JP2010105373A - 光学製品の射出成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 未乾燥の樹脂材料を用いても、成形不良の発生しない光学製品の射出成形方法を提供する。
【解決手段】 射出装置12の加熱筒31内を減圧した状態で樹脂材料Mを可塑化し、可塑化した溶融材料M1を成形金型64内に射出して光学製品を成形する光学製品の射出成形方法において、前記加熱筒31内を常時気密状態とするとともに真空ポンプで吸引し、真空度を0.33kPa〜11.33kPaとし、未乾燥の樹脂材料Mの可塑化を行い、可塑化された溶融材料M1を成形金型64内に射出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、射出装置の加熱筒内を減圧した状態で樹脂材料を可塑化し、可塑化した溶融材料を成形金型内に射出して光学製品を成形する光学製品の射出成形方法に関するものである。
導光板、光拡散板、レンズ、および光ディスク等の光学製品は、自然光、照射光、レーザー光、および紫外線等の光線の透過率が低い場合には、製造工程または使用時に強い光線が必要となってしまうことから光線透過率が高い光学製品が望まれている。よって光学製品は、前記光線透過率に優れた、ポリカーボネート、アクリル、環状オレフィン系樹脂等の透明樹脂材料を用いて射出成形(キャビティ内で溶融材料が圧縮される射出圧縮成形を含む)により成形されることが一般的である。ところが射出成形により光学製品を成形する場合には、射出成形機の加熱筒内で樹脂材料を可塑化して溶融する過程や射出してキャビティ内へ注入される過程で樹脂材料が劣化し、光学製品に「焼け」や「黄変」が発生して前記光線透過率が低下してしまうという問題があった。また同様に加熱筒内で樹脂材料を可塑化して溶融する過程や射出してキャビティ内へ注入される過程でガスや水分が発生し、それらが光学製品に混入して銀条(シルバーストリーク)が発生することがあった。
前記の問題を解決しようとしたものとして特許文献1ないし特許文献4に記載されたものが公知である。特許文献1は、導光板用射出成形機に関するものであって、射出装置が可塑化の工程に入ると開閉装置を閉鎖して加熱筒内を気密状態とし、溶融材料から発生するガスを吸引し或る程度の減圧状態とすることが記載されている。そして特許文献1の射出装置は、可塑化の工程が終了すると、前記開閉装置を開放して、再び樹脂を供給するので加熱筒内は大気圧に戻る。しかしこのような機構では成形サイクルの間に加熱筒内の閉鎖と開放を繰り返すので、真空度が十分に上昇する前に溶融材料の計量を行って射出することになり、黄変を防止し、光線透過率の高い光学製品を成形することは不可能であった。また特許文献1では樹脂材料の供給量を調節することが十分に出来ないので、加熱筒内から効率的にガスや水分を吸引することが出来ないものであった。
また特許文献2についても、導光板等のシルバーストリーク対策や樹脂の劣化対策のために、導光板を成形する射出成形機の加熱筒内を回転弁体で気密状態とし、加熱筒内を真空ポンプにより吸引することが記載されている。しかしながら特許文献2の射出装置は、回転弁体を回転する際に少量の空気が加熱筒内に入り込むことから真空度を高真空状態に到達させることが困難であった。従って特許文献2についても、導光板等のシルバーストリーク対策やある程度の変色を抑えることは可能であるが、光線透過率が高い導光板等の光学製品を成形することは不可能であった。また特許文献2では、回転弁体を用いることにより樹脂材料の供給量が調節されずに一度に大量に加熱筒内に供給され、そのまま溶融されることから加熱筒内から効率的にガスや水分を吸引することが出来ないものであった。
更に特許文献3では、導光板の酸化・変色を防止するために、導光板を成形する射出成形機の加熱筒内または前記加熱筒内へ樹脂材料を供給する供給装置内に向けて窒素等の不活性ガスを供給することが記載されている。しかしながら特許文献3のように窒素を加熱筒内に供給して可塑化された溶融材料で成形された導光板は、単に黄変等の変色を一定程度抑えるに留まり、十分な光線透過率が得られていなかった。また導光板の成形はクリーンルーム内で行われるが大量の窒素が用いられることによる環境問題等もあった。更に特許文献3についても樹脂材料の供給量を調節することが十分に出来ないので、加熱筒内から効率的にガスや水分を吸引することが出来ないものであった。
更にまた特許文献4では、加熱シリンダの供給口から不活性ガスを圧送してベント口から吸引した状態で、予備乾燥を省略した樹脂材料の可塑化を行い、計量された樹脂をキャビティ内に充填して板厚0.6〜1.2mm程の情報記録ディスクの成形を行うことが記載されている。しかしながら特許文献4は、加熱シリンダ内に不活性ガスを圧送し、それをベント口から吸引するので、加熱シリンダ内にガスの流れを作ることや僅かに加熱シリンダ内を減圧することは可能であるが、加熱シリンダ内を真空化することは出来ないものであった。従って溶融材料から発生するガスや水分の吸引が完全にできないものであった。また大量の樹脂材料が供給口から調節されずに供給されるため、加熱シリンダ内が樹脂材料で満たされて圧送した不活性ガスや樹脂材料から発生したガスの吸引が著しく制限されるものであった。従って予備乾燥を省略した樹脂を使用した場合には、水分が完全に除去されない状態で可塑化されるので、情報記録ディスクにシルバーストリーク等の不良が発生するという問題があった。
実用新案登録3016781号公報(0001、0010、0011、0013、図1) 特開平9−164527号公報(0005、0008、0009、図1) 特開平8−52763号公報(請求項1、0022、図1) 特開平9−131777号公報(請求項1、0010、0015、図1)
本発明では上記の問題を鑑みて、未乾燥の樹脂材料を用いても、成形不良の発生しない光学製品の射出成形方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の光学製品の射出成形方法は、射出装置の加熱筒内を減圧した状態で樹脂材料を可塑化し、可塑化した溶融材料を成形金型内に射出して光学製品を成形する光学製品の射出成形方法において、前記加熱筒内を常時気密状態とするとともに真空ポンプで吸引し、真空度を0.33kPa〜11.33kPaとし、未乾燥の樹脂材料の可塑化を行い、可塑化された溶融材料を成形金型内に射出することを特徴とする。
本発明の光学製品の射出成形方法は、射出装置の加熱筒内を減圧した状態で樹脂材料を可塑化し、可塑化した溶融材料を成形金型内に射出して光学製品を成形する光学製品の射出成形方法において、加熱筒内の真空度を0.33kPa〜11.33kPaとして未乾燥の樹脂材料の可塑化を行うので、可塑化された溶融材料を成形金型内に射出するので、乾燥装置を別途に設ける必要がなく、乾燥装置の消費電力の節約や乾燥装置へ樹脂材料を出入れする等の乾燥作業を省略することができ、なおかつ光学製品の焼けや黄変、シルバーストリークといった不良を防止した成形品を成形することができる。
本実施形態の光学製品の射出成形方法について、図1ないし図3を参照して説明する。図1は、本実施形態における光学製品の射出成形機の概略説明図である。図2は、本実施形態における光学製品の射出成形機に取付けられるスクリュのフライトの展開図である。図3は、光学製品成形時の射出速度と加熱筒内真空吸引の関係を示す図である。
本実施形態では、光学製品である携帯電話用の導光板(対角寸法3インチ、板厚0.3mm)を、同時に2個を成形する場合について説明する。本実施形態では未乾燥の樹脂材料Mの可塑化を行い、可塑化された溶融材料M1を成形金型64内に射出することを特徴としているので、樹脂材料の予備乾燥を行う乾燥装置は配置されていない。しかしながら未乾燥の樹脂材料Mはなるべく吸湿しない状態で保存することが望ましい。図1に示されるように材料貯蔵タンク13から射出成形機11へは、供給管15が接続されている。そして図示しない圧送機構により未乾燥の樹脂材料Mが、射出装置12に取付けられた樹脂材料供給装置14へ送られる。樹脂材料供給装置14は、上部に材料投入口を有し下部には未乾燥の樹脂材料Mの調整量を調節する供給量調節装置21に連通する開口を有する筒状の供給筒22と、供給筒22の内部空間を開閉自在に区画する上部シャッタ23a、下部シャッタ23b等によって、上部貯留室24、中間貯留室25、および下部貯留室26に分割されている。なお本発明は、前工程での予備乾燥を行わないものであって、射出成形機11の一部である前記上部貯留室24、中間貯留室25、および下部貯留室26をヒータにより加熱して未乾燥の樹脂材料Mの昇温および短時間における乾燥作用を得るものを除外するものではない。
次に射出成形機11の射出装置12について説明する。図1に示されるように射出装置12の供給量調節装置21は、モータ27によって回転駆動されるフィードスクリュ28が搬送筒29の内部に水平方向に配設されている。そして供給量調節装置21は、前記下部貯留室26と搬送筒29の後側上部が接続され、搬送筒29の前側下部は筒部30を介して射出装置12の加熱筒31に接続されている。本発明では前記の供給量調節装置21を用いることにより、加熱筒31内へ未乾燥の樹脂材料Mを調節して供給することができる。加熱筒31は可塑化された溶融材料M1の圧力に耐えるため所定肉厚の円筒部材であり、各ゾーンにはヒータ36と熱電対37がそれぞれ配設され、制御装置38から各ゾーン毎に温度制御可能となっている。前記加熱筒31には、ノズル32のノズル孔32aに連通される内孔39が形成されている。そして加熱筒31の内孔39には前方に逆流防止弁40が設けられたスクリュ42が回転可能かつ前後進可能に配設されている。そして加熱筒31の前部には、シリンダヘッド33が固着され、シリンダヘッド33にはノズル32が固着されている。また加熱筒31の後部における投入口35の周囲には、ハウジング34が固着されている。ハウジング34は温調装置により温調されるが結露を防止するため図示しないヒータも配設されている。
本実施形態においてスクリュ42は、前後のメインフライト16間の溝部17に前記メインフライト16よりも高さが低いサブフライト18が形成されたサブフライトスクリュが用いられており、直径は28mmとなっている。スクリュ42は、前方側から順に、軸部43が大径に形成されメインフライト16の高さが低いメタリングゾーン44、軸部43が前方側に向けてテーパー状に拡径されたコンプレッションゾーン45、軸部43の直径が小径に形成されメインフライト16の高さが高いフィードゾーン46に区分される。そして図1の概略説明図および図2の展開図に示されるように、前記フィードゾーン46におけるメインフライト16の前面16aにはサブフライト18の始端部18aが接続されている。そしてサブフライト18は、溝部17の内部においてサブフライト18の後面18bとメインフライト16の前面16aとの間の溝部17aの幅が前方に向けて徐々に拡大されるとともにサブフライト18の前面18cとメインフライト16の後面16bとの間の溝部17bの幅が徐々に縮小される。そしてコンプレッションゾーン45内においてメインフライト16の後面16bとサブフライト18の終端部18dが接続されている。なお加工上の理由により図2において18e,18fで示されるようにサブフライト18の始端部18aの前方と終端部18dの後方の接続部分は、サブフライト18と同様の高さとしてもよい。
なおサブフライト18の始端部18aの設けられる位置は、フィードゾーン46とコンプレッションゾーン45の境界部であってもよく、コンプレッションゾーン45内であってもよい。このサブフライト18の始端部18aが設けられる位置は、スクリュ42を加熱筒31内に配設した場合、ハウジング34によって熱を奪われない加熱筒31の温度制御ゾーン(最後の温度制御ゾーンを除く)に対応していることが望ましい。またサブフライト18は一部に切欠が設けられたものや、2本のサブフライト18が前方と後方、又は平行して設けられたものでもよい。またサブフライト18の後面18b側に位置するメインフライト16についても、一部にガス抜き用の切欠が設けられたものや、他の部分のメインフライト16の高さよりも低いがサブフライト18よりも高いフライト高さとしたものでもよい。そしてサブフライトタイプのスクリュ42のL/Dは、18〜28程度が望ましい。なおスクリュ42は、ベント式射出装置に用いられるようなフィードゾーンの直径が太くなった後、一旦細くなり再度太くなるようなスクリュであってもよく、サブフライト18の無い一般的なものを用いることも想定される。
またスクリュ42の後方の軸部47は、加熱筒31に設けられたシール部材48により回転自在にシールされている。そして射出装置12には、計量時に未乾燥の樹脂材料Mを可塑化するためにスクリュ42を回転させる計量用サーボモータ49と、計量時に背圧を付与するとともに射出時にスクリュ42を前進させる射出用サーボモータ50が配設されている。
また樹脂材料供給装置14、射出装置12の供給量調節装置21および加熱筒31の各部は図示しないシール部材によりシールされ、加熱筒31内が気密に保たれるようになっている。そして前記供給量調節装置21の搬送筒29の上部に設けられた吸引口51には、管路52が接続され、前記管路52は、開閉バルブ53を介して射出成形機11に隣接して配設された真空装置の真空ポンプ54に接続されている。また中間貯留室25にも管路55が接続され、図示しない開閉バルブを介して前記管路52に接続されている。前記管路52には加熱筒31内の真空度を測定する真空計56が配設されている。なお真空ポンプ54から射出装置12に接続される管路52の吸引口51は、加熱筒31の後部(後端部を含む)、ハウジング34、筒部30を含む供給量調節装置21のいずれかの場所に設けてもよい。
本実施形態で用いられる真空ポンプ54は、ルーツ型4段のドライポンプであり、排気速度は910L/min、到達真空度−101kPa(絶対真空度0.33kPa)の能力を有する。なお真空ポンプ54は回転翼型の油回転ポンプ等を用いてもよい。そして真空ポンプ54の能力に余裕がある場合は、2台以上の射出成形機に接続してもよい。真空度が大気圧基準(ゲージ圧基準)で−90kPa以下(絶対真空度で11.33kPa以下)であれば、望ましいガス吸引効果が得られ、更に望ましくは−95kPa以下(絶対圧基準で6.33kPa以下)であれば、ほぼ最高のガス吸引効果が得られる。また−90kPa(11.33kPa)よりも低真空となると可塑化時のガスや水分の吸引作用が不足する。そしてゲージ圧が−101kPaよりも下回るような高い真空度を得る真空ポンプ54は、コストとの関係でオーバースペックとなる。なお真空ポンプ54の排出側には、サイレンサ57や脱臭装置58が接続され、クリーンルームの外部に配管が接続される。
なお本実施形態では、不活性ガスである窒素の供給装置が配設されておらず、真空ポンプ54を用いて加熱筒31内の可塑化された溶融材料M1から発生した物質を真空吸引するので、クリーンルーム内に大量の窒素が排出されることが無く、環境問題の点でも優れている。また加熱筒31内に不活性ガスを圧送しないので、真空度を上昇させることができる。
一方射出成形機11の型締装置60には、図示しないサーボバルブにより作動される型締シリンダ61が配設されている。なお型締機構は、型締シリンダ61の代わりに電動トグル機構を用いてもよい。そして本実施形態では、型締装置60の固定盤62と可動盤63の間に携帯電話用の導光板を成形するための成形金型64が取付けられている。前記成形金型64は固定金型65と可動金型66とからなり、両者の間には容積が変更可能なキャビティ67,67が形成される。また固定金型65および可動金型66の少なくとも一方のキャビティ形成面には、導光板にパターン面を成形するための転写面が形成されている。なおキャビティ形成面は金属メッキ層(転写面がある場合と無い場合あり)や、スタンパを設けるようにしてもよい。なお本実施形態ではキャビティ内の真空吸引は行っていないが、行うものを除外するものではない。
制御装置38は、前記加熱筒31やノズル32の熱電対37、計量用サーボモータ49や射出用サーボモータ50のロータリエンコーダ、型締装置60の可動盤63の図示しない位置センサ、および型締装置60の図示しない圧力センサ等といった射出成形機11の各所、真空計56、取出装置、および図示しない成形金型の温調装置等から検出信号が入力されるようになっている。また制御装置38からは、供給量調節装置21のモータ27、加熱筒31やノズル32のヒータ、計量用サーボモータ49、射出用サーボモータ50、型締装置60の油圧機構やその各開閉弁等といった射出成形機11の各所、真空ポンプ54、開閉バルブ53等、上部シャッタ23a、下部シャッタ23bの駆動源、開閉バルブ53等、取出装置、および図示しない成形金型の温調装置等に信号が送られるようになっている。
次に光学製品の射出成形方法(射出圧縮成形を含む)について説明する。本実施形態では導光板の射出成形機11による導光板の成形方法について説明する。予備乾燥されていない未乾燥の樹脂材料M(ポリカーボネート樹脂のバージンペレットが一般的である)が、材料貯蔵タンク13から樹脂材料供給装置14の上部貯留室24に供給される。すると加熱筒31内の真空度が低下しないように、まず制御装置38からの信号により上部シャッタ23aを開放し、中間貯留室25に未乾燥の樹脂材料Mを落下させると上部シャッタ23aを閉鎖する。次に図示しない反射式の樹脂量感知センサの検出値やタイマの計時等により下部シャッタ23bを開放し、中間貯留室25の未乾燥の樹脂材料Mを供給量調節装置21に連通する下部貯留室26へ落下させる。従って加熱筒31内は上下のシャッタ23a,23bは同時に開放されることなく、常に気密状態に保たれる(加熱筒31のシール部材48とスクリュ42の軸部47との間等からの僅かなリーク等を除く)。
供給量調節装置21では、モータ27による回転制御により加熱筒31内が常に飢餓状態(加熱筒31の投入口35においてスクリュ42の軸部47の上面以上に未乾燥の樹脂材料Mが充満されない状態)となるようフィードスクリュ28の回転数および/または回転時間を制御して未乾燥の樹脂材料Mを筒部30を介して加熱筒31内に調節して供給する。本実施形態では制御装置38において計量時のスクリュ42の回転数に対して供給量調節装置21のフィードスクリュ28の回転数が演算されモータ27により回転制御されるようになっている。加熱筒31内の未乾燥の樹脂材料Mを飢餓状態とするのは後方からのガス等の吸引を容易にするためと、加熱筒31内での未乾燥の樹脂材料Mの滞留時間を減少させて熱劣化を防止するためである。しかしながら計量完了位置や成形品の重量ばらつきをより安定させたい場合は、完全な飢餓状態とせずにガス等の吸引の通路が確保される程度で未乾燥の樹脂材料Mの供給量を増やすようにしてもよい。
加熱筒31の温度は、最も温度が高い前部ゾーンが340℃〜380℃、ハウジング34に近い後部ゾーンが280℃〜330℃となるように制御装置38によりPID制御されている。特に前部ゾーンについては、現在の一般的に使用されるポリカーボネート樹脂ではこれ以上高い温度とすると樹脂材料の熱分解が進行して成形された導光板において焼けや黄変が発生する。真空装置の真空ポンプ54の能力は前記のように0.33kPaまで到達可能であるが、実質的には加熱筒31内の真空度は、僅かなリークがあり大気圧基準(ゲージ圧基準)で−98kPa、絶対圧基準で3.33kPa程度となっている。なお前記加熱筒31内の真空度は、−90kPa(11.33kPa)〜−101kPa(0.33kPa)として可塑化することが望ましく、更には−95kPa(6.33kPa)〜−101kPa(0.33kPa)として可塑化することがより一層望ましい。真空ポンプ54は、原則として成形中に停止されることなく連続作動される。なお本発明は、前記真空度を達成可能なものであれば、窒素ガス等の不活性ガスを射出装置12の加熱筒31内またはその前工程に微量投入するものを完全に除外するものではない。
そして前記のように真空ポンプ54で吸引(減圧した状態)されている加熱筒31内のスクリュ42のフライト間に供給された未乾燥の樹脂材料Mは、計量開始とともに計量用サーボモータ49の駆動によるスクリュ回転によって加熱筒31の前方へ送られる。計量時のスクリュ回転数は200r.p.m.〜400r.p.m.と高回転であることがより望ましく、背圧は0.5MPa〜3MPaと低めであることがより望ましい。そして未乾燥の樹脂材料Mは、前記条件によるスクリュ回転時のスクリュ42と加熱筒31の内孔39の間におけるせん断発熱と、ヒータ36によって加熱された加熱筒31から加えられる熱とによって可塑化が行われる。より具体的にはサブフライト18の分岐される付近から未乾燥の樹脂材料Mは溶融開始されるように温度コントロールがなされている。そしてサブフライト18の前面18cとメインフライト16の後面16bとの間の溝部17bを未溶融の樹脂材料Mは前方に送られる。その際未溶融の樹脂材料Mは、サブフライト18の前面18c側に沿って滞留され、加熱筒31の内孔39の側から僅かづつ溶融が進行する。そして前記未溶融の樹脂材料Mのうち可塑化された溶融材料M1(不完全な溶融状態のものを含む場合あり)がサブフライト18を超えてサブフライト18の後面18bとメインフライト16の前面16aとの間の溝部17aへ移動される。
従って溝部17bには未溶融の樹脂材料Mが存在し、特にメインフライト16の後面16b側には隙間があるので、真空ポンプ54によって後方から加熱筒31内を真空吸引した際、未乾燥の樹脂材料Mや可塑化された溶融材料M1に邪魔されることなくガスや水分を効率的に吸引除去することができる。また可塑化された溶融材料M1は、サブフライト18の後面18bとメインフライト16の前面16aとの間の溝部17aに蓄積されるが、メインフライト16と加熱筒31の内孔39の間にはガス等が流通する隙間は存在するので、可塑化された溶融材料M1から発生したガス等は、メインフライト16を乗越えて先ほどの溝部17bの隙間を介して後方に吸引される。なおメインフライト16に切欠等を設けてより積極的にガス等を吸引可能としてもよい点は上記した通りである。また別の形状のスクリュにおいてもフライト間に溶融材料が完全に充満されるのではなく、吸引口51に向けてガス抜きの通路が連通されるものが望ましい。また加熱筒31の中間よりも後方部分(スクリュ42のフィードゾーン46に対応する部分)から未乾燥の樹脂材料Mの溶融が開始されるものが望ましい。
そして計量の進行とともにスクリュ42が回転しながら後退して、スクリュ42の前方に可塑化され溶融された溶融材料M1(1回の成形分+クッション量)が貯留される。計量時にノズル32の先端は固定金型65に常時当接され、加熱筒31内の前方側の気密が保たれている。なお溶融された溶融材料M1から除去された物質は、図示しないフィルタにより固形分が捕集された上で真空ポンプ54へ送られ、その後ガスは脱臭装置58で脱臭された上でクリーンルーム外に放出される。
次に射出用サーボモータ50の駆動により、スクリュ前方の可塑化された溶融材料M1がノズル32のノズル孔32aおよび型閉めされた成形金型64のスプルを介して同じく成形金型64のキャビティ67,67内に射出充填される。この際の射出速度は成形される導光板の大きさと板厚の関係によって決定されるが、本実施形態では360mm/secとなっている。なお射出速度については導光板の対角寸法に対して板厚が薄くなるほど超高速が求められる。しかし本実施形態では射出圧縮成形(射出プレス成形)により、キャビティ67を広げた状態から射出ができるので射出速度を比較的低く中速とすることができる。射出速度は導光板の対角寸法を板厚で除算したものに8〜25を乗算した値(単位はmm/sec)であって、800mm/secより低い速度である中速射出が望ましく、例えば800mm/sec以上の超高速射出は望ましくない。
何故なら図3にも示されるように、800mm/sec以上の超高速射出では、射出時に溶融材料が流路との間で高摩擦状態となって異常発熱されることに加え、超高速射出により溶融材料が送込まれることにより、ノズル、スプル、ランナ、およびキャビティ内の空気(酸素)が逃げ場を失って、急激に圧縮されて高温となり、前記溶融材料に焼けが生じるからである。しかしながら従来の導光板成形では、キャビティ容積が変更されない成形金型を用いて通常の射出成形が行われていたので、導光板の対角寸法を板厚で除算した値が15以上である薄肉導光板(一例として対角寸法3インチで板厚0.2mm〜0.4mmの導光板や、対角寸法7インチで板厚0.5〜1.0mmの導光板等)は、射出速度が800mm/sec以上の超高速射出を行うことが必須であった。また前記焼けの問題は、成形金型のキャビティ内を真空吸引しておくことによりある程度解決可能であるが、キャビティ内を真空吸引すると、今度はキャビティ内で溶融材料から発生するガスや水蒸気がシルバーストリーク等の不良を引き起こすという問題があった。そしてまた加熱筒内を大気圧の状態、または不活性ガスを充填した状態で可塑化したものでは、射出速度の程度に拘わらず、シルバーストリークや黄変が発生し、超高速射出を行うとシルバーストリークと黄変に加えて焼けの不良も発生する。一方加熱筒内を真空吸引するとともに前記の中速射出を行ったものでは、焼け、黄変、およびシルバーストリークともに良好な結果を示した。
なお前記において超高速射出を行う場合、射出装置が大型化し大容量のサーボモータやアキュームレータを必要とするので装置コストが高額化するという問題や、射出成形機や成形金型の消耗が激しくメンテナンスコストがかかるという問題もある。また成形金型のキャビティ内を真空吸引する場合についても装置コストとメンテナンスコストが別途に発生するという問題がある。
キャビティ67,67内の可塑化された溶融材料M1は、型締装置60の型締シリンダ61の高速昇圧作動により急速に圧縮されて射出圧縮成形がなされる。そして前記成形金型64のキャビティ形成面の転写面により導光板に良好な転写が行われる。導光板の成形金型64は、図示しない温調装置から成形金型64内の冷却流路に送られる冷却媒体により冷却がされており、導光板の冷却が進行すると可動金型66が型開きされ、取出装置により取り出され、次の冷却工程へ送られる。なお本実施形態では、携帯電話用の導光板の成形サイクルは、3.0〜4.5秒で行われ、未乾燥の樹脂材料Mが高温状態で熱分解される時間を短縮することがより望ましい。
導光板の成形に用いられる樹脂は、前記のポリカーボネートが最も未乾燥状態からの成形に適するが、アクリルの他、環状オレフィン系樹脂等を用いてもよい。環状オレフィン系の樹脂としてはアートン、アペル、ゼオノア(それぞれ登録商標)等があげられ、中でも高流動性グレードの透明樹脂が選択される。またスプル等の再生樹脂をそのまま利用するものでもよい。そして真空状態の加熱筒31内で可塑化された溶融材料M1を用いて前記のような中速射出でキャビティ67内に溶融材料M1が射出され、キャビティ内で型締装置60により圧縮がなされ導光板の成形がなされる。
本発明で成形される導光板は、対角寸法が20インチ以上の大型導光板を含み、サイズは限定されない。また板厚が厚い部分と薄い部分がある場合も含まれ、その場合は薄い部分によって薄肉導光板であるかが定義される。更に光学製品としては、拡散板やレンズ、光ディスクのディスク基板等でもよい。ディスク基板については全てに適用可能であるが、DVD用(登録商標)のダミーディスク基板や、ブルーレイディスク用(登録商標)のディスク基板は、ディスク基板内にレーザー光を透光させて信号を読取らないのでより一層本発明に適する。
本発明で成形される射出成形機は、次のようなものでもよい。射出装置12の供給量調節装置21は、フィードスクリュ28が取付けられたもの以外にも、シャッタ動作によって樹脂供給量を調節するものや、通路の断面積を絞って樹脂供給量を調節するものでもよい。また射出装置については、スクリュによって可塑化された溶融材料を別のプランジャ装置に送り、プランジャ装置から成形金型内に射出するものでもよい。更に成形金型については、インロー構造の成形金型であって射出圧縮成形(射出プレスを含む)が可能なものでもよい。
本発明については、一々列挙はしないが、上記した本実施形態のものに限定されず、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものについても、適用されることは言うまでもないことである。
本実施形態における光学製品の射出成形機の概略説明図である。 本実施形態における光学製品の射出成形機に取付けられるスクリュのフライトの展開図である。 光学製品成形時の射出速度と加熱筒内真空吸引の関係を示す図である。
符号の説明
11 射出成形機
12 射出装置
14 樹脂材料供給装置
16 メインフライト
17,17a,17b 溝部
18 サブフライト
21 供給量調節装置
31 加熱筒
42 スクリュ
54 真空ポンプ
M 未乾燥の樹脂材料
M1 可塑化された溶融材料

Claims (5)

  1. 射出装置の加熱筒内を減圧した状態で樹脂材料を可塑化し、可塑化した溶融材料を成形金型内に射出して光学製品を成形する光学製品の射出成形方法において、
    前記加熱筒内を常時気密状態とするとともに真空ポンプで吸引し、真空度を0.33kPa〜11.33kPaとし、未乾燥の樹脂材料の可塑化を行い、可塑化された溶融材料を成形金型内に射出することを特徴とする光学製品の射出成形方法。
  2. 前記加熱筒内へは不活性ガスの投入を行わないことを特徴とする請求項1に記載の光学製品の射出成形方法。
  3. 前記射出装置の加熱筒に設けられた供給量調節装置により、加熱筒内に供給する樹脂材料の供給量を調節して供給することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学製品の射出成形方法。
  4. 型締装置により成形金型のキャビティ内に射出された溶融材料を圧縮することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の光学製品の射出成形方法。
  5. 前記光学製品は、薄肉導光板であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の光学製品の射出成形方法。
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