JP2788276B2 - 車両用故障診断装置及び診断方法 - Google Patents

車両用故障診断装置及び診断方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車両の各所に配設された制御ユニットを用い
て各種機能の故障診断を行う車両用故障診断装置に関す
る。
(従来技術) 自動車の電子制御化に伴い、車両の各所に自動車の種
々の機能の制御を行う制御ユニットを配設し、これら制
御ユニット間を信号線で結んで情報の送受を行って全体
的な制御を行う車両用信号伝送システムが実現されてお
り、特に信号線数の肥大化を防ぐ目的で信号線として一
本の多重伝送路を用いた自動車用多重伝送システムが知
られている。
かかる信号伝送システムを用いて故障診断装置を提供
することが可能であり、この故障診断装置では、各制御
ユニットは各自の機能の故障診断を行う自己診断機能を
有しており、必要に応じて適宜、各制御ユニットの自己
診断結果を表示装置に表示させて故障発生に迅速かつ的
確に対処できるようにしている。
この故障診断装置においては、各制御ユニットの動作
を全体的に管理する管理ユニットを設け、この管理ユニ
ットにより故障診断の全体的制御を行っている。故障診
断の起動は、例えば空調機器の「AUTO」と「OFF」の操
作スイッチを同時に押す、あるいはカーコミュニケーシ
ョンシステムの「ナビゲーション」と「テレビ」の操作
スイッチを同時に押すなど、ユーザーが通常にはとり得
ないような特定の操作の組合せを行うことにより実行さ
れるようになっており、それにより故障診断に熟知しな
い者によって無やみに故障診断機能が起動されないよう
にしている。
これらの特定の操作の組合せが行われたことは管理ユ
ニットが検知し、それにより管理ユニットが故障診断を
起動させるものであるが、そのためには前述の例では空
調機器の制御を司る制御ユニットから空調機器の「AUT
O」と「OFF」の指定信号を多重系伝送路を介して管理ユ
ニットに転送する必要がある。
なお、故障診断機能を起動させる方法としては、この
他に、例えば特開昭61−123996号公報に開示されている
ような、運転制御スイッチにて故障診断モードに移行で
きるようにしたものもある。
(発明が解決しようとする課題) 従来の故障診断の起動方式では、特定の操作の組合せ
信号を制御ユニットから管理ユニットに多重伝送路を介
して多重信号により転送する必要があるが、この場合、
多重通信系の回路に故障が生じていると、故障診断装置
を起動できないことになる。また故障診断の起動が不可
である場合、障害が制御ユニット、管理ユニット、表示
装置、あるいは多重伝送路等の何れにあるのかその特定
が困難である。
したがって本発明の目的は、多重信号系の故障診断起
動回路に障害が生じた場合にも、故障診断の起動が不可
となる確率を下げ、かつ起動不可の原因がどの箇所にあ
るのかの特定を容易にすることにある。
(課題を解決するための手段および作用) 本発明に係る車両用故障診断装置は、車両の各所に配
設された複数の制御ユニットであってそれぞれ故障の自
己診断機能を有するものと、これら制御ユニットの動作
を管理し故障診断の全体的制御を行う管理ユニットと、
これら制御ユニットと管理ユニット間を接続して多重通
信により情報の送受を行うための多重系伝送路とを備え
た車両用故障診断装置において、管理ユニットに非多重
系伝送路を介して非多重系の故障診断起動指令を入力す
る非多重系故障診断起動回路が設けられており、管理ユ
ニットは、制御ユニットから多重系伝送路を介して送ら
れた起動指令を少なくとも含む多重系の故障診断起動指
令に基づいて故障診断の全体的制御を起動するように構
成されるとともに、非多重系故障診断起動回路から入力
された非多重系の故障診断起動指令に基づいても故障診
断の全体的制御を起動するように構成されたものであ
る。
この車両用故障診断装置を用いて、まず多重系系の故
障診断起動指令に基づいて管理ユニットの故障診断の全
体的制御を起動させるが、この多重系の故障診断起動指
令に基づいては故障診断の全体的制御の起動が不能であ
ったときには、非多重系故障診断起動回路からの非多重
系の故障診断起動指令に基づいて管理ユニットの故障診
断の全体的制御を起動させてみる。これにより、故障診
断の全体的制御が起動不能となる確率を下げることがで
きる。また、非多重系の故障診断起動指令により起動が
可能であれば、例えば管理ユニットは正常で多重系の故
障診断起動関係に故障がある可能性が高く、非多重系の
故障診断起動指令でも起動不能であれば管理ユニットに
故障がある可能性が高いなど、車両の故障診断をおおか
た特定することができる。
上記の多重系の故障診断起動指令および非多重系の故
障診断起動指令のうちの少なくとも一方は、ユーザが通
常には同時にとり得ないような特定の操作の組合せ、例
えば、制御ユニットからの指導指令は空調機器操作用の
自動設定信号と電源切信号の組合せ、非多重系の故障診
断起動指令はアウタードアハンドルスイッチ信号とイグ
ニッションスイッチのオン状態との組合せなどとするこ
とができる。さらに、多重系の故障診断起動指令につい
ては、制御ユニットからの起動指令と多重系伝送路を介
さない特定操作の操作信号(例えばイグニッションスイ
ッチのオン信号)との組合せとすることもできる。
このような通常では同時に操作されない二以上の操作
を同時に行うことによって故障診断起動指令を発するこ
とで、一般ユーザによって無やみに故障診断の全体的制
御が起動されることを防止できる。
上述の故障診断装置は、さらに、多重系伝送路に接続
された表示装置を備え、管理ユニットは故障診断の全体
的制御が起動されたときにはその旨を表示装置に通知し
て表示装置により故障診断のモードになったことを表示
するように構成できる。
この車両用故障診断装置を用いれば、多重系の故障診
断起動指令と非多重系の故障診断起動指令のいずれに基
づいても管理ユニットの故障診断の全体的制御が起動さ
れないときに、多重系の故障診断起動指令を送信した制
御ユニットから表示装置に対して表示信号を送信してそ
の表示を行わせてみる。表示が可能であれば、多重系の
故障診断起動指令を伝送する系には故障がなく管理ユニ
ットに故障がある可能性が高く、表示が不能であれば制
御ユニット、管理ユニットまたは多重系伝送路に障害が
ある可能性が高いなど、車両の故障箇所をおおかた特定
することができる。
(実施例) 以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明にかかる一実施例としての車両用故障
診断装置を示すブロック図である。この実施例において
は、車両用故障診断装置は、車両の各所に配設された制
御ユニット(ノード)を多重伝送路により結合して全体
的制御を行う多重伝送システム上に実現されている。こ
の多重伝送システムはバス形態の分散型自動車用LANで
あり、各ユニットに送信すべきメッセージがあるときの
み伝送路の使用権を割り付ける非同期時分割多重(ある
いはパケット多重)を採用しており、アクセス制御方式
(多重方式)としてはCSMA/CD方式を採用している。
図において、1はエンジン制御ユニット、2は自動変
速制御ユニット、3は故障診断結果を表示する表示器31
を含む各種メータ類を収容し制御するメータ制御ユニッ
トであり、表示器31は3桁の7セグメント表示部からな
る。4はステアリングパッド上に設けられた電話機、オ
ーディオ機器、空調機器等の操作スイッチ等からの信号
を処理するステアリングスイッチ制御ユニット、5は空
調機器制御ユニットである。
6は空調機器の操作スイッチと表示の制御を行う空調
スイッチ制御ユニットである。後述するように、この空
調スイッチ制御ユニット6に収容されているスイッチは
その組合せにより多重系の故障診断起動信号として用い
られる。7はナビゲーションシステムを主体に、テレ
ビ、オーディオ、空調等のスイッチ操作・表示処理等を
制御するためのカーコミュニケーションシステム(CC
S)制御ユニットであり、これらのスイッチもその組合
せにより多重系の故障診断起動信号を発生することがで
きる。
8は自動車電話の番号をCCSメータに表示させるため
に、あるいはステアリングスイッチの操作信号を受信す
るための信号処理アダプタとしての電話制御ユニットで
ある。
9は左あるいは右のカウルサイド等のハーネスの結合
点に置かれてエンジン制御ユニット1と自動変速機制御
ユニット2を非多重伝送路を介して収容しているジョイ
ントボックス(J/B)制御ユニットである。J/B制御ユニ
ット9にはアウタードアハンドルスイッチ12が非多重伝
送路11を介して接続されており、このドアハンドルスイ
ッチ12のON/OFF信号が非多重系の故障診断起動信号とし
てI/Oインタフェース91を介してJ/B制御ユニット9内に
入力されるようになっている。非多重系伝送路11はJ/B
制御ユニット9に対する専用の信号線からなり、非多重
のスイッチのON/OFF信号が伝送されるものである。
このJ/B制御ユニット9は通常はイルミタイマなどタ
イマ制御を主体とした制御を行うが、故障診断時には、
診断の移動/停止の判定およびその指示を多重系ユニッ
ト3〜9に対して行い、また非多重系ユニット1、2の
故障コードを解読して表示データとして多重信号に変換
し、さらに非多重系の故障診断起動信号の処理を行うな
ど、システム全体の管理を行う管理ユニットとしての役
割を兼ね備える。
これらの各ユニット3〜9はツイストペア線からなる
多重伝送路としてのバス10によって相互接続されてお
り、ユニット相互間ではコンテンション方式による非同
期時分割多重通信が行われている。
各ユニット1〜9はそれぞれ故障の自己診断機能を有
しており、所定の手順に基づき自局に収容する各種機器
が正常か否かを診断して、その診断結果を各ユニットが
持つメモリに保持する。なお、制御ユニット1と2につ
いては、これらの診断結果データは管理ユニット9に送
られて保持されるようになっている。また各ユニット1
〜9にはユニット番号1〜9がそれぞれ割り付けられて
いる。
各ユニット3〜9の基本的な構成が第2図に示され
る。図示の毎く、各ユニットに固有の種々の処理の制御
を行うためにCPU21、このCPU21とバス10とのインタフェ
ースとなる多重伝送制御部としての多重I/Fモジュール2
2、当該ノードに収容される各種機器類とCPU21とのイン
タフェースとなる入出力インタフェース23、およびコネ
クタ24などを含み構成されている。
上述の多重I/Fモジュール22の基本的な構成が第3図
に示される。この多重I/Fモジュール22は多重LSI221、
バスI/F回路222、発振器223等を含み構成される。多重L
SI221はバス10上のシリアル信号をCPU内部バス上のパラ
レル信号に変換する直並列変換機能、その逆の変換を行
う並直列変換機能、バス10上での送信フレームの衝突を
検出して送信タイミングを制御する衝突検出機能、バス
10に対するデータの送受信を制御する送受信機能などの
各種の機能を備える。バスI/F回路222は多重バス10に対
して信号を送出するドライバと多重バス10から信号を受
信するレシーバ等からなる。発振器223は動作クロック
を発生するためのものである。
ユニット3〜9間で受信されるメッセージのフレーム
フォーマットが第4図に示される。このメッセージは、
メッセージ開始符号SOM、メッセージプライオリティM
P、ネットワーク識別コードNID、データ領域DF、エラー
チェック符号ER、データ終了符号EOD、ネットワーク制
御用肯定応答(ANC:Acknowledgement for Network Cont
rol)領域、メッセージ終了符号EOMからなる。
メッセージ開始符号SOMはメッセージの始まりを表す
2ビットの符号である。メッセージプライオリティMPは
4ビットでそのメッセージの優先順位を表す。ネットワ
ーク識別コードNIDは4ビットのネットワーク識別コー
ドである。
データ識別コードDIDは次に続くデータ領域DEの内容
を識別するための8ビットのコードであり、受信側のユ
ニットがバス10上のメッセージを自由に取捨選択できる
ようにする(すなわちアドレスフリーとする)ものであ
る。受信側のユニットではこのデータ識別コードDIDを
チェックして、そのメッセージが自ユニットに必要であ
るか不要であるかを判定し、必要であればそのメッセー
ジを取り込む。
データ領域DFは4バイトの固定長であり、有効/無効
指定コードV/IとデータDTとからなる。有効/無効指定
コードV/Iはデータ領域DFの下位2バイトのデータDTの
有効/無効をビット毎に指定するためのものである。デ
ータDTはメッセージの値によって有効/無効指定コード
V/Iを用いる場合は2バイト、用いない場合は4バイト
のデータフィールドとなる。エラーチェック符号ERは8
ビットのCRCによるエラーチェックを行うコードであ
る。データ終了符号EODはCRCコードを含むデータの終了
を表す。
肯定応答領域ANCはネットワークに接続される全ての
ユニットの受信応答信号返送領域であり、この領域は第
5図に示されるように複数のタイムスロット(各々1ビ
ット)に分割されて各タイムスロットがネットワークの
各ユニットにそれぞれ割り当てられている。各ユニット
はメッセージを正常に受信すると、当該メッセージ中の
肯定応答領域ANCの自局に割り当てられたタイムスロッ
トの位置で1ビットの肯定応答ACKをバス10に出力す
る。
以下、実施例装置の動作を、図面を参照しつつ説明す
る。
第6図は故障診断装置の起動不可時における故障発生
箇所の特定を行うための手順を示す流れ図であり、第7
図は故障診断起動時における各信号のタイムチャートで
ある。
正常時においては、故障診断を起動させるためには、
イグニッションスイッチをアクセサリー位置ACCからイ
グニッションON位置IG1にした後に再びアクセサリー位
置ACCに戻し、この間に、空調制御ユニット6の空調機
器の「AUTO」と「OFF」の操作スイッチを同時にON状態
とするか、あるいはCCS制御ユニット7のナビゲーショ
ン操作スイッチ「NAVI」とテレビ操作スイッチ「TV」を
同時にON状態にする。なお、イグニッションスイッチの
位置情報は多重伝送路10を介することなく直接にJ/B制
御ユニット9に送られるようになっている。
これにより空調制御ユニット6またはCCS制御ユニッ
ト7からはそれぞれの操作スイッチON情報が多重伝送路
10を介してJ/B制御ユニット9に送られる。J/B制御ユニ
ット9はこれら受信した操作スイチON情報を解析し、そ
れが故障診断起動条件として予め定められた特定の組合
せである場合、すなわち、上述の例では「AUTO」と「OF
F」がON状態で、かつイグニッションスイッチがON位置I
GIである場合には、故障診断用のプログラムを起動し、
故障診断モードに入る。この場合、操作確認のためのブ
ザーを次の要領で鳴らす。
すなわち、イグニッションスイッチがイグニッション
ON位置IG1で、空調制御ユニット6から「AUTO」と「OF
F」信号、あるいはCCS制御ユニット7から「NAVI」と
「TV」信号を受信したことを確認して1秒経過した時、
約500msecのブザー音を1回だけ“ピッ”と鳴らす。
また故障診断モードに入った後、1秒経過したときに
は、約500msecのブザー音を250msec間隔に4回、“ピ
ッ,ピッ,ピッ,ピッ”と鳴らす。この場合、表示制御
ユニット3に信号を送って表示器31上に第8図図示の如
くの表示をして故障診断モードに入ったことを視覚表示
する。
以上のようにして、多重系の信号により故障診断が起
動されたか否かブザー音あるいは表示器上の表示により
判定し(ステップS2)、診断起動されたものであれば、
以降は故障診断モードに入って各種の故障診断を行う
(ステップS6)。
一方、多重信号により故障診断が起動されなかった場
合には、下記の要領にて非多重系の故障診断回路を用い
て起動が可能であるか調べつつ、多重系起動回路の故障
箇所を大方特定することができる。
すなわち、イグニッションスイッチをイグニッション
ON位置IG1に回しつつ、アウタードアハンドルスイッチ
をONにし、このON信号を非多重系伝送路11を介してJ/B
制御ユニット9に送る。この特定の組合せによる非多重
信号により故障診断起動がかけられたか否かをブザー音
あるいは表示状態で判定する(ステップS3)。
これでも依然として起動がかけられない場合には、J/
B制御ユニット9に故障が生じている可能性が高いと判
断することができる(ステップS8)。
また、他の箇所、例えば表示器31または起動信号送信
側の制御ユニット6、7に故障があるか否かのチェック
は次の要領で行うことができる。すなわち表示器31に故
障診断モード表示が行われるかをチェックし(ステップ
S4)、表示が行われない場合には、多重信号送信側の制
御ユニット6、7から表示制御ユニット3に何らかの表
示信号を多重送信により送ってみて、それに対応する表
示が表示器上に正常になされるか否かを判定する(ステ
ップS5)。正常に表示されればJ/B制御ユニット9の故
障の可能性が高い(ステップS8)。正常に表示されなけ
れば表示器31、送信側制御ユニット6、7あるいは多重
伝送路10に故障が生じている可能性が高い(ステップS
7)。
以上の操作により故障箇所が大方特定できたならばそ
のユニットを調べて修理すればよい(ステップS9)。
以上の実施例では、本発明の車両用故障診断装置をバ
ス形態を用いた多重伝送システム上に実現した場合につ
いて説明したが、これに限らず、例えばリング形態のネ
ットワーク上に実現することも可能であり、またアクセ
ス制御方式としてもCSMA/CD方式に限らずトークンアク
セス方式等種々の方式が可能である。
(発明の効果) 本発明によれば、多重信号系の故障診断起動回路に障
害が生じた場合にも、故障診断の起動が不可能となる確
率を下げることができ、同時に起動不可の原因がどの箇
所にあるのかの特定が容易になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例としての車両用故障診断装置
を示すブロック図、 第2図は実施例における多重ノードの基本的構成を示す
ブロック図、 第3図は第2図のノードにおける多重I/Fモジュールの
基本的構成を示すブロック図、 第4図はメッセージのフレーム・フォーマットを示す
図、 第5図は第4図フォーマットの肯定応答領域ANCを説明
する図、 第6図は実施例における故障箇所特定のための処理手順
を示す流れ図、 第7図は実施例における信号のタイミングチャート、お
よび、 第8図は故障診断モードの表示態様を示す図である。 1:エンジン制御ユニット 2:自動変速機制御ユニット 3:メータ制御ユニット 4:ステアリングスイッチ制御ユニット 5:空調機器制御ユニット 6:空調スイッチ制御ユニット 7:CCS制御ユニット 8:電話制御ユニット 9:ジョイントボックス制御ユニット 10:バス 31:表示器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 檜物 雄作 神奈川県平塚市東八幡5丁目1番9号 古河電気工業株式会社平塚電線製造所内 (72)発明者 道平 修 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01M 17/00 - 17/10 B60R 16/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の各所に配設された複数の制御ユニッ
    トであってそれぞれ故障の自己診断機能を有するもの
    と、これら制御ユニットの動作を管理し故障診断の全体
    的制御を行う管理ユニットと、これら制御ユニットと管
    理ユニット間を接続して多重通信により情報の送受を行
    うための多重系伝送路とを備えた車両用故障診断装置に
    おいて、 該管理ユニットに非多重系伝送路を介して非多重系の故
    障診断起動指令を入力する非多重系故障診断起動回路が
    設けられており、 該管理ユニットは、該制御ユニットから多重系伝送路を
    介して送られた起動指令を少なくとも含む多重系の故障
    診断起動指令に基づいて故障診断の全体的制御を起動す
    るように構成されるとともに、該非多重系故障診断起動
    回路から入力された非多重系の故障診断起動指令に基づ
    いても故障診断の全体的制御を起動するように構成され
    た車両用故障診断装置。
  2. 【請求項2】該多重系の故障診断起動指令および該非多
    重系の故障診断起動指令のうちの少なくとも一方は、ユ
    ーザが通常には同時にとり得ないような特定の操作の組
    合せであることを特徴とする請求項1記載の車両用故障
    診断装置。
  3. 【請求項3】多重系の故障診断起動指令は、制御ユニッ
    トからの起動指令と多重系伝送路を介さない特定操作の
    操作信号との組合せである請求項1または2記載の車両
    用故障診断装置。
  4. 【請求項4】該多重系伝送路に接続された表示装置を備
    え、 該管理ユニットは故障診断の全体的制御が起動されたと
    きにはその旨を該表示装置に通知して該表示装置により
    故障診断のモードになったことを表示するようにした請
    求項1〜3のいずれかに記載の車両用故障診断装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の車両用故
    障診断装置を用い、まず該多重系の故障診断起動指令に
    基づいて該管理ユニットの故障診断の全体的制御を起動
    させ、この多重系の故障診断起動指令に基づいては該故
    障診断の全体的制御の起動が不能であったときには、該
    非多重系故障診断起動回路からの非多重系の故障診断起
    動指令に基づいて該管理ユニットの故障診断の全体的制
    御を起動させるようにして、車両の故障箇所を特定する
    車両の故障診断方法。
  6. 【請求項6】請求項4記載の車両用故障診断装置を用
    い、まず該多重系の故障診断起動指令に基づいて該管理
    ユニットの故障診断の全体的制御を起動させ、この多重
    系の故障診断起動指令に基づいては該故障診断の全体的
    制御の起動が不能であったときには、該非多重系故障診
    断起動回路からの非多重系の故障診断起動指令に基づい
    て該管理ユニットの故障診断の全体的制御を起動させ、
    この非多重系の故障診断起動指令に基づいても該故障診
    断の全体的制御の起動が不能であったときには、該故障
    診断起動指令を送信した制御ユニットから該表示装置に
    対して表示信号を送信してその表示を行わせることで、
    車両の故障箇所を特定する車両の故障診断方法。
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