉末を用いて作成した焼結体の熱伝導率の関係を示
した。
焼結体の熱伝導率は、用いた窒化アルミニウム粉末の
クリスタリットサイズと深く関わりを持っており、粉末
のクリスタリットサイズを一定の範囲としたときに高い
熱伝導率を有する焼結体が得られる。すなわち、本発明
の有機アルミニウム化合物とアンモニアとを気相反応せ
しめて得られる窒化アルミニウム粉末であって、そのク
リスタリットサイズが400Å以上、2000Å以下である粉
末は、高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体用原料粉末と
して非常に有用であり、更に有機アルミニウム化合物と
アンモニアとより得られる窒化アルミニウム粉末、また
はそれに熱処理等を施した粉末のクリスタリットサイズ
を400Å以上、2000Å以下とする窒化アルミニウム粉末
の製造方法は、高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体用原
料粉末を安定的に供給する方法として工業的に優位であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示した窒化アルミニウム
粉末の製造方法における気相反応反応器の概略フロー図
である。 (1)加熱帯 (2)反応器 (3)アンモニア流量調節計 (4)アンモニア供給管 (5)有機アルミニウム流量調節計 (6)有機アルミニウム供給管 (7)フィルター (8)窒化アルミニウム粉末捕集器 第2図は、本発明の実施例および比較例の結果をまとめ
て、窒化アルミニウム粉末のクリスタリットサイズとそ
の粉末より作成した焼結帯の熱伝導率との相関を図に表
したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−60102(JP,A) 特開 昭63−134570(JP,A) 特開 平2−44018(JP,A) 特開 昭53−68700(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 21/072 C04B 35/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム焼結体を製造する方法に
    おいて、有機アルミニウム化合物とアンモニアとを気相
    反応させた後、還元性及び/又は不活性ガス雰囲気中、
    1500℃以上、1800℃以下の温度で熱処理すること、また
    は該熱処理工程後熱処理粉末を解砕することのいずれか
    の方法によって得られるクリスタリットサイズが400Å
    以上、2000Å以下である窒化アルミニウム粉末と酸化イ
    ットリウム粉末とを湿式混合、乾燥して得られる組成物
    を成形、焼結することを特徴とする高熱伝導性窒化アル
    ミニウム焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】窒化アルミニウム粉末を製造する方法にお
    いて、有機アルミニウム化合物とアンモニアとを気相反
    応させること、上記工程を経た後還元性及び/又は不活
    性ガス雰囲気中、1500℃以上、1800℃以下の温度で熱処
    理すること、または該熱処理工程後熱処理粉末を解砕す
    ることのいずれかの方法によって窒化アルミニウム粉末
    のクリスタリットサイズを400Å以上、2000Å以下にす
    ることを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。
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