JP2790447B2 - ミコバクテリウム・ツベルクロシスから抽出した複合多糖体およびその製造方法 - Google Patents
ミコバクテリウム・ツベルクロシスから抽出した複合多糖体およびその製造方法Info
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Description
ツベルクロシス(Mycobacteriumtube
rculosis)から抽出した抗癌作用を有する複合
多糖体およびその製造方法に関する。
ベルクロシス菌体抽出物に含まれる抗癌成分は主にその
菌体の細胞膜に存在するということとその主成分が多糖
体と脂質誘導体であることが明らかになり、アズマらは
該菌体から有効成分としてN−アセチルムラミル−L−
アラニル−D−イソグルタミン(MDP)を分離した
〔Azuma,L.,et al.,Fractiona
tion of mycobacterial cell
wall.Isolation of arabinos
e mycolate and arabinogala
ctan fromcell wall fractio
n of mycobacterium tubercu
losis strain Aoyama B.,J.Ba
ct.,96,1885−1887(1968)〕。な
お、1992年バーネスらはリポアラビノマンナンがサ
イトカイン生産を増進させると報告した〔Barne
s,P.F.,et al.,Cytokin Produ
ction induced by Mycobacte
rium tuberculosis lipoarab
inomannan,The J.of Immuno
l.,149,541−547(1992)〕。
スから遅延性過敏反応を起さず、かつ抗癌効果を持つ物
質を分離してツベルシン-3(Tubercin-3)と
命名し、ヒトの末期癌と癩病、そして実験動物の腫瘍に
使用したことがある〔Chung,T.H.,Anti-
tumor effect of a tuberculo
-protein complex,Tubercin-
3,and its isoelectrofocusi
ng analysis,J.of Korean Me
d.Ass.,17,427−431(1974);Ch
ung,T.H.,Song,J.Y.& Hong,S.
S.,Inhibitory effect of tub
erculo−protein complex,Tu
bercin-3,on three cases of
lepromatous leprosy,Yonse
i Med.J.,17,131−135(197
6)〕。
と肉芽腫性炎症性変化を起すが、特に肺が感染された場
合は、このような炎症性変化とともに空洞(cavit
y)が形成される。このような炎症性変化と空洞形成は
前記菌体の細胞壁構成成分中に含有される蛋白と複合脂
質成分が分泌されることによって誘発され得る。即ち、
癌治療に免疫療法を用いる場合、免疫療法に使用される
薬物が高分子量の多糖体成分または蛋白成分を含むと、
抗癌効果とは関係のない免疫反応や直接的炎症反応を誘
発する可能性が高くなるという問題がある。
は前記問題点を解決することにあり、ミコバクテリウム
・ツベルクロシス(Mycobacterium tu
berculosis)から得られる成分のうち、副作
用が殆ど無く、かつ優れた抗癌効果を有する複合多糖体
とこれを含む抗癌剤組成物およびその製造方法を提供す
る。
ウム・ツベルクロシスから分離した、マンノース、アラ
ビノース、グルコースおよびガラクトースが直鎖または
側鎖グリコシド結合して構成され、分子量が約7,00
0以下の複合多糖類に関する。
たミコバクテリウム・ツベルクロシス菌株を水浮遊液と
して得、この菌体液を加圧下加熱後濾過分離し、濾液に
スルホサリチル酸を加えて生成された沈殿を除去した後
透析し、透析液にリンタングステン酸を加えて生成され
た沈殿を除いた後更に透析し、透析液にエタノールを加
えることによって沈殿を得、この沈殿をエタノール−エ
ーテルで抽出する段階を含む。M.ツベルクロシスから
分離した本発明の複合多糖体はツベルシン-5(Tub
ercin-5)と命名した。
方法は下記の過程を含む。先ず、M.ツベルクロシス
(M.tuberculosis)培養菌体の水浮遊液
を高圧オートクレーブで加熱することによって菌体から
複合多糖体と蛋白との複合物質を抽出する。次いで、抽
出液にスルホサリチル酸およびリンタングステン酸を好
ましくはそれぞれ1〜10%および1〜15%の濃度と
なるように添加して蛋白を沈殿させ除去した後、使用さ
れた酸を透析によって除いて得られる溶液にエタノール
を加え生成した沈殿をエタノール−水(1:3)混液で
洗浄した後、トリス(Tris)−塩酸緩衝液−EDT
Aから成る混液にフェノール、エーテルおよびエタノー
ルで繰り返し抽出して残っている脂質または蛋白を除
き、次いでイオン交換樹脂カラムを通過させて抽出過程
中混入された無機物を除去して本発明の複合多糖体を分
離できる。
−5の構成単糖体の成分および結合方式を確認するため
に、ツベルシン-5をper-O-メチル化、酸加水分
解、還元およびアセチル化してGLC−MSを用いて分
析した結果、ツベルシン-5はアラビノマンナン構造を
示し、グルコース、アラビノースおよびマンノースを多
量に含有することが分かった。次いで、ツベルシン-5
を酸加水分解および中和して高速陰イオン交換クロマト
グラフィー(HPAEC)を実施した結果、単糖体およ
び多様な長さの多糖体が混合されていることを確認し、
これを4種類のアラビノマンナン分画として分取した。
の1H-NMR分析を行った結果、α−またはβ−フラノ
シルとα−ピラノシル残基とを有することを確認した。
また、13C-NMR分析の結果、5−結合形α−Ar
af残基、分枝位置で5−結合形α−Araf残基で
置換された分枝された(3→5)−結合形α−Araf
単位および二糖類であるβ−Araf(1→2)−α
−Arafと,二か所が同時置換された(3→5)結合
形α−Araf単位を有していることが確認された。
シン-5をO−アルキル化した後、部分的に酸加水分解
し、重水素化硼素ナトリウム(NaB2H4)で還元して
O−アルキル化オリゴ糖アルジトールを得、これをFA
B−MSで分析した結果、簡単な構造の(Man)
2と、多量の(Man)6(Ara)6(Glu)(Ga
l)と(Man)9(Ara)6(Glu)(Gal)を
含めてMan、Ara、GluおよびGalの多様な組
合体が存在することが明らかになった。
体ツベルシン-5はマンノース、アラビノース、グルコ
ースおよびガラクトースが直鎖または側鎖の形態でグリ
コシド結合された分子量約7,000以下の複合多糖体
であることが分かる。前記ツベルシン−5は糖の重合度
によって多様な分子量の化合物として存在するが、過敏
反応などの副作用を防止するためには分子量が7,00
0以下でなければならない。本発明のツベルシン-5は
好ましくは2,500ないし3,500の分子量の多糖体
からなるが、5,000ないし7,000の分子量を有す
るものも含まれる。
分離精製された純粋多糖体であるツベルシン-5は、色
々な癌、特に肺癌、胃癌および子宮頸部癌などの癌患者
の臨床症状を改善し生存期間を延長するのみでなく癌組
織を縮小または消滅させるが、過敏反応などの副作用が
なく、LD50が有効量とは比較にならない程度に高いの
で毒性のない安全な抗癌剤である。
して含む抗癌剤組成物は担体、希釈剤、充填剤、凝集防
止剤、潤滑剤、香味剤など薬剤学的に許容可能な通常の
賦形剤を含む。この組成物は公知の方法によって皮下注
射剤、静脈注射剤などの薬剤学的製剤に製造することが
でき、必要によって非経口的に投与できる。一日投与量
は皮下注射の場合、体重kg当り0.001ないし1μ
g、好ましくは0.01ないし0.5μgの量で使用する
ことができるが、患者の症状、年齢、性別、体重など色
々な条件によって調節できる。
説明する。但し、下記実施例は例示的なもので、本発明
の範囲がこれらのみで限定されるものではない。 〔実施例1〕ツベルシン−5の製造 M.ツベルクロシス(H37Rv:ATCC 2561
8)を250mlフラスコ内でサウトン培地〔Saut
on,B.,Sur la nutoitionmint
erale du tuberculux,Res.8,
Intern.Cong.Appl.Chem.,19,2
67−269(1912)〕に接種して37℃で4週間
培養した。培養菌体300gを約6,000gの水で希
釈し、得られた水浮遊液をオートクレーブ(15 l
b,120℃)で30分間加熱して多糖体と蛋白との複
合物質を抽出した後、3,500〜4,500rpmで3
0分間遠心分離して上澄液を分離した。上澄液をセイリ
(seily)装置で濾過し、ろ液を再びサンブラン
(shamblan)濾過器を通過させて細菌体を完全
に除いた。ろ液にスルホサリチル酸を10%濃度で加え
て遠心分離して黄褐色沈殿物(蛋白成分)を除いた後、
上澄液を透析用半透膜袋に入れて純水中に2〜3日間漬
けてスルホサリチル酸を純水中へ溶出させた。半透膜内
の膠質溶液を濃縮した後、リンタングステン酸を7%濃
度で添加して2次除蛋白処理し、3,500rpmで2
0分間遠心分離した。上澄液を透析用半透膜袋に入れて
純水中に3日間漬けて無機成分を除去した。透析液に、
エタノールを透析液量の5倍程度の量で加え、4℃で2
4時間静置して沈殿を得、これをエタノール−水(1:
3)混液で2回洗浄した。継続して洗浄された沈殿を、
20mMトリス−塩酸緩衝液(pH 8.0)−5mM
EDTAの混液中でフェノール、エーテルおよびエタノ
ールの混液で3回抽出して混入された脂質を除いた後、
バイオ−ゲルP4(Bio−Gel P4:Bio−R
ad Laboratories,USA)カラム(1.
2×65cmを用いて無機物を蒸留水で除去して本発明
の複合多糖体100mgを得た。
のために、ツベルシン-5を水に溶かして500μg/
mlの濃度にし、これと、対照群としての各種単糖体の
標準品および空試験液(blank solutio
n)とを、英国オックスフォードグリコシステムズ(O
xford Glyco Systems)社で開発した
方法を用いて構成単糖体を分析した。
r-O-メチル化、酸加水分解、還元およびアセチル化
し、per-O-トリメチルシリル(TMS)メチルグリ
コシドに変化させてGLC−MSシステムでそれぞれの
単糖体を分離および確認した。それぞれのTMS−メチ
ルグリコシドの定量分析にはFID(flame io
nization detector)を使用した。分
析の結果として、ツベルシン-5複合多糖体に存在する
グリコシル残基および比率と、該多糖体を構成する単糖
体の種類および相対比率は次の表1と表2にそれぞれ示
した。
ルシン-5多糖体はアラビノマンナン構造を示すが、こ
れは他の結核菌由来の多糖体構造と類似した傾向であ
る。また、4−結合マンノピラノース(Manp)残基
が存在するという事実と共に、アラビノースおよびマン
ノースが多量に存在し、次いでグルコースとガラクトー
スが少量に存在することが明らかになった。
塩酸に溶かし、70℃で24時間放置して加水分解した
後、6N水酸化ナトリウム溶液で中和して、パルス電流
検出機(pulsed amperometric de
tector:pad)が装着されたBio−LCを用
いて高速陰イオン交換クロマトグラフィー(HPAE
C)を実施した。この際、Carbo Pac PAガー
ドカラム(3×25mm)が付着されたダイオネクス
(Dionex)Carbo Pac PA1(4×25
0mm)カラムを使用し、ダイオネクス社のパルス電流
検出機に金で被覆された電極を検出機として使用した。
試料注入ループの容量は26μl,padのパルス電圧
はE1=0.05V,t1=480ms,E2=0.60
V,t2=120ms,E3=−80V,t3=60ms
にし、検出機の反応時間は1秒であった。溶出剤として
は1M酢酸ナトリウム(溶出剤1)、200mMまたは
375mMの水酸化ナトリウム(溶出剤2)、そして蒸
留水(溶出剤3)を使用し、溶出剤の勾配プログラムは
次の通りであった: (1)プログラムA: 溶出剤1:0分で5%、45分で50% 溶出剤2(200mM NaOH):0分から45分ま
で50% (2)プログラムB: 溶出剤1:0分で5%、5分で15%、20分で25
%、45分で35%、65分で45% 溶出剤2(375mM NaOH):0分から65分ま
で40% 流速は1ml/分で一定に維持した。
の溶液を用い、得られたピーク面積をμgまたはμmo
lに分けて補正(calibration)した。図1
は本発明のツベルシン-5を酸加水分解してパルス電流
検出機が装着されたBio−LCで分析した結果を示
す。図1からみるように、ツベルシン-5は単糖体およ
び多様な長さを有する多糖体の混合物であることを確認
し、溶出位置にしたがって炭水化物の重合度の同定が可
能であった。これを4種類の分画に分取して分析を継続
した。
の2H2Oに溶かした後、アセトン1μlを内部標準物質
として添加してNMR(Bruker ACE−30
0)で分析した結果、アセトンのピークを基準として13
C-NMRではδ31.4、1H-NMRではδ2.04の
領域でピークを検出した。図2は本発明のツベルシン−
5中に含有されたアラビノマンナン分画1,2,3およ
び4の1H-NMR分析結果で、分画1と3から糖鎖残基
の存在を確認することができた(分画1と3で、下側の
小さい矢印がβ−グルコシル残基のH−1と同定された
信号を意味する)。それぞれの多糖体に対応した他のア
ノマープロトンはδ5.0−4.5範囲内で信号を示す
が、これはα−またはβ−フラノシルおよびα−ピラノ
シル残基に該当するものである。
たアラビノマンナン分画1と3との13C-NMR分析結
果で、既に公開されたM.ツベルクロシスの可溶性アラ
ビノマンナンの同定結果〔Daffe,M.,Bren
nan,P.J.およびM.McNeil,J.Biol.
Chem.,265,6734−6743(199
0)〕に基づいて、アラビナン鎖の非還元性末端に該当
する共鳴値を求めることができた。即ち、末端t−β−
Araf(C−1,δ 101−102)がα−Ara
f(C−1,δ 106−108)の2番位置に結合さ
れており、この二糖体は、またα−Araf残基の3と
5番位置に結合されていることが分かった。残っている
AraとMan残基のフラノイド特性もアノマー炭素共
鳴位置(δ−107−109)で確認された。即ち、t
−β−Arafと2−結合形α−ArafのC−1、そ
の次にアラビノース残基とC−2、そしてt−β−Ar
afのC−5位置の核磁気共鳴資料は前記文献で既に発
表されたが、これと非常に類似であった。フラノシル残
基の場合、2−、3−および5−結合形Araf残基に
対する情報と5−結合形Galf残基に対する情報は既
存の資料を用い、δ 108と109との間に現れるC
−1共鳴の大部分がα−Araf/β−Galf単位に
該当することが分かった。〔Gorin,P.A.J.お
よびM.Mazulek,Carbohydrate R
es.,48,171−186(1976);Jose
leau,J.P.,Chambat,G.,Vigno
n,M.およびF.Barnoud,Carbohydr
ate Res.,58,165−175(1977);
およびMizutani,K.,Kasai,R.,Na
kamura,M.およびO.Tanaka,Carbo
hydrate Res.,185,27−38(198
9)〕。M.ツベルクロシスの細胞壁成分中二つの可溶
性アラビノマンナン分画に対応した13C-NMR結果が
相互類似したのは、それぞれの分画が相互同じ構造的モ
チブを有するのを示唆する。結果的にこれらアラビノマ
ンナン成分は少なくとも次の三つの構造を有することが
確認された: 5−結合形α−Araf残基、 分枝位置で5−結合形α−Araf残基で置換され
た、分枝された(3→5)−結合形α−Araf単位、
および 二糖類のβ−Araf(1→2)−α−Arafと2
か所が同時に置換された(3→5)−結合形α−Ara
f単位。
より正確な構造分析のために、per-O-メチル化され
たアラビノマンナン成分を1M CF3COOHで75℃
で1時間処理して部分的に酸加水分解させた後、NaB
2H4で還元させてオリゴ糖アルジトールを得、これから
per-O-アルキル化されたオリゴ糖アルジトールを調
製してFAB−MSで分析した。
糖アルジトールの陽イオンFAB−MS分析結果で、M
+Na+またはM+NH4+の大きい分子イオンピーク
を多数示しているが、ここで408は(Man)2、6
12は(Man)3、932は(Man)3(Ara)、
1862は(Man)4(Ara)6に該当し、多量存在
する2270は(Man)6(Ara)6(Glu)(G
al)、そして2882は(Man)9(Ara)9(G
lu)(Gal)の構造を各々有するものに対応する。
を次の表3に示した。下記表3でX部位にはグルカン、
即ちグルコース残基またはガラクトースを含有する糖鎖
がくることもできる。本発明のツベルシン-5中で最も
大きい分子量は7,000であり、2,500ないし3,
500の間のものがもっとも多く、5,000〜7,00
0の間のものも多少含まれる。
残基を表し、Xは分子量が3,000以上のポリサッカ
ライド中のグルコースおよびガラクトースの存在を意味
する。分子量が3,500以上のポリサッカライドはポ
リサッカライド全体の10%未満である。
水に2mg/mlの量で溶解させ、6週齢のマウス(I
CR mice;20〜25g)およびラット(SD r
at;150g)に色々な用量で静脈注射または皮下注
射(1回または連続投与)した後、生存可否を観察して
その結果を表4に示した。
50は、マウスとラットの全ての場合において静脈注射し
た際は20,000μg/kg以上、皮下注射した際は
50,000μg/kg以上であることが分かる。従っ
て、ヒトに治療的に有効な1日投与量が体重kg当り
0.001ないし1μg、好ましくは0.01ないし0.
5μgである点を考慮する際、ツベルシン−5は急性毒
性の側面においては安全なものとみなされる。
スとラットとに投与し14日間一般状態を観察して体重
の変化を測定し、15日目に全動物を犠牲・剖検して、
肝臓、腎臓、脾臓、胃、肺および心臓を肉眼で観察し、
10%ホルマリンに固定させ病理学的標本を作成し、ヘ
マトキシリン−エオシン染色を行い顕微鏡で観察した。
その結果、いづれの場合においても異常は発見されなか
った。
ァミド(シトキサン)との併用効果 平均体重22gの白色雄性マウス(ICR mice;
20〜25g)56匹を8匹づつ7個群に分けて分離収
容し、各動物に対してベイリッフの方法〔Bailli
f,R.N.,The solid phase of th
e Ehrlich ascites tumor in
mice,Cancer Research,15,5
54−558(1954)〕によって10%エルリヒ
(Ehrlich)腹水癌細胞液0.2ml(1.4×1
07細胞含有)を背面皮下に接種した。
試験液で処理した。0.2mlの0.9%生理食塩水を腹
腔に注射した対照群、ツベルシン-5を0.9%生理食塩
水に1μg/mlの量で溶解させ皮下に注射したツベル
シン-5単独投与群(1)、ツベルシン-5を0.9%生
理食塩水に2μg/mlの量で溶解させ皮下に注射した
ツベルシン-5単独投与群(2)、体重kg当り25m
gの市販抗癌剤シトキサンを0.2mlの水に溶解させ
腹腔に注射したシトキサン単独投与群(3)、体重kg
当り50mgのシトキサンを0.2mlの水に溶解させ
腹腔に注射したシトキサン単独投与群(4)、体重kg
当り25mgのシトキサン腹腔注射と1μgのツベルシ
ン-5皮下注射とを併行した投与群(5)、そして体重
kg当り50mgのシトキサン腹腔注射と1μgのツベ
ルシン-5皮下注射とを併行した投与群(6)の7ヶ群
を処理するにあたり、ツベルシン-5は動物の背面皮下
に、シトキサンは腹腔内に各々6回づつ注射した。
目にエーテル麻酔下に断頭して、背部に発生した固形癌
種を注意深く周囲組織と区別して切取した後、癌組織の
みを分離して測量した。各動物群の癌組織の重量は平均
値と誤差を計算して平均値の差はt−テストで検証し
た。その結果は下記表5に示した。
独およびシトキサン単独投与群においては、ほぼ同じ程
度の癌組織減少を示したが、二つを併行投与した場合は
癌組織が著しく減少した。この結果から本発明のツベル
シン-5を既存の抗癌剤と併用すれば癌治療にもっとも
効果的であることが分かる。
検索 前記製造例で製造したツベルシン-5を0.9%生理食塩
水に2μg/mlの量で溶解させて各種の癌患者の皮下
に毎日注射し、患者の臨床症状と各種検査学的所見を継
続的に観察した。
日以後から有効性を示し、場合によっては数年内抗癌性
が持続した。1985年から1995年までの間に治療
した各種癌患者らの中追跡が可能であった100名(男
64名;女36名)に対するツベルシン-5の効果を下
記表6に示す。
が一部癌腫瘍の衰退の徴候を示し、53名においては症
状が好転され、28名は反応を示さなかった。
ン-5は毒性または副作用が殆どない効果的な抗癌剤と
して使用でき得ることが分かる。
た本発明のツベルシン-5の酸加水分解物のクロマトグ
ラム
ビノマンナン分画1,2,3および4の1H-NMR分析
チャート
ビノマンナン分画1と3の13C-NMR分析チャート
ゴ糖アルジトールの陽イオンFAB−MS分析チャート
Claims (4)
- 【請求項1】 ミコバクテリウム・ツベルクロシスから
分離した、直鎖または側鎖の形態でグリコシド結合され
たマンノース、アラビノース、グルコースおよびガラク
トースを必須構成単糖体成分とする分子量約7,000
以下の複合多糖体。 - 【請求項2】 分子量が2,500ないし3,500であ
ることを特徴とする請求項1に記載の複合多糖体。 - 【請求項3】 ミコバクテリウム・ツベルクロシス菌を
培養して得られる菌体の水浮遊液を加圧下加熱後濾過し
て濾液を得る過程と、前記濾液にスルホサリチル酸を加
えることによって生成される沈殿を除いた溶液を透析し
て第一透析液を得る過程と、前記第一透析液にリンタン
グステン酸を加えることによって生成される沈殿を除い
た溶液を透析して第二透析液を得る過程と、前記第二透
析液にエタノールを加えることによって得られる沈殿を
エタノールとエーテルの混合物で洗浄する過程とを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の複合多糖体の製造方
法。 - 【請求項4】 請求項1記載の複合多糖体および薬剤学
的に許容可能な賦形剤を含む抗癌剤組成物。
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KR1019950048616A KR0173362B1 (ko) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 마이코박테리움 투버쿨로시스로 부터 추출한 복합다당체 및 이의 제조방법 |
KR1995-48616 | 1995-12-12 | ||
PCT/KR1997/000109 WO1998056941A1 (en) | 1995-12-12 | 1997-06-10 | Carbohydrate complex extracted from mycobacterium tuberculosis and process for the preparation thereof |
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JP8167147A Expired - Fee Related JP2790447B2 (ja) | 1995-12-12 | 1996-06-27 | ミコバクテリウム・ツベルクロシスから抽出した複合多糖体およびその製造方法 |
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