JP2790345B2 - 射出成形加工品の製造方法 - Google Patents

射出成形加工品の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 熱可塑性樹脂(以下樹脂という)よりなる射出成形加
工品の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
樹脂の成形加工品の製造においては、スクリュー、加
熱筒を有する加熱溶融成形機を使用し、かつ成形加工品
の形状にあわせて、射出成形、押出成形などの手段を採
用し、たとえば自動車のバンパー、食品包装用フィル
ム、カセットテープ用ケース、塩ビ水道管等の形状に賦
型するのが通常である。
これ等の成形加工中に、成形機内に滞留している溶融
樹脂は、常に熱による分解ないしゲル化および共存する
空気中の酸素の影響による酸化が時間とともに進行する
といわれている。
これ等の熱あるいは酸素による樹脂の劣化、すなわ
ち、溶融樹脂の粘度変化、成形品の機械物性の低下およ
び変色等の現象、ならびに溶融樹脂中へのガスの混入に
よる成形加工品への悪影響、すなわち成形品の外観不
良、内部空洞化等の不良現象を防止するために、押出成
形においては、スクリュー中央部に樹脂圧力を開放する
ための溝を構成し、その場所に相対する加熱筒壁にガス
抜きのためのベント孔を設け、場合によって減圧するこ
とにより空気、分解ガス等を除去する方法が採用されて
いる。
また、特殊な例として、易分解性の樹脂を押出成形す
る場合、滞留時間が長くかつ熱履歴を多く受ける前述の
ベントタイプ押出機の使用を避けて、できるだけ短いス
クリューを持つノーベントタイプの押出機を使用し、原
料供給ラインを含めて窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰
囲気にし、場合によってはさらに減圧する方法が採用さ
れることも知られている。
一方、射出成形の場合においては、上記したノーベン
トタイプに相当するものが多用され、一部の成形機メー
カーより、前記と同様のベントタイプの成形機が供給さ
れているが、一般的ではない。
この理由は、押出成形機に比較して加熱筒内での圧力
変動が大きく、しかも射出時には、場合によって数千Kg
/cm2の、押出の場合の約10倍の加圧状態となり、ベント
孔より溶融樹脂が噴出する危険をはらむことと、樹脂の
熱劣化の問題によりできるだけスクリューを短くし、滞
留時間を短縮したいからである。
特開昭62−152714号公報には、ホッパー部に真空吸引
口を設けインジェクションユニットおよびホッパー内を
真空吸引下に射出成形する方法が開示されている。しか
しながら、本発明者らの知見によればこの方法による場
合は、しばしばスクリューのカップリング部より吸引さ
れる空気中に同伴された水分がホッパー内の樹脂層を通
過する際に吸収されたり、加熱筒内の溶融樹脂からの分
解物である高沸成分および低沸成分等をホッパー内の樹
脂が吸収蓄積して成形加工品の表面外観、物性等の品質
を異常に低下せしめることがしばしば認められ、このよ
うな季節によるまた機構上の解決課題が認められた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的とするところは、上記のような易分解性
の樹脂の成形、レンズ等の精密光学部品の成形および40
0℃前後のような超高温下での成形において、前記した
不良現象を未然に解決する射出成形加工品の製造方法を
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するため、本発明者らは種々検討を重
ねた結果、合理的解決方法を見出して本発明を完成させ
た。
すなわち、本発明は樹脂の溶融射出成形加工におい
て、スクリューのカップリング部に真空系を連結して、
成形機内を真空にすることを特徴とする射出成形加工品
の製造方法である。
本発明の対象とする熱可塑性樹脂としては、ポリカー
ボネート樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニール樹脂、ポ
リアクリルニトリル樹脂等の一般的に易分解性といわれ
る樹脂を始め、最近開発されたポリエーテルサルフォン
樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂等の400℃前後の従来の
樹脂と比較してはるかに高温で成形しなければならない
樹脂が挙げられ、これらの樹脂の射出成形に適用すれば
その効果は劇的に有効となる。
第1図は本発明の熱可塑性樹脂の射出成形加工品の製
造方法に好適に使用し得る射出成形機の1例を示す図で
ある。
第1図において、1は原料供給ホッパーであり、2は
加熱筒、3はスクリューを示す。この成形機はスクリュ
ー前進後退機構を含む油圧ラム等の射出機構部4とスク
リュー回転機構部5およびスクリューとの作用によっ
て、ホッパー1内の樹脂が加熱筒2内において可塑化さ
れ、図示されていない金型内に射出される。
本発明においては、スクリュー回転機構部5によって
回転するスクリュー3と、そのスクリュー3をピストン
として高速で前進させる油圧ラム部である射出機構部4
とのカップリング部6に真空系7を連結することによっ
て成形機加熱筒内を真空にする方法が採用される。真空
系7は通常、真空計8と図示されてない真空ポンプが少
なくとも付帯される。
スクリュー3とそれを駆動する射出機構部4とのカッ
プリング部6には、油圧ラム部の動作を観察するための
開口部があり、ステンレス等の金属板およびシリコンゴ
ム等のパッキンを使用し、大気より密閉化することによ
り余分な空気を吸引しないようにすることが必要であ
る。射出成形機の機種によっては、すでに密閉化されて
いるものもあり、この場合は、ケースに真空にする為の
ノズルを設けるとともに、空気漏れのないようにケース
の接続部をパッキンあるいはOリングで補修する必要が
ある。油圧を使用していない電動式射出成形機の場合も
同様に、スクリューのホッパー下より駆動部のいずれか
の場所から吸引可能な構造に改造することが必要であ
る。
一方、原料供給ホッパーにリブ補強等を施し、真空に
耐える構造にすることが事前の準備として好ましい。ま
た、ホッパー1の低部と加熱筒2との連結部ないしはス
クリュー空間との間にはシール部材9を付設することが
好ましい。
本発明の方法において通常採用される真空系の真空度
は、真空圧計の指示として通常−700mmHg以下、好まし
くは−750mmHg以下の真空度とすることが好ましく、こ
のような真空系を容易に得ることができる容量の真空ポ
ンプを使用することが好ましい。このような目的に好ま
しく採用される真空ポンプの種類はオイルポンプ、水封
式ナッシュポンプ等の上記条件を満たすものが挙げられ
る。
〔作用〕
本発明の方法により成形機内を真空に吸引することに
より、加熱筒内のスクリュー溝内に滞留している未溶融
あるいは溶融状態の樹脂より放出されるガスや、原料供
給とともに同伴された混入ガスはスクリューと加熱筒の
約50〜100μmのクリアランスを通り、ホッパー1中の
樹脂と向流することなく、カップリング部6を経由して
系外へ排出される。
本発明による方法を採用すると加熱筒内の樹脂の滞留
時間が増加しても、樹脂の劣化に伴う黒コゲ状の異物の
発生が少なく、従来法のような異物のパージに気を払う
ことが少なくなる。
また、仕上がった射出成形加工品の外観および、ガス
の巻き込みによる内部空洞も著しく改良され、この点に
おいても大きな効果が期待できる。
また、従来法による場合において射出成形中に何らか
の原因で運転を中断した際、その都度加熱筒内の樹脂を
全量排出し、トラブル等の解消後に再運転する場合に
は、加熱筒内に生じた分解物あるいはゲル化物を数回〜
数十回空打ちして除去する必要があったが、本発明の方
法の採用によりこのような必要性も大幅に減少した。
〔実 施 例〕
実施例および比較例に用いた諸原料を一括して次に示
す。
三井東圧化学社製 ポリアクリロニトリル樹脂 商品
名 バレックス1010 三井東圧化学社製 AS樹脂 商品名 ライタックA200
PC ユニチカ社製 ポリアクリレート樹脂 商品名 Uポ
リマー U−100 ICI社製 ポリエーテル サルフォン樹脂 商品名
ビックトレックス 4100G 三井東圧化学社製 熱可塑性ポリイミド樹脂 商品名
NEW−TPI #450 射出成形機は日本製鋼所製の型締能力75ton機(商品
名J75SA)で、加熱筒は内直径32mm、スクリュー有効長
さ736mmのものを使用し、原料供給ホッパーはシリコン
ゴムパッキンを使用し真空下でガス漏れのないよう整備
し、さらに、カップリング部は厚さ2mmのSUS板を加工
し、シリコンゴムパッキンを使用し、カップリング部に
開口する100mm角の覗き窓をふさぎ、真空下でガス漏れ
のないよう密閉化を行った。
毎分200の吸引能力をもつオイル封止式真空ポンプ
をカップリング部に接続し、加熱筒内に溶融樹脂が充填
されている状態で真空計の指示が−750mmHg以下となる
ように各パッキン部の締め付けを調節した。
先ず、比較例Aとして第1表に示すように、前述の諸
原料〜について、各々の加熱筒温度に設定した後、
真空ポンプを作動させない状態で、成形サイクルを徐々
に長くし、すなわち、加熱筒内での溶融樹脂の滞留時間
を徐々に長くし、得られた射出成形物の表面にガスによ
る外観不良現象(以下シルバーという)が発生し始める
サイクル時間を求めた。
なお、使用した冷却金型は50mm×50mm厚さ2mmの平板
でスプルー、ランナーを含む製品容量は約10mlである。
各々の原料〜を射出成形したときの金型温度を第1
表に示す。
次に実施例として比較例Aと全く同じ成形条件下で、
密閉されたカップリング部より真空吸引しながら射出成
形を行い、射出成形物の表面にシルバーが発生し始める
サイクル時間を求めた。
結果を第1表に併記した。
次に、比較例Bとして特開昭62−152714号公報による
方法、すなわち、カップリング部6を密閉化せず、大気
開放状態で、ホッパー1に真空系7と同一構造の真空系
(図示せず)を接続し、実施例と同様に真空吸引を行な
ったが、カップリング部6より吸引される空気の量が多
く、真空計8の指示は−550〜−650mmHgを示し−700mmH
g以下になる事はなかった。他の成形条件は実施例と全
く同様にして得られた射出成形物の表面外観は比較例A
に比較し、多少は改善されたが、実施例との差は明らか
に、悪いものであった。結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 射出成形機の加熱筒内を真空吸引しない場合の比較例
Aおよびカップリング部を大気開放状態でホッパーより
吸引した場合の比較例B−2バレックス1010、および
−2NEW−TPI#450においては、成形品表面のシルバー
現象は、如何に成形サイクルを短縮しても除去できなか
った。
一方、本発明による場合は、射出成形機のスクリュー
カップリング部に真空系を連結して成形機の加熱筒内を
真空吸引すると1成形サイクルにおける時間を大幅に増
大させても、成形品表面へのシルバー発生現象はなく、
加熱筒内に滞留する溶融樹脂の滞留時間を大幅に増加さ
せることが可能となった。
以上により、本発明は易熱分解性の樹脂の射出成形方
法として、工業的に有効な方法であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法の実施において好適に採用される
射出成形機の1例を示す図である。 1……ホッパー、2……加熱筒、 3……スクリュー、4……射出機構部、 5……回転機構部、6……カップリング部 7……真空系、8……真空計、 9……シール部材。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂の溶融射出成形加工におい
    て、スクリューのカップリング部に真空系を連結して成
    形機加熱筒内を真空にすることを特徴とする射出成形加
    工品の製造方法。
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