JP2792574B2 - 導電性樹脂組成物 - Google Patents

導電性樹脂組成物

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JP2792574B2 JP3052779A JP5277991A JP2792574B2 JP 2792574 B2 JP2792574 B2 JP 2792574B2 JP 3052779 A JP3052779 A JP 3052779A JP 5277991 A JP5277991 A JP 5277991A JP 2792574 B2 JP2792574 B2 JP 2792574B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁波シールド材や帯
電防止材等の原料として好適な導電性樹脂組成物に係
り、特に導電性フィラーとしてステンレス繊維を用いた
導電性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用、事務用、自動車搭載用等の用途
を問わず、電気・電子機器のハウジング材や電子素子の
ケーシング材、あるいは帯電防止材として、近年、軽量
性、生産性、耐腐蝕性、低コストの面等から、合成樹脂
が多用されている。ところで、電気・電子機器のハウジ
ング材や電子素子のケーシング材等の原料として合成樹
脂を単独で利用した場合、合成樹脂には電磁波に対する
シールド性がないため、電気・電子機器あるいは電子素
子が出す不要の電磁波がハウジング材やケーシング材を
透過して外部に放射され、近くの電気・電子機器あるい
は電子素子に妨害電波として作用してノイズや誤動作等
の電磁波障害が発生する。また逆に、ハウジング材やケ
ーシング材が合成樹脂のみからなる電子機器あるいは電
子素子の内部には、外部から放射されてきた電磁波が侵
入するため、同様に、電磁波障害が発生する。このた
め、ハウジング材やケーシング材、あるいは帯電防止材
として利用される合成樹脂成形品の多くは、導電性フィ
ラーを混入させることにより導電性を付与した合成樹脂
組成物(以下、導電性樹脂組成物という)を原料として
用いている。
【0003】ハウジング材やケーシング材、あるいは帯
電防止材として使用される合成樹脂成形品には、一般
に、耐衝撃性に優れていること、外観が良好であること
等が要求され、さらに用途によっては、耐熱性に優れて
いること等が要求される。そして、このような合成樹脂
成形品の原料には、成形性に優れていることが要求され
る。耐衝撃性に優れた成形体が得られる導電性樹脂組成
物としては、例えば、スチレン無水マレイン酸共重合体
に導電性の金属フィラー(アルミニウム繊維、黄銅繊
維、またはアルミニウムフレーク)を40〜58重量%
配合した導電性樹脂組成物が知られている(特開昭59
−210966号公報)。この導電性樹脂組成物は、耐
衝撃性に優れた成形体を得ることができるという利点を
有してはいるものの、金属フィラーが高充填されている
ために、成形体を得る際の成形性が低いといった難点や
得られる成形体の外観がそれ程よくないといった難点を
有している。このため、近年では、成形性に優れ、得ら
れる成形体の外観も良好な導電性樹脂組成物として、極
く細いステンレス繊維を導電性フィラーとして使用した
導電性樹脂組成物が開発されている。極く細いステンレ
ス繊維を導電性フィラーとして利用することにより、ス
テンレス繊維の充填量を少なくしても導電性に優れた導
電性樹脂組成物を得ることができる。そして、ステンレ
ス繊維の充填量が少ないことから、この導電性樹脂組成
物の成形性は良好なものとなり、かつ得られる成形体の
外観も良好なものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、少量の
ステンレス繊維が導電性フィラーとして充填されてなる
従来の導電性樹脂組成物は、成形性に優れているといっ
た利点や得られる成形体の外観が良好であるといった利
点を有している反面、得られる成形体の耐衝撃性が低い
という難点を有している。
【0005】したがって本発明の目的は、成形性に優
れ、得られる成形体の外観が良好であるとともに成形体
の耐衝撃性や耐熱性が高い導電性樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の導電性樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂20〜
80重量部とスチレン−無水マレイン酸共重合体5〜6
0重量部とメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン
共重合体5〜30重量部とを合計量で100重量部含有
し、かつ、前記3種の樹脂の合計量100重量部に対し
、繊維径が8〜20μmで繊維長が2〜12mmである
ステンレス繊維2〜20重量部を配合させてなることを
特徴とするものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
導電性樹脂組成物は、上述のように、ポリカーボネート
樹脂とスチレン−無水マレイン酸共重合体とメタクリル
酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体とステンレス
繊維とを必須成分として含有している。ここで、ポリカ
ーボネート樹脂(以下、PC樹脂という)としては、例
えば下式(I)
【0008】
【化1】
【0009】(式中のZは炭素数1〜8のアルキレン
基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15の
シクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリ
デン基、単なる結合、−SO2 −、−SO−、−S−、
−O−、−CO−または下式(II)
【0010】
【化2】
【0011】で表される基である。また、R1 およびR
2 はそれぞれ、水素原子、塩素原子、臭素原子または炭
素数1〜8のアルキル基であり、R1 とR2 とは互いに
同一であってもよいし、異なっていてもよい。mおよび
nは、それぞれ1〜4の整数であり、mが2〜4の場合
の(R1 m は複数種の原子または基からなっていても
よく、nが2〜4の場合の(R2 n は複数種の原子ま
たは基からなっていてもよい。)で表される構造単位を
有する重合体を用いることができる。このようなPC樹
脂は、例えば塩化メチレン等の溶媒中において、公知の
酸受容体や分子量調節剤の存在下で、二価フェノールと
ホスゲンのようなカーボネート前駆体とを反応させるこ
とにより、あるいは二価フェノールとジフェニルカーボ
ネートのようなカーボネート前駆体とをエステル交換反
応させること等により製造することができる。
【0012】前記二価フェノールとしては、例えば2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフ
ェノールA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、4,4′−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン等、あるいは2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなハロ
ゲン化ビスフェノール類等を挙げることができるが、こ
れらの二価フェノールの中で、特にビスフェノールAが
好適である。またこれらの二価フェノールはそれぞれ単
独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。さらに、本発明で用いるPC樹脂は、多官能性芳
香族化合物を二価フェノールおよび/またはカーボネー
ト前駆体と反応させてなる熱可塑性ランダム分枝ポリカ
ーボネートであってもよいし、2種以上のPC樹脂のブ
レンド物であってもよい。
【0013】本発明では、上述のように種々のPC樹脂
を用いることができるが、得られる導電性樹脂組成物の
成形性、この導電性樹脂組成物から得られる成形体の機
械的強度、成形体の外観等を向上させるうえから、粘度
平均分子量が10000〜30000、特に15000
〜25000のPC樹脂が好適である。
【0014】また、スチレン−無水マレイン酸共重合体
(以下、SMA樹脂という)としては、スチレンと無水
マレイン酸とを従来公知の方法に従って共重合させるこ
とにより得られるSMA樹脂を用いることができる。
【0015】メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体(以下、MBS樹脂という)としては、ブタ
ジエンゴム(50〜80wt%)にスチレン(10〜25
wt%)およびメタクリル酸メチル(10〜25wt%)を
グラフトさせて得られる共重合体を用いることができ
る。このMBS樹脂の製造方法は特に限定されるもので
はなく、従来公知の製造方法の中から適宜選択可能であ
る。
【0016】上述したPC樹脂、SMA樹脂およびMB
S樹脂とともに本発明の導電性樹脂組成物を構成するス
テンレス繊維は、繊維径が8〜20μmで繊維長が2〜
12mmであるものに限定される。繊維径が8μm未満の
ステンレス繊維は分散させにくいために、良好な導電性
を有する導電性樹脂組成物を得にくく、かつ、この導電
性樹脂組成物を成形したときに良好な外観を有する成形
体を得にくい。また、繊維径が20μmを超えるステン
レス繊維を用いた導電性樹脂組成物では、成形体とした
ときにこの成形体の表面が荒れるために、化粧塗装を施
したときの外観が低下し易い。さらに、繊維径が上述の
範囲内にあるステンレス繊維であっても、繊維長が2mm
未満のものでは少量の充填量で導電性の高い導電性樹脂
組成物を得にくく、繊維長が12mmを超えたものを充填
した導電性樹脂組成物では成形性が低下する。
【0017】本発明の導電性樹脂組成物は、上述したP
C樹脂とSMA樹脂とMBS樹脂とを20〜80重量
部、5〜60重量部および5〜30重量部の割合で合計
量が100重量部となるように含有し、かつ、これら3
種の樹脂の合計量100重量部に対して、上述したステ
ンレス繊維を2〜20重量部配合させてなる。
【0018】ここで、上記3種の樹脂の合計量100重
量部中のPC樹脂の割合が20重量部未満では、この導
電性樹脂組成物から得られた成形体の耐熱性が低くなり
過ぎるとともに、成形体の剛性等の機械的特性も低下す
る。また、PC樹脂の割合が80重量部を超えると、こ
の導電性樹脂組成物の流動性が低下するために成形性が
悪くなる。また、SMA樹脂の割合が5重量部未満で
は、この導電性樹脂組成物の流動性が低下するために成
形性が悪くなり、60重量部を超えると、この導電性樹
脂組成物から得られた成形体の耐衝撃性が低くなり過ぎ
る。MBS樹脂の割合が5重量部未満では、この導電性
樹脂組成物から得られた成形体の耐衝撃性が低くなり過
ぎ、30重量部を超えると、この導電性樹脂組成物の流
動性が低下するために成形性が悪くなる他、この導電性
樹脂組成物から得られた成形体の耐熱性が低くなり過ぎ
る。そして、これら3種の樹脂の合計量100重量部に
対するステンレス繊維の配合量が2重量部未満では、こ
の導電性樹脂組成物から得られた成形体における電磁波
シールド性および導電性が不十分となる。また20重量
部を超えると、この導電性樹脂組成物の流動性が低下す
るために成形性が悪くなる他、この導電性樹脂組成物か
ら得られた成形体の耐衝撃性が低くなり過ぎる。
【0019】したがって、本発明の導電性樹脂組成物に
おけるPC樹脂、SMA樹脂、MBS樹脂およびステン
レス繊維の割合は、前述の範囲に限定される。なお、本
発明の導電性樹脂組成物の成分であるPC樹脂、SMA
樹脂およびMBS樹脂の好ましい割合は、これら3種の
樹脂の合計量100重量部において、各々40〜60重
量部、10〜40重量部、8〜20重量部である。そし
て、ステンレス繊維の好ましい配合量は、これら3種の
樹脂の合計量100重量部に対して6〜15重量部であ
る。
【0020】なお、本発明の導電性樹脂組成物には、必
要に応じて難燃剤や難燃助剤が添加されていてもよい。
難燃剤としてはデカブロモジフェニルオキシド、テトラ
ブロモビスフェノールAエポキシ重合体、テトラブロモ
ビスフェノールAカーボネートオリゴマー、オクタブロ
モジフェニルオキシド、テトラブロモビスフェノール
A、テトラブロモビスフェノールS、エチレンビステト
ラブロモフタルイミド、ポリジブロムフェニレンオキシ
ド等が例示される。また、難燃助剤としては、三酸化ア
ンチモン等が例示される。
【0021】さらに、本発明の導電性樹脂組成物には、
必要に応じて、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
カーボンブラック、タルク、クレー、マイカ、シリカ、
ケイ藻土、モンモリロナイト、ベントナイト、ホウ酸亜
鉛、およびメタホウ酸バリウム等の充填材、ガラス繊
維、炭素繊維、および各種ウイスカー等の繊維状補強
材、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、可
塑剤、滑剤、離型剤、着色剤等が、本発明の目的を損な
わない範囲内で添加されていてもよい。
【0022】このようにしてなる本発明の導電性樹脂組
成物は、PC樹脂、SMA樹脂、MBS樹脂およびステ
ンレス繊維の各割合が上述の範囲となるように留意する
以外は、導電性フィラーとしてステンレス繊維を用いた
従来の導電性樹脂組成物と同様に、混練法、ドライブレ
ンド法、被覆法、引抜き法等の公知の方法により製造す
ることができる。また、本発明の導電性樹脂組成物は、
射出成形、押出し成形、ブロー成形、圧縮成形等の公知
の成形法により、所望の形状に成形することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 (1)導電性樹脂組成物の製造 まず、表1に示すように、PC樹脂[商品名:タフロン
FN1900、出光石油化学(株)製]60重量部と、
SMA樹脂[無水マレイン酸単位の含量:14モル%、
MI(230℃、2.16kg荷重下):2g/10分]
30重量部と、MBS樹脂[商品名:メタブレンC−2
23、三菱レイヨン(株)製、ブタジエンの含量:70
wt%]10重量部と、臭素系難燃剤(テトラブロモビス
フェノールAカーボネートオリゴマー、分子量250
0)12重量部と、難燃助剤[日本精鉱(株)製の三酸
化アンチモン、粒径0.5μm]4重量部とを用いて、
これらをドライブレンドした後に2軸混練機によりペレ
ダイズして、樹脂組成物を得た。次いで、繊維径15μ
mのステンレス(SUS−304)連続繊維1000本
をポリエステル樹脂で集束してなるステンレス繊維束の
周りを、電線被覆装置を用いて上記樹脂組成物により被
覆した後、長さ6mmに切断して、直径約5mmの柱状を呈
する本発明の導電性樹脂組成物を得た。なお、ステンレ
ス繊維束の周りを上記樹脂組成物で被覆するにあたって
は、最終的に得られる導電性樹脂組成物におけるステン
レス繊維の配合量が、表1に示すように、PC樹脂とS
MA樹脂とMBS樹脂との合計量100重量部に対して
12重量部となるようにした。
【0024】(2)物性の評価 下記の要領で、上記(1)で得られた導電性樹脂組成物
の物性(下記)およびこの導電性樹脂組成物から得ら
れた成形体の物性(下記〜)を測定・評価した。成
形体は、得られた導電性樹脂組成物を予備乾燥した後に
260℃で射出成形して得た。また成形体の形状は、そ
れぞれの物性の評価方法に応じて適宜変更した。なお、
射出成形によりステンレス繊維束はばらけて、ステンレ
ス繊維束を構成していた各単繊維はそれぞれ成形体中に
分散した。
【0025】スパイラルフロー長さ(以下、SFLと
いう) 成形温度260℃、射出圧80kg/cm2 ・Gの条件で厚
さ3mmの金型内に射出成形した場合の長さを求めた。 曲げ強さ、曲げ弾性率 JIS K−7203に準拠して測定した。 熱変型温度(以下、HDTという) JIS K−7207に準拠して測定した。なお、荷重
は18.6kg/cm2 とした。 アイゾット衝撃強さ(ノッチ付き) JIS K−7110に準拠して測定した。 電磁波シールド効果 140mm×140mm×3mmの板を上述の条件で射出成形
により得、この板に対して、−20℃での2時間の保持
と70℃での2時間の保持とを1サイクルとしてこれを
8回(8サイクル)繰り返す条件でヒートショックテス
トを行った。この後、アドバンテスト法に準拠して、3
00MHzの電界波シールド効果を測定した。 難燃性 米国UL94規格に準拠して評価した(試料厚1/1
6′)。 外観 140mm×140mm×3mmの板を上述の条件で射出成形
により得、この板の表面光沢をJIS K−7105
(角度60°)に準拠して測定した。これらの測定・評
価結果を表2に示す。
【0026】実施例2〜実施例5 PC樹脂として表1に示す樹脂を用い、PC樹脂、SM
A樹脂およびMBS樹脂の配合量を表1に示すように本
発明の限定範囲内で種々変更し、かつ難燃剤として表1
に示す難燃剤を用いた以外は実施例1と同様にして、本
発明の導電性樹脂組成物をそれぞれ得た。そして、得ら
れた各導電性樹脂組成物の物性および各導電性樹脂組成
物から得られた成形体の物性を、実施例1と同様にして
測定・評価した。これらの結果を表2に示す。
【0027】実施例6 PC樹脂として表1に示す樹脂を用い、かつ難燃剤およ
び難燃助剤を使用しなかった以外は実施例1と同様にし
て樹脂組成物を得た後、最終的に得られる導電性樹脂組
成物におけるステンレス繊維の配合量が、表1に示すよ
うにPC樹脂、SMA樹脂およびMBS樹脂の合計量1
00重量部に対して10重量部となるようにした以外は
実施例1と同様にして、本発明の導電性樹脂組成物を得
た。そして、得られた導電性樹脂組成物の物性およびこ
の導電性樹脂組成物から得られた成形体の物性を、実施
例1と同様にして測定・評価した。これらの結果を表2
に示す。
【0028】比較例1〜比較例5 表1に示すように、PC樹脂、SMA樹脂、MBS樹
脂、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合
体)およびABS樹脂よりなる群から選択された2種ま
たは3種の樹脂と難燃剤および難燃助剤とを用いたこ
と、およびPC樹脂、SMA樹脂またはMBS樹脂の配
合量が本発明の限定範囲外となるように、それぞれ表1
に示す配合量で用いたこと以外は実施例1または実施例
2と同様にして、導電性樹脂組成物を得た。そして、得
られた各導電性樹脂組成物の物性および各導電性樹脂組
成物から得られた成形体の物性を、実施例1と同様にし
て測定・評価した。これらの結果を表−2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、実施例1〜実施
例6で得られた本発明の各導電性樹脂組成物は、いずれ
もSFLの値が35〜52cmと比較的大きいことから、
成形性に優れていることがわかる。また、実施例1〜実
施例6で得られた各成形体のHDTの値は110〜12
2℃と比較的高く、かつアイゾット衝撃強さの値も5.
5〜12kgcm/cmと高いことから、これらの成形体は耐
熱性および耐衝撃性に優れていることがわかる。そし
て、いずれの実施例で得られた成形体も良好な外観(光
沢度70〜81%)を有しており、各成形体の電磁シー
ルド効果も58〜60 dbと高い。さらに、各成形体の
曲げ強さは720〜1100kg/cm2 と比較的高く、曲
げ弾性率も27000〜37000kg/cm2 と比較的高
いことから、これらの成形体は機械的強度にも優れてい
ることがわかる。
【0032】一方、比較例1で得られた導電性樹脂組成
物のSFLの値は30cmと小さいことから、この導電性
樹脂組成物は成形性が悪いことがわかる。また、比較例
2〜比較例5で得られた各導電性樹脂組成物は、SFL
の値が38〜70cmと比較的大きいことから成形性に優
れているが、比較例2〜比較例5で得られた各成形体
は、アイゾット衝撃強さの値が小さい(比較例2、比較
例3および比較例5)か、HDTの値が低い(比較例4
および比較例5)か、外観が劣る(比較例2〜比較例
4)。すなわち、比較例1〜比較例5の組成の導電性樹
脂組成物では、組成物の成形性、得られる成形体の耐衝
撃性、得られる成形体の耐熱性、および得られる成形体
の外観の4点を同時に満足させることができない。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導電性樹
脂組成物は、成形性に優れ、得られる成形体の耐衝撃性
や耐熱性が高く、かつ得られる成形体の外観も良好な導
電性樹脂組成物である。したがって本発明を実施するこ
とにより、耐熱性および耐衝撃性に優れるとともに外観
の良好な種々の形状のハウジング材やケーシング材、あ
るいは帯電防止材を、容易に製造することが可能とな
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 35/06 C08L 35/06 47/00 47/00 51/04 51/04 H01B 1/22 H01B 1/22 Z //(C08L 69/00 25:04 51:04) (C08L 25/04 69:00 51:04) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 69/00,25/04,47/00 C08L 51/04,35/06,33/12 C08K 3/20,7/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネート樹脂20〜80重量部と
    スチレン−無水マレイン酸共重合体5〜60重量部とメ
    タクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体5〜
    30重量部とを合計量で100重量部含有し、かつ、前
    記3種の樹脂の合計量100重量部に対して、繊維径が
    8〜20μmで繊維長が2〜12mmであるステンレス繊
    維2〜20重量部を配合させてなることを特徴とする導
    電性樹脂組成物。
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