JP2791508B2 - 浴槽の閉蓋制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、浴槽への湯張りや追い焚きや浴槽洗浄を行
う前に自動的に浴槽の蓋を閉る浴槽の閉蓋制御方法に関
するものである。

〔従来の技術〕

最近、浴槽に自動風呂釜が広く備えられるようになっ
てきており、また、浴槽に浴槽洗浄装置も備えられつつ
ある。自動風呂釜は、浴槽にポンプと追い焚き熱交換器
を組み込んだ追い焚き循環管路を接続し、この追い焚き
循環管路に電磁弁等の注湯開閉弁を介して給湯器の給湯
管を接続したものである。

この自動風呂釜を備えた浴槽では、注湯開閉弁を開け
て給湯器側からの湯を追い焚き循環管路を介して浴槽に
落とし込むことにより、浴槽への湯張りが行われ、ま
た、注湯開閉弁を閉じてポンプを起動し、浴槽１内の湯
水を追い焚き循環管路を通して循環させ、その循環湯水
を追い焚き熱交換器で加熱することにより風呂の追い焚
きが行われるものである。

一方、浴槽洗浄装置は、浴槽内壁面に向けて洗浄ノズ
ルを配置し、この洗浄ノズルに洗浄液を噴射すること
で、浴槽内壁面の汚れを落とし、然る後に、水や湯を洗
浄ノズルから浴槽内壁面に噴射して浴槽内壁面に付着し
ている洗浄液やその洗浄液により落とされた汚れ成分を
洗い流して浴槽の排水孔から排出するものである。

前記自動風呂釜を動作して湯張りや追い焚きを行うと
きには、湯が冷めないように浴槽に蓋をしてから行うの
が望ましく、また、浴槽洗浄装置を動作させるときも、
浴槽内壁面に噴射する洗浄液が浴室内に飛び散らないよ
うに蓋をした状態で行われるが、従来はその浴槽の蓋を
閉める作業は人手により行われていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、前記自動風呂釜や浴槽洗浄装置等に器
具を動作させるときに、いちいち人手により蓋を閉める
のは非常に面倒である。

本発明は上記課題を解決するためになされたものであ
り、その第１の目的は、自動風呂釜や浴槽洗浄装置がオ
ン指令されたときに、浸が開いているか否かを自動的に
検出し、蓋が開いているときには自動的に閉める浴槽の
閉蓋制御方法を提供することにあり、第２の目的はさら
に一歩進め、蓋が開いているときには浴室内の状況を判
断し、浴槽内で幼児等が遊んでいない等の安全を確認し
てから浴槽の蓋を自動的に閉める安全性を加味した浴槽
の閉蓋制御方法を提供することにある。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は上記目的を達成するために、次のように構成
されている。すなわち、本発明は、浴槽への給湯と追い
焚きと浴槽洗浄のうちの１つ以上の自動運転が可能な自
動器具が備えられている浴槽に対して蓋の開閉機構と蓋
の開閉検出手段を設け、前記自動器具がオン指令された
ときに開閉検出手段により浴槽の蓋の開閉状態を検出
し、蓋が開いているときには蓋の開閉機構を動作させて
蓋を閉めてから自動器具の自動運転を開始することを特
徴として構成されており、また、浴室に浴室内の人の有
無を検出する人体検出センサを設け、前記自動器具がオ
ン指令されたときに、浴槽の蓋が開いていることが検出
されたときには人体検出センサが浴室内に人がいないこ
とを検出しているときに、蓋の開閉機構を動作させて蓋
を閉め、自動器具の自動運転を開始することも本発明の
特徴的な構成とされており、さらに、浴槽の水位を検出
する水位検出手段を設け、自動器具がオン指令されたと
きに、蓋が開いていることが検出されたときには、前記
水位検出手段により浴槽に人が入浴していないことが検
出されたときに蓋を閉めてから自動器具の自動運転を開
始することや、さらに、浴槽の水位を検出する水位検出
手段と浴室内の人の有無を検出する人体検出センサをと
もに設け、自動器具がオン指令されたときに浴槽の蓋が
開いていることが検出されたときには、人体検出センサ
により浴室内に人がいないことが検出され、かつ、水位
検出手段により浴槽に人が入浴していないことが検出さ
れたときに、蓋の開閉機構を動作させて蓋を閉めてから
自動器具の自動運転を開始することも本発明の特徴的な
構成とされている。

〔作用〕

第１の発明では、自動器具がオン指令されたときに、
開閉検出手段により浴槽の蓋の開閉状態を検出し、蓋が
開いているときには、蓋を自動的に閉めてから自動器具
の自動運転を開始する。

さらに、浴室の人の有無を検出する人体検出センサや
浴槽内に人が入浴しているか否かを検出する水位検出セ
ンサを設けた第２以降の発明にあっては、自動器具がオ
ン指令されたときに、蓋が開いていても、直ちには閉め
ず、これら人体検出センサにより浴室内に人がいないこ
とを確認したり、浴槽内に人が入浴していないことを確
認してから蓋を閉め、自動器具の自動運転を開始する。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。第
１図には本発明の方法を適用する自動風呂釜を備えた風
呂システムが示されている。同図において、浴槽１の側
壁には戻り管２の戻り循環口側が接続され、戻り管２の
出口側はポンプ３の吸込側に接続されている。ポンプ３
の吐出側には往管４が接続され、往管４の出口側は追い
焚き熱交換器５を介して浴槽１の側壁に接続されて、浴
槽１内の湯水を戻り管２からポンプ3,追い焚き熱交換器
5,往管４を順に通して浴槽１に吐出する追い焚き循環管
路６が形成されている。前記戻り管２には浴槽１内の水
位を検出する水位検出センサとしての圧力センサ７と、
管内の開閉を行う電磁弁等の戻り管開閉弁８とが設けら
れており、また、往管４の追い焚き熱交換器５の入口側
には循環湯水の温度を検出する温度センサ10が設けられ
ている。

前記追い焚き熱交換器５の隣側には給湯器11の給湯熱
交換器12が設けられており、この給湯熱交換器12の出口
側に接続されている給湯管13は電磁弁等の注湯開閉弁14
を介して追い焚き循環管路６に接続されている。また、
給湯熱交換器12の出口側には出湯温度を検出するサーミ
スタ等の給湯温度センサ15が設けられている。給湯熱交
換器12の入口側には給水管16が接続されており、この給
水管16の先端側は管内の給水量を検出する流量センサ17
を介して水道等の水供給源に接続されている。

装置の運転制御を行う制御装置18にはリモコン20が接
続されており、このリモコン20には風呂の湯張りから追
い焚きにかけての動作を連続的に行わせる自動ボタン21
と、追い焚き動作のみを行わせる追い焚きボタン22と、
湯張り水位を設定する湯張り水位設定部23と、追い焚き
湯温を設定する追い焚き温度設定部24と、浴槽蓋の開閉
を手動で行う蓋開閉ボタン25と、浴室内に人がいるかい
ないかを人体から発せられる赤外線を感知して検出する
人体検出センサとしての赤外線センサ26とが設けられて
おり、このリモコン20は赤外線センサ26により浴室内の
人の有無を全方位的に検出できる浴室の任意の壁面位置
に取り付けられている。

前記浴槽１の上面側には蓋27が設けらており、この蓋
27には開閉機構が設けられている。

第２図および第３図は蓋の開閉機構28の一例を示した
もので、浴槽１の上端側の固定台部30には収容枠体29が
固定されており、この収容枠体29内にモータ31が固定さ
れている。このモータ31の出力軸32には駆動ギア33が固
定されている。

前記収容枠体29の両サイドには一対の軸受板34が設け
られている。蓋27の基端側の両サイドからはアーム板36
が後方（図の左方）に突設されており、そのアーム板36
には回転支軸35が設けられており、この回転支軸35が前
記軸受板34に設けた軸受孔に回転自在に嵌め込まれて蓋
27は軸受板34に回転自在に取り付けられている。蓋27の
基端側の中央部からは作動アーム37が後方（第２図の左
方向）に突設されており、作動アーム37の突出先端側は
二股状となっており、その二股部分に軸38が差し渡され
て固定されており、この軸38に従動ギア40が固定されて
いる。この従動ギア40は前記駆動ギア33と噛み合ってお
り、モータ31の回転により駆動ギア33が回転すると、従
動ギア40は駆動ギア33に噛み合いながら駆動ギア33の外
周に沿って前記回転支軸35を支点として転動し、蓋27が
回転支軸35を支点として開閉できるようになっている。
そして、この蓋27の開閉状態は、例えば、モータ31の出
力軸32の回転角度をエンコーダ等の開閉検出手段を用い
て検出されるようになっている。

前記制御装置18は第４図に示すように、信号入力部43
と、判断・命令部44と、タイマ42と、演算部45と、メモ
リ46とを有して構成されている。信号入力部43はリモコ
ン20の各ボタン21,22,25や設定部23,24からの信号と、
リモコン20に設けられている赤外線センサ26と、各温度
センサ10,15と、流量センサ17と、圧力センサ７と、蓋
の開閉検出手段との各検出信号を受け、これらに信号を
判断・命令部44に加える。判断・命令部44は前記信号入
力部33からの信号を受け、必要に応じ、タイマ42にタイ
マ動作を指令する。また、演算部45に対して流量センサ
17からの検出信号に基づき湯張り水量（給水量）を累積
演算させるとともに、圧力センサ７からの水位検出信号
を受けて浴槽水位の急上昇を検出して人が浴槽に入浴し
たことを検出し、さらに、赤外線センサ26からの検出信
号を受け、その信号出力の変化により人が浴室内にいる
かいないかを判断し、さらに、蓋の開閉検出手段からの
信号を受けて浴槽の蓋27の開閉状態を検出する。そし
て、メモリ46にあらかじめ与えられているプログラムに
従い、蓋27の開閉機構28を駆動するとともに、開閉弁8,
14の開閉と、ポンプ３の運転と、熱交換器5,12の加熱制
御を行い、自動ボタン21による湯張りから追い焚きにか
けての全自動運転と、追い焚きボタン22による追い焚き
運転を制御する。

本発明方法を適用する風呂システムは上記のように構
成されており、次に、第５図のフローチャートに基づ
き、第１の実施例の全自動運転の動作を説明する。

まず、自動ボタン21がオンされると、そのオン信号は
信号入力部43を経て判断・命令部44に加えられる。判断
・命令部44はこの信号を受けて自動運転モードの動作を
行うものと判断し、まずステップ101で浴槽１の蓋27が
開いているか否かの判断を行う。この判断は、蓋の開閉
検出手段からの信号を受け、モータ31の出力軸32の回転
角が閉蓋状態の定位置にあるか否かを判断し、出力軸32
の回転位置が前記閉蓋の定位置からずれているときには
蓋が開いているものと判断し、出力軸32の回転位置が定
位置に一致しているときには蓋が閉まっているものと判
断する。蓋が閉まっていると判断されたときには、ステ
ップ103以降の湯張りから追い焚きにかけての動作が行
われる。

これに対し、蓋が開いていると判断されたときには、
ステップ102で浴槽１の蓋27の閉蓋動作が行われる。こ
の動作は、モータ31を駆動し、出力軸32の回転位置を閉
蓋の基準となる定位置まで復帰回転することにより行わ
れる。この閉蓋動作が完了した後、ステップ103で戻り
管開閉弁８が開けられ、続いてステップ104で注湯開閉
弁14が開けられる。そうすると、給湯器11側で作り出さ
れた湯が追い焚き循環管路６側に供給され、その湯は往
管４を通って浴槽１内に落とし込まれる。この浴槽に落
とし込まれた湯の水位は圧力センサ７により時々刻々検
出される。

ステップ106では圧力センサ７で検出される検出水位
がリモコン20の湯張り水位設定部23で設定した設定水位
になったか否かが判断され、検出水位が設定水位になっ
たときにステップ107で湯張りの停止が指令され、ステ
ップ108で往湯開閉弁14が閉じられる。

次にステップ109以降の追い焚き動作が行われる。ス
テップ109では戻り管開閉弁８が開けられ、続いてステ
ップ110でポンプが起動される。そうすると、浴槽１内
の湯水は追い焚き循環管路６を通して循環し、この循環
湯水は追い焚き熱交換器５を通るときに加熱される。ス
テップ111では温度センサ10により検出される浴槽１内
の湯水の検出温度とリモコン20の追い焚き温度設定部24
で設定された温度との比較が行われ、検出温度が設定温
度よりも低いときは、追い焚き熱交換器５のバーナ燃焼
を行って循環湯水を加熱し、ステップ113で再び検出温
度と設定温度とが比較される。検出温度が設定温度より
も低いうちは追い焚き加熱がひき続き行われ、検出温度
が設定温度になったときには、ステップ114で追い焚き
熱交換器のバーナ燃焼が停止され、ステップ115でポン
プ３の停止が行われて追い焚き運転が終了する。

この第１の実施例では、自動ボタン21により全自動運
転の指令がなされたときに、まず、浴槽１の蓋27が開い
ているか否かが判断され、蓋が開いているときは自動的
に蓋を閉めてから湯張り動作に移行するので、人がわざ
わざ蓋を閉めた浴室に出向く必要がなくなり、非常に便
利となる。また、浴槽１の蓋27が完全に閉められてから
湯張りと追い焚き動作が行われるので、湯張りや追い焚
き中に湯が冷めやすくなるのを防ぐことができるととも
に、湯張り時等の湯気が浴室内に充満してじめじめした
り浴室内に黴が発生しやすくなるのを防止することがで
きる。

第６図には本発明の第２の実施例の要部を示すフロー
チャートの一部が示されている。この第２の実施例は、
自動ボタン21がオンされたときに、まず、判断・命令部
44は赤外線センサ26からの検出信号を受けてステップS1
0で浴室に人がいないかどうかを判断する。赤外線セン
サ26が人体から出る赤外線を感知したときには、その赤
外線の感知量に対応する信号出力の変化が現れる。判断
・命令部44はこの変化を検出したときに浴室内に人がい
るものと判断し、ステップS11で自動ボタン21がオン操
作されてからＴ時間経過したか否かの判断を行う。この
判断は自動ボタン21がオンされたときにタイマ42を動作
させ、Ｔ時間のタイムアップ信号がタイマ42から加えら
れたか否かによって行う。このＴ時間を経過しない間は
ステップS10で浴室に人がいるか否かの判断を繰り返し
行う。前記Ｔ時間が経過したときには、浴室から人が出
て行かないものと判断し、自動運転の動作を停止する。
ステップS10で浴室に人がいないものと判断されたとき
には、前記第５図のフローチャートのステップ101以降
の動作が行われ、浴槽１の蓋27が開いているときにはこ
れを閉めた後、湯張りと追い焚きが行われる。

この第２の実施例の動作では、浴室内に人がいるとき
には浴槽１の蓋27が開いていてもこれを閉めず、人が浴
室から出て行って浴室内に誰も人がいなくなったときに
蓋27を閉めるようにしている。このようにすれば、例え
ば浴槽内幼児等が遊んでいたとき、自動ボタン21がオン
操作されても、開いている蓋27が直ちに閉められて熱い
湯が注湯されることなく、非常に安全である。

第７図には本発明の第３の実施例の動作が示されてい
る。この第３の実施例の動作は、追い焚きボタン22がオ
ン操作されたときの追い焚きの動作を示すもので、追い
焚きボタン22がオン操作されたときに、浴槽内に人が入
浴しているかいないかの状況判断に応じて浴槽の蓋27を
閉めるか否かの判断を行うようにしている。すなわち、
追い焚きボタン22がオンされたときに、ステップ201で
浴槽内に人が入浴しているかいないかの判断を行う。こ
の判断は、圧力センサ７からの水位検出信号を受け、浴
槽１の水位が例えば数秒間に2cmあるいは3cmという如く
急上昇したときに、浴槽１に人が入浴したものと判断
し、浴槽１内に人が入浴している状態と判断する。その
逆に、水位が急減少したときには浴槽１から人が出たも
のと判断する。

ステップ201で人が浴槽に入浴していないものと判断
されたときには、ステップ202で蓋が開いているか否か
の判断が行われ、蓋の開閉検出手段からの検出信号によ
り蓋27が開いているものと判断されたときにはステップ
203で開閉機構28を駆動して蓋27を閉め、ステップ204か
ら211に至る追い焚き動作に移る。また、前記ステップ2
01で浴槽１に人が入浴しているものと判断されたときに
は、ステップ202と203の動作、つまり、蓋の閉蓋動作を
行わず、ステップ204から211の追い焚き動作に移る。こ
のステップ204から211の動作は、前記第５図のフローチ
ャートのステップ109から116の動作と全く同一なので、
その説明は省略する。

この第３の実施例では、追い焚きボタン22がオンされ
たときには、まず、浴槽に人が入浴していないか否か検
出し、浴槽に人が入浴しておらず、かつ、蓋27が開いて
いるときにはこれを閉めて湯を冷めにくくして追い焚き
を行うので効率よく追い焚きを行うことがきる。これに
対し、浴槽に人が入浴しているときには開いている蓋を
閉めることなく追い焚きを行うので、非常に安全であ
る。

第８図には本発明の第４図の実施例の動作を示すフロ
ーチャートの要部が示されている。この第４の実施例
は、浴室に人がいるかいないかのチェックと浴槽に人が
入っているかいないかのチェックの二重のチェックを行
って追い焚き動作を行うようにしたものである。この実
施例では、追い焚きボタン22がオンされると、ステップ
200で浴室に人がいないかどうかの判断が赤外線センサ2
6からの検出信号に基づいて行われる。浴室に人がいる
と判断されたときには蓋が開いていてもこれを閉めるこ
となく前記第７図のフローチャートのステップ204以降
の追い焚き動作に移る。浴室に人がいないものと判断さ
れたときには、ステップ201で浴槽に人が入浴している
かどうかの判断が圧力センサ７の水位検出信号に基づき
行われる。浴槽１内に人が入浴しているものと判断され
たときには赤外線センサ26と圧力センサ７のいずれか一
方が故障しているものと判断し、リモコン20等の表示部
（図示せず）等にエラー表示が行われる。すなわち、ス
テップ200で浴室に人がいないものと判断されたにもか
かわらず浴槽に人がいるものと判断されることは矛盾で
あり赤外線センサ26と圧力センサ７のいずれかが故障し
ていることとなる、前記エラー表示がされるのである。

ステップ201で浴槽に人がいないものと判断されたと
きには、前記第７図のステップ202以降の動作が行われ
る。すなわち、蓋27の開閉状態が検出され、蓋27が開い
ているときには蓋が閉められてから追い焚き動作が行わ
れる。

この第４の実施例では、追い焚きボタン22がオンされ
たときには、浴室に人がいないかどうかのチェックと浴
槽に人が入浴しているかどうかのチェックの二重チェッ
クが行われ、浴室に人がいたり浴槽に人が入浴している
ときには蓋27を閉めないようにしているので追い焚き動
作の安全性が高められることとなり、また、ステップ20
0の判断とステップ201の判断とで矛盾が生じたときには
エラー表示がされるので、センサ7,26の故障判断が直ち
に分かり、そのメンテナンスをいち早く行うことができ
るという効果が得られる。

なお、本発明は上記実施例に限定されることはなく、
様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施例で
は、浴槽１に自動風呂釜の自動器具を備えた場合につい
て説明したが、浴槽１に洗浄装置の自動器具を備えた場
合についても適用されるものである。この洗浄装置とし
ては、例えば、第９図に示すように、往管４の出口側を
分岐させ、分岐往管4aの出口側には弁機構を内蔵する洗
浄ノズル41aを接続し、分岐往管4bの出口側には同様な
洗浄ノズル41bを接続し、また、往管４には洗剤開閉弁4
9と洗剤タンク50とからなる洗剤投入手段39を設け、戻
り管２の戻り循環口側を戻り管開閉弁8a,8bを設けて戻
り分岐管2a,2bと分岐させ、リモコン20には浴槽洗浄か
ら湯張りを経て追い焚きに至る自動ボタン21と洗浄運転
のみを行う洗浄ボタン47を設けた洗浄装置を自動風呂釜
に組み込んで構成することができる。この装置により浴
槽洗浄を行う場合には、例えば、自動ボタン21や洗浄ボ
タン47がオンされたとき、蓋27の開閉状態を検出し、蓋
27が開いているときには蓋27を閉めてから洗浄動作を開
始する。この洗浄動作に際しては、浴槽１内を空にした
状態で、洗剤投入手段39から所定量の洗剤を往管４に投
入し、然る後に、往湯開閉弁14を開けて給湯器11側の湯
を追い焚き循環管路６を介して洗浄ノズル41a,41bと戻
り分岐管2bから浴槽１内に所定量落とし込むことにより
浴槽底面にポンプ３を正常に運転させるのに必要な最小
限の洗浄液（湯と洗剤との混合液）を溜める。この状態
で、戻り管開閉弁8bと注湯開閉弁14と洗浄ノズル41bを
閉め、戻り管開閉弁8aを開けた状態でポンプ３を起動す
ると、浴槽１内に溜められた洗浄液が戻り分岐管2a側の
循環管路を通り、追い焚き熱交換器５で加熱された後、
洗浄ノズル41aから浴槽内壁面に噴射して浴槽内壁面の
汚れが落とされる。この洗浄ノズル41aからの洗浄液の
噴射が所定時間なされた後に洗浄ノズル41bを開き41aを
閉じて洗浄液の流路を変え、今度は洗浄液を洗浄ノズル
41bから所定時間噴射する。この洗浄液の噴射が所定時
間行われた後に、ポンプ３を停止し、戻り管開閉弁8aを
閉じて給湯器11側からの湯を追い焚き循環管路６に供給
すると、その場は洗浄ノズル41bから浴槽内壁面に噴射
して浴槽内壁面に付着している汚れ成分を洗い流し浴槽
１から排出する。次に、洗浄ノズル41aを開けて41bを閉
じ、同様に給湯器11側からの湯を洗浄ノズル41aから浴
槽内壁面に噴射することで浴槽内壁面に付着している洗
浄液が洗い流されて排出される。また、給湯器11側から
の湯を戻り管２側に供給して浴槽内に送り込み排出する
ことで、戻り管２側の管路の洗浄が行われる。

この浴槽の洗浄に際しては、洗浄ノズル41a,41bから
加熱された洗浄液が噴射されるので、これが浴槽外に飛
び散ると危険があり、浴槽洗浄運転時には蓋27を閉めた
状態で行う必要がある。この例では前記第１の実施例と
同様に自動ボタン21や洗浄ボタン47がオン操作されたと
きに、浴槽の蓋27が開いているか否かを自動的に判断
し、蓋が開いていたときにはこれを閉めてから浴槽の自
動洗浄を行うので、人がわざわざ蓋を閉める面倒がなく
非常に便利なものとなる。

また、浴槽洗浄ボタン47がオンされたときに、浴室内
に人がいるかいないかを赤外線センサ26により検出した
り、浴槽１内に人が入浴しているか否かを判断し、人が
浴室にいたり浴槽に入浴しているときには洗浄指令がな
されても蓋27を閉めることなく洗浄動作の開始を行わず
に待機し、浴室や浴槽に人がいなくなったときに蓋を閉
めて洗浄動作を開始させるようにすることで、浴槽洗浄
運転の安全性を高めることが可能となる。

〔発明の効果〕

本発明は、湯張りや追い焚きや浴槽洗浄を自動的に行
う自動器具がオン操作されたときに、浴槽の蓋の開閉状
態を検出し、浴槽の蓋が開いているときには自動的にこ
れを閉めて前記自動器具の運転を開始するようにしたも
のであるから、自動器具を運転するときにわざわざ蓋が
開いているか否かを浴室まで出向いて確認して、蓋が開
いているときには人手によってこれを閉めるという面倒
がなく、非常に便利である。

また、浴室に人がいるかいないかを検出する人体検出
センサを設けたり、浴槽に人が入浴しているか否かを水
位センサにより検出する構成としたものにあっては、こ
れらの人体検出センサや水位検出センサにより人が浴室
や浴槽にいるものと判断されたときにはたとえば自動器
具がオン指令されても蓋を閉めないようにしてあるの
で、幼児等が浴槽内で遊んでいるような場合に、自動器
具がオン操作されて蓋が閉まり、浴槽内に熱い湯が注が
れたり洗浄ノズルから熱い洗浄液が噴射されたりする危
険を確実に防止することができ、より安全性の高い自動
器具を提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法を適用する一実施例の風呂システ
ム図、第２図は同システムを構成する浴槽蓋の開閉機構
を一部断面状態で示す平面図、第３図は第２図のＡ矢視
側面図、第４図は第１図のシステムを構成する制御装置
の要部を示すブロック図、第５図は本発明の第１の実施
例の動作を示すフローチャート、第６図は本発明の動作
の第２の実施例の一部を示すフローチャート、第７図は
本発明の第３の実施例の動作を示すフローチャート、第
８図は本発明の第４の実施例の動作の一部を示すフロー
チャート、第９図は洗浄装置の自動器具を備えた風呂シ
ステム図である。 １……浴槽、２……戻り管、2a,2b……戻り分岐管、３
……ポンプ、４……往管、4a,4b……分岐往管、５……
追い焚き熱交換器、６……追い焚き循環管路、７……圧
力センサ、8,8a,8b……戻り管開閉弁、10……温度セン
サ、11……給湯器、12……給湯熱交換器、13……給湯
管、14……注湯開閉弁、15……給湯温度センサ、16……
給水管、17……流量センサ、18……制御装置、20……リ
モコン、21……自動ボタン、22……追い焚きボタン、23
……湯張り水位設定部、24……追い焚き温度設定部、25
……蓋開閉ボタン、26……赤外線センサ、27……蓋、28
……開閉機構、29……収容枠体、30……固定台部、31…
…モータ、32……出力軸、33……駆動ギア、34……軸受
板、35……回転支軸、36……アーム板、37……作動アー
ム、38……軸、39……洗剤投入手段、40……従動ギア、
41a,41b……洗浄ノズル、42……タイマ、43……信号入
力部、44……判断・命令部、45……演算部、46……メモ
リ、47……洗浄ボタン、49……洗剤開閉弁、50……洗剤
タンク。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽への給湯と追い焚きと浴槽洗浄のうち
   の１つ以上の自動運転が可能な自動器具が備えられてい
   る浴槽に対して蓋の開閉機構と蓋の開閉検出手段を設
   け、前記自動器具がオン指令されたときに開閉検出手段
   により浴槽の蓋の開閉状態を検出し、蓋が開いていると
   きには蓋の開閉機構を動作させて蓋を閉めてから自動器
   具の自動運転を開始する浴槽の閉蓋制御方法。
2. 【請求項２】浴槽への給湯と追い焚きとは浴槽洗浄のう
   ちの１つ以上の自動運転が可能な自動器具が備えられて
   いる浴槽に対して蓋の開閉機構と蓋の開閉検出手段を設
   け、浴室には浴室内の人の有無を検出する人体検出セン
   サを設け、前記自動器具がオン指令されたときに開閉検
   出手段により浴槽の蓋の開閉状態を検出し、蓋が開いて
   いるときには人体検出センサにより浴室内に人がいない
   ことが検出されているときに蓋の開閉機構を動作させて
   蓋を閉めてから自動器具の自動運転を開始する閉蓋制御
   方法。
3. 【請求項３】浴槽への給湯と追い焚きと浴槽洗浄のうち
   の１つ以上の自動運転が可能な自動器具が備えられてい
   る浴槽に対して蓋の開閉機構と蓋の開閉検出手段を設け
   るとともに、浴槽の水位を検出する水位検出手段を設
   け、前記自動器具がオン指令されたときに開閉検出手段
   により浴槽の蓋の開閉状態を検出し、蓋が開いていると
   きには浴槽に人が入浴していないことが水位検出手段に
   より検出されているときに蓋の開閉機構を動作させて蓋
   を閉めてから自動器具の自動運転を開始する浴槽の閉蓋
   制御方法。
4. 【請求項４】浴槽への給湯と追い焚きと浴槽洗浄のうち
   の１つ以上の自動運転が可能な自動器具が備えられてい
   る浴槽に対して蓋の開閉機構と蓋の開閉検出手段を設け
   るとともに、浴槽の水位を検出する水位検出手段と浴室
   内の人の有無を検出する人体検出センサを設け、前記自
   動器具がオン指令されたときに開閉検出手段により浴槽
   の蓋の開閉状態を検出し、蓋が開いているときには浴槽
   が人がいないことが人体検出センサにより検出され、か
   つ、浴槽に人が入浴していないことが水位検出手段によ
   り検出されているときに蓋の開閉機構を動作させる蓋を
   閉めてから自動器具の自動運転を開始する浴槽の閉蓋制
   御方法。