JPH0816118B2 - 抗ウイルス剤 - Google Patents

抗ウイルス剤

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JPH0816118B2
JPH0816118B2 JP63022998A JP2299888A JPH0816118B2 JP H0816118 B2 JPH0816118 B2 JP H0816118B2 JP 63022998 A JP63022998 A JP 63022998A JP 2299888 A JP2299888 A JP 2299888A JP H0816118 B2 JPH0816118 B2 JP H0816118B2
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sulfuric acid
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sugar
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成明 武藤
稔 大原
淳二 角地
親雄 吉汲
正明 高橋
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呉羽化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業の利用分野] 本発明は、カワラタケ属に属する担子菌由来の特定の
蛋白多糖体及び該蛋白多糖体を有効成分とする抗ウィル
ス剤に係り、特に抗レトロウィルス剤、就中抗エイズウ
ィルス剤に係る。
更に詳しくは、ゲル濾過クロマトグラフィーによる分
子量が50,000〜3,000,000を示し、α−ナフトール硫酸
反応,インドール硫酸反応,アンスロン硫酸反応,フェ
ノール硫酸反応,トリプトファン硫酸反応,ローリィフ
ォリン法及び塩酸加水分解後のニンヒドリン反応におい
て呈色反応を示し、ローリィフォリン法で定量した蛋白
質部重量/フェノール硫酸法で定量した糖質部重量が40
/60乃至70/30であり、水にとけ、ピリジン,クロロホル
ム,ベンゼン,ヘキサン,メタノールに不溶で、比旋光
度▲[α]25 D▼が−10°乃至30°を示し、赤外線吸収
スペクトルにおいて890cm-1に特性吸収を示し、蛋白質
部のアミノ酸の70%以上がアスパラギン酸,スレオニ
ン,セリン,グルタミン酸,グリシン,アラニン,バリ
ン及びロイシンよりなり、糖質部の75重量%以上がグル
コースとマンノースでその比の値が2乃至4であること
を特徴とする蛋白多糖体、及び該蛋白多糖体(以下、本
物質と略称する)を有効成分として含有する抗ウィルス
剤に関する。
[従来の技術] 抗エイズウィルス剤としてすでに使用されているアジ
ド−3′−デオキシチミジン(AZT)があげられるが、
この場合、正常細胞に対しても分裂阻害作用を示す副作
用がみられる。更に抗ウィルス剤としてのワクチンが用
いられていたが抗エイズウィルス剤としては有効でな
い。
一方、担子菌類から得られる蛋白多糖体及び蛋白多糖
体の製造方法としては以下のものが提案されている。
超遠心法による測定で分子量5000〜300000を示し、α
−ナフトール硫酸反応、インドール硫酸反応、アンスロ
ン硫酸反応、フェノール硫酸反応、トリプトファン硫酸
反応について糖類の呈色反応を示し、ローリィフォリン
法ならびに塩酸加水分解後のニンヒドリン反応について
ペプチド結合ならびにアミノ酸の呈色反応をそれぞれ示
し、プロトン核磁気共鳴スペクトル測定による吸収位置
が0.9±0.1ppm、1.2±0.1ppm、2.0±0.1ppm、4.5±0.1p
pm、4.7±0.1ppmであり、3.0〜4.4ppmにブロードな吸収
を有するものであり、0.5〜2.5ppmを蛋白部分のプロト
ン強度とし、2.5〜6.0ppmを糖質部分のプロトン強度と
した場合の糖質部分/蛋白部分の割合が55/45〜95/5の
範囲であり、4.9〜6.0ppmのα−グルカンに基く吸収を
示さないβ−グルカンより糖質部分が構成されており、
蛋白部分はアスパラギン酸、スレオニン、セリン、グル
タミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、システイ
ン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チ
ロシン、トリプトファン、フェニルアラニン、リジン、
ヒスチヂン、アルギニンより構成されていることを特徴
とする蛋白多糖体、及び担子菌の種菌を前培養して培地
表面に発育した菌苔を生理的食塩水と共にホモジナイズ
して生産培養の種菌とし、この種菌を静置又は深部培養
して菌糸体を生成せしめ、これを熱水、希アルカリ溶液
のような水性溶媒を用いて抽出し、この抽出物から抽出
残渣を除去した後に濃縮し、これに硫安などによる塩析
或は限外過などの操作を施して低分子物質を除去し、
精製して濃縮液とし、かようにして得られた濃縮液に、
硫安をその飽和度の25%に相当する量添加して生成する
沈澱を除去し、次に得られる液に、硫安をその飽和度の
40%に相当する量添加して生成する沈澱を採取し、透析
脱塩後DEAEセルロースカラムに吸着せしめ、ついで1モ
ルの塩化ナトリウム水溶液で溶出せしめて得られる溶出
液に、硫安をその飽和値の40%に相当する量添加し、生
成した沈澱を採取し、透析脱塩することによる該蛋白多
糖体を得る方法(特公昭55-23271); 超遠心法による分子量測定で5000乃至300000の分子量
を示し;α−ナフトール硫酸反応、インドール硫酸反
応、アンスロン硫酸反応、フェノール硫酸反応およびト
リプトファン硫酸反応で糖類の呈色反応を示し;元素分
析値が炭素43.5〜45.3%、水素5.7〜6.7%および残余が
酸素であり;比旋光度▲[α]25 D▼が70〜180°を示
し;赤外線吸収スペクトルにおいて840cm-1に特性吸収
を示し;核磁気共鳴スペクトルの測定による吸収位置が
3.7±0.1ppm、3.8±0.1ppm、5.0±0.1ppm、5.4±0.1ppm
であり;水に可溶性でピリジン、クロロホルムならびに
ヘキサンに不溶であって、D−グルコースを主要な構成
糖とすることを特徴とする多糖体(特公昭56-46481); 超遠心法による測定で5000〜300000の分子量を示し、
α−ナフトール硫酸反応、インドール硫酸反応、アンス
ロン硫酸反応、フェノール硫酸反応およびトリプトファ
ン硫酸反応について糖類の呈色反応を示し、ローリィフ
ォリン法ならびに塩酸加水分解後のニンヒドリン反応に
ついてペプチド結合とアミノ酸の呈色反応をそれぞれ示
し、プロトン核磁気共鳴スペクトル測定による吸収位置
が0.9±0.1ppm、1.2±0.1ppm、2.0±0.1ppm、4.5±0.1p
pm、4.7±0.1ppm、5.0±0.1ppm、5.4±0.1ppmであり、
3.0〜4.4ppmにブロードな吸収を有するものであり、0.5
〜2.5ppmを蛋白部分のプロトン強度、2.5〜6.0ppmを糖
質部分のプロトン強度とした場合の糖質部分/蛋白部分
の割合が55/45〜95/5の範囲であり、4.9〜6.0ppmのα−
グルカンに基く吸収と4.4〜4.9ppmのβ−グルカンに基
く吸収の強度比によるα/βが50/50〜10/90の範囲であ
るような糖質部分がβ−D−グルカンとα−D−グルカ
ンから形成されており、かつ蛋白部分がアスパラギン
酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グ
リシン、アラニン、システイン、バリン、メチオニン、
イソロイシン、ロイシン、チロシン、トリプトファン、
フェニルアラニン、リジン、ヒスチヂンおよびアルギニ
ンから構成されていることを特徴とする蛋白多糖体、及
び担子菌の種菌を前培養して培地表面に発育した菌苔を
生理的食塩水と共にホモジナイズして生産培養の種菌と
し、この種菌を静置又は深部培養して菌糸体を生成せし
め、これを熱水、希アルカリ溶液のような水性溶媒を用
いて抽出し、この抽出物から抽出残渣を除去した後に濃
縮し、これに硫安などによる塩析或は限外過などの操
作を施して低分子物質を除去し、精製して濃縮液とし、
かようにして得られた濃縮液に硫安を40%飽和せしめ、
生成する沈澱を除去し、次に硫安を60%飽和せしめて生
成する沈澱を採取し、透析脱塩後DEAEセルロースカラム
に吸着せしめ、ついで1モルの塩化ナトリウム水溶液で
溶出せしめて得られる溶出液に硫安を60%飽和せしめ、
生成した沈澱を採取し、透析脱塩することによる該蛋白
多糖体を得る方法(特公昭57-40159); カワラタケ属に属する菌の人口培養によって得た菌糸
体を、水又はこれに可溶性の少量の酸、塩基又は有機溶
媒を含む水系溶媒にて抽出することにより、その加水分
解物がモーリッシュ反応、アンスロン硫酸反応、トリプ
トファン硫酸反応、システイン硫酸反応、アミノグアニ
ジン硫酸反応、クロモトローブ酸硫酸反応、カルバゾー
ル・システイン硫酸反応、セリバノフ反応、ビアール反
応、アニリン塩酸反応、トレンス反応及びチオグリコー
ル酸硫酸反応については陽性、ニンヒドリン反応につい
ては弱陽性を示す特性を有する制癌性を有する多糖類を
得る方法(特公昭51-36322);及び カワラタケ属に属する担子菌を0.01N乃至2Nのアルカ
リ水溶液を用いて抽出し、得られる抽出液を限外過及
び又は逆滲透圧法により処理して、該抽出液中に含有さ
れる分子量5000以下の低分子物を除去することを特徴と
する含窒素多糖体の製造方法(特公昭56-14274)。
[発明が解決しようとする問題点] 最近B型肝炎、成人T細胞白血病更にはAIDSと近年次
々にウィルス病が話題の焦点となっている。
特に、AIDS(Acquired immunodeficiency Syndrome)
といわれる一連の後天性免疫不全症候群は患者を死に至
らしめる重篤な病気として注目されている。この病気の
原因はレトロウィルスの一種であるHIV(Human Immunod
eficiency Virus)がヒトのT4リンパ球細胞に吸着する
ことによって感染が始まり、他のリンパ系細胞に次々に
感染して免疫系を破壊することによって起こることが既
に研究されている。ウィルス病に対してはこれまでワク
チンによる予防接種で対応し、天然痘根絶をはじめ、黄
熱、ポリオの制圧がなされてきた。
しかし、AIDSなどのように持続感染や潜伏感染が問題
となる病気に対してはワクチンだけでは対抗できず、ま
たHIVの膜の性質上有効なワクチンの開発は難しいと考
えられており、安全で優れた効果を示す抗エイズウィル
ス剤の開発が期待されている。
そしてすでに抗エイズウィルス剤としてAZTが使用さ
れているが、正常細胞に対しても分裂阻害作用を示す副
作用がみられる。そこで副作用の少ない安全な抗エイズ
ウィルス剤の開発が待たれている。
本発明者らは、前述の通りすでに免疫系に対してBRM
(Biological Response Modifier)の働きをする多くの
蛋白多糖体を見出している。特にサルノコシカケ科に属
するカワラタケ属の担子菌より抽出された蛋白多糖体の
中の一種であるクレスチン(登録商標)は、抗腫瘍剤と
して既に市販されており、極めて低毒性で、且つ腸内菌
叢攪乱などの心配がなく、長期投与が可能である。ま
た、変異原性やアレルギー反応などにも影響を与えず、
従って健康な人に対する催奇形性や、アレルギー反応の
危険もなく、極めて安全な物質である。このようなサル
ノコシカケ科に属するカワラタケ属の担子菌より抽出さ
れた蛋白多糖体は、天然物質である担子菌から得られる
ものであって、多数の蛋白多糖体から成る複雑な化合物
を含有しているため、該抽出物の抗エイズ作用[HIVの
ヒト由来リンパ系細胞への吸着阻害活性、及びHIVの増
殖過程に必須の酵素であるRTase(逆転写酵素)活性阻
害]の有効成分物質の性格については未だ充分に解明が
なされていない。
本発明者等は、この有効物質の解明について鋭意検討
を重ねた結果、カワラタケ属に属する担子菌を培養して
得られる菌糸体又は子実体を熱水又はアルカリ性水溶液
で抽出し、飽和硫安塩析後得られる沈澱物を脱塩し、再
溶解し、飽和度25%硫安で塩析し再沈澱した沈澱物を透
析により脱塩し、得られた分画物をDEAEイオン交換セル
ロースカラムにて吸着させ、吸着画分を塩化ナトリウム
水溶液で溶出し、溶出液を透析、脱塩することによって
得られた本物質が抗ウィルス活性を有することを見出
し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
[問題点を解決する為の手段] 本物質は、ゲル濾過クロマトグラフィーによる分子量
が50,000〜3,000,000を示し、α−ナフトール硫酸反
応,インドール硫酸反応,アンスロン硫酸反応,フェノ
ール硫酸反応,トリプトファン硫酸反応,ローリィフォ
リン法及び塩酸加水分解後のニンヒドリン反応において
呈色反応を示し、ローリイフオリン法で定量した蛋白質
部重量/フェノール硫酸法で定量した糖質部重量が40/6
0乃至70/30であり、水にとけ、ピリジン,クロロホル
ム,ベンゼン,ヘキサン,メタノールに不溶で、比旋光
度▲[α]25 D▼が−10°乃至30°を示し、赤外線吸収
スペクトルにおいて890cm-1に特性吸収を示し、蛋白質
部のアミノ酸の70%以上がアスパラギン酸,スレオニ
ン,セリン,グルタミン酸,グリシン,アラニン,バリ
ン及びロイシンよりなり、糖質部の75重量%以上がグル
コースとマンノースであり、該グルコース及びマンノー
スの比の値が2乃至4であることを特徴とするものであ
る。
(1)本物質の調製 カワラタケ属に属する担子菌を培養して得られる菌糸
体または子実体を熱水またはアルカリ性水溶液によって
抽出し、飽和硫安塩析後得られる沈澱物を脱塩し、再溶
解し、(i)飽和度25%の硫安で塩析し再沈澱した沈澱
物を透析により脱塩し、次に得られた分画物をDEAEイオ
ン交換セルロースカラムに吸着させ、吸着画分について
塩化ナトリウム水溶液で溶出し、溶出液を限外過によ
り脱塩する、又は(ii)DEAEイオン交換セルロースカラ
ムで処理し、吸着画分について塩化ナトリウム水溶液で
溶出し、溶出液を限外過により脱塩し、次に飽和度25
%の硫安で塩析し、再沈澱した沈澱物を透析により脱塩
することにより本物質を得る。
以下に本物質の物理的ならびに化学的性質について述
べる。
(2)物理的ならびに化学的性質 分子量 ゲル濾過クロマトグラフィーによる分子量が50,000〜
3,000,000で、平均分子量は110,000〜300,000である。
呈色反応 本物質を水に溶解させ呈色反応を行った試験結果につ
いて下表に示す。
以上の呈色試験結果より本物質が糖質および蛋白質を
含有していることが明らかである。
溶解性 本物質は、水に溶解するがメタノール、ピリジン、ク
ロロホルム、ベンゼン、ヘキサンにはほとんど不溶であ
る。
pH値 本物質1gを100mlの水に溶解し、pHを測定したところ
6.0〜7.5であり、ほぼ中性である。
比旋光度 本物質の0.10%水溶液で旋光度を測定し比旋光度▲
[α]25 D▼を求めたところ−10°〜+30°の範囲であ
り、β−グリカンが主体であることが推定される。
元素分析値 本物質の元素分析を行ったところ、窒素値は5〜10
%、炭素値は35〜50%及び水素値は5〜7%を示す。
フェノール硫酸法で定量した糖質部とローリィフォリ
ン法で定量した蛋白質部は、糖質部重量/蛋白質部重量
比が60/40〜30/70で、好ましくは54/46〜35/65である。
(3)構造的特徴 本物質は蛋白多糖体であり、さらに分析を行い蛋白質
部の特徴、糖質部の特徴について以下に示す。
蛋白質部の特徴 本物質の蛋白質部分のアミノ酸組成を常法に従い加水
分解した後、アミノ酸分析装置を用いて分析した結果を
表−2に示す。
表−2 アミノ酸の種類 重量(%) アスパラギン酸 10〜19 スレオニン 4〜10 セリン 3〜11 グルタミン酸 10〜18 グリシン 6〜 9 アラニン 6〜13 バリン 5〜11 ロイシン 6〜 8 プロリン trace〜 8 シスチン trace メチオニン trace〜 4 イソロイシン 3〜 5 チロシン trace〜 3 フェニルアラニン 3〜 6 トリプトファン trace〜 2 リジン 1〜 4 ヒスチジン trace〜 2 アルギニン 1〜 4 (アンモニア) 1〜 6 上表より、本物質の有効成分の蛋白質部分はアミノ酸
18種を含有し、量的には酸性アミノ酸、中性アミノ酸が
主で、塩基性アミノ酸は少量である。また、これ等アミ
ノ酸のうちでアスパラギン酸、スレオニン、セリン、グ
ルタミン酸、グリシン、アラニン、バリンならびにロイ
シンで70%以上を占める。
糖質部の構成 本物質の糖質部の構成糖に関しては試料10mgに3%塩
酸メタノールを加え100℃で16時間メタノリシスを行っ
た後、常法によりトリメチルシリル化を行ってガスクロ
マト分析を行った結果によると、グルコース/マンノー
スの比の値は2〜4で主構成糖を示し、糖質部の75%以
上を占める。ガラクトース、キシロース、フコース、グ
ルコサミンなどの糖も認められる。また、本物質の糖質
部の主要な構成糖の一種であるグルコースのD、L区別
を確認するため本物質の加水分解物よりグルコースの結
晶を分離して測定したところ、その融点は143〜145℃で
あって該グルコースの結晶はD−グルコースの標品との
融点降下を示さなかったためD−グルコースである。
糖質部における構成糖の結合的特徴 グリコシドの結合位置の決定は次の様にして行った。
過ヨウ素酸酸化法、スミス分解法により得られた単糖よ
結合を確認し、ハウオース法によるメチル化加水分解で
構成比率を求める。なお同定は次の様にして行う。メチ
ル化物の加水分解によって生成した糖はアルディトール
アセテート、およびメチルグリコシドとしてガスクロマ
トグラフィーを行って同定し、さらにカラム液体クロマ
トグラフィーにより個々の加水分解物を単離しそれらを
直接結晶化させるか、あるいは結晶状誘導体に導くこと
によって確認する。なおモル比はアルディトールアセテ
ートのガスクロマトグラフ上の面積比より求めたもので
ある。
上表より明らかなように、本物質の糖質部はβ−1,4
結合が主体となっているものと解されるが、この糖質部
にはβ−1,3結合も存在し、さらに分枝が極めて多い構
造を示す。
即ち一般式(I)で示される構造が認められる。
(ただしGは単糖をpは0〜10、qは0〜5、mは0〜
2、nは3又は4、lは0〜1を示す。) 本物質の糖質部と蛋白質部の結合はグルコサミンを介
しての結合を主に含む。即ちグルコサミンのC3,C4,C6の
炭素に結合する水酸基のいずれかが糖鎖部分と結合し、
C1位の水酸基と蛋白質部分がN−グリコシド結合により
結合した構造である。
赤外線スペクトル 次に、本物質のKBr錠剤法による赤外線吸収スペクト
ルは添付図面の第1図に示す如くである。第1図におい
て3600〜3200cm-1のブロードな吸収は種々の度合に水素
結合したνOHに由来するものと考えられる。この吸収は
試料の糖質部の水酸基をO−メチル化すると減少或いは
消失することなどから推定できる。1700〜1600cm-1の吸
収は-NH2の、1530cm-1の吸収は−NHのそれぞれの変角振
動と考えられ、いずれも試料中の蛋白質部に起因するも
のと思われる。また1200〜1000cm-1のブロードな吸収は
糖質部のピラノース環C-O-C結合の非対称伸縮振動によ
ると考えられる。また890cm-1に糖質部のβ−配向によ
る特異吸収が見られるが、840cm-1にみられるα−配向
による特異吸収は殆ど認められない。なお、上記赤外線
吸収スペクトルは、本物質に関しては、いずれも有意な
差は認められない。
プロトン核磁気共鳴吸収(N.M.R) 本物質について、溶剤として重水を用い2,2ジメチル
−2シラノペンタン−3スルフォン酸ソーダ(D.S.S)
を内部標準として100MHzで測定する。第2図において4.
5ppmの吸収は1位のメチンプロトンの内β−(1-4),
β−(1-6)に関与するものであり、4.7ppmの吸収は1
位のメチンプロトンの内β−(1-3),β−(1-2)に関
与するものの吸収であることが知られていることから、
β−(1-4),β−(1-6)/β−(1-3)の比が測定で
きるが、分岐構造をも含むが故に詳細な構造解明にはメ
チル化法によらなければならない。又5.0ppmの吸収はα
−(1→6)の、5.4ppmの吸収はα−(1→4),α−
(1→3)に基づく。
本物質は、D.S.S.基準で0.9±0.1ppm,1.2±0.1ppm,2.
0±0.1ppm,4.5±0.1ppm,4.7±0.1ppmに吸収を有し、4.9
〜6.0ppmに吸収を示さず、3.0〜4.4ppmにブロードな吸
収を有するものである。0.5〜2.5ppmは蛋白部分の側鎖
プロトンに、2.5〜4.7ppmは糖質部分のプロトンに起因
している。
以上説明した如く、本物質はカワラタケ属の担子菌に
由来する蛋白多糖体より得られたα−グリカンを(N.M.
R.測定により)含まない新規なβ−糖ペプチドである。
尚、核酸の存在は認められない。
(4)急性毒性 本物質は、いずれもその毒性が極めて低く且つ副作用
もほとんど生起しないなど、生体に対して非常に安全な
物質である。
本物質の急性毒性値は、下記試験法により調べたもの
である。
マウスはICR-JCL系、4-5週令、体重21〜24gのもの
を、ラットは呑竜系、4-5週令、体重100〜150のものを
用いた。本物質の投与経路は、静脈内、皮下、腹こう内
および経口の四経路の投与を実施する。本物質を生理食
塩水に溶解して投与し、7日間にわたり、一般症状、死
亡ならびに体重について観察し、観察期間終了後に屠殺
剖検する。
表−4に示されるように、ラット、マウスとも投与可
能な最大投与量においてもまったく死亡例は認められ
ず、LD50値の算定が事実上不可能な程に、本物質は生体
に対して極めて安全である。
すなわち、本物質は急性毒性も極めて低く、安全な物
質である。
(5)抗ウィルス活性試験 一般にウィルスは、標的細胞に吸着し、ウィルスの核
酸が、細胞内に注入され、さらに細胞のゲノムにインテ
グレートされる過程を経てウィルスが複製されることが
知られている。また、特にレトロウィルスについては、
細胞のゲノムにインテグレートされる前に、ウィルス由
来の核酸であるRNAから、逆転写酵素の作用によってDNA
に転写される過程が必要である。
本発明者等は、本物質がHIVのヒト由来リンパ系細胞
への吸着およびそれに引き続く感染を阻害すること、お
よび、逆転写酵素活性を阻害することを見出した。すな
わち、HIVを50μg/mlの濃度の本物質(実施例1〜4の
本物質)で0℃にて2時間処理した後HIVを洗浄し、MT-
4細胞に加えて、3日間培養後のHIV抗原陽性細胞を測定
する方法にて、本物質の効果を検討したところ、本物質
による前処理により、いずれもHIV抗原陽性細胞がほと
んど消失し、HIVのヒト由来リンパ系細胞に対する強い
吸着阻害効果が認められた。一方、本物質の逆転写酵素
活性に及ぼす影響をラット肝臓全メッセンジャーRNAを
鋳型として測定したところ、本物質5μg/mlの濃度で強
い逆転写酵素活性の阻害がみられた。
本物質は抗ウィルス剤として用いる場合、任意の剤型
にすることができる。又投与も各経路で行なわれる。
経口投与の場合には、それに適用される錠剤、顆粒
剤、散剤、カプセル剤などは、それらの組成物中に製剤
上一般に使用される結合剤、包含剤、賦形剤、潤滑剤、
崩壊剤、湿潤剤のような添加物を含有していてもよく、
又経口用液体製剤として用いる場合は、内用水剤、振盪
合剤、懸濁液剤、乳剤、シロップ剤の形態であってもよ
く、又使用する前に再溶解させる乾燥生成物の形態であ
ってもよい。さらに、このような液体製剤は普通用いら
れる添加剤、保存剤のいずれを含有してもよい。注射用
の場合には、その組成物は安定剤、緩衝剤、保存剤、等
張化剤などの添加剤を含んでいてもよく、単位投与量サ
ンプル、又は多投与量容器中で提供される。なお、上記
組成物は水溶液、懸濁液、溶液、油性または水性ビヒク
ル中の乳液のような形態であってもよく、一方活性成分
は使用する前に適当なビヒクルたとえば発熱物質不含の
滅菌した水で再溶解させる粉末であってもよい。
本物質は人間及び動物に経口的または非経口的に投与
される。経口的投与は舌下投与を包含する。非経口的投
与は注射例えば皮下、筋肉、静脈注射、点滴などを含
む。本発明の抗ウィルス剤の投与量は動物か人間かによ
り、また年齢、個人差、病状などに影響されるので、場
合によっては下記範囲外の量を投与する場合も生ずる
が、一般に人間を対象とする場合、本物質の経口投与量
は体重1Kg、1日当り0.1〜1000mg、好ましくは1〜100m
gを1回から3回に分けて投与する。
[発明の効果] 本物質の特徴はウィルスの感染を阻害する作用をもつ
こと、特に逆転写酵素をもつレトロウィルスの感染を阻
害すること、就中、HIV感染によって引き起こされるAID
Sに有効であることを示すところにある。
更に本物質がHIVのヒト由来リンパ系細胞への吸着、
それに引き続く感染を阻害すること、及び逆転写酵素活
性を阻害する両作用を示すことは本物質の特徴である。
抗エイズウィルス剤としてすでに使用されているAZT
の場合、正常細胞に対しても分裂阻害作用を示す副作用
がみられるが、本物質は急性毒性も極めて低く、正常細
胞に対する副作用がほとんどみられず、安全な物質であ
り、ウィルス感染、特にレトロウィルス感染を阻害する
作用を示すことより抗ウィルス剤として有用である。即
ちウィルス感染症、特にレトロウィルス感染症、就中AI
DSに有効である。更に本発明の薬剤は、抗ウィルス剤と
して用いる場合AZTなどの他剤との併用においても効力
を減ずることがなく、これらのことから他の薬剤との併
用は有効な手段として使用し得る。
以下実施例を示して本発明を具体的に説明するが本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜4 カワラタケ属に属するCM101株(微工研受託番号PNo.2
412、実施例1及び2)、CM102株(同PNo.2413、実施例
3)、CM103株(同PNo.2414、実施例4)の各菌株を、
グルコース5%、ペプトン0.2%、酵母エキス0.3%、KH
2PO4 0.1%、MgSO4・7H2O 0.1%から成る培地組成30ml入
りの200ml三角フラスコに接種し、25〜27℃で10日間静
置培養し、培地表面に発育してきた菌苔を生理食塩水と
共にホモジナイズして種菌とした。次いで前記培地200m
lずつ入っている1.0l培養瓶に前記種菌を接種し、25〜2
7℃で25日間培養し各菌糸体を得た。菌体収量はCM101で
4〜4.3g/瓶1本当り、CM102で2.0〜2.5g及びCM103で2.
7〜3.2gであった。
次に、上記各菌体100gに対して3lの蒸留水を加え、98
℃−3時間攪拌抽出を行い抽出終了後、抽出液と抽出残
渣に分け抽出残渣は同様の抽出処理を更に繰り返して抽
出液を集め、遠心分離して抽出残渣を除いた後濾液を濃
縮した。
本濾液を100%硫安飽和溶液で沈澱せしめて沈澱物を
得、次いで沈澱物を水に再溶解してセルローズ膜を用い
て透析し、脱塩して得られた溶液を25%硫安溶液で処理
して得た沈澱物を前記同様に透析脱塩後DEAE−イオン交
換セルローズカラムに吸着せしめ、1モルの塩化ナトリ
ウム水溶液にて溶出せしめた。限外過により脱塩した
後、濃縮噴霧乾燥して本物質を得た。なお、実施例2〜
4のアルカリ抽出法とは残渣の再抽出において1/10N苛
性ソーダ液を水の代りに用い且つ抽出終了後pHを調節し
たことを除けば前記と同一操作である。
表−5においてKBr錠剤法で測定した本物質の赤外線
吸収スペクトルは第1図の如くであり、2600〜3200cm-1
のνOHの吸収、1700〜1600cm-1のNH2の変角振動、1530c
m-1のNHの変角振動、1200〜1000cm-1のブロードな吸収
はC-O-C環の糖質部ピラノース環の振動、890cm-1は糖質
部のβ配向による特異吸収は夫々見られたが、840cm-1
の吸収(α配向)は認めにくかった。
なお、赤外線吸収スペクトルは各試料とも大差ないた
め実施例1を代表として示した。
NMR測定はDSSを内部基準とし、溶剤として重水を用い
て測定した。尚、NMRスペクトルは各試料とも大差ない
ため実施例1を代表として示した。
分子量はセファロースカラムを用いたゲル濾過クロマ
トグラフィー測定により50,000〜3,000,000で平均分子
量は110,000〜300,000であった。
アミノ酸分析は常法に従い10mgの試料に6N塩酸4mlを
加え、ドライアイスアセトンで凍結後、減圧封管し、11
0℃で24時間加水分解後、乾燥して30〜40mlのpH2.2のク
エン酸緩衝液に溶解しアミノ酸分析装置を用いた。
比旋光度は試料の0.10%水溶液、5cmのセルを用いナ
トリウムのD線(589mμ)で旋光度を測定、旋光度αか
ら比旋光度▲[α]25 D▼を算出した。
糖質の構成単糖は試料3mgを5mmのガラスアンプルにと
り、1.0mlの3%塩化水素メタノールを加え100℃16時間
メタノリシスを行った後、室温にて塩酸を炭酸銀にて中
和濾過し、濾液を濃縮乾固したのち乾燥ピリジン0.5ml
に溶解し、これに0.2mlのヘキサメチルジシラザンと0.3
mlのトリメチルクロルシランを加えて30分間室温にて放
置し、トリメチルシリル化を行い、その終了後クロロホ
ルムに溶解し、過剰の試薬を水洗により除去し、脱水
後、濾液を蒸発乾固した。これを四塩化炭素にとかしガ
スクロマトグラフで測定した。
糖の結合様式の決定はハウオース法に従って行った。
即ち試料2gを1N NaOH溶液10mlにとかし、窒素気流中で4
0〜50℃に保ち、激しく攪拌しながらジメチル硫酸20ml
と30%水酸化ナトリウム溶液40mlを数時間かかって滴下
一夜放置後、同量のメチル化試薬で同様処理した。反応
液を中和後流水透析し、透析内液を減圧濃縮した後、上
記メチル化を3回反復した。再び中和透析した後減圧乾
固した。残留物をクロロホルム−メタノール(10:1)混
液20mlにとかし、これに石油エーテル−エーテル(1:
1)混液を加えてメチル化物を沈澱させた。次に、本メ
チル化物の約20mgを1N硫酸で100℃16hr加水分解し、加
水分解物を常法によりアルディトールアセテートに導い
てガスクロマトグラフ上のピーク面積よりモル比を求め
た。
上記各分解物は標準品を用いてガスクロマトグラフ上
で同定すると共に、カラム液体クロマトグラフィーを用
いて各々の加水分解物を単離し、結晶化させるか結晶状
誘導体を導くことにより確認したものである。
更に呈色反応、元素分析値、急性毒性(LD50)、pH
値、溶解性は常法により求めた。本文中に測定手順を具
体的に示したものについてはその手順に従って測定し
た。
上述のようにして得られる本物質の性質、構造的特徴
を総括して表示する。
本物質について、レトロウイルスが特異的に保持する
逆転写酵素の阻害度を以下の方法により測定した。
本物質の凍結乾燥品100μgを滅菌蒸留水10mlに溶解
した(濃度:10μg/ml)。
1μlの20mM D.T.T.(ジチオスレイトール:シグマ
社製)、5μlの5倍濃度酵素反応液(250mM Tris-HCl
(pH8.3)‐250mM KCl-40mM MgCl2)、1μlの3d NTP
溶液(1mM dATp-1mM GTP-1mM dTTP:シグマ社製)、2μ
lの100μg/mlオリゴ(dT)1218(PL-biochemicals社
製)、1μlのメッセンジャーRNA(正常ラット肝臓由
来:1μg/μl)、0.5μlのRNase Inhibitor(16unit/
μl:宝酒造社製)と1μlの[α−32P]dCTP(約800ci
/mmol,10μCi/μl:アマシャムジャパン社製)を1.5ml容
量のエッペンドルフチューブに加え、37℃ウォーターバ
ス中においた。
5分後、先に調製した10μg/ml濃度の本物質12.5μl
を反応チューブに添加し、更に1μlの逆転写酵素(7
ユニット/μl:宝酒造社製、Rous associated virus由
来)を加え、最終反応液量を25μlとして、37℃で反応
させた。
1時間後、5μlの反応液を2cm×2cmのDEAE紙(東洋
濾紙社製)にしみこませ、風乾後、濾紙1まいあたり10
mlの0.5M-Na2HPO4水溶液に浸し振盪しながら、濾紙上の
DNA合成に使用されなかった[α−32P]dCTPを洗浄した
(この操作を5分間おきに5回実施した)。
その後10mlの液体シンチレーションカクテル(アマシ
ャムジャパン社製)の入っているガラスバイヤル瓶に上
記DEAE紙を入れ、シンチレーションカウンター(アロカ
社製)にて1分間放射活性(c.p.m.)をカウントした。
逆転写酵素活性阻害率(%)は以下の式により求め
た。
Co:本物質非添加の放射活性 Cs:本物質添加の放射活性 結果を表−5に示した。
本物質によるHIV(AIDSウイルス)のヒトリンパ球へ
の吸着阻害は以下の方法により実施した(尚、すべての
操作は無菌条件下で行なった)。
HIV浮遊液1mlと本物質溶液(100μg/ml)1mlを試験管
に入れ、氷中に静置した。2時間後試験管から1mlのウ
イルス浮遊液をとり、ヒトリンパ球由来細胞株MT-4[Jp
n.J.Cancer Res.(Gann),28,219-229(1982)]に多
重感染度(M.O.I.)≒2でウイルスを吸着させた。遠心
分離(毎分2,000回転、10分間)後、上澄液をすて、沈
澱したMT-4細胞を20%FCSを含むRPMI1640(Gibco Labor
atories,NY)中に細胞濃度2×105/mlになるように浮遊
させた。
96穴プレートに上記MT-4細胞浮遊液を100μlずつ分
注して、5%CO2、37℃の条件下で培養した。培養3日
目に間接蛍光抗体法によりHIV感染吸着と非吸着細胞を
算出した。
すなわち、MT-4細胞をメタノール処理により固定化
し、抗HIV感染患者血清と37℃で反応させた。30分後PBS
で細胞を洗浄し、フルオレッセインイソチオシアネート
結合ウサギ抗ヒトIgG(免疫グロブリン)と37℃で反応
させた。
蛍光顕微鏡下で、500個のMT-4細胞を観察し、蛍光陽
性細胞をHIV吸着細胞として、蛍光陰性細胞をHIV非吸着
細胞として次式で算出した。
結果を表−5に示した。
比較例1 クレスチンについて逆転写酵素活性阻害率、HIV吸着
阻害率を実施例1〜4と同じ条件で測定してそれぞれ10
%以下の値であった。
実施例5 圧力式自動充填機を用い、0号硬カプセルに実施例1
の物質を330mg充填しカプセルを作成した。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた本物質の赤外線吸収スペク
トル図を示し、第2図は同物質のNMRスペクトル図を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:645)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲル濾過クロマトグラフィーによる分子量
    が50,000〜3,000,000を示し、α−ナフトール硫酸反
    応,インドール硫酸反応,アンスロン硫酸反応,フェノ
    ール硫酸反応,トリプトファン硫酸反応,ローリィフォ
    リン法及び塩酸加水分解後のニンヒドリン反応において
    呈色反応を示し、ローリィフォリン法で定量した蛋白質
    部重量/フェノール硫酸法で定量した糖質部重量が40/6
    0乃至70/30であり、水にとけ、ピリジン,クロロホル
    ム,ベンゼン,ヘキサン,メタノールに不溶で、比旋光
    度[α]D 25が−10°乃至30°を示し、赤外線吸収スペ
    クトルにおいて890cm-1に特性吸収を示し、蛋白質部の
    アミノ酸の70%以上がアスパラギン酸,スレオニン,セ
    リン,グルタミン酸,グリシン,アラニン,バリン及び
    ロイシンよりなり、糖質部の75%重量以上がグルコース
    とマンノースでその比の値が2乃至4であることを特徴
    とする蛋白多糖体。
  2. 【請求項2】平均分子量が110,000〜300,000であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の蛋白多糖
    体。
  3. 【請求項3】糖質部の構造が次式(I) (ただしGは単糖をpは0〜10、qは0〜5、mは0〜
    2、nは3又は4、lは0〜1を示す。)で表わされる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の蛋白多糖
    体。
  4. 【請求項4】糖質部がグルコサミンを介して蛋白質部分
    と結合していることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の蛋白多糖体。
  5. 【請求項5】カワラタケ属に属する担子菌の抽出物の飽
    和硫安により沈澱物を脱塩し、再溶解し、硫安飽和度が
    25%で生成する沈澱を脱塩後、DEAEイオン交換セルロー
    スカラムに吸着せしめ、次いで塩化ナトリウム水溶液で
    溶出し、脱塩して得られることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の蛋白多糖体。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項記載の蛋白多糖体を
    有効成分として含有することを特徴とする抗レトロウィ
    ルス剤。
  7. 【請求項7】抗エイズウィルス剤であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第6項記載の抗レトロウィルス剤。
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