JP2792200B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JP2792200B2
JP2792200B2 JP2128392A JP12839290A JP2792200B2 JP 2792200 B2 JP2792200 B2 JP 2792200B2 JP 2128392 A JP2128392 A JP 2128392A JP 12839290 A JP12839290 A JP 12839290A JP 2792200 B2 JP2792200 B2 JP 2792200B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、変速制御をフィードバック制御に基づい
て行う車両用自動変速機の変速制御装置に関する。
(従来の技術) 車両用自動変速機は、エンジンからの回転力が入力さ
れる入力軸と、駆動輪側に駆動力を出力する出力軸と、
これら入力軸と出力軸との間に配設された回転ドラムや
ギア等の回転要素と、回転要素と協働して、その回転要
素の回転を制御するクラッチやブレーキ等の摩擦係合装
置(摩擦係合要素)とを備えて構成されている。ここ
で、摩擦係合装置は、液圧作動型のものであり、この摩
擦係合装置は、車両の運転状態に応じた変速指令に基づ
き、デューティ制御により圧力が制御された圧液の供給
を受けて作動され、これにより、自動変速機に於いて
は、入力軸と出力軸との間の回転要素が適切に選択され
て、所望の変速が自動的に実施されるようになってい
る。
上述した自動変速機での変速操作に関し、その変速操
作時の変速ショックを可能な限り抑制して、変速操作を
円滑に実施し、且つ、その変速に要する時間もまた短く
することが要求されている。このような要求を満たすた
めの1つの方法として、変速操作中の適切な時点から、
入力軸の回転速度変化率を目標回転速度変化率に追従せ
せるべく、摩擦係合装置の作動、つまり、その係合力を
フィードバック制御することが考えられる。このフィー
ドバック制御に於いて、摩擦係合装置の作動制御は、具
体的には、摩擦係合装置に供給される作動圧、つまり、
その作動圧に対応したデューティ率を制御することにな
る。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上述したフィードバック制御を実施するに
あたり、変速操作を迅速に完了するためにはゲインを大
きく設定すればよいが、この場合には、制御すべき実デ
ューティ率にハンチングが生じたり、また、入力トルク
の変動が大きなものとなる。これに対し、ゲインを小さ
くすれば、上述した不具合を解消して尚且つ変速操作を
円滑に終了できるものの、この場合には、変速操作の完
了までに長時間を要することになる。
このため、ゲインを可能な限り小さくして、且つ、そ
の変速操作を迅速に完了させるには、フィードバック制
御の開始時に於いて、摩擦係合装置に供給される作動圧
を適切な初期圧に設定する必要がある。しかしながら、
摩擦係合装置の作動圧でみて、その適切な初期圧は、摩
擦係合装置に於ける摩擦係合部材の摩擦特性の経時変化
や、作動油の劣化等の影響で変化するものである。
この発明は、上述した事情に基づいてなされたもの
で、その目的とするところは、フィードバック制御のゲ
インを可能な限り小さくできるように、フィードバック
制御開始時での摩擦係合装置、つまり、摩擦係合要素の
係合力を最適にして得ることができる車両用自動変速機
の変速制御装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段及びその作用) この発明の車両用自動変速機の変速制御装置は、その
入力軸の回転速度変化率を検出する回転速度変化率検出
手段と、その歯車式変速装置が有する複数の変速段のう
ち、所定の変速段への変速を指令する変速指令手段と、
変速指令に応じて入力軸の回転速度変化率が目標回転速
度変化率となるように摩擦係合要素の係合力をフィード
バック制御するフィードバック制御手段と、フィードバ
ック制御手段の制御開始時点における摩擦係合要素の初
期係合力を学習補正する初期係合力学習手段と、フィー
ドバック制御の期間を少なくとも前期と後期とに分ける
フィードバック制御期間分割手段と、フィードバック制
御の前期における目標回転速度変化率を第1目標回転速
度変化率として設定する第1の目標回転速度変化率設定
手段と、フィードバック制御の後期における目標回転速
度変化率を第2目標回転速度変化率として設定する第2
の目標回転速度変化率設定手段とを備えている。
そして、初期係合力学習手段は、フィードバック制御
の前期における入力軸の実際の回転速度変化率と第1目
標回転速度変化率とを比較し、この比較結果に応じて初
期係合力を学習補正する第1学習補正手段と、フィード
バック制御の後期における入力軸の実際の回転速度変化
率と第2目標回転速度変化率とを比較し、この比較結果
に応じて前記初期係合力を学習補正する第2学習補正手
段とを含んでいる。
上述した車両用自動変速機の変速制御装置によれば、
フィードバック制御の開始時点において、摩擦係合要素
には、フィードバック制御の前期及び後期のそれぞれに
入力軸の実際の回転速度変化率とその目標回転速度変化
率との比較に基づき学習補正された初期係合力が与えら
れ、この後、摩擦係合要素の係合力は、入力軸の回転速
度変化率が目標回転速度変化率となるようにフィードバ
ック制御される。
具体的には、第1学習補正手段は、入力軸の実際の回
転速度変化率の最小値と目標回転速度変化率とに基づ
き、摩擦係合要素の初期係合力を学習補正することがで
きる。この場合、フィードバック制御の前期にて、摩擦
係合要素の初期係合力は入力軸の回転速度を最適にして
立ち上げさせる。
また、第2学習補正手段は、所定期間内における入力
軸の実際の回転速度変化率の平均値と目標回転速度変化
率とに基づき、摩擦係合係合要素の初期係合力を学習補
正することができる。この場合、フィードバック制御の
後期にて、摩擦係合要素の初期係合力は入力軸における
回転速度変化の挙動を安定させる。
好ましくは、フィードバック制御期間分割手段は、入
力軸の回転速度に応じてフィードバック制御期間を分割
している。この場合、第1及び第2学習手段による学習
補正が摩擦係合要素の初期係合力に適切に反映される。
(実施例) 以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。
第1図は、車両用自動変速機の一例を示している。図
中、符号2は、車両の動力源となるエンジン2を示し、
このエンジン2のクランク軸4は、トルクコンバータ6
のポンプ8に直結されている。トルクコンバータ6は、
ポンプ8、タービン10、ステータ12、ワンウェイクラッ
チ14を介してケース16に結合されている。ステータ12
は、ワンウェイクラッチ14によりクランク軸4と同方向
の回転は許容されるが、その逆方向の回転は阻止される
ようになっている。
タービン10に伝えられたトルクは入力軸20に伝達さ
れ、そして、入力軸20からこの入力軸20の後部に配設さ
れた歯車変速装置22に伝達される。ここで、歯車変速装
置22は、前進4段後進1段の変速段を達成する構造を有
している。
歯車変速装置22は、三組のクラッチ24,26,28、二組の
ブレーキ30、32、一組のワンウェイクラッチ34、及び、
一組のラビニヨ型の遊星歯車機構36から構成されてい
る。
遊星歯車機構36は、リングギヤ38、ロングピニオンギ
ヤ40、ショートピニオンギヤ42、これら両ピニオンギヤ
40、42を回転自在に支持し且つ自身も回転可能なキャリ
ア48から構成されている。リングギヤ38は、出力軸50に
連結されており、そして、フロントサンギヤ44は、キッ
クダウンドラム52、フロントクラッチ24を介して入力軸
20に連結されている。これに対して、リヤサンギヤ46
は、リヤクラッチ26を介して入力軸20に連結されてい
る。そして、キャリア48は、機能上並列となるように配
設されたローリバースブレーキ32とワンウエイクラッチ
34とを介してケース16に連結されているとともに変速装
置22の後端に配設された4速クラッチ28を介して入力軸
20に連結されている。
ここで、上記キックダウンドラム52は、キックダウン
ブレーキ30によってケース16に固定的に連結可能となっ
ている。
遊星歯車機構36を介して伝達されたトルクは、出力軸
50に一体的に回転するように固着された出力ギヤ60に伝
達され、そして、この出力ギア60からアイドルギヤ62を
経て被駆動ギヤ64に伝達され、更に、被駆動ギヤ64に固
着されたトランスファシャフト66、ヘリカルギヤ68を介
して、駆動輪の駆動軸70が連結されている差動歯車装置
72に伝達される。
摩擦係合要素である上記各クラッチ、ブレーキの夫々
は、係合用ピストン装置あるいはサーボ装置等を備えた
摩擦係合装置に含まれており、この摩擦係合装置は、ト
ルクコンバータ6のポンプ8に連結されることにより、
エンジン2により駆動されるオイルポンプ(図示省略)
で発生する油圧によって作動される。この油圧は、後述
する油圧制御装置により、種々の運転状態に応じて各ク
ラッチ、ブレーキに選択的に供給され、これらクラッ
チ、ブレーキの作動の組み合わせにより、第1表に示す
ように、前進4段後進1段の変速段が達成されるように
なっている。尚、第1表に於いて、○印は、Dレンジで
の各クラッチ又はブレーキの係合状態を示し、●印は、
ワンウェイクラッチ34の作用でキャリア48の回転が停止
されていることを示している。
次に、第1図に示す歯車変速装置22に於いて、第1表
に示す変速段を達成するための電子油圧制御装置につい
て第2図に基づき説明する。
尚、第2図は、フロントクラッチ24及びキックダウン
ブレーキ30の夫々を操作する油圧制御要素部分のみを示
している。この電子油圧制御装置の全体構成及び作用
は、特開昭58−46258号等により既に公知となっている
ので、他のブレーキ及びクラッチの油圧制御要素の説明
は省略する。
キックダウンブレーキ30の作動を制御する往復動型液
圧アクチュエータとしてのキックダウンサーボ31は、段
付きシリンダ孔80を規定するハウジングと、段付きシリ
ンダ孔80内に摺動自在に嵌合された段付きのピストン59
と、このピストン59からそのハウジングの外側に延びる
ピストンロッド、つまり、アクチュエータロッド79とを
備えて構成されており、このアクチュエータロッド79の
先端は、キックダウンブレーキ30、即ち、キックダウン
ドラム52の周面に巻付けられたブレーキシューに対し当
接係合可能となっている。そして、ピストン59は、段付
きシリンダ孔80内に第1及び第2圧力室82,83を区画し
て形成しており、第2図から明らかなように第1圧力室
82は、ピストン59の段差面と段付きシリンダ孔80の段差
面との間で規定されている。
そして、キックダウンサーボ31の第1圧力室81には、
油路35を介して、1−2シフト弁33が接続されており、
この1−2シフト弁33は、更に、油路41を介して変速制
御弁37に接続されている。
また、油路35の途中からは、油路83が分岐されてお
り、この油路83は、2−3シフト弁84に接続されてい
る。この2−3シフト弁84は、更に、二股に分岐した油
路85,86に接続されており、これら2本の油路のうち、
一方の油路85は、キックダウンサーボ31の第2圧力室82
に接続されており、また、他方の油路86は、前述したフ
ロットクラッチ24に接続されている。尚、第2図に於い
て、フロントクラッチ24は、概略的にしか図示されてい
ない。
ここで、1−2シフト弁33及び2−3シフト弁84は、
その作動制御ポート87,88に供給される圧力によって開
閉されるスプール型の開閉弁であり、また、作動制御ポ
ート87,88への圧力は、具体的には図示しない切換弁か
ら導かれるようになっている。
例えば、1速の変速段に於いて、1−2シフト弁33の
スプール55は、第2図での図示の場合とは異なり、その
作動制御ポート87を通じて切換圧を受けることはなく、
左端へ変位した状態にある。従って、この場合、油路35
は、1−2シフト弁33の排油ポートEXに連通しており、
これにより、キックダウンサーボ31の第1圧力室81は低
圧側に接続されることになる。この結果、キックダウン
サーボ31のピストン59は、第2圧力室80内の圧縮コイル
ばね57のばね力により、第2図中、右へ戻されており、
キックダウンドラム52に対するキックダウンブレーキ30
の係合は解除されている。また、このとき、2−3シフ
ト弁84に関しても、その作動制御ポート88を通じて切換
圧が供給されておらず、従って、そのスプール89は、第
2図中、図示の如く左端に変位した状態にある。従っ
て、この場合、フロントクラッチ24に通じる油路86は、
2−3シフト弁84の排油ポート90を通じて低圧側に接続
された状態にあり、これにより、フロントクラッチ24の
係合は解除されている。尚、この場合、油路85,86は、
常時連通されていることから、キックダウンサーボ31に
於ける第2圧力室80もまた、低圧側に接続された状態と
なる。
また、2速の変速段に於いては、1−2シフト弁33
は、図示の切換位置に切り換えられており、また、2−
3シフト弁84もまた、図示の位置に切り換えられてい
る。従って、この場合、油路41,35を通じて、キックダ
ウンサーボ31の第1圧力室81に圧液が供給されることに
より、そのピストン59、即ち、アクチュエータロッド79
は、左方向に移動してキックダウンブレーキ30は係合
し、これに対し、フロントクラッチ24内の圧液は、油路
86及び排油ポート90を通じて排出可能され、これによ
り、フロントクラッチ24の係合は解除されることにな
る。
更に、3速の変速段に於いては、1−2シフト弁33
は、図示の切換位置のままであるが、これに対し、2−
3シフト弁84は、そのスプールが右方向に移動された切
換位置となり、これにより、油路83と油路85,86とは、
2−3シフト弁84を介して連通され、また、その排油ポ
ート90は閉じられることになる。この場合、1−2シフ
ト弁33を通じて、油路83に供給された圧液は、2−3シ
フト弁84を介して、また、油路86を通じてフロントクラ
ッチ24に供給されることになり、これにより、フロント
クラッチ24は係合状態に至る。これに対し、キックダウ
ンサーボ31に於いては、油路86,85が常時連通状態にあ
るから、フロントクラッチ24に供給される圧液は、その
第2圧力室82にもまた供給され、また、同時に、第1圧
力室81にも同圧の圧液が油路35を通じて供給されること
になる。この場合、キックダウンサーボ31のピストン59
は、前述したように段付きのピストンであるから、その
両端の受圧面積の差からピストン59は、アクチュエータ
ロッド79を伴って右方向に変位し、これにより、キック
ダウンブレーキ30の係合が解除されることになる。
更に、変速段が3速から2速にシフトされる場合にあ
っては、1−2シフト弁33及び2−3シフト弁84の夫々
は、図示の切換位置となり、この場合、キックダウンサ
ーボ31に関しては、その第1圧力室81に圧液が供給され
ることにより、ピストン59、つまり、アクチュエータロ
ッド79は、キックダウンブレーキ30を係合させる方向に
変位される一方、フロントクラッチ24からは、油路86、
2−3シフト弁84及び排油ポート90を通じて圧液が逃が
されることにより、その係合が解除されることになる
が、この際、フロントクラッチ24の係合解除は、後述す
るようにキックダウンサーボ31のピストン59が変位され
るとき、その第2圧力室82に発生される背圧により制御
されるようになっている。
このため、第2圧力室82に適切な背圧を発生させるた
めに、2−3シフト弁84の排油ポート90には、所定の絞
り91が設けられており、また、2−3シフト弁84に導か
れる油路84にも所定の絞り92が設けられている。
そして、前述した変速制御弁37には、第2図でみて、
その左端に位置して油路61が接続されているとともに、
油路63が接続されている。油路61は、前述したオイルポ
ンプに接続されているとともに、その途中には、この油
路61を開閉し、変速制御弁37を通じて供給される圧液の
圧力を制御する電磁弁67が介挿されている。この電磁弁
67は、電子制御装置(ECU)65に電気的に接続されてお
り、この電子制御装置65は、デューティ制御でもって、
電磁弁67の切換作動を制御する。また、油路63にも、前
述のオイルポンプから所定圧に調圧された作動油圧が供
給されている。油路61内の圧液は、デューティ率に応じ
て開閉される電磁弁67を介して低圧側に排出され、従っ
て、ディーティ率に油圧が変速制御弁37のスプール69の
左端面に作用することになる。これにより、変速制御弁
37は、油路63からの油圧を調圧して、第11図の破線で示
す油圧PKDを油路41に発生させることになる。
そして、電子制御装置65は、電磁弁67の開閉を制御す
るのみならず、車両の運転状態に基づいて変速指令を出
力する変速指令出力装置を内蔵しており、それ故、電子
制御装置65には、車両の運転状態を検知するため各種の
センサ又は検出装置からの信号が入力されるようになっ
ている。例えば、これらセンサ又は検出装置には、エン
ジン2の回転数を検出するエンジン回転数センサ、エン
ジン2のスロットル弁開度θを検出するスロットル弁開
度センサ103、入力軸20の回転数NTを検出する入力軸速
度センサ101、車速に対応する出力軸50の回転数N0の検
出を行うために設けられた被駆動ギヤ64の出力軸速度セ
ンサ144、潤滑油温を検出する油温検出装置、セレクト
レバーの選定位置検出スイッチ及び補助スイッチの選定
位置検出装置等がある。
また、この実施例の場合、電子制御装置65には、キッ
クダウンサーボ31に内蔵されたキックダウンスイッチ93
からの信号もまた入力されるようになっている。このキ
ックダウンスイッチ93は、ピストン59がアクチュエータ
ロッド79とともに第2図中左方向に移動され、そして、
このアクチュエータロッド79により、キックダウンブレ
ーキ30に於けるブレーキシューの遊びが無くなる程度に
ピストン59が基準位置に移動されたとき、電子制御装置
65に向けて信号を出力するようになっている。
尚、第2図に於いて、電子制御装置65に入力されるセ
ンサ及び検出装置のうち、入力軸速度センサ101、スロ
ットル弁開度センサ103、出力軸速度センサ144、並び
に、キックダウンスイッチ93のみしか図示されていな
い。
次に、上述した電子制御装置65にて実施される3速か
ら2速へのシフトダウン操作に関し、第3図以降の図面
を追加して詳細に説明する。
3−2シフトダウンルーチン 先ず、第3A図及び第3B図に示されているメインの3−
2シフトダウンルーチンが実施される際、自動変速機の
変速段は3速にあり、従って、前記の第1表から明らか
なように、キックダウンブレーキ31は、係合が解除され
た状態にあり、これに対し、フロントクラッチ24は係合
された状態にある。
このルーチンは、所定の制御サイクル、例えば、20ms
ec毎の制御サイクルで繰り返して実施され、第3A図中、
ステップS1では、変速指令出力装置から3−2シフト指
令が発生された否かが判別される。ここで、変速指令出
力装置は、第9図に示されている破線の3−2シフト線
に基づき、車速及びスロットル弁開度を考慮して、3−
2シフト指令を出力するようになっている。尚、第9図
に於いて、実線は、2−3シフト線を示している。
ステップS1での判別が否(No)場合には、第3B図に示
されているステップS11に進み、このステップS11では、
電磁弁67のデューティ率Dが設定されるとともに、タイ
マTDが0にリセットされて、ステップS1に戻る。
ステップS1の判別が正(Yes)になると、ステップS2
に於いて、入力軸速度センサ101から入力軸20の回転速
度、即ち、回転数NT及び出力軸速度センサ144から出力
軸の回転速度、即ち、回転数N0等が読み込まれる。
そして、次のステップS3では、キックダウンスイッチ
(KDスイッチ)93から信号が出力されたか否か、つま
り、KDスイッチ93がオン作動したか否かが判別される。
ここで、ステップS1からのルーチンが実施された直後で
は、未だ、キックダウンサーボ31は作動されていないか
ら、ここでの判別は否となり、ステップS4で、積分圧力
値APに0がセットされた後、ステップS5に進む。積分圧
力値APは、ステップS3での判別が正の場合に実施される
ストローク量判別ルーチンS5にて算出されるものであ
る。
ステップS4又はステップS5からは、ステップS6に至
り、ここでは、入力軸20の入力回転数NTが1.2N0以上で
あるか否かが判別される。ここで、N0は、出力軸50の出
力回転数である。
このルーチンの開始直後に於いては、ステップS6での
判別は否となるから、ステップS7に進み、このステップ
では、電磁弁67のデューティ率がオープンループ制御で
もって制御される。
一方、ステップS6での判別が正となる場合には、第3B
図に示されているステップS8に至り、ここでは、フラグ
FLGSに1がセットされたか否かが判別される。ここで、
フラグFLGSは、前述したステップS5のストローク量判別
ルーチンにて、キックダウンサーボ31のアクチュエータ
ロッド79が最大ストロークに達したときに1がセットさ
れるものであり、従って、この場合、その判別は未だ否
であるから、ステップS9をバイパスして、ステップS10
に進む。
ステップS10では、ステップS9が実施されたときにセ
ットされて、経過時間の計測をなすタイマTDの値が所定
時間XTD以上か否かが判別されるが、この場合、未だ、
ステップS9は実施されていないから、その判別は否とな
って、ステップS12に進み、このステップS12では、電磁
弁67のデューティ率がフィードバック制御に基づいて制
御される。
尚、ステップS9は、キックダウンスイッチ93がオン作
動した後、ステップS5でのストローク量判別ルーチンに
て、フラグFLGSに1がセットされた場合に始めて実施さ
れることになる。
また、第3A図及び第3B図のフローチャートから明らか
なように、ステップS7のオープンループ制御ルーチン
は、3−2シフトダウンルーチンが開始されてから直ち
に実施されて、ステップS6での判別となるまで継続さ
れ、そして、ステップS12でのフィードバック制御ルー
チンは、オープンループ制御ルーチンに引き続いて実施
される。しかしながら、この後、フィードバック制御ル
ーチンは、前述したステップS9でのタイマTDのセット及
びステップS10での判別から明らかなように、アクチュ
エータロッド79がその最大ストロークに達し、そして、
所定時間XTDの経過後に終了して、3−2シフトが完了
することになる。
オープンループ制御ルーチン 前述したオープンループ制御ルーチンは、第4A図から
第4C図に詳細に示されており、このルーチンでは、ステ
ップS101に於いて、タイマTS1の値が所定時間XS1(例え
ば、0.1sec)に達したか否かが判別される。尚、このタ
イマTS1は、例えば電子制御装置65に内蔵されたハード
タイマであり、3−2シフト指令が出力された時点作動
され、このタイマTS1により計測される時間は、3−2
シフト指令が出力されたからの経過時間となる。この場
合、タイマTS1の値は、所定時間XS1に未だ達していない
から、ステップS101での判別は否となって、ステップS1
02が実施される。このステップでは、電磁弁67のデュー
ティ率DがDU0に設定されるとともに、各フラグFLGS1乃
至フラグFLGS3の夫々が0にリセットされる。
従って、第10図に示されているように、3−2シフト
指令が出力された時点で、デューティ率Dは、0ではな
くDu0に設定され、この状態は、所定時間XS1が経過する
まで継続される。
このようにして電磁弁67のデューティ率Dが設定され
ると、デューティ率Du0に対応した圧力値を有する油圧P
KDが油路41,35を通じてキックダウンサーボ31の第1圧
力室81に供給され、これにより、第1圧力室81内の圧力
は、デューティ率DU0に対応する圧力に減少される。し
かしながら、この圧力は、ピストン59を圧縮コイルばね
57のばね力に抗して、第2図中左方向に変位させるに十
分な圧力であるから、ピストン59に連動してアクチュエ
ータロッド79もまた移動を開始し、キックダウンブレー
キ30は、キックダウンドラム52を締め付ける方向に作動
される。
そして、設定された所定時間XS1が経過すると、ステ
ップS101の判別が正となるから、ステップS103が実施さ
れて、タイマTS1の値がリセットされ、ステップS104に
て、入力回転数NTがNT0+ΔN1以上か否かが判別され
る。ここで、NT0は、3−2シフト指令が出力された時
点での入力軸20の入力回転数を示しており、また、ΔN1
は、所定値(例えば35rpm)である。この場合、未だ、
入力回転数NTは、NT0から変化していないから、ステッ
プS104の判別は否となり、次のステップS105が実施され
るが、ここでも、フラグFLGS1は0にリセットされたま
まであるから、ステップS106に進む。
このステップS106では、デューティ率DがDu0よりも
大きな値であるDU1に設定され、そして、このとき、フ
ラグFLGS1が1にセットされる。従って、この場合、キ
ックダウンサーボ31の第1圧力室81に供給される油圧PK
Dの値は、デューティ率の増大により低下されることに
なる。
一方、一旦、ステップS106が実施されると、次の実行
サイクルではステップS105での判別が正となるから、こ
の後に於いては、ステップS107が実施されることにな
る。このステップS107では、実行サイクルの繰り返しの
度に、現在のデューティ率Dは、所定量ΔD1だけ増加さ
れる。従って、第10図に示されているように、デューテ
ィ率Dは、Du1から徐々に増加するように変化され、こ
れにより、キックダウンサーボ31の第1圧力室81内の圧
力もまた徐々に低下される。
上述したようにデューティ率Dが制御されると、キッ
クダウンサーボ31のピストン59は、先ず、比較的高い油
圧PKDでもって所定時間XS1だけ移動された後、その移動
速度は、一旦急激に低下されてから、更に徐々に低下さ
れることになる。このようにピストン59のストローク速
度を制御することにより、第2圧力室82内での背圧の上
昇を抑えることができる。この結果、第2圧力室82の背
圧が油路85,86を通じてフロントクラッチ24に作用して
悪影響を及ぼすことがないので、フロントクラッチ24か
らは、油路86、2−3シフト弁84及び排油ポート90を通
じて、その圧液の排出が効果的になされることになり、
フロントクラッチ24の係合は良好に解除し始めることに
なる。また、このように第2圧力室82の背圧を制御し
て、フロントクラッチ24の作動を制御できるから、この
ような背圧制御は、後述するフィードバック制御時での
入力軸20の入力回転数制御に利用することができる。
上述したようにフロントクラッチ24の係合が解除し始
めると、つまり、フロントクラッチ24が滑り始めると、
この時点から入力軸20の入力回転数NTは上昇し始めるこ
とになる。この入力回転数NTの上昇開始点は、第10図中
符号Uで示されており、この時点から3速から2速への
変速操作が実際に開始される。
この後、入力回転数NTの上昇量がΔN1に達すると、オ
ープンループ制御ルーチンに於いては、ステップS104で
の判別が正となって、次のステップS108が実施される。
このステップでは、タイマTS2の値が所定時間XS2に達し
たか否かが判別される。このタイマTS2は、先のステッ
プS104の判別結果が否定から肯定に変化した時点で作動
を開始するものである。ここで、ステップS108が最初に
実施されたときには、その判別は否であるから、ステッ
プS109が実施される。このステップS109では、フラグFL
GS2に関する判別がなされるが、ここでの判別は未だ否
であるから、ステップS110が実施される。
ステップS110では、デューティ率Dが現在の値から所
定量ΔD5(例えば、5%)だけ減少され、そして、フラ
グFLGS2に1がセットされる。従って、入力回転数NTが
3−2シフト指令の出力後、ΔN1だけ上昇した時点で、
デューティ率Dは、第10図に示されているように、その
現在の値からΔD5だけ減少されるから、キックダウンサ
ーボ31の第1圧力室81に供給される油圧PKDは高くな
る。これにより、第2圧力室82の背圧も上昇されること
で、フロントクラッチ24の係合解除が抑制され、入力軸
20の入力回転数NTが急激に上昇されることはない。
また、一旦、ステップS110が実施された後では、次回
の実行サイクルに於いて、ステップS109での判別は正と
なるから、この後に於いては、ステップS107が再び実施
されることになり、従って、第10図に示されるようにデ
ューティ率Dは徐々に上昇し始め、これに伴い、入力回
転数NTもまた徐々に上昇されることになる。
そして、ステップS108でのタイマTS2の値が所定時間X
S2以上に達すると、ここでの判別が正となるから、この
場合には、ステップS111が実施される。このステップで
も、その判別は未だ否であるから、ステップS112が実施
される。ここで、デューティ率Dは、現在の値に所定値
ΔD5が加えられ、そして、フラグFLGS3に1がセットさ
れる。また、ステップS112が一度実施されると、次回の
実行サイクルではステップS111での判別が正となるか
ら、この後に於いてはステップS113が実施されることに
なり、これにより、デューティ率Dは、実行サイクルが
繰り返される度に、所定量ΔD2ずつ減少されることにな
る。従って、第10図に示されているように、デューティ
率Dは、ステップS108の判別が正となった後、一旦、Δ
D5だけ増加された後にΔD2ずつ減少されることになり、
この結果、入力回転数NTは徐々に上昇されることにな
る。
上述したようにして電磁弁67のデューティ率Dが制御
されると、キックダウンサーボ31に於けるピストン59の
ストローク時間を有効に活かし、且つ、そのストローク
速度、つまり、第2圧力室82の背圧を制御することによ
り、フロントクラッチ24の係合状態をきめ細かく制御し
て、入力回転数NTの上昇を所望通りに達成することがで
きる。
ストローク量判別ルーチン 前述したようなオープンループ制御ルーチンの実施が
実施されると、キックダウンサーボ31のアクチュエータ
ロッド79、即ち、そのピストン59は、第2図中左方向に
徐々に変位するから、ピストン59が前述した基準位置ま
で変位したとき、3−2シフトダウンルーチンに於ける
ステップS3での判別が正となり、この時点から、ストロ
ーク量判別ルーチンが実施されることになる。
このストローク量判別ルーチンは、第5図に示されて
おり、このルーチンに於いては、先ず、ステップS201が
実施され、このステップでは、前述した積分圧力値APに
現時点での電磁弁67のデューティ率に対応した補正油圧
値PKDNが加算されることで、積分圧力値APが新たな値に
更新される。ここで、補正油圧値PKDNは、第11図の破線
の特性を補正して得られた実線の補正特性から求められ
るものである。この補正特性は、デューティ率Dの小さ
な領域では、実際の油圧値PKDよりも補正油圧値PKDnが
低くなり、また、これとは逆に、デューティ率Dの大き
な領域では、実際の油圧値PKDよりも補正油圧値PKDNが
高くなるように設定されている。
次のステップS202に進むと、このステップS202では、
積分圧力値APが所定値XAP以上に達したか否かが判別さ
れる。ここで、所定値XAPは、デューティ率Dを第11図
に示す基準デューティ率DUSに設定し続けたとき、キッ
クダウンスイッチ93がオン作動してから、アクチュエー
タロッド79のストロークが所定ストローク、例えば、こ
の実施例では、最大ストロークに達し、そして、キック
ダウンブレーキ30のブレーキシューがキックダウンドラ
ム52に完全に締め付けられるまでの間に、キックダウン
サーボ31の第1圧力室81に供給される基準油圧PKDSを20
msec毎に加算した積分値に相当する。そして、キックダ
ウンサーボ31の第1圧力室81に供給される油圧が基準油
圧PKDSと異なる場合に、この油圧を第6図の実線で示す
補正油圧値PKDNに補正することにより、ストローク量を
正確に検出することができる。この補正は、キックダウ
ンサーボ31の第1圧力室81での作動油の漏れを補正する
ものである。即ち、油圧が高くなる程、漏れ量が大とな
って、ストローク量を正確に検出できないことになるか
ら、補正油圧値PKDNは、油圧PKDよりも小さい値に設定
される。
従って、第11図中破線の特性を実線の補正特性のよう
に補正して、前述した不具合を解消するようにしてある
から、積分圧力値APを補正特性から求められる補正圧力
値PKDnを使用して積分して求めることにより、積分圧力
値APは、キックダウンサーボ31のストローク量に正確に
対応させることができる。従って、この積分圧力値APと
所定値XAPとを、ステップS202に於いて比較することに
より、ピストン59、即ち、アクチュエータロッド79がそ
の最大ストロークに達したか否かを正確に検出すること
ができる。これを換言すれば、3速から2速への変速の
実質的な完了時点を正確に検出することができることに
なる。
ステップS202での判別が否の場合、つまり、アクチュ
エータロッド79がその最大ストロークに未だ達していな
い場合には、ステップS203に進み、このステップで、フ
ラグFLGSに0がセットされる。これに対し、ステップS2
02での判別が正となって、アクチュエータロッド79がそ
の最大ストロークに達した場合には、ステップS204が実
施されて、フラグFLGSに1がセットされることになる。
即ち、3−2シフトダウンルーチンの実行サイクルが繰
り返されているとき、キックダウンスイッチ93がオン作
動した後に於いて、ストローク量判別ルーチンが実施さ
れることになり、アクチュエータロッド79がその最大ス
トロークに達したか否かをフラグFLGSの値で検知するこ
とができる。尚、アクチュエータロッド79がその最大ス
トロークに達した時点は、第10図に符号SEを付して示し
てある。
フィードバック制御ルーチン 前述したオープンループ制御ルーチンがステップS6で
の判別結果によって終了すると、フィードバック制御ル
ーチンが実施され、このルーチンは、第6A図及び第6B図
に示されている。
このルーチンでは、先ず、ステップS301に於いて、こ
のフィードバック制御が始めて実施されるものか否かが
判別される。即ち、実行サイクルの繰り返しに於いて、
ステップS301が始めて実施されたか否かが判別される。
ここでの判別が正であると、ステップS302が実施され
る。このステップS302では、デューティ率Dは、DU2+
ΔDaから求められる。ここで、DU2は、フィードバック
制御開始時の基準デューティ率を示し、ΔDaは、後述す
る学習により求められた補正量を示している。また、ス
テップS302では、各種のフラグFLGF1,FLGD1,FLGD2,FLGL
の夫々が0にリセットされる。
ステップS301の判別が否となると、次のステップS303
に於いて、入力軸20の入力回転数NTが1.45N0(N0は、出
力軸50の出力回転数)以上に達したか否かが判別され、
ここでの判別が否の場合には、次のステップS304に於い
て、更に、入力回転数NTが1.45N0−ΔN2以上に達したか
否かが判別される。ここで、ΔN2は、例えば400rpmに設
定されている。ここでの判別もまた否となる場合には、
つまり、入力回転数NTがフィードバック制御の開始条件
である1.2N0以上に達した直後では、ステップS305に進
む。
このステップS305では、入力軸20の目標回転速度変化
率、即ち、目標回転変化率ΔNiにΔNi1が設定され、そ
して、次には、ステップS306にてデューティ率Dの演算
ルーチンが実施された後、次のステップS307に於いて、
前述した補正量ΔDaの学習領域であるか否か、つまり、
補正量ΔDaの学習を実施すべきか否が判別される。ここ
で、学習領域であるか否かの判別条件は、例えば、キッ
クダウンサーボ31に供給される作動油の油温が60℃であ
ること、また、出力軸50の出力回転数N0が1300rpm乃至3
000rpmにあることである。
ステップS307の判別が正である場合には、ステップS3
08にて、補正量ΔDaの学習初期値演算ルーチンが実施さ
れるが、ステップS307での判別が否であると、ステップ
S308はバイパスされることになる。
一方、フィードバック制御が開始された後、入力回転
数NTの上昇に伴い、ステップS304での判別が正となる
と、ステップS309が実施され、ここでは、フラグFLGF1
に1がセットされているか否かが判別される。この場
合、まだ、フラグFLGF1は0にリセットされたままであ
るから、ここでの判別は否となり、ステップS310が実施
される。
このステップS310では、入力軸20の目標回転変化率Δ
Niは次式に基づいて算出される。
ΔNi=(ΔNi1+ΔNi2)/2 ここで、ΔNi2は、ΔNi1よりも小さな値をとる。
また、ステップS310では、フラグFLGF1に1がセット
される。目標回転変化率ΔNi1とΔNi2とが大きく変化す
る場合に、上述のように、その平均値である中間値を目
標回転変化率とし、その値を用いてフィードバック制御
することにより、制御安定性が向上する。
従って、ステップS310が一度実施された後にあって
は、次回の実行サイクルでステップS309の判別は正とな
るから、この場合には、ステップS311が実施されて、入
力軸20の目標回転変化率ΔNiにΔNi2がセットされる。
この後、ステップS306以降のステップが実施される。
更に、入力軸20の入力回転数NTが更に上昇し、そし
て、ステップS303での判別が正となると、ステップ312
が実施される。このステップS312では、タイマTF1の作
動が開始されることで、ステップS303の判別が正となっ
た時点、即ち、入力回転数NTが1.45N0に達した時点から
の経時時間が計測されるとともに、このタイマTF1の値
が所定時間XF1以上になったか否かが判別される。ここ
での判別が否の場合にはステップS313にて、入力軸20の
目標回転変化率ΔNiに負の値である−ΔNi4がセットさ
れ、これに対し、その判別が正の場合にはステップS314
にて、入力軸20の目標回転変化率ΔNiに同じく負の値で
ある−ΔNi3がセットされる。ここで、−ΔNi3は、−Δ
Ni4よりも更に小さな値である。
この後、前述したステップS306以降のステップが実施
される。即ち、前述した説明から明らかなように、フィ
ードバック制御ルーチンでは、先ず、入力軸20の入力回
転数NTの値に応じて、その目標回転変化率ΔNiが設定さ
れた後、デューティ率Dの演算ルーチン及び学習初期値
演算ルーチンが実施されることになる。
上述の如く決定される目標回転変化率ΔNiは、第10図
から明らかなように、入力回転数NTが1.2N0から上昇す
るにつれて、段階的に減少され、また、入力回転数NTが
1.45N0以上となって、その最終的な目標入力回転数であ
る1.50N0に近接するに従って、目標回転変化率ΔNiは、
段階的に大きくなる負の値に設定される。尚、ΔNi1と
ΔNi2との間に設定される中間値は、1実行サイクル時
間(20msec)の間だけ設定されるものである。
デューティ率のDの演算ルーチン 前述したステップS306でのデューティ率の演算ルーチ
ンの詳細は、第7A図、第7B図及び第7C図に示されてい
る。このルーチンに於いて、先ず、ステップS401では、
入力軸20の目標回転変化率ΔNiと実入力回転変化率との
間の偏差En及びこの偏差Enの変化量ΔEnが次式に基づ
き、演算して求められる。
En=ΔNi−(ΔNT)n ΔEn=En−En−1 ここで、ΔNTは、今回の入力回転数NTnと前回のNTn−
1との差を示すものであり、従って、ΔNTは、 ΔNT=NTn−NTn−1 となる。また、同様に、En−1を式で示すと、 En−1=ΔNi−(ΔNT)n−1 となる。従って、ステップS401が実施されるに当たって
は、前回求めたNTn−1、En−1の値は夫々電子制御装
置65内のメモリに記憶されるようになっている。
次のステップS402では、次式に基づいて、フィードバ
ック制御での積分ゲイン(Di)nが演算して求められ
る。
(Di)n=(Di)n−1+KI・En−a+b ここで、(Di)n−1は、前回の値を示しており、KI
は、基準積分ゲインである。また、aは、実行サイクル
時間(20msec)毎に積分ゲイン(Di)nを0.5%減少さ
せるための係数であり、キックダウンサーボ31の第1圧
力室81に供給される油圧に於いて、その圧力変化の傾斜
が−0.5%/20msecであることを意味している。bは、入
力軸20に於ける入力回転変化率ΔNTが負の値となったと
き、実行サイクル時間毎に積分ゲイン(Di)nを1%増
加させるための係数で、これにより、応答速度の向上を
図ることができる。尚、入力回転変化率ΔNTが負の値の
場合目標入力回転変化率ΔNiは0に設定される。
次のステップS403では、(Di)nから次式に基づき、
デューティ率Dが演算して求められる。
D=(Di)n+KP・En+KD・ΔEn ここで、KPは比例ゲインを示し、KDは微分ゲインを示
している。
ステップS403にて、デューティ率Dが求められると、
次のステップS404に進み、このステップでは、フラグFL
GD1が1であるか否かが判別される。この場合、フラグF
LGD1はまだ0にリセットされたままであるから、ステッ
プS405に進む。このステップは、フラグFLGD2が1であ
るか否かが判別されるが、ここでも、同様にして、その
判別は否となるから、ステップS406が実施されることに
なる。
ステップS406では、前述したストローク量判別ルーチ
ンにて算出されている積分圧力値APが0.7XAP以上に達し
たか否かが判別される。つまり、ここでは、キックダウ
ンサーボ31に於いて、そのアクチュエータロッド79の現
在のストローク量が最大ストロークの70%以上に達した
か否かが判別される。ここでの判別が否である場合に
は、そのまま次の実行サイクルが実施されることで、既
に求めたデューティ率Dが使用さる。
しかしながら、ステップS406での判別が正となると、
次のステップS407に進み、このステップでは、現時点で
の入力軸20の入力回転数NTが所定時間Δt(例えば0.16
sec)の経過後に、最終的な目標入力回転数である1.50N
0に達するか否かを予測する。つまり、この予測は、次
式を満足するか否かを判別することでなされる。
(NT+ΔNT・Δt)≧1.50N0 ここで、所定時間Δtは、アクチュエータロッド79の
ストローク量が最大ストロークの70%以上に達した後、
最大ストロークに達するまでに要する時間を表してい
る。この所定時間Δtは、実験的に所定値に設定され
る。
ステップS407での判別が正であると、つまり、アクチ
ュエータロッド79が最大ストロークに達する前に、入力
回転数NTが最終的な目標入力回転数である1.50N0に達す
ると予測できる場合には、ステップS408に進み、ここ
で、フラグFLGD1に1がセットされる。このようにフラ
グFLGD1に一旦1がセットされると、次回の実行サイク
ルではステップS404の判定は常に正となるから、ステッ
プS405以降のステップは最早実施されることはない。
一方、ステップS407の判別が否となる場合、つまり、
第12図に示されているように、現時点から所定時間Δt
の経過後の予測入力回転数NTYが1.50N0に達せず、これ
を換言すれば、アクチュエータロッド79が既に最大スト
ロークに達しているにも拘らず、予測入力回転数NTYが
1.50N0に達していないと予測される場合には、ステップ
S409に進み、ここでは、デューティ率Dに所定量ΔD4
(例えば4%)が加えられ、また、フラグFLGD2に1が
セットされる。
従って、この後の実行サイクルでは、フラグFLGD1が
0に、フラグFLGD2が1にセットされているので、第7B
図に示すステップS406以降のステップが実施されること
なく、ステップS410が実施されることになる。即ち、ス
テップS407は、積分圧力値APが最大ストロークの70%以
上に達した時点で1回だけ実施される。
ステップS410では、入力回転数NTが1.50N0に達したか
否かが判別され、ここでの判別が否の場合には、単に次
の実行サイクルが実施される。つまり、この場合には、
デューティ率Dは、所定量ΔD4が増加されたまま維持さ
れることになる。しかしながら、ステップS410での判別
が正となった場合には、ステップS411が実施され、ここ
では、デューティ率Dに所定量ΔD4が減少されて、デュ
ーティ率Dは元の値に戻され、そして、フラグFLGD1に
1がセットされる。
従って、第12図に示されているように、デューティ率
Dが所定量ΔD4だけ増加されると、この状態は、入力回
転数NTが1.50N0に達するまで維持される。また、このよ
うにステップS407での判別が否となる場合、デューティ
率Dが増加されることで、フロントクラッチ24の係合解
除が促進されて、入力回転数NTの上昇を早めることがで
き、これにより、アクチュエータロッド79が最大ストロ
ーク、即ち、SE時点に達する前に、入力回転数NTは確実
に、その最終目標入力回転数である1.5N0に達すること
になる。
学習初期値演算ルーチン フィードバック制御ルーチンでは、前述したようにデ
ューティ率Dの演算ルーチンが実施された後、ステップ
S307を経て学習初期値演算ルーチンが実施され、このル
ーチンは、第8A図乃至第8D図に詳細に示されている。
先ず、ここでは、ステップS501に於いて、フラグFLGL
に1がセットされているか否かが判別されるが、この時
点では未だフラグFLGLは0にリセットされたままである
から、ここでの判別は否となり、次のステップS502、そ
して、ステップS503に進む。これらのステップでは、ス
テップS502に於いて、入力回転数NTが1.45N0以上に達し
たか否かが判別され、また、ステップS503では、入力回
転数NTが1.45N0−ΔN2以上であるか否かが判別される。
ここで、入力回転数NTがステップS503の条件を満たす程
に上昇されていない場合、つまり、入力回転数NTが未だ
低い場合には、ステップS502,S503での判別は何れも否
となるから、次には、ステップS504が実施される。
このステップS504では、前回求めた入力回転変化率
(ΔNT)n−1と今回求めた入力回転変化率(ΔNT)n
とが比較される。ここで、入力回転変化率(ΔNT)n−
1が入力回転変化率(ΔNT)nよりも小さい場合には、
つまり、ステップS504の判別が否となる場合には、この
ルーチンから抜けることになるが、しかしながら、その
判別が正である場合には、次のステップS505に於いて、
今回の入力回転変化率(ΔNT)nが最小変化率ΔNTmin
に代入される。
そして、次のステップS506では、最小変化率ΔNTmin
の値がこの時点での目標入力回転変化率ΔNi1に対し、
0.75ΔNi1>NTminの条件を満たすか否かが判別される。
ここでの判別が否となる場合には、このルーチンから抜
け、これに対し、その判別が正の場合には、次のステッ
プS507に進む。
このステップでは、前述した基準デューティ率DU2の
補正量ΔDaに所定量α(例えば、その4%)が加算され
て、補正量ΔDaが更新される。この後、次のステップS5
08が実施されて、フラグFLGLに1がセットされる。この
ようにしてフラグFLGLに1がセットされると、次の実行
サイクルでは、ステップS501の判別が正となるから、こ
の後、学習初期値演算ルーチンが実質的に実施されるこ
とはない。
第1の目標回転変化率ΔNi1が設定される期間に於け
る実入力回転変化率ΔNTの最小値が、0.75ΔNi1よりも
小であるということは、実入力回転数NTの立上げが小さ
いことを意味し、このような場合には初期のデューティ
率Dを大に設定して油圧を低下させる。
また、入力回転数NTが1.45N0−ΔN2≦NT≦1.45N0の条
件を満たす範囲にある場合には、ステップS502の判別は
否となるが、ステップS503の判別は正となるので、この
場合、ステップS509が実施される。このステップでは、
フラグFLGF1に1がセットされているか否かが判別され
るが、ここで、フラグFLGF1は、第6A図のフローチャー
トで説明したように、目標入力回転変化率ΔNiが前述し
たステップS310で実施される中間値にあるか否かを表し
ている。そこで、入力回転数NTが1.45N0−ΔN2に達した
直後では、ステップS509での判別が否となるから、ステ
ップS510に進み、このステップS510では、タイマTLがセ
ット、つまり、その作動が開始され始めて、このタイマ
TLによる時間計測が実施され、また、カウンタN及び加
算器SUMの値が夫々0にセットされる。
この後、次の実行サイクルでは、目標入力変化率ΔNi
が前述した中間値に設定されて、フラグFLGF1に1が既
にセットされているから、ステップS509の判定は正とな
り、次のステップS511が実施される。このステップで
は、タイマTLの値が所定時間XTL(例えば0.13sec)に達
したか否かが判別されるが、この時点では、その判別は
否となるから、ステップS512乃至S514が順次実施され
る。
先ず、ステップS512では、カウンタNの値が1だけ増
加され、ステップS513では、加算器SUMの値がその時点
の入力回転変化率ΔNTだけ増加される。そして、次のス
テップS514では、先のステップで求めたカウンタN及び
加算器SUMの値から、入力回転変化率ΔNTの平均値XAVが
算出される。即ち、この平均値XAVは、XAV=SUM÷Nか
ら求めることができる。
ここで、ステップS512乃至S514は、ステップS511での
判別が正となるか、又は、その前のステップS502の判別
が正となるまで、繰り返されることになる。従って、第
10図に示されているように、ステップS514にて算出され
る平均値XAVは、タイマTLにて所定時間XTLまで計測され
た場合、この所定時間XTL中での入力回転変化率ΔNTの
平均値となり、これに対し、所定時間XTLが経過する以
前にステップS502での判別が正となった場合にあって
は、目標入力回転変化率ΔNiがΔNi2に維持されている
時間XTMの間の入力回転変化率ΔNTの平均値となる。
ステップS502及びステップS511での判別が何れで正と
なっても、次には、ステップS515が実施される。このス
テップS515では、既に求められている入力回転変化率Δ
NTの平均値XAVが1.4ΔNi2よりも大きいか否かが判別さ
れる。ここで、ΔNi2は、その時点での目標入力回転変
化率である。
ステップS515での判別が正でる場合には、即ち、平均
値XAVが目標入力回転変化率ΔNi2よりも十分に大きい場
合には、ステップS516に進み、このステップS516にて、
フラグFLGD2に1がセットされているか否かが判別され
る。ここで、このフラグFLGD2は、前述したデューティ
率Dの演算ルーチンでの説明で明らかにしたように、デ
ューティ率Dが所定量ΔD4だけ加えられているか否かを
表している。従って、ステップS516での判別が否である
場合には、第12図に於いてデューティ率Dは、L1のフィ
ードバック制御でもって制御されているから、この場合
には、ステップS517に進み、ここでは、補正量ΔDaは、
その値から所定量αが減算される。即ち、この場合に
は、入力回転変化率ΔNTの平均値XAVがその時点での目
標入力回転変化率ΔNi2よりも十分に大きく、また、デ
ューティ率Dに所定量ΔD4の補償をも加えられていない
ことから、補正量ΔDaは、その値を減少するように補正
されることになる。
これに対し、ステップS516の判別が正となる場合に
は、ステップS518に進み、ここでは、補正量ΔDaは、そ
の値に所定量αが加算されることになる。この場合に
は、例え平均値XAVがその時点での目標入力回転変化率
ΔNi2よりも十分に大きくとも、第12図に於いてデュー
ティ率DはL2のフィードバック制御、つまり、デューテ
ィ率Dに所定量ΔD4が加えられた状況にあるから、補正
量ΔDaに於いては、その値を増加するように補正される
ことになる。
一方、ステップS515の判別が否である場合には、ステ
ップS519に進み、ここでは、入力回転変化率ΔNTの平均
値XAVが1.0ΔNi2よりも大きいか否かが判別される。こ
のステップS519の判別が否である場合には、平均値XAV
が目標入力回転変化率ΔNi2に対して小さ過ぎると判断
して、前述したステップS518に進み、補正量ΔDaは、そ
の値を増加するように補正される。これに対し、ステッ
プS519の判別が正の場合には、平均値XAVが目標入力回
転変化率ΔNi2に対して適切な値であるとして、ステッ
プS520に進み、このステップにて、フラグFLGLに1がセ
ットされる。尚、前述したステップS517,S518の何れが
実施された場合でも、ステップS520に至るから、ここで
も同様にしてフラグFLGLに1がセットされる。
フラグFLGLに1がセットされると、ステップS501での
判別は、常に正となるから、この時点で、学習初期値演
算ルーチンが終了して、このときの補正量ΔDa、即ち、
前述したフィードバック制御の開始時点に於けるデュー
ティ率D(D=DU2+ΔDa)が記憶されて保持される。
上述した3−2シフトダウンルーチンによれば、入力
軸20の入力回転数ΔNTが1.2N0に達した後、実入力回転
変化率を目標入力回転変化率ΔNiに追従させるように、
デューティ率Dをフィードバック制御するようにしたか
ら、第13図中に実線で示されているように、フィードバ
ック制御の開始後に於いては、出力軸50のトルク変動を
抑制して、3−2シフトの操作を実施できることが分か
る。この結果、3−2シフト時の変速ショックを低減し
て、円滑な3−2シフトを実施することができる。尚、
第13図に於いて、破線は、3−2シフトを実施する際、
デューティ率を単にオープンループ制御のみで制御した
場合の例を示しており、この破線の場合には、出力軸の
トルク変動が大きなものとなる。
また、この発明に於いては、デューティ率のフィード
バック制御を開始する際、その開始時点でのデューティ
率D、即ち、DU2+ΔDaを前回のフィードバック制御時
に学習して得た補正量ΔDaによって決定するようにした
から、次回のフィードバック制御開始時に、キックダウ
ンサーボ31の第1圧力室81に供給され、デューティ率に
より決定される油圧PKDの初期圧(初期係合力)は、最
適なものとなる。この結果、フィードバック制御を実施
するにあたり、そのゲインを可能な限り小さくできるか
ら、デューティ率にハンチングが生じたり、また、トル
ク変動が大となるようなこともない。更に、油圧PKDの
初期圧が最適に設定されると、入力回転数NTがその最終
的な目標入力回転数に達する時間を短縮することができ
るから、3−2シフト操作を迅速に完了できることにも
なる。
入力回転数NTの検出 そして、この発明の変速制御装置では、前述したデュ
ーティ率Dの演算ルーチンで説明したように、デューテ
ィ率Dを正確に求めるためには、入力軸20の入力回転数
NTを適切に検出しなければならない。しかしながら、入
力軸20の入力回転数NTに、エンジン2自体の回転変動や
急激なトルク変動に起因して、第14図中Zで示すように
捩じり振動が生じることは避けることができない。従っ
て、入力回転数NTをそのままセンサにより読み取り、そ
の読み取った入力回転数NTの値から入力回転変化率ΔNT
を算出すると、この入力回転変化率ΔNTの値は、上述の
捩じり振動の影響を受けることから、第15図に示される
ように不所望に大きく変動してしまうことになる。従っ
て、このような変動を伴う入力回転変化率ΔNTに基づい
て、ディーティ率Dを算出しても、このディーティ率D
は所望の値から外れてしまい、フィードバック制御を最
適に実施できない虞がある。
このため、この発明に於いては、前述した3−2シフ
トダウンルーチンでのステップS2に於いて、入力回転数
NTを読み取るとき、この入力回転数NTを、例えば次式に
基づいて平均化するようにしている。
NT=(NTn+NTn−1)/2 ここで、NTn−1は、前回の実行サイクルで検出した
値であり、また、NTnは、今回の実行サイクルで検出し
た値である。
このように入力回転数NTを上式に基づいて平均化して
求めるようにすれば、例え、入力回転数NTに捩じり振動
等に起因して変動が生じる場合であっても、その平均化
した入力回転数NTに基づき入力回転変化率ΔNTを算出す
ることにより、この入力回転変化率ΔNTは、第16図に示
されるように平滑化されることになる。このようにして
平滑化された入力回転変化率ΔNTは、実際の入力回転変
化率を正確に反映したものとなるから、この入力回転変
化率ΔNTに基づき、デューティ率Dを適切に制御でき、
この結果、そのフィードバック制御を高精度に実施でき
る。
この発明は、上述した一実施例に制約されるものでは
なく、種々の変形が可能であることは勿論である。例え
ば、自動変速機の具体的な構成、また、実施例中に記載
した具体的な数値等は適宜、変更することができるもの
である。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明の車両用自動変速機の
変速制御装置によれば、フィードバック制御の開始時点
での摩擦係合要素の初期係合力を入力軸の回転速度変化
に基づき、第1学習補正手段及び第2学習補正手段にて
学習補正しているので、その初期係合力が適正に設定で
きる。この結果、フィードバック制御でのゲインを可能
な限り小さく設定した上で、フィードバック制御中でハ
ンチングやトルク変動を抑制しつつ自動変速機の変速操
作を円滑に行え、その変速操作を迅速に完了させること
ができる。
また、第1学習補正手段は、フィードバック制御の前
期での入力軸の実際の回転速度変化率の最小値と目標回
転速度変化率とに基づき、摩擦係合要素の初期係合力を
学習補正し、そして、第2学習補正手段は、フィードバ
ック制御の後期での入力軸の実際の回転速度変化率の平
均値と目標回転速度変化率とに基づき、摩擦係合要素の
初期係合力を学習補正しているので、その初期係合力を
最適に設定することができる。
更に、フィードバック制御の前期及び後期は入力軸の
回転速度に応じて区分されているので、第1及び第2学
習補正手段による学習補正が摩擦係合要素の初期係合力
に適切に反映される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の一実施例を示し、第1図は、車両用
自動変速機の概略構成図、第2図は、キックダウンサー
ボ及びフロントクラッチ周囲の油圧回路図、第3A図及び
第3B図は、3−2シフトダウンルーチンを示すフローチ
ャート、第4A図、第4B図及び第4C図は、オープンループ
制御ルーチンを示すフローチャート、第5図は、ストロ
ーク量判別ルーチンを示すフローチャート、第6A図及び
第6B図は、フィードバック制御ルーチンを示すフローチ
ャート、第7A図、第7B図、第7C図は、デューティ率の演
算ルーチンを示すフローチャート、第8A図、第8B図、第
8C図及び第8D図は、学習初期値演算ルーチンを示すフロ
ーチャート、第9図は、車速とスロットル弁開度とによ
り決定される3−2シフト線のグラフ、第10図は、時間
に対するデューティ率、入力回転数及び目標入力回転変
化率の変化を示すグラフ、第11図は、デューティ率と油
圧との関係を示すグラフ、第12図は、デューティ率の補
正量を算出するにあたり、現時点での入力回転数及びデ
ィーティ率を実況を説明するためのグラフ、第13図は、
時間に対する出力軸のトルク及びデューティ率の変化を
示すグラフ、第14図は、時間に対する入力回転数の変化
を示すグラフ、第15図は、入力回転数を平滑化しない場
合の時間に対する入力回転変化率の変動を示すグラフ、
第16図は、入力回転数を平滑化して求めた場合での入力
回転変化率を示すグラフである。 24…フロントクラッチ、30…キックダウンブレーキ、31
…キックダウンサーボ、52…キックダウンドラム、59…
ピストン、65…電子制御装置、67…電磁弁、79…アクチ
ュエータロッド、81…第1圧力室、93…キックダウンス
イッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 61/00 - 61/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンからの回転力が入力される入力軸
    と、 駆動輪側に駆動力を出力する出力軸と、 前記入力軸と前記出力軸との間に配設され、複数の変速
    段を達成可能な歯車式変速装置と、 前記歯車式変速装置の任意の回転要素を選択して前記入
    力軸と前記出力軸との間の変速比を選択的に切り換える
    ための摩擦係合要素とを備えた車両用自動変速機の変速
    制御装置において、 前記入力軸の回転速度変化率を検出する回転速度変化率
    検出手段と、 前記複数の変速段のうち、所定の変速段への変速を指令
    する変速指令手段と、 前記変速指令に応じて前記入力軸の回転速度変化率が目
    標回転速度変化率となるように前記摩擦係合要素の係合
    力をフィードバック制御するフィードバック制御手段
    と、 前記フィードバック制御手段の制御開始時点における前
    記摩擦係合要素の初期係合力を学習補正する初期係合力
    学習手段と、 前記フィードバック制御の期間を少なくとも前期と後期
    とに分けるフィードバック制御期間分割手段と、 前記フィードバック制御の前期における目標回転速度変
    化率を第1目標回転速度変化率として設定する第1の目
    標回転速度変化率設定手段と、 前記フィードバック制御の後期における目標回転速度変
    化率を第2目標回転速度変化率として設定する第2の目
    標回転速度変化率設定手段とを備え、 前記初期係合力学習手段は、 前記フィードバック制御の前期における前記入力軸の実
    際の回転速度変化率と前記第1目標回転速度変化率とを
    比較し、この比較結果に応じて前記初期係合力を学習補
    正する第1学習補正手段と、 前記フィードバック制御の後期における前記入力軸の実
    際の回転速度変化率と前記第2目標回転速度変化率とを
    比較し、この比較結果に応じて前記初期係合力を学習補
    正する第2学習補正手段と、 を含むことを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記第1学習補正手段は、前記入力軸の実
    際の回転速度変化率の最小値と目標回転速度変化率とに
    基づいて、前記初期係合力を学習補正することを特徴と
    する請求項1に記載の車両用自動変速機の変速制御装
    置。
  3. 【請求項3】前記第2学習補正手段は、所定期間内にお
    ける前記入力軸の実際の回転速度変化率の平均値と目標
    回転速度変化率とに基づいて前記初期係合力を学習補正
    することを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速
    機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】前記入力軸の回転速度を検出する回転速度
    検出手段を更に備え、 前記フィードバック制御期間分割手段は、前記入力軸の
    回転速度に応じて前記フィードバック制御期間を分割す
    ることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機
    の変速制御装置。
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